JP2007023656A - 坑道の支保構造体及び支保方法 - Google Patents

坑道の支保構造体及び支保方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘土系難透水性材料を劣化させることなく、超長期に亘って遮水性を維持できる廃棄物地下坑道の支保構造体及び支保方法を提供する。
【解決手段】支保構造体は、地下坑道の長手方向に所定間隔でほぼ平行に隣接する複数のH型鋼製支保工5を備えており、支保工5は、地下坑道の内側に形成された第1リブ6と、外側に形成された第2リブ7とを備えている。鋼製の板状部材9は、支保工5の第1リブ6に沿って配置されている。板状部材9と地下坑道の壁面との間には、裏込め材として粘土材料10が充填される。粘土材料10としては、難透水性材料であるベントナイトや、ベントナイトを顆粒状にした材料等が使用でき、さらにベントナイト及びエタノールを含むスラリーを裏込め充填することも可能である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、廃棄物を埋設処分するための坑道の支保構造体及び支保方法、特に、粘土系難透水性材料を劣化させることなく、超長期に亘って遮水性を維持できる廃棄物地下坑道の支保構造体及び支保方法に関するものである。
廃棄物を埋設処分するための地下坑道では、坑道周囲に地下水が通過することによる毒性物質の漏出を遮水性構造物で防止する必要がある。廃棄物を埋設処分するための地下坑道、特に、放射性廃棄物の埋設処分施設では、埋設する廃棄物を定置する坑道のコンクリート製の支保部材が干年あるいは万年の超長期に亘る経年劣化により透水性の増大を生じ、有害物質の漏出経路となることが懸念されている。
図13は、支保部材を通過して有害物質が漏洩する地下水流れの例を示す概略図である。図13において、地中に埋設された坑道群50は、坑道群50を繋ぐ連絡坑道51と共に支保工52(例えばコンクリート製覆工構造)により保持されている。支保工52が経年劣化すると、支保工52を通過して有害物質が矢印で示す地下水経路を経て施設外に漏出する場合がある。
また、図14に示すように、坑道群50の経年劣化した支保工52(例えばコンクリート製覆工構造)を通過して、有害物質を含む地下水が施設を横断する高透水層53(破砕帯等)に漏出する場合もある。
放射性廃棄物の埋設処分では、廃棄物の周囲を粘土系難透水性材料であるベントナイト系粘土で覆う、或いは坑道内全体を埋め戻すことにより、地下水への漏出を抑制することが考えられている。しかし、セメント系部材をベントナイトの近傍に構築する場合には、干年あるいは万年オーダーの期間で地下水によりセメント成分の溶出が生じて、カルシウム成分あるいは高アルカリ成分によるベントナイトの材質劣化を招き、ベントナイトの超長期の低透水性能を確保できなくなることがわかってきた。
このような懸念を排除するためには、セメントを一切使用しない支保部材が必要であるが、粘土系難透水性材料を劣化させることなく、超長期に亘って遮水性を維持できる支保工はないのが現状である。
特許文献1は、高密度粘土系土質材料から成るセグメントで覆工構造を構成する技術を開示している。具体的には、セグメントを岩盤側が開放された鋼製箱に形成し、その内部に高密度粘土系土質材料を充填して構成し、セグメント構造もしくは放射性廃棄物の地下施設における遮水プラグに適用している。
また、特許文献2は、地下水の短絡経路となる高透水部を改善し、地盤の長期遮水性能を向上させる地盤改良材及び地盤透水係数改良工法を開示している。地盤改良材として、固相にベントナイト、液相にエタノールと水を配合したスラリー材を作成し、ボーリング孔を介してポンプにより地盤改良材を地盤内に加圧注入している。これらの特許文献では、いずれもセメント系材料を使用していない。
特開2004−19178号公報 特開2003−96450号公報
しかしながら、特許文献1では、鋼製セグメントを必要とするので、部材の製作コストが比較的高価となり、また、鋼製セグメントを適用する対象が円形断面のトンネルに限定されるという問題点があった。また、特許文献2では、セメント系グラウト工法に代わる粘土系材料のグラウトであるが、廃棄物を埋設処分するための地下坑道における支保工には、そのままでは適用できないという問題点があった。
本発明は、以上のような従来の課題を解決するためになされたものであって、粘土系難透水性材料を劣化させることなく、超長期に亘って遮水性を維持できる廃棄物地下坑道の支保構造体及び支保方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の坑道の支保構造体は、坑道の内壁に沿って湾曲し、かつ坑道の長手方向にほぼ平行に隣接して配置される複数の鋼製支保工と、前記鋼製支保工間に装着される金属製の板状部材と、前記坑道の壁面と前記板状部材との間に充填される粘土材料とを備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の坑道の支保構造体にあっては、粘土材料が少なくともベントナイトを含むことを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の坑道の支保構造体にあっては、板状部材がリブ構造を付加した板状部材であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の坑道の支保構造体にあっては、鋼製支保工が前記粘土材料を充填する開口部を備えていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の坑道の支保構造体にあっては、鋼製支保工が、掘削する坑道断面形状に合致する形状に予め成型され、折り畳み可能に接合された2つ以上の鋼製部材から成ることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の坑道の支保構造体にあっては、鋼製支保工を前記坑道の内壁に沿って設置したときに、前記坑道内壁に支保外力を発揮する閉じたアーチ構造を形成することを特徴とする。
また、本発明の請求項7に記載の坑道の支保方法にあっては、坑道に支保構造体を構築する支保方法であって、掘進した前記坑道の切羽直近に、前記坑道の内壁に沿って湾曲した鋼製支保工を建て込み、切羽直近に建て込んだ前記鋼製支保工と直近の鋼製支保工とを所定の間隔で維持するために固定部材で固定し、前記鋼製支保工間に板状部材を装着し、この板状部材と前記内壁との間に粘土材料を充填することを特徴とする。
また、本発明の請求項8に記載の坑道の支保方法にあっては、粘土材料を充填した後、ベントナイト及びエタノールを含むスラリーをさらに裏込め充填することを特徴とする。
本発明にかかる坑道の支保構造体及び支保方法は、以下の効果を有する。すなわち、
1)セメント系材料を一切使わない支保工を坑道に構築できるため、放射性廃棄物から地下水に漏出することを抑止するために設置される、ベントナイト系人工バリアのセメント成分による性能劣化を生じさせない。
2)鋼製支保工のみでは地下水の坑道内部への湧水を抑制できないが、透水性の小さい粘土材料を鋼製支保工の間に充填するので、坑道湧水量を最小限にできる。
3)粘土系材料にベントナイトのような吸水膨潤性を有する粘土を採用する場合には、岩盤壁面に膨潤圧を発揮する。岩盤からの地圧の一部に相当する反力は金属製板状部材に伝達され、さらには当該板状部材を支持している鋼製支保工に伝達されるので、坑道の壁面全体の地圧に対抗できるシェル状の支保構造を発揮する。
4)千年あるいは万年オーダーの超長期の経年変化によって、鋼製支保工が腐食劣化した場合には、ベントナイトが吸水膨潤してその欠陥部分を埋めるので、支保部材領域の透水性の増大を防止できる。
5)なお、廃棄物の埋設処分施設では、坑道を掘削し、廃棄物を定置した後には、廃棄物周囲と坑道支保工との間の空間を粘土材料等で充填埋め戻しするので、坑道を埋め戻した後の支保工の剛性は喪失しても問題とはならない。坑道壁面に構築した支保工が地下水の卓越する水みちとなることを防止できれば、埋設施設の本来の機能を維持できるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる坑道の支保構造体及び支保方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による地下坑道の支保構造体を示す概略図であり、図3は、支保構造体を示す概略斜視図である。これらの図1及び3において、廃棄物を埋設処分するために硬質岩に掘削した地下坑道1内に、支保構造体2が構築されている。硬質岩では岩盤が強く、地圧が比較的小さいので、地下坑道1の上部からの岩盤の落下に対抗できる支保構造体2で地下坑道1の安定性を確保することができる。そのため、図1では、地下坑道1の床面3を除く壁面4に沿って支保構造体2が構築されている。なお、壁面4と支持構造体2との隙間には、必要に応じて木製、金属製或いは合成樹脂製等のパッキン4aを挿入する。
支保構造体2は、地下坑道1の長手方向に所定間隔でほぼ平行に隣接する複数のH型鋼製支保工5(以下、支保工5とする)を備えており、支保工5は、地下坑道1の内側に形成された第1リブ6と、外側に形成された第2リブ7とを備えている。また、支保工5は、ヒンジ8により2つの鋼製部材が結合されて構成されている。
鋼製の板状部材9は、支保工5の第1リブ6に沿って配置されている。板状部材9は、支保工5の第1リブ6に橋渡し状に載せた状態を示しているが、ボルトで固定したり、溶接により固定しても良い。
板状部材9は、図2−1及び図2−2に示すように、断面が凹凸形状である。この他、板状部材9としてはデッキプレートやスキンプレートなど、種々の形状の板状部材を使用することができる。板状部材9と地下坑道1の壁面4との間には、裏込め材として粘土材料10が充填される。なお、図1では、図を見やすくするために粘土材料10の図示を省略している。
粘土材料10は、難透水性材料であるベントナイトや、ベントナイトを顆粒状にした材料、さらにそれらと砂等の骨材を混合した材料等を使用することができる。また、必要に応じて、固相にベントナイト、液相にエタノールと水を配合したスラリー材を地盤改良材として裏込め充填しても良い。
以上のように構成される支保構造体2は、次のようにして地下坑道1内に構築される。地下坑道1内に支保構造体2を構築する場合、まず、地下坑道1先端部の切羽で支保工5の1スパン分相当の掘進をする。次に、掘進した地下坑道1の切羽直近に、壁面4に沿って支保工5を建て込む。
切羽直近に建て込んだ支保工5と直近の支保工5との間を、固定部材である鋼製のタイロッド11及びつっぱり管12で固定し、支保工5相互を所定の間隔で維持するように締結する。隣接し合う支保工5内側の第1リブ6に載せる状態で、板状部材9を装着する。次に、板状部材9と岩盤との空間に、粘土材料10である穎粒状のベントナイトを投入する。
なお、板状部材9と岩盤との空間への穎粒状ベントナイトの充填作業は、切羽側にさらに1基の支保工5を建て込んだ後で実施するので、タイロッド11の締め付け作業は簡単にできる。こうして、支保構造体2を地下坑道1内に構築できる。粘土材料10を充填することによって、十分な遮水性を確保することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、硬質岩に掘削した地下坑道1内に支保構造体2を構築する場合について説明したが、実施の形態2では、軟質岩に掘削した地下坑道1内に支保構造体2を構築する場合について説明する。
軟質岩では岩盤が弱く、地圧が比較的大きいので、岩盤壁面のいたるところに地圧が作用する。したがって、地下坑道1の壁面4だけでなく床面3にも鋼製支保工を設置する必要がある。図4は、この発明の実施の形態2による支保工5Aを示す概略斜視図である。
支保工5Aは、地下坑道1の断面形状、すなわち、壁面4及び床面3を含む内壁に合致する形状に予め成型され、ヒンジ8で接合されている2つ以上、図4では4つの鋼製部材から形成されている。なお、支保工5Aを構成する鋼製部材は、ヒンジ8ではなくボルトや溶接で接合されていても良い。
また、図5に示すように、隣接して配置される支保工5Aの第1リブ6に沿って、鋼製の板状部材9Aが配置される。板状部材9Aは、図6−1及び図6−2に示すように、突出部9Bを有する断面形状である。板状部材9Aと地下坑道1の壁面4との間には、裏込め材として、実施の形態1と同様な粘土材料10が充填される。
以上のように構成される支保構造体2は、実施の形態1と同様にして地下坑道1内に構築される。まず、地下坑道1先端部の切羽で支保工5Aの1スパン分相当の掘進をする。次に、掘進した地下坑道1の切羽直近に、壁面4に沿って支保工5Aを建て込む。切羽直近に建て込んだ支保工5Aと直近の支保工5Aとの間に、図3に示す鋼製のタイロッド11及びつっぱり管12で固定し、支保工5A相互の間隔が変わらないように締結する。
隣接し合う支保工5A内側の第1リブ6に載せる状態で、板状部材9Aを装着する。次いで、板状部材9Aと岩盤との空間に、粘土材料10である穎粒状のベントナイトを投入することにより、支保構造体2を地下坑道1に構築することができる。
ここで、支保剛性を大きくするために、図7−1に示すH型鋼で構成される支保工5又は5Aを、図7−2に示すように二重に結合して使用しても良い。また、図7−3に示すように、箱形断面を有するように、支保工5又は5Aに補強部材13及びL型鋼14を結合した支保工5Bを使用することもできる。さらに、図7−4に示すように、支保工5又は5Aに溝型鋼15を結合した支保工5Cを採用しても良い。
なお、これらの支保工5B、5Cには、実施の形態1で説明した支保工5及び実施の形態2で説明した支保工5Aを元に、補強部材13等を別途結合して作製されても良く、或いは、支保工5、5Aと補強部材13等とが始めから一体に成形された部材であっても良く、共に支保工5B、5Cとして使用できる。
図8−1は、図7−1に示した支保工5又は5Aに板状部材9Aを装着した状態を示す。同様に、図8−2は、図7−3に示した支保工5Bに板状部材9Aを装着した状態、図8−3は、図7−4に示した支保工5Cに板状部材9Aを装着した状態をそれぞれ示している。なお、図8−1〜図9−3では、板状部材9Aが図5とは逆向きに配置されているが、板状部材9Aは、どちらの向きに配置されていても良い。
これらの支保工5B、5Cに、粘土材料10を充填するための開口部16を複数箇所に設けても良い。この開口部16によって、支保工5B、5Cの内部空間にも粘土材料10を容易に充填できる。さらに、粘土材料10として顆粒状ベントナイトを使用した場合には、一層容易に支保工5B、5Cの内部空間に充填できる。
図9−1は、図7−1に示した支保工5又は5Aに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を板状部材9Aと壁面4との間に充填する状態を示す。同様に、図9−2は、図7−3に示した支保工5Bに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を板状部材9Aと壁面4との間に充填する状態、図9−3は、図7−4に示した支保工5Cに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を板状部材9Aと壁面4との間に充填する状態をそれぞれ示している。
粘土材料10を板状部材9Aと壁面4との間に充填する際に、支保工5B、5Cにはそれぞれ開口部16が複数箇所に設けられているため、支保工5B、5Cの内部空間にも容易に粘土材料10が充填できる。
なお、上述では、支保工5B、5Cに開口部16を設けた場合について説明したが、図10−1〜図10−3に示すように、板状部材9Aにも粘土材料10を充填するための吹き込み口17を設けても良い。吹き込み口17を設けることによって、壁面4と板状部材9Aとの間の空間に、容易に粘土材料10を充填することができる。
さらに、粘土材料10として顆粒状ベントナイトを使用した場合には、壁面4と板状部材9Aとの間の空間に、一層容易に顆粒状ベントナイトを充填できる。なお、支保工5B、5Cに開口部16を設け、板状部材9Aに吹き込み口17を設ける場合を説明したが、開口部16又は吹き込み口17の何れかを、それぞれ支保工5B、5C又は板状部材9Aに設けても良い。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態2と同様に、軟質岩に掘削した地下坑道1内に支保構造体2を構築する場合について説明する。但し、実施の形態3における支保工5Dは、折り畳み可能な鋼製部材から構成されていること以外は、実施の形態2と同様である。
図11及び図12は、折り畳み可能な支保工5Dを示す概略図を示し、図11は折りたたまれた状態の支保工5Dを示し、図12は展開された状態の支保工5Dを示している。これらの図11及び12において、支保構造体2を構成する支保工5Dは、4つの鋼製部材18からなり、これらの鋼製部材18は、折り畳み可能に結合するヒンジ8によって接合されている。なお、支保工5Dは、例えばH型の断面形状を有している。
以上のように構成される支保構造体2は、次のようにして地下坑道1内に構築される。地下坑道1内に支保構造体2を構築する場合、まず、地下坑道1先端部の切羽で支保工5Dの1スパン分相当の掘進をする。次に、掘進した地下坑道1の切羽直近まで、折りたたんだ状態の支保工5D(図11参照)を運搬する。支保工5Dを切羽直近の支保工設置位置の床面3に仮置きし、折り畳んであった支保工5Dを図12に示すように広げると共に、岩盤の壁面4に密着させる。
次に、建て込んだ支保工5Dと直近の支保工5Dとの間を締結して、図4に示すように、あばら骨状に並べた支保工5Dがずれないようにタイロッド及びつっぱり管等で固定する。隣接し合う支保工5内側の第1リブに載せる状態で、板状部材を装着する。次いで、板状部材と岩盤との空間に、粘土材料として例えば穎粒状のベントナイトを投入する。支保工5Dは、図12に示すように、広げることによってアーチ構造を形成するので、支保剛性は有効に坑道周囲の岩盤の地圧に対抗することができる。
なお、実施の形態3では、粘土材料として顆粒状のベントナイトを投入する場合を説明したが、実施の形態1において説明した他の粘土材料やエタノールを含むスラリー材も同様に使用できる。また、実施の形態2で説明した支保剛性を大きくするための支保工5B、5Cであっても、折り畳み可能な支保工5Dの代わりに使用することができる。この場合、支保工5B、5Cには開口部が形成されていても良い。また、板状部材9Aには吹き込み口17が設けられていても良い。
さらに、板状部材としては、実施の形態1で説明した板状部材9やその他の板状部材、或いは、実施の形態2で説明した板状部材9Aも実施の形態3に適用できる。このように、実施の形態1〜3における各構成は、互いに他の実施の形態によっても同様に適用できる。
以上のように、本発明にかかる坑道の支保構造体及び支保方法は、セメント系材料を一切使わない支保工を坑道に構築できるため、放射性廃棄物から地下水に漏出することを抑止するために設置される、ベントナイト系人工バリアのセメント成分による性能劣化を生じさせない。従って、超長期に亘って遮水性を維持できる廃棄物地下坑道の支保工に有用であり、特に、放射性廃棄物の埋設処分施設における支保工に適している。
本発明の実施の形態1による地下坑道の支保構造体を示す概略図である。 板状部材9を示す概略斜視図である。 板状部材9のA−A’線に沿った側面図である。 支保構造体を示す概略斜視図である。 この発明の実施の形態2による支保工を示す概略斜視図である。 隣接して配置される支保工の第1リブに沿って、鋼製の板状部材が配置された状態を示す概略断面図である。 板状部材9Aを示す概略斜視図である。 板状部材9AのB−B’線に沿った断面図である。 支保工5又は5Aを示す概略断面図である。 支保工5又は5Aを二重に結合した状態を示す概略断面図である。 支保工5Bを示す概略断面図である。 支保工5Cを示す概略断面図である。 支保工5又は5Aに板状部材9Aを装着した状態を示す概略断面図である。 支保工5Bに板状部材9Aを装着した状態を示す概略断面図である。 支保工5Cに板状部材9Aを装着した状態を示す概略断面図である。 支保工5又は5Aに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 支保工5Bに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 支保工5Cに板状部材9Aを装着し、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 板状部材9Aに吹き込み口17を設け、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 板状部材9Aに吹き込み口17を設け、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 板状部材9Aに吹き込み口17を設け、粘土材料10を充填した状態を示す概略断面図である。 折り畳み可能な支保工5Dを折り畳んだ状態を示す概略図である。 折り畳み可能な支保工5Dを展開した状態を示す概略図である。 支保部材を通過して有害物質が漏洩する地下水流れの例を示す概略図である。 有害物質を含む地下水が高透水層に漏出する状態を示す概略図である。
符号の説明
1 地下坑道
2 支保構造体
3 床面
4 壁面
5、5A、5B、5C、5D 支保工
6 第1リブ
7 第2リブ
8 ヒンジ
9、9A 板状部材
9B 突出部
10 粘土材料
11 タイロッド
12 つっぱり管
13 補強部材
14 L型鋼
15 溝型鋼
16 開口部
17 吹き込み口
18 鋼製部材

Claims (8)

  1. 坑道の内壁に沿って湾曲し、かつ坑道の長手方向にほぼ平行に隣接して配置される複数の鋼製支保工と、前記鋼製支保工間に装着される金属製の板状部材と、前記坑道の壁面と前記板状部材との間に充填される粘土材料とを備えることを特徴とする坑道の支保構造体。
  2. 前記粘土材料は、少なくともベントナイトを含むことを特徴とする請求項1に記載の坑道の支保構造体。
  3. 前記板状部材は、リブ構造を付加した板状部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の坑道の支保構造体。
  4. 前記鋼製支保工は、前記粘土材料を充填する開口部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載の坑道の支保構造体。
  5. 前記鋼製支保工は、掘削する坑道断面形状に合致する形状に予め成型され、折り畳み可能に接合された2つ以上の鋼製部材から成ることを特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の坑道の支保構造体。
  6. 前記鋼製支保工は、前記坑道の内壁に沿って設置したときに、前記坑道内壁に支保外力を発揮する閉じたアーチ構造を形成することを特徴とする請求項5に記載の坑道の支保構造体。
  7. 坑道に支保構造体を構築する支保方法であって、掘進した前記坑道の切羽直近に、前記坑道の内壁に沿って湾曲した鋼製支保工を建て込み、切羽直近に建て込んだ前記鋼製支保工と直近の鋼製支保工とを所定の間隔で維持するために固定部材で固定し、前記鋼製支保工間に板状部材を装着し、この板状部材と前記内壁との間に粘土材料を充填することを特徴とする坑道の支保方法。
  8. 前記粘土材料を充填した後、ベントナイト及びエタノールを含むスラリーをさらに裏込め充填することを特徴とする請求項7に記載の坑道の支保方法。
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