JP2007010251A - ユニットバスの追焚配管構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】追焚配管から建築床への漏水を無くし、ユニットバス取付業者のみでユニットバスの設置を完結することができるユニットバスの追焚配管構造の提供。
【解決手段】上端縁にリム部が形成された浴槽と、該浴槽に隣接し且つ土手部が形成された洗い場用防水パンと、浴槽の一側面の両端部にて浴槽のリム部と防水パンの土手部とをそれぞれ結合する1対の結合部材と、浴槽の一側面にて結合部材、リム部、及び防水パンの土手部により画成される開口部を水密に閉塞するバスエプロンと、を備えたユニットバスであって、防水パンの床面の配管取出し部に建築側追焚配管端部が引き出され、一方の結合部材に、浴槽の側と防水パンの側とを相互に連通させる連通孔が形成され、浴槽に取付けられた循環口具と、該循環口具に接合された可撓性の配管とが連通孔に水密に固定され、追焚アダプタの循環口具と反対側端部と建築側追焚配管端部とは、追焚接続配管により接続される。
【選択図】 図16

Description

本発明は、一般家庭等の浴室として用いられるユニットバスの追焚配管構造に係り、特に、浴槽に取設された追焚アダプタを建築側から引き出された配管に接続するときの追焚配管構造に関する。
システムバス、或いはユニットバスの構造には数種類あるが、最も基本的でシンプルなものとしてハーフ構造がある。このハーフ構造は、洗い場付浴槽或いは洗い場一体型浴槽ともいわれ、架台の上に洗い場の床と浴槽とを一体で形成し、浴槽のリム上に壁パネルを載置するものである。ハーフ構造は、このように非常に合理的かつシンプルな構成となっており、そのため低コストであるという長所を有する。
このハーフ構造のユニットバスには、(I):浴槽と洗い場とを最初から一体に成形し、その一体のまま現場に搬入して施工するタイプのもの、(II):浴槽とバスエプロン付きの洗い場用防水パンとを別体として成形し、施工時に双方を一体に組み付けるタイプのもの、更には、(III):浴槽、洗い場用防水パン、バスエプロン、及びバスエプロン用の枠体などの主要はコンポーネントをそれぞれ別体として成形して現場に搬入し、現場にて一体に組み付ける分割タイプのものなどがある。
各タイプのユニットバスそれぞれに長所はあるが、現場への搬入性、現場での施工や保守の容易性、更にはユーザの高級感に対する満足度の点から、上述した(III)の分割タイプものに対する要求は依然として高いものがある。
この(III)の分割タイプのユニットバスの一例として、浴槽、洗い場用防水パン、矩形枠状の立装連結フレーム、及び浴槽遮蔽板部(開口部用閉蓋、エプロン)を分割した複数のコンポーネントとして備える構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このユニットバスの組み付け時には、立装連結フレームを用いて浴槽のフランジ部の一辺と防水パンの土手部の一辺とをビスやボルトで相互に連結する。これにより、浴槽と洗い場用防水パンとが連結に結合されるとともに、立装結合フレームで画成されて作業用開口部が形成される。この作業用開口部には浴槽遮蔽板部が着脱自在に取り付けられる。この作業用開口部を介して施工作業や保守作業を能率良く行なうことができる。
他方、ユニットバス用の浴槽は近年、ユニツト室内に設置した浴槽と屋外の給湯設備とを追焚配管で接合し、浴槽の湯を、追焚配管を介して給湯設備との間で循環させながら、追焚きする方式のものが主流となりつつある。
この追焚配管は、循環路を形成するように2本設けられ、浴槽に取付けた循環口具とこれに接合された可撓性の配管とからなる追焚アダプタと、床パン又は壁パネルからなるユニットバス壁の貫通孔から取り出される建築側配管とに分けられる。
建築側配管は通常、浴槽下の建築床又は浴槽裏面に位置する建築壁から浴槽裏面まで引き出され、浴槽裏面において追焚アダプタと接続される。ハーフ構造のユニットバスにおいては、浴槽下に床パンが存在しないので、追焚アダプタと建築側配管との接続部分から漏水があると、直接建築床にダメージを与えることになるため、その接続部分の下に水受けトレイを設け、ここで受けられた漏水を洗い場側の排水ピットへと導出する、或いは予め敷設された鞘管に追焚配管を通管する(例えば、特許文献2参照。)ことにより、漏水による被害を最小限に止める方策が採られている。
特開2003−111687号公報 特開2001−65997号公報
ところで、通常、追焚アダプタはユニットバス取付業者により取付けられ、建築側配管は、建築工事の設備業者により設けられ、追焚アダプタと建築側配管との接続は、設備業者により行われる。
そのため、ユニットバスの設置時には設備業者が立ち会い、ユニットバス取付業者により床パン及び浴槽が据え付けられた後浴槽エプロンが取り付けられる前に、設備業者が追焚配管の接続を行う相番工事が理想とされ、両者間において工事日の調整が必要となる。
この調整がうまくいかないと、特にリモデルの場合、ユニットバス工事は終わっているのに追焚配管が接続されていないので使用を開始できないことや、設備業者が接続に来てもユニットバス工事が予定の時刻に終わっていないために、手待ちが発生することがある。
また、この相番が無理な場合、ユニットバスの設置を先に完了させ、後工事として設備業者が、バスエプロンを取り外して追焚配管の接続を行い、接続後バスエプロンを元の位置に復旧するという作業が行われている。この際、バスエプロンに傷がついたり、元通りに復旧されていない等、ユニットバスの最終的な仕上がりに対してユニットバス設置業者側で責任を持つことができないことがある。
さりとて、給湯器から導いた追焚管と浴槽に取り付けられた追焚アダプタとの接続は、浴槽裏面と壁パネルとに挟まれた狭い空間での現場作業となることから施工不良による漏水の懸念があり、ユニットバス設置業者側にしてみれば、この接続を自ら行ってリスクを負うことは躊躇せざるを得ない。
上述した(III)の分割タイプのユニットバスに限らず、(I)のタイプや(II)のタイプのユニットバスにおいても、設備業者が点検口を取り外して追焚配管の接続を行うことから、この問題は共通する。また、床全面に架台を介して敷設された防水パン上に浴槽を載置し、壁パネルも防水パン外縁上に周設される二重防水パン構造(フルパン構造)においても、浴槽下の床パンの存在により、漏水によって建築床がダメージを受ける虞はないものの、バスエプロンが傷つけられたり、元通りに復旧されない等の問題は残る。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、設備業者の相番作業や後工事を排除しつつ、追焚配管から建築床への漏水の虞を無くし、ユニットバス取付業者のみでユニットバスの設置を完結することができるユニットバスの追焚配管構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係るユニットバスの追焚配管構造は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、上端縁にリム部が形成された浴槽と、該浴槽の所定の一側面に隣接して配置され且つ土手部が形成された洗い場用防水パンと、前記浴槽の前記一側面の前記防水パンに沿った方向の両端部にて当該浴槽のリム部と当該防水パンの土手部とをそれぞれ着脱自在に結合する1対の結合部材と、前記浴槽の前記一側面側にて前記1対の結合部材、前記浴槽のリム部、及び前記防水パンの土手部により画成される開口部を着脱自在に且つ水密に閉塞するバスエプロンと、を備えたユニットバスであって、前記洗い場用防水パンの床面の配管取出し部に建築側追焚配管端部が引き出され、前記一方の結合部材に、前記浴槽の側と前記防水パンの側とを相互に連通させる連通孔が形成され、前記浴槽に取付けられた循環口具と、該循環口具に接合された可撓性の配管とが前記連通孔に水密に固定され、前記追焚アダプの前記循環口具と反対側端部と前記建築側追焚配管端部とは、追焚接続配管により接続されるものである。
前記追焚アダプタは、好適には、請求項2に記載したように、前記循環口具と反対側端部に締付フランジが設けられ、該締付フランジが前記連通孔に締付ナット及びゴムワッシャにより止水固定されること望ましい。
そして、上述した課題を解決するために、請求項3に係るユニットバスの追焚配管構造は、上端縁にリム部が形成された浴槽と、該浴槽の所定の一側面に隣接して配置され且つ土手部が形成された洗い場用防水パンと、前記浴槽の前記一側面の前記防水パンに沿った方向の両端部にて当該浴槽のリム部と当該防水パンの土手部とをそれぞれ着脱自在に結合する1対の結合部材と、前記浴槽の前記一側面側にて前記1対の結合部材、前記浴槽のリム部、及び前記防水パンの土手部により画成される開口部を着脱自在に且つ水密に閉塞するバスエプロンと、を備えたユニットバスであって、前記洗い場用防水パンの床面の配管取出し部に建築側追焚配管端部が引き出され、前記一方の結合部材に、前記浴槽の側と前記防水パンの側とを相互に連通させる連通孔が形成され、前記浴槽に取付けられた循環口具と、該循環口具に接合された可撓性の配管とからなる追焚アダプタの該配管が、前記連通孔に水密に挿通され、前記追焚アダプタの前記循環口具と反対側端部が、前記建築側追焚配管端部に接続されるものである。
本発明に係るユニットバスの追焚配管構造によれば、設備業者の相番作業や後工事を排除しつつ、追焚配管から建築床への漏水の虞を無くし、ユニットバス取付業者のみでユニットバスの設置を完結することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るユニットバスの第1の実施形態を説明する。
図1に、かかる一実施形態に係るユニットバスの全体の外観(組付け後の外観)を示し、図2に、このユニットバスの主要コンポーネントを分解した状態(組付け前)の外観を示す。
最初に、このユニットバスの主要コンポーネントを中心とする概要を説明する。
図1及び図2に示すように、ユニットバス1は、その主要コンポーネントの一部として、浴槽11と、この浴槽11に隣接して設置される洗い場用防水パン12(以下、防水パン12と呼ぶ)、この防水パン12と浴槽11とを着脱自在に結合する1対の結合部材13A,13Bと、この結合部材13A,13B、浴槽11の防水パン側(一側面側)のリム部11A1、及び防水パン12の浴槽側(一側面側)の土手部12B1により画成される矩形状の開口部OP(図2参照)を着脱自在に且つ止水性を保持して閉塞するバスエプロン14とを備える。浴槽11、防水パン12、及び結合部材13A,13Bは共に、一例としてFRP(繊維強化プラスチック)で形成される。浴槽11及び防水パン12は、建築構造物(例えばコンクリート床)上に置かれた高さ調節可能な支持架台SPにより支持されている。
ここで、説明の便宜のため、浴槽11(及び防水パン12)の長手方向をZ軸とする直交座標系を設定する。この長手方向は、本実施形態にあっては、浴槽11の一側面に位置するリム部11A1(又は、洗い場用防水パン12の一側面に位置する土手部12B1)が防水パン12(又は浴槽11)に対向しながら延びる板方向を言う。
これらの浴槽11、防水パン12、結合部材13A,13B、及びバスエプロン14により、この洗い場付き浴槽11は、浴槽の部分、洗い場の部分、及びバスエプロンの部分が予め分離されて提供される「3分割構造」を特徴とする。すなわち、これらの主要コンポーネント(浴槽11、防水パン12、結合部材13A,13B、及びバスエプロン14)は、それぞれ、別体として製造されて現場に搬入され、現場にて一体に組み付けられる。
このため、現場への搬入性がアップして省施工が可能になるほか、サイズの大きい点検口(すなわち開口部OP)を確保できるため、保守性も高い。また、一体に組付け後の浴槽の外観は浴槽1及び洗い場床面が互いに別体に見えるため、ユニットバス1の高級感を醸し出すことができる。
このユニットバス1は、さらに別の主要コンポーネントとして、防水パン12のZ軸方向の一端部にて床面から所定高さの位置にほぼ水平に設置される洗い場カウンタ15と、この洗い場カウンタ15の手前側の位置に立設される化粧板(蓋板)16と、この洗い場カウンタ15、化粧板16、及び壁面とに囲まれたスペースを利用して配置される配管部17とを備える。このうち、洗い場カウンタ15及び化粧板16は利用者であっても簡単に着脱できるようになっている。
次に、図3〜16を参照して、このユニットバス1の主要コンポーネントの構造をその作用効果と共に詳述する。
(1.浴槽)
図3及び図4に示すように、浴槽11は、利用者が身体を伸ばして入浴できるように細長い内容積のバスタブBTを有し、そのバスタブBTの周囲にリム部11Aを形成している。リム部11Aは、その長手方向(Z軸方向)に沿って位置し且つ防水パン12に隣接する第1のリム部11A1と、この第1のリム部11A1に連なってバスタブBTの縁を一周する第2〜第4のリム部11A2〜11A4とから成る。
このうち、第1のリム部11A1は、図4に示すように、バスタブBTを形成する壁体が所定高さの位置で所定幅の湾曲部を残すように折れ曲がって一体成形されている。この湾曲部により、下向き(Y軸方向)に開口する略U字状の溝部21が形成されている。この溝部21には、その幅方向(X軸方向)の中心付近の位置に、所定高さで且つ溝部21の長手方向(Z軸方向)全体にわたって延びる長さの仕切り板22が垂下されている。これにより、溝部21がその長手方向に沿って略二分されている。この二分された溝部21A,21Bのうち、防水パン側の溝部21Aは、後述するようにバスエプロン14を着脱自在に装着するスペースとして使用される。
第1のリム部11A1から第2のリム部11A2に至る角部には、例えば図3に示すように、浴槽水栓25が立設されている。この浴槽水栓25は、その角部(リム部)の裏側で後述する2本の配管(給水配管及び給湯配管)に接続されている。
第2〜第4のリム部11A2〜11A4には、詳述しないが、立ち上がり部がそれぞれ形成され、この立ち上がり部に浴室の壁体を嵌め込んで止水処理することで止水性を確保している。
また、バスタブBTの長手方向の一端には、半身浴時に入浴者が着座する半身浴ステップ11Bが、バスタブBTの底部より小高い位置に設けられ、その立ち上がり側面には、浴槽11の湯を追焚配管を介してユニットバス1の室外に摂津された給湯設備との間で循環させながら、追焚きするための追焚アダプタ54が取設される。
(2.防水パン)
一方、防水パン12は、高さ方向(Y軸方向)において、浴槽11のリム部11Aよりも低い位置に設置される。防水パン12は、床面部12Aと、その床面部12Aの周囲に立ち上がりを一体に形成する土手部12Bから成る。床面部12Aは、洗い場の中心となる床面本体12A1と、長手方向(Z軸方向)の一端部に床面本体12A1から段差によって画成された略矩形状の段差部12A2とから成る。床面本体12A1は浴槽寄りの1つの角部に向かって緩やかに傾斜しており、その角部に形成された排水口31に導水できるようになっている。段差部12A2には、後述する配管部17が設置される。
この防水パン12の土手部12Bは、図2、3に示すように、その長手方向(Z軸方向)に沿って位置し且つ浴槽11に隣接する第1の土手部12B1と、この第1の土手部12B1に連なって防水パン12の縁を一周する第2〜第4の土手部12B2〜12B4とから成る。
このうち、第1の土手部12B1は、図4から分かるように、床面本体12A1及び段差部12A2から横方向(X軸方向)に延びる幅の狭いレール状床面32Aと、このレール状床面32Aから上方向(Y軸方向)に立ち上がる立ち上がり面32Bと、この立ち上がり面32Bから更に横方向に伸びて立ち上がる形状の立ち上がり部32Cとから成る。つまり、この第1の土手部12B1は2段階で立ち上がる形状になっている。1段目のレール状床面32Aは、後述するようにバスエプロン14を着脱自在に装着するために使用される。
このため、最初の立ち上がり面32Bには、その内側に、複数個のバネ33を所定高さ位置で長手方向(Z軸方向)に沿って一定間隔で配置されている。この複数個のバネ33は、それぞれ、所定長さ且つ所定幅の鋼材を、側面から見て基部33Aから立ち上がる逆V字状の折り曲げ部を有するように折り曲げて形成され、その折り曲げ部に所望のバネ性を持たせている。各バネ33はその逆V字状の折り曲げ部を下向きに開口した状態で取り付けられる。これにより、複数個のバネ33が協働して、それらの折り曲げ部の底部でバスエプロン14の底面に形成される略V字状の凹部を着脱自在に受け入れ且つそのバスエプロン14に上向き(Y軸方向)且つ横向き(X軸方向で浴槽向き)の成分を有する斜め方向に押圧力を加える。
上述した第1の土手部12B1のうち、2段目の立ち上がり部32Cは各種の止水パッキンを以ってしても沁み出した水分があるときに、これを蓄えて自然乾燥させるための止水に対するバッファとしての役目が与えられている。
さらに、防水パン12の第2〜第4の土手部12B2〜12B4にも、詳述しないが、立ち上がり部がそれぞれ形成され(例えば図4の第2の土手部12B2を参照)、この立ち上がり部に浴室の壁体を嵌め込んで止水処理することで止水性が確保される。第3の土手部12B3の所定範囲に及ぶ位置には、浴室出入り用のドアが設置される。
なお、防水パン12の段差部12A2については、配管部17と共に後述する。
(3.結合部材)
さらに、1対の結合部材13A,13Bのうち、第1の結合部材13Aの全体斜視図を図5に示す。この第1の結合部材13Aは、図5に示すように、浴室の壁体の一部を支持するための支持体(ポスト部)39と、略板状で所定厚さ及び所定長さを有する支柱体(ピラー部)41と、この支柱体41と支柱体39とを相互に剛結する矩形板状の中間部材40とを備える。この中間部材40は、その取り付け状態における下端側の一部が支柱体39より短く形成される一方で、その上端部は支柱体39と同一高さに形成されている。
支柱体41は、略板状の基板部41Aと、この基板部の一方の表面S1(第1の当接面)の途中から直角(又は鈍角:図5中の角度θ参照)に立ち上がる面S2(第2の当接面)を介して凸状に形成された膨張部41Bと、支柱体41の取り付け状態での下端部から突状に延設されたフランジ部41Cと、支柱体41の取り付け状態における上端部に凹んで形成された段差部41Dとを一体に有する。フランジ部41C(及び基板部41A)の板面方向と膨張部41Bの膨張方向(凸部方向)とは直交するように設定されている。
中間部材40の上端部は、段差部41Dの底面の一部を成している。この中間部材40の位置には、図6に示すように、組み付け時に浴室の壁体WLを位置させる。このため、支持体39は、壁体WLの後ろ側に位置し、壁体WLの奥に隠れるので、この壁体WLの取り付けに使用される。
支持体39は、略矩形状の板状部材でなるが、その取り付け状態における下端部にその板面方向に3角形状に広がる広がり部39Aを有し、その上端部にその板面方向に突き出た突き出し部39Bを有して一体に形成されている。支持体39の広がり部39Aを含む下端面は前記中間部材のそれと同一面をなすように形成される一方で、突き出し部39Bは支柱体41よりも高く形成されている。このため、支持体39の板面方向は、フランジ部41C(及び基板部41A)のそれとも直交している。
フランジ部41Cの一部には、図5に示すように、その面が一部凹んだ凹部41Caが形成されている。この凹部41Caをネジにより防水パン12の第1の土手部12B1の壁面に固定することで、第1の結合部材13Aが防水パン12に結合される。
図5に示すように、この第1の結合部材13Aの支柱体41の底面及び接続部材の底面に掛けて水密部材LB1が貼り付けられている。また、支柱体41の段差部41D及び支持体39の突き出し部39Bに掛けて水密部材LB2が貼り付けられている。
さらに、この第1の結合部材13Aの軸方向の取り付け状態での上端部には、浴槽11への取り付け用の金具42が取り付けられている。
また、膨張部41Bの部分には、その表裏を貫通する貫通孔43,45,46が所定高さの位置に形成されている。この貫通孔43は、後述する給水配管を通過させるためのものであり、貫通孔45,46は、追焚配管を接続するためのものである。
これに対して、防水パン12の第1の土手部12B1の端部には、図5に示すように、第1の結合部材13Aの支柱体41のL字状の底部の形状に合わせた切込み部44が形成されている。このとき、第1の結合部材13Aの下端部を、かかる切込み部44に差し込んだときに、図6に示すように、第1の土手部12B1の立ち上がり面32Bの面S3と、第1の結合部材13Aの支柱体41の表面S1(第1の当接面)とが同一面を形成するように、それらのサイズが設定されている。
また、浴槽11の第1のリム部11A1と第2のリム部11A2との間の角部には、浴槽水栓25を取り付け用の金具42で迂回する状態で、第1の結合部材13Aの支柱体41の上端部が固設される(図6参照)。このとき、第1のリム部11A1に形成された防水パン側の溝部21Aの一部を画成する仕切り板22の面S4と第1の結合部材13Aの支柱体41の面S1とが同一面を形成するようにサイズが設定されている。
第2の結合部材13Bを図8〜10を参照して説明する。この第2の結合部材13Bは、図8に示すように、浴室の壁体の一部を支持するための支持体(ポスト部)49と、略直方体状で所定厚さ及び所定長さを有する支柱体(ピラー部)51と、この支柱体51と支柱体49とを相互に剛結する矩形板状の中間部材50とを備える。この中間部材50は、その取り付け状態における下端側及び上端部の高さが支柱体49と同一に形成されている。
支柱体51は、基部51Aと、この基部51Aの一方の表面S5(第1の当接面)の途中から直角に立ち上がる面S6(第2の当接面)を介して凸状に形成された膨張部51Bと、支柱体51の取り付け状態における基部51Aの下端部から突状に延設されたフランジ部51Cと、支柱体51の取り付け状態における上端部に凹んで形成された段差部51Dとを一体に有する。なお、面S6は表面S5から鈍角の角度で立ち上がるようにしてもよい。フランジ部51C(及び基部51A)の突設方向と膨張部51Bの膨張方向(凸部方向)とは直交するように設定されている。
中間部材50の上端部は、段差部51Dの底面の一部を成している。この中間部材40の位置には、組み付け時に浴室の壁体WLを位置させる。このため、支持体49は、壁体WLの後ろ側に位置し、壁体WLの奥に隠れるので、この壁体WLの取り付けに使用される。
支持体49は、略矩形状の板状部材で成るが、その取り付け状態における上端部にその板面方向に突き出し且つ支柱体51よりも高く突き出した突き出し部39Aを有して一体に形成されている。支持体39の板面方向は、フランジ部41C(及び基板部41A)のそれとも直交している。
フランジ部51Cの一部には、図8に示すように、その面が一部凹んだ凹部51Caが形成されている。この凹部51Caをネジにより防水パン12の第1の土手部12B1の壁面に固定することで、第2の結合部材13Bが防水パン12に結合される。
図8に示すように、この第2の結合部材13Bの支柱体51の底面及び接続部材50の底面に掛けて水密部材LB3が貼り付けられている。また、支柱体51の段差部51D及び支持体49の突き出し部49Aに掛けて水密部材LB4が貼り付けられている。
さらに、この第2の結合部材13Bの軸方向の取り付け状態での上端部には、浴槽11への取り付け用の金具52が取り付けられている。
これに対して、防水パン12の第1の土手部12B1のもう一方の端部には、図8に示すように、第2の結合部材13Bの底部の形状に合わせた切込み部53が形成されている。このとき、第2の結合部材13Bの下端部をかかる切込み部43に差し込んだときに、図9に示すように、第1の土手部12B1の立ち上がり部32Bの面S3と、第2の結合部材13Bの支柱体51の面S5とが同一面を形成するように、それらのサイズが設定されている。
また、浴槽11の第1のリム部11A1と第4のリム部11A4との間の角部には、取り付け用の金具52を介して第2の結合部材13Bの上端部が固設される(図9参照)。このとき、第1のリム部11A1に形成された防水パン側の溝部21Aの一部を画成する仕切り板22の面S4と第2の結合部材13Bの支柱体51の面S5とが同一面を形成するように、それらのサイズが設定されている。
(4.バスエプロン)
バスエプロン14は、所定厚さを有するFRPなどの素材で形成された所定厚さで略矩形状の板体である。このバスエプロン14の厚さは、第1及び第2の結合部材13A,13Bの膨張部41B,51Bの高さに略一致させている。
さらに、バスエプロン14の上端側の所定位置には、図4に示すように、その長手方向(取り付け時においてZ軸方向)に沿って取手部14Aが形成されている。これと共に、バスエプロン14の底面には、前述した防水パン12の第1の土手部12B1に設けた複数個のバネ33の逆V字状面に合った略V字状の溝14Bが形成されている。
さらに、このバスエプロン14には、図14(a),(b)に概略示すように、その周囲を略2重に取り巻く水密手段が設けられている。一方の水密手段は、取り付け状態における浴槽11側の外表面上14Aであって、その板厚方向に直交する4周の側面の端部近傍の位置に沿って矩形状に完全に一周して取り付けられた、ストリップ状の水密パッキン(ゴムパッキン)GP1で成る。もう一方の水密手段は、バスエプロンの板厚方向に直交する4周の側面のうちの、取り付け状態における上側面及び左右側面の3側面に沿って取り付けられた、ストリップ状の水密パッキン(ゴムパッキン)GP2で成る。これらの水密パッキンGP1,GP2は、予めバスエプロン14に取り付けられ、バスエプロン14の開口部OPへの取り付け時には、後述するように、浴槽11及び防水パン12に対して適度な押圧力で押し付けられて水密性能を発揮するようになっている。
さらに、バスエプロン14の防水パン12側の面には、略L字状の有底状のロック用溝14Cが形成されている。このロック用溝14Cには、後述する化粧板16の端部に形成した端部が嵌合可能になっている。このため、ユニットバス1の組付け時に、バスエプロン14を装着した後、化粧板16の端部がこのロック用溝14Cに収まらないときには、バスエプロン14の開口部OPへの装着が不完全であることが分かるようになっている。この場合には、バスエプロン14が所定の位置に収まるように装着作業をし直すことになる。
なお、このバスエプロン14と防水パン12の第1の土手部12B1のレール状床面32Aとの間には、目地材48が置かれる(図18参照)。
(5.洗い場カウンタ、化粧板、及び配管部)
配管部17は、図3に示すように、防水パン12のZ軸方向の一端部に一体形成された段差部12A2の位置に設けられる。つまり、この配管部17は、防水パン12の床面の一部を成す段差部12A2の所定位置に立設された外部の配管(給水配管、給湯配管及び建築側追焚配管70)に接続する接続部61と、この接続部61に接続された2本の浴室配管62A,62B(給水用及び給湯用)と、この浴室配管62A,62Bに接続された洗い場水栓63と、浴室配管62A,62Bからそれぞれ分岐した分岐配管64A,64Bと、建築側追焚配管に接続される2本の追焚接続用配管69A,69Bとを備える。
このうち、洗い場水栓63は浴室壁WLの所定高さ位置に取り付けられる。この浴室壁WLには、図11に示すように、洗い場カウンタ15を載置して保持する2つのカウンタ保持体65,66が取り付けられている。このカウンタ保持体65,66は共に、ストリップ状の金属プレートを折り曲げて、側面方向から見て直角三角形を成す構造を有する。このため、各カウンタ保持体65(66)の所定の一辺を浴室壁WLに取り付けるとともに、その一辺と直交するもう一辺を洗い場カウンタ15の保持に使用する。分岐配管64A、64Bは一方のカウンタ保持体65が作る3角形状の開口部を通して浴槽11の側に送られる。このため、分岐配管64A,64Bは、そのカウンタ保持体65に係止される。
分岐配管64A,64Bは、第1の結合部材13Aに形成した連通孔43を通してバスエプロン14との隣接位置を通過し、浴槽11の側に至る。この分岐配管64A,64Bは、第1の結合部材13Aを通過後、立ち上がるように引き回されて浴槽水栓25の下部に給水可能に接続されている。
この連通孔43から浴槽水栓25に至るまでの分岐配管64A,64Bは、図11,12に示すように、水受け材としてのゴム製のチューブ67により全体が被覆されている。このチューブ67は、浴槽水栓25の下端の配管結合部から第1の結合部材13Aの連通孔43までを完全に被うので、仮に配管結合部に水漏れが生じたとしても、その水滴はチューブ67の内部にしか漏れないようになっている。この水滴は、図13に模式的に示すように、チューブ67の内面を伝わって、第1の結合部材13Aの連通孔43から防水パン12の側に流れ出る。つまり、かかる水漏れによる水滴が浴槽11の下側にそのまま流れ出て、建築構造体にかかってしまうことがないように施工される。
また、追焚接続用配管69A,69Bはそれぞれ、図15に示すように、第1の結合部材13Aに形成した連通孔45,46まで延設され、ここで浴槽11側から連通孔45,46ま延設された追焚アダプタ54の一端に接続される。本実施形態では、追焚接続用配管69A,69Bは、カウンタ保持体65,66の直角三角形状の側面に形成された開口内を通過させて固定されている。これにより、追焚接続用配管69A,69Bの接続時において、この追焚接続用配管69A,69Bを手で持ち続ける必要なく、建築側追焚配管70及び追焚アダプタ54に接続することができ、作業性が向上する。
一方、洗い場カウンタ15は、配管部17、すなわち防水パン12の段差部12A2に立設した接続部61、浴室配管62A,62B、分岐配管64A,64Bを被うようにカウンタ保持体65,66の上に着脱自在に配設される。この洗い場カウンタ15はその一方の端部、すなわち浴槽11の側に位置する端部は図11から分かるように滑らかに湾曲しながら立ち上がる湾曲部(傾斜面)15Aを形成している。この湾曲部15の立ち上がり高さは、浴槽11の第1のリム部11A1の縁に滑らかに連なることが可能な値に設定されている。このため、バスエプロン14の着脱の際、洗い場カウンタ15が邪魔になって着脱を行なうことができないといった不都合が発生しないようになっている。また、この湾曲部15Aを形成することにより、浴槽11の縁から洗い場カウンタ15に段差を経て移行するタイプのものと比べて、意匠性が良くなっている。
化粧板16は、その浴槽側に位置させる端部は手前側に湾曲した湾曲部16A(図2参照)を有し、残りの部分は直線板状に形成されている。湾曲部16Aには、バスエプロン14のロック用溝14Cに嵌合可能な突起体16Aaが一体に形成されている。この化粧板16は、図1に示すように、洗い場カウンタ15の下面に着脱自在に垂設され、洗い場カウンタ15と協働して配管部17を略直方体状に被うように取り付けられる。具体的には、化粧板16の上端部が洗い場カウンタ15のZ軸方向の所定位置に設けた溝部(図示せず)に嵌合し、且つ、その下端部が段差部12A2の所定対向位置に設置した複数のバネ68(図3,5参照)に嵌合できるようになっている。このため、洗い場カウンタ15を取り付け、さらにバスエプロン14を取り付けた後で、化粧板16を取り付けることで、化粧板16の裏側に配管部17を隠すことができ、意匠性に優れたものになる。
(6.組み付け作業)
ここで、上述したユニットバス1を現場で組み付けるための作業者による作業工程を説明する。なお、全てのコンポーネントは別体として一般家庭の戸建住宅や集合住宅などの現場に搬入されるものとする。
最初に、建築構造物上に設置された高さ調節可能な支持架台SPに防水パン12が置かれ、支持架台SPの高さ調整がなされる。次いで、防水パン12の隣に浴槽11が配置される。この浴槽11も支持架台SP上に配置して高さ調整に付される。
次いで、浴槽11と防水パン12の両者の一辺側の両端部を第1及び第2の結合部材13A、13Bで相互に結合する。これにより、最初から枠体を用いずとも、浴槽11及び防水パン12の双方のリム部並びに第1及び第2の結合部材との間で矩形状の大きな開口部OPを有する枠状部分が形成される。
これが終ると、浴槽11及び防水パン12の周囲に浴室を画成する壁体を水密に建て付けるとともに、防水パン12の段差部12A2の接続部61から洗い場水栓63及び浴槽水栓25に至る配管を行う。このとき、浴槽側に出ている分岐配管64A,64Bの部分には、水受け材としてのゴム製のチューブ67を取り付ける。この配管作業は、大きな開口部OPを使うことができるので、能率良く行なうことができる。
さらに、追焚配管の接続を行う。追焚アダプタ54は、図16に示すように、浴槽11に取り付けられた循環口具54Aと、循環口具54Aに接続された2本の可撓性の追焚ホース54Bと、各々の追焚ホース54B,54Bの、循環口具54Aとは反対側の端部に取り付けられた締付フランジ54Cとから形成される。ここで、循環口具54Aは、工場出荷時に浴槽11に設けられた開口に既に取り付けられている。これにより、作業が確実に行われるので、循環口具54A周りからの漏水は非常に高い確率で防止される。
したがって、現場での追焚配管の接続は、締付フランジ54Cを第1の結合部材13Aに固定することから開始される。まず、締付フランジ54Cを、浴槽11側から連通孔45,46に挿通し、そして、防水パン12側に突出した締付フランジ54Cの先端に、ゴムワッシャ73,すべりワッシャ74を介装して、締付ナット72を螺合させて行われる。
この場合、浴槽11裏面では、開口部OPから腕を入れて、締付フランジ54Cを、連通孔45,46に挿通すべく保持するだけであり、ワッシャ73,74を嵌める、締付ナット72を螺合させる等の主要な作業は洗い場12側で行われるので、無理な姿勢での作業量が低減され、また、ゴムワッシャ73の採用により水密性も高められるので、連通孔45,46裏面(浴槽11側)での止水性も高くなる。
続いて、追焚接続用配管69A,69Bを、その一端を、連通孔45,46から突出した締付フランジ54Cの先端に、他端を接続部61から突出した建築側追焚配管70に接続する。
次いで、洗い場カウンタ15を被せてから、バスエプロン14の一方の外表面14Aを浴槽11の側にして、上述した枠状部分にバスエプロン14を、開口部OPを塞ぐように嵌め込む。このバスエプロン14と枠状部分との間、すなわち浴槽11及び防水パン12は、浴槽11の外側のスペースから、確実な水密性の仕切りで仕切られることになる。
ここで、図17,18を参照して、この枠状部分をその止水ラインと共に詳述する。ユニットバス1の組付けに際し、第1及び第2の結合部材13A,13Bで浴槽11及び防水パン12を相互に結合すると、防水パン12の第1の土手部12B1のレール状面32Aが浴槽11の第1のリム部11Aの下向き溝部21Aに相対するように浴槽11及び防水パン12が位置決めされる。
この結果、図17のクロスハッチングの領域として示すように、浴槽11の防水パン側の第1のリム部11A1の仕切り板22の面S4、防水パン12の浴槽側の第1の土手部12B1の経ち上がり部32Bの面S3、及び両サイドに位置するピラーとしての第1及び第2の結合部材13A、13Bの支柱体41,51の面S1,S5の合計4つの面が矩形状の開口部OPを画成し、かつ、それらの4面の面位置(面の高さ)が一致する。つまり、これにより、分割されていた浴槽11及び防水パン12をそれぞれ所定位置に位置させながら相互に結合するとともに、4面を呈する部材(22、32B、41及び51)により矩形状の枠状部分が形成され、矩形状の大きな開口部OPが形成される。この大きな開口部OPは、施工や保守のときの作業用に使用される。
そこで、取手部14Aを掴んでバスエプロン14を持ち上げ、その一方の外表面14A(図14(a),(b)参照)を浴槽11の側に向けながら、当該バスエプロン14の上端部を両サイドの第1及び第2の結合部材13A,13Bの間の位置に持っていき、そのまま浴槽11の第1のリム部11A1の溝21Aに差し込みながら、その下端部を防水パン12の第1の土手部12B1のレール状床面32Aの位置に押し込む。この押し込みのときに、レール状床面32Aの上側に突出するように設けられているバネ33の下向きV字状面を、バスエプロン14の下端面の先頭部が乗り越えられるように、同バスエプロン14を少し上に押圧する。これにより、バスエプロン14の下端面の下向きV字状の凹部14Bと複数のバネ33それぞれの下向きV字状面とが嵌合し、且つ、バネ33のバネ力によりロックされる(図18参照)。
各バネ33の基部33Aはレール状床面32Aから垂直に立ち上がっている面32Bに取り付けられているため、その基部33Aと逆V字状のブレード部との間に上向き(基部に平行な上方向)及び横向き(基部に向いた方向の成分が合成された斜め方向に向かうバネ力F1、F2が作用する。このため、バスエプロン14にも上向き(Y軸方向)と浴槽向き(X軸方向)の押圧力が加わる(図18中の矢印A1〜A3参照)。つまり、バスエプロン14は上述した4面を呈する枠状部材(22、32B、41及び51)に収まり且つ一定の押圧力で押し付けられる。
このため、4面S1,S3,S4,S5を呈する枠状部材(22、32B、41及び51)とバスエプロン14との間で、一方の水密パッキンGP2が浴槽向きに押圧され、その全周(1周分)で止水性を発揮する。さらに、もう一方の水密パッキンGP1のうち、バスエプロン14の上端面に位置する部分は上向きに押圧されて止水性を発揮する。この水密パッキンGP1のうち、残りのバスエプロン14の両サイドに位置する部分は、Z軸方向におけるバスエプロン14のサイズ及び第1、第2の結合部材13A,13Bの距離のクリアランスを適宜に設計することにより、バスエプロン14を装着するときの嵌合具合によって両サイドの方向に押圧されるようになっている。
この結果、図17に太い実線WS1、WS2で示すように、バスエプロン14を開口部OPに装着するだけで、枠状部材(22、32B、41及び51)とバスエプロン14との間で略2重の止水ラインWS1,WS2が形成される。なお、図17におけるLB1〜LB4は、第1及び第2の結合部材13A,13Bに予め装着されており、浴槽11及び防水パン12を相互に結合するときに、それらのコンポーネントとの間に介挿されて別の止水ラインを形成する水密パッキンである。
上述した止水ラインWS1,WS2のうち、一方の止水ラインWS1は、枠状部材(22、32B、41及び51)の内側寄りの位置を完全に一周し、もう一方の止水ラインWS2は、その止水ラインWS1よりも外側の位置を3/4周(すなわち、上側と左右を周回)している。この略2重の止水ラインWS1、WS2により、確実な止水性能が発揮される。とくに、浴槽11から溢れる水がバスエプロン14の上部や左右の縁を伝わって入り込もうとしても、外側に位置する3/4周の止水ラインWS2が在るため、これに確実にブロックされる。このため、この止水ラインWS2が、その内側に位置するもう一方の止水ラインWS1と協働して止水性能を格段にアップさせ、確実な止水性が得られる。
なお、バスエプロン14の浴槽側面の下端に位置する立ち上がり部32Cは、仮にバスエプロン14の上側からの水分の沁み出しがあっても、これを一時的に受け止めて自然乾燥可能になっている。これにより、バスエプロン14の上部からの水滴に対しては、止水ラインWS1,WS2のほかに第3の止水手段が設置されることとなり、極めて高い止水性が発揮される。
最後に、化粧板16を洗い場カウンタ15の足元に嵌め込む。この嵌め込みのとき、バスエプロン14が所定位置に嵌め込まれていないときには、そのロック用溝14Cに化粧板16の端部の突起体16Aaを嵌合できない。これにより、作業者は、バスエプロン14の嵌め込みが所定位置で確実に行なわれていないということを容易に認識できるので、バスエプロン14の嵌め込みをやり直すことになる。バスエプロン14が所定位置に嵌め込まれている場合、すなわち、バスエプロン14の枠状部分との水密性が十分に確保されている場合、化粧板16を洗い場カウンタ15の足元に嵌め込むことができる。これにより、不用意な施工を排除して漏水事故などが起こる事態を、未然に且つ確実に防止することができる。また、このロック機構により、バスエプロン14に掛かる荷重を化粧板16の側にも一部負担させることができるので、バスエプロン14の耐加重性能もアップさせることもできる。
(7.効果)
本実施形態に係るユニットバス1は以上のように構成されて機能することから、様々な利点を享受することができる。まず、(6.組み付け作業)で詳述したように、追焚配管の接続を含む全ての作業をユニットバス取付業者単独で完結させることができるので、設備業者との相番作業をなくすことができる。これにより、両者間において工事日の調整が不要となり、手待ちが発生することもない。
また、ユニットバスの設置を先に完了させ、後工事として設備業者が、バスエプロンを取り外して追焚配管の接続を行い、接続後バスエプロンを元の位置に復旧するという作業も無くなるので、バスエプロンが傷つけられたり、元通りに復旧されていない等の問題が起こり得ず、ユニットバスの最終的な仕上がりに対してユニットバス設置業者側で責任を持つことができなる。
一方、建築側追焚配管は、従来浴槽下、又は防水パン下まで、すなわち、ユニットバスの室外までしか延設されなかったところ、本実施形態のユニットバス1にあっては、建築側追焚配管70を防水パン12の上まで、すなわち、ユニットバス1の室内まで突出させている。これにより、建築側追焚配管70と追焚接続用配管69A,69Bとをユニットバス1の室内で行うことができるので、浴槽11裏等狭小な場所で行う場合に比べ作業性が向上し、その結果、漏水の危険性も低減する。
また、点検もユニットバス1の室内で済ますことができるのみならず、万一接続箇所から漏水があっても、防水パン12上に漏れるだけであり、建築床にまで溢れ出て被害を与えることはない。
建築側追焚配管70を防水パン12の上まで、すなわち、ユニットバス1の室内まで突出させたことにより、浴槽11に接続された追焚アダプタ54の一端は、洗い場上で、追焚接続用配管69A,69Bを介して洗い場側に引き出されることになる。
この場合においても、追焚アダプタ54の一端の締付フランジ54Cは、上述したように、主要な作業は洗い場12側で行われるので、無理な姿勢での作業量が低減され、また、ゴムワッシャ73の採用により水密性も高められるので、連通孔45,46裏面(浴槽11側)での止水性も高くなる。
他方、追焚接続用配管69A,69Bの接続は、完全に洗い場側で行われるので、浴槽11裏等狭小な場所で行う場合に比べ作業性が向上し、その結果、漏水の汽船性も低減し、また、万一接続箇所から漏水があっても、防水パン12上に漏れるだけであり、建築床にまで溢れ出てダメージを与えることはない。
加えて、本実施形態のユニットバス1にあっては、追焚配管を、第1の結合部材13Aに形成した連通孔45,46を通している。このため、結合部材13Aに配管保持の機能をも持たせることができ、配管を効率良く引き回すことができ、作業能率は大幅にアップする。
次に、本発明に係るユニツトバスの追焚配管構造の第2の実施形態について、図19を参照して説明する。本実施の形態の追焚配管構造は、同図に示すように、追焚接続用配管69A,69Bを用いず、長い追焚ホース54Bが直接建築側追焚配管70に接続される点で、第1の実施形態におけるものと基本的に相違し、他の構成は第1の実施形態と実質的に同じであり、同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、追焚ホース54Bと連通孔45,46との間に生じる間隙は、シリコンコーキング或いはガスケット等により封止され、水密性が確保される。
本実施形態においても、第1の実施形態において述べた効果とほぼ同等の効果を得ることが可能である。
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
まず、上述した実施形態では、建築側追焚配管を防水パンから引き出す場合を例に採って説明したが、建築側追焚配管が床レベルより上で、ユニットバスの室内に引き出されていれば、この場合に限られず、例えば、建築側追焚配管が壁パネルから引き出されるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、配管部を洗い場カウンタや化粧板で掩蔽する場合を例に採って説明したが、これらは本発明に必要不可欠のものではなく、床又は壁に沿って敷設されらカバー等で掩蔽してもよく、或いは、美観上、使用上の問題はあるとしても、配管部を露出したままにすることも可能である。
本発明の第1の実施形態に係るユニットバスの外観斜視図。 ユニットバスの主要コンポーネントを分解して示す分解斜視図。 ユニットバスの洗い場用防水パンの一端部に設置する給水配管部の概要を主に説明する斜視図。 取り付けた状態におけるバスエプロンの断面構造を主に示す縦断面図。 取り外した状態における第1の結合部材と浴槽及び洗い場用防水パンの土手部とを示す斜視図。 第1の結合部材で浴槽及び洗い場用防水パンの土手部を相互に結合した状態を示す斜視図。 取り付けた状態における第1の結合部材の横断面図。 取り外した状態における第2の結合部材と浴槽及び洗い場用防水パンの土手部とを示す斜視図。 第2の結合部材で浴槽及び洗い場用防水パンの土手部を相互に結合した状態を示す斜視図。 取り付けた状態における第1の結合部材の横断面図。 給水配管部の配管構造を示す斜視図。 給水配管部における、浴槽側に配置された水受け材としてのチューブの取り付け状態を示す斜視図。 水受け材としてのチューブの漏水に対する導水機能を説明する説明図。 (a)はバスエプロンに装着した水密部材を示す斜視図、及び、(b)は同図(a)のII−II線に沿った断面図。 追焚配管部の配管構造を示す斜視図。 追焚配管部の取付を示す分解斜視図。 バスエプロンを開口部に装着したときに生成される止水ラインの説明図。 防水パンの土手部に設けたバネによるバスエプロンに印加される押圧力と止水性能との関係を説明する図。 本発明の第2の実施形態に係る追焚配管構造の斜視図。
符号の説明
1 ユニットバス
11 浴槽
11A1 浴槽の一面側のリム部
11B 半身浴ステップ
12 (洗い場用)防水パン
12A 床面部
12B1 洗い場用防水パンの一面側の土手部
13A,13B 第1及び第2の結合部材
14 バスエプロン
15 洗い場カウンタ
16 化粧板
17 配管部
21 溝部
22 仕切り板
25 浴槽水栓
32A レール状床面
32B 立ち上がり面
32C 立ち上がり部
33,68 バネ
39 支持体(ポスト部)
40 中間部材
41 支柱体(ピラー部)
42 取り付け用の金具
43,45,46 連通孔
44 切込み部
48 目地材
50 接続部材
52 取り付け用の金具
54 追焚アダプタ
54A 循環口具
54B 追焚ホース
54C 締付フランジ
61 接続部
62A,62B、64A,64B 配管
63 洗い場水栓
65,66 カウンタ保持体
67 水受け材としてのチューブ
69A,69B 追焚接続用配管
70 建築側追焚配管
72 締付ナット
73 ゴムワッシャ
74 滑りワッシャ
GP1 水密パッキン
LB1 水密部材
OP 開口部
BT バスタブ
S1 第1の当接面
WL 壁体

Claims (3)

  1. 上端縁にリム部が形成された浴槽と、
    該浴槽の所定の一側面に隣接して配置され且つ土手部が形成された洗い場用防水パンと、
    前記浴槽の前記一側面の前記防水パンに沿った方向の両端部にて当該浴槽のリム部と当該防水パンの土手部とをそれぞれ着脱自在に結合する1対の結合部材と、
    前記浴槽の前記一側面側にて前記1対の結合部材、前記浴槽のリム部、及び前記防水パンの土手部により画成される開口部を着脱自在に且つ水密に閉塞するバスエプロンと、を備えたユニットバスであって、
    前記洗い場用防水パンの床面の配管取出し部に建築側追焚配管端部が引き出され、
    前記一方の結合部材に、前記浴槽の側と前記防水パンの側とを相互に連通させる連通孔が形成され、
    前記浴槽に取付けられた循環口具と、該循環口具に接合された可撓性の配管とが前記連通孔に水密に固定され、
    前記追焚アダプタの前記循環口具と反対側端部と前記建築側追焚配管端部とは、追焚接続配管により接続されることを特徴とするユニットバスの配管構造。
  2. 前記追焚アダプタは、前記循環口具と反対側端部に締付フランジが設けられ、該締付フランジが前記連通孔に締付ナット及びゴムワッシャにより止水固定されることを特徴とする請求項1記載のユニットバスの配管構造。
  3. 上端縁にリム部が形成された浴槽と、
    該浴槽の所定の一側面に隣接して配置され且つ土手部が形成された洗い場用防水パンと、
    前記浴槽の前記一側面の前記防水パンに沿った方向の両端部にて当該浴槽のリム部と当該防水パンの土手部とをそれぞれ着脱自在に結合する1対の結合部材と、
    前記浴槽の前記一側面側にて前記1対の結合部材、前記浴槽のリム部、及び前記防水パンの土手部により画成される開口部を着脱自在に且つ水密に閉塞するバスエプロンと、を備えたユニットバスであって、
    前記洗い場用防水パンの床面の配管取出し部に建築側追焚配管端部が引き出され、
    前記一方の結合部材に、前記浴槽の側と前記防水パンの側とを相互に連通させる連通孔が形成され、
    前記浴槽に取付けられた循環口具と、該循環口具に接合された可撓性の配管とからなる追焚アダプタの該配管が、前記連通孔に水密に挿通され、前記追焚アダプタの前記循環口具と反対側端部が、前記建築側追焚配管端部に接続されることを特徴とするユニットバスの配管構造。
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