JP2016206226A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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正美 河辺
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賢斗 松元
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Abstract

【課題】クーロン力を利用してマイクロミラー等の反射体の傾斜角を制御する過程で発生する反射体の傾斜角のオーバーシュートを抑制することができる制御装置および制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様による制御装置は、弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御装置であって、前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極と、前記一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させ、前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロミラー等の反射体の傾斜角を制御するための制御装置および制御方法に関する。
従来、静電容量型のマイクロミラーが知られている(特許文献1参照)。静電容量型のマイクロミラーの傾斜角は、クーロン力を利用することにより電気的に変更することが可能となっている。このため、マイクロミラーは、例えば、通信の分野において光信号の伝送方向を切り替えるための光スイッチ等に利用されている。静電容量型のマイクロミラーを車両の灯火装置内のリフレクタ(反射器)として利用すれば、簡易な構成でビームの方向を切り替えることができる。また、マイクロミラーを揺動させて車両の灯火装置のビームの方向をスイープさせることにより、照射範囲を任意に制御することも可能になる。
特開2005−208164号公報
しかしながら、車両の灯火装置のビームの方向をスイープさせるためにクーロン力を利用してマイクロミラーを揺動させると、その慣性質量により、マイクロミラーの傾斜角にオーバーシュートが生じる場合がある。このため、マイクロミラーの傾斜角を精度よく制御することが困難になり、照射範囲を精度よく制御することが困難になる場合がある。
また、クーロン力を利用してマイクロミラーの傾斜角を二値的に切り替えることにより、車両の灯火装置のビームをハイビームとロービームとに切り替えることも可能であるが、この場合も、ビームを切り替える際にマイクロミラーの傾斜角にオーバーシュートが生じ、ビームの方向が不安定になる場合が起こり得る。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、クーロン力を利用してマイクロミラー等の反射体の傾斜角を制御する過程で発生する反射体の傾斜角のオーバーシュートを抑制することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る制御装置は、弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御装置であって、前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極と、前記一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させ、前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する充電制御部と、を備えた制御装置の構成を有する。
本発明の一態様に係る制御方法は、弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御方法であって、前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させる段階と、前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する段階と、を含む制御方法の構成を有する。
本発明の一態様によれば、クーロン力を利用して反射体の傾斜角を制御する過程で発生する反射体の傾斜角のオーバーシュートを抑制することができる。
本発明の実施形態による制御装置の全体構成例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態による制御装置の制御対象であるマイクロミラーを備えた反射ユニットの分解図である。 本発明の実施形態による制御装置の構成例の一部の詳細を示す図である。 本発明の実施形態による制御装置の動作を説明するための図であり、(a)は、クーロン力を用いてマイクロミラーを傾斜させる動作を説明するための図であり、(b)は、マイクロミラーを傾斜させる過程でマイクロミラーに作用するクーロン力を抑制させる動作を説明するための図である。 本発明の実施形態による制御装置の動作を説明するための図であり、静電容量に対する電圧印加時間と変位量との関係を示す特性図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態による制御装置100の全体構成例を模式的に示す図である。制御装置100は、反射ユニットRUに反射体として備えられたマイクロミラーMの傾斜角を制御する制御装置であり、電極TA1〜TA4,TB1〜TB4、駆動部DR1〜DR4、充電制御部CC、スイッチSW1〜SW4を備えている。マイクロミラーMは、反射ユニットRUのフレーム部H2(図2)に取り付けられた弾性部B1,B2により揺動可能に支持されている。
反射ユニットRUを二次元マトリックス状に複数配列することにより、例えば車両の灯火装置のリフレクタ(反射器)を実現することができる。本実施形態では、説明の簡略化のため、上記リフレクタ等に適用された一つの反射ユニットRUに備えられたマイクロミラーMの傾斜角を制御する場合を例として制御装置100説明する。
ここで、図2を参照して、反射ユニットRUについて説明する。
図2は、本発明の実施形態による制御装置100の制御対象であるマイクロミラーMを備えた反射ユニットRUの分解図である。反射ユニットRUは、電極TB1〜TB4が配置されたベース部P、フレーム部H1、マイクロミラーM、弾性部B1〜B4、電極TA1〜TA4が配置されたフレーム部H2を備え、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により実現されている。ただし、反射ユニットRUは、MEMS技術によらず、任意の形態で実現され得る。
ベース部Pは、絶縁性部材から構成され、マイクロミラーMの外形に合わせて、概略四角形状に形成されている。ベース部Pの各コーナー付近には電極TB1〜TB4が配置されている。フレーム部H1は、ベース部Pと同様の絶縁性部材から構成され、ベース部Pの外周形状に合わせて、四角形状の枠体として形成されている。フレーム部H1は、その内方に電極TB1〜TB4が位置するように、ベース部P上に形成されている。フレーム部H1,H2及びベース部PはフレームHを構成する。
マイクロミラーMは、概略四角形の形状を有する板状の導電性部材から構成されている。マイクロミラーMの各コーナー部には、弾性部材からなる弾性部B1〜B4が形成されている。図2の例では、マイクロミラーMを形成する導電性部材と弾性部B1〜B4を形成する弾性部材は同一部材であり、マイクロミラーMと弾性部B1〜B4は一体的に形成されている。図2の例では、マイクロミラーMの各コーナー部の一部が弾性部B1〜B4として波状に形成されている。なお、マイクロミラーMの形状は、四角形に限らず、反射体として機能し得ることを限度に、任意の多角形の形状であり得る。
マイクロミラーMは、マイクロミラーMに外力が作用していない状態でマイクロミラーMの各コーナー部がベース部P上の電極TB1〜TB4と略一定の距離を置いて対向するように、弾性部B1〜B4を介してフレーム部H1に取り付けられている。これにより、マイクロミラーMは、弾性部B1〜B4により揺動可能に支持されている。また、導電性部材からなるマイクロミラーMは、電気的に接地されている。ただし、マイクロミラーMは、絶縁性部材であってもよく、その場合、マイクロミラーMと電極TA1〜TA4,TB1〜TB4との間に静電容量が形成されるように、マイクロミラーM上に電極となる導電性部材が配置される。
フレーム部H2は、フレーム部H1と同様の絶縁性部材からなる枠体として構成されている。フレーム部H2は、その内方にマイクロミラーMが位置するように、フレーム部H1上に形成されている。フレーム部H2には、マイクロミラーMに外力が作用しない状態で電極TA1〜TA4がマイクロミラーMのコーナー領域と一定の距離を置いて対向するように、電極TA1〜TA4が取り付けられている。
上述の図2に示す反射ユニットRUの構成において、電極TA1と電極TB1との組み合わせは、それぞれの電極とマイクロミラーMとの間に静電容量が形成されるようにマイクロミラーMの一つのコーナー部を挟んで対向配置された一対の電極を構成する。同様に、電極TA2と電極TB2との組み合わせが一対の電極を構成し、電極TA3と電極TB3との組み合わせが一対の電極を構成し、電極TA4と電極TB4との組み合わせが一対の電極を構成する。以下では、「一対の電極」なる表現は、上記の電極の組み合わせの何れかを指す。「対をなす電極」なる表現も同様である。
なお、本実施形態では、電極TA1〜TA4、TB1〜TB4のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成される各静電容量は互いに等しいものとするが、各静電容量は互いに異なっていてもよい。
本実施形態では、一対の電極TA1,TB1と一対の電極TA4,TB4とは、マイクロミラーMの複数のコーナー部のうち、マイクロミラーMの重心を挟んで相互に対向する二つのコーナー部にそれぞれ配置されている。同様に、一対の電極TA2,TB2と一対の電極TA3,TB3とは、それぞれ、マイクロミラーMの複数のコーナー部のうち、マイクロミラーMの重心を挟んで相互に対向する二つのコーナー部に配置されている。
説明を図1に戻す。駆動部DR1〜DR4は、充電制御部CCの制御の下に、電極TA1〜TA4,TB1〜TB4を駆動するための要素である。具体的には、駆動部DR1は、電極TA1と電極TB4とに電圧Voまたは接地電圧を印加するための要素である。駆動部DR2は、電極TA2と電極TB3とに電圧Voまたは接地電圧を印加するための要素である。駆動部DR2は、電極TA2と電極TB3とに電圧Voまたは接地電圧を印加するための要素である。
駆動部DR3は、電極TA3と電極TB2とに電圧Voまたは接地電圧を印加するための要素である。駆動部DR4は、電極TA4と電極TB1とに電圧Voまたは接地電圧を印加するための要素である。また、駆動部DR1〜DR4は、その出力状態をフローティング状態とする機能も有している。従って、駆動部DR1〜DR4の出力状態は、電圧Voの出力状態、接地電圧の出力状態、フローティング状態の3つの状態をとり得る。
図3は、本発明の実施形態による制御装置100の構成例の一部の詳細を示す図であり、駆動部DR2,DR3の構成例を説明するための図である。図3に示す反射ユニットRUの断面構造は、図1に示す弾性部B2,B3が取り付けられた図2に示すフレーム部H1,H2の対角方向の二つの角部を繋ぐ対角線での断面構造を示している。また、図3では、図1に示す駆動部DR1〜DR4のうち、電極TA2,TA3および電極TB2,TB3の駆動に関与する駆動部DR2,DR3のみが示されており、他の駆動部DR1,DR4は省略されている。また、図3では、一対の電極TA2,TB2と一対の電極TA3,TB3とを短絡するためのスイッチSW2,SW3のみが示されており、他のスイッチSW1,SW4は省略されている。
図3に示すように、駆動部DR2は、可変電源PS2、逆流防止用のダイオードD2、電界効果トランジスタ(以下、トランジスタと称す。)Q21,Q22、電流制限用の抵抗R21,R22(電流制限用素子)、ゲート駆動回路G2を備えている。可変電源PS2の負極は接地され、可変電源PS2の正極はダイオードD2のアノードに接続されている。本実施形態では、可変電源PS2が発生させる電圧は、基準の電圧Voに固定されているものとするが、必要とするマイクロミラーMの傾斜角や傾斜速度に応じて、可変電源PS2が発生させる電圧を変化させてもよい。
ダイオードD2のカソードはトランジスタQ21のドレインに接続されている。トランジスタQ21のソースは抵抗R21の一端に接続され、抵抗R21の他端は、駆動部DR2の出力ノードN2に接続されている。即ち、トランジスタQ21のソースと出力ノードN2との間に抵抗R21が接続されている。抵抗R22の一端は、出力ノードN2に接続され、抵抗R22の他端は、トランジスタQ22のドレインに接続されている。即ち、出力ノードN2とトランジスタQ22のドレインとの間に抵抗R22が接続されている。トランジスタQ22のソースは接地されている。
ここで、トランジスタQ21は、電極TA2および電極TB3のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成された静電容量CA2および静電容量CB3を充電する際にオン状態に制御されるトランジスタである。可変電源PS2の正極、ダイオードD2、トランジスタQ21、抵抗R21、電極TA2,TB3は、静電容量CA2,CB3の充電経路を形成する。従って、電流制限用の抵抗R21は、静電容量CA2,CB3の充電経路上に設けられている。また、トランジスタQ22は、静電容量CA2,CB3を放電させる際にオン状態に制御されるトランジスタである。可変電源PS2の負極(接地)、トランジスタQ22、抵抗R22、電極TA2,TB3は、静電容量CA2,CB3の放電経路を形成する。従って、電流制限用の抵抗R22は、静電容量CA2,CB3の放電経路上に設けられている。
駆動部DR3は、上述の駆動部DR2と同様に構成されている。即ち、駆動部DR3は、可変電源PS3、逆流防止用のダイオードD3、トランジスタQ31,Q32、電流制限用の抵抗R31,R32(電流制限用素子)、ゲート駆動回路G3を備えている。ここで、トランジスタQ31は、電極TA3および電極TB2のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成された静電容量CA3および静電容量CB2を充電する際にオン状態に制御されるトランジスタである。
可変電源PS3の正極、ダイオードD3、トランジスタQ31、抵抗R31、電極TA3,TB2は、静電容量CA3,CB2の充電経路を形成する。従って、電流制限用の抵抗R31は、静電容量CA3,CB2の充電経路上に設けられている。また、トランジスタQ32は、静電容量CA3,CB2を放電させる際にオン状態に制御されるトランジスタであり、可変電源PS3の負極(接地)、トランジスタQ32、抵抗R32、電極TA3,TB2は、静電容量CA3,CB2の放電経路を形成する。従って、電流制限用の抵抗R32は、静電容量CA3,CB2の放電経路上に設けられている。
説明を図1に戻す。スイッチSW1〜SW4は、それぞれ、充電制御部CCの制御の下に、上述の一対の電極間を短絡するための要素である。スイッチSW1は、電極TA1と電極TB1との一対の電極間に接続され、スイッチSW2は、電極TA2と電極TB2との一対の電極間に接続され、スイッチSW3は、電極TA3と電極TB3との一対の電極間に接続され、スイッチSW4は、電極TA4と電極TB4との一対の電極間に接続されている。スイッチSW1〜SW4は、充電制御部CCにより、上記一対の電極間に発生するクーロン力の作用を受けてマイクロミラーMの位置が変化する過程で一時的に閉状態に制御される。初期状態では、スイッチSW1〜SW4は、開状態に設定されている。
充電制御部CCは、上記電極TA1〜TA4,TB1〜TB4のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成された静電容量(例えば、図3の静電容量CA2,CA3,CB2,CB3等に対応する静電容量)の充放電を制御するたための要素である。本実施形態では、充電制御部CCは、一対の電極(例えば、図3の電極TA2,TB2)の何れかの電極を通じて、この一対の電極とマイクロミラーMとの間に形成された静電容量(例えば、図2の静電容量CB2)を充電する。これにより、充電制御部CCは、マイクロミラーMと上記一対の電極の何れかの電極との間にクーロン力を発生させ、このクーロン力をマイクロミラーMに作用させることにより、マイクロミラーMの位置を変化させる。
また、充電制御部CCは、上記クーロン力の作用を受けてマイクロミラーMの位置が変化する過程で上記クーロン力を一時的に抑制するように上記一対の電極間の電圧(例えば、図3の電極TA2と電極TB2との間の電圧)を制御する。本実施形態では、充電制御部CCは、マイクロミラーMの位置が変化する過程で、マイクロミラーMの各コーナー部を挟んで対向配置された一対の電極間の電位差(例えば、電極TA2と電極TB2との間の電位差)を、その一対の電極とマイクロミラーMとの間に形成された静電容量の充電電圧(例えば、静電容量CB2の充電電圧)よりも一時的に小さくするが、その詳細は後述する。
次に、図4を参照して本実施形態による制御装置100の制御動作を詳細に説明する。
図4は、本発明の実施形態による制御装置100の動作を説明するための図であり、(a)は、クーロン力を用いてマイクロミラーを傾斜させる動作を説明するための図であり、(b)は、マイクロミラーを傾斜させる過程でマイクロミラーに作用するクーロン力を抑制させる動作を説明するための図である。
ここでは、マイクロミラーMの重心Jを挟んで対向する位置に配置された電極TA3および電極TB2のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成される静電容量CA3および静電容量CB2を充電することにより、マイクロミラーMに対して図4(a)に示す上方向のクーロン力FA3と下方向のクーロン力FB2とを発生させ、これらのクーロン力FA3,FB2によりマイクロミラーMを図3の時計回り方向に揺動させる場合を例に説明する。
初期状態では、充電制御部CCは、駆動部DR2のゲート駆動回路G2を通じてトランジスタQ21をオフ状態に制御すると共にトランジスタQ22をオン状態に制御し、駆動部DR3のゲート駆動回路G3を通じてトランジスタQ31をオフ状態に制御すると共にトランジスタQ32をオン状態に制御しているものとする。
上記初期状態では、電極TA2,TB2,TA3,TB3の各電圧は、マイクロミラーMと同じ接地電圧(例えば、0[V])となるため、マイクロミラーMと電極TA2,TB2,TA3,TB3のそれぞれとの間の各静電容量は放電された状態にあり、各静電容量の電荷量はゼロである。従ってこの場合、マイクロミラーMと電極TA2,TB2,TA3,TB3のそれぞれとの間にクーロン力は発生しない(即ち、クーロン力はゼロである)。このため、マイクロミラーMは、弾性部B2,B3により水平状に支持され、このときのマイクロミラーMの傾斜角θをゼロとする。
次に、上記初期状態から、図4において時計回り方向にマイクロミラーMを傾斜させる場合を考える。上記初期状態から、充電制御部CCは、図3に示す駆動部DR3のゲート駆動回路G3を通じて、トランジスタQ32をオフ状態に制御すると共に、トランジスタQ31をオン状態に制御する。トランジスタQ31がオン状態になると、可変電源PS3の電圧Voが、ダイオードD3、トランジスタQ31、抵抗R31を通じて出力ノードN3から電極TA3,TB2に出力され、静電容量CA3,CB2が電圧Voによりそれぞれ充電される。
静電容量CA3が充電されると、静電容量CA3の正極側には、正電荷「+Q」(=CA3×Vo)が誘起され、静電容量CA3の負極側には、逆極性の負電荷「−Q」が誘起される。この電荷量Qにより、マイクロミラーMと上方の電極TA3との間にクーロン力FA3(引力)が発生する。また、静電容量CB2が充電されると、静電容量CB2の正極側には、正電荷「+Q」(=CB2×Vo)が誘起され、静電容量CB2の負極側には、逆極性の負電荷「−Q」が誘起される。この電荷量Qにより、マイクロミラーMと下方の電極TB2との間にクーロン力FB2(引力)が発生する。この場合、マイクロミラーMの面方向(図4の水平方向)におけるクーロン力FA3の成分とクーロン力FB2の成分とが相殺される。マイクロミラーMの面方向と垂直方向についても同様である。このため、マイクロミラーMの重心Jは移動しない。
電極TA3に対向するマイクロミラーMのコーナー部は、上記クーロン力FA3の作用を受けて電極TA3に引き寄せられ、上方の電極TA3に向かって移動を開始する。一方、電極TB2に対向するマイクロミラーMのコーナー部は、上記クーロン力FB2の作用を受けて、電極TB2に引き寄せられ、下方の電極TB2に向かって移動を開始する。これにより、マイクロミラーMが時計回り方向に傾斜を開始する。このとき、電流制限用の抵抗R21,R31により、可変電源PS2,PS3からトランジスタQ21,Q31を通じて静電容量CA3,CB2にそれぞれ供給される電流が制限されるので、電極TB2,TA3の各電圧は、抵抗R21,R31および静電容量CB2,CA3の各値によって定まる時定数に従って徐々に上昇する。
ここで、マイクロミラーMの移動開始直後は、マイクロミラーMと電極TA3,TB2のそれぞれとの間の距離Lは殆ど減少していないので、マイクロミラーMと電極TA3,TB2との間の静電容量CA3,CB2の容量値も距離Lに応じて小さい状態にある。この場合、駆動部DR2,DR3のそれぞれから出力される電圧Voの殆どは、静電容量CA3,CB2に印加される。このため、抵抗R21,R31による一定の電流制限の影響を受けつつ、静電容量CA3,CB2の充電が比較的速やかに行われ、クーロン力FA3,FB2は、マイクロミラーMと電極TA3,TB2との間の距離Lの二乗に反比例して増加する。
このように、充電制御部CCは、上記コーナー部のそれぞれに対して配置された一対の電極TA3,TB3と一対の電極TA2,TB2の各電圧を制御することにより、マイクロミラーMの複数のコーナー部のうち、マイクロミラーMの重心Jを挟んで相互に対向する二つのコーナー部に、相互に反対方向のクーロン力FA3,FB2を作用させる。これにより、電極TA3,TB2と対向するマイクロミラーMのコーナー部が、それぞれ、クーロン力FA3,FB2の作用を受けて電極TA3,TB2に向かって移動し、マイクロミラーMと電極TA3,TB2のぞれぞれとの間の距離Lが減少する。この結果、マイクロミラーMが時計回り方向に傾動する。
ここで、マイクロミラーMと電極TA3,TB2との間の距離Lが減少すると、マイクロミラーMと電極TA3,TB2との間に形成された静電容量CA3,CB2の容量値が増加する。この結果、静電容量CA3,CB2と抵抗R31とによって与えられる時定数が距離Lに逆比例して増加し、抵抗R31の影響が顕在化する。このため、距離Lが減少すると、クーロン力の増加が抑制される傾向を示し、クーロン力の制御が容易になる。
充電制御部CCは、上記時定数と距離Lとの関係を利用して、マイクロミラーMに作用するクーロン力FA3,FB2を時間の関数として制御する。換言すれば、充電制御部CCは、マイクロミラーMに作用するクーロン力FA3,FB2を、静電容量CA3,CB2の充放電のタイミングにより制御する。抵抗R31の値は、例えばマイクロミラーMが適用される装置に応じて任意に設定し得る。例えば、マイクロミラーMが車両の灯火装置の反射器として利用される場合、その灯火装置に要求されるビームの揺動の速度を満たすように抵抗R31の値が設定される。他の抵抗R21等についても同様である。
上述のように駆動部DR3を通じて静電容量CA3,CB2の充電を制御する一方で、充電制御部CCは、駆動部DR2のゲート駆動回路G2を通じて、トランジスタQ21,Q22を共にオフ状態に制御し、電極TA2,TB3をフローティング状態とする。または、充電制御部CCは、トランジスタQ21,Q22を初期状態(トランジスタQ21がオフ状態、トランジスタQ22がオン状態)に維持する。これにより、マイクロミラーMと電極TA2,TB3のそれぞれとの間の静電容量CA2,CB3は充電されないため、静電容量CA2,CB3には電荷が蓄積されず、マイクロミラーMと電極TA2,TB3との間にはクーロン力(引力)が発生しない。
上述の例では、マイクロミラーMの重心Jを挟んで対向する位置に配置された電極TA3および電極TB2のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成される静電容量CA3および静電容量CB2に着目して、マイクロミラーMを時計回り方向に傾斜させる場合を説明したが、電極TB3および電極TA2のそれぞれとマイクロミラーMとの間に形成される静電容量CB3および静電容量CA2に着目すれば、マイクロミラーMを反時計回り方向に傾斜させる場合の動作も同様に説明される。
即ち、電極TA2,TA3,TB2,TB3とマイクロミラーMとの間に形成される静電容量CA2,CA3,CB2,CB3を選択的に充電することにより、マイクロミラーMを時計回り方向と反時計回り方向とに傾斜させることができる。また、電極TA1,TA4,TB1,TB4とマイクロミラーMとの間に形成される静電容量CA1,CA4,CB1,CB4を選択的に充電すれば、上述した静電容量CA1,CA4,CB1,CB4の充電による傾斜の向きと異なる向きにマイクロミラーMを傾斜させることができる。即ち、マイクロミラーMの傾動を多次元的に制御することができる。
図5は、本発明の実施形態による制御装置100の動作を説明するための図であり、静電容量に対する電圧印加時間tとマイクロミラーMの変位量dとの関係を示す特性図である。電圧印加時間tは、電圧Voが電極TA3,TB2に印加されている時間であり、変位量dは、マイクロミラーMの初期位置からの移動量である。上述した距離Lと変位量dとの和は、初期状態における電極TA3,TB2のそれぞれとマイクロミラーMとの間の距離に相当する。また、図5において、実線は、抵抗R31を備えない場合(抵抗R31の抵抗値をゼロとした場合)の特性を示し、一点鎖線は、抵抗R31を備えた場合の特性を示している。また、V1,V2は、電圧Voの電圧値を示し、この例では、電圧値V1は、電圧値V2よりも大きい値である。
図5に示すように、電圧Voの電圧値が大きいほど、マイクロミラーMの変位量dが大きくなる傾向を示す。例えば、電圧印加時間tを或る一定の時間に設定した場合、電圧Voの電圧値を大きい電圧値V1に設定したときの変位量dは、電圧Voの電圧値を小さい電圧値V2に設定したときの変位量dよりも大きくなる。このことは、電圧Voの電圧値を大きくするほど、マイクロミラーMと電極TA3,TB2との間の距離Lが小さくなることを意味する。従って、距離Lに応じて定まるマイクロミラーMの傾斜角θは、電圧印加時間tによっても制御することができ、また、電圧Voの電圧値を調整することによっても制御することができる。
また、図5において、一点鎖線で示す特性から理解されるように、抵抗R31を備えることにより、静電容量CA3,CB2に供給される電流(充電電流)が概ね一定に制限されるため、電圧印加時間tと変位量dとの間の関係が直線的になる。このため、電圧印加時間tと距離Lとの間の関係も直線的になるため、このような関係を利用してマイクロミラーMに作用するクーロン力FA3,FB2を時間の関数として充電制御する際の処理の負荷を低減することができる。これに対し、抵抗R31を備えない場合、変位量dの増加量(例えば、図5の時刻t2での変位量d2と時刻t1での変位量d1の差分により示される量)は時間経過に伴って変化するため、充電制御の処理が複雑になる。
次に、上述したマイクロミラーMがクーロン力FA3,FB2の作用を受けてマイクロミラーMの2つのコーナー部がそれぞれ電極TA3,TB2に向けて移動すると、マイクロミラーMが時計回り方向に傾動する過程で、変位量d(マイクロミラーMの移動量)の増加に伴って弾性部B1,B2による復元力FR(マイクロミラーMを初期位置に戻そうとする力)が発生する。このため、マイクロミラーMには、クーロン力FA3,FB2と復元力FRとの2種類の力が作用する。クーロン力FA3,FB2が一定であれば、最終的に、マイクロミラーMのコーナー部は、クーロン力FA3,FB2と復元力FR(図4)とが釣り合う位置で静止する。
しかしながら、実際には、マイクロミラーMの慣性質量により、マイクロミラーMのコーナー部は、クーロン力FA3,FB2と復元力FRとが釣り合う位置で静止せず、その位置を超えて移動する。このため、マイクロミラーMの傾斜角θにオーバーシュートが発生する。そこで、充電制御部CCは、次に説明するように、クーロン力FA3,FB2の作用を受けてマイクロミラーMが電極TA3,TB2に向けて移動する過程で、見かけ上、クーロン力FA3,FB2を一時的に消失または減少させることにより、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制する。
マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制する観点から、充電制御部CCの動作を説明する。
なお、説明の簡略化のため、マイクロミラーMが傾斜したことにより距離Lが変化しても、静電容量CA3,CB3,CA2,CB2の各容量値は殆ど変化しないものとする。即ち、マイクロミラーMの傾斜角θは、静電容量CA3,CB3,CA2,CB2の各容量値に影響を与えない範囲で制御されるものとする。ただし、距離Lに応じて静電容量CA3,CB3,CA2,CB2の各容量値が変化するものとしても、クーロン力FA3,FB2を抑制することにより、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制することができる。
充電制御部CCは、傾斜角θのオーバーシュートを抑制するための処理として、マイクロミラーMがクーロン力FA3,FB2の作用を受けて電極TA3,TB2に向けて移動する過程で、スイッチSW2,SW3を一時的に閉状態にする処理を実施する。具体的には、充電制御部CCは、駆動部DR3を通じて、トランジスタQ31をオン状態に維持すると共にトランジスタQ32をオフ状態に維持したまま、スイッチSW3を閉状態に制御する。また、充電制御部CCは、駆動部DR2を通じて、トランジスタQ21をオン状態に維持すると共にトランジスタQ22をオフ状態に維持したまま、スイッチSW2を閉状態に制御する。なお、スイッチSW2,SW3は、初期状態で開状態に設定されている。
これにより、図4(b)に模式的に示すように、電極TA3と電極TB3とがスイッチSW3を通じて電気的に短絡され、静電容量CA3の電荷量Qが、静電容量CA3と静電容量CB3とで分配される。ここで、マイクロミラーMが傾斜しても、静電容量CA3と静電容量CB3は互いに等しいと仮定しているので、電極TA3の電圧と電極TB3の電圧は、いずれも電圧Voの2分の1の電圧(Vo/2)になり、静電容量CA3の電荷量と静電容量CB3の電荷量とが相互に等しくなる。
静電容量CA3の電荷量と静電容量CB3の電荷量とが等しくなると、電極TA3とマイクロミラーMとの間に作用するクーロン力FA3の大きさと、電極TB3とマイクロミラーMとの間に作用するクーロン力FB3の大きさとが等しくなる。また、クーロン力FA3とクーロン力FB3の向きは相互に逆向きの関係にある。このため、クーロン力FA3とクーロン力FB3とが相殺し合い、見かけ上、マイクロミラーMに作用するクーロン力FA3が消失または減少する。
詳細には、充電制御部CCの制御の下、スイッチSW3が閉状態になると、このスイッチSW3により短絡された電極TA3と電極TB3との間の電位差(電圧)は、略ゼロ[V]になり、静電容量CA3の充電電圧(Vo)よりも一時的に小さくなる。このため、静電容量CA3は放電される。この結果、電極TA3とマイクロミラーMとの間に発生するクーロン力FA3が小さくなる。一方、スイッチSW3が閉状態に制御されると、電極TB3とマイクロミラーMとの間の電位差(電圧)は拡大するが、この電位差は、静電容量CA3の充電電圧(Vo)を超えることはない。このため、電極TB3とマイクロミラーMとの間に発生するクーロン力FB3の大きさがクーロン力FA3の大きさを超えることはない。従って、マイクロミラーMに作用するクーロン力FA3とクーロン力FB3とが相殺し合い、見かけ上、マイクロミラーMに作用するクーロン力FA3が消失または減少する。
同様の理由により、スイッチSW2が閉状態に制御されると、電極TA2とマイクロミラーMとの間に作用するクーロン力FA2と、電極TB2とマイクロミラーMとの間に作用するクーロン力FB2とが相殺し合う。このため、見かけ上、マイクロミラーMに作用するクーロン力FB2が消失または減少し、主として弾性部B2,B3による復元力FRがマイクロミラーMに作用する。この結果、マイクロミラーMの移動速度が減速され、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートが抑制される。
例えば、充電制御部CCは、電極TA1〜TA4,TB1〜TB4のそれぞれに電圧Voを印加するタイミングと、スイッチSW2,SW3の閉状態および開状態の各タイミングとが規定されたテーブルを備えている。このテーブルに規定されたスイッチSW2,SW3の閉状態および開状態の各タイミングは、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートが抑制されるように、事前の実験等により決定される。充電制御部CCは、上記テーブルを参照することによりスイッチSW2,SW3の閉状態および開状態を制御し、これによりマイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制する。ただし、この例に限定されず、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制することができることを限度として、スイッチSW2,SW3の制御手法は任意である。
次に、充電制御部CCは、図4において、上述とは逆方向の反時計回り方向に傾斜させるための制御処理に移行する。具体的には、充電制御部CCは、駆動部DR3を通じて電極TA3および電極TB2に接地電圧を印加し、駆動部DR2を通じて電極TA2および電極TB3に電圧Voを印加する。これにより、上述と同様に電極TA2および電極TB3のそれぞれとマイクロミラーMとの間にクーロン力FA2,FB3(引力)が発生し、マイクロミラーMが反時計回り方向の傾斜を開始する。
そして、充電制御部CCは、電極TA2,TB3に対向するマイクロミラーMのコーナー部がクーロン力FA2,FB3の作用を受けて電極TA2,TB3に向けて移動する過程で、スイッチSW2,SW3を一時的に閉状態にする。これにより、上述と同様に、見かけ上、マイクロミラーMに作用するクーロン力が消失または減少し、主として復元力FRがマイクロミラーMに作用する。これにより、マイクロミラーMが反時計回り方向に傾斜する過程で発生する傾斜角θのオーバーシュートが抑制される。
以後、同様に、充電制御部CCの制御の下、駆動部DR2と駆動部DR3とが電極TA2,TB3と電極TA3,TB2とを交互に駆動することにより、マイクロミラーMが一定周期で揺動する。また、充電制御部CCの制御の下、マイクロミラーMが揺動する過程でスイッチSW2,SW3を一時的に閉状態とすることにより、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートが抑制される。従って、例えば灯火装置の光源からの光をマイクロミラーMで反射させれば、灯火装置のビームを精度よく且つ安定的にスイープさせることができる。
また、充電制御部CCの制御の下、駆動部DR2と駆動部DR3とにより、電極TA2,TB3と電極TA3,TB2との何れかを選択的に駆動することにより、マイクロミラーMの傾斜角θを二値的に切り替えることができる。従って、例えば灯火装置の光源からの光をマイクロミラーMで反射させれば、灯火装置のビームを精度よく且つ安定的にロービームまたはハイビームに切り替えることができる。
上述の例では、電極TA2,TB3を駆動する駆動部DR2と、電極TA3,TB2を駆動する駆動部DR3とに着目して制御装置100の制御動作を説明したが、電極TA1,TB4を駆動する駆動部DR1と、電極TA4,TB1を駆動する駆動部DR4とに着目した制御装置100の動作についても同様に説明される。
駆動部DR1〜DR4によりマイクロミラーMの傾斜を制御することにより、マイクロミラーMによる反射面の向きを多次元的に精度よくかつ安定的に制御することができる。
<変形例>
図1および図3に示す例では、マイクロミラーMに作用するクーロン力を相殺するためにスイッチSW1〜SWを用いたが、駆動部DR1〜DR4から出力される電圧を、相互に同じ電圧に設定することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、図3の例において、スイッチSW2,SW3を閉状態に制御するタイミングで、駆動部DR2,DR3のそれぞれから、一定の電圧を出力することにより、電極TA2,TA3,TB2,TB3のそれぞれに同一電圧が印加される。
この変形例では、駆動部DR2,DR3のそれぞれから出力される電圧は、相互に等しい電圧であればよく、その電圧自体は任意に設定し得る。
この変形例によっても、マイクロミラーMに作用するクーロン力が相殺され、傾斜角θのオーバーシュートが抑制される。ただし、傾斜角θのオーバーシュートが抑制されることを限度に、駆動部DR2,DR3のそれぞれから出力される電圧は、相互に異なる電圧であってもよい。
上述した実施形態では、本発明を制御装置100として表現したが、本発明は、制御方法として表現することもできる。この場合、本発明による制御方法は、弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御方法であって、前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させる段階と、前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する段階と、を含む制御方法として表現することができる。
次に、本実施形態の主要な効果をまとめる。
(1)本実施形態によれば、マイクロミラーMが揺動する過程で、見かけ上、マイクロミラーMに作用するクーロン力を一時的に消失または減少させるので、マイクロミラーMに作用する復元力FRによりマイクロミラーMの変位量d(距離L)の増加が抑制される。このため、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制することができる。従って、マイクロミラーMの揺動を安定化させることができる。
(2)本実施形態によれば、マイクロミラーMを挟んで対向する一対の電極間を短絡するためのスイッチSW1〜SW4を備えたので、マイクロミラーに作用するクーロン力を消失または減少させることができる。従って、マイクロミラーMの移動速度を抑制することができる。
(3)本実施形態の変形例によれば、マイクロミラーMが揺動する過程で、例えば駆動部DR2と駆動部DR3とがそれぞれ出力する電圧を相互に等しくするので、スイッチSW1〜SW4を要することなく、マイクロミラーMに作用するクーロン力を消失または減少させることができる。従って、装置構成を簡略化しつつ、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制することができる。
(4)本実施形態によれば、マイクロミラーMの重心を挟んで相互に対向する位置関係にある複数のコーナー部のそれぞれに一対の電極を配置したので、マイクロミラーMの重心Jを移動させることなく、マイクロミラーMを揺動させることができる。従って、マイクロミラーMの揺動を安定化させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態では、例えばスイッチSW3により電極TA3と電極TB3とを短絡し、スイッチSW2により電極TA2と電極TB2とを短絡するものとしたが、電極TA3と電極TA2とを短絡し、電極TB3と電極TA2とを短絡することにより、クーロン力を抑制してもよい。
また、上述の実施形態では、駆動部DR1〜DR4のそれぞれが固定の電圧Voを出力するものとしたが、マイクロミラーMの傾斜角θのオーバーシュートを抑制するように、電圧Voの電圧値を変化させてもよい。
100…制御装置、B1〜B4…弾性部(弾性部材)、CA2,CA3,CB2,CB3…静電容量、CC…充電制御部、D2,D3…ダイオード、DR1〜DR4…駆動部、G2,G3…ゲート駆動回路、M…マイクロミラー(反射体)、RU…反射ユニット、SW1〜SW4…スイッチ、TA1〜TA4,TB1〜TB4…電極、PS2,PS3…可変電源、Q21,Q22,Q31,Q32…電界効果トランジスタ、R21,R22,R31,R32…抵抗、P…ベース部。

Claims (6)

  1. 弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御装置であって、
    前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極と、
    前記一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させ、前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する充電制御部と、
    を備えた制御装置。
  2. 前記一対の電極間に接続されたスイッチを更に備え、
    前記充電制御部は、前記反射体の位置が変化する過程で、前記スイッチを一時的に閉状態に制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記充電制御部は、前記反射体の位置が変化する過程で、前記一対の電極間の電位差を前記静電容量の充電電圧よりも一時的に小さくすることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記反射体は、複数のコーナー部を有する多角形の形状を有し、前記複数のコーナー部のそれぞれに前記一対の電極が配置されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記充電制御部は、前記反射体の複数のコーナー部のうち、前記反射体の重心を挟んで相互に対向する二つのコーナー部に相互に反対方向のクーロン力が作用するように、前記二つのコーナー部のそれぞれに配置された前記一対の電極の電圧を制御することを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
  6. 弾性部材により支持された反射体の傾斜角を制御する制御方法であって、
    前記反射体との間に静電容量が形成されるように前記反射体を挟んで対向配置された一対の電極の何れかを通じて前記静電容量を充電することにより前記反射体と前記一対の電極の何れかとの間にクーロン力を発生させる段階と、
    前記クーロン力の作用を受けて前記反射体の位置が変化する過程で前記クーロン力を一時的に抑制するように前記一対の電極間の電圧を制御する段階と、
    を含む制御方法。
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