JP2007010748A - ポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(B1)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂及び(B2)(a)アルカリ可溶性基及び(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基から選ばれる少なくとも1種類の基を有し、かつ、酸の作用により分解する基を有さない樹脂を含有するポジ型感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし
Description
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。
更に、脂環炭化水素構造を有する樹脂にラクトン構造を有する繰り返し単位を含有させることで性能が向上することが見出されている。例えば、特許文献1(特開平9−73173号公報)、特許文献2(米国特許第6388101B号明細書)、特許文献3(特開2000−159758号公報)、特許文献4(特開2001−109154号公報)、特許文献5(米国特許出願公開第2001−26901A号明細書)には、ラクトン構造を有する酸分解性樹脂を含有するレジスト組成物が記載されている。
また、特許文献6(米国特許第6627391B号明細書)には、酸分解性樹脂とラクトン基を有する低分子添加剤を含有する組成物が記載されている。
しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、酸発生剤、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情であり、更に線幅100nm以下のような微細なパターンを形成する際には、解像性能が優れていても、形成したラインパターンが倒れてしまい、デバイス製造時の欠陥となってしまうパターン倒れの問題や、ラインパターンのラインエッジラフネス性能の改良が求められていた。
ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストの特性に起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状を呈することをいう。このパターンを真上から観察するとエッジが凸凹(±数nm〜数十nm程度)に見える。この凸凹は、エッチング工程により基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良を引き起こし、歩留まりを低下させることになる。
(B1)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂及び
(B2)(a)アルカリ可溶性基及び(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基から選ばれる少なくとも1種類の基を有し、かつ、酸の作用により分解する基を有さない樹脂
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
本発明のポジ型感光性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
X-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4-、PF6-、SbF6-などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下記一般式に示す有機アニオンが挙げられる。
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。式中、Rd1は、水素原子又はアルキル基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4及びRc5の有機基として、好ましくはRb1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、特に好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としては、アルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として特に好ましくは、1位がフッ素原子またはフロロアアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、活性光線又は放射線の照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。また、Rc3とRc4が結合して環を形成することにより活性光線又は放射線の照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上し、好ましい。
また、R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)及び(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、インドール残基、ピロール残基等のヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15
の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基は、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であり、更により好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。R201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、環状2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としての直鎖又は分岐状2−オキソアルキル基は、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としての環状2−オキソアルキル基は、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
R6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
Rx及びRyとしてのシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207は、置換基を有していてもよい。R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X-は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
R206は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。R207として好ましくはアリール基である。R208として好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3、Ar4、R206、R207、R208及びAは、置換基を有していてもよい。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物の内で更により好ましくは、活性光線又は放射線の照射により炭素数2〜4のフロロアルキルスルホン酸構造を有する酸、ビス(フロロアルキルスルホニル)イミド酸及びフッ素原子を有するベンゼンスルホン酸から選ばれる酸を発生する化合物である。
酸発生剤の組成物中の含量は、ポジ型感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂である。この内、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
本発明に使用される(B1)成分の樹脂の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともにシクロアルキル基を形成するのに必要な原子団を表す。
R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかはシクロアルキル基を表す。
R17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R17〜R21のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
R22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。但し、R22〜R25のうち少なくとも1つはシクロアルキル基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基あるいはシクロアルキル基を表す。Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。
ここで、R5は、アルキル基、シクロアルキル基又はラクトン構造を有する基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は単結合又は2価の連結基を表す。
R17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又はラクトン構造を有する基を表す。
R6は、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルホンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。好ましくは単結合である。
Rp1は、上記式(pI)〜(pV)のいずれかの基を表す。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は、水素原子、メチル基が好ましい。
Abは、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは単結合、−Ab1−CO2−で表される連結基である。Ab1は直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のうちのいずれかで示される基を表す。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
R2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基又はシアノ基を表す。好ましくはR2c〜R4cのうち1つまたは2つが水酸基で残りが水素原子であり、更に好ましくはR2c〜R4cのうち2つが水酸基で残りが水素原子である。
R1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキメチル基を表す。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
R50〜R55は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R50〜R55の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
Rxは、水素原子または有機基(好ましくは酸分解性保護基、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基)を表す。
R50〜R55は、すべてフッ素原子であることが好ましい。
Raは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Raのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Faは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合)を表す。
Fbは、単環または多環の環状炭化水素基を表す。
Fcは、単結合、直鎖または分岐のアルキレン基(好ましくは単結合、メチレン基)を表す。
F1は、一般式(F1)で表される基を表す。
P1は、1〜3の整数を表す。
Fbにおける環状炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基が好ましい。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
(1) 上記一般式(pI)〜(pV)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を有するもの(側鎖型)。好ましくは(pI)〜(pV)の構造を有する(メタ)アクリレート繰り返し単位を有するもの。
(2) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位を有するもの(主鎖型)。
但し、(2)においては例えば、更に以下のものが挙げられる。
(3) 一般式(II-AB)で表される繰り返し単位、無水マレイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有するもの(ハイブリッド型)。
で表される極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位5〜30%有する3元共重合ポリマー、または更にカルボキシル基、あるいは一般式(F1)で表される基を有する繰り返し単位、脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を5〜20%含む4元共重合ポリマーである。
Rxy1は、水素原子又はメチル基を表す。
Rxa1及びRxb1は、各々独立に、メチル基又はエチル基を表す。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
また、本発明において、(B1)成分の樹脂は、1種類で使用してもよいし、複数種類併用してもよい。
本発明のポジ型感光性組成物は、(a)アルカリ可溶性基及び(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基から選ばれる少なくとも1種類の基を有し、かつ、酸の作用により分解する基を有さない樹脂(「(B2)成分の樹脂」ともいう)を含有する。
アルカリ可溶性基(a)を有する繰り返し単位(A)としては、(メタ)アクリル酸類、アルカリ可溶性基(a)を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体、アルカリ可溶性基(a)を有するオレフィン誘導体、アルカリ可溶性基(a)を有するスチレン誘導体などによる繰り返し単位が挙げられる。
アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有する繰り返し単位(B)としては、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有するオレフィン誘導体、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有するスチレン誘導体などによる繰り返し単位が挙げられる。
(B2−1)アルカリ可溶性基(a)を有する繰り返し単位(A)のみを有する樹脂。
(B2−2)アルカリ可溶性基(a)を有する繰り返し単位(A)と、他の官能基を有する繰り返し単位(C)との共重合樹脂。
(B2−3)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基(b)を生じる基を有する繰り返し単位(B)のみを有する樹脂。
(B2−4)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有する繰り返し単位(B)と、他の官能基を有する繰り返し単位(C)の共重合樹脂。
(B2−5)アルカリ可溶性基(a)を有する繰り返し単位(A)と、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有する繰り返し単位(B)の共重合樹脂。
(B2−6)アルカリ可溶性基(a)を有する繰り返し単位(A)と、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(b)を有する繰り返し単位(B)と、他の官能基を有する繰り返し単位(C)の共重合樹脂。
膜から液浸液への低分子成分の溶出が低減できる。このような繰り返し単位として、例えば1−アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(B2)成分の樹脂の添加量は、(B1)成分の樹脂に対し通常0.1〜50質量%であり、好ましくは(B1)成分の樹脂に対し1〜30質量%、更に好ましくは(B1)成分の樹脂に対し1〜20質量%である。
本発明のポジ型感光性組成物は、溶解阻止化合物を含有することができる。
溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、前記脂環炭化水素系酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減あるいは、露光によって発生した酸の膜中拡散性を制御するために、(D)塩基性化合物を含有することが好ましい。
好ましい含窒素塩基性化合物構造として、下記一般式(A)〜(E)で示される部分構造を有する化合物を挙げることができる。
R250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す。
しては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
官能基を有する2種以上の溶剤を含有する混合溶剤を用いることが好ましい。これにより素材の溶解性が高まり、経時におけるパーティクルの発生が抑制できるだけでなく、良好なパターンプロファイルが得られる。溶剤が含有する好ましい官能基としては、エステル基、ラクトン基、水酸基、ケトン基、カーボネート基が挙げられる。異なる官能基を有する混合溶剤としては、以下の(S1)〜(S5)の混合溶剤が好ましい。
(S1)水酸基を有する溶剤と、水酸基を有さない溶剤とを混合した混合溶剤。
(S2)エステル構造を有する溶剤と、ケトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤。
(S3)エステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤とを混合した混合溶剤。
(S4)エステル構造を有する溶剤と、ラクトン構造を有する溶剤と、水酸基を有する溶剤とを混合した混合溶剤。
(S5)エステル構造を有する溶剤と、カーボネート構造を有する溶剤と、水酸基を有する溶剤を混合した混合溶剤。
これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減でき、また、塗布時の欠陥の発生を抑制することができる。
エステル構造を有する溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
ラクトン構造を有する溶剤としてはγ−ブチロラクトンが挙げられる。
カーボネート構造を有する溶剤としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートが挙げられ、好ましくはプロピレンカーボネートである。
エステル構造を有する溶剤とケトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは40/60〜80/20である。エステル構造を有する溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤との混合比(質量)は、70/
30〜99/1、好ましくは80/20〜99/1、更に好ましくは90/10〜99/1である。エステル構造を有する溶剤を70質量%以上含有する混合溶剤が経時安定性の点で特に好ましい。
エステル構造を有する溶剤とラクトン構造を有する溶剤と水酸基を有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、ラクトン構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
エステル構造を有する溶剤とカーボネート構造を有する溶剤と水酸基を有する溶剤を混合する際は、エステル構造を有する溶剤を30〜80質量%、カーボネート構造を有する溶剤を1〜20質量%、水酸基を有する溶剤を10〜60質量%含有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(E)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線の照射時に感光性膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
合成例1(樹脂(RA−1)の合成)
α−ブチロラクトンメタクリレート6.8g、3−ヒドロキシアダマンタン−1−メタクリレート4.7g、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート9.4g、重合開始剤V−601(和光純薬製)1.15gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに溶解させた。この溶液を窒素気流下80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.0gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル3.3gへ6時間かけて加え、さらに2時間反応させた。放冷後、反応液を酢酸エチル100ml/ヘキサン900ml混合液に30分かけて滴下し、析出した粉体をろ種した。得られた粉体をヘキサンで洗浄し、これを乾燥すると樹脂(RA−1)が17g得られた。
他の(B1)成分の樹脂についても同様の手法を用いて合成した。
合成例1(樹脂(B2−1−1)の合成)
1−メタクリロイルオキシアダマンタン−3−カルボン酸26.4g、重合開始剤V−601(和光純薬製)2.3gをシクロヘキサノン95gに溶解させ、この溶液を窒素気流下80℃に加熱したシクロヘキサノン10.6gへ6時間かけて加え、さらに2時間反応させた。放冷後、反応液を酢酸エチル100ml/ヘキサン900ml混合液に30分かけて滴下し、析出した粉体をろ種した。得られた粉体をヘキサンで洗浄し、これを乾燥すると樹脂(B2−1−1)が16.3g得られた。
他の(B2)成分の樹脂についても同様の手法を用いて合成した。
<レジスト調製>
下記表1〜2に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度9質量%の溶液を調製し、これを0.03 mのポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果を表1〜2に示した。
〔塩基性化合物〕
TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DCMA:ジシクロヘキシルメチルアミン
TPA:トリペンチルアミン
HAP:ヒドロキシアンチピリン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4: γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−42を600オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各ポジ型レジスト溶液をスピンコーターで塗布し110℃で90秒乾燥を行い180nmのレジスト膜を形成させた。 このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 NA=0.75、2/3輪帯)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを得た。
80nmのラインアンドスペース1:1のマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、最適露光量からさらに露光量を増大させて形成されるラインパターンの線幅を細らせた際に、パターンが倒れずに解像する線幅をもって定義した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくく、解像力が高いことを示す。
ラインエッジラフネス評価方法:
測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して80nmのラインアンドスペース1:1パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
<レジスト調製>
表1〜2の実施例1〜26および比較例1の成分を溶剤に溶解させ固形分濃度7質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調整した。調整したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価した。
<解像性評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、115℃で、60秒間ベークを行い150nmのレジスト膜を形成した。こうして得られたウエハーを液浸液としては純水を使用し、2光束干渉露光を行った(ウェット露光)。尚、2光束干渉露光(ウエット)では、図1に示すように、レーザー1、絞り2、シャッター3、3枚の反射ミラー4,5、6、集光レンズ7を使用し、プリズム8、液浸液(純水)9を介して反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー10に露光を行った。レーザー1の波長は、193nmを用い、65nmのラインアンドスペースパターンを形成するプリズム8を使用した。露光直後に115℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得たレジストパターンについて走査型電子顕微鏡(日立製S−9260)を用い、観察した。実施例1〜26の組成物を用いた場合には、65nmのラインアンドスペースパターンがパターン倒れを発生せずに解像した。しかしながら、比較例1の組成物を用いた場合には、65nmのラインアンドスペースパターンは解像するものの、一部のパターンでパターン倒れが観測された。
本願の組成物は液浸液を介した露光方法においても良好な画像形成能を有することが明らかである。
<レジスト調製>
下記表3に示した成分を溶剤に溶解させ、これを0.05μ mのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度14質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
<レジスト評価>
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.4 mのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に対し、KrFエキシマレーザーステッパー(NA=0.63)を用いラインアンドスペース用マスクを使用してパターン露光し、露光後すぐに110℃で90秒間ホットプレート上て加熱した。更に2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃下60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを形成した。
測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して130nmのラインアンドスペース1:1パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
<レジスト調製>
前記表3に示した実施例27〜34及び比較例2の成分を溶剤に溶解させ、これを0.05μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターによりろ過して固形分濃度8質量%のポジ型レジスト溶液を調製した。
<レジスト評価>
調製したポジ型レジスト溶液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で60秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.15μmのレジスト膜を形成させた。得られたレジスト膜にEUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃、90秒ベークした。その後2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。評価結果を下記表4に示す。
2 絞り
3 シャッター
4、5、6 反射ミラー
7 集光レンズ
8 プリズム
9 液浸液
10 反射防止膜及びレジスト膜を有するウエハー
11 ウエハーステージ
Claims (7)
- (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(B1)酸の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する樹脂及び
(B2)(a)アルカリ可溶性基及び(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基から選ばれる少なくとも1種類の基を有し、かつ、酸の作用により分解する基を有さない樹脂
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。 - (B1)成分の樹脂が、単環又は多環の環状炭化水素構造を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- (B1)成分の樹脂が、ヒドロキシスチレン構造単位を有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- (B2)成分の樹脂において、(a)アルカリ可溶性基及び(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基から選ばれる基が、カルボキシル基、ラクトン基及び酸無水物基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- (B1)の樹脂が、水酸基又はシアノ基で置換された多環環状炭化水素基を有する繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- (A)成分の化合物が、活性光線又は放射線の照射により炭素数2〜4のフロロアルキルスルホン酸構造を有する酸、ビス(フロロアルキルスルホニル)イミド酸及びフッ素原子を有するベンゼンスルホン酸から選ばれる酸を発生する化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感光性組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポジ型感光性組成物により、感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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