JP2007078819A - 光スキャナ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部45を備え、この可動部45が変調機能を有する光スキャナ素子100であって、可動部45へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、この駆動源により可動部45を第1の方向へ変位駆動させるに際し、可動部45が第1の方向に遷移している間に、駆動源により可動部45に対し第1の方向若しくは第1の方向と異なる第2の方向にさらに物理的作用力が加えられ、この動作を繰り返すことで可動部45が一定の回転角速度で可動するよう構成した。
【選択図】図1
Description
また、特許文献1に開示される光スキャナでは、てこの原理によってミラー部の大きな傾斜を可能とし、共振を用いずとも大きな走査範囲を確保できるようにしているが、構造が複雑であるため、素子の微細化には向かない。また、構造が大きいため、高速動作にも限界があった。
さらに、特許文献2に開示されるガルバノミラー装置では、可軸部のミラー部の一部を電極とし、駆動の低電圧化を図っているが、可動部の共振周波数でしか可動せず、用途が限定された。また、可動部の位置を検出するのにフィードバック回路を必要としており、素子の複雑化は避けられず、微細化にも不向きであった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、第1の目的は、可動部の周波数を自由に変更することで、可動部を一定の回転角速度で可動させ、副走査方向における分解能を均一にすることができる光スキャナ素子を得ることにある。第2の目的は、素子構造を簡素にして、微細化を可能にすることにある。第3の目的は、スキャニングの高速化を可能にすることにある。第4の目的は、可動部の方向転換時における振動を減少させることにある。
(1) 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部が変調機能を有する光スキャナ素子であって、前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向若しくは前記第1の方向と異なる第2の方向にさらに物理的作用力が加えられ、この動作を繰り返すことで前記可動部が一定の回転角速度で可動することを特徴とする光スキャナ素子。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る光スキャナ素子の平面視を(a)、断面視を(b)に表した構成説明図、図2は図1に示した光スキャナ素子の給電構成を表した断面図、図3は図1に示した光スキャナ素子の基本動作説明図、図4は助勢駆動電圧が印加されることで共振周波数以外の周波数で変位可動される図1に示した光スキャナ素子の動作を説明するグラフ、図5は駆動電圧が重畳された変形例の動作説明図である。
この実施の形態に係る光スキャナ素子100は、基本的な駆動のための構造要素として、基板41と、基板41に空隙43を介して平行に配置される小片状の可動部45と、可動部45の両縁部から延出される支持部であるヒンジ47、47と、このヒンジ47、47が固定される枠体49と、枠体49を介して可動部45を基板41に支持するスペーサ51とを備える。このような構成により、可動部45は、ヒンジ47、47の捩れによって弾性変位可能に支持され、双方向(図1(b)の時計回り方向及び反時計回り方向)に回転変位が可能となっている。
図6は助勢駆動電圧が印加されることで共振周波数より速い周波数で変位可動される第2の実施の形態に係る光スキャナ素子の動作を説明するグラフである。なお、以下の各実施の形態において、図1〜図5において示した構成と同一の構成には同一の符号を付して説明し、重複する説明は省略するものとする。
この実施の形態による光スキャナ素子は、可動部45が備える共振周波数より、可動部45が速い周波数で可動される。すなわち、可動部45が共振周波数においての一方の最終位置(+θ0)に到達するタイミングより短いタイミングで、第1駆動電極53aにVaが印加される。また、回転速度が一定のまま他方の最終位置(−θ0)に到達した可動部45は、最終位置への到達と同時に第2駆動電極53bにVbが印加されることで一旦速度がゼロとなって停止される。このVaとVbとは、所定のタイミングで交互に印加される。この場合も、可動部45の振動周期は、正弦カーブの頂上部・谷部が、共振周波数で振動される場合に比べ急峻となる。
この変形例によれば、可動部45が共振周波数より遅い周波数で可動されることで、副走査方向におけるレーザー光線の走査軌跡において、検出密度が密となり、スキャンデータ検出の分解能を高めることが可能となる。
このように、光スキャナ素子では、パルスの周波数を変えることで、振動の周期を可動部45の共振周波数より早くも遅くも変えることができる。
また、可動部45の振動周期は、可動部45の振動中に変更されるものであってもよい。
図7は検出部を備えた第3の実施の形態に係る光スキャナ素子の断面図、図8は可動部の位置検出タイミングと助勢駆動電圧の印加タイミングとの相関を表した第3の実施の形態に係る光スキャナ素子の動作を説明するグラフである。
この実施の形態による光スキャナ素子100Cは、可動部45の位置を検出する検出部である例えば電極間静電容量検出部(電流計)55a、55bを備えている。この光スキャナ素子100Cでは、図8に示した矢印61のタイミングで可動部45の規定の角度が電極間静電容量によって検出され、その規定角度に達した瞬間に逆方向の電圧が印加される。つまり、電流計55a、55bによって可動部45の位置を検出し、この検出位置に基づき可動部45に対し物理的作用力が加えられるようになっている。この例では、正弦カーブの頂上部領域63aで駆動電圧Vbが印加され、正弦カーブの谷部領域63bで駆動電圧Vaが印加される。
図9は2軸にて揺動される可動部を備えた第4の実施の形態に係る3次元光スキャナ素子を平面視(a)、断面視(b),(c)で表した斜視図である。
本発明に係る光スキャナ素子は、図1に示したヒンジ47、47を捩れ中心とする基本的な1軸の2次元光スキャナ素子100の他、図9に示すヒンジ47a、47a、ヒンジ47b、47bを捩れ中心とする2軸の3次元光スキャナ素子100Dであってもよい。
図10は電磁駆動される本発明の第5の実施の形態に係る光スキャナ素子を表す斜視図である。
この実施の形態による光スキャナ素子100Eは、一次元に揺動し得る可動部を有する揺動体81と、磁界を発生させるための磁気回路83と、これらを保持するベースプレート85とを備えている。揺動体81は、可動部87と、可動部87を支持するための支持部89、91と、可動部87と支持部89、91を連結している連結部である一対のトーションバー93、95とを有している。一対のトーションバー93、95は、支持部89、91に対して可動部87を、トーションバー93、95を通る一本の軸の周りに揺動可能に支持している。
図11はメモリ回路を備えた本発明の第6の実施の形態に係る光スキャナ素子を表すブロック図である。
この実施の形態による光スキャナ素子100Fは、メモリ回路111を含む駆動回路113を有し、可動部45と、可動部45に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち、一方が駆動回路113からの素子変位信号の入力される信号電極115であり、他方が一定電圧が印加される固定電位電極117となっている。本実施の形態では、可動部45の可動側電極53cと、第1駆動電極53a及び第2駆動電極53bとの2つの電極群のうち、一方の第1駆動電極53a及び第2駆動電極53bに信号電極115が接続され、他方の可動側電極53cに固定電位電極117が接続される。
この光スキャナ素子アレイでは、可動部45が一定の回転角速度で可動される光スキャナ素子100Fがアレイ化され、分解能を均一にすることができるとともに、周波数を自由に変更することができ、任意な周波数でスキャニングができる。
このような構成とすることで、図示は省略するが、例えば片持ち梁型の可動部において、揺動先端部を揺動方向で挟む両側のそれぞれに2つ以上の物理的作用力が加えられるようになる。
これにより、可動部に対し、基本的な変位を行わせるための物理的作用力と、例えば可動部を一定の回転角速度で可動させるために助勢力として加える物理的作用力とが別々に印加可能となり、可動部の駆動制御回路が簡素に構成可能となる。
53a 第1駆動電極(駆動源)
53b 第2駆動電極(駆動源)
53c 可動側電極(駆動源)
55a、55b 電流計(検出部)
111 メモリ回路
113 駆動回路
115 信号電極
117 固定電位電極
100、100A、100C、100D、100E、100F 光スキャナ素子
Claims (10)
- 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部が変調機能を有する光スキャナ素子であって、
前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、
該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向若しくは前記第1の方向と異なる第2の方向にさらに物理的作用力が加えられ、この動作を繰り返すことで前記可動部が一定の回転角速度で可動することを特徴とする光スキャナ素子。 - 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部が変調機能を有する光スキャナ素子であって、
前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、
該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向若しくは前記第1の方向と異なる第2の方向にさらに物理的作用力が加えられ、この動作を繰り返すことで前記可動部が備える共振周波数より速い周波数で可動することを特徴とする光スキャナ素子。 - 弾性変位可能に支持され双方向に変位する可動部を備え、該可動部が変調機能を有する光スキャナ素子であって、
前記可動部へ物理的作用力を加える駆動源を複数有し、
該駆動源により前記可動部を第1の方向へ変位駆動させるに際し、該可動部が前記第1の方向に遷移している間に、前記駆動源により前記可動部に対し前記第1の方向若しくは前記第1の方向と異なる第2の方向にさらに物理的作用力が加えられ、この動作を繰り返すことで前記可動部が備える共振周波数より遅い周波数で可動することを特徴とする光スキャナ素子。 - 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
- 前記駆動源により前記可動部を前記第1の方向及び前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
- 前記物理的作用力が、縦軸を強度、横軸を時間としたパルス波形様に印加されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
- 前記物理的作用力が、複数のパルス波形によって印加されることを特徴とする請求項6記載の光スキャナ素子。
- 前記可動部のそれぞれの遷移方向に対して2つ以上の前記物理的作用力が設定可能に構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
- 前記可動部の位置を検出する検出部を備え、該検出部によって前記可動部の位置を検出し、該検出位置に基づき前記可動部に対し物理的作用力が加えられることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
- 前記光スキャナ素子がメモリ回路を含む駆動回路を有し、
前記可動部と該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち、一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が一定電圧が印加される固定電位電極であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の光スキャナ素子。
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