JP2012059775A - 光起電力装置の製造方法 - Google Patents

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玲王奈 中村
Tomotake Katsura
智毅 桂
Tatsuki Okamoto
達樹 岡本
Shuichi Fujikawa
周一 藤川
Shinsuke Yura
信介 由良
Hirotsugu Morita
大嗣 森田
Koji Shimazaki
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Abstract

【課題】太陽電池の特性劣化を防ぐ、太陽電池セルの分割加工の製造方法を得ること。
【解決手段】レーザ発振器11から放射されたレーザビームのビーム形状12を成形することにより、太陽電池セル1に照射する照射レーザビームの形状を楕円16にする工程と、前記照射レーザビームを走査することにより前記太陽電池セル1を局部的に溶融させて切断加工もしくは溝形成加工をおこなう加工工程を備え、前記加工工程において、前記楕円16の長径方向が前記照射レーザビームの走査方向4に平行で、前記楕円16の短径方向が前記照射レーザビームの走査方向4に垂直であり、楕円に成形した照射レーザビームで太陽電池セルを分割するレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこない、再溶着の発生を防ぐ加工をおこなう。
【選択図】図1

Description

本発明は、光起電力装置の製造方法に関する。
光起電力装置である太陽電池セルの製造においては、受光面となる太陽電池セルの表面にPN接合層を形成し、表面に受光面電極、光反射率を抑制する構造などを形成し、受光面に対向する裏面に裏面電極および裏面電解層などの構造を形成する。そして、太陽電池セルを分割して各太陽電池セルを得る方法が一般的におこなわれている。
ここで、太陽電池セルの分割は、加工ステージ上に太陽電池セルの表面をステージ面側に対向する配置で吸着固定し、太陽電池セルの裏面側からレーザビームを走査して太陽電池セルを局部的に溶融させることにより、所定の位置に溝加工を施し、分割溝を利用して分割し、太陽電池セルを得る(例えば特許文献1、2)。
特開2006−51517号公報 特開2008−60205号公報
しかしながら、上記従来の技術による光起電力装置の製造方法においては、太陽電池セルを分割するためにレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう。この場合、上記太陽電池セルの分割部分がレーザビーム走査加工での温度変化によって溶融、凝固して、加工面同士が付着する再溶着と呼ばれる現象が生じる。この再溶着による加工面の接着力は強いため、太陽電池セルを任意形状に安定して分断することが困難であるという問題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、特性劣化がない光起電力装置の製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、太陽電池セルに吸収される波長を有するパルスレーザ発振器から放射されたレーザビームのビーム形状を成形することにより、太陽電池セルに照射する照射レーザビームの形状を楕円にする工程と、前記照射レーザビームを走査することにより前記太陽電池セルを局部的に溶融させて切断加工もしくは溝形成加工後にその部分を物理的割断して、前記太陽電池セルを分割する加工工程を備え、前記加工工程において、前記楕円の長径方向が前記照射レーザビームの走査方向に平行で、前記楕円の短径方向が前記照射レーザビームの走査方向に垂直であることを特徴とする。
この発明によれば、照射レーザビーム形状を楕円に成形して、太陽電池セルを分割するレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこない、加工面同士の再溶着の発生を防ぐことで、分断することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態1の光起電力装置の製造方法におけるレーザ照射工程の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1の太陽電池セルの結晶面および結晶方位を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1の光起電力装置の製造方法における基本波パルスレーザ照射の構成を示す図である。 図4−1は、照射レーザビーム形状が真円の場合におけるレーザによる1パルスでの加工状態を示す図である。 図4−2は、本発明の実施の形態1におけるレーザによる1パルスでの加工状態を示す図である。 図5−1は、照射レーザビーム形状が真円の場合におけるレーザによる切断加工の構成を示す図である。 図5−2は、本発明の実施の形態1におけるレーザによる切断加工の構成を示す図である。 図6−1は、照射レーザビーム形状が真円の場合におけるレーザによる溝形成加工の加工結果の断面形状を示す図である。 図6−2は、本発明の実施の形態1におけるレーザによる溝形成加工の加工結果の断面形状を示す図である。 図7−1は、照射レーザビーム形状が真円の場合におけるレーザによる切断加工の断面形状観察結果を示す図である。 図7−2は、本発明の実施の形態1におけるレーザによる切断加工の断面形状観察結果を示す図である。 図8は、横軸を楕円ビームの短径に対する長径の比としたときの、本発明の実施の形態1のレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断により製造された太陽電池セルの破壊強度を縦軸として示した図である。 図9は、真円形状の照射レーザビームを用いた切断加工において、レーザ入射面をPN接合層が形成された受光面側にした場合の加工結果の断面形状を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態2の光起電力装置の製造方法におけるレーザによる切断加工の加工結果の断面形状を示す図である。 図11は、真円形状の照射レーザビームを用いた切断加工の加工結果の断面形状を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態3の光起電力装置の製造方法におけるレーザによる切断加工の加工結果の断面形状を示す図である。
以下に、本発明にかかる光起電力装置の製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による光起電力装置の製造方法におけるレーザ照射工程の構成を示す図である。
太陽電池セル1としては、例えば、一方の表面にPN接合層が形成された厚さ100〜300μm程度のP型シリコン基板である。これ以外にも太陽電池セルには、N型シリコン基板などの単結晶と多結晶の結晶系太陽電池、薄膜シリコン型などの薄膜系太陽電池があり、これらを用いてもかまわない。
太陽電池セル1は、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなって分断する電極部に、あらかじめ間隔を設けている。太陽電池セル1は、一方の面をステージ固定台18に接触して真空吸引等により固定され、対向する他方の面をレーザビーム入射面とする。
レーザ発振器11から発生するレーザビームをビーム径調整光学系13でビーム径を調整する。真円ビーム12を楕円成形光学系14に通して楕円形状に成形し、楕円ビーム16にする。楕円形状としたレーザビームを導光ミラー15で導光し、集光レンズ17により太陽電池セル1のレーザビーム入射面に集光する。
ここで、レーザ発振器11は太陽電池セル1に吸収される波長を有するパルスレーザであり、波長1μm程度もしくはそれ以下の、パルス固体レーザやパルスファイバーレーザの基本波、高調波を用いることができる。ビーム径調整光学系13は、凹レンズと凸レンズの組み合わせで形成される。楕円成形光学系14は、シリンドリカルレンズ、プリズム、回折光学素子を使用することができる。
太陽電池セル1を分割するための切断加工もしくは溝形成加工を、レーザビームでおこなえば、機械的加工などのその他の加工方法よりも加工速度が速いため、生産性を向上させることができる。太陽電池セル1が結晶系太陽電池の場合、機械的加工では、結晶構造の原子の結合力が弱いへき開面の方向に割断されるため、へき開面の存在する方向のみ加工することが可能である。そのため任意方向に加工をおこなうには、保護や固定のできるダイシングテープなどが必要である。
それに対し、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなえば、へき開面に関係なく、またダイシングテープを用いずに任意方向に加工することが可能である。
図2は、太陽電池セル1に対する結晶面および結晶方位を示す図である。太陽電池セル1のレーザビーム照射面5である単結晶シリコンの表面の面方位が(100)である。
結晶方位[110]は図2に示す太陽電池セルの辺に平行な方向であり、[010]または[100]に対して45度の角度をなす方向である。
本実施の形態においては図2に示す歩留まりのよい結晶方位[010]または[100]に対し45度の角度をなす結晶方位[110]にレーザビームを走査して加工することにより太陽電池セルが除去された部分6を形成することが可能である。
また結晶方位[100]を含め、<100>の方向にレーザビームを走査して加工をおこなうことも可能である。
さらにレーザ発振器11として用いるパルスレーザは連続発振(CW:Continuous Wave)のレーザに比べて、平均出力とピーク値が高い。このことから、局所的により深い加工をおこなうことが可能である。
図3は、レーザビームに基本波パルスレーザ41を用いて集光レンズ17で集光して照射レーザビームとし、太陽電池セル1をステージ走査方向4に1回走査することによって、基本波パルスレーザ41に対して相対的に走査して加工をおこなう様子を示した図である。この加工工程において、図1の楕円ビーム16或いは集光後の上記照射レーザビームの楕円形状の長径方向が上記照射レーザビームの走査方向に平行で、楕円形状の短径方向が上記照射レーザビームの走査方向に垂直であることが好適である。
図3に示すように、高調波の波長を有するレーザに比べて、基本波パルスレーザ41の発振器を用いるほうが、産業分野で適応するにはランニングコストや信頼性の面でよい。また、分割溝や切断幅を狭くするために、レーザの横モードはシングルモード近傍が望ましい。
レーザビームは、太陽電池セル1を分割するためにレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工をおこなうので、太陽電池セル1の厚みが200μmの場合、レーザによる溝形成加工で平均出力20W程度、レーザによる切断加工で平均出力40W程度以上のパルスレーザビームが用いられる。パルス繰り返し周波数は上記平均出力によって変わるが、約数10kHzから100kHzが用いられる。
太陽電池セル1をステージ走査方向4に1回走査することによって、レーザビームに対して相対的に走査して、太陽電池セル1を分割するレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう。ステージの走査速度は、上記レーザビームのパルス繰返し周波数、平均出力及び要求するレーザ加工深さによって変わるが、およそ100mm/sから1000mm/sの速度で走査する。走査速度を遅くすることで、より深いレーザ加工が可能となる。
また、太陽電池セル1のレーザビームに対する走査は、複数回でも良く、それに応じてレーザビームの平均出力を設定すればよい。太陽電池セル1のレーザビームに対する相対的な走査においては、ステージ固定台18を固定し、ガルバノ、ポリゴン等によりレーザビームを走査しても同様の効果を奏する。
レーザビームで太陽電池セル1を分割するレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう際、レーザビーム走査加工による温度変化により、太陽電池セル1が溶融(および蒸発)・凝固して、再溶着が発生して加工面同士が接着し、任意形状に分断することが困難となる問題が生じることがある。特に、基本波レーザではこの問題が生じることが多い。
そこで、照射レーザビーム形状を楕円に成形し、レーザビームを太陽電池セル1に照射して上記加工をおこなうことで、照射レーザビーム形状が真円の場合と比較して、再溶着の発生を回避することが可能である。
ここで、図4−1は照射レーザビームの形状が真円の場合におけるレーザによる1パルスでの加工状態を示す図である。そして、図4−2は本発明の実施の形態1にかかる照射レーザビームの形状が楕円の場合におけるレーザによる1パルスでの加工状態を示す図である。
図4−1の照射レーザビームの形状が真円の場合であるのに対して、本実施の形態にかかる図4−2の照射レーザビームの形状は楕円である。したがって、楕円の短径の大きさが真円と同じ場合とを比較すると、レーザ切断加工もしくはレーザによる溝加工によって溶融した太陽電池セル1から、溶融した太陽電池セルが飛散する方向10に加工穴の内部から周辺に溶融した太陽電池セル1が飛散する量が多くなる。その結果、太陽電池セルが除去された部分6が大きくなる。
このため、溶融した太陽電池セル1が凝固しにくくなり、再溶着の発生を回避することが可能である。特に、照射ビームの形状以外の加工条件が同じ条件下では、上述したように楕円の長径方向が照射レーザビームの走査方向に平行となるように走査してレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工をおこなう場合には、照射レーザビームの形状を真円から楕円に変形することで、走査時に照射レーザビームが重なって照射している領域は真円より楕円のほうが多くなる。
そのため、レーザビーム形状が真円の場合に比べて楕円のほうが高速に加工することが可能であり、溶融された太陽電池セル1が除去され、再溶着の発生を抑制できる。したがって、切断部での安定したレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断が可能である。
図5−1は、照射レーザビームの形状が真円の場合におけるレーザによる切断加工の構成を示す図である。そして、図5−2は本発明の実施の形態1にかかるレーザによる切断加工の構成を示す図である。
また、図6−1は、照射レーザビームの形状が真円の場合におけるレーザによる溝形成加工の加工結果の断面形状を示す図である。そして、図6−2は本発明の実施の形態1にかかるレーザによる溝形成加工の加工結果の断面形状を示す図である。
また、図7−1は、照射レーザビーム形状が真円の場合におけるレーザによる切断加工の断面形状観察結果を示す図である。そして、図7−2は、本発明の実施の形態1にかかるレーザによる切断加工の断面形状観察結果を示す図である。
図5−1、図5−2、図6−1、図6−2、図7−1、および図7−2では、太陽電池セル1に対してステージ走査方向4の向きにステージを走査させる。図5−1および図5−2では、レーザによる切断加工をおこない、太陽電池セル1が加工された部分は太陽電池セル1のレーザビーム照射面5と反対のステージ側の面に達している。
図6−1および図6−2では、レーザによる溝形成加工をおこない、太陽電池セル1が加工された部分が太陽電池セル1のレーザビーム照射面5と反対のステージ側の面に達していない。図6−1および図6−2のような溝加工とその後の物理的割断による分割では、このような溝加工を太陽電池セル1全体に施し、太陽電池セルが除去された部分6を基準に割断する。
照射レーザビーム2が図5−1に示すような真円の照射レーザビーム2aの場合に、図5−1ではレーザによる切断加工を、図6−1ではレーザによる溝形成加工を行っており、いずれも加工面に再溶着部分3が発生する。
従って、図7−1に示すように、真円の照射レーザビーム2aで実際に切断加工をおこなった際の加工断面では、穴7や溶融して固まった白色部分8が存在する。断面の穴7は、再溶着により分断が困難であるため、分断時にもう一方の加工面に再溶着部分3が接着したまま剥がれたために生じる。
照射レーザビーム2が図5−2に示すような楕円の照射レーザビーム2bの場合に、図5−2ではレーザによる切断加工を、図6−2ではレーザによる溝形成加工を行っており、これらの場合は、いずれも太陽電池セルが除去された部分6には再溶着部分3は発生しない。
図7−2のように、楕円の照射レーザビーム2bで実際に切断加工をおこなった際の加工断面は、図7−1で見られた穴7や溶融して固まった白色部分8が存在せず、再溶着のない加工断面9となる。従って、図5−2と図6−2では、図7−2のように太陽電池セル1を安定して分離することができる。
また図6−2のように、レーザによる溝形成加工後の物理的割断において再溶着が生じない場合は、太陽電池セル1の厚みに対して半分程度の深さまで溝成形加工をおこなうと、物理的割断が可能となる。
本願発明者らは、レーザビームの楕円形状の短径に対する長径の比を1:2〜1:13まで変化させて試験を実施し、いずれの場合も真円形状のレーザビームによる加工の場合と比較して、レーザビームの楕円の短径に対する長径の大きさを拡大させることにより、再溶着の発生を抑制できることを確認した。
再溶着の発生の抑制には、照射ビーム径だけでなく、平均出力、パルス繰り返し周波数、ステージ速度が関わっている。特にパルスエネルギー密度が高いとき、またはステージ走査速度が速いほど、再溶着の発生を抑制することができる。例えば、レーザビームの楕円形状の短径に対する長径の比が1:2〜1:7、平均出力10W〜40W、パルス繰り返し周波数40kHz以下、ステージ速度200mm/s以上の条件で完全に再溶着の発生を防ぐことができる。
図8は、横軸を楕円ビームの短径に対する長径の比としたときの、本発明の実施の形態1のレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断により製造された太陽電池セルの破壊強度を縦軸として示した図である。
図8に示されるように、レーザビームの楕円の大きさについて、短径に対する長径の比が1:4未満までは一定の破壊強度が保たれるが、短径に対する長径の比が1:4以上になると強度が急激に低下する。
従って、太陽電池セルを製造するにあたり、再溶着を発生させず、かつ太陽電池セルに一定の破壊強度を保った状態で、本発明の実施の形態1のレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなうためには、照射レーザビームの楕円形状における短径に対する長径の比が1:4未満までが望ましく、1:4以上を用いるのは望ましくない。
一般に、太陽電池セルを分割するためにレーザを用いれば、機械的加工などのその他の加工方法よりも加工速度が速いため、生産性を向上させることができる。また、パルスレーザは連続発振(CW:Continuous Wave)のレーザに比べて、高い平均出力値とピーク出力値を有しており、局所的により深い加工をおこなうことが可能である。しかし、従来太陽電池セルに対してレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工をおこなう際には、太陽電池セルの溶融により、加工面同士が接着する再溶着と呼ばれる現象が生じて問題となっていた。
この再溶着においては加工面の接着力が強く、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工とその後の物理的割断の両方で、加工後に任意の形状に分割できない場合があった。そこで、本実施の形態にかかる光起電力装置の製造方法おいては、照射レーザビーム形状を真円から楕円に成形して加工をおこなうことで、再溶着の発生を防ぐことが可能となる。
太陽電池セルを分割するためのレーザによる溝形成加工と物理的割断もしくはレーザによる切断加工を、基本波のパルスレーザ発振器のレーザビームでおこなえば、初期コスト・ランニングコストが低く、信頼性の高い加工が可能となる。また、高調波の波長を有するレーザに比べて再溶着は多くなるが、レーザビームを楕円にすることで、再溶着を抑制することが可能となる。
以上説明したように本実施の形態によれば、太陽電池セルを楕円形状のビームにて加工することで、初期コスト・ランニングコストを低減できるようになり、信頼性の高い基本波レーザを使用することにより、再溶着を防いで安定したレーザ切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断を実施することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2においては、実施の形態1の図1と同様な構成で楕円ビーム16によるレーザ照射を行って光起電力装置を製造するが、レーザビームを入射する太陽電池セル1の面に特徴を有する。
太陽電池セル1は、例えば、一方の表面にPN接合層が形成された厚さ100〜300μm程度のP型シリコン基板である。この太陽電池セル1は、図1と同様に一方の面をステージ固定台18上に接触して真空吸引等により固定されており、対向するPN接合層が形成された他方の面がレーザビームの入射面となる。
図10は、本発明の実施の形態2にかかる楕円ビーム16を用いた切断加工による光起電力装置の製造方法において、レーザ入射面をPN接合層が形成された受光面22側にした場合の加工結果の断面形状を示す図である。
上述したレーザビームの入射面は、図10に示す太陽電池セル1の受光面22である。本実施の形態2においても、図1に示すように太陽電池セル1がステージ走査方向4へ走査されることによって、レーザビームに対して相対的に走査され、楕円に成型されたレーザビームを太陽電池セル1に走査照射させることができる。これにより、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう。
本実施の形態においては太陽電池セル1の受光面22をレーザビームの入射面とするが、受光面22を入射面としないでステージ固定台18に接触させると、表面に形成された受光面電極、光反射率を抑制する構造などに損傷を与え、太陽電池の特性が劣化する場合がある。
また、太陽電池セル1を分割するために真円形状の照射レーザビーム2aを用いてレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう際には上述したように図5−1及び図6−1に示したような再溶着部分3が生じる。
図9は、真円形状の照射レーザビーム2aを用いた切断加工による光起電力装置の製造方法において、レーザ入射面をPN接合層が形成された受光面22側にした場合の加工結果の断面形状を示す図である。図9においては、レーザビームでの加工時に導電性のN層45が溶融し、N層が混ざった再溶着部分47が形成される。この再溶着部分47はP層46の分割面に付着し、PN層間の電気抵抗を下げる場合がある。
しかし、本実施の形態2の加工方法によれば、受光面22側がステージ固定台18に接触しないため、受光面22側の構造を傷つけることがなく、光起電力装置の性能の劣化を抑制できる。また、受光面22側からの加工をおこなうと、受光面22と反対側の加工されていない面のほうが引張り力に強くなる。そのため、シリコンの受光面22は正圧に強く、使用環境での強度が維持できる。
さらに、太陽電池セル1の受光面22側から楕円に成型されたレーザビームを照射させて、図10に示されるように再溶着が生じない加工をおこなうことで、PN層間の電気抵抗を維持することができる。なお、本実施の形態2においては、太陽電池セル1がP型シリコン基板であるとして説明したが、N型シリコン基板の場合においても同様の効果を奏する。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、実施の形態1の図1と同様な構成で楕円ビーム16によるレーザ照射を行って光起電力装置を製造するが、裏面電極52を形成する領域に特徴を有する。
太陽電池セル1は、例えば、一方の表面にPN接合層が形成された厚さ100〜300μm程度のP型シリコン基板である。これ以外にも太陽電池セルには、N型シリコン基板などの単結晶と多結晶の結晶系太陽電池、薄膜シリコン型などの薄膜系太陽電池があり、これらを用いてもかまわない。
図12は、本発明の実施の形態3による光起電力装置の製造方法における分割レーザによる切断加工の加工結果の断面形状を示す図である。本発明の実施の形態3にかかる光起電力装置を構成する太陽電池セル1においては、発電の高効率化および電力を取り出すために、受光面22に対応する裏面にも導電性のある裏面電極52および裏面電解層などの構造を形成しており、裏面電極52に被われているBSF(Back Surface Field)層51をさらに備えている。BSF層51には小数キャリアの電子が裏面電極52側に拡散することを防ぐ役割がある。
太陽電池セル1は、図1と同様に一方の面をステージ固定台18上に接触して真空吸引等により固定され、対向する他方の面をレーザビーム入射面とする。この入射面が図12の太陽電池セル1の受光面22である。
本実施の形態3においても、図1に示すように太陽電池セル1がステージ走査方向4へ走査されることによって、レーザビームに対して相対的に走査され、楕円に成型されたレーザビームを太陽電池セル1に走査照射させることができる。これにより、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断をおこなう。
図11は、光起電力装置の製造方法において真円の照射レーザビーム2aを用いた切断加工の加工結果の断面形状を示す図である。図11のように、太陽電池セルが除去された部分6に再溶着が生じると加工した裏面電極52が接着してしまい、特性が下がる。このため、太陽電池セル1には、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断して分断する裏面電極52にあらかじめ間隔を設けているため、BSF層51が形成される領域もそれに応じて範囲が限られている。
しかし、本発明の実施の形態3にかかる光起電力装置の製造方法においては、楕円ビーム16で加工をおこなうことで図12に示す太陽電池セルが除去された部分6での再溶着を防ぐことができ、切断部に裏面電極52を有する構造部分ごと分断することが可能になるため、裏面電極52作成時に形成されるBSF層51の面積を大きくとることができる。また、楕円ビーム16で加工をおこなう構造部分が電極を含んでいる場合は、レーザによる溝形成加工とその後の物理的割断の場合においても同様の効果を得ることができる。
すなわち、太陽電池セルを分割するためにレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工をおこなう際に再溶着が生じると、溶融した電極同氏が接着してしまい、特性が落ちる。そのため従来は、レーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工と物理的割断して分断する電極部にあらかじめ間隔を設けていた。そのため、BSF層を形成可能な範囲が限られていた。
しかし、本実施の形態においては楕円形状のレーザビームを用いることにより太陽電池セルを受光面側から再溶着を生じさせない加工をおこなうことが可能となる。これにより、切断部に電極のある構造部分ごと分断するため、BSF層の面積を大きくとることが可能となる。
更に、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。
例えば、上記実施の形態1乃至3それぞれに示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1乃至3にわたる構成要件を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる光起電力装置の製造方法は、太陽電池セルを分割するレーザによる切断加工もしくはレーザによる溝形成加工に有用であり、特に、結晶シリコン系太陽電池の太陽電池セルを分割して得られる光起電力装置の製造に適している。
1 太陽電池セル
2 照射レーザビーム
2a 真円の照射レーザビーム
2b 楕円の照射レーザビーム
3 再溶着部分
4 ステージ走査方向
5 レーザビーム照射面
6 太陽電池セルが除去された部分
7 穴
8 溶融して固まった白色部分
9 再溶着のない加工断面
10 溶融した太陽電池セルが飛散する方向
11 レーザ発振器
12 真円ビーム
13 ビーム径調整光学系
14 楕円成形光学系
15 導光ミラー
16 楕円ビーム
17 集光レンズ
18 ステージ固定台
22 受光面
41 基本波パルスレーザ
45 N層
46 P層
47 P層が混ざった再溶着部
51 BSF層
52 裏面電極

Claims (6)

  1. 太陽電池セルに吸収される波長を有するパルスレーザ発振器から放射されたレーザビームのビーム形状を成形することにより、太陽電池セルに照射する照射レーザビームの形状を楕円にする工程と、
    前記照射レーザビームを走査することにより前記太陽電池セルを局部的に溶融させて切断加工もしくは溝形成加工後にその部分を物理的割断して前記太陽電池セルを分割する加工工程を備え、
    前記加工工程において、前記楕円の長径方向が前記照射レーザビームの走査方向に平行で、前記楕円の短径方向が前記照射レーザビームの走査方向に垂直である
    ことを特徴とする光起電力装置の製造方法。
  2. 前記楕円の短径に対する長径の比が1:4未満である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力装置の製造方法。
  3. 前記レーザ発振器は基本波のパルスレーザ発振器である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力装置の製造方法。
  4. 前記照射レーザビームを前記太陽電池セルの受光面側から照射する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
  5. 前記太陽電池セルを分割する光起電力装置の製造方法において、
    切断部が裏面電極およびBSF層のある構造部分である
    ことを特徴とする請求項4に記載の光起電力装置の製造方法。
  6. 前記太陽電池セルは前記照射レーザビームを照射される表面の面方位が(100)の単結晶シリコンであり、
    前記走査方向は結晶方位[110]であり、[010]または[100]に対して45度の角度をなす方向である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の光起電力装置の製造方法。
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