JP2007011073A - 電子写真感光体 - Google Patents

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JP2007011073A JP2005192890A JP2005192890A JP2007011073A JP 2007011073 A JP2007011073 A JP 2007011073A JP 2005192890 A JP2005192890 A JP 2005192890A JP 2005192890 A JP2005192890 A JP 2005192890A JP 2007011073 A JP2007011073 A JP 2007011073A
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Abstract

【課題】有機溶媒に対する優れた溶解性や結着樹脂に対する優れた相溶性を有する電荷輸送剤を含み、高い電荷移動度を有する感光層を備える電子写真感光体の提供。
【解決手段】アルミニウム製のドラム状基体上に、トリフェニルアミン系化合物からなる電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む、感光層形成用樹脂液を調製し、これを塗布して、感光層が形成された電子写真感光体を作製する。
【効果】この電子写真感光体では、画像形成処理時の高感度および高応答性を達成しつつ、しかも、画像欠陥やクラックの発生を抑制することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、静電式複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に用いられる電子写真感光体に関する。
従来より、静電式複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンタなどの画像形成装置には、その画像形成装置に用いられる光源の波長領域に感度を有する電子写真感光体が使用されている。このような電子写真感光体では、導電性基体上に、電荷輸送剤、電荷発生剤および結着樹脂から形成される感光層が設けられている。
上記感光層は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤および結着樹脂が有機溶媒中に分散・溶解された感光層形成用塗布液を、導電性基体上に塗布することにより、形成されている(単層型感光層の形成)。
また、近年、電子写真感光体には、高感度および高応答性が望まれており、電子写真感光体の感度および応答性を向上させるための電荷輸送材料として、特許文献1には、下記一般式(91)で表されるトリフェニルアミン誘導体が提案されている。
Figure 2007011073
(式(91)中、R91、R92、R93、R94、R95はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリール基を示すか、またはR92、R93およびR94、R95はそれぞれが互いに結合して環を形成していてもよく、nは0または1を示す。)
特開平7−173112号公報
しかし、特許文献1に記載のトリフェニルアミン誘導体(91)は、有機溶媒に対する溶解性や結着樹脂に対する相溶性が低いことから、感光層形成用塗布液の調製が困難になるという不具合がある。
一方、例えば、トリフェニルアミン誘導体(91)や結着樹脂などの固形分濃度を下げることにより、上記固形分が完全に溶解された感光層形成用塗布液を調製することは可能であるものの、上記トリフェニルアミン誘導体(91)と結着樹脂との相溶性も低いことから、感光層形成用塗布液の塗布および乾燥時に、上記トリフェニルアミン誘導体(91)が結晶化するという不具合がある。
それゆえ、上記の感光層を備えた電子写真感光体では、画像形成処理時に画像欠陥が生じたり、感光層にクラックが生じたりする不具合があり、また、電子写真感光体の感度特性が著しく低下する不具合もある。
また、上記の感光層を備えた電子写真感光体では、除電手段を有しない画像形成装置に搭載した場合に、感光体ドラムの回転1周目に形成された画像が、感光体ドラムの回転2周目に残存する、いわゆるゴースト現象を発生するおそれがある。
本発明の目的は、有機溶媒に対する優れた溶解性や結着樹脂に対する優れた相溶性を有する電荷輸送剤を含み、高い電荷移動度を有する感光層を備える電子写真感光体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む感光層を備え、前記電荷輸送剤が、下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物であることを特徴としている。
Figure 2007011073
(一般式(1)中、R1〜R5は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。但し、R1は炭素数2〜6のアルキル基であるか、または、R1〜R5の少なくとも2つ以上は、水素以外の置換基である。
6およびR7は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R6とR7とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニレン基を示す。
8およびR9は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R8とR9とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニレン基を示す。
a〜dは、それぞれ、同一または異なって、0〜5の整数である。
10およびR11は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。
eおよびfは、それぞれ、同一または異なって、0〜4の整数である。)
また、本発明の電子写真感光体では、前記一般式(1)のR6およびR8が同一であり、かつ、R7およびR9が同一であることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、前記感光層が、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤および前記バインダ樹脂を含む単一の感光層であり、かつ、前記導電性基体上に、直接にまたは中間層を介して形成されていることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、前記感光層が、前記電荷発生剤および前記バインダ樹脂を含む電荷発生層と、前記電荷輸送剤および前記バインダ樹脂を含む電荷輸送層とを含む積層体であり、かつ、前記導電性基体上に、直接にまたは中間層を介して形成されていることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、像担持手段と、前記像担持手段の表面を帯電させるための帯電手段と、前記像担持手段の表面を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、前記静電潜像をトナー像として現像するための現像手段と、前記トナー像を前記像担持手段から被転写体へ転写するための転写手段と、を有し、かつ、前記像担持手段表面の電荷を除去するための除電手段を有しない画像形成装置において、前記像担持手段が、上記した電子写真感光体であることが好適である。
また、本発明の電子写真感光体では、前記帯電手段が、帯電ローラであることが好適である。
本発明の電子写真感光体によれば、電荷輸送剤として、有機溶媒に対する溶解性や結着樹脂に対する相溶性に優れたトリフェニルアミン系化合物(1)が用いられており、かつ、上記トリフェニルアミン系化合物(1)は、高い電荷移動度を有するものであることから、画像形成処理時の高感度および高応答性を達成しつつ、しかも、画像欠陥やクラックの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る電子写真感光体の実施形態を詳細に説明する。
(電子写真感光体の構成)
本実施形態において、電子写真感光体は、導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む感光層を備えている。
(導電性基体)
導電性基体としては、導電性を有する種々の材料を用いることができる。導電性基体は、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有するものであればよい。その具体例としては、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体;上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラス;カーボンブラックなどの導電性微粒子を分散させた樹脂基体などが挙げられる。導電性基体の形状は、用いられる画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状などのいずれであってもよい。
また、導電性基体は、上記例示のものに限定されるものではなく、例えば、表面に酸化被膜処理または樹脂被膜処理が施されたものであってもよい。導電性基体に対する酸化被膜処理には、例えば、導電性基体としてアルミニウムやチタンを使用する場合に、当該導電性基体の表面に陽極酸化被膜(アノード酸化被膜)を形成する処理が挙げられる。陽極酸化被膜は、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸などの酸性浴中で陽極酸化処理することによって形成されるが、上記例示の酸性浴中でも特に、硫酸中で処理を行うのが好ましい。陽極酸化処理の方法、陽極酸化処理に先立って施される脱脂処理の方法などについては特に限定されるものではなく、常法に従って行えばよい。導電性基体に対する樹脂被膜処理には、例えば、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などを適当な溶媒に溶解して、これを導電性基体の表面に塗布する処理が挙げられる。樹脂被膜処理に用いる樹脂材料としては、上記例示の樹脂のなかでも特に、ナイロン樹脂やレゾール型のフェノール樹脂を用いるのが好ましい。
(電荷発生剤)
電荷発生剤としては、例えば、下記式(CGM1)で表される無金属フタロシアニン、下記式(CGM2)で表されるチタニルフタロシアニン、下記式(CGM3)で表されるヒドロキシガリウムフタロシアニン、下記式(CGM4)で表されるクロロガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、例えば、ジスアゾ顔料、例えば、ジスアゾ縮合顔料、モノアゾ顔料、ペリレン系顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料、その他従来公知の種々の電荷発生剤が挙げられる。
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
電荷発生剤は、電子写真感光体が所望の吸収波長域で感度を有するように、上記例示のものの中から種々選択すればよい。上記例示の電荷発生剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
レーザビームプリンタなどのデジタル光学系の画像形成装置には、現在、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)が露光光源として用いられており、その波長は680〜830nm前後の長波長領域(いわゆる「近赤外領域」)が主流であることから、デジタル型画像形成装置に用いられる電子写真感光体の電荷発生剤には、かかる近赤外領域での感度に優れていることが求められる。それゆえ、前述のように、無金属フタロシアニン(CGM1)、チタニルフタロシアニン(CGM2)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM3)、クロロガリウムフタロシアニン(CGM4)などのフタロシアニンが好適に用いられる。
上記フタロシアニン系顔料について、その結晶形は特に限定されるものではなく、種々のものを採用することができる。なかでも、感光体の感度をより一層良好なものにするという観点からは、無金属フタロシアニン(CGM1)についてはX型またはτ型を、チタニルフタロシアニン(CGM2)についてはα型(そのX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°と28.6°の時に主たる回折ピークを有するもの)またはY型(ブラッグ角(2θ±0.2°)が27.2°の時に主たる回折ピークを有するもの)を、ヒドロキシガリウムフタロシアニン(CGM3)についてはV型を、クロロガリウムフタロシアニン(CGM4)についてはII型を、それぞれ用いることが好ましい。
ハロゲンランプなどの白色光源を使用した静電式複写機といったアナログ光学系の画像形成装置には、上記例示の電荷発生剤のうち、可視領域に感度を有するペリレン系顔料やビスアゾ系顔料などが好適に用いられる。
電荷発生剤のバインダ樹脂中での分散性といった特性を向上させるためには、ジスアゾイエロー、ジアニシジンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、ピラゾロンレッドなどのアゾ系顔料を配合してもよい。
(電荷輸送剤)
電荷輸送剤には、正孔輸送剤としての、上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物が用いられる。また、本発明の作用効果が損なわれない限りにおいて、上記トリフェニルアミン系化合物以外の正孔輸送剤を併用してもよい。また、電荷輸送剤として、電子輸送剤を併用してもよく、この電子輸送剤は、電荷移動錯体の形成が防止される限りにおいて、上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物と同一の感光層中に併存させてもよい。
(正孔輸送剤)
上記一般式(1)中、R1〜R5は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。
ハロゲンとしては、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードなどが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状であってもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシなどが挙げられる。上記アルコキシ基の炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基の炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリル、メシチル、o、m、p−クメニル、2−エチル−6−メチルフェニルなどが挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは、6〜10、さらに好ましくは、6〜8であり、具体的には、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基の炭素数7〜13のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリルなどが挙げられる。上記アラルキル基の炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9であり、具体的には、ベンジルなどが挙げられる。
上記炭素数6〜12のアリール基および炭素数7〜13のアラルキル基が有することのあるハロゲンとしては、上記例示のハロゲンと同様のものが挙げられる。
また、R1は炭素数2〜6のアルキル基であるか、または、R1〜R5の少なくとも2つ以上は、水素以外の置換基である。
上記炭素数2〜6のアルキル基としては、上記例示の炭素数1〜6のアルキル基のうち、炭素数が2〜6のものが挙げられ、好ましくは、炭素数が2〜4、より好ましくは、2または3である。
また、上記水素以外の置換基は、すなわち、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基であって、これらの置換基の中でも、特に、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
上記一般式(1)中、R6およびR7は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R6とR7とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニレン基を示す。
ハロゲンとしては、上記と同様のものが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10、さらに好ましくは、6〜8である。具体的には、例えば、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9である。具体的には、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
6とR7とを互いに結合させる単結合は、具体的には、下記一般式(2)で表され、R6とR7とを互いに結合させるメチレン基は、具体的には、下記一般式(3)で表され、R6とR7とを互いに結合させるエチレン基は、具体的には、下記一般式(4)で表され、R6とR7とを互いに結合させるビニレン基は、具体的には、下記一般式(5)で表される。
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
(上記式(2)〜(5)中、R1〜R5、R8〜R11およびc〜fは、いずれも上記と同じである。)
上記一般式(1)中、R8およびR9は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R8とR9とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニル基を示す。
ハロゲンとしては、上記と同様のものが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
炭素数6〜12のアリール基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10、さらに好ましくは、6〜8である。具体的には、例えば、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
炭素数7〜13のアラルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9である。具体的には、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
8とR9とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基およびビニレン基は、上記R6とR7とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基およびビニレン基と同様である。
また、上記一般式(1)においては、R6およびR8が同一であり、かつ、R7およびR9が同一であることが好ましい。
6とR7とが、単結合、メチレン基、エチレン基またはビニレン基によって互いに結合されている場合には、R8とR9とについても、R6とR7との結合と同種の結合によって、互いに結合されていることが好ましい。
上記一般式(1)中、a〜dは、同じベンゼン環に置換するR6〜R9の個数であり、それぞれ、同一または異なって、0〜5の整数を示し、好ましくは、0〜2、より好ましくは、0または1である。a〜dが2以上のとき、同一のベンゼン環に置換する2以上の置換基は、互いに異なる基であってもよい。
10およびR11は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。
ハロゲンとしては、上記と同様のものが挙げられ、好ましくは、クロロが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、1〜4、より好ましくは、1または2である。
ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、6〜10、さらに好ましくは、6〜8である。具体的には、例えば、フェニル、o、m、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、3,4−キシリルなどが挙げられる。
ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基としては、上記と同様のものが挙げられ、その炭素数は、好ましくは、7〜11、さらに好ましくは、7〜9である。具体的には、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
上記一般式(1)中、eおよびfは、同じベンゼン環に置換するR10およびR11の個数であり、それぞれ、同一または異なって、0〜4の整数を示し、好ましくは、0〜2、より好ましくは、0または1である。eやfが2以上のとき、同一のベンゼン環に置換する2以上の置換基は、互いに異なる基であってもよい。
上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記R1〜R11の具体例を表1に示す。
Figure 2007011073
表1中、Meはメチルを、Etはエチルを、i−Prはイソプロピルを、それぞれ示す。また、「3−」および「4−」は、それぞれ、ベンゼン環上での置換位置を示す。なお、ベンゼン環上での置換位置は、下記式に示すとおりである。また、「−」は、水素を示す(すなわち、そのベンゼン環上の水素が置換基により置換されていないことを示す)。
Figure 2007011073
(式中、R1〜R11およびa〜fは、いずれも上記と同じである。)
上記トリフェニルアミン系化合物(1)は、例えば、後述する合成法1および合成法2によって、合成される。
(合成法1)
工程1:トリフェニルアミン誘導体(11)に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)および塩化ホスホリルを過剰量添加して、これを加熱し、いわゆるフィルスマイヤー−ハーク(Vilsmeier−Haack)反応によって、4,4’−ジホルミルトリフェニルアミン誘導体(12)を得る。
Figure 2007011073
(式中、R1〜R5、R10、R11およびeおよびfは、いずれも上記と同じである。)
上記反応においては、溶媒として、DMF以外に、N−メチルホルムアニリド(MFA)などの非プロトン性溶媒を用いることもできる。また、塩化ホスホリルに代えて、ホスゲン、塩化チオニルなどを用いることもできる。
工程2:ベンゾフェノン誘導体(13)に、(i)メチルマグネシウムクロリド(MeMgCl)を反応させて、次いで、(ii)酸を添加して脱水させることにより、1,1−ジアリールエチレン(14)を得る。上記酸としては、PTSA(p−トルエンスルホン酸)などが挙げられる。次に、こうして得られた1,1−ジアリールエチレン(14)に、パラホルムアルデヒドと塩酸とを添加して反応させて、さらに得られた化合物(14’)とトリアルキルフォスファイトを反応させて、3,3’−ジアリールアリルホスホン酸ジアルキルエステル(15)を得る。
Figure 2007011073
(式中、R6、R7、aおよびbは、いずれも上記と同じである。Rは、アルキル基を示す。)
工程3:上記工程1で得られた4,4’−ジホルミルトリフェニルアミン誘導体(12)と、上記工程2で得られた3,3’−ジアリールアリルホスホン酸ジアルキルエステル(15)とを塩基の存在下で反応させることにより、トリフェニルアミン系化合物(21)を得ることができる。
Figure 2007011073
(式中、R1〜R7、R10、R11、a、b、eおよびfは、いずれも上記と同じである。Rは、アルキル基を示す。)
上記一般式(21)で表されるトリフェニルアミン系化合物は、一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物のうちR6とR8が同一で、かつ、R7とR9が同一である化合物である。
一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を得るには、例えば、上記式(12)で表される4,4’−ジホルミルトリフェニルアミン誘導体の一方のホルミル基を保護した上で、これと等モル量の上記式(15)で表される3,3’−ジアリールアリルホスホン酸ジアルキルエステルと反応させた後、上記一方のホルミル基の保護基を除いた上で、これと等モル量の3,3’−ジアリールアリルホスホン酸ジアルキルエステル(式(15)のうち、R8がR6であり、かつ、R9がR7であるもの)と反応させればよい。また、上記式(15)で表される3,3’−ジアリールアリルホスホン酸ジアルキルエステルと、式(15)のうちR6がR8であり、かつ、R7がR9である化合物との混合物を、式(12)で表される4,4’−ジホルミルトリフェニルアミン誘導体とを反応させて、反応生成物から式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を単離してもよい。
(合成法2)
工程1:4−クロロベンジルクロライド誘導体(22)を用いて、得られたアリールホスホン酸ジアルキルエステル(23)に、ジフェニルアセトアルデヒドを添加して、反応させることにより、化合物(24)を得る。
Figure 2007011073
(式中、R6、R7、R10、a、bおよびeは、いずれも上記と同じである。Rは、アルキル基を示す。)
工程2:次いで、得られた化合物(24)とアニリン誘導体(25)とを反応させて、トリフェニルアミン系化合物(31)を得ることができる。
Figure 2007011073
(式中、R1〜R7、R10、a、bおよびeは、いずれも上記と同じである。)
上記一般式(31)で表されるトリフェニルアミン系化合物は、一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物のうち、R6とR8が同一、R7とR9が同一、かつ、R10とR11とが同一の化合物である。
一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を得るには、例えば、式(25)で表されるアニリン誘導体として、アミンの窒素原子上に保護基を1つ導入したものを用いて、等モル量の化合物(24)と反応させた後、上記窒素原子上の保護基を除いた上で、これと等モル量の式(24)で表される化合物(但し、R6がR8であり、R7がR9であり、かつ、R10がR11であるもの。)を反応させればよい。また、式(24)で表される化合物と、式(24)で表される化合物のうち、R6がR8であり、R7がR9であり、かつ、R10がR11である化合物との混合物を、式(25)で表されるアニリン誘導体と反応させて、反応生成物から式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物を単離させてもよい。
上記のように合成されるトリフェニルアミン系化合物(1)は、後述する有機溶媒(分散媒)に対する溶解性や結着樹脂に対する相溶性に優れている。それゆえ、上記トリフェニルアミン系化合物を用いて感光層を形成した場合であっても、トリフェニルアミン系化合物が結晶化したり、クラックが発生したりするといった不具合を抑制することができる。また、上記トリフェニルアミン系化合物(1)は高い電荷移動度を有している。それゆえ、そのようなトリフェニルアミン系化合物(1)を含む感光層は、電子写真感光体の感度および応答性を向上させることができる。
(電子輸送剤)
電子輸送剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の電子輸送剤の中から適宜選択して用いることができる。なお、電子輸送剤が、上記正孔輸送剤とともに、同一の感光層中に配合される場合には、電子輸送剤は、上記正孔輸送剤との間に電荷移動錯体を形成しないものであることが求められる。
電子輸送剤としては、例えば、下記一般式(ETM1)および(ETM2)で表されるジフェノキノン誘導体、下記一般式(ETM3)で表されるスチルベンキノン誘導体、下記一般式(ETM4)、(ETM5)、(ETM6)および(ETM7)で表されるナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM8)および(ETM9)で表されるジナフトキノン誘導体、下記一般式(ETM10)、(ETM11)、(ETM12)および(ETM13)で表されるアゾキノン誘導体、および下記一般式(ETM14)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
Figure 2007011073
(一般式(ETM1)〜(ETM14)中、Re1〜Re11、Re13〜Re26、Re32〜Re37、Re40およびRe41は、同一または異なって、水素、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。Re12は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜9のアルコキシカルボニル基、炭素数13以下のアリールカルボニル基または炭素数13以下のアリールオキシカルボニル基を示す。Re27、Re29およびRe31は、同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数12以下のアリール基、塩素原子またはニトロ基を示す。Re28、Re30、Re38およびRe39は同一または異なって、炭素数1〜8のアルキル基または炭素数12以下のアリール基を示す。aは0〜3の整数を示し、bは0〜4の整数を示す。上記アリール基、アリールカルボニル基およびアリールオキシカルボニル基は、そのアリール部分にニトロ基などの置換基をさらに有していてもよい。)
上記一般式(ETM12)で表されるアゾキノン誘導体は、アニリン誘導体(置換基(Re31aを備えるもの)と亜硝酸ナトリウムに濃塩酸を加えてジアゾニウム化合物を生成させて、このジアゾニウム化合物と9−ヒドロキシ−10−メチルアントラセンの誘導体(置換基(Re30bを備えるもの)とをジアゾカップリングさせた後、こうして得られた生成物のヒドロキシ基を酸化することによって得られる。
なお、これに限定されるものではないが、上記例示の電子輸送剤は、その分子中に少なくとも1つのニトロ基、2つ以上のカルボキシル基および2つ以上のアシル基のいずれかを有するものであるのが好ましい。電子輸送剤が上記例示の基を有するときは、例えば、本実施形態の電子写真感光体を湿式現像法による画像形成に使用して、パラフィン系溶媒(湿式現像剤の溶剤)と接触させた場合であっても、電子輸送剤が感光層から溶出するのを抑制することができる。すなわち、上記例示の基を有する電子輸送剤を使用することは、感光体の耐溶剤性の観点から好ましい。
(バインダ樹脂)
バインダ樹脂としては、特に限定されず、例えば、繰返し単位中に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型、ビスフェノールC型、ビスフェノールZC型などのビスフェノールを有するポリカーボネート樹脂;繰返し単位中に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールZ型、ビスフェノールA型、ビスフェノールC型、ビスフェノールZC型などのビスフェノールと、ベンゼンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸と、を有するポリアリレート樹脂;ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
(感光層)
上記の電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む単一の感光層である形態(いわゆる、単層型感光層)、電荷発生剤およびバインダ樹脂を含む電荷発生層と、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む電荷輸送層とを含む積層体である形態(いわゆる、積層型感光層)などが採用され、この単層型感光層や積層型感光層が、電子写真感光体の感光層として好適に用いられる。
単層型感光層が導電性基体上に形成された電子写真感光体(以下、「単層型電子写真感光体」という。)、および、積層型感光層が導電性基体上に形成された電子写真感光体(以下、「積層型電子写真感光体」という。)は、乾式現像法および湿式現像法のいずれの現像法にも用いることができる。
次に、単層型電子写真感光体の製造方法、および、積層型電子写真感光体の製造方法について説明する。
(単層型電子写真感光体の製造方法)
単層型電子写真感光体は、電荷発生剤と、一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物(正孔輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて他の正孔輸送剤と、電子輸送剤と、他の成分とを適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた感光層形成用の塗布液(以下、「感光層形成用塗布液」という。)を導電性基体上に塗布し、乾燥させることによって得られる。
他の成分として、感光層形成用塗布液には、電子写真特性に悪影響を与えない範囲であれば、上記各成分の他にも従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどを配合することができる。また、単層型感光層の感度を向上させるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンなどの公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
分散媒としては、上記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などを分散・溶解して、感光層形成用塗布液を調製するのに際して、感光層形成用塗布液に従来用いられている種々の有機溶媒が用いられる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(「メチルセロソルブ(R)」)、エチレングリコールモノエチルエーテル(「エチルセロソルブ(R)」)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;オキセタン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドラピラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジオキソランなどの環状エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
なお、分散媒は、これに限定されるものではないが、電荷発生剤、電荷輸送剤、バインダ樹脂などの各成分を安定して分散させる上で、各種の有機溶媒の中でも特に、オキセタン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドラピラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサンおよびジオキソランからなる群より選ばれる少なくとも1種の環状エーテルを用いるのが好ましい。より好ましくは、テトラヒドロフラン(THF)が用いられる。
感光層の厚さは5〜100μm、特に10〜50μmとなるように設定するのが好ましい。
電荷発生剤は、バインダ樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。正孔輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部の割合で配合すればよい。電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用する場合において、電子輸送剤と正孔輸送剤との総量は、バインダ樹脂100重量部に対して20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部とするのが適当である。
感光層形成用塗布液の調製は、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送剤、不溶性アゾ顔料、バインダ樹脂などを、適当な溶剤とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などの公知の手段を用いて分散混合すればよい。
(積層型電子写真感光体の製造方法)
積層型の電子写真感光体の製造では、まず、電荷発生剤と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて上記他の成分とを適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷発生層形成用の塗布液(以下、「電荷発生層形成用塗布液」という。)を導電性基体上に塗布し、乾燥させることによって電荷発生層を形成する。次いで、上記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物(正孔輸送剤)と、バインダ樹脂と、さらに必要に応じて他の正孔輸送剤、電子輸送剤、上記他の成分とを適当な分散媒に分散または溶解させ、こうして得られた電荷輸送層形成用の塗布液(以下、「電荷輸送層形成用塗布液」という。)を電荷発生層上に塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成する。こうして、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層とをこの順序で積層してなる積層型電子写真感光体が得られる。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は上記と逆の順序であってもよいが、通常、電荷発生層の膜厚が薄く、その強度が十分ではないことから、上記のとおりの積層順序とするのが好ましい。
電荷発生層の厚さは、0.01〜5μmとなるように、とりわけ、0.5〜2μmとなるように設定するのが好ましい。電荷発生剤は、電荷発生層のバインダ樹脂100重量部に対して20〜1000重量部、好ましくは、40〜500重量部の割合で配合すればよい。正孔輸送剤は、バインダ樹脂100重量部に対して10〜200重量部、好ましくは、20〜100重量部の割合で配合すればよい。
本発明において特に限定されるものではないが、単層型電子写真感光体および積層型電子写真感光体のいずれにおいても、導電性基体と感光層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で、必要に応じて、中間層としての下引き層(バリア層)を形成してもよい。また、感光体の表面には保護層を形成してもよい。
(電子写真感光体の作用効果)
上記した単層型電子写真感光体や積層型電子写真感光体などの電子写真感光体によれば、電荷輸送剤として、有機溶媒に対する溶解性や結着樹脂に対する相溶性に優れたトリフェニルアミン系化合物(1)が用いられ、かつ、上記トリフェニルアミン系化合物(1)が高い電荷移動度を有している。それゆえ、画像欠陥やクラックの発生を抑制することができつつ、しかも、画像形成処理時の高感度および高応答性を達成することができる。
また、上記トリフェニルアミン系化合物を電荷輸送剤として用いた感光層を有する画像形成装置では、上記感光層の電気特性(感度・応答性など)が良好であることから、たとえ、除電ランプなどの除電手段を有していない画像形成装置であっても、画像欠陥のない画像形成処理を実現することができる。
(画像形成装置の構成)
図1は、画像形成装置の概略構成図である。
次に、上記した電子写真感光体を感光体ドラムとして用いた画像形成装置について、図1を参照して説明する。
この画像形成装置10は、図1に示すように、感光体ドラム(像担持手段)1と、感光体ドラム1の表面を帯電させるための帯電ローラ(帯電手段)2と、感光体ドラム1の表面を露光して静電潜像を形成するための露光器(露光手段)3と、静電潜像をトナー像として現像するための現像器(現像手段)4と、トナー像を感光体ドラム1から用紙(被転写体)7へ転写するための転写ローラ(転写手段)5と、を有している。また、この画像形成装置10は、通常の画像形成装置が有している、感光体ドラム1表面の電荷を除去するための除電ランプ(除電手段)を有していない。
画像形成装置の帯電手段としては、上記帯電ローラ2に限定されるものではなく、例えば、コロトロン型帯電器、スコロトロン型帯電器、固体放電素子、針電極器などのチャージャー帯電型の帯電器や導電性ブラシなどの接触型の帯電器などを用いることができる。なかでも、帯電ローラ(接触型)は、オゾンの発生量が少ない利点を有していることから、例えば、プリンタなどの画像形成装置において好適に用いられる。
上記の帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段としては、本発明において特に限定されるものではなく、種々の装置を適宜採用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例および比較例に何ら限定されない。
(製造例1)
(電荷発生剤の合成)
アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル25gと、チタンテトラブトキシド28gと、キノリン300gとを加え、撹拌しつつ150℃まで加熱した。
次に、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで加熱した後、215℃で、さらに2時間撹拌して反応させた。
その後、150℃まで冷却して、反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびメタノールで、順次洗浄した後、この固体を真空乾燥することにより、青紫色の固体24gを得た。
(電荷発生剤の顔料化前処理)
次いで、得られた固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100ml中に加え、これを撹拌しつつ、130℃に加熱して2時間撹拌した。次に、23±1℃まで冷却した後、撹拌を停止し、このまま12時間、静置した。そして、静置したDMF溶液を、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、この固体を真空乾燥することにより、チタニルフタロシアニン(CGM2)の粗結晶9.83gを得た。
(電荷発生剤の顔料化処理)
得られたチタニルフタロシアニン(CGM2)の粗結晶5gを、濃硫酸100ml中に加えて溶解させた。次に、この濃硫酸溶液を、氷冷されている水中に滴下した後、室温で15分間撹拌し、その後、23±1℃で30分間、静置して再結晶させた。次に、この濃硫酸溶液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を、その洗浄液が中性になるまで水洗した。その後、その固体を乾燥させずに(すなわち、水が存在した状態で)、クロロベンゼン200ml中に分散させて、50℃に加熱して、10時間撹拌した。その後、その分散液をガラスフィルターによって濾別した後、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥することにより、青色粉末状のチタニルフタロシアニン(CGM2)の結晶4.1gを得た。
なお、このチタニルフタロシアニン(CGM2)の結晶について、1,3−ジオキソランまたはテトラヒドロフラン中に7日間浸漬し、その浸漬前後において、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)が7.4°および26.2°に、主たるピークが有さないこと、および、吸着水の気化に伴う90℃付近のピーク以外に、50℃から400℃までの温度変化の主たるピークを有さないことを確認した。
(製造例2)
(下引き層の形成)
シリカとアルミナとポリハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン(テイカ製(株)、MT−100SAS(平均粒子径15nm))3重量部と、共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、「アミランCM8000」、(登録商標))1重量部とを、メタノール12重量部およびブタノール3部に添加し、ペイントシェーカーを用いて10時間分散させ、下引き層形成用塗布液を調製した。
調製した下引き層形成用塗布液を5μmのフィルタにてろ過した後、そのろ液を、導電性基体として直径30mm、全長238.5mmのアルミニウム製のドラム状基体に、ディップコート法にて塗布し、130℃で30分熱処理し、膜厚2μmの下引き層を形成した。
(実施例1)
(積層型感光層の形成)
まず、電荷発生剤として、製造例1で得たチタニルフタロシアニン(CGM2)1重量部、バインダ樹脂としてポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)、エスレックKS−1)1重量部、分散媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル64重量部を混合し、ボールミルにて48時間分散させ、電荷発生層形成用塗布液を調製した。調製した電荷発生層形成用塗布液を、製造例2で形成した下引き層上に、ディップコート法にて塗布し、60℃で5分間乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、正孔輸送剤として、下記式(HTM−1)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.1に相当)70重量部、バインダ樹脂として、下記式(Resin1)で表される、粘度平均分子量50000のポリカーボネート樹脂100重量部、有機溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)460重量部を混合して、溶解させて、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
調製した電荷輸送層形成用塗布液を、電荷発生層形成用塗布液と同様の方法で、電荷発生層上に塗布し、130℃で30分熱処理し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成して、積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
Figure 2007011073
(実施例2)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.2に相当)に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例3)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−3)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.3に相当)に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例4)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−4)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.4に相当)に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例5)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−5)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.5に相当)に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例6)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−6)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.6に相当)に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例7)
製造例2における下引き層の形成において、共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、「アミランCM8000」、(登録商標))を、共重合ポリアミド樹脂(ダイセル(株)製、ダイアミドT171)に変更したこと以外は、実施例2と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
(実施例8)
実施例7において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.2に相当)に変更したこと以外は、実施例7と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
(実施例9)
実施例1において、ポリカーボネート樹脂(Resin1)を、粘度平均分子量が49500の、下記式(Resin2)で表されるポリカーボネート樹脂に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例10)
実施例9において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.2に相当)に変更したこと以外は、実施例9と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
(実施例11)
製造例2における下引き層の形成において、アルミニウム製のドラム状基体をアルマイト製のドラム状基体に変更し、下引き層形成用塗布液を塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。なお、この場合のアルマイト製のドラム状基体は、アルミニウム製のドラム状基体上に、陽極酸化処理によって膜厚5μmのアルマイトが形成されたものである。
(実施例12)
実施例11において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.2に相当)に変更したこと以外は、実施例11と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−7)で表されるトリフェニルアミン系化合物に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
なお、積層型電子写真感光体に形成された積層型感光層は、その一部が結晶化した。
Figure 2007011073
(比較例2)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−8)で表されるトリフェニルアミン系化合物に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
なお、積層型電子写真感光体に形成された積層型感光層は、顕著に結晶化した。
Figure 2007011073
(比較例3)
実施例1において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、下記式(HTM−9)で表されるトリフェニルアミン系化合物に変更したこと以外は、実施例1と同様に積層型感光層を形成し、積層型電子写真感光体を作製した。
なお、積層型電子写真感光体に形成された積層型感光層は、その一部が結晶化した。
Figure 2007011073
(画像形成評価)
各実施例および比較例において作製した積層型電子写真感光体を、市販の負帯電反転現像プロセスを採用したプリンタ(沖データ(株)製、MicroLine−18)の感光体ドラムとして採用して、35℃/85%RHにおける高温高湿環境下(以下、「H/H環境」という。)にて、画像形成および電気特性を評価した。なお、このプリンタ(沖データ製、MicroLine−18)は、帯電ローラと、露光器と、現像器と、転写ローラと、を有しており、除電器を有していない(図1参照)。
画像形成評価では、H/H環境下で、黒ベタ、グレー画像および白紙画像の画像形成処理をし、かぶりの有無、および、メモリ効果の有無を目視にて観察した。
電気特性評価は、現像位置での黒ベタ部に相当する残留電位VL(V)と、初期表面電位V0(V)とを測定した。残留電位VLの数値が小さいほど、感度が優れている。
その結果を表2に示す。
Figure 2007011073
表2中、H/H画像形成評価における「かぶり」の欄中、「◎」は、H/H環境における画像形成処理後、用紙上に、かぶりが全く観察されなかった場合、「○」はかぶりが多少観察されたものの、実用上問題のない程度であった場合、「△」はかぶりが一部観察された場合を示し、また、「メモリ」の欄中、「◎」は、H/H環境における画像形成処理で、感光体ドラムの回転1周目に形成された黒ベタ画像のゴーストが、感光体ドラムの回転2周目に形成されたグレー画像中において、ゴーストが観察されなかった場合、「○」はゴーストが多少観察されたものの、実用上問題のない程度あった場合を示す。
(製造例3)
(下引き層の形成)
製造例2において、直径30mm、全長238.5mmのアルミニウム製のドラム状基体を、直径16mm、全長244.5mmのアルミニウム製のドラム状基体に変更したこと以外は、製造例2と同様に下引き層を形成した。
(実施例13)
(単層型感光層の形成)
まず、電荷発生剤としてx型無金属フタロシアニン(CGM1)3重量部、正孔輸送剤として、上記式(HTM−1)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.1に相当)50量部、電子輸送剤として、下記式(ETM10−1)で表されるアゾキノン誘導体40重量部、バインダ樹脂としてポリカーボネート樹脂(Resin1)100重量部を、有機溶媒としてテトラヒドロフラン800重量部とともに、ボールミルにて50時間混合分散し、感光層形成用塗布液を調製した。次に、調製した感光層形成用塗布液を、製造例3で形成した下引き層上に、ディップコート法にて塗布し、その後、130℃で40分間熱風乾燥し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成して、単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例14)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、上記式(HTM−2)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.2に相当)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例15)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、上記式(HTM−3)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.3に相当)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例16)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、上記式(HTM−4)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.4に相当)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例17)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、上記式(HTM−5)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.5に相当)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例18)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、上記式(HTM−6)で表されるトリフェニルアミン系化合物(表1におけるno.6に相当)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例19)
実施例13において、アゾキノン誘導体(ETM10−1)を、ナフトキノン誘導体(ETM4−1)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例20)
実施例13において、アゾキノン誘導体(ETM10−1)を、ナフトキノン誘導体(ETM4−2)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例21)
実施例13において、アゾキノン誘導体(ETM10−1)を、ジフェノキノン誘導体(ETM1−1)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例22)
実施例13において、アゾキノン誘導体(ETM10−1)を、ジナフトキノン誘導体(ETM8−1)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
Figure 2007011073
(実施例23)
実施例20において、ポリカーボネート樹脂(Resin1)を、ポリカーボネート樹脂(Resin2)に変更したこと以外は、実施例20と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(実施例24)
実施例23において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、トリフェニルアミン系化合物(HTM−2)に変更したこと以外は、実施例23と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
(比較例6)
実施例13において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、トリフェニルアミン系化合物(HTM−7)に変更したこと以外は、実施例13と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
なお、単層型電子写真感光体に形成された単層型感光層は、全体にわたってわずかに結晶化した。
(比較例7)
実施例19において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、トリフェニルアミン系化合物(HTM−8)に変更したこと以外は、実施例19と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
なお、単層型電子写真感光体に形成された単層型感光層は、顕著に結晶化した。
(比較例8)
実施例20において、トリフェニルアミン系化合物(HTM−1)を、トリフェニルアミン系化合物(HTM−9)に変更したこと以外は、実施例20と同様に単層型感光層を形成し、単層型電子写真感光体を作製した。
なお、単層型電子写真感光体に形成された単層型感光層は、全体にわたってわずかに結晶化した。
(画像形成評価)
各実施例および各比較例において作製した単層型電子写真感光体を、プリンタ(京セラミタ(株)製、プリンタDP−560)の感光体ドラムとして採用して、電気特性評価、耐溶剤試験評価および画像形成評価を行った。なお、この画像形成装置の感光体ドラムの回転速度は、周速60mm/secとし、光量を1.0μJ/cm2とした。また、除電ランプは、画像形成装置より除外した。また、上記プリンタは、現像同時クリーニング方式による画像形成装置であって、接触型帯電器(ローラ帯電型)と、露光器と、現像器と、転写ローラと、を有しており、除電器を有していない。
電気特性評価は、現像位置での黒ベタ部電位に相当する残留電位VL(V)を測定した。
画像形成評価は、用紙として普通紙(A4サイズ)を使用し、主帯電電位を+850V、現像バイアス電圧を+400Vに設定して、普通紙を通して反転現像による画像形成処理(印字率5%)サイクルを繰り返し行い、10万枚印字したときの画像形成を目視にて評価した。
耐溶剤試験評価は、感光体ドラムを湿式現像剤用のパラフィン系溶媒(エクソンモービル化学(株)製、ノルマルパラフィン、商品名「ノーパ12」)500mlに、25℃で200時間浸漬した。浸漬は、密閉系、暗所にて行い、200時間経過した後で、浸漬前後の感度変化を評価した。
その結果を表3に示す。
Figure 2007011073
表3中、画像形成評価の欄中、「◎」は用紙上に黒点が観測されなかった場合、「○」は用紙上に黒点がわずかに観測されたものの、実用上問題のない程度であった場合、「×」は用紙上に黒点が観測された場合を示す。比較例7の「評価不能」とは、クラックが多数発生して、感度測定ができなかったことを示す。
(評価結果)
表2から分かるように、実施例1〜12の、本発明に係る特定の正孔輸送剤を含む積層型感光層が形成された感光体ドラムは、比較例1〜3の感光体ドラムに比べて、H/H環境における電気特性がほとんど変わらなかったが、メモリ効果によるゴーストが発生しなかったのに対して、比較例1〜3の感光体ドラムはメモリ効果によるゴーストが発生した。また、比較例1〜3の感光体ドラムでは、積層型感光層の形成時に、結晶化したが、実施例1〜12の感光体ドラムでは、結晶化しなかった。
また、表3から分かるように、実施例13〜24の、本発明に係る特定の正孔輸送剤を含む単層型感光層が形成された感光体ドラムは、比較例6〜8の感光体ドラムに比べ、電気特性評価における残留電位が低く、感度が高かった。また、比較例6〜8の感光体ドラムでは、単層型感光層の形成時に、結晶化したが、実施例13〜24の感光体ドラムでは、結晶化しなかった。
画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 露光器
4 現像器
5 転写ローラ
7 用紙
10 画像形成装置

Claims (6)

  1. 導電性基体上に、電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を含む感光層を備え、前記電荷輸送剤が、下記一般式(1)で表されるトリフェニルアミン系化合物であることを特徴とする、電子写真感光体。
    Figure 2007011073
    (一般式(1)中、R1〜R5は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。但し、R1は炭素数2〜6のアルキル基であるか、または、R1〜R5の少なくとも2つ以上は、水素以外の置換基である。
    6およびR7は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R6とR7とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニレン基を示す。
    8およびR9は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基もしくはハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基、または、R8とR9とを互いに結合させる単結合、メチレン基、エチレン基もしくはビニレン基を示す。
    a〜dは、それぞれ、同一または異なって、0〜5の整数である。
    10およびR11は、それぞれ、同一または異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲンを有していてもよい炭素数6〜12のアリール基、または、ハロゲンを有していてもよい炭素数7〜13のアラルキル基を示す。
    eおよびfは、それぞれ、同一または異なって、0〜4の整数である。)
  2. 前記一般式(1)のR6およびR8が同一であり、かつ、R7およびR9が同一であることを特徴とする、請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層が、前記電荷発生剤、前記電荷輸送剤および前記バインダ樹脂を含む単一の感光層であり、かつ、前記導電性基体上に、直接にまたは中間層を介して形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が、前記電荷発生剤および前記バインダ樹脂を含む電荷発生層と、前記電荷輸送剤および前記バインダ樹脂を含む電荷輸送層とを含む積層体であり、かつ、前記導電性基体上に、直接にまたは中間層を介して形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の電子写真感光体。
  5. 像担持手段と、
    前記像担持手段の表面を帯電させるための帯電手段と、
    前記像担持手段の表面を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、
    前記静電潜像をトナー像として現像するための現像手段と、
    前記トナー像を前記像担持手段から被転写体へ転写するための転写手段と、を有し、かつ、
    前記像担持手段表面の電荷を除去するための除電手段を有しない画像形成装置において、
    前記像担持手段が、請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする、電子写真感光体。
  6. 前記帯電手段が、帯電ローラであることを特徴とする、請求項5記載の電子写真感光体。
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