JP2011242803A - ポジ型レジスト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)所定の一般式(a1−1)及び(a1−3)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a1)、所定の一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)、及び、所定の一般式(a3−1)〜(a3−4)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a3)を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、(C)フッ素および/またはケイ素原子を含有し、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つ含有する樹脂、並びに(D)溶剤、を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。(x)アルカリ可溶性基、(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、(z)酸の作用により分解する基。
【選択図】なし
Description
(解像力)=k1・(λ/NA)
(焦点深度)=±k2・λ/NA2
ここでλは露光光源の波長、NAは投影レンズの開口数、k1及びk2はプロセスに関係する係数である。
この「液浸の効果」は、λ0を露光光の空気中での波長とし、nを空気に対する液浸液の屈折率、θを光線の収束半角としNA0=sinθとすると、液浸した場合、前述の解像力及び焦点深度は次式で表すことができる。
(解像力)=k1・(λ0/n)/NA0
(焦点深度)=±k2・(λ0/n)/NA0 2
すなわち、液浸の効果は波長が1/nの露光波長を使用するのと等価である。言い換えれば、同じNAの投影光学系の場合、液浸により、焦点深度をn倍にすることができる。これは、あらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
最近の液浸露光技術進捗が非特許文献1(SPIE Proc 4688,11(2002))、非特許文献2(J.Vac.Sci.Tecnol.B17(1999))、非特許文献3(SPIE Proc 3999,2(2000))、特許文献3(国際公開WO2004−077158号パンフレット)等で報告されている。
ArFエキシマレーザーを光源とする場合は、取り扱い安全性と193nmにおける透過率と屈折率の観点で純水(193nmにおける屈折率1.44)が液浸液として最も有望であると考えられている。F2エキシマレーザーを光源とする場合は、157nmにおける透過率と屈折率のバランスからフッ素を含有する溶液が検討されているが、環境安全性の観点や屈折率の点で十分な物は未だ見出されていない。液浸の効果の度合いとレジストの完成度から液浸露光技術はArF露光機に最も早く搭載されると考えられている。
この化学増幅機構を用いたArFエキシマレーザー(波長193nm)用レジストは,現状主流になりつつあるが、形成したラインパターンが倒れてしまい、デバイス製造時の欠陥となってしまうという問題があり改善が求められていた。
また、液浸露光を行った際に、露光後のレジスト膜上に残存する水滴の作用によって、ウォーターマークと呼ばれる円形の欠陥が生じることがあり、改善が求められている。
(A)下記一般式(a1−1)及び(a1−3)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a1)、下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)、及び、下記一般式(a3−1)〜(a3−4)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a3)を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)フッ素および/またはケイ素原子を含有し、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を含有する樹脂、並びに
(D)溶剤、
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
R’は、酸分解性基を表す。
R12、R13は、各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。
R14は、脂環基を表す。
nは0〜5の整数を表す。
〔2〕
樹脂(A)が更に、下記(a4−1)〜(a4−3)のいずれかの構造を有する繰り返し単位(a4)を含むことを特徴とする〔1〕に記載のポジ型レジスト組成物。
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
〔3〕
前記樹脂(C)が、(x)アルカリ可溶性基を含有する樹脂であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔4〕
前記樹脂(C)が、(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を含有する樹脂であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔5〕
前記のアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が、ラクトン構造を有する基であることを特徴とする〔4〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔6〕
前記樹脂(C)が、(z)酸の作用により分解する基を含有する樹脂であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔7〕
前記酸の作用により分解する基(z)が、−COOH基の水素原子を、−C(R36)(R37)(R38)で表される酸で脱離する基で置換した基であることを特徴とする〔6〕に記載のポジ型レジスト組成物。
(上記式中、R36〜R38は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表し、R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。)
〔8〕
化合物(C)がラクトン基を有する繰り返し単位を少なくとも1種類有することを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔9〕
化合物(C)がフッ素原子を有する炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を含有するアルカリ可溶性化合物であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔10〕
化合物(C)がアルコール性水酸基を有し、該アルコール性水酸基のアルコール部分がフッ素化アルコールであることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔11〕
前記樹脂(C)の含有量が、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
〔12〕
前記樹脂(C)の含有量が、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜5質量%であることを特徴とする〔11〕に記載のポジ型レジスト組成物。
〔13〕
前記溶剤(D)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
〔14〕
前記溶剤(D)が、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
〔15〕
さらに(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
〔16〕
前記化合物(B)が下記一般式(b−1)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
Rb1〜Rb3は各々独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、Rb1〜Rb3のうち少なくとも1つはアリール基を表す。
Xbは炭素数2〜6のフッ化アルキレン基を表す。
〔17〕
前記化合物(B)がトリフェニルスルホニウムカチオン構造を有することを特徴とする〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
〔18〕
〔1〕〜〔17〕のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
〔19〕
〔1〕〜〔17〕のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明は、上記〔1〕〜〔19〕に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記<1>〜<17>)についても記載している。
(A)下記一般式(a1−1)及び(a1−3)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a1)、下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)、及び、下記一般式(a3−1)〜(a3−4)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a3)を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)フッ素および/またはケイ素原子を含有し、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つ含有する樹脂、並びに
(D)溶剤、を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
R’は、酸分解性基を表す。
R12、R13は、各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。
R14は、脂環基を表す。
nは0〜5の整数を表す。
<2>
樹脂(A)が更に、下記(a4−1)〜(a4−3)のいずれかの構造を有する繰り返し単位(a4)を含むことを特徴とする上記1に記載のポジ型レジスト組成物。
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
<3>
化合物(C)がラクトン基を有する繰り返し単位を少なくとも1種類有することを特徴とする上記1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
<4>
化合物(C)がフッ素原子を有する炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を含有するアルカリ可溶性化合物であることを特徴とする上記1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
<5>
化合物(C)がアルコール性水酸基を有し、該アルコール性水酸基のアルコール部分がフッ素化アルコールであることを特徴とする上記1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
<6>
前記溶剤(D)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<7>
前記溶剤(D)が、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<8>
さらに(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<9>
前記化合物(B)がトリフェニルスルホニウムカチオン構造を有することを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<10>
前記塩基性化合物(E)がトリエタノールアミン化合物であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<11>
前記化合物(B)として、下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を含むことを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
Rb1〜Rb3は各々独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、Rb1〜Rb3のうち少なくとも1つはアリール基を表す。
Xbは炭素数2〜6のフッ化アルキレン基を表す。
Yb、Zbは各々独立してアルキル基を表す。
<12>
更にフッ素原子、シリコン原子、及びフッ素原子とシリコン原子の両方を含む界面活性剤から選択する少なくとも1つを含有することを特徴とする上記1〜11のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<13>
前記化合物(C)が25℃で固体であることを特徴とする上記1〜12のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<14>
前記化合物(C)がガラス転移温度が、50〜200℃の範囲にあることを特徴とする上記1〜13のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<15>
前記化合物(C)が重量平均分子量1,000〜50,000の樹脂であることを特徴とする上記1〜14のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<16>
前記化合物(C)のをポジ型レジスト組成物中の全固形分量に対して0.1〜5質量%含むことを特徴とする上記1〜15のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
<17>
上記1〜16のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のポジ型レジスト組成物に用いられる、酸の作用により、アルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂(樹脂(A)ともいう)は、ラクトン環を有する(メタ)アクリレート単位(a1)、極性基を有する有機基を有する(メタ)アクリレート単位(a2)、及び、酸分解性基(酸解離性溶解抑制基)を有する(メタ)アクリレート単位(a3)を含む、3成分系以上の共重合体である。
ラクトン環をもつアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルから誘導された繰り返し単位(a1)を含むことで、基板との密着性を向上させ、かつ現像液との親和性を高めることができ、膜はがれを抑制できる。
極性基を有する有機基を含む繰り返し単位(a2)としては、具体的には極性基含有脂肪族又は脂環族炭化水素基をもつアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルから誘導された構成単位であり、極性基としては、水酸基、シアノ基、アミノ基などを挙げることができるが、水酸基が好ましい。
酸分解性基含有アクリル酸若しくはメタクリル酸エステルから誘導される繰り返し単位
(a3)は、高解像性で、優れた耐エッチング性をもつレジストパターンを与える点で、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基等の脂環式基を有していることが好ましい。
繰り返し単位(a1)、(a2)及び(a3)の含有割合として、(a1)を20〜60モル%、好ましくは20〜50モル%、(a3)を30〜60モル%、好ましくは30〜50モル%、の範囲内にすると、解像性の優れたレジスト組成物が得られ、また構成単位(a2)を50モル%以下、好ましくは10〜40モル%の範囲内にすると、優れたレジストパターン形状を与えるため好ましい。
繰り返し単位(a−1)、(a−2)及び(a−3)として、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン、例えばアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどから1個又は2個以上の水素原子を除いて形成される基、特にアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基などをもつものがあげられる。
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
R’は、酸分解性基を表す。
R12、R13は、各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。
R14は、脂環基を表す。
nは0〜5の整数を表す。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス
(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基を有する基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボン酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
式中、Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
(A)成分の樹脂の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000、最も好ましくは5,000〜15,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
繰り返し単位(a1)〜(a4)はそれぞれ複数種類含まれていても良い。
また、本発明において、(A)成分の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
本発明の感光性組成物は活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物((B)成分あるいは化合物(B)とも呼ぶ)を含有する。
そのような光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
また、(B)成分は、カチオン部にフッ素置換されていないアルキル残基(好ましくは炭素数1〜15)またはフッ素置換されていないシクロアルキル残基(好ましくは炭素数3〜15)を有するトリフェニルスルホニウム塩化合物であることが好ましい。
X−は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 −、PF6 −、SbF6 −などが挙げられ、好ましくは炭素原子を含有する有機アニオンである。
好ましい有機アニオンとしては下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Rc1における有機基として炭素数1−30のものが上げられ好ましくは置換していてもよいアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。Rd1は水素原子、アルキル基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5は有機基を表す。Rc3、Rc4、Rc5の有機基として好ましくはRb1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1−4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。また、Rc3とRc4が結合して環を形成することにより光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、(Z1−3)における対応する基を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖、分岐又は環状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
R201〜R203のアリール基、アルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状アルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
化合物(Z1−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
R201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
R201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
R201〜R203としての2−オキソアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
R201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
R201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
R6c及びR7cは、水素原子又はアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
R1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
Rx及びRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
R204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
R204〜R207としてのアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
R204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
X−は、非求核性アニオンを表し、一般式(I)に於けるX−の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
R206は、アルキル基又は換若しくは未置換のアリール基を表す。
R207及びR208は各々独立にアルキル基又はアリール基、電子吸引性基を表す。R207として好ましくはアリール基である。
R208として好ましくは電子吸引性基であり、より好ましくはシアノ基、フロロアルキル基である。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Rb1〜Rb3は各々独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、Rb1〜Rb3のうち少なくとも1つはアリール基を表す。
Xbは炭素数2〜6のフッ化アルキレン基を表す。
Yb、Zbは各々独立してアルキル基を表す。
Xbの炭素数2〜6のフッ化アルキレン基としては、パーフルオロアルキレン基が特に好ましい。
また、Yb、Zbのアルキル基としては、フッ化アルキル基が好ましく、また炭素数1〜6のものが好ましく、より好ましくは炭素数1〜4のものである。
本発明のレジスト組成物は、フッ素および/またはケイ素原子を含有し、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つ含有する樹脂(樹脂(C)ともいう)を含有する。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜40mol%が好ましく、より好ましくは3〜30mol%、更に好ましくは5〜15mol%である。
(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基がより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)である。
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Ab1は直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42のアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基表す。R36とR37、R36とR39とは、互いに結合して環を形成してもよい。
R01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
本発明においては、酸分解性基は、アセタール基又は3級エステル基が好ましい。
樹脂(C)の酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
樹脂(C)の添加量は、感光性膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
樹脂(C)は前述のように界面に遍在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
樹脂(HP)におけるフッ素原子または珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
樹脂(HP)はアルカリ現像液に可溶であることが好ましい。
疎水性樹脂は、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。感光性膜は、液浸露光適用時には、前進接触角は、70°〜120°に調整される事が好ましく、75°〜100°に調整される事が更に好ましい。又、後退接触角は、60°〜100°に調整される事が好ましく、70°〜90°に調整される事が更に好ましい。疎水性樹脂(HP)の添加量は、感光性膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
より少ない添加量で、後退接触角を向上させることに寄与する方が好ましため、樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃〜200℃の範囲にあることが好ましい。
又、常温(25℃)において、固体であることが好ましい。
ここで定義する前進接触角及び後退接触角は、拡張収縮法により測定した前進及び後退接触角であり、具体的にはシリコンウエハー上に調製したポジ型レジスト組成物の上にシリンジで36μLの水滴を作成した後、6μL/秒の速度にて吐出又は吸引し、吐出・吸引中の接触角が安定した値を示す。
疎水性樹脂は、界面に遍在するものが多いが、界面活性剤(E)とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
また、「アルカリ現像液に可溶」とは、疎水樹脂膜の、23℃における、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液に対する溶解量が、現像開始から30秒間の積算で、50nm以上であることを言う。アルカリ現像液に可溶であるためには、現像工程において、感光性樹脂膜が、アルカリ可溶性基を有している事が必要である。
アルカリ可溶性基は、樹脂が予め有していても良いし、露光〜現像工程の間に、酸の作用により生成しても良いし、アルカリ現像液と反応しアルカリ可溶性基を生成しても良い。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
R57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF3)2OH、−C(C2F5)2OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF3)2OHが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
R12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
L3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
以下に、具体例を示す。式中、X1は、水素原子、−CH3、−F、又は、−CF3を表す。
R4は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。
L6は、単結合又は2価の連結基を表す。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
L6の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基が好ましい。
(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HP)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
本発明のレジスト組成物は、上記の成分を所定の溶剤に溶解して用いる。
溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、炭素数4〜10の環状ラクトン、炭素数4〜10の、環を含有しても良いモノケトン化合物、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
さらに、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることがより好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、(E)塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数3〜20個のシクロアルキル基又は炭素数6〜20個のアリール基を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
R203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)〜(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
本発明のレジスト組成物においては、塩基性化合物(E)がトリエタノールアミン化合物であることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素原子、シリコン原子、及びフッ素原子とシリコン原子の両方を含む界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204D、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218、222D((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、更に、酸分解性基を含有していない、(G)水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのようなアルカリ可溶性樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30重量%以下の量で使用することが好ましい。
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として含有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を含有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
本発明におけるポジ型レジスト組成物は、(H)カルボン酸オニウム塩を含有しても良い。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、(H)カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。更に、本発明の(H)カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
本発明のポジ型レジスト組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明のポジ型レジスト組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。ポジ型レジスト組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
ポジ型レジスト組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1.0〜7.0質量%である。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターは0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
当該感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。また、液浸露光を行なう際に液浸媒体と感光性膜が直接触れ合わないようにするために感光性膜の上にさらにオーバーコート層を設けても良い。これにより感光性膜から液浸媒体への組成物の溶出が抑えられ、現像欠陥が低減する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
メタクリル酸ヘプタフルオロブチル、メタクリル酸t−ブチルを50/50の割合(モル比)で仕込み、シクロヘキサノンに溶解し、固形分濃度22%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬工業(株)製重合開始剤V−601を5mol%を加え、これを窒素雰囲気下、2時間かけて80℃に加熱したシクロヘキサノン50mLに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間撹拌し、反応液(HR−1)を得た。反応終了後、反応液(HR−1)を室温まで冷却し、10倍量のメタノールに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(HR−1)を回収した。
1H−NMRから求めたポリマー組成比は50/50(モル比)であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は8800、分散度は2.1であった。
同様にして、他の各樹脂(C)を作成した。
2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート0.4molと、α−(γ−ブチロラクトン)メタクリレート0.4molと、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート0.2molとをシクロベンタノン600mlに溶解し、これにAIBN0.1molを加えて溶解させた。得られた溶液を、65−70℃で、3時間加熱した。得られた反応液を、よく攪拌したイソプロパノール3L中に注ぎ、析出した固形物を濾過により分離した。得られた固形物を、THF600mlに溶解し、よく攪拌したメタノール3L中に注ぎ、析出した固形分を濾過により分離し、乾燥させて、下記樹脂1を得た。
同様にして、樹脂2〜6を合成した。以下に、構造、組成比、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。
下記表2に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度7質量%の溶液を調整し、これを0.1μmのポリエチレンフィルターで濾過してポジ型レジスト溶液を調整した。調製したポジ型レジスト組成物を下記の方法で評価し、結果を下記表に示した。尚、表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
下記表2中、実施例1、4〜11、14〜20は、それぞれ、参考例1、4〜11、14〜20と読み替えるものとする。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、110℃で、60秒間ベークを行い、150nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.85,スキャンスピード500mm/s)を用い、パターン露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後110℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。その後、KLA2360(KLA社製)で、ウエハー状における欠陥分布を検出し、SEMVision(AMAT社製)を用いて、欠陥の形状を観察した。
図1に示すような直径1μm〜5μm程度の円形の欠陥を、ウオーターマーク欠陥として、300mmウエハーにおける個数をカウントした。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、110℃で、60秒間ベークを行い、150nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(NA0.85)を用い、パターン露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後110℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。このとき、75nmL/S(ラインアンドスペース)パターンを1:1に解像する露光量(Eo)および、過剰露光量により、膜が溶解し始めることによって、パターンの頭部形状の矩形性が損なわれ出す露光量(ELoss)を求め、下記式より、膜減りマージン(オーバー露光マージン)を算出した。
膜減りマージン(%)=(ELoss−Eo)/Eo ×100
N−1:N,N−ジブチルアニリン
N−2:N,N−ジヘキシルアニリン
N−3:2,6−ジイソプロピルアニリン
N−4:トリ−n−オクチルアミン
N−5:N,N−ジヒドロキシエチルアニリン
N−6:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
N−7:トリエタノールアミン
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:PF656(OMNOVA社製、フッ素系)
W−6:PF6320(OMNOVA社製、フッ素系)
SL−2: プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
SL−3: 乳酸エチル
SL−4: プロピレングリコールモノメチルエーテル
SL−5: γ−ブチロラクトン
SL−6: プロピレンカーボネート
Claims (19)
- (A)下記一般式(a1−1)及び(a1−3)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a1)、下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)、及び、下記一般式(a3−1)〜(a3−4)から選ばれる構造を有する繰り返し単位(a3)を含有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂、
(B)活性光線又は放射線の照射により、酸を発生する化合物、
(C)フッ素および/またはケイ素原子を含有し、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を含有する樹脂、並びに
(D)溶剤、
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
(x)アルカリ可溶性基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基、
(z)酸の作用により分解する基。
式中、
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。
R’は、酸分解性基を表す。
R12、R13は、各々独立して水素原子、メチル基、エチル基またはプロピル基を表す。
R14は、脂環基を表す。
nは0〜5の整数を表す。 - 樹脂(A)が更に、下記(a4−1)〜(a4−3)のいずれかの構造を有する繰り返し単位(a4)を含むことを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
式中、
Rは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表す。 - 前記樹脂(C)が、(x)アルカリ可溶性基を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(C)が、(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記のアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が、ラクトン構造を有する基であることを特徴とする請求項4に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(C)が、(z)酸の作用により分解する基を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記酸の作用により分解する基(z)が、−COOH基の水素原子を、−C(R36)(R37)(R38)で表される酸で脱離する基で置換した基であることを特徴とする請求項6に記載のポジ型レジスト組成物。
(上記式中、R36〜R38は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表し、R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。) - 化合物(C)がラクトン基を有する繰り返し単位を少なくとも1種類有することを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 化合物(C)がフッ素原子を有する炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を含有するアルカリ可溶性化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 化合物(C)がアルコール性水酸基を有し、該アルコール性水酸基のアルコール部分がフッ素化アルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(C)の含有量が、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(C)の含有量が、レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項11に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記溶剤(D)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記溶剤(D)が、乳酸エチルおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- さらに(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記化合物(B)が下記一般式(b−1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
上記一般式中、
Rb1〜Rb3は各々独立してアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、Rb1〜Rb3のうち少なくとも1つはアリール基を表す。
Xbは炭素数2〜6のフッ化アルキレン基を表す。 - 前記化合物(B)がトリフェニルスルホニウムカチオン構造を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物により形成されたレジスト膜。
- 請求項1〜17のいずれかに記載のレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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