JP2007014993A - レーザを用いたワーク切断方法とレーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 活物質層が形成されている電極体等の薄いワークを、レーザを用いて良好に切断することができる技術を提供する。
【解決手段】 レーザを用いてワークを切断する方法は、レーザ発振器から出力されたレーザを集光レンズによってワークに集光する工程を備えている。そして、集光レンズの有効口径φと集光レンズの焦点距離fが0.67≦f/φ≦2.67を満たしている。さらに、集光レンズの焦点距離fは、20mm以上であって80mm以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザを用いてワークを加工する技術に関する。特に、レーザを用いてワークを切断する技術に関する。
レーザを利用してワークを加工するレーザ加工技術が開発されている。レーザ加工技術は、様々な工業製品の製造工程に採用されている。
例えば特許文献1には、リチウムイオン電池の製造に、レーザ加工技術を採用した技術が開示されている。この技術では、金属箔とその金属箔の表面に形成されている活物質層を備える電極体の原反を、レーザを用いて切断する。
特開2001−176501号公報
レーザを用いて薄いシート状の電極体を切断すると、切断部近傍の電極体を変形・溶融させてしまい、良好に切断することができない。このような電極体を用いて組立てた電池では、電極体から離脱した活物質によって、内部短絡等の欠陥が生じてしまう。
本発明は、電池の電極体等のワークを、レーザを用いて良好に切断することができる技術を提供する。
本発明の技術は、レーザを用いてワークを切断する方法に具現化することができる。この切断方法は、レーザ発振器から出力されたレーザを集光レンズによってワークに集光する工程を備えている。そして、集光レンズの有効口径φと、集光レンズの焦点距離fが、0.67≦f/φ≦2.67を満たすことを特徴とする。
集光レンズは、入射したレーザを焦点に向けて集光する。このとき、集光レンズに入射するレーザは完全には平行光ではないことから、レーザは厳密には焦点へと集光されず、焦点近傍の所定範囲に集光される。このレーザが集光される所定範囲の大きさを、集光スポット径という。集光レンズによってレーザをワークに集光したときに、集光スポット径が大きすぎると、レーザのエネルギがワーク切断部の近傍範囲にまで加えられてしまう。切断部の近傍範囲を変形・溶融させてしまうこととなる。
集光スポット径は、集光レンズの有効口径φと集光レンズの焦点距離fに応じて変化する。そして、有効口径φと焦点距離fが、0.67≦f/φ≦2.67を満たしていると、集光スポット径を十分に小さくすることができる。レーザのエネルギを、十分に集中させることができる。
この切断方法によると、レーザのエネルギを切断部に集中させることができ、ワークを良好に切断することができる。例えば、金属箔とその金属箔の少なくとも片側表面に形成されている活物質層を備える電極体を、良好に切断することができる。
集光レンズの焦点距離fは、20mm以上であって、80mm以下であることが好ましい。
それにより、レーザの拡散による影響を抑制して、集光スポット径をより小さくすることができる。
レーザ発振器は、レーザ媒質にNd:YVO(ネオジウムドープ:イットリウム四酸化バナジウム)結晶を用いるNd:YVOレーザであることが好ましい。
Nd:YVO結晶は、エネルギ変換効率が高いことから、レーザを発振する際の発熱量が少なく、レーザ発振時における熱ひずみが極めて小さい。そのことから、出力するレーザの光軸が安定しており、集光スポット径をより小さくすることができる。
本発明の技術は、レーザを用いてワークを加工するレーザ加工装置に具現化することもできる。このレーザ加工装置は、レーザを出力するレーザ発振器と、レーザ発振器が出力したレーザをワークに集光する集光レンズを備えている。そして、集光レンズの有効口径φと前記集光レンズの焦点距離fが、0.67≦f/φ≦2.67を満たすことを特徴とする。
このレーザ加工装置によると、レーザのエネルギを切断部に集中させることができ、ワークを良好に切断することが可能となる。
本発明によって、例えば電池の電極体等を良好に切断することが可能となり、製造した電池の不良率を低下させることが可能となる。
最初に、以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) レーザ加工装置は、レーザ発振器が出力したレーザを、集光レンズの有効口径に応じて拡径する光学機器を備えている。
(形態2) レーザ加工装置は、レーザを断続的に出力するパルス方式のレーザ発振器を備えている。
(形態3) レーザ加工装置は、有効口径φに対する焦点距離fの比の値f/φが異なる複数の集光レンズを備えている。
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を実施したレーザ加工装置10の構成を模式的に示している。レーザ加工装置10は、電池(詳しくはリチウムイオン電池)の製造ラインにおいて用いられている。レーザ加工装置10は、前工程において製造された電極体100の原反を、長手方向に沿って2分割に切断する装置である。電極体100の原反は、帯状に伸びるシート状の材料である。レーザ加工装置10は、電池の正極に用いる正極電極体を切断することもできるし、電池の負極に用いる負極電極体を切断することもできる。
最初に、電極体100について説明しておく。図1、図2に示すように、電極体100は、正極電極体と負極電極体に共通して、金属箔によって形成されているシート状の基材104と、その基材104の表裏表面に形成されている活物質層102、106によって構成されている。
正極電極体と負極電極体では、基材104や活物質層102、106に異なる材料が用いられている。本実施例の正極電極体では、基材104がアルミニウムで形成されており、その厚みD2は15μmとなっている。また、活物質層102、106はニッケル酸リチウムを用いて形成されており、その厚みD1、D3はともに34μmとなっている。一方、本実施例の負極電極体では、基材104が銅で形成されており、その厚みT2は10μmとなっている。また、活物質層102、106はグラファイトを用いて形成されており、その厚みD1、D3はともに34μmとなっている。なお、本実施例のレーザ加工装置10は、上記構成の電極体100に限定されることなく、様々な構成の電極体を切断することができる。
次に、レーザ加工装置10について説明する。図1に示すように、レーザ加工装置10は、レーザ発振器12と、レーザヘッド26と、ワーク送り装置30等を備えている。レーザ発振器12とレーザヘッド26は、光ファイバ8を介して接続されている。レーザヘッド26は可動機構60によって支持されており、レーザヘッド26の位置は調整可能となっている。
レーザ発振器12は、レーザ媒質20と、レーザ媒質20に励起エネルギを供給するポンピング装置16と、レーザ媒質20が発した光を増幅するためのレーザミラー18と、増幅された光エネルギ(レーザ)を断続的に外部へ出力するQスイッチを備えている。レーザ発振器12は、レーザ媒質20にNd:YVO(ネオジウムドープ:イットリウム四酸化バナジウム)結晶を採用しており、主に波長1064nmのレーザを出力する。レーザ発振器12は、レーザLを断続的に出力するパルス方式のレーザ発振器である。レーザ発振器12は、レーザLを断続的に出力する際のパルス周期(即ち、パルス周波数)を調整することができる。レーザ装置12の定格出力は40ワットである。
図1に示すように、レーザヘッド26は、ビームエキスパンダ24や、集光レンズ28等を備えている。ビームエキスパンダ24や集光レンズ28は、交換可能に取付けられている。ビームエキスパンダ24は、光ファイバ8から入射されたレーザLを、集光レンズ28の有効口径φに合せて拡径する光学機器である。集光レンズ28は、ビームエキスパンダ24から拡径されたレーザLを入射し、電極体100の切断ラインCに向けて集光する。レーザヘッド26の位置は、可動機構60によって調整可能となっている。レーザヘッド26の位置を調整することによって、集光レンズ28と切断ラインCの間の距離を調整することができる。本実施例では、集光レンズ28と切断ラインCの間の距離が、集光レンズ28の焦点距離fに応じて調整されている。
集光レンズ28の焦点距離fを、集光レンズ28の有効口径φで除算した値を、集光レンズ28のF値という。即ち、「F値」=「焦点距離f」/「有効口径φ」である。有効口径φが同一であれば、F値が小さい集光レンズ28ほど焦点距離fは短くなる。本実施例のレーザ加工装置10では、F値が異なる複数の集光レンズ28が用意されている。詳しくは、F値が1.0(有効口径φ=30mm、焦点距離f=30mm)の集光レンズ28や、F値が2.0(有効口径φ=30mm、焦点距離f=60mm)の集光レンズ28や、F値が3.3(有効口径φ=30mm、焦点距離f=100mm)の集光レンズ28や、F値が5.3(有効口径φ=30mm、焦点距離f=160mm)の集光レンズ28等が用意されている。なお、同じF値の集光レンズ28を用いる場合でも、集光レンズ28に入射させるビーム径によって、集光レンズ28の実質的なF値は変化する。即ち、ビームエキスパンダ24がレーザLを拡径するときのビーム径を調整することよって、集光レンズ28の実質的なF値を調整することができる。
図1に示すように、ワーク送り装置30は、ワークである電極体100の原反をセットする原反セット部32と、分割された電極体100の原反を巻き取る2つの巻取部34、36と、原反セット部32から巻取部34、36まで電極体100の原反を案内する複数のパスロール42、44、46、48、50等を備えている。巻取部34、36のそれぞれには、駆動源(図示省略)が接続されている。ワーク送り装置30は、巻取部34、36を回転駆動することによって、原反セット部32にセットされている電極体100の原反を所定の速度vで送り出す。送り出された電極体100の原反は、レーザヘッド26から照射されるレーザLによって、2分割に切断される。2分割に切断された電極体100の原反は、巻取部34、36によって巻き取られる。ワーク送り装置30は、巻取部34、36の駆動速度を変化させることによって、電極体100の原反の送り速度vを増減調整することができる。
以上の構成により、レーザ加工装置10は、ワーク送り装置30によって電極体100の原反を送り速度vの速度で送りながら、集光レンズ28によって集光したレーザLを切断ラインCに向けて照射する。電極体100の原反は、照射されたレーザLによって2分割に切断された後に、巻取部34、36によって巻き取られる。レーザ加工装置10では、集光レンズ28のF値や、レーザ発振器12がレーザLを断続的に出力する際の周波数(パルス周波数)等を調整することができる。これらのパラメータは、電極体100を切断する速度、即ち、ワーク送り装置30による送り速度v等に応じて調整することが好ましい。
図3、図4を参照して、集光レンズ28のF値が、電極体100の切断加工に与える影響について説明する。図3は、集光レンズ28のF値と、焦点S近傍におけるレーザLのエネルギ密度との関係を模式的に示している。図3(a)は集光レンズ28のF値が小さい場合を示しており、図3(b)は集光レンズ28のF値が大きい場合を示している。詳しくは、図3(a)と図3(b)において有効口径φは同一であり、図3(a)における焦点距離f1が図3(b)における焦点距離f2よりも短くなっている。図3(a)(b)に示すように、集光レンズ28は、入射したレーザLを焦点Sに向けて集光するが、入射するレーザが完全には平行光ではないことから、焦点Sの近傍において所定のビーム径を持つこととなる。一般に、この焦点Sの近傍におけるビーム径を集光スポット径という。集光レンズ28のF値が小さいほど、この集光スポット径は小さくなる。そのことから、F値の小さい集光レンズ28を用いることによって、焦点Sの近傍にレーザLのエネルギを集中することができる。
図4は、集光レンズ28のF値と、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度との関係を模式的に示している。図4(a)(b)は、電極体100に照射されるレーザLの照射範囲W1、W2を示している。この照射範囲W1、W2は、集光スポット径に対応する。図4(c)(d)は、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edを示している。図4(a)と図4(c)は対応しており、集光レンズ28のF値が小さい場合を示している。図4(b)と図4(d)は対応しており、集光レンズ28のF値が大きい場合を示している。図4(a)(c)に示すように、集光レンズ28のF値が小さい場合では、レーザLのエネルギが狭い照射範囲W1に集中する。レーザLのエネルギが切断ラインCに集中されることとなり、電極体100は良好に切断される。一方、図4(b)(d)に示すように、集光レンズ28のF値が大きい場合では、レーザLのエネルギが広い照射範囲W2に分散してしまう。この場合、切断ラインCに十分なエネルギが加えられないとともに、切断ラインCの近傍範囲に無用なエネルギが加えられてしまう。その結果、電極体100を確実に切断できないだけでなく、切断部(切断ラインC)の近傍範囲を変形させてしまうことや、活物質層102、106を変質させてしまうことがある。
本実施例のレーザ加工装置10では、F値が1.0や2.0という低F値の集光レンズ28が用意されている。それにより、レーザ加工装置10は、例えば電極体100のように厚み(図2のD1+D2+D3)が100μm以下である薄いシート材料でも、良好に切断することができる。
次に、図5〜図8を参照して、レーザLをパルス状に出力する際のパルス周波数が、電極体100の切断加工に与える影響について説明する。
図5は、レーザ発振器12が出力するレーザLのエネルギの経時的変化を示している。なお、図5(a)はパルス周期Tが長い場合(パルス周期T1)を示しており、図5(b)はパルス周期Tが短い場合(パルス周期T2)を示している。図5(a)(b)に示すように、パルス周期T1、T2に応じて、1パルスのレーザLが持つパルスエネルギEp1、EP2は変化する。詳しくは、パルス周期Tが長い場合(パルス周期T1)のパルスエネルギEP1の方が、パルス周期Tが短い場合(パルス周期T2)のパルスエネルギEP2よりも、大きくなる。これは、レーザ発振器12の定格出力が略一定であることに起因している。
図6に、本実施例のレーザ発振器12のパルス周波数(1/パルス周期T)とパルスエネルギEpの関係を示す。図6に示すように、パルス周波数(1/パルス周期T)が高いほど、パルスエネルギEpは減少する。
図7は、レーザLのパルス周波数を一定にして、電極体100の送り速度(切断速度)vを変化させたときに、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edを模式的に示している。図7(a)は送り速度vが遅い場合(送り速度v1)を示しており、図7(b)は送り速度vが速い場合(送り速度v2)を示している。図7(a)(b)に示すように、レーザLのパルス周波数を一定にして、電極体100の送り速度vを速めていくと、レーザLが十分に照射されない未照射部Hが生じてしまう。この場合、電極体100を切断することができなくなる。即ち、電極体100の送り速度(切断速度)vには、レーザLのパルス周波数に応じて、上限が存在することとなる。換言すれば、電極体100の送り速度(切断速度)vに応じて、レーザLのパルス周波数を変化させることが必要となる。
図8は、電極体100の送り速度(切断速度)vを一定(送り速度v2)にして、レーザLのパルス周波数(即ち、パルス周期T)を変化させたときに、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edを模式的に示している。図8(a)はレーザLのパルス周波数が低い場合を示しており、図8(b)はレーザLのパルス周波数が高い場合を示している。図8(a)(b)に示すように、パルス周波数を高めることによって、レーザLが十分に照射されない未照射部Hをなくすことができる。しかしながら、パルス周波数を高めることによって、パルスエネルギEpが減少することとなり(図6参照)、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edも減少する。そのことから、パルス周波数を高めすぎれば、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edが不十分となり、電極体100を切断することができなくなる。
本実施例のレーザ加工装置10では、F値が1.0や2.0という低F値の集光レンズ28が用意されている。低F値の集光レンズ28を用いることによって、レーザLのパルス周波数を比較的に高く設定した場合でも、電極体100に加えられるレーザLのエネルギ密度Edを、十分な大きさに維持することができる。レーザLのパルス周波数をより高めることによって、電極体100の送り速度(切断速度)vをより速めることが可能となる。
図9は、レーザLのパルス周波数(1/T)と、電極体100を良好に切断することができる最大切断速度(最大送り速度)vxの関係を示している。図中のf30は、焦点距離fが30mm(F値=1.0)の集光レンズ28を用いた場合を示している。図中のf60は、焦点距離fが60mm(F値=2.0)の集光レンズ28を用いた場合を示している。図中のf100は、焦点距離fが100mm(F値=3.3)の集光レンズ28を用いた場合を示している。図中のf160は、焦点距離fが160mm(F値が5.3)の集光レンズ28を用いた場合を示している。図9に示すように、焦点距離fが短い(F値が小さい)集光レンズ28を用いる場合ほど、レーザLのパルス周波数(1/T)を高めることによって、電極体100の切断速度vを速めることが可能となる。例えば焦点距離fが100mmや160mmの集光レンズ28を用いる場合では、パルス周波数が略50kHzとなった段階において、レーザLのパルスエネルギEpが不足してしまい、最大切断速度vxは上昇しなくなる。それに対して、焦点距離fが30mmや60mmの集光レンズ28を用いる場合では、パルス周波数を50kHz以上に高めることによって、最大切断速度vxをさらに上昇する。特に、パルス周波数を100kHz〜150kHzまで高めることによって、最大切断速度vxを大幅に上昇させることができる。
図10は、集光レンズ28の焦点距離fと最大切断速度vxとの関係を、実験及び計算から求めた結果を示している。なお、集光レンズ28の有効口径φは30mmである。図10に示すように、集光レンズ28の焦点距離fが短い(F値が小さい)ほど、最大切断速度vxは上昇する。特に、焦点距離fが80mm以下の集光レンズ28を用いた場合では、せん断ローラ等の刃物を用いた従来の切断方式を採用する場合よりも、リチウムイオン電池の生産性が向上することが確認されている。また、焦点距離fは、20mmまで短焦点化することが可能であることが確認されている。従って、集光レンズ28の焦点距離fは、20mm以上であって80mm以下であることが好ましい。ここで、集光レンズ28の有効口径φは30mmである。F値(=f/φ)に換算すると、集光レンズ28のF値は、0.67≦F値≦2.67であることが好ましい。
図11は、レーザ加工装置10によって電極体100を切断したときの切断部100aの状態を模式的に示している。図中のAは、レーザヘッド26の位置を調節することによって、集光レンズ28の焦点Sを、電極体100の下側(反照射側)表面106a上に位置させた場合を示している。図中のBは、集光レンズ28の焦点Sを、電極体100の基材104内に位置させた場合を示している。図中のCは、集光レンズ28の焦点Sを、電極体100の上側(照射側)表面102a上に位置させた場合を示している。図中のDは、電極体100の上側(照射側)表面102aよりも上側(照射側)に位置させた場合を示している。図11のA、B、Cに示すように、集光レンズ28の焦点Sを電極体100の内部に位置させた場合では、切断部100aに目立ったバリや活物質の欠落等が生じておらず、電極体100を良好に切断できることがわかる。また、切断部100aが厚み方向に山形のプロファイルを形成しており、活物質層102、106の欠損が生じ難い形状となっている。それに対して、図11のDに示すように、集光レンズ28の焦点Sを電極体100の外部に位置させた場合では、活物質層102等に突出部102b等が形成されてしまうことがある。このことから、集光レンズ28の焦点Sは、電極体100の内部に位置させることが好ましい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例のレーザ加工装置の構成を示す模式図。 電極体の構造を模式的に示す図。 焦点近傍におけるレーザのエネルギ密度を示す図。 電極体に加えられるレーザのエネルギ密度を示す図。 レーザ発振器が出力するレーザのエネルギの経時的変化を示す図。 パルス周波数とパルスエネルギの関係を示す図。 切断速度と電極体に加えられるレーザのエネルギ密度の関係を示す図。 パルス周波数と電極体に加えられるレーザのエネルギ密度の関係を示す図。 パルス周波数と最大切断速度の関係を示す図。 集光レンズの焦点距離と最大切断速度との関係を示す図。 切断部の状態を模式的に示す図。
符号の説明
10:レーザ加工装置
12:レーザ発振器
16:ポンピング装置
18:レーザミラー
20:レーザ媒質
22:Qスイッチ
24:ビームエキスパンダ
26:レーザヘッド
28:集光レンズ
30:ワーク送り装置
100:電極体

Claims (5)

  1. レーザを用いてワークを切断する方法であって、
    レーザ発振器から出力されたレーザを集光レンズによってワークに集光する工程を備えており、
    前記集光レンズの有効口径φと前記集光レンズの焦点距離fが次式、即ち、
    0.67≦f/φ≦2.67
    を満たすことを特徴とする切断方法。
  2. 前記集光レンズの焦点距離fは、20mm以上であって80mm以下であることを特徴とする請求項1の切断方法。
  3. 前記レーザ発振器は、レーザ媒質にNd:YVO結晶を用いるNd:YVOレーザであることを特徴とする請求項1又は2の切断方法。
  4. 前記ワークが、金属箔とその金属箔の少なくとも片側表面に形成されている活物質層を備える電極体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかの切断方法。
  5. レーザを出力するレーザ発振器と、
    レーザ発振器が出力したレーザをワークに集光する集光レンズを備えており、
    前記集光レンズの有効口径φと前記集光レンズの焦点距離fが次式、即ち、
    0.67≦f/φ≦2.67
    を満たすことを特徴とするレーザ加工装置。
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