JP2007025064A - 電気光学装置、駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画素116は、走査線311とデータ線211との交差に対応して設けられる。各画素116は、画素電極231および共通電極111のそれぞれに印加された電圧の差を保持する画素容量を含む。制御回路400は、共通電極111に対し、相対的に高い電圧と相対的に低い電圧とを交互に1水平走査期間で切り替えて印加する。走査線駆動回路350は、320行の走査線を順番に選択するとともに、選択した走査線に対しては選択電圧を印加する一方、選択した走査線以外の走査線のうち、所定のものに対しては、共通電極111に低位電圧が印加されたときにハイ・インピーダンス状態とし、共通電極111に高位電圧が印加されたときに非選択電圧を印加する。
【選択図】 図1
Description
そこで、一方の基板において、ゲート電極(走査線)と対向電極(共通電極)とを同一材料から近接してパターニングする技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低消費電力化を図りつつ、開口率を高めることが可能な電気光学装置、その駆動方法および電子機器を提供することにある。
いずれにしても本発明は、前記共通電極と前記複数の走査線とは互いに容量結合していても、その容量によって共通電極の電圧が変化したときに電力が無駄に消費されることが防止される。
なお、本発明は、電気光学装置のみならず、電気光学装置の駆動方法としても、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、表示領域100、データ線駆動回路250、走査線駆動回路350および制御回路400を含む。このうち、表示領域100では、320行の走査線311が行(X)方向に延在する一方、240列のデータ線211が列(Y)方向に延在して、それぞれ設けられている。
画素116は、320行の走査線311と240列のデータ線211との交差に対応して、それぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素116が縦320行×横240列でマトリクス状に配列することなる。ただし、本発明をこれに限定する趣旨ではない。
なお、i、(i+1)は、画素116が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、1以上320以下の整数であり、j、(j+1)は、画素116が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上240以下の整数である。
ここで、各画素116については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表させて説明すると、当該i行j列の画素116において、TFT241のゲートはi行目の走査線311に接続される一方、そのソースはj列目のデータ線211に接続され、そのドレインは画素容量118の一端たる画素電極231に接続されている。
また、画素容量118の他端は共通電極111に接続されている。この共通電極111は、図1に示されるように全ての画素116にわたって共通であって、後述する信号Vcomが印加される。
この図からも判るように、表示領域100は、液晶にかかる電界方向を基板面方向とした、いわゆるIPSモードとしたものである。
詳細には、素子基板に、ゲート電極層のパターニングにより走査線311および共通電極111を形成し、その上に半導体層と絶縁層(図示省略)とを堆積してTFT241を形成し、さらに、絶縁層を介した第1金属層のパターニングによりデータ線211および接続電極231aを形成し、この後、第2金属層のパターニングにより画素電極231および対向電極112を形成した構成となっている。
したがって、本実施形態において、画素容量118は、画素電極231と対向電極112(共通電極111)とが液晶を介して互いに対向することによって生じる容量で表されることになり、電気的には、画素電極231と共通電極111とが対向している、といっても差し支えない。
本実施形態において、画素容量118に印加される電圧実効値は、画素電極231および対向電極112(共通電極111)の差電圧で定まるので、i行j列の画素を目的の階調とするには、i行目の走査線311に選択電圧を印加して、TFT241を導通(オン)状態とさせるとともに、j列目のデータ線211の電圧を、i行j列の画素の階調に応じた値に設定すれば良いことになる。
また、共通電極111と走査線311とは互いにX方向に延在して近接するので、図2(b)の破線で示されるように、両者は、容量を介して互いに結合する。
なお、このように極性反転する理由は、液晶に直流成分が印加されることによる劣化を防止するためである。
また、信号Vcomは、極性指示信号POLとは反対特性であって、図3において破線で示されるように、電圧ComHまたは電圧ComLのいずれかをとる。ここで、電圧ComHおよび電圧ComLは、電源の高位電位Vddと低位側電位Vssとの中間電位Vcを中心にして互いに対称な関係にある。なお、低位側電位Vssが、本実施形態において電圧の基準である接地電位Gndである。
このうち、走査信号供給回路352は、図3に示されるように、垂直走査期間(1F)の最初に供給されるスタートパルスDYを、1周期が1水平走査期間(1H)のクロック信号CLYの立ち上がりにて順次取り込んでシフトするとともに、そのシフト信号を、走査信号G1、G2、G3、…、G320として出力するものである。
換言すれば、走査信号供給回路352は、1、2、3、…、320行目の走査線311を、それぞれ1水平走査期間(1H)毎に順番に選択するとともに、選択した走査線311に対応する走査信号を、当該水平走査期間(1H)にわたってHレベルに相当する選択電圧Vddとし、それ以外の走査線311に対応する走査信号を、Lレベルに相当する非選択電圧(保持電圧)Vssとする構成となっている。
ただし、走査信号供給回路352は、例外として、ある行に対応する走査信号を1水平走査期間(1H)にわたってHレベルとしたときは、当該水平走査期間(1H)から、次の1水平走査期間(1H)までの連続する2水平走査期間にわたって、当該行に対応する制御信号をHレベルとする。例えば、走査信号G3を1水平走査期間(1H)にわたってHレベルとしたとき、極性指示信号POLによって正極性書込が指定されていても、当該水平走査期間(1H)から次の1水平走査期間(1H)までの連続する2水平走査期間にわたって、制御信号H3をHレベルとする。
したがって、i行目のスイッチ354は、対応するi行目の走査信号YiがHレベルとなる1水平走査期間、その次の1水平走査期間、または、共通電極111に信号Vcomとして電圧ComHが印加される1水平走査期間においてオンして、走査信号Yiをそのままi行目の走査線311に供給する一方、それ以外の期間ではオフして、i行目の走査線311をハイ・インピーダンス状態とさせる。
走査線311がハイ・インピーダンス状態になると、当該走査線311の電圧(電位)は、走査信号とは無関係になる。そこで便宜的に、1、2、3、…、320行目の走査線311の電圧を、それぞれ順番にY1、Y2、Y3、…、Y320と表記する。
さらに、データ線駆動回路250は、走査信号供給回路352によってi行目の走査線311が選択されるとき、事前に当該i行目の走査線311に位置する1〜240列の画素1行分の階調データDaを記憶領域から読み出すとともに、それぞれ極性指示信号POLで正極性書込が指定された場合には、電圧ComLを基準に、階調データDaで指定された電圧だけ高位側のアナログ信号に変換する一方、負極性書込が指定された場合には、電圧ComHを基準に、階調データDaで指定された電圧だけ低位側のアナログ信号に変換して、それぞれ走査信号YiがHレベルとなるのに合わせて、対応するデータ線211にデータ信号として一斉に供給するものである。
なお、1、2、3、…、240列目のデータ線211に供給されるデータ信号を、それぞれX1、X2、X3、…、X240と表記し、特に列を特定しないで一般的に説明する場合にはXjと表記する。
次の2行目の走査線311が選択される水平走査期間においては、負正極性書込の指示となるので、データ線駆動回路250は、2行目の走査線311が選択される水平走査期間ではデータ信号Xjを、電圧ComHに対して2行j列の画素の階調に応じた電圧だけ低位側として出力する。以下、この動作が、最終の320行目の走査線311が選択される水平走査期間まで繰り返されて、データ信号Xjは、奇数(1、3、5、…、319)行目では正極性となり、偶数(2、4、6、…、320)行目では負極性となる。
次の1垂直走査期間(1F)において、データ信号Xjは、極性指示信号POLの反転により、奇数行目では負極性となり、偶数行目では正極性となる。
このように、データ線駆動回路250は、中間電位Vcを基準ではなく、共通電極111の電圧ComLまたはComHを基準にして、階調データDaをアナログ電圧に変換してデータ信号を供給するので、その電圧幅が狭まる。このため、データ線駆動回路250に要求される耐圧が抑えられるので、その構成を簡略化できるほか、電圧範囲が狭まるので、電源回路(図示省略)の構成を簡略化することも可能となる。
なお、図3においては、Y側の走査信号Y1〜Y320等と、X側のデータ信号Xjとの縦方向の電圧スケールを、便宜的に異ならせてある(後述する図5においても同様)。
1垂直走査期間(1F)の最初の水平走査期間(1H)において、走査信号供給回路352によって走査信号G1がHレベルになるとき、1行目のスイッチ354がオンするので、1行目の走査線311の電圧Y1は、Hレベルに相当する電圧Vddとなる。このため、1行目の画素116におけるTFT241がオンするので、j列目にあっては、データ線211に供給されたデータ信号Xjの電圧が、画素電極231に印加される。このとき、極性指示信号POLによって正極性書込が指定されていれば、共通電極111(対向電極112)に供給される信号Vcomは電圧ComLとなっているので、1行j列の画素容量118には、画素電極231を高位側として、1行j列の画素の階調データDaを変換したアナログの電圧が印加されることになる。
ここでは、j列目の画素で代表して説明したが、1行目に位置する1〜240列のすべてについて、それぞれ、対応する画素の階調データDaを変換したアナログの電圧が印加されることになる。
共通電極111が電圧ComHから電圧ComLに下降するのに伴って、1行目の走査線311の電圧Y1もLレベルに相当する電圧Vssから電圧ComLだけ下降するので、1行目の走査線311と共通電極111との間の結合容量によって、電力が消費されることはない。
また、2行目以降についても、走査信号G2、G3、G4、…、G320がHレベルとなるタイミングが、すなわち、電圧Y1、Y2、Y3、…、Y320がVddとなるタイミングが、順次1水平走査期間ずつ遅延する点以外同様である。
したがって、1行目のみならず、2、3、4、…、320行目の走査線311のそれぞれについても、共通電極111の電圧変化に伴って、共通電極111との結合容量によって電力が消費されることはない。
なお、図4においては、便宜的に図3の縦軸である電圧スケールと、横軸である時間スケールとを、それぞれ拡大してある。
したがって、図2(a)に示されるように、共通電極111と各行の走査線311とを近接させて平行に形成することが可能となるので、画素116において画素電極231と対向電極112とが対向する領域を広く確保することができ、その分、開口率を高めて明るい表示が可能となる。
このため、比較構成では、画素電極231と対向電極112とが対向する領域が狭くなるので、開口率が低下してしまう。
これに対し、本実施形態では、共通電極111と走査線311との結合容量が問題とならないので、図2(a)に示されるように、共通電極111と各行の走査線311とを近接させても構わないし、極端には、両者の一部または全部が、絶縁層を介して互いに(平面的に見て)重なるように形成することも可能である。
このため、本実施形態では、画素116において画素電極231と対向電極112とが対向する領域を広く確保することができるので、その分、開口率を高めることができる。開口率を高めることができれば、バックライト等の照明光を弱めても良いので、装置全体で消費される電力をさらに抑えることが可能となる。
この理由は、走査信号YiがHレベルとなった後において、次の走査信号Y(i+1)がHレベルとなったときに、i行目の走査線311をハイ・インピーダンス状態としてしまうと、走査線311が直前のHレベルに相当する電圧Vddを維持してしまうことになり、次の(i+1)行目の走査線311とともに同時選択してしまう現象が発生するためである。このため、上述した実施形態では、i行目のスイッチ354については、走査信号Y(i+1)がHレベルとなる1水平走査期間においてもオンさせ、これにより、i行目の走査線311をLレベルに相当する電圧Vssとして、i行目の画素116におけるTFT241を全て確実にオフさせる構成としたのである。
ただし、この構成では、共通電極111の電圧変化に対して、走査線の電圧状態が一定となる場合がある。例えば、図4において、奇数行に正極性書込が指定され、偶数行に負極性書込が指定される場合、各偶数行の走査線は、選択状態から非選択状態に変化した直後で連続する2水平走査期間にわたって、Lレベルに相当する電圧Vssで一定となる。当該期間では、一定電圧の走査線311に対して共通電極111の電圧が変化してしまうので、当該行であって当該期間に限り、共通電極111との結合容量によって電力が消費されることになる。
なお、図5(図6)に示される構成において、i行目の制御信号Hiについては、スタートパルスDYを1水平走査期間(1H)ずつ遅延させたシフト信号のうち、i行目に対応する信号と、極性指示信号POLの否定信号との論理和信号を適用すれば良い。
この理由は、画素116におけるTFT241をnチャネルであってアモルファス型としたためであり、一般に、アモルファス型では、オフ状態とさせる方向にゲート電圧(走査線電圧)を変化させた方が、オフリークが少なくなるので、ハイ・インピーダンス状態になったときにリーク量の低減が期待できるためである。
このため、例えばアモルファス型のTFT241を、pチャネルとする構成では、オフ状態とさせる方向がゲート電圧の上昇方向となるので、図7に示されるように、共通電極111に、相対的に高位の電圧ComHが信号Vcomとして印加される場合に、原則的に走査線をハイ・インピーダンス状態とさせれば良い。
なお、共通電極111に、相対的に高位の電圧ComHが信号Vcomとして印加されるときに、原則的に走査線をハイ・インピーダンス状態とさせる構成においても、図8に示されるように、1水平走査期間の途中で選択電圧Vddから非選択電圧Vssに切り替えるとともに、電圧が切り替わった1水平走査期間(1H)が終了した後、直ちに走査線をハイ・インピーダンス状態として、さらなる低消費電力化を図っても良い。
さらに、実施形態では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモードとしても良い。
また、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で1ドットを構成して、カラー表示を行うとしても良い。
表示領域100は透過型に限られず、反射型や、両者の中間的な半透過半反射型であっても良い。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置10を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、表示領域100以外の構成要素については電話器に内蔵されるので、外観としては現れない。
Claims (7)
- 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素であって、
一対の基板のうち、一方の基板に、
画素毎に個別の画素電極と、
前記画素電極に対向する共通電極と、
前記データ線と前記画素電極との間にて、前記走査線に選択電圧が印加されたときに導通状態となる一方、前記走査線に非選択電圧が印加されたときに非導通状態となるスイッチング素子と、
を含み、
前記共通電極に対し、相対的に高い高位電圧と、相対的に低い低位電圧とを交互に予め定められた周期で切り替えて印加し、
前記複数の走査線を所定の順番で選択するとともに、選択した走査線に対しては少なくとも前記選択電圧を印加する一方、選択した走査線以外の走査線に対しては、前記共通電極に前記高位電圧または前記低位電圧のいずれか一方が印加されたときにハイ・インピーダンス状態とし、前記高位電圧または前記低位電圧のいずれか他方が印加されたときに前記非選択電圧を印加する走査線駆動回路と、
前記対応する走査線が選択されたときに、前記データ線に画素の階調に応じたデータ信号を供給するデータ線駆動回路と、
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記共通電極と前記複数の走査線とは互いに容量結合している
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記走査線駆動回路は、選択した走査線に選択電圧を印加した後に、前記非選択電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記走査線駆動回路は、
前記複数の走査線を、水平走査期間毎に所定の順番で選択するとともに、
選択した走査線に対して、当該水平走査期間の全域にわたって前記選択電圧を印加し、
当該走査線の選択が完了した直後の水平走査期間においては、当該走査線に対して、前記共通電極に前記高位電圧または前記低位電圧のいずれか一方が印加されたときであっても前記非選択電圧を印加する
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記走査線駆動回路は、
前記複数の走査線を、水平走査期間毎に所定の順番で選択するとともに、選択した走査線に対して、当該水平走査期間の途中で前記選択電圧から前記非選択電圧に切り替える
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 複数の走査線と複数のデータ線との交差に対応して設けられた画素であって、
一対の基板のうち、一方の基板に、
画素毎に個別の画素電極と、
前記画素電極に対向する共通電極と、
前記データ線と前記画素電極との間にて、前記走査線に選択電圧が印加されたときに導通状態となる一方、前記走査線に非選択電圧が印加されたときに非導通状態となるスイッチング素子と、
を有する電気光学装置の駆動方法であって、
前記共通電極に対し、相対的に高い高位電圧と、相対的に低い低位電圧とを交互に予め定められた周期で切り替えて印加し、
前記複数の走査線を所定の順番で選択するとともに、選択した走査線に対しては少なくとも前記選択電圧を印加する一方、選択した走査線以外の走査線に対しては、前記共通電極に前記高位電圧または前記低位電圧のいずれか一方が印加されたときにハイ・インピーダンス状態とし、前記高位電圧または前記低位電圧のいずれか他方が印加されたときに前記非選択電圧を印加し、
前記対応する走査線が選択されたときに、前記データ線に画素の階調に応じたデータ信号を供給する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の電気光学装置を備える
ことを特徴とする電子機器。
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