JP2007002678A - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007002678A
JP2007002678A JP2005180647A JP2005180647A JP2007002678A JP 2007002678 A JP2007002678 A JP 2007002678A JP 2005180647 A JP2005180647 A JP 2005180647A JP 2005180647 A JP2005180647 A JP 2005180647A JP 2007002678 A JP2007002678 A JP 2007002678A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
cooling water
passage
thermostat
radiator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005180647A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4566073B2 (ja
Inventor
Hideo Nihei
秀男 仁平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2005180647A priority Critical patent/JP4566073B2/ja
Publication of JP2007002678A publication Critical patent/JP2007002678A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4566073B2 publication Critical patent/JP4566073B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 冷却水供給構造の改良により、早期暖機達成のための暖機特性の向上を図るとともに、暖機後の冷却性能の向上と安定化を図る。
【解決手段】 ウォータポンプWpから供給された冷却水は主冷却水通路50を経て、機関Eの冷却部に供給されるとともに主冷却水通路50から分岐通路である第3冷却通路53を介してオイルクーラ0cへと供給される。暖機運転時においては、機関Eの冷却部とオイルクーラOcの冷却部を通過した冷却水はラジエータRを経由することなく、バイパスである冷却水通路52を経て、ウォータポンプWpへと還流する。また、暖機運転後においては、機関Eの冷却部とオイルクーラOcの冷却部を通過した冷却水はラジエータRを経由してウォータポンプWpに還流する。
【選択図】 図3−1

Description

本発明は、内燃機関の冷却装置に関し、特に冷却水の供給構造の改良に特徴のある内燃機関の冷却装置に関する。
内燃機関の潤滑油を冷却水で冷却するオイルクーラを備える内燃機関の冷却装置において、その冷却水供給構造としてウォータポンプから内燃機関冷却部への主冷却水通路に、オイルクーラへの分岐冷却水通路を備えるものが知られている。そして、この冷却装置の冷却水供給構造においては、内燃機関始動時等の冷却水水温の低い場合でもオイルクーラに供された冷却水はラジエータを経由してウォータポンプに還流されるようになされている。また、これとは別の冷却水供給構造として、ウォータポンプから内燃機関冷却部への主冷却水通路上に直接オイルクーラを設置して、内燃機関冷却部に供給される冷却水の全量がオイルクーラを通過するようになされた技術も知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平9−189264号公報(第2頁−第3頁、第2図,第9図)
特許文献1記載の内燃機関の冷却装置は、上述の冷却水供給構造を備えるものであるが、この冷却水供給構造においては、内燃機関始動時の暖機運転時の冷却水水温が低い場合でも、オイルクーラを通過する冷却水はラジエータを経由するので、冷却水の水温上昇が抑制されて水温の低い冷却水の循環による影響を受けて機関が温まりにくく、その分暖機運転時間が長くなってしまう。また、機関への冷却水の供給における主冷却水通路の途中にオイルクーラが直接設置される場合には、機関に供給される冷却水の全量がオイルクーラの冷却部を通過することになり、結果としてオイルクーラの容量が必要以上に増大することになる。
このようなことから、内燃機関の暖機運転時には、冷却水がラジエータを経由することなく循環するようにして、内燃機関の暖機特性の改善を図るとともに、暖機運転後には、ラジエータを経由した冷却された冷却水の循環により高い冷却効率が安定して確保される内燃機関の冷却装置を提供する。
本発明は、前記課題を解決するための内燃機関の冷却装置の提供に係り、冷却水を吐出するウォータポンプと、前記冷却水により内燃機関を冷却する内燃機関の冷却部と、前記冷却水により潤滑油を冷却する潤滑油冷却部と、前記冷却水を冷却するラジエータと、これらを互いに冷却水流通のために連通する複数の冷却水の流通経路と、冷却水の流通経路を所定温度で選択的に切替えるサーモスタットとを備えた内燃機関の冷却装置において、前記冷却水流通経路は、冷却水が前記ウォータポンプから吐出され内燃機関の冷却部、ラジエータ、サーモスタッドの順で通過して前記ウォータポンプに還流される主冷却経路と、前記ラジエータを迂回するように内燃機関の冷却部の下流及びサーモスタットに接続されるバイパス経路と、潤滑油冷却部を経由する経路の上流側が主冷却経路のウォータポンプ・内燃機関の冷却部間に接続され、下流側が主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・ラジエータ上流間または主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・バイパス経路のサーモスタット上流間に接続される潤滑油冷却経路とからなり、前記サーモスタットは、前記主冷却経路のラジエータ下流側経路に前記バイパス経路のサーモスタット上流側経路が接続する部分に前記所定温度でこれら経路を選択的に切替えるために配置されている内燃機関の冷却装置、であることを特徴とする。
また、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ウォータポンプのケースと一体に形成されていることを特徴とする。
さらに、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ラジエータ構造部と一体に形成されていることを特徴とする。
また、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ラジエータとウォータポンプを接続する冷却水通路上に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、上述の内燃機関の冷却装置において、前記冷却水流通経路は、冷却水が前記ウォータポンプから吐出され内燃機関の冷却部、ラジエータ、サーモスタットの順で通過して前記ウォータポンプに還流される主冷却経路と、前記ラジエータを迂回するように内燃機関の冷却部の下流及びサーモスタットに接続されるバイパス経路と、潤滑油冷却部を経由する経路の上流側が主冷却経路のウォータポンプ・内燃機関の冷却部間に接続され、下流側が主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・ラジエータ上流間または主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・バイパス経路のサーモスタット上流間に接続される潤滑油冷却経路とからなり、前記サーモスタットは、前記主冷却経路のラジエータ下流側経路に前記バイパス経路のサーモスタット上流側経路が接続する部分に前記所定温度でこれら経路を選択的に切替えるために配置されているから、暖機運転時の機関の冷却部と潤滑油冷却部の冷却に供された冷却水はラジエータを経由することなくウォータポンプに還流されて循環されるので、暖機運転時の暖機特性を向上させることができ、この際、潤滑油の冷却においてオイルクーラの容量を増大させることなく該クーラの冷却効率の最大限の活用が図られる。また、暖機運転後は機関の冷却部と潤滑油冷却部の冷却に供された全ての冷却水がラジエータを経由してウォータポンプに還流されて循環されるので高い冷却性能が安定して確保される。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ウォータポンプのケースと一体に形成されているから、サーモスタットケースとウォータポンプケースとの一体化により、部品点数が削減され、省スペース化が図れる。また、集合部下流の配管が必要ないため、配管長が短縮され軽量化できる。
また、本発明の請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、ラジエータ構造部と一体に形成されているから、サーモスタットケースとラジエータ構造部との一体化により、部品点数が削減され、省スペース化が図れる。また、バイパス通路長を短縮できるので、軽量化できる。
さらに、本発明の請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、ラジエータとウォータポンプを接続する冷却水通路上に配置されるから、サーモスタットはラジエータやウォータポンプと別体に形成され、サーモスタットおよびそのケースを複数の機種で共用部品とできるため、コスト削減が可能となる。また、サーモスタットの固定位置を任意の個所に、つまり内燃機関または車両の形状に見合った位置に配置できるため汎用性を向上できる。
以下、図1ないし図6−3に図示された本発明の実施態様について説明する。
図1は、本発明の一実施例を適用した水冷式直列4気筒内燃機関が搭載された自動二輪車の側面図であって、部分的に断面で示されている。この自動二輪車の車体フレーム10は複数のフレーム部材からなり、ヘッドパイプ12に連なるメインフレーム11には変速機部Mが一体化された内燃機関Eが懸架され、ヘッドパイプ12にはフロントフォーク13が回動可能に支持されていて、その上端には操縦用ハンドル14が装着され、また下端には前車輪Wfが軸支されている。
メインフレーム11の後部には、リヤフォーク15がその前端が枢支されることで上下方向に揺動可能に設けられ、リヤフォーク15とメインフレーム11間には三角形リンク部材16を介してリヤクッション17が介装されている。リヤフォーク15の後端には後車輪Wrが軸支されている。この後車輪Wrは、内燃機関Eの変速機部Mの後述のカウンタシャフト1e軸端に装着されている図示しない駆動スプロケットと、後車輪Wrの軸に装着された従動スプロケット18との間に巻掛けられたチェーン19によって駆動される。
車体のメインフレーム11の上部には燃料タンク20が装着され、この燃料タンク20の後方にはライダのためのシートSが装備されている。そして、既述したように内燃機関Eは水冷式の機関であり、このためにそのシリンダや潤滑油を冷却する過程で昇温した冷却水を冷却するためのラジエータRが装備されている。
ラジエータRは、図3−1等の参照により理解できるように、その前面側が凹状に湾曲したラウンド型であり、図1等に図示されるように内燃機関Eの前側に該機関Eのシリンダ部と同様やや前傾した姿勢で配設され、車両を進行方向に見てラジエータコアR3の右側には冷却水の流入側タンクであるアッパータンクR1が配置され、左側には流出側タンクであるロアタンクR2が配置されたクロスフロー型であり、ラジエータRの上下方向は丁度機関Eのシリンダ部の上部からクランクケース1の下部にまで達しており、また、ラジエータコアR3の上部背面側にはラジエータファンR4が取付けられ、アッパータンクR1上部にはオーバーフローパイプを介して蒸気を水に戻すためのサブタンクR5が取付けられている。
ここで、本発明の冷却装置が装備される内燃機関Eの構造の概要を説明しておく。
本発明の内燃機関Eは既述したように水冷式直列4気筒機関であり、図2に図示されるように、本発明の内燃機関Eは上下で分割された上部クランクケース1Aと下部クランクケース1Bからなるクランクケース1と、上部クランクケース1Aの上方で該ケース1Aと一体的に形成されたシリンダブロック2と、シリンダブロック2上部に取付けられるシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3の上方を覆うヘッドカバー4とからなる機関本体構造を備えている。
クランクケース1にはクランク軸1aが回転可能に軸受支持され、クランク軸1aのクランクピン1bにはコンロッド1cを介してピストンPが取付けられ、ピストンPは後述されるシリンダブロック2のシリンダボア2a内を上下往復摺動する。また、クランクケース1には変速機部Mを構成するクランク軸1aと平行に配設されたメインシャフト1dとカウンタシャフト1eが設けられている。
メインシャフト1dとカウンタシャフト1eには所望の選択により噛合い可能な複数の変速ギアからなるギア機構Gが装備され、クランク軸1a端のドライブギア1a1とメインシャフト1dのドリブンギア1d1の噛合い、さらにはメインシャフト1d上の切換クラッチ1d2の開閉を介して伝達されたクランク軸1の回転が変速機部Mで変速されて、既述のように図示されない駆動スプロケットからチェーン伝動により駆動輪である後車輪Wrに伝達される。
上部クランクケース1Aと一体形成のシリンダブロック2には、既述のようにシリンダボア2aが設けられ、シリンダボア2aの上部はシリンダヘッド3下部と相俟って燃焼室3aを形成しており、燃焼室3aにおける燃焼エネルギを受けて既述のピストンPが押し下げられて、シリンダボア2a内で摺動することでクランク軸1aが回転駆動される。
シリンダヘッド3には、既述の燃焼室3aが下部に形成されて、この燃焼室3aには図示されない点火プラグが取付けられ、また吸・排気のための開口3bが設けられており、吸・排気のための開口3bには吸・排気バルブ3cが配設される。さらに、シリンダヘッド3の上部には吸・排気バルブ3cを開閉するためのカム3dを備えるカム軸3e等が設けられている。 そして、シリンダヘッド3上部のカム軸3e等を覆うようにヘッドカバー4がシリンダヘッド3に取付けられている。
下部クランクケース1Bの下方にはオイルパン1Cが取付けられ、オイルパン1C上方部でかつ該オイルパン1Cに対向してクランクケース1下部にはオイルポンプOpが配置され、このオイルポンプOpは、メインシャフト1dに設けられた駆動スプロケット1d3によりチェーン1d4を介して駆動されるようになされている。オイルパン1Cにはオイルパン底部1C1に面してオイル吸入開口1C2を備えるストレーナ1C3が配置され、ストレーナ1C3の上部はオイルポンプOpのオイル吸入口Op1に接続されている。
ストレーナ1C3内の油路Aを介してオイルポンプOpに吸込まれ、オイルポンプOpから吐出される潤滑油は油路Bを経てオイルフィルタOfに供給され、オイルフィルタOfで浄化された潤滑油は油路Cを経てオイルクーラOcに供給され、ここで後述される冷却水により冷却される。冷却された潤滑油は、油路Dを経てメインギャラリEへと供給される。
メインギャラリEに供給された潤滑油は、油路Fを経てクランクケース1の各軸受部等に供給され、さらにクランク軸1a内の図示されない油路を経てクランクピン1bとコンロッド1cの大端部等の回転摺動部等に供給され、クランク軸1aの回転部の潤滑・冷却に供せられる。図中の矢印は潤滑油の流れを示している。なお、油路Bから分岐した油路GにはリリーフバルブRvが設けられ過剰油圧発生時に油圧が解放される。
ウォータポンプWpは、図3−1,3−4等に図示されている。そして、これら図示では明確にされていないが、ウォータポンプWpは上述のオイルポンプOpと同軸でしかも互いに内燃機関Eの下部、つまり、両ポンプWp,Opは共に同軸上に装着されて下部クランクケース1Bの下方の略両側近傍位置において互いに対向するように位置付けられて配置されており、ウォータポンプWpの駆動は、オイルポンプOpとともに既述の変速機部Mのメインシャフト1dからのチェーン1d4を介した駆動力により駆動される。なお、ウォータポンプWpによる冷却水の供給の詳細は後述される。
本発明の内燃機関Eは、概ね上述した構造を備えるものである。
なお、上述の内燃機関Eは直列(並列)多気筒の機関とされたが、オイルクーラを用いる内燃機関であれば、V型や単気筒の内燃機関でもよい。
ここで、本発明のウォータポンプWpから供給される冷却水の供給構造について説明する。 図3−1を参照すると、該図には、冷却水の供給通路が内燃機関Eの構造と関連付けられて示されている。なお、図3−1に図示される冷却水の流れは暖機運転後の状態を示すものである。そして、図3−2には冷却水供給系統図が示され、さらに、図3−3,3−4にはこの冷却水供給構造が装備された内燃機関Eが搭載された車両の側面視における図が示され、冷却水の供給構造の実施例1はこれらの図に基づいて説明される。
ウォータポンプWpの吐出口は、主冷却水通路50を介して内燃機関Eの冷却部であるシリンダのウォータジャケットE1の冷却水取入れ口E2に接続され、この主冷却水通路50は内燃機関Eの車両への搭載時において前記接続のために下部クランクケース1Bの下方側部後方寄りの位置から上部クランクケース1Aの前方側部を通過して上方へ延長して前記取入れ口E2に接続されている。また、ウォータジャケットE1の冷却水排水口E3は、ラジエータRのアッパータンクR1に第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aを介して接続されている。
第1の冷却水通路51のラジエータ上流側通路部51Aは、より具体的には冷却水排水口E3に接続される所定長さの通路部51A1と、ラジエータRのアッパータンクR1から一体的に突出する短い通路部51A2と、この両通路部51A1,51A2を接続する可撓性のあるゴム製等のアッパーラジエータホース51A3とにより形成される(図3−1参照)。
そして、ラジエータRのロアタンクR2は、前記第1の冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bを形成する可撓性のあるゴム製等のロアラジエータホース51B3を介してサーモスタットTsに接続され、さらにウォータポンプWpへと接続されている。結局、第1の冷却水通路51は、機関冷却部であるウォータジャケットE1の排水口E3からラジエータRのアッパータンクR1、ラジエータR内部のウォータチューブ、ラジエータRのロアタンクR2、さらにはサーモスタットTs、ウォータポンプWpに至る冷却水通路を形成する。そして、構造的特徴としてサーモスタットTsのケースTs1は、ウォータポンプWpのケースWp1に一体的に形成されている。
主冷却水通路50の途中からは、第3の冷却水通路53を形成する通路が分岐しており、この分岐通路53は、その分岐部を一端として他端がオイルクーラOcの冷却水取入れ口に接続される冷却水取入れ側の通路部53Aと、さらにオイルクーラOcの冷却水排水口に一端が接続されるとともに他端がラジエータRのアッパータンクR1に接続される冷却水排水側の通路部53Bとを備えている。
また、ウォータジャケットE1の冷却水排水口E3とラジエータRのアッパータンクR1を接続する第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aの途中からは第2の冷却水通路52を形成する通路が分岐しており、この分岐通路52は、その分岐部を一端として他端がサーモスタットTsに接続される通路である。したがって、サーモスタットTsにはその冷却水取入れ口に第1の冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bと、第2の冷却水通路52の他端、つまり下流側52aが集合して接続されている。
サーモスタットTsは、サーモスタットTsに流れ込む冷却水の水温を感知してその接続部の開口を制御して、この集合接続における2つの通路51,52の一方をその冷却水流通のために選択する。つまり、このサーモスタットTsにおける冷却水下流側の集合接続は、内燃機関Eの暖機運転時等冷却水の水温が所定値(70°〜80°)より低い時にはサーモスタットTsが第1冷却水通路51側の取入れ口を閉じ、第2冷却水通路52側の取入れ口を開き、また冷却水の水温が所定値より高い時には第1冷却水通路51側の取入れ口を開き、第2冷却水通路52側の取入れ口を閉じるようになされている。
サーモスタットTsの冷却水の排水側は、前記第1の冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bの実質延長部とされ、サーモスタットケースTs1はウォータポンプWpのケースWp1と一体形成であるから前記サーモスタットTsの排水側はウォータポンプWpの冷却水吸入口に直接接続される。なお、サーモスタットTsのバルブ開閉制御は、水温の感知によって膨張・収縮するパラフィン系ワックスを利用した制御による。
そして、この実施例1における冷却水通路の具体的な配管の様子は図3−3,図3−4に図示される車両の側面視において部分的に見ることができる。拡大図である図3−4には、ウォータポンプWpと、ウォータポンプWpの吐出口からシリンダのウォータジャケットE1とオイルクーラOcへの分岐通路である第3の冷却水通路53への冷却水の供給路である主冷却水通路50が示されている。
また、ウォータジャケットE1とラジエータRのアッパータンクR1を接続する第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aや、ラジエータRのロアタンクR2とサーモスタットTsを接続する第1の冷却水通路51の下流側通路部51B、第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aの途中から分岐しサーモスタットTsに接続されるバイパスである第2の冷却水通路52が示され、さらにはウォータポンプWpのケースWp1に一体的に形成されたサーモスタットケースTs1の構造等が部分的に図示されている。
上述の冷却水供給構造は、以下のような冷却水供給作用をなすが、この作用は図3−2の冷却水供給系統図に基づいてなされる。
まず、内燃機関E始動時等の低温時の暖機運転時の冷却水の流れは、図3−2(a)に図示されるように、内燃機関Eのクランクケース1下部に取付けられた該機関Eの運転とともに回転されるウォータポンプWpの吐出口から吐出された冷却水が、主冷却水通路50を流れて機関Eの冷却部であるシリンダのウォータジャケットE1等に供給されるとともに、その一部が主冷却水通路50の途中で分岐する第3の冷却水通路53である分岐通路を流れて、オイルクーラOcの冷却部へと供給される。(図示白抜き矢印)
主冷却水通路50を流れて内燃機関Eの冷却部であるウォータジャケットE1に供給された冷却水は、ウォータジャケットE1内を通過して暖められ、該ジャケット排水口E3から排水され第1冷却水通路51の上流側通路部51Aに流れるが、冷却水の水温が所定値より低い温度状態であり、サーモスタットTsが閉の状態である。
すなわち、サーモスタットTsのバルブが第1冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bとの接続部の冷却水取入れ口を閉鎖し、バイパスである第2の冷却水通路52の下流側52aとの接続部の冷却水取入れ口を開く状態であるので、前記冷却水の流れはバイパスである第2の冷却水通路52に流れ込み、該冷却水通路52を経てサーモスタットTs内を流れて、さらにウォータポンプWpに還流する。(図示斜線示の矢印)
一方、主冷却水通路50を流れて分岐通路である第3の冷却水通路53に流れた冷却水は、オイルクーラOcの冷却部を通過し暖められてラジエータRのアッパータンクR1に流れるが、この冷却水は閉鎖状態のラジエータR内部のウォータチューブへは流れることができない。ラジエータR内部のウォータチューブに流れ込むことができない冷却水は、アッパータンクR1内から逆流するように第1の冷却水通路上流側通路部51Aを流れ、前記第2冷却水通路52へと流れ込む。(図示斜線示の矢印)
この冷却水の流れは、内燃機関Eの冷却部であるウォータジャケットE1を通過して前記第2冷却水通路52へと流れ込む上述の冷却水の流れと合流して、サーモスタットTsの冷却水取入れ口の開いた口を通してサーモスタットTs内を流れてウォータポンプWpに還流する流れである。ウォータポンプWpに還流した冷却水は、再び該ポンプWpにより吐出され、上述の冷却サイクルで内燃機関Eの冷却部とオイルクーラOc冷却部に循環供給される。
この冷却水供給のための特徴的な構造は、暖機運転時の循環冷却水がラジエータRを経由しないことから暖められた水温を保つので内燃機関Eの暖機運転における暖機性能を向上させることができ、機関Eの暖機運転時間の短縮を図る利点がある。また、暖機運転時にオイルクーラOcへの配管長さが確保されてオイルクーラOc側への冷却水の流れが抑制され、潤滑油の冷却効果を下げることで暖機特性をさらに向上させることができる。
内燃機関Eの暖機運転後の冷却水の流れは、図3−2(b)に図示されるように、ウォータポンプWpの吐出口から吐出された冷却水が、主冷却水通路50を流れて内燃機関Eの冷却部であるシリンダのウォータジャケットE1に供給されるとともに、その一部が主冷却水通路50の途中から分岐した第3の冷却水通路53を流れてオイルクーラOcの冷却部に供給される。(図示白抜き矢印)
主冷却水通路50を流れて内燃機関Eの冷却部に供給された冷却水は、機関Eの冷却部であるウォータジャケットE1内を通過した後、第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aに流れるが、ここで、サーモスタットTsが開の状態であるから、すなわち、サーモスタットTsがバルブを第1の冷却水通路51の下流側通路部51Bに接続する接続部の冷却水取入れ口を開き、バイパスである第2の冷却水通路下流側52aに接続する接続部の冷却水取入れ口を閉鎖するから、前記冷却水の流れは、第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aを流れてラジエータRのアッパータンクR1へと流れる。(図示黒塗り矢印)
ラジエータRのアッパータンクR1で、後述のオイルクーラOcの冷却に供された第3冷却水通路53からの冷却水と合流して、ラジエータR内部のウォータチューブ内を通過して、この間に冷却され、ラジエータロアタンクR2から第1冷却水通路51の下流側通路部51Bを流れて、サーモスタットTsの冷却水取入れ口の開いた口を通してサーモスタットTsの排水側を流れて、ウォータポンプWpに還流され、再び該ポンプWpにより吐出され、上述の冷却サイクルで内燃機関Eの冷却部とオイルクーラOcの冷却部へと循環供給される。(図示白抜き矢印)
一方、主冷却水通路50を流れて該通路50の分岐通路である第3の冷却水通路53に流れた冷却水は、オイルクーラOcの冷却部を通過した後、ラジエータRのアッパータンクR1に流れ込み、機関Eの冷却部を通過して暖められた冷却水の流れに上述のように合流して、機関Eの冷却部通過後の冷却水と一緒になって上述の流れに沿って流れる。
実施例1における冷却水の供給は上述のようなものである。暖機運転後のこの冷却水の流れは、暖められた冷却水の全てがラジエータを経由して循環されるので、高い冷却効率を確保する。
ところで、上述の実施例1におけるサーモスタットケースTs1は、ウォータポンプWpのケーシング部Wp1に一体的に形成されるものとされたが、これに換えて、図4−1ないし図4−4に図示される冷却水供給構造とすることができ、この冷却水供給構造は、図4−1に図示されるような内燃機関Eの構造と関連付けられた冷却水供給通路を備えるものであり、特徴的にはサーモスタットケースTs1をラジエータRの構造部と一体的に形成する、つまりラジエータコアR3形成材の一部にサーモスタットケースTs1を一体的に形成するものである。なお、図4−1に図示される冷却水の流れは暖機運転後の状態を示すものである。
この実施例2における冷却水通路の構造は、冷却水供給通路と内燃機関Eの構造との関連を示す斜視図である図4−1と、冷却水供給系統図である図4−2と、さらに図4−3,図4−4に図示される車両の側面視を参照して説明されるが、基本的には実施例1と同じ冷却系統と機能を備え、既述のようにサーモスタットケースTs1がラジエータRの構造部と一体的に形成されるから、これに伴い冷却水供給通路の一部が変更されているものである。
つまり、冷却水供給系統図である図4−2に図示されるように、該図においてサーモスタットTsがラジエータRに一体的に形成されており、第1冷却水通路51の上流側通路部51Aの途中から分岐するバイパスである第2冷却水通路52が、実施例1においては内燃機関Eの右側に配設されていたが、本実施例2においては内燃機関Eの左側でかつラジエータRに近接して分岐配設される構造を備える。なお、この構造変更は、実施例1における冷却水供給系統の基本構造を何ら変えるところでないので、本実施例2における暖機運転時と暖機運転後における冷却水の流れは図4−2(a)と図4−2(b)に図示されるように実質的に実施例1と変わるところでなく、その説明は省略される。
そして、この実施例2における冷却水通路の具体的な配管構造は車両の側面視を図示する図4−3,図4−4において部分的に見ることができる。これらの図には、ラジエータRと、ラジエータRのアッパータンクR1に接続される第1冷却水通路51の上流側通路部51Aと、この通路部51Aの途中から分岐してラジエータRと一体的に形成されたケース部Ts1を備えるサーモスタットTsに接続される第2冷却水通路部52と、ラジエータRの内部のウォータチューブに該サーモスタットTsを介して連通するためにその一端が該サーモスタットTsに接続され他端がウォータポンプWpに接続される第1の冷却水通路51の下流側通路部51Bが図示されている。
また、ウォータポンプWpと、オイルクーラOcが図示され、ウォータポンプWpの吐出口から内燃機関Eの冷却部であるシリンダのウォータジャケットE1に冷却水を供給するとともに、該冷却水をオイルクーラOcの冷却部への分岐通路である第3の冷却水通路53に供給する主冷却水通路50等が部分的に図示されている。
さらに、別の実施例3として、図5−1ないし図5−4に図示される冷却水供給構造とすることができ、この冷却水供給構造は、サーモスタットケースTs1をラジエータRとウォータポンプWp間の冷却水通路部51B上に配置しかつ該ケースTs1を明確には図示されないが車体フレーム10の一部もしくは機関Eの一部に固定するものであり、サーモスタットTsをラジエータRやウォータポンプWpとは全く別体とする構造を特徴としており、この構造は、内燃機関Eの構造に関連付けられた冷却水供給通路が斜視図で示される図5−1と、冷却水供給系統図である図5−2と、さらに、図5−3,図5−4に図示される車両の側面視を参照して説明される。なお、図5−1に図示される冷却水の流れは暖機運転後の状態を示すものである。
この実施例3も基本的には実施例1と同じ冷却系統と機能を備え、既述のようにサーモスタットケースTs1がラジエータRとウォータポンプWp間の冷却水通路部51B上に配置されかつ車体フレーム10の一部もしくは機関Eの一部に固定されるものであり、このサーモスタットTsはラジエータRやウォータポンプWpとは別体構造とされるから、これに伴い冷却水通路の経路構造が一部変更されている。
この実施例3における冷却水通路の経路は図5−2に図示されるように、サーモスタットケースTs1が第1冷却水通路51の下流側通路部51B上に配置され、第1冷却水通路51の上流側通路部51Aの途中から分岐するバイパスである第2冷却水通路52が実施例1においては内燃機関Eの右側に配設されているのに対し、この実施例3においては第2の冷却水通路52は内燃機関Eの左側に配設されている。
そして、冷却水通路52は、第1の下流側通路部51B上のサーモスタットTsに接続されるから、その接続位置はラジエータRやウォータポンプWpから離れた位置においてなされている。なお、この構造変更は、実施例1における冷却水供給系統の基本構造を何ら変えるものではないから、実施例3における暖機運転時と暖機運転後における冷却水の流れは図5−2(a)と図5−2(b)に図示されるように実質的に実施例1と変わるところでなく、その説明は省略される。
そして、車両の側面視が図示される図5−3,図5−4には、ラジエータRと、ラジエータRのアッパータンクR1に接続される第1冷却水通路51の上流側通路部51Aと、ラジエータRのロアタンクR2に接続され、ラジエータRとウォータポンプWpを接続する第1の冷却水通路51の下流側通路部51Bと、この通路部51B上に配置されたサーモスタットケースTs1が図示されている。
また、このサーモスタットケースTs1に接続される前記第1冷却水通路51の上流側通路部51Aの途中から分岐する第2の冷却水通路52と、ウォータポンプWpと、オイルクーラOcと、ウォータポンプWpの吐出口から内燃機関Eの冷却部であるシリンダのウォータジャケットE1とオイルクーラOcの冷却部への分岐通路である第3の冷却水通路53へ冷却水を供給する主冷却水通路50等がそれぞれ部分的に図示されている。
ここで、本発明の上述の実施例における機関の冷却における作用効果上の有利性を参考例との比較において簡単に説明する。なお、本発明の各実施例はサーモスタットTsの取付け構造を異にするが、冷却水供給系統においては本質的な差異はないからここでは実施例3(図5−2)が代表例とされて比較がなされる。
図6−1に図示される冷却水供給系統である参考例においては、内燃機関Eの始動時の暖機運転時には図6−1(a)に図示されるように、主冷却水通路50から機関Eの冷却部に供給された冷却水は(図示白抜き矢印)、機関Eの冷却部を通過後第1冷却水通路51の上流側通路部51Aを流れるがサーモスタットTsが閉じているのでラジエータR側には流れることなく、分岐冷却水通路(バイパス)である第2の冷却水通路52へと流れ、直接ウォータポンプWpへと還流される(図示斜線示矢印)。
また、主冷却水通路50から分岐した第3の冷却水通路53であるオイルクーラOcへの流れは(図示白抜き矢印)、オイルクーラOcの冷却部通過後、第1冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bに直接流れてウォータポンプWpへと還流する(図示斜線示矢印)。
暖機運転後は、図6−1(b)に図示されるように、主冷却水通路50から機関Eの冷却部に供給された冷却水(図示白抜き矢印)は、機関Eの冷却部を通過後第1冷却水通路51の上流側通路部51Aを流れ、サーモスタットTsが開かれているので該通路部51AをながれてラジエータRのアッパータンクR1に供給され(図示黒塗り矢印)、ラジエータRの内部のウォータチューブ内を通過してロアタンクR2から第1冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bを流れウォータポンプWpへと還流する(図示白抜き矢印)。
また、主冷却水通路50から分岐したオイルクーラOcへと流れた冷却水(図示白抜き矢印)は、オイルクーラOcの冷却部通過後、前記第1冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bに直接流れて(図示黒塗り矢印)、ここでラジエータRを通過した冷却水の流れと合流してウォータポンプWpに還流する。
このものにおいては、内燃機関Eの暖機時の機関Eへの冷却水と、オイルクーラOcへの冷却水は、ラジエータRを経由することがないので、冷却水の水温は比較的早く昇温するので暖機運転時間が短縮され、暖機特性は優れたものとなる。しかし、機関Eの暖機運転後は、オイルクーラOcで暖められた冷却水がラジエータRを経由せずウォータポンプWpに還流し、機関E内を循環するため冷却水による冷却効果がその分悪化することになる。
また、図6−2に図示される冷却水供給系統の参考例においては、内燃機関Eの暖機運転時には、図6−2(a)に図示されるように、主冷却水通路50から機関Eの冷却部に供給された冷却水(図示白抜き矢印)は、機関Eの冷却部を通過後、第1の冷却水通路51の上流側通路部51Aを流れるがサーモスタットTsが閉じているのでラジエータR側には流れることなく、分岐冷却水通路である第2の冷却水通路52へと流れ、直接ウォータポンプWpへと還流される(図示斜線示矢印)。
また、主冷却水通路50から分岐した第3の冷却水通路53であるオイルクーラOcへの流れ(図示白抜き矢印)は、オイルクーラOcの冷却部通過後、ラジエータRのアッパータンクR1へと流れて(図示斜線示矢印)、ラジエータRの内部のウォータチューブ内を通過して第1冷却水通路51のラジエータ下流側通路部51Bに流れてウォータポンプWpへと還流する(図示白抜き矢印)。
暖機運転後は、図6−2(b)に図示されるように、主冷却水通路50から機関Eの冷却部に供給された冷却水(図示白抜き矢印)は、機関Eの冷却部を通過後第1冷却水通路51の上流側通路部51Aに流れ、サーモスタットTsが開いていることから該通路部51Aを流れてラジエータRのアッパータンクR1へと流れる(図示黒塗り矢印)。
また、主冷却水通路50から分岐した第3の冷却水通路53を流れて(図示白塗り矢印)、オイルクーラOcの冷却部を通過した冷却水はラジエータRのアッパータンクR1に流れて(図示黒塗り矢印)、ここで2つの流れは合流して、ラジエータRの内部のウォータチューブ内を通過してロアタンクR2から第1の冷却水通路51のラジエータ下流側通路部R2を流れ、ウォータポンプWpへと還流する(図示白抜き矢印)。
このものにおいては、暖機途上でも、オイルクーラOcに流れた冷却水は、オイルクーラOcの冷却部通過により暖められるが、ラジエータRのアッパータンクR1からラジエータRの内部のウォータチューブ内を通過して、ラジエータロアタンクR2からウォータポンプWpに還流するから、冷却水の温度上昇が抑制され、その分暖機運転時間が長くなり、暖機特性が悪い。したがって、暖機特性向上のためには、オイルクーラOcの冷却通路にサーモバルブを設ける等の対策が必要とされる。
しかし、暖機運転後は、オイルクーラOcで暖められた冷却水もラジエータRを経由するので冷却性能は優れたものとなる。そのため、オイルクーラOcとラジエータRの小型を図ることができる。
上述の図6−1,図6−2に図示される冷却水供給系統の参考例に対して、図6−3(実施例3の冷却水供給系統(図5−2参照))に図示される本発明の実施例の代表例における冷却水供給系統によれば、暖機途上(サーモスタット閉)においては、図6−3(a)に図示されるように、内燃機関Eの冷却部を通過した冷却水(図示斜線示矢印)が循環しており、暖機特性に優れる。オイルクーラOcに冷却水が流れても、ラジエータR内部のウォータチューブ内には流れ込まないので暖められた冷却水(図示斜線示矢印)の水温はそのまま維持され、水温の低い冷却水循環による暖機運転時の悪影響はないから、暖機特性は良好であり暖機運転時間の短縮化が図られる。
また、暖機運転後は、図6−3(b)に図示されるように、機関Eの冷却部通過後の暖められた冷却水(図示黒塗り矢印)と、オイルクーラOcの冷却部通過後の暖められた冷却水(図示黒塗り矢印)がラジエータR上流側で合流してラジエータR内部のウォータチューブ内を通過して冷却され、ウォータポンプWpに還流する(図示白抜き矢印)から、冷却性能が良く、また、サーモスタットTsによるボトムバイパス入り口制御採用に伴い、サーモスタットTs作動水温付近での水温の安定化が図られる。
結局、本発明の実施例においては、オイルクーラOcの出口をバイパス通路である第2冷却水通路52の接続点下流の主冷却水通路である第1冷却水通路51(より具体的には51A)に接続するから、サーモスタットTsの開弁時には、オイルクーラOc側冷却水は直接バイパス通路接続点下流の主冷却水通路に合流するため、オイルクーラOc側冷却水通路接続転換の主冷却水通路の冷却推量を冷却部が必要とする流量以上に確保する必要がない。また、サーモスタットTsの閉弁時には、上記のとおり、必要とする流量のみ主冷却水通路である第1冷却水通路51における容量を確保すればよいので、冷却水の流速を緩やかにでき、暖気特性を向上させることができる。
本発明は上述した構造を備えるから、以下のような作用効果を奏する。
暖機運転時の冷却水は全てラジエータRを経由することなくウォータポンプWpに還流されて循環されるから、暖機性能の向上が図られる。また、暖機運転後は全ての冷却水がラジエータRを経由して冷却され、ウォータポンプWpに還流されて循環されるので、高い冷却性能が確保される。
内燃機関Eの冷却部へ冷却水を供給する主冷却水通路50から分岐してラジエータRの上流側に接続されるオイルクーラOc専用の第3の冷却水通路53が設けられ、この冷却水通路53を流れる冷却水がオイルクーラOcの冷却部を通過して潤滑油が冷却され、暖機運転時には該冷却水はラジエータRを経由することなくウォータポンプWpに還流されて循環されるから暖機特性が向上される。また、オイルクーラOcへの冷却水通路の配管長さの確保は、暖機運転時においてオイルクーラOc側への冷却水の流れを抑制するので潤滑油の冷却効率を下げ、結果として暖機特性が向上される。
サーモスタットTsを収容するサーモスタットケースTs1をウォータポンプケースWp1と一体的に形成するものにおいては、これらケースの一体化により部品点数の削減と、省スペース化が図られる。また、集合部下流の配管が必要ないため配管長さの短縮化を図ることができ、冷却装置構造部の軽量化につながる。
サーモスタットTsを収容するサーモスタットケースTs1をラジエータRの構造部と一体的に形成するものにおいては、ケースの一体化により部品点数の削減と、省スペース化が図られ、また、バイパス通路である第2の冷却水通路52の長さを短縮できるので、冷却装置構造部の軽量化を図ることができる。
サーモスタットTsを収容するサーモスタットケースTs1をラジエータRとウォータポンプWp間を接続する第1の冷却水通路51の下流側通路部51B上で、かつラジエータRとウォータポンプWpと別体に形成するものにおいては、サーモスタットTsおよびそのケースTs1を複数の機種で共用部品とできるため、コストの削減が可能となる。また、サーモスタットTsの固定位置を任意の個所に、つまり内燃機関Eまたは車両の形状に見合った位置に配置できるため汎用性を向上できる。
本発明の冷却装置を備える水冷式内燃機関が搭載された車両の側面図であり、一部が切断面として示された図である。 本発明の内燃機関の主要部を示す側断面図である。 本発明の実施例1を示す図であり、冷却水供給通路が機関の構造に関連付けられて示された斜視図である。 本発明の実施例1における冷却水供給系統を示す図である。 本発明の実施例1における冷却水供給構造が備えられた車両の側面図を示す図である。 本発明の図3−3における主要部を拡大して示す図である。 本発明の実施例2を示す図であり、冷却水供給通路が機関の構造に関連付けられて示された斜視図である。 本発明の実施例2における冷却水供給系統を示す図である。 本発明の実施例2における冷却水供給構造が備えられた車両の側面図を示す図である。 本発明の図4−3における主要部を拡大して示す図である。 本発明の実施例3を示す図であり、冷却水供給通路が機関の構造に関連付けられて示された斜視図である。 本発明の実施例3における冷却水供給系統を示す図である。 本発明の実施例3における冷却水供給構造が備えられた車両の側面図を示す図である。 本発明の図5−3における主要部を拡大して示す図である。 冷却水供給系統の参考例を示す図である。 冷却水供給系統の別の参考例を示す図である。 本発明の実施例の代表例の冷却水供給系統を示す図である。
符号の説明
1・・・クランクケース、1A・・・上部クランクケース、1B・・・下部クランクケース、1a・・・クランク軸、1d・・・メインシャフト、1e・・・カウンタシャフト、11・・・メインフレーム、12・・・ヘッドパイプ、15・・・スイングアーム、50・・・主冷却水通路、51・・・第1冷却水通路、51A・・・上流側通路部、51B・・・下流側通路部、52・・・第2冷却水通路部、53・・・第3冷却水通路部、E・・・内燃機関、E1・・・ウォータジャケット、E2・・・冷却水取入れ口、E3・・・冷却水排水口、Op・・・オイルポンプ、Oc・・・オイルクーラ、R・・・ラジエータ、R1・・・アッパータンク、R2・・・ロアタンク、Ts・・・サーモスタット、Ts1・・・サーモスタットケース、Wp・・・ウォータポンプ、Wp1・・・ポンプケース。

Claims (4)

  1. 冷却水を吐出するウォータポンプと、前記冷却水により内燃機関を冷却する内燃機関の冷却部と、前記冷却水により潤滑油を冷却する潤滑油冷却部と、前記冷却水を冷却するラジエータと、これらを互いに冷却水流通のために連通する複数の冷却水の流通経路と、冷却水の流通経路を所定温度で選択的に切替えるサーモスタットとを備えた内燃機関の冷却装置において、
    前記冷却水流通経路は、冷却水が前記ウォータポンプから吐出され内燃機関の冷却部、ラジエータ、サーモスタットの順で通過して前記ウォータポンプに還流される主冷却経路と、前記ラジエータを迂回するように内燃機関の冷却部の下流及びサーモスタットに接続されるバイパス経路と、潤滑油冷却部を経由する経路の上流側が主冷却経路のウォータポンプ・内燃機関の冷却部間に接続され、下流側が主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・ラジエータ上流間または主冷却経路の内燃機関の冷却部下流・バイパス経路のサーモスタット上流間に接続される潤滑油冷却経路とからなり、
    前記サーモスタットは、前記主冷却経路のラジエータ下流側経路に前記バイパス経路のサーモスタット上流側経路が接続する部分に前記所定温度でこれら経路を選択的に切替えるために配置されていることを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ウォータポンプのケースと一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ラジエータ構造部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記サーモスタットを収容するサーモスタットケースが、前記ラジエータとウォータポンプを接続する冷却水通路上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の冷却装置。
JP2005180647A 2005-06-21 2005-06-21 内燃機関の冷却装置 Expired - Fee Related JP4566073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005180647A JP4566073B2 (ja) 2005-06-21 2005-06-21 内燃機関の冷却装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005180647A JP4566073B2 (ja) 2005-06-21 2005-06-21 内燃機関の冷却装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007002678A true JP2007002678A (ja) 2007-01-11
JP4566073B2 JP4566073B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=37688534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005180647A Expired - Fee Related JP4566073B2 (ja) 2005-06-21 2005-06-21 内燃機関の冷却装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4566073B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2017445A2 (en) 2007-07-17 2009-01-21 HONDA MOTOR CO., Ltd. Cooling device of water-cooled internal combustion engine
JP2009235926A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 車両のエンジン冷却装置
EP2806134A2 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including the same
EP2806133A1 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Motorcycle
EP2806135A2 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including same
JP2019015196A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 スズキ株式会社 鞍乗型車両

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0475129U (ja) * 1990-11-09 1992-06-30
JPH0913966A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Suzuki Motor Corp 内燃機関の冷却装置
JPH11117740A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Toyota Motor Corp 内燃機関
JP2001271644A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Toyota Motor Corp エンジンのオイル温度調節方法及びオイル温度調節装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0475129U (ja) * 1990-11-09 1992-06-30
JPH0913966A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Suzuki Motor Corp 内燃機関の冷却装置
JPH11117740A (ja) * 1997-10-17 1999-04-27 Toyota Motor Corp 内燃機関
JP2001271644A (ja) * 2000-03-24 2001-10-05 Toyota Motor Corp エンジンのオイル温度調節方法及びオイル温度調節装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2017445A2 (en) 2007-07-17 2009-01-21 HONDA MOTOR CO., Ltd. Cooling device of water-cooled internal combustion engine
JP2009041557A (ja) * 2007-07-17 2009-02-26 Honda Motor Co Ltd 水冷式内燃機関の冷却装置
EP2017445A3 (en) * 2007-07-17 2010-01-06 HONDA MOTOR CO., Ltd. Cooling device of water-cooled internal combustion engine
US8118001B2 (en) 2007-07-17 2012-02-21 Honda Motor Co., Ltd. Cooling system for an internal combustion engine in a motorcycle
JP2009235926A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Honda Motor Co Ltd 車両のエンジン冷却装置
EP2806134A2 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including the same
EP2806133A1 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Motorcycle
EP2806135A2 (en) 2013-05-23 2014-11-26 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including same
US9279360B2 (en) 2013-05-23 2016-03-08 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including the same
JP2019015196A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 スズキ株式会社 鞍乗型車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP4566073B2 (ja) 2010-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6561771B2 (ja) 鞍乗型車両
JP4566073B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
US9279360B2 (en) Cooling apparatus for internal combustion engine and motorcycle including the same
JP4700465B2 (ja) 車両用エンジンの冷却装置
JP6601149B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6565526B2 (ja) エンジンのオイル通路構造
TWI334461B (en) Oil passage structure
JP5095462B2 (ja) 車両のエンジン冷却装置
JP6965601B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6347150B2 (ja) 自動二輪車のエンジン冷却装置
JP2005344559A (ja) エンジンの冷却構造
JP4425885B2 (ja) ハウジング
JP6582870B2 (ja) 鞍乗型車両
JP2015027869A (ja) 鞍乗型車両
JP4606830B2 (ja) 内燃機関のオイル温度制御装置
JP6665708B2 (ja) エンジンのオイル通路構造
JP3802752B2 (ja) ハウジング
EP2818663B1 (en) Saddle-type vehicle
JP3824134B2 (ja) ハウジング
JP6763273B2 (ja) 自動二輪車の冷却装置
JP6657774B2 (ja) 鞍乗型車両
JP6582869B2 (ja) 鞍乗型車両
JP2855432B2 (ja) 自動二輪車の潤滑油冷却装置
JP6668681B2 (ja) 鞍乗型車両
JP3835668B2 (ja) ハウジング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071127

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090501

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140813

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees