JP2007025505A - ミラー及びこれを用いた画像表示装置用ミラーデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイズを大きくしても平坦性を確保することができ、しかも質量を低減させて高速動作を実現し得るミラーを、提供する。
【解決手段】 ミラー1は、脚部2を介して支持基体3に固定され、脚部2を介して空中に位置するように支持される。ミラー1は、その全体の領域が、一方側から順に積層されたAl層11、SiN層12及びAl層13の3層からなる膜で、平板状に構成される。脚部2は、ミラー1を構成するAl層11、SiN層12及びAl層13がそのまま連続して延在することにより、構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、膜で構成されたミラー及びこれを用いた画像表示装置用ミラーデバイスに関するものである。
ミラーを必要とするMEMS素子等のデバイスの例として、DMD(Digital Mirror Device)などの画像表示装置用ミラーデバイス(下記特許文献1等)、光通信で用いられる光スイッチ、読み出し光を照射して使用する赤外線センサなどの放射検出装置(下記特許文献2,3等)などが知られている。これらのアプリケーションでミラーに求められる性能としては、平坦性が良いこと、ミラーサイズの自由度が高いこと、及び、質量が小さくて高速に動作できることなどが挙げられる。
ここで、前述したようなデバイスで用いられている従来のミラーのいくつかの例について、説明する。
下記特許文献1の図2乃至図6には、膜で構成された複数の可動ミラーを備えた画像表示装置用ミラーデバイスが、開示されている。このミラー(特許文献1では、「方形トーション・ビーム反射表面」、「ビーム」などと称されている。)は、単層の膜で単に平板として構成され、脚部(特許文献1では、「ビーム支持ポスト」と称されている。)を介して支持基体としてのトーション・ヒンジに固定されて、脚部を介して空中に支持されている。前記脚部は、前記ミラーを構成する単層の材料がそのまま連続して延在することにより、構成されている。そして、前記脚部は中空構造を有している。これにより、前記ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域は、凹部をなしている。
下記特許文献2,3には、膜で構成された読み出し光反射用のミラーを備えた赤外線センサなどの放射検出装置が、開示されている。
特許文献2に開示されたミラーは、単層又は複数層の膜からなる平面部を有し、該平面部が空中に位置するように脚部を介して支持されたものであり、前記平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下がり部が形成されたものである。
特許文献3に開示されたミラーは、脚部を介して空中に位置するように支持された平板状部を備えたものであり、前記平板状部は、単層又は複数層の膜からなる平面部と、該平面部に混在するように形成され前記平面部の表面側又は裏面側に突出した凸条部とを有するものである。
なお、特許文献2,3に開示されたいずれのミラーについても、前記脚部は、前記ミラーを構成する層の材料がそのまま連続して延在することにより、構成されている。そして、前記脚部は中空構造を有している。これにより、前記ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域は、凹部をなしている。
特開平5−196880号公報 特開2000−326299号公報 特開2002−148120号公報
しかしながら、特許文献1に開示された前記ミラーでは、単層の膜で単に平板として構成されているので、その膜の機械的性質により反りを生じ易く、サイズを大きくすると、平坦性を確保することが難しい。また、特許文献1に開示された前記ミラーでは、平坦性を確保するために、単層膜とは言え、膜厚を厚くしなければならない。このため、ミラーの質量が大きくなってしまい、十分な高速動作を実現することは困難である。
特許文献2,3に開示された前記ミラーでは、平面部の周辺部分の立ち上がり部又は立ち下がり部や平面部に混在した凸条部によって、補強されるため、特許文献1に開示された前記ミラーに比べると、サイズを大きくしても比較的平坦性を確保し易い。しかし、ミラーを単層膜で構成した場合、サイズを大きくしても十分な平坦性を確保するためには、やはり、膜厚を比較的厚くしなければならず(例えば、1μm程度にしなければならず)、ミラーの質量が大きくなってしまい、十分な高速動作を実現することは困難である。また、ミラーを複数層からなる膜で構成した場合、層数や各層の材料の位置関係等に特別な配慮がされていないので、当該ミラーは、各層の膜の膨張係数の差によって温度変化により変形しようとする。このような変形を、立ち上がり部又は立ち下がり部や凸条部によって十分に抑制することは、必ずしも容易ではなく、結局、平坦性を確保することが必ずしも容易ではなかった。
また、特許文献1〜3に開示された前記ミラーでは、当該ミラーにおける脚部付近の部位の前記脚部とは反対側の領域が凹部をなしているので、その凹部の分だけミラーの有効反射領域が減少し、光の利用効率が低下していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、サイズを大きくしても平坦性を確保することができ、しかも質量を低減させて高速動作を実現し得るミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することを目的とする。
また、本発明は、有効反射領域を増大させることができるミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、サイズを大きくしても平坦性を確保することができ、しかも質量を低減させて高速動作を実現し得るとともに、有効反射領域を増大させることができるミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるミラーは、空中に位置するように支持されたミラーであって、nが1以上の整数であるときに、少なくとも大部分の領域が(2n+1)層の膜で構成され、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記(2n+1)層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記(2n+1)層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とが同じであるものである。
本発明の第2の態様によるミラーは、前記第1の態様において、前記(2n+1)層のうち互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成されたものである。
本発明の第3の態様によるミラーは、空中に位置するように支持されたミラーであって、nが2以上の整数であるときに、少なくとも大部分の領域が2n層の膜で構成され、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記2n層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記2n層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とが同じであるものである。
本発明の第4の態様によるミラーは、前記第3の態様において、前記2n層のうち中央の一対の層以外の互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成されたものである。
本発明の第5の態様によるミラーは、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記膜のいずれの層も金属で構成されたものである。
本発明の第6の態様によるミラーは、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、当該ミラーは、中実の脚部を介して空中に位置するように支持され、当該ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域が、凹部とならずに平坦をなすものである。
本発明の第7の態様によるミラーは、脚部を介して空中に位置するように支持され膜で構成されたミラーであって、前記脚部が中実に構成され、当該ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域が、凹部とならずに平坦をなすものである。
本発明の第8の態様によるミラーは、前記第6又は第7の態様において、前記脚部の各部分が、前記膜のいずれかの層を構成する材料がそのまま連続して延在することにより構成されたものである。
本発明の第9の態様によるミラーは、前記第6又は第7の態様において、前記脚部の少なくとも一部分は、前記膜のいずれかの層を構成する材料がそのまま連続して延在することにより構成されたものではないものである。
本発明の第10の態様による画像表示装置用ミラーデバイスは、複数の可動ミラーを備えた画像表示装置用ミラーデバイスであって、前記各可動ミラーが請求項1乃至9のいずれかに記載のミラーであるものである。
本発明によれば、サイズを大きくしても平坦性を確保することができ、しかも質量を低減させて高速動作を実現し得るミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することができる。
また、本発明によれば、有効反射領域を増大させることができるミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することができる。
さらに、本発明によれば、サイズを大きくしても平坦性を確保することができ、しかも質量を低減させて高速動作を実現し得るとともに、有効反射領域を増大させることができるミラー、及び、これを用いた画像表示装置用ミラーデバイスを提供することができる。
以下、本発明によるミラー及び画像表示装置用ミラーデバイスについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるミラー1を模式的に示す概略平面図である。図2は、図1中のA−A’線に沿った概略断面図である。
本実施の形態によるミラー1は、脚部2を介して支持基体3に固定され、脚部2を介して空中に位置するように支持されている。支持基体3は、ミラー1の用途等に応じて適宜の構成が採用され、例えば、基板や薄膜等からなる可動部などとすることができる。
本実施の形態によるミラー1は、その全体の領域が、支持基体3側(以下、「下側」という場合がある。)から順に積層された厚さ100nmのAl層11、厚さ100nmのSiN層12及び厚さ100nmのAl層13の3層からなる膜で、平板状に構成されている。
脚部2は、ミラー1を構成するAl層11、SiN層12及びAl層13がそのまま連続して延在することにより、構成されている。そして、脚部2は中空構造を有し、ミラー1における脚部2付近の部位の、脚部2とは反対側の領域は、凹部2aをなしている。なお、ミラー1における支持基体3とは反対側の面が、反射面となっている。
ここで、本実施の形態によるミラー1の製造方法の一例について、説明する。まず、支持基体3の表面に犠牲層としてのレジストをフォトリソ工程により形成する。このとき、この犠牲層には、脚部2に相当する箇所に開口を形成する。次に、ミラー1を構成する3層(Al層11、SiN層12、Al層13)を下から順番に成膜する。ミラー1の平坦性をより高めるためには、Al層11とAl層13の成膜条件は実質的に同一であることが好ましい。次に、フォトリソ工程を行いエッチングマスクとなるレジストをミラー1の形状に合わせてパターニングした後、最上層のAl層13、中間層のSiN層12、最下層のAl層11を順次エッチングし、ミラー1の形状にパターニングする。そして、エッチングマスクレジストを剥離し、最後に犠牲層を除去する。これにより、本実施の形態によるミラー1が得られる。
実験の結果、100nm厚の単層膜は、機械的な強度が非常に弱いことが判明した。また、Al層とSiN層の2層膜構造では、機械的な強度は確保されるものの、バイメタルのように上反りまたは下反りとなり、平坦性が確保されない。
これに対し、本実施の形態では、ミラー1の膜構造として前述した3層膜構造が採用されている。この膜構造は、中央のSiN層12を下層とするとともに最上層のAl層13を上層とする2層構造と、これと対称的な、最下層のAl層11を下層とするとともに中央のSiN層12を上層とする2層構造とを合わせたものとなっている。このため、2つの2層構造の反り方向が打ち消し合うので、ミラー1の平坦性が確保される。そして、各2層構造は、バイメタルのように温度変化に応じた量だけ変形しようとするが、2つの2層構造の変形が互いに打ち消されることになるので、温度変化があっても、ミラー1は変形せず、ミラー1の平坦性が確保される。また、本実施の形態では、3層膜構造であるにもかかわらず、単層膜でミラーを構成する場合と比べてミラー1全体の膜厚が薄くなる。例えば、単層膜で構成されたミラーの膜厚は平坦性を確保するために前述したように1μm程度必要であったのに対し、本実施の形態では、ミラー1の全体の膜厚は300nm=0.3μmである。したがって、本実施の形態によれば、ミラー1の質量が低減されるため、高速動作が可能となる。
本発明では、ミラー1の膜構造は前述した材料、層数、厚み等に限定されるものではない。第1に、nが1以上の整数であるときに、ミラー1の少なくとも大部分の領域を(2n+1)層の膜で構成し、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記(2n+1)層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記(2n+1)層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とを同じにしてもよい。この第1の場合において、前記(2n+1)層のうち互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成することが、好ましい。本実施の形態は、この第1の場合の一例である。この第1の場合の他の例として、n=2とした場合、ミラー1の全部又は大部分の領域を、下側から順に、Al層/SiN層/SiO層/SiN層/Al層の5層膜で構成する例を挙げることができる。この第1の場合にも、本実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、この第1の場合には、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記(2n+1)層のうちの一方の側からm番目の層の厚さと前記(2n+1)層のうちの他方の側からm番目の層の厚さとが実質的に同じであることが、ミラー1の平坦性をより高めるためには、好ましい。また、この第1の場合には、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記(2n+1)層のうちの一方の側からm番目の層の成膜条件と前記(2n+1)層のうちの他方の側からm番目の層の成膜条件とが実質的に同じであることが、ミラー1の平坦性をより高めるためには、好ましい。
第2に、nが2以上の整数であるときに、ミラー1の全部又は大部分の領域を2n層の膜で構成し、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記2n層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記2n層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とを同じにしてもよい。この第2の場合において、前記2n層のうち中央の一対の層以外の互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成することが、好ましい。この第2の場合の一例として、n=2とした場合、ミラー1の全部又は大部分の領域を、下側から順に、Al層/SiN層/SiN層/Al層の4層膜で構成する例を挙げることができる。この第2の場合にも、本実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、この第2の場合には、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記2n層のうちの一方の側からm番目の層の厚さと前記2n層のうちの他方の側からm番目の層の厚さとが実質的に同じであることが、ミラー1の平坦性をより高めるためには、好ましい。また、この第2の場合には、mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記2n層のうちの一方の側からm番目の層の成膜条件と前記2n層のうちの他方の側からm番目の層の成膜条件とが実質的に同じであることが、ミラー1の平坦性をより高めるためには、好ましい。
ところで、本実施の形態では、前述したように、層11,13が金属であるAlで構成されているのに対し、中央の層12は非金属であるSiNで構成されている。しかしながら、本発明では、ミラー1を構成する全ての層11〜13を金属で形成してもよい。この場合、例えば、層11,13をAl(又はAu等)で構成し、層12をTi等で構成してもよい。このように、全ての層11〜13を金属で構成すると、全ての層11〜13の成膜を、1つの真空装置(マルチチャンバー・スパッタ装置など)で連続して行うことができる。1つの真空装置で複数層の成膜を行うと、金属層と金属層との界面部分の酸化を防ぐことができるので、ミラー1を構成する膜が安定なものとなり、より好ましい。
本実施の形態では、ミラー1は、単に平板状に構成されているだけである。しかしながら、本発明では、前記特許文献2と同様にミラー1おける平面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って立ち上がり部又は立ち下がり部を形成してもよいし、また、前記特許文献3と同様にミラー1における平面部に混在するように表面側又は裏面側に突出した凸条部を形成してもよい。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態によるミラー21を示す概略断面図であり、図2に対応している。図3において、図1及び図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるミラー21が前記第1の実施の形態によるミラー1と異なる所は、以下に説明する点のみである。ミラー1では、脚部2が中空構造を有し、ミラー1における脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部2aをなしているのに対し、本実施の形態によるミラー21では、脚部2が中実構造を有し、ミラー21における脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部とならずに平坦をなしている。
本実施の形態では、図3に示すように、脚部2は、ミラー21を構成するAl層11を構成するAlがそのまま連続して延在する部分と、Al層11の凹部を充填する充填材としてのレジスト22とから構成されている。レジスト22は、ミラー21を構成するいずれかの層を構成する材料がそのまま連続して延在することにより構成されたものではない。
ここで、本実施の形態によるミラー21の製造方法の一例について、説明する。まず、支持基体3の表面に犠牲層としてのレジストをフォトリソ工程により形成する。このとき、この犠牲層には、脚部2に相当する箇所に開口を形成する。次に、ミラー21の最下層となるAl層11を成膜する。次に、脚部2の充填材となるべきレジスト22を塗布した後、レジスト22がAl層11の凹部(充填部)のみに残るように、CMP工程によりレジスト22の不要部分を除去する。次に、SiN層12及びAl層13を下から順番に成膜する。次に、フォトリソ工程を行いエッチングマスクとなるレジストをミラー21の形状に合わせてパターニングした後、最上層のAl層13、中間層のSiN層12、最下層のAl層11を順次エッチングし、ミラー21の形状にパターニングする。そして、エッチングマスクレジストを剥離し、最後に犠牲層を除去する。これにより、本実施の形態によるミラー21が得られる。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、ミラー21の有効反射領域を増大させることができるという利点も得られる。前記第1の実施の形態によるミラー1では、ミラー1における脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部2aをなしているので、その凹部2aの分だけ有効反射領域が減少していた。これに対し、本実施の形態によるミラー21では、そのような凹部が存在しないため、有効反射領域を増大させることができるのである。
なお、脚部2のレジスト22による充填工程(CMP工程も含む。)は、ミラー21の最下層の成膜工程と最上層の成膜工程との間で行えば、いつ行っても良い。また、充填材22の材料として犠牲層レジストを除去する際に一緒に除去されないような材料(例えば、SiO)を選択すれば、脚部を充填材22のみで構成することも可能である。この場合、層11〜13の成膜工程前に、犠牲層における脚部2に相当する開口への充填材22の充填工程(例えば、CMP工程も含む。)を行えばよい。
なお、本実施の形態のように、脚部2が中実構造を有し、ミラーにおける脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部とならずに平坦をなしている場合には、ミラーを例えば単層膜で構成してもよい。この場合、前記第1の実施の形態と同様の利点は得ることができないが、有効反射領域を増大させることができるという利点は得られる。
[第3の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態によるミラー31を示す概略断面図であり、図2に対応している。図3において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態によるミラー31が前記第1の実施の形態によるミラー1と異なる所は、以下に説明する点のみである。ミラー1では、脚部2が中空構造を有し、ミラー1における脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部2aをなしているのに対し、本実施の形態によるミラー31では、前記第2の実施の形態によるミラー21と同様に、脚部2が中実構造を有し、ミラー21における脚部2付近の部位の脚部2とは反対側の領域が凹部とならずに平坦をなしている。
本実施の形態によるミラー31では、前記第2の実施の形態によるミラー21におけるレジスト22の代わりに、その位置に、ミラー31を構成するSiN膜12を構成するSiNがそのまま連続して延在している。本実施の形態では、脚部2は、ミラー31を構成するAl膜11及びSiN膜12をそれぞれ構成するAl及びSiNがそれぞれそのまま連続して延在することにより、構成されているのである。
ここで、本実施の形態によるミラー31の製造方法の一例について、説明する。まず、支持基体3の表面に犠牲層としてのレジストをフォトリソ工程により形成する。このとき、この犠牲層には、脚部2に相当する箇所に開口を形成する。次に、ミラー31の最下層となるAl層11を成膜する。次に、ミラー31の中間層となるSiN膜12を厚さ1000nm成膜する。次に、CMP工程により、SiN膜12を900nm研磨する。これにより、Al層11の凹部はSiN膜12で充填される。次に、ミラー31の最上層となるAl層13を成膜する。次に、フォトリソ工程を行いエッチングマスクとなるレジストをミラー31の形状に合わせてパターニングした後、最上層のAl層13、中間層のSiN層12、最下層のAl層11を順次エッチングし、ミラー31の形状にパターニングする。そして、エッチングマスクレジストを剥離し、最後に犠牲層を除去する。これにより、本実施の形態によるミラー31が得られる。
本実施の形態によっても、前記第2の実施の形態と同様に、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる他、ミラー31の有効反射領域を増大させることができるという利点も得られる。
なお、本実施の形態のようにミラーを構成するいずれかの層の材料をそのまま連続させて脚部2の充填材として用いる場合において、ミラーを3層より多い層数の膜で構成する場合は、脚部2の充填工程(CMP工程を含む。)は、ミラーの最下層の成膜工程と最上層の成膜工程との間で行えば、いつ行っても良い。
[第4の実施の形態]
図5は、本発明の第4の実施の形態による画像表示装置用ミラーデバイス20の画素アレイを示す概略平面図である。図6は、図5中の可動ミラー200の下部の様子を点線で示す概略平面図である。図7は、図6中の一部を拡大した概略拡大平面図である。図8は、図7中のB−B’矢視図である。図9は、図7中のC−C’矢視図である。
本実施の形態による画像表示装置用ミラーデバイス20は、可動ミラー200及び脚部201の構造を除いて、前記特許文献1の図2乃至図6に開示された画像表示装置用ミラーデバイス(DMD)と同様に構成されている。したがって、ここでは、可動ミラー200及び脚部201の構造以外については、その概要についてのみ説明する。
本実施の形態による画像表示装置用ミラーデバイス20を上から見ると、図5に示すように、各々の画素の方形の可動ミラー200の上面(反射面)と、脚部(ビーム支持ポスト)201だけが見える。可動ミラー200は、後述するトーション・ヒンジ401によって、回転し得るように保持されており、2つの回転位置で安定して保持されるようになっている。
図6の点線によって、可動ミラー200の下にあるトーション・ヒンジ401と、アドレス電極404と、着地電極405とが示されている。脚部201は、可動ミラー200を下にあるヒンジ401に固く連結する。下にあるヒンジ401と電極404,405の詳細が、図7に示されている。脚部201は、ポスト406に連結されたヒンジ401の制御の下で、可動ミラー200を回転可能にする。このことにより、電極支持ポスト403によって支持された電極の制御の下で、可動ミラー200を回転できるようにする。可動ミラー200は着地電極405と接触して着地する。接触体402は基板を貫いて延長され、そして下にあるアドレス電極と接触する。
図8はヒンジ401に沿っての横断面図で、ヒンジ支持ポスト406と、ヒンジ401と、可動ミラー200とが示されている。図9はヒンジ401と直角の方向の横断面図であって、アドレス電極404と、電極支持ポスト403とが示されている。また、図9には、保護用酸化物層501と、金属層502と、CMOS回路および基板層503も、示されている。
そして、本実施の形態では、各画素の可動ミラー200及び脚部201は、前記第1の実施の形態によるミラー1及び脚部2と同様に構成されている。すなわち、下側から順に積層されたAl膜211、SiN膜212及びAl膜213の3層からなる膜で、平板状に構成されている。脚部201は、可動ミラー200を構成するAl層211、SiN層212及びAl層213がそのまま連続して延在することにより、構成されている。そして、脚部201は中空構造を有し、可動ミラー200における脚部201付近の部位の、脚部201とは反対側の領域は、凹部200aをなしている。
本実施の形態によれば、可動ミラー200が前記第1の実施の形態によるミラー1と同様に構成されているので、可動ミラー200のサイズを大きくしてもその平坦性を確保することができ、しかも可動ミラー200の質量を低減させて高速動作を実現し得る。よって、本実施の形態によれば、光量損失等が少なくしかも表示応答性の高い画像表示が可能になるなどの利点が得られる。
なお、可動ミラー200を前記第1の実施の形態によるミラー1と同様に構成する代わりに、前記第2又は第3の実施の形態によるミラー21,31と同様に構成してもよいことは、言うまでもない。
以上、本発明の各実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施の形態や変形例に限定されるものではない。
例えば、前記各実施の形態では、ミラーの中央部が脚部によって支持されているが、本発明では、ミラーの支持箇所は中央部に限定されるものではない。例えば、ミラーの周辺部の一部又は全体を脚部によって支持したり、脚部を設けずにミラーの周辺部の一部又は全体を基板の形成した凹所の周辺部によって支持したりしてもよい。
また、本発明によるミラーは、画像表示装置用ミラーデバイスのみならず、光通信で用いられる光スイッチや、特許文献2,3に開示されているような読み出し光を照射して使用する赤外線センサ等の放射検出装置など、種々の用途に用いることができる。
本発明の第1の実施の形態によるミラーを模式的に示す概略平面図である。 図1中のA−A’線に沿った概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるミラーを示す概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態によるミラーを示す概略断面図である。 本発明の第4の実施の形態による画像表示装置用ミラーデバイスの画素アレイを示す概略平面図である。 図5中の可動ミラー下部の様子を点線で示す概略平面図である。 図6中の一部を拡大した概略拡大平面図である。 図7中のB−B矢視図である。 図7中のC−C’矢視図である。
符号の説明
1,21,31 ミラー
2,201 脚部
3 支持基体
11,13 Al膜
12 SiN膜

Claims (10)

  1. 空中に位置するように支持されたミラーであって、
    nが1以上の整数であるときに、少なくとも大部分の領域が(2n+1)層の膜で構成され、
    mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記(2n+1)層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記(2n+1)層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とが同じであることを特徴とするミラー。
  2. 前記(2n+1)層のうち互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成されたことを特徴とする請求項1記載のミラー。
  3. 空中に位置するように支持されたミラーであって、
    nが2以上の整数であるときに、少なくとも大部分の領域が2n層の膜で構成され、
    mが1からnまでの各値をとるときに、当該各値について、前記2n層のうちの一方の側からm番目の層を構成する材料と前記2n層のうちの他方の側からm番目の層を構成する材料とが同じであることを特徴とするミラー。
  4. 前記2n層のうち中央の一対の層以外の互いに隣接する少なくとも一対の層は、互いに異なる材料で構成されたことを特徴とする請求項3記載のミラー。
  5. 前記膜のいずれの層も金属で構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のミラー。
  6. 当該ミラーは、中実の脚部を介して空中に位置するように支持され、
    当該ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域が、凹部とならずに平坦をなすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のミラー。
  7. 脚部を介して空中に位置するように支持され膜で構成されたミラーであって、
    前記脚部が中実に構成され、
    当該ミラーにおける前記脚部付近の部位の、前記脚部とは反対側の領域が、凹部とならずに平坦をなすことを特徴とするミラー。
  8. 前記脚部の各部分が、前記膜のいずれかの層を構成する材料がそのまま連続して延在することにより構成されたものであることを特徴とする請求項6又は7記載のミラー。
  9. 前記脚部の少なくとも一部分は、前記膜のいずれかの層を構成する材料がそのまま連続して延在することにより構成されたものではないことを特徴とする請求項6又は7記載のミラー。
  10. 複数の可動ミラーを備えた画像表示装置用ミラーデバイスであって、前記各可動ミラーが請求項1乃至9のいずれかに記載のミラーであることを特徴とする画像表示装置用ミラーデバイス。
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