JP2007015067A - 微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置 - Google Patents

微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 多様な振動抑制が可能となり、可動部の最終位置到達時に発生する振動を低減できる微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置を提供し、微小薄膜可動素子動作の高速化を図る。
【解決手段】 弾性変位可能に支持され一方向及びこれとは逆方向の双方向に変位する可動部27と、可動部27へ物理的作用力を加える第1の駆動源(35a、35b)とを備え、可動部27が第1の駆動源により変調又は切り替え機能を生じさせる微小薄膜可動素子100であって、第1の駆動源により可動部27を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部27の振動を抑制するよう物理的作用力の絶対値を増減させる第1の駆動源とは異なる第2の駆動源(37a、37b)を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置に関し、例えば光通信、露光装置、プロジェクター、光スイッチ、スキャナー、RFスイッチ、アクチュエータ、マルチプレクサ等に用いて好適なものである。
近年、MEMS技術(MEMS;Micro-Electro Mechanical systems)の急速な進歩により、μmオーダーの微小薄膜を電気的に変位・移動させる微小薄膜可動素子の開発が盛んに行われている。この微小薄膜可動素子には、例えばマイクロミラーを傾けて光の偏向を図るデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)や、光路を切り換える光スイッチなどがある。DMDは、光学的な情報処理の分野において、投射ディスプレイ、ビデオ・モニター、グラフィック・モニター、テレビおよび電子写真プリントなど用途が広い。また、光スイッチは、光通信、光インタコネクション(並列コンピュータにおける相互結合網など光による信号接続技術)、光情報処理(光演算による情報処理)などへの応用が期待されている。
微小薄膜可動素子は、一般的に弾性変位可能に支持され一方向又は双方向に変位する可動部を備え、この可動部が主にスイッチング動作を担う。したがって、可動部の制動制御は、良好なスイッチング動作を行う上でも特に重要となる。
例えば、下記特許文献1に開示されるマイクロミラー装置は、一対の駆動電極のうち一方の電極に電圧を印加し、これら電極間にヒンジ接続により配置されたミラーを有する可動部を、駆動電極との間の電位差及び静電容量に応じた静電引力により回転させる構成としている。
また、下記特許文献2に開示される微小機械格子装置におけるリボン素子を減衰させる方法は、底表面を定め、この底表面の下に形成された底導電層を有するチャネル上の電気機械リボン素子を減衰させる方法において、少なくとも一つのリボン素子に少なくとも一つの定振幅電圧パルスを提供する工程と、定振幅電圧パルスから狭い一時的なギャップによって分けられた制動パルスを少なくとも一つリボン素子に提供する工程とを有する。すなわち、平行平板系素子の1つの可動部電極と、一つの固定電極とにより、静電気力を単一方向に働かせ、リボン素子を下部電極側へ引き寄せる駆動電圧と、駆動電圧の直前に印加する初期制動電圧、又は駆動電圧の直後に印加する最終制動電圧との2つの制動駆動電圧によって振動を制御しようとしている。
また、下記特許文献3に開示される光路切替装置は、電磁駆動のアクチュエーターに信号電圧を印加して光路を切替える機械式の光スイッチと、光スイッチに信号電圧を供給する制御回路とを備える。信号電圧は、信号の立ち上がり振幅VHと信号幅Tについて、信号の立ち上がりからT/2経過したときの電圧が2/3VH以下である。そして、アクチュエータに印加する信号電圧において、振動幅Tの信号の立ち上がりから、T/2経過した時、信号電圧を立ち上がり振幅の2/3倍以下に減少させ、振動を抑制しようとしている。
さらに、下記特許文献4に開示されるマイクロマシン素子の制御方法は、第1の制御信号と第2の制御信号とがマイクロマシン素子に供給され、第2の制御信号が、マイクロマシン素子をアクティブ状態に設定し、第1の制御信号がこの状態を維持するように構成される。そして、マイクロマシン素子をpull-in状態に設定する制御信号と、マイクロマシン素子をpull-in状態に保持する他方の制御信号と、少なくとも2つの制御信号を用い、マイクロマシン素子を制御する。これにより、低い電圧レベルでのマイクロマシン素子の制御を可能としている。
また、下記特許文献5に開示される光スイッチの切替制御方法は、制御電圧のオン、オフにより変位する振動部材と、この振動部材の先端に振動部材が変位することにより伝搬光を反射または遮断するエレメントを備えた光スイッチにおいて、上記の制御電圧をオンする前に、振動部材の固有振動周期より短い第1の予備電圧パルスを振動部材に印加し、制御電圧をオフにした後に、振動部材の固有振動周期より短い第2の予備電圧パルスを振動部材に印加している。
一般的に光スイッチでは、制御電圧をオン、オフして振動部材が変位するとき、チャタリングと呼ばれる現象が生じる。このチャタリングは、制御電圧をオンまたはオフにした後に、振動部材が直ちにその制御電圧に対応した変位量分、変化するのではなく、大きな減衰振動をしながら、最終的に制御電圧に対応した変位量分、変位する現象である。したがって、この振動が減衰し、光出力が一定レベルになるまでは、光路を切り換えたことにならず、光スイッチの切り換え速度が制限されてしまう問題があった。これに対し、本従来例による光スイッチの切替制御方法では、振動部材の固有振動周期より短い予備電圧パルスを、制御電圧をオンする前とオフにした後に振動部材に印加することで、チャタリングを制御し、光スイッチの切り換え速度の向上を図っている。
また、下記特許文献6に開示される微小電気機械式変調素子は、ミラーアセンブリのパルス波形を調整することにより、可動部の振動をアクティブに減少させることのできる微小電気機械式変調素子アレイを得、スイッチング動作の高速化を図っている。
特開平8−334709号公報 特開2001−174720号公報 特開2002−169109号公報 特開2002−36197号公報 特開平2−7014号公報 特開2001−242395号公報
しかしながら、特許文献1に開示されるマイクロミラー装置では、駆動電極のうちの一方に電圧を印加し、可動部と駆動電極との間の電位差及び静電容量に応じた静電引力を発生させ、可動部を回転させる。このため、図24(a)に示すように、電圧Vaの印加によってマイクロミラーが接触位置へ遷移して、接触位置に着地した直後、接触部材からの反力を受けることで振動が生じた。また、マイクロミラーが接触位置に着地しない非接触構造の場合であっても、図24(b)に示すように、所望の回転角度(収束位置)を超えてオーバーシュートが発生することで、振動の鎮静化までに時間を要した。これらの振動やオーバーシュートは、微小薄膜可動素子のスイッチング動作における高速化の妨げとなっていた。
また、特許文献2に開示される微小機械格子装置では、図25(a)に示すように、定振幅電圧パルス1が時間の関数であり、2μsecの持続時間と10Vの電圧値を有する。定振幅電圧パルス1の後直ちに、狭いギャップ3によって定振幅電圧パルス1から分かれた狭い制動パルス5が掛けられる。さらに、図25(b)に示すように、隣接する定振幅電圧パルス7が逆の極性を有する場合、制動パルス9の極性も関連する電圧パルス7の逆となる。しかしながら、この微小機械格子装置は、可動部であるリボンを基板側へ平行変位させる所謂平行平板型の微小薄膜可動素子であり、一つの可動部側電極とこれに対面する一つの固定電極とにパルスを掛けて制動を行うため、振動制御方法の多様性に乏しい不利があった。例えば、可動部を基板に対して吸引変位させているときには、反対方向の制動力を同時に掛けることができない。つまり、振動をアクティブに減少させることができなかった。
また、特許文献3に開示される光路切替装置は、電磁駆動のアクチュエーターにおいて、可動部がヨークの先端に近づくとき、すなわち、永久磁石磁界による吸引力が強くなる時にコイル磁界による吸引力を低下させ、総合の吸引力が強くなり過ぎることがないように可動部をファイバー接続位置に移動させている。信号発生回路により出力される波形は、図26(a)に示すように、立ち上がり電圧VH=7Vで立ち上がり後に急激に電圧が減少する信号電圧である。信号幅Tは5ms、信号終端の電圧は0.5Vである。立ち上がりからT/2経過後の電圧は2.8vである。図26(b)は、立ち上がり電圧は7V、信号幅Tは5ms、ステップ状に振幅が変化する時間T=1.5msである。図26(c)は立ち上がり電圧5V、減少させた振幅が1Vになるまでの時間Tが2msである。時間Tは信号幅に相当する。時間T以降は次の切替えを行なうまで1Vの電圧を印加し続ける。図26(d)は立ち上がり電圧5V、ステップ状の振幅が変化するまでの時間T=3msで振幅が一定値0.5Vにステップ状に減少する波形である。これらの信号電圧は、立ち上がりの振幅を大きくすることで可動部の動き(切替速度)を早くするとともに、可動部が動き出したら信号電圧を急激に小さくして可動部に加わる力を低減してチャタリングを抑制することができた。しかしながら、この光路切替装置は、可動部であるブロックを双方向に平行変位させているが、順方向に働く駆動力を変化させて振動を抑制しようとしているため、振動制御方法の多様性に乏しい不利があった。また、基本的にコイル磁界による吸引力を低下させ、総合の吸引力が強くなり過ぎないように信号電圧を小さくするもので、上記同様、振動をアクティブに減少させることができなかった。
また、特許文献4に開示されるマイクロマシン素子の制御方法は、単数又は複数の制御信号を用いて制御を行っている。この制御信号の典型的波形は図27(a)〜(h)に示される。図27(a),(b)からわかるように、制御信号はマイクロマシン素子の状態を変化させるパルス列であってもよい。同様に、少なくとも2つの制御信号の場合、これらの信号は、図27(c),(d)に描かれている重ね合わせ信号や、図27(e)に描かれている振幅変調(AM)信号や、図27(f)に描かれている周波数変調(FM)信号や、図27(g)に描かれているパルス幅変調(PWM)信号、或いは図27(h)に描かれているようなパルス密度変調(PDM)信号の中で合成された信号であってもよい。しかしながら、この制御方法は、pull-in状態での保持電圧の低減、残留電荷の放電によるオン/オフ遅延の減少、出力信号の振幅増大などを制御目的としており、振動をアクティブに減少させることができなかった。
さらに、特許文献5に開示される光スイッチの切替制御方法は、図28に示すように、制御電圧をオン、オフする前に、第1の予備電圧パルス、第2の予備電圧パルスを振動部材に印加し、1つの可動部電極と1つの固定電極により静電気力を単一方向に働かせ、可動支持部の弾性力および慣性力との力のつり合いにより可動部駆動時の振動を抑えようとするものであり、可動部遷移方向に働く順方向のみの静電気力(電位差)を変化させるため、振動抑制効果が小さい問題があった。一般的に、光通信用の光スイッチにおいては、DMDと異なり、任意の角度で位置だしされるために自由振動の収束までに非常に時間がかかる。また、レーザ光などの光情報を出射側のファイバに反射させて入射させるため、高い制御精度が求められるが、可動部(ミラー部)の振動が上記したチャタリングとしてノイズの原因となる。このように、特に光スイッチの場合、振動の影響はDMDもより大きく、重大な課題となっていた。
また、特許文献6に開示される微小電気機械式変調素子は、ミラー支持ポストによりヨーク12に取り付けられたミラー13と、ミラーアドレス電極14とヨークアドレス電極15と、捕獲電極16とからなる。この微小電気機械式変調素子では、素子表面上の適度な高さ位置に、ミラー13が所望の角度の領域に回転した際に、ミラー13またはヨーク12の連続した端部と近接するように、捕獲電極16が設けられる。この捕獲電極16とミラーアセンブリは、これらの間に極めて高い静電引力を生み出し、ミラーが捕獲電極の平面に近づいた際にはミラー13を止めるようにバイアスされる。したがって、ミラーアセンブリのパルス波形を調整することにより、ミラー13は確実に減衰され、ミラーアセンブリが所望の回転角で停止した際のDMDミラーの振動を防いでいる。しかしながら、この微小電気機械式変調素子は、非接触駆動で振動を抑制しようとしていることから、振動抑制の効果が小さい欠点があった。特に、動作中のヨーク12を物理的作用力によって振動抑制するための捕獲電極16が、ヨーク12と同一平面上に配置され、その端面同士との間に発生される物理的作用力によって制動を行うため、電極間の対向面積が小さく、大きな物理的作用力が得られず、振動抑制効率が悪い問題があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、多様な振動抑制が可能となり、可動部の最終位置到達時に発生する振動を低減できる微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置を提供し、もって、微小薄膜可動素子動作の高速化を図ることを目的とする。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 弾性変位可能に支持され一方向及びこれとは逆方向の双方向に変位する可動部と、前記可動部へ物理的作用力を加える第1の駆動源とを備え、前記可動部が前記第1の駆動源により変調又は切り替え機能を生じさせる微小薄膜可動素子であって、前記第1の駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、前記可動部の振動を抑制するよう前記物理的作用力の絶対値を増減させる前記第1の駆動源とは異なる第2の駆動源を備えたことを特徴とする微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、可動部の遷移方向と逆方向に物理的作用力が作用すると、停止部材に接触する直前の可動部が減速され、従来のように可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することが抑止され、或いは停止部材に接触した後の反力による可動部の遷移方向と逆方向の変位が抑止され、可動部の振動がアクティブに減少される。
(2) 前記可動部を前記第1の方向へ変位駆動した後、前記可動部が前記第1の方向と異なる第2の方向へ遷移している間に、前記第2の駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向に物理的作用力が加えられることを特徴とする(1)記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、可動部が第1の方向へ変位駆動され、変位の最終位置に到達した後、さらに、停止部材に当接することによる反力、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の物理的作用力が可動部に加えられることで、変位の最終位置から離反しようとする可動部の移動がアクティブに制動される。
(3) 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする(1)又は(2)記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、作用点が複数となることで、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部において、回転中心を挟む両側に物理的作用力が加えられるようになる。これにより、それぞれの作用点に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
(4) 前記可動部が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、該可動部の速度が略ゼロとなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、可動部が最終変位位置へ到着する瞬間の速度が略ゼロとなり、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、非接触駆動の場合の最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートが発生しなくなる。
(5) 前記第1、第2の駆動源により前記可動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、可動部を変位させる物理的作用力が静電気力となることで、高速な振動抑止力が得られる。
(6) 前記物理的作用力が、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、物理的作用力が、パルス波形によって特定される電圧範囲で発生され、多様な振動抑制効果が得られるようになる。なお、ここでのパルス波形とは、矩形波、正弦波、余弦波、鋸波、三角波、及びこれらの合成波を含む。
(7) 前記物理的作用力が、複数のパルス波形によって発生されることを特徴とする(6)記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、物理的作用力が、異なる大きさ、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
(8) 前記可動部のそれぞれの遷移方向に対して2つ以上の前記物理的作用力が設定可能に構成されたことを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部において、回転中心を挟む両側のそれぞれの片側に2つ以上の物理的作用力が加えられるようになる。これにより、可動部の片側に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
(9) 前記可動部が、前記特定方向の変位の最終位置に到達するに際し、停止部材に接触して停止されることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、可動部が最終位置に到達すると、停止部材(着地サイト)に接触して停止される。つまり、微小薄膜可動素子が所謂接触型として作動されるようになる。この場合、可動部は、着地した直後、停止部材からの反力を受けるが、上記の物理的作用力によって制動され、強制的に制振される。
(10) 前記可動部の遷移方向とは逆の方向に物理的作用力が加えられる前記第2の駆動源が、前記可動部を挟んで前記第1の駆動源とは反対側に配置されることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子では、第1の駆動源と可動部とに物理的作用力が加えられ、可動部が最終位置に到達する直前に、可動部を挟んで第1の駆動源とは反対側に位置する第2の駆動源と可動部とに物理的作用力が加えられ、可動部が最終変位位置へ到着する瞬間の速度が略ゼロとなり、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、非接触駆動の場合の最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートが発生しなくなる。
(11) 前記第1の駆動源と前記第2の駆動源との少なくともいずれか一方が、前記可動部を前記第1の方向又は該第1の方向とは異なる第2の方向に遷移させる配置場所に少なくとも1つ配設されていることを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子によれば、第1の駆動源と第2の駆動源とを、各遷移方向に対してそれぞれ単数もしくは複数設けることにより、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部において、回転中心を挟む両側のそれぞれの片側に2つ以上の静電気力が加えられるようになる。これにより、可動部の片側に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
(12) 前記可動部が、光ファイバーの出力光を任意の他の光ファイバーに切替える光通信用のスイッチング機能を有することを特徴とする(1)〜(11)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
この微小薄膜可動素子によれば、光通信用として用いた場合に、可動部の振動が抑制されるため、伝送される信号のノイズを低減することができる。
(13) (1)〜(12)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子を1次元又は2次元配列したことを特徴とする微小薄膜可動素子アレイ。
この微小薄膜可動素子アレイでは、高速なスイッチング動作の可能となった微小薄膜可動素子がアレイ化され、振動の鎮静化する時間の短縮が可能となり、従来より早いアドレス電圧の書込みが可能となる。また、個々の微小薄膜可動素子の変位制御信号を変えることで、作動誤差の補正制御が可能となる。
(14) 前記微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、前記可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする(13)記載の微小薄膜可動素子アレイ。
この微小薄膜可動素子アレイでは、メモリ回路が備えられることで、このメモリ回路に対して予め素子変位信号の書き込みが可能となる。そして、共通電極に、従来同様の一定の共通電圧が印加されると同時に、信号電極に、予めメモリ回路に書き込んでおいた素子変位信号が印加されることで、複数の微小薄膜可動素子が高速にアクティブ駆動可能となる。
(15) それぞれの前記可動部を変調駆動させる制御部が設けられたことを特徴とする(13)又は(14)記載の微小薄膜可動素子アレイ。
この微小薄膜可動素子アレイでは、可動部が制御部によって駆動制御されることで、可動部が最終変位位置に到達する前に、可動電極と固定電極との間の電極間電圧の絶対値が減少又は増加、或いは増減され、可動部が最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、オーバーシュートが抑止可能となる。
(16) 光源と、(13)〜(15)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子アレイと、前記光源からの光を前記微小薄膜可動素子アレイに照射する照明光学系と、前記微小薄膜可動素子アレイから出射される光を画像形成面に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
この画像形成装置では、(13)〜(15)のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子アレイが構成の要部に備えられることで、振動をアクティブに減少でき、従来装置に比べ、駆動サイクル(スイッチング動作)が短縮される。
本発明に係る微小薄膜可動素子によれば、第1の駆動源により可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部の振動を抑制するよう物理的作用力の絶対値を増減させる第1の駆動源とは異なる第2の駆動源を備えたので、可動部の遷移方向と逆方向に物理的作用力を働かせ、停止部材に接触する直前の可動部を減速させて、可動部の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、微小薄膜可動素子におけるスイッチング動作を高速化することができる。また、可動部の振動を減少できるので、可動部が光変調を行うものでは、出射光の振動を減少させることができる。そして、第1の駆動源と異なる第2の駆動源を備えたので、振動を制御するために印加する物理的作用力のパターンを多様化できる。さらに、第1の駆動源のみに複雑な振動制御信号を重畳する必要がないので、回路構成を簡素にでき、かつ回路動作の負担増大を防止できる。
本発明に係る微小薄膜可動素子アレイによれば、本発明に係る微小薄膜可動素子を1次元又は2次元配列したので、可動部が最終変位位置へ到達した後の振動が抑止され、振動鎮静化時間をなくし或いは大幅に短縮することが可能となり、振動の収まるのを待つ必要がなく、アドレス電圧を書込むことができる。したがって、駆動サイクルを短縮して、スイッチング動作を高速化することができ、アレイ全体の高速動作が可能となる。また、光通信用の光スイッチアレイでは高精度が求められるため、個々の素子のばらつきに起因する作動誤差の補正が必要となるが、本微小薄膜可動素子アレイによれば、補正に対応させて個々の微小薄膜可動素子の変位制御信号を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、光源と、本発明に係る微小薄膜可動素子アレイと、光源からの光を微小薄膜可動素子アレイに照射する照明光学系と、微小薄膜可動素子アレイから出射される光を画像形成面に投影する投影光学系とを備えたので、従来装置に比べ、スイッチング動作を短縮することができる。この結果、高速・高階調な感光材露光や、より高速なプロジェクタ表示が可能となる。
以下、本発明に係る微小薄膜可動素子及び微小薄膜可動素子アレイ並びに画像形成装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る微小薄膜可動素子の第1の実施の形態を表す概念図、図2は図1に示した微小薄膜可動素子の揺動過程を(a),(b),(c)で表した動作説明図である。
本実施の形態による微小薄膜可動素子100は、変位構造の基本構成として、基板21と、基板21に空隙23を介して平行に配置される小片状の可動部27と、可動部27の両縁部から延出される支持部であるヒンジ29、29と、このヒンジ29、29を介して可動部27を基板21に支持するスペーサ31、31とを備える。このような構成により、可動部27は、ヒンジ29、29の捩れによって回転変位が可能となっている。
微小薄膜可動素子100は、可動部27の上面が光反射部(マイクロミラー部)となる。この他、本発明に係る微小薄膜可動素子は、可動部27の材質を適宜選択し、或いは短絡接点等を付設することにより、音波、流体、熱線のスイッチング、或いはRF信号のスイッチングも可能にすることができる。
本実施の形態において、可動部27は、特定方向の変位の最終位置に到達するに際し、基板21や図示しない停止部材に接触して停止する。つまり、接触型の微小薄膜可動素子を構成している。
基板21の上面には、ヒンジ29、29を中央として両側に固定電極である第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bが設けられる。また、可動部27にもその一部に不図示の可動電極が設けられている。微小薄膜可動素子100には基板21中に不図示の駆動回路が設けられ、駆動回路は可動部27と第1アドレス電極35aとの間、可動部27と第2アドレス電極35bとの間に電圧を印加する。微小薄膜可動素子100は、基本動作として、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35b、可動部27へ電圧を印加することによって、ヒンジ29、29を捩り中心として可動部27を揺動変位させる。つまり、可動部27がマイクロミラー部であることにより、光の反射方向がスイッチングされる。
微小薄膜可動素子100では、可動部27に対し、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bに電位差を与えると、それぞれの電極と、可動部27との間に静電気力が発生し、ヒンジ29、29を中心に回転トルクが働く。この際に発生する静電気力は、周囲雰囲気の誘電率、可動部27の面積、印加電圧、可動部27とアドレス電極の間隔に依存する。
したがって、周囲雰囲気の誘電率、可動部27の面積、可動部27とアドレス電極の間隔、ヒンジ29、29の弾性係数が一定である場合、可動部27は、それぞれの電極の電位を制御することにより、左右に回転変位可能となる。例えば、可動部27と第1アドレス電極35aとに電圧Vaが印加され、Va1>Vb1のときには、図2(a)に示すように、第1アドレス電極35aと可動部27に発生する静電気力が、第2アドレス電極35bと可動部27に発生する静電気力より大きくなり、図2(b)に示すように、可動部27が左側に傾く。逆に、Va1<Vb1のときは、第2アドレス電極35bと可動部27に発生する静電気力が、第1アドレス電極35aと可動部27に発生する静電気力より大きくなり、図示は省略するが可動部27が右側に傾く。
このように、可動部27の可動電極、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bは、可動部27を回転変位させる駆動源となっている。このような駆動源から可動部27へ加えられる物理的作用力が、静電気力となることで、高速な回転変位が可能となっている。
なお、可動部27に作用させる物理的作用力は、静電気力以外の物理的作用力であってもよい。その他の物理的作用力としては、例えば、圧電体による効果や電磁力を挙げることができる。この場合、駆動源としては、圧電素子を用いた圧電型アクチュエータや、マグネット・コイルを用いた電磁型アクチュエータが採用される。
このように、微小薄膜可動素子100は、双方向に変位する可動部27を備え、この可動部27がスイッチング機能を有する。可動部27は、物理的作用力を加える複数の第1の駆動源(可動部27の可動電極、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35b)によって回転変位される。本実施の形態による微小薄膜可動素子100は、物理的作用力として静電気力が作用する。この静電気力が可動部27を、重力、ヒンジ29、29の弾性力に抗して基板21側へと引き付ける。このようにして静電気力によって可動部27が揺動変位して、揺動先端が基板21へと吸着される(張り付く)状態をプルイン(pull−in)と称す。すなわち、可動部27は、可動電極、第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bに印加される変位制御信号がプルイン電圧に達して発生する静電気力で変位される。
変位制御信号は、プルイン電圧に達する前は、アナログ制御領域と言われ、2値では制御されない。すなわち、無段階的なアナログ制御が可能な領域となる。
ところで、本実施の形態による微小薄膜可動素子100は、第1の駆動源により可動部27を第1の方向(図2の左回転方向)へ変位駆動させるに際し、可動部27の振動を抑制するよう物理的作用力の絶対値を増減させる第1の駆動源とは異なる第2の駆動源を備えている。第1の駆動源は、可動部27の可動電極と、ヒンジ29を挟み第1アドレス電極35a、第2アドレス電極35bの内側に配設された第1振動制御電極37a、第2振動制御電極37bとからなる。可動部27の可動電極と第1振動制御電極37aとには振動制御電圧Va2、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとには振動制御電圧Vb2が後述の制御部によって印加可能となっている。なお、第1振動制御電極37a、第2振動制御電極37bは、本実施の形態とは逆の第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bの外側にそれぞれが配設されてもよい。
本実施の形態において、可動部27は、特定方向の変位の最終位置に到達するに際し、図示しない停止部材(着地サイト)に接触して停止される。つまり、微小薄膜可動素子100は、所謂接触型として作動される。この場合、可動部27は、着地した直後、停止部材からの反力を受けるが、上記の物理的作用力によって制動され、強制的に制振される。なお、本実施の形態では、可動部27が停止部材に接触する接触型を例に説明するが、本発明は、可動部27が最終変位位置で接触しない非接触型であっても適用可能なものである。
第2の駆動源により可動部27を第1の方向及び第2の方向(図2の右回転方向)へ変位させる物理的作用力は、第1の駆動源と同様に、静電気力である。可動部27を変位させる物理的作用力が静電気力となることで、高速な振動抑止力が得られる。すなわち、本実施の形態の基本的な制振動作は、図2を再び参照すれば、図2(b)に示す可動部27が不図示の停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2が印加される。
可動部27の遷移方向と逆方向に静電気力が作用すると、停止部材に接触する直前の可動部27が減速され、従来のように可動部27が大きな速度で最終変位位置へ到達することが抑止され、或いは停止部材に接触した後の反力による可動部27の遷移方向と逆方向の変位が抑止され、可動部27の振動がアクティブに減少される。つまり、振動制御電圧Vb2によって発生する静電気力は、可動部27の反時計回りのモーメントに対して制動力(ブレーキ)として作用することになる。これにより、可動部27は、停止部材に接触と同時に静止するよう制御される。
このように、微小薄膜可動素子100では、可動部27が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、可動部27の速度が略ゼロとなるように制御されることが好ましい。これにより、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、非接触駆動の場合の最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートが発生しなくなる。
上記構成のように、微小薄膜可動素子100は、物理的作用力が、可動部27の複数の作用点に加えられるように構成される。すなわち、ヒンジ29を挟む左右で印加可能となっている。したがって、例えば本実施の形態のように、中央が回転中心となる揺動型の可動部27において、回転中心を挟む両側に物理的作用力が加えられるようになり、それぞれの作用点に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられる。これにより、後述するような多様な振動抑制効果(振動抑制のバリエーション)が得られるようになる。
また、物理的作用力は、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加することができる。物理的作用力が、パルス波形によって特定される電圧範囲で発生される。なお、ここでのパルス波形とは、矩形波、正弦波、余弦波、鋸波、三角波、及びこれらの合成波を含む。さらに、物理的作用力は、複数のパルス波形によって発生させることもできる。このように、物理的作用力が、異なる大きさ、異なるタイミングで加えられることで、さらに、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
次に、可動部27の振動を抑制するために、第1の駆動源、第2の駆動源に印加される種々のパルス波形の変形例について説明する。
図3は接触直後に矩形パルス波形が印加される変形例1を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例1では、可動部27を第1の方向へ変位駆動した後、可動部27が第1の方向と異なる第2の方向へ遷移しようとするとき、若しくは遷移している間に、第2の駆動源(可動部27の可動電極、第1振動制御電極37a)にパルスP1が印加されることにより、可動部27に対し第1の方向に静電気力が加えられる。可動部27が第1の方向へ変位駆動され、変位の最終位置に到達した後、さらに、停止部材に当接することによる反力、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の静電気力が可動部27に加えられることで、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動(図中破線波形状の軌跡)がアクティブに制動される。
図4は接触直後に2つの矩形パルス波形が印加される変形例2を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例2では、可動部27を第1の方向へ変位駆動した後、可動部27が停止部材に接触し、その反力によって振動が発生するような場合、第1の方向と異なる第2の方向へ遷移しているそれぞれの間に、第2の駆動源(可動部27の可動電極、第1振動制御電極37a)にパルスP2,P3が印加されることにより、可動部27に対し第1の方向に複数回の物理的作用力が加えられる。これにより、可動部27が反力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の静電気力が印加され、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動(図中破線波形状の軌跡)がアクティブに制動される。なお、図では2つのパルス波P2、P3を例示するが、パルス波形は2つ以上であっても勿論よい。
図5は接触静電気力が減少される変形例3を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例3では、可動部27が、第1の駆動源と、第2の駆動源とによって第1の方向へ駆動される。つまり、第1振動制御電極37aが駆動電極として利用されている。そして、可動部27の可動電極と、第1振動制御電極37aとに印加された振動制御電圧Va2は、可動部27が停止部材に接触する直前で、一定のタイミングOF1によってOFFされる。したがって、可動部27が停止部材へ接触する直前の速度が減速され、可動部27の速度が略ゼロとなるように制御される。これにより、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動が発生しなくなる。
図6は振動発生時の助勢静電気力が減少される変形例4を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例4では、可動部27が停止部材に接触した後、停止部材からの反力によって可動部27が一旦停止部材から離反してしまった場合、ヒンジ29、29の弾性力によって可動部27が再び停止部材に接近する際の静電気力が、可動部27の可動電極と、第1振動制御電極37aとに印加され続けている振動制御電圧Va2の一定タイミングOF2によるOFFで減少される。つまり、弾性力によって可動部27が再び停止部材に接近する際、第2の駆動源による静電気力が助勢力となって作用することがキャンセルされる。これにより、可動部27の接触以降、大きな速度で再び停止部材に到達することで生じる衝突による振動が発生しなくなる。
図7は接触直前のパルス波が印加される変形例5を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例5では、可動部27が停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P4が印加される。したがって、可動部27が最終変位位置に到達する前の遷移している間に、遷移方向(反時計回り方向)と逆方向(時計回り方向)に静電気力が作用し、可動部27が最終変位位置へ到達する直前の速度が減速される。これによって従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動が抑止される。つまり、可動部27の接触時の振動がアクティブに減少可能となる。
図8は接触直前のパルス波が複数印加される変形例6を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例6では、可動部27が停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P5が印加され、これによっても離反動が阻止できず、可動部27が弾性力によって再び停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P6が印加される。したがって、第1の方向へ遷移しているそれぞれの間に、第2の方向へ複数回の静電気力が加えられる。つまり、ブレーキが複数回かけられることになる。なお、図では2つのパルス波P5、P6を例示するが、パルス波形は2つ以上であっても勿論よい。
図9は接触直前直後にパルス波が印加される変形例7を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例7では、可動部27が停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P7が印加され、可動部27が停止部材に接触した後には、可動部27の可動電極と第1振動制御電極37aとに振動制御電圧Va2によるパルスP8が印加される。したがって、可動部27が最終変位位置へ到達する直前の速度が減速されるとともに、変位の最終位置に到達した後、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動(図中破線波形状の軌跡)がアクティブに制動される。
図10は接触直後直前にパルス波が印加される変形例8を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例8では、可動部27が停止部材に接触した後には、可動部27の可動電極と第1振動制御電極37aとに振動制御電圧Va2によるパルスP9が印加され、可動部27が停止部材に再接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P10が印加される。したがって、可動部27が変位の最終位置に到達した後、変位の最終位置から離反しようとする可動部27の移動(図中破線波形状の軌跡)が制動されるとともに、停止部材からの反力によって可動部27が一旦停止部材から離反し、ヒンジ29、29の弾性力によって再び停止部材に接近する際の可動部27の速度が減速され、可動部27がアクティブに制動される。
図11は接触直前の順方向静電気力が減少されるとともに逆方向静電気力が印加される変形例9を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例9では、可動部27の可動電極と、第1振動制御電極37aとに印加された振動制御電圧Va2は、可動部27が停止部材に接触する直前で、一定のタイミングOF3によってOFFされる。これに加え、可動部27が停止部材に接触する直前に、可動部27の可動電極と第2振動制御電極37bとに振動制御電圧Vb2によるパルス波P11が印加される。したがって、可動部27が停止部材へ接触する直前の速度が、駆動静電気力の減少とブレーキとの双方とによって減速され、可動部27の速度が略ゼロとなるように制御される。これにより、可動部27の接触時の振動がアクティブに減少可能となり、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動が発生しなくなる。
図12は接触直前の順方向静電気力が複数回減少されるとともに逆方向静電気力が複数回印加される変形例10を表した振動抑制動作の説明図である。
この変形例10では、一定のタイミングOF4、OF5によるOFFと、振動制御電圧Vb2によるパルス波P12、P13とが、複数回(本変形例では2回)印加される。したがって、可動部27が停止部材へ接触する毎に、直前の速度が、駆動静電気力の減少とブレーキとの双方とによって減速され、可動部27の速度が略ゼロとなるように制御される。これにより、可動部27の接触時の振動がアクティブに減少可能となり、従来可動部が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動がより確実に発生しなくなる。
したがって、上記の微小薄膜可動素子100によれば、第1の駆動源により可動部27を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部27の振動を抑制するよう物理的作用力の絶対値を増減させる第1の駆動源とは異なる第2の駆動源を備えたので、可動部27の遷移方向と逆方向に物理的作用力を働かせ、停止部材に接触する直前の可動部27を減速させて、可動部27の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、微小薄膜可動素子100におけるスイッチング動作を高速化することができる。また、可動部27の振動を減少できるので、可動部27が光変調を行うものでは、出射光の振動を減少させることができる。そして、第1の駆動源と異なる第2の駆動源を備えたので、振動を制御するために印加する物理的作用力のパターンを多様化できる。さらに、第1の駆動源のみに複雑な振動制御信号を重畳する必要がないので、回路構成を簡素にでき、かつ回路動作の負担増大を防止できる。
次に、本発明に係る微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を説明する。
図13は本発明に係る微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を表す概念図で、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のP−P断面図である。
本実施の形態による微小薄膜可動素子200は、可動部27の一端がヒンジ29、29、スペーサ31、31を介して基板21に支持固定されている。つまり、可動部41は、他端が自由端となった片持ち梁状に構成される。そして、基板21上には可動部41の自由端に対向して第1アドレス電極35a、第1振動制御電極37aが設けられ、可動部51を挟んだ第1アドレス電極35a、第1振動制御電極37aの反対側には対向基板21Aに形成される第2アドレス電極35b、第2振動制御電極37bが設けられている。
このような構成の微小薄膜可動素子200においても、第1振動制御電極37aと可動部41との間、または、第2振動制御電極37bと可動部41との間に上記の各バリエーションの何れかの振動制御電圧Va2、Vb2が印加され、可動部41の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、微小薄膜可動素子200におけるスイッチング動作を高速化することができる。
次に、本発明に係る微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を説明する。
図14は本発明に係る微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を表す概念図である。
本実施の形態による微小薄膜可動素子300は、所謂、平行平板型の素子であって、導電性と可撓性を有する平板状の可動部51の両端が基板21上に形成した絶縁膜53に所定の空隙23を有して固定されている。この基板21の可動部51の下方には、絶縁膜53を介して、第1アドレス電極35aが配設されており、また、可動部51の上方には絶縁膜55を介して第2アドレス電極35bが配設されている。つまり、可動部51は、第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bとの間で両端が支持された両持ち梁状に構成されている。さらに、第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35bとのそれぞれの左右には、第1振動制御電極37a、第2振動制御電極37bが一対ずつ配設されている。
このような平行平板型の微小薄膜可動素子300においても、第1振動制御電極37a,37aと可動部51との間、または、第2振動制御電極37b,37bと可動部51との間に上記の各バリエーションの何れかの振動制御電圧Va2、Vb2が印加され、可動部41の振動をアクティブに減少させることができる。この結果、微小薄膜可動素子300におけるスイッチング動作を高速化することができる。
次に、本発明に係る微小薄膜可動素子の第4の実施の形態を説明する。
図15は本発明に係る微小薄膜可動素子の第4の実施の形態を表す概念図である。
本実施の形態による微小薄膜可動素子400は、可動部27の遷移方向とは逆の方向に物理的作用力が加えられる第2の駆動源(第1振動制御電極37a、第2振動制御電極37b)が、可動部27を挟んで第1の駆動源(第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35b)とは反対側に配置される。
この微小薄膜可動素子400では、第1の駆動源と可動部27とに物理的作用力が加えられ、可動部27が最終位置に到達する直前に、可動部27を挟んで第1の駆動源とは反対側に位置する第2の駆動源と可動部27とに物理的作用力が加えられ、可動部27が最終変位位置へ到着する瞬間の速度が略ゼロとなる。これにより、従来可動部27が大きな速度で最終変位位置へ到達することで生じていた衝突による振動や、非接触駆動の場合の最終変位位置へ到達する際のオーバーシュートが発生しなくなる。
なお、これら第1アドレス電極35aと第2アドレス電極35b、第1振動制御電極37a、第2振動制御電極37bは、図15(b)に示す微小薄膜可動素子400Aの第1アドレス電極35a1,35a2,第2アドレス電極35b1,35b2、第1振動制御電極37a1,37a2、第2振動制御電極37b1,37b2のように、複数ずつが配設されてもよい。つまり、第1アドレス電極35a1,35a2,第2アドレス電極35b1,35b2である第1の駆動源と、第2振動制御電極37b1,37b2である第2の駆動源との少なくともいずれか一方が、可動部27を第1の方向又は該第1の方向とは異なる第2の方向に遷移させる配置場所に少なくとも1つ配設する。このように、可動部27のそれぞれの遷移方向に対して2つ以上の静電気力が設定可能となった構成によれば、例えば中央が回転中心となる揺動型の可動部において、回転中心を挟む両側のそれぞれの片側に2つ以上の静電気力が加えられるようになる。これにより、可動部27の片側に、異なる大きさの制動力を、異なるタイミングで加えられるようになり、多様な振動抑制効果が得られるようになる。
次に、本発明に係る微小薄膜可動素子の第5の実施の形態を説明する。
図16は本発明に係る微小薄膜可動素子をRFスイッチに応用した第5の実施の形態を表す平面図、図17は図16に示したRFスイッチのオフ状態のD−D断面を(a)、オン状態のD−D断面を(b)に表した説明図、図18は図16に示したRFスイッチのオフ状態のE−E断面を(a)、オン状態のE−E断面を(b)に表した説明図である。
本発明に係る微小薄膜可動素子は、その基本構成によりマイクロミラー部を備えないRFスイッチ500に応用することができる。RFスイッチ500は、カンチレバー式のRF(radio frequency)スイッチを構成している。すなわち、RFスイッチ500は、基板21に空隙23を介して平行に配置される可動部であるカンチレバー71と、カンチレバー71の基端を基板21に支持するスペーサ31と、第1電極35aと、第1振動制御電極37aと、可動電極39と、入力端子73と、出力端子75と、短絡接点79と、を備える。
このような構成により、第1アドレス電極35aと可動電極39に電圧が印加されることで、静電気力によってカンチレバー71が上下に弾性変位し、入力端子73と出力端子75とを開閉して、RF(高周波)信号の接続および切換を行うRFスイッチを実現している。このRFスイッチ500は、1つのスイッチで、例えば送信/受信時の低周波と高周波の信号経路を切換可能にできる。また、2つの入力端子73、出力端子75で構成する接点は、1つのメカニカル素子を使って接続し、閉路を形成できる。これにより、信号経路を接続する直列接続モードと、信号経路を接地に落とす短絡モードの両方が実現可能となる。
スイッチやルーター、RF信号処理に本発明に係る微小薄膜可動素子の構成を活用すれば、通常の電子部品を使った場合に比べて、はるかに良好な性能を実現できる。すなわち、可動部の振動をアクティブに減少させることができることから、スイッチング動作を高速化できる。また、伝送損失を低減でき、オフ状態での絶縁性を高められる。インダクターやコンデンサーに適用すれば、通常の半導体プロセスを使って作成した場合に比べて、はるかに高いQ値を有する同調(チューニング)回路を実現できる。帯域通過フィルターや位相シフターを構成すれば、SAW素子を上回るこれまでにない高いレベルの性能を得られる。可変容量コンデンサーを構成すれば、バラクター・ダイオードよりも理想に近い同調特性を有する回路を実現できる。さらに、オフ状態の絶縁性は通常で40dB以上と高く、オン状態での挿入損失は1dBの数分の1とすることが可能となり、ダイオードやFETスイッチとは異なり、ほぼ理想的なRF特性を得ることができる。
このように構成されるRFスイッチ500においても、カンチレバー71を第1の方向(基板21接近方向)へ変位駆動した後、カンチレバー71が第1の方向と異なる第2の方向(基板21離反方向)へ遷移している間に、第2の駆動源(可動電極39、第1振動制御電極37a)にパルスが印加されることにより、カンチレバー71に対し第1の方向に静電気力が加えられる。すなわち、カンチレバー71が第1の方向へ変位駆動され、変位の最終位置に到達した後、さらに、停止部材に当接することによる反力、或いは弾性力によって第2の方向へ遷移している間に、第1の方向の静電気力がカンチレバー71に加えられることで、変位の最終位置から離反しようとするカンチレバー71の移動がアクティブに制動される。これにより、カンチレバー71を、低電圧で高速に変位できるようになる。
上記の各実施の形態に開示した微小薄膜可動素子100、200、300、400、500のそれぞれは、1次元又は2次元配列することによって微小薄膜可動素子アレイを構成することができる。
この微小薄膜可動素子アレイでは、高速なスイッチング動作の可能となった微小薄膜可動素子100、200、300、400、500がアレイ化され、低電圧で高速な駆動が可能となり、従来より早いアドレス電圧の書込みが可能となる。
すなわち、個々の微小薄膜可動素子を必要最小限の静電気力で高速作動させ、アレイ全体の高速動作が可能となる。これにより、例えば高速な感光材露光や、より高画素数のプロジェクタ表示等が可能となる。また、例えば光通信用の光スイッチアレイでは高精度が求められるため、個々の素子のばらつきに起因する作動誤差の補正が必要となるが、本微小薄膜可動素子アレイによれば、補正に対応させて個々の微小薄膜可動素子の印加電圧を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができる。
また、光通信用の微小薄膜可動素子アレイでは高精度が求められるため、個々の素子のばらつきに起因する作動誤差の補正が必要となる。したがって、微小薄膜可動素子アレイにおいては、各素子ごとにこの補正を行わなければならない。これに対し、本実施の形態による微小薄膜可動素子アレイによれば、この補正に対応させて個々の微小薄膜可動素子100、200、300、400、500における変位制御信号を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができる。
図19は微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有した構成を示す説明図である。
微小薄膜可動素子アレイ600は、微小薄膜可動素子100のそれぞれがメモリ回路81を含む駆動回路55を有することが好ましい。このようなメモリ回路81が備えられることで、メモリ回路81に対して予め素子変位信号の書き込みが可能となる。このメモリ回路81には予め素子変位信号が書き込まれる。微小薄膜可動素子100のスイッチングのとき、各々の微小薄膜可動素子100のメモリ回路81に記憶された素子変位信号と、微小薄膜可動素子100への印加電圧を制御する駆動電圧制御回路83、制御部(制御電圧制御回路)85により、本発明の変位制御信号、振動制御信号で微小薄膜可動素子100の信号電極(第1アドレス電極、第2アドレス電極、第1振動制御電極、第2振動制御電極)87に出力する。このとき、共通電極(可動電極)89に対しても所望の電圧が出力される。
このように、メモリ回路81を用いて微小薄膜可動素子100を駆動すると、複数の微小薄膜可動素子100のそれぞれを任意の駆動パターンで動作させることが容易にでき、より高速なアクティブ駆動が可能となる。なお、ここでは、第1の実施の形態による微小薄膜可動素子100を用いて微小薄膜可動素子アレイ600を構成する例を示したが、これに限らず、他の構成による微小薄膜可動素子200、300、400、500の何れかが用いられてもよい。
次に、上記り微小薄膜可動素子アレイ600を用いて構成した画像形成装置について説明する。ここでは、画像形成装置の例として、まず、露光装置800について説明する。図20は本発明に係る微小薄膜可動素子アレイを用いて構成した露光装置の概略構成を示す図である。露光装置800は、照明光源131と、照明光学系133と、上述した実施の形態の微小薄膜可動素子100を同一平面状で2次元状に複数配列した微小薄膜可動素子アレイ600と、投影光学系135とを備える。
照明光源131は、レーザ、高圧水銀ランプ、及びショートアークランプ等の光源である。照明光学系133は、例えば、照明光源131から出射された面状の光を平行光化するコリメートレンズである。コリメートレンズを透過した平行光は微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に垂直に入射する。照明光源131から出射された面状の光を平行光化する手段としては、コリメートレンズ以外にも、マイクロレンズを2つ直列に配置する方法等がある。また、照明光源131としてショートアークランプ等の発光点が小さいものを使用することで、照明光源131を点光源とみなし、微小薄膜可動素子アレイ600に平行光を入射するようにしても良い。また、照明光源131として微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に対応するLEDを有するLEDアレイを使用し、LEDアレイと微小薄膜可動素子アレイ600とを近接させて光を発光させることで、微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に平行光を入射するようにしても良い。なお、照明光源131としてレーザを用いた場合には、照明光学系133は省略しても良い。
投影光学系135は、画像形成面である記録媒体137に対して光を投影するためのものであり、例えば、微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に対応したマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ等である。
以下、露光装置800の動作を説明する。
照明光源131から出射された面状の光が照明光学系133に入射し、ここで平行光された光が微小薄膜可動素子アレイ600に入射する。微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に入射される光は、画像信号に応じてその反射が制御される。微小薄膜可動素子アレイ600から出射された光は、投影光学系135により記録媒体137の画像形成面に撮影露光される。撮影光は記録媒体137に対して相対的に走査方向に移動しながら投影露光され、広い面積を高解像度で露光することができる。このように、コリメートレンズを微小薄膜可動素子アレイ600の光の入射面側に設けることで、各変調素子の平面基板に入射する光を平行光化することができる。なお、図中139はオフ光を導入する光アブソーバーを表す。
この露光装置800は、照明光学系133としてコリメートレンズを用いることに限らず、マイクロレンズアレイを用いて構成することができる。この場合、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズは、微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に対応し、マイクロレンズの光軸と焦点面が各光変調素子の中心に合うように設計、調整される。
この場合、照明光源131からの入射光は、マイクロレンズアレイにより、微小薄膜可動素子100の一素子よりも面積が小さい領域に集光され、微小薄膜可動素子アレイ600に入射する。微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に入射される光は、入力される画像信号に応じて反射が制御される。微小薄膜可動素子アレイ600から出射された光は、投影光学系135により記録媒体137の画像形成面に投影露光される。投影光は記録媒体137に対して相対的に走査方向に移動しながら投影露光され、広い面積を高解像度で、露光することができる。このように、マイクロレンズアレイによって照明光源131からの光を集光することができるため、光利用効率を向上させた露光装置を実現することができる。
なお、マイクロレンズのレンズ面形状は、球面、半球面など、特に形状は限定されず、凸曲面であっても凹曲面であってもよい。さらに、屈折率分布を有する平坦形状なマイクロレンズアレイであってもよく、フレネルレンズやバイナリーオプティクスなどによる回折型レンズがアレイされたものであってもよい。マイクロレンズの材質としては、例えば、透明なガラスや樹脂である。量産性の観点では樹脂が優れており、寿命、信頼牲の観点からはガラスが優れている。光学的な観点上、ガラスとしては石英ガラス、溶融シリカ、無アルカリガラス等が好ましく、樹脂としてはアクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリカーボネイト系、スチレン系、塩化ビニル系等が好ましい。なお、樹脂としては、光硬化型、熱可塑型などがあり、マイクロレンズの製法に応じて適宜選択することが好ましい。
次に、画像形成装置の他の例として、投影装置について説明する。
図21は本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いて構成した投影装置の概略構成を示す図である。図20と同様の構成には同一符号を付し、その説明は省略するものとする。
投影装置としてのプロジェクタ900は、照明光源131と、照明光学系133と、微小薄膜可動素子アレイ600と、投影光学系141とを備える。投影光学系141は、画像形成面であるスクリーン143に対して光を投影するための投影装置用の光学系である。照明光学系133は、前述したコリメータレンズであってもよく、マイクロレンズアレイであってもよい。
次に、プロジェクタ900の動作を説明する。
照明光源131からの入射光は、例えばマイクロレンズアレイにより、微小薄膜可動素子100の一素子よりも面積が小さい領域に集光され、微小薄膜可動素子アレイ600に入射する。微小薄膜可動素子アレイ600の各微小薄膜可動素子100に入射される光は、画像信号に応じてその反射が制御される。微小薄膜可動素子アレイ600から出射された光は、投影光学系141によりスクリーン143の画像形成面に投影露光される。このように、微小薄膜可動素子アレイ600は、投影装置にも利用することができ、さらには、表示装置にも適用可能である。
したがって、露光装置800やプロジェクタ900等の画像形成装置では、上記の微小薄膜可動素子アレイ600が構成の要部に備えられることで、可動部27の低電圧・高速変位が可能となる。これにより、高速な感光材露光や、より高画素数のプロジェクタの表示が可能となる。また、露光光のオン・オフで階調制御がなされる画像形成装置(露光装置800)では、オン・オフ時間の短縮が可能となることで、より高階調の実現が可能となる。この結果、高速な感光材露光や、より高画素数のプロジェクタを表示させることができる。
図22は本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いたスキャナの概略構成を示す図である。
本発明に係る微小薄膜可動素子アレイは、発光素子から出射した光線を被照射対象に走査するとともに、被照射対象からの戻り光を反射させて受光素子に入射させるビームスキャナ等にも好適に用いることができる。スキャナ1000は、光源151からの光をレンズ153で絞り、この光を微小薄膜可動素子100の可動部であるスキャンミラー155で反射し、バーコード157に照射する。バーコード157の全域に亘って光を照射するため、スキャンミラー155を揺動させる。揺動は、不図示の第1電極、第2電極、可動部、第1振動制御電極、第2振動制御電極へ電圧を印加することによって、ヒンジを捩り中心として可動部を揺動変位させる。つまり、可動部がスキャンミラー155であることにより、光の反射方向がスイッチングされる。
一方、バーコード157面に照射した光は、乱反射しながらもバーコードの白黒による光量変化をもって再びスキャンミラー155に戻り、そこで反射された光は集光レンズ159により集光され、受光素子161により光量変化を電気的に変換して出力する。なお、読み取り精度向上のため、受光素子161の前面にはバンドパスフィルタ(BPF)を設けて発光光周波数以外の不要な光の採光を防止する。
このような微小薄膜可動素子100からなる微小薄膜可動素子アレイ600を用いたスキャナ1000においても、スキャンミラー155の振動がアクティブに減少されることで、スキャンミラー155の高速変位が可能となる。
図23は本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いたクロスコネクトスイッチの構成を示す説明図である。
さらに、本発明に係る微小薄膜可動素子アレイ600は、光通信のクロスコネクトスイッチ等にも好適に用いることができる。
このクロスコネクトスイッチ1100は、例えば微小薄膜可動素子100を1次元状に配列した微小薄膜可動素子アレイ600を用いて構成することができる。図示の例では、2つの微小薄膜可動素子アレイ600a、600bが設けられる。このクロスコネクトスイッチ1100では、入力ファイバーボート171の光ファイバ171aからの出射光がマイクロレンズ173を通り一方の微小薄膜可動素子アレイ600aの所定の微小薄膜可動素子100aに入射される。入射光は、微小薄膜可動素子100aのスイッチング動作によって、反射光となって入射側微小薄膜可動素子アレイ600bの所望の微小薄膜可動素子100bに入射する。入射した光は微小薄膜可動素子100bのスイッチングによって所定の出力ファイバーボード175の光ファイバー175aへ入射する。
このクロスコネクトスイッチ1100においても、上記の複数の微小薄膜可動素子100からなる微小薄膜可動素子アレイ600が用いられることで、可動部27の高速変位が可能となる。この結果、チャタリングを減少させてノイズを低減し、スイッチング動作を高速化することができる。
そして、このクロスコネクトスイッチ1100では、上記のように個々の微小薄膜可動素子100における印加電圧を変えることで、作動誤差の補正を容易に行うことができることから、個々の微小薄膜可動素子100のばらつきに起因する作動誤差の補正が簡単に行え、高精度なスイッチングを行うことができる。
また、上記のクロスコネクトスイッチ1100では、1軸回動される微小薄膜可動素子100を用いた例で説明したが、微小薄膜可動素子アレイには2軸回動される3次元微小薄膜可動素子を用いてもよい。このような構成とすることで、例えば入力ファイバーボート171の光ファイバ171aが1次元配列され、出力ファイバーボード175の光ファイバ175aが2次元配列される場合であっても、可動部27を3次元駆動することによって、光ファイバ171aからの出射光を紙面垂直方向所望の光ファイバ175aへも切り換えることができる。
本発明に係る微小薄膜可動素子の第1の実施の形態を表す概念図である。 図1に示した微小薄膜可動素子の揺動過程を(a),(b),(c)で表した動作説明図である。 接触直後に矩形パルス波形が印加される変形例1を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直後に2つの矩形パルス波形が印加される変形例2を表した振動抑制動作の説明図である。 接触静電気力が減少される変形例3を表した振動抑制動作の説明図である。 振動発生時の助勢静電気力が減少される変形例4を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直前のパルス波が印加される変形例5を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直前のパルス波が複数印加される変形例6を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直前直後にパルス波が印加される変形例7を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直後直前にパルス波が印加される変形例8を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直前の順方向静電気力が減少されるとともに逆方向静電気力が印加される変形例9を表した振動抑制動作の説明図である。 接触直前の順方向静電気力が複数回減少されるとともに逆方向静電気力が複数回印加される変形例10を表した振動抑制動作の説明図である。 本発明に係る微小薄膜可動素子の第2の実施の形態を表す概念図で、(a)は要部斜視図、(b)は(a)のP−P断面図である。 本発明に係る微小薄膜可動素子の第3の実施の形態を表す概念図である。 本発明に係る微小薄膜可動素子の第4の実施の形態を表す概念図である。 本発明に係る微小薄膜可動素子をRFスイッチに応用した第5の実施の形態を表す平面図である。 図16に示したRFスイッチのオフ状態のD−D断面を(a)、オン状態のD−D断面を(b)に表した説明図である。 図16に示したRFスイッチのオフ状態のE−E断面を(a)、オン状態のE−E断面を(b)に表した説明図である。 微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有した構成を示す説明図である。 本発明に係る微小薄膜可動素子アレイを用いて構成した露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いて構成した投影装置の概略構成を示す図である。 本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いたスキャナの概略構成を示す図である。 本発明の微小薄膜可動素子アレイを用いたクロスコネクトスイッチの構成を示す説明図である。 従来の微小電気機械式変調素子に生じる可動部の振動を表した説明図である。 従来の微小機械格子装置において印加される制動パルスの説明図である。 従来の光路切替装置において印加される信号電圧波形の説明図である。 従来のマイクロマシン素子の制御方法において印加される制御信号の説明図である。 従来の光スイッチにおける切替制御方法の特性を表した説明図である。 捕獲電極を備えた従来の微小電気機械式変調素子の概略構成図である。
符号の説明
27 可動部
35a、35b 第1アドレス電極、第2アドレス電極(第1の駆動源)
37a、37b 第1振動制御電極、第2振動制御電極(第2の駆動源)
55 駆動回路
81 メモリ回路
85 制御電圧制御回路(制御部)
87 信号電極
89 共通電極
100 微小薄膜可動素子
131 光源
133 照明光学系
137 記録媒体(画像形成面)
135 投影光学系
600 微小薄膜可動素子アレイ
800 露光装置(画像形成装置)
900 プロジェクタ(画像形成装置)

Claims (16)

  1. 弾性変位可能に支持され一方向及びこれとは逆方向の双方向に変位する可動部と、前記可動部へ物理的作用力を加える第1の駆動源とを備え、前記可動部が前記第1の駆動源により変調又は切り替え機能を生じさせる微小薄膜可動素子であって、
    前記第1の駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、前記可動部の振動を抑制するよう前記物理的作用力の絶対値を増減させる前記第1の駆動源とは異なる第2の駆動源を備えたことを特徴とする微小薄膜可動素子。
  2. 前記可動部を前記第1の方向へ変位駆動した後、前記可動部が前記第1の方向と異なる第2の方向へ遷移している間に、前記第2の駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向に物理的作用力が加えられることを特徴とする請求項1記載の微小薄膜可動素子。
  3. 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小薄膜可動素子。
  4. 前記可動部が特定方向の変位の最終位置に到達するときに、該可動部の速度が略ゼロとなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  5. 前記第1、第2の駆動源により前記可動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  6. 前記物理的作用力が、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  7. 前記物理的作用力が、複数のパルス波形によって発生されることを特徴とする請求項6記載の微小薄膜可動素子。
  8. 前記可動部のそれぞれの遷移方向に対して2つ以上の前記物理的作用力が設定可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  9. 前記可動部が、前記特定方向の変位の最終位置に到達するに際し、停止部材に接触して停止されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  10. 前記可動部の遷移方向とは逆の方向に物理的作用力が加えられる前記第2の駆動源が、前記可動部を挟んで前記第1の駆動源とは反対側に配置されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  11. 前記第1の駆動源と前記第2の駆動源との少なくともいずれか一方が、前記可動部を前記第1の方向又は該第1の方向とは異なる第2の方向に遷移させる配置場所に少なくとも1つ配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  12. 前記可動部が、光ファイバーの出力光を任意の他の光ファイバーに切替える光通信用のスイッチング機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子を1次元又は2次元配列したことを特徴とする微小薄膜可動素子アレイ。
  14. 前記微小薄膜可動素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、前記可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする請求項13記載の微小薄膜可動素子アレイ。
  15. それぞれの前記可動部を変調駆動させる制御部が設けられたことを特徴とする請求項13又は請求項14記載の微小薄膜可動素子アレイ。
  16. 光源と、
    請求項13〜請求項15のいずれか1項記載の微小薄膜可動素子アレイと、
    前記光源からの光を前記微小薄膜可動素子アレイに照射する照明光学系と、
    前記微小薄膜可動素子アレイから出射される光を画像形成面に投影する投影光学系とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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