JP2007001996A - ゲル化剤およびゲル状組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコーンオイル、低極性有機化合物および非極性有機化合物をゲル化できるゲル化剤およびゲル状組成物を提供する。
【解決手段】 ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンからなるゲル化剤および該ゲル化剤とシリコーンオイル、低極性有機化合物または非極性有機化合物とからなるゲル状組成物。
【化1】
Figure 2007001996

[式中、Rは−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)、Xは炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコーンオイル、低極性有機化合物および非極性有機化合物のゲル化剤、および、該ゲル化剤とシリコーンオイル、低極性有機化合物または非極性有機化合物とからなるゲル状組成物に関し、さらに詳細には、塗料、インク、潤滑油 、農産物、水産物、化粧品、医薬品、繊維、樹脂、高分子、ゴム、金属等の分野において用いられるゲル状組成物に関する。
有機液体類をゲル化する機能を有するゲル化剤としては、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、1、2−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソルビトール、アミノ酸誘導体、アミド化合物やウレア化合物等が知られている。しかしこのようなゲル化剤は、シリコーンオイルとの相溶性が低く、該ゲル化剤でシリコーンをゲル化させることはできない。またシリコーンオイルと油脂の両者を同時に安定的にゲル化させるゲル化剤も限られていた。
一方、シリコーンオイル、特に低粘度のシリコーンオイルは、その優れた進展性、さっぱり感、潤滑性、撥水性、安全性等から様々な用途に一般的用いられ、特に化粧品に多く配合されている。しかしながらシリコーンオイルは一般に他の油剤との相溶性が低く、安定性に優れた製品を調製することが困難であった。たとえば、低粘度のシリコーンオイルを基材とするゲル状製品を得るためにワックスを配合しても安定なものは得られず、しかも外観が濁るという問題点があった。また、ワックスの代わりに架橋型シリコーンを使用するとべたつき感が残り、シリコーンオイル本来のさっぱり感が失われるという欠点があった。特許文献1には、シリコーンオイルのゲル化剤としてポリエーテルグラフト型オルガノポリシロキサンが提案されているが、このゲル化剤は適量の水を併用する必要があり、得られるゲル状組成物の感触とその経時安定性において満足できるものではなかった。
特許文献2には、カルボキサミドポリシロキサンの化粧料調製物への使用およびカルボキサミドポリシロキサンの水性エマルジョンの形のスキンケア組成物およびヘアケア組成物が記載されている。しかしながら、該文献には、そのようなカルボキシアミド基含有オルガノポリシロキサンがシリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物のゲル化剤として利用できるとは記載も示唆もされていない。特許文献3には、シリコーンオイルのゲル化剤としてのカルボン酸多価金属塩変性オルガノポリシロキサン及びそれを含有する化粧料が提案されている。しかしながら、該ゲル化剤を用いた場合、ゲル化剤を多量に用いなければ、十分な粘性と弾性率を有するゲルを得ることができないという問題がある。
特開平7−215817号公報 特開平10−158150号公報 特開平8−109263号公報
本発明は、水を併用しなくてもシリコーンオイル、非極性有機化合物および低極性有機化合物をゲル化できるゲル化剤および、熱安定性、経時安定性に優れ、チキソトロピックなレオロジー特性を有するゲル状組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサン
Figure 2007001996
[式中、Rは−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価の炭化水素基、pは0〜10の整数である。]が、シリコーンオイル、低極性有機化合物または非極性有機化合物のゲル化剤として有用であり、
(A)該ゲル化剤 1〜99重量%および
(B)シリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物 99〜1重量%
からなるゲル状組成物が前記課題を解決する上で有用であることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、「〔1〕 ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンからなるゲル化剤。
Figure 2007001996
[式中、Rは−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数である。]
〔2〕 一般式(1)において、Mがアルカリ金属であり、二価炭化水素基Xがアルキレン基である〔1〕に記載のゲル化剤。
〔3〕 一般式(2)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンであることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載のゲル化剤。
Figure 2007001996
[式中、Aは一般式(1)で表される有機基、Rは炭素原子数1〜8の非置換もしくは置換の一価炭化水素基(ただし、一般式(1)で表される有機基を除く)、BはRまたはAから選択される基であり、t=0のとき、Bのうち少なくとも一つはAである。sは10〜100000の整数であり、tは0〜50の整数である。]
〔4〕 一般式(2)において、Rが炭素原子数1〜8のアルキル基であり、sが100〜1000の整数であり、t/(s+t)が0.1〜5%であることを特徴とする〔3〕に記載のゲル化剤。
〔5〕 シリコーンオイル用、非極性有機化合物用または低極性有機化合物用である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のゲル化剤。
〔6〕 シリコーンオイルが疎水性シリコーンオイルである〔5〕に記載のゲル化剤。
〔7〕 (A)〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のゲル化剤 1〜99重量%および
(B)シリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物 99〜1重量%
からなることを特徴とするゲル状組成物
〔8〕 シリコーンオイルが疎水性シリコーンオイルである〔7〕に記載のゲル状組成物。
〔9〕 疎水性シリコーンオイルが揮発性である〔8〕に記載のゲル状組成物。
〔10〕 非極性有機化合物または低極性有機化合物が油脂である、〔7〕に記載のゲル状組成物。
〔11〕 ゲル状組成物の屈折率が1.20〜1.60の範囲にあることを特徴とする〔7〕〜〔10〕のいずれかに記載のゲル状組成物。」に関する。
本発明のゲル化剤は、水を併用しなくてもシリコーンオイル、非極性有機化合物および低極性有機化合物を熱安定性、経時安定性よくゲル化できる。本発明にかかるゲル状組成物はチキソトロピックなレオロジー特性を有し、熱安定性、経時安定性に優れている。
本発明のゲル化剤は、ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とする。
Figure 2007001996
一般式(1)において、Rは−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)であり、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数を表す。二価炭化水素基Xはアルキレン基が一般的であり、中でも炭素原子数2〜6のアルキレン基が好ましく、エチレン基またはプロピレン基が特に好ましい。pは0と1が好ましい。一般式(1)で表される有機基としては、下式で表される有機基が例示される。式中、Mは一価以上の金属であり、nはMの原子価を表す。
Figure 2007001996
かかるケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、下記式(3)または式(4)で示されるシロキサン単位を少なくとも1つ含むものである。
Figure 2007001996
Figure 2007001996
式(3)、式(4)において、R,R,X,pは前記と同様である。
本発明のゲル化剤は、さらに式RSiO1/2,RSiO2/2,RSiO3/2およびSiO4/2で示されるシロキサン単位の1種〜4種を含んでも良い。式中、Rは炭素原子数1〜8の非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;アラルキル基が例示される。置換一価炭化水素基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、3,3,4,4,4−ペンタフロロブチル基などのパーフルオロアルキル基;3−アミノプロピル基、3−(アミノエチル)アミノプロピル基等のアミノアルキル基;アセチルアミノアルキル基等のアミドアルキル基(ただし、一般式(1)で表される有機基は除く)が例示される。また、Rの一部がアルコキシ基で置換されていてもよく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が例示される。Rは、これらの中でもアルキル基、特にメチル基が一般的に用いられる。
ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、式(3)または(4)で示されるシロキサン単位を1分子中に少なくとも1つ含むが、本発明の目的であるゲル化性能の見地から、2つ以上含むことが好ましい。さらに該オルガノポリシロキサンはゲル化能の点から、一般式(3)または(4)で表されるシロキサン単位を0.1〜50モル%含むことが好ましく、0.5〜30モル%含むことが特に好ましい。
ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、1分子中に一般式(1)で表される有機基を少なくとも一個有するが、本発明の目的であるゲル化性能の見地から、二個以上含有することが好ましく、一般式(1)で表される有機基を0.5重量%以上含有することが好ましく、1.0重量%以上含有することが特に好ましい。該オルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。また、一般式(1)で表される有機基の結合位置は特に制限がなく、該オルガノポリシロキサンが直鎖状または分岐状構造であるとき、その結合位置は分子鎖末端または側鎖のいずれでもよいが、側鎖が好ましい。
ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンの代表例としては、一般式(2):
Figure 2007001996
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上式中、Rは前記どおりであり、
Aは一般式(1)で表される有機基であり、BはRまたはAであり、t=0のとき、Bのうち少なくとも一つはAである。sは10〜100000の整数であり、100〜10000が好ましい。tは0〜50の整数であり、1〜30が好ましい。また、t/(s+t)は0.1〜5%であることが好ましく、0.1〜3%がより好ましい。ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、常温で微濁〜白濁した粘稠な液体またはペースト状または固体であり、常温でペースト状または固体であることが好ましい。
ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、一般式(5)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンと下記一般式(6)で表される金属化合物とを反応させることで製造することができる。
Figure 2007001996
(式中、Rは−COOHで表されるカルボキシル基もしくは−COORで表されるカルボン酸エステル基、Rは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数である。)
(Mn+)j(Lj-)n (6)
(式中、Mは一価以上の金属、Lは酸素原子、またはアニオンを示し、nはMの原子価、jはLの価数を示す。)
上記一般式(5)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンの合成方法としては、周知のアミノ官能性オルガノポリシロキサンと環状カルボン酸無水物とを反応させる方法が好ましく用いられる。
アミノ官能性オルガノポリシロキサンは、2価炭化水素基を介してケイ素に結合したアミノ基を有するオルガノポリシロキサンであり、ケイ素原子に結合した一般式(7)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンが例示される。
Figure 2007001996
(式中、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数を表す。pは0と1が好ましく、二価炭化水素基Xはアルキレン基が一般的であり、中でも炭素原子数2〜6のアルキレン基が好ましく、エチレン基またはプロピレン基が特に好ましい。)
環状カルボン酸無水物としては、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アリルコハク酸無水物、フタル酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物が例示される。これらの中でも、ゲル化性能とゲル状組成物の透明性の点からコハク酸無水物が好ましい。アミノ官能性オルガノポリシロキサン中のアミノ基と環状カルボン酸無水物間のアミド化反応は公知であり、無溶媒または適当な溶媒存在下で発熱的に進行する。前者中のアミノ基と後者のカルボン酸無水物とのモル比はアミド基とカルボキシル基が生成しさえすれば任意であるが、アミノ基の残存量が多すぎるとゲル状組成物のべたつきが増し、ゲル化性能も低下するため、カルボン酸無水物/アミノ基=0.5〜1の範囲が好ましく、0.9〜1の範囲がさらに好ましい。
前記の方法で合成された一般式(5)で表される有機基としては、下式で表される有機基が例示される。
Figure 2007001996
一般式(5)で表される有機基の末端カルボキシル基もしくは末端カルボン酸エステル基を、式−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)を含む一般式(1)で表される有機基に変換する際には、 一般式(6):(Mn+)j(Lj-)nで表される金属化合物が用いられる。Mは一価以上の金属を表し、Lは酸素原子、またはアニオンを示し、nはMの原子価、jはLの価数を示す。Mで表される金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉄、コバルト、アルミニウム、ニッケル、銅、バナジウム、モリブデン、ニオブ、亜鉛、チタン等が挙げられる。本発明にかかるゲル化剤を用いて生成したゲル状組成物の透明性、ゲル状組成物の安定性の面から、金属はナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ土類金属およびアルミニウムが好ましい。一価のアルカリ金属を用いることにより、生成したゲル状組成物の流動性が温度により可逆的に変化する特性を示すことから、ナトリム、カリウムが特に好ましく用いられる。また、金属塩以外、例えば、アミノアルコール塩を有する有機基のみを有するオルガノポリシロキサンを用いた場合、耐熱性が低く、ゲル化剤自体及びゲル化剤を用いた化粧料を製造する際に、110度以上の温度で数時間維持されると脱水反応が起き、冷却した際に所望のゲル化能を発揮できないという問題がある。
かかる金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化銅、水酸化亜鉛等の金属水酸化物;メトキシリチウム、メトキシナトリウム、メトキシカリウム、エトキシリチウム、エトキシナトリウム、エトキシカリウム、t−ブトキシカリウム等の金属アルコラート;フェノキシリチウム、フェノキシナトリウム、フェノキシカリウム、パラメトキシフェノキシナトリウム等のアルカリ金属アリーラート;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、n-ブチルナトリウム、n-ブチルカリウム、ジエチル亜鉛等のアルキル金属;フェニルリチウム、フェニルナトリウム、カリウムナフタレニド等の非置換もしくは置換のアリールアルカリ金属;フッ化銅、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化銅、四塩化チタニウム、臭化カルシウム、臭化アルミニウム、臭化マグネシウム、臭化亜鉛、臭化鉄等の金属ハロゲン化物;酸化マグネシウム、酸化銅、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸銅等の炭酸金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸アルミニウム等の硫酸金属が挙げられる。これらの中でも、反応性、コスト、作業性の点から金属水酸化物、金属アルコラート、金属ハロゲン化物が好ましい。
一般式(6)で表される金属化合物は直接カルボン酸もしくはカルボン酸エステル変性オルガノポリシロキサンに反応させることができるが、カルボン酸もしくはカルボン酸エステルと金属化合物とを反応させ、金属塩を形成させてから異種の金属化合物と反応させることもできる。一般式(6)で表される金属化合物とのカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸の一価および/または多価金属塩との反応条件は、反応させる金属化合物に依存するために一概には規定できないが、金属化合物の反応性を考慮しながら適当な溶媒に分散させて反応させても良い。
前記の式−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)を含む一般式(1)で表される有機基の形成反応は、通常、室温〜100℃程度の温度で容易に進行する。一般式(5)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンに含まれるカルボキシル基もしくはカルボン酸エステル基と一般式(6)で表される金属化合物との反応のモル比は任意であるが、カルボキシル基もしくはカルボン酸エステル基/該金属化合物のモル比は0.1〜5.0の範囲にあることが好ましく、0.4〜2.0の範囲がさらに好ましい。反応のモル比が前記上限を超えると、得られる一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンが十分なゲル化性能を発揮できず、前記下限未満では、特に塩基性の金属化合物を反応に用いた場合、系が強アルカリ性となってオルガノポリシロキサンのシロキサン結合が切断される可能性があり、生成したゲルの安定性が低下するためである。
また、一般式(5)で表される有機基の末端カルボキシル基もしくは末端カルボン酸エステル基の一部のみを一般式(6):(Mn+)j(Rj-)nで表される金属化合物により中和して、一般式(1)で表される有機基に変換することができる。また、これにより、得られるゲル状組成物の柔らかさを調整することができる。例えば、一般式(5)で表される有機基の末端カルボキシル基もしくは末端カルボン酸エステル基に対して80%の中和量の一般式(6):(Mn+)j(Rj-)nで表される金属化合物を加えることにより、一般式(1)で表される有機基と一般式(5)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンを調製することができる。該オルガノポリシロキサンを用いて得られたゲルは、100%の中和量の一般式(6):(Mn+)j(Rj-)nで表される金属化合物を加えて調製した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンを用いて得られたゲルに比較して、柔らかい感触を有する。
一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンは、加熱下でシリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物とよく混合してから室温まで冷却すると、ゲル化する性質を有するので、シリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物のゲル化剤として好適である。
さらに、一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの極性有機化合物に対するゲル化性能が低いので、この性質を利用してゲル状物を調製することも可能である。即ち、シリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物と極性有機化合物を混合し、該混合中に一般式(5)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンと一般式(6)で表される金属化合物とを塩形成反応させて液状の反応混合物を調製してから、該極性有機化合物を減圧留去することにより、ゲル状組成物を得ることができる。
本発明のゲル状組成物は、
(A)一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサン 1〜99重量% および
(B)(A)成分以外のシリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物 99〜1重量%からなる。
本発明のゲル状組成物において、(A)成分は(B)成分のゲル化剤として作用する。(B)成分のシリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物はそれぞれ単独で使用してもよく、シリコーンオイル、非極性有機化合物および低極性有機化合物の2〜3からなる混合物を使用してもよい。(A)成分と(B)成分の比率は、(A):(B)=1〜99:99〜1重量%の範囲であるが、2〜40:98〜60重量%の範囲が好ましく、2〜30:98〜70重量%の範囲がより好ましい。
シリコーンオイルは、(A)成分に該当するものを含むものではなく、その構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、ゲル化しやすさの点で疎水性シリコーンオイルであることが好ましく、25℃における粘度は、通常、0.65〜100000mm/sの範囲であり、0.65〜10000mm/sの範囲が好ましい。具体的には、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状ジオルガノポリシロキサン;ヘキサメチルジシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン等の直鎖状ジオルガノポリシロキサン、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状オルガノポリシロキサンなどが挙げられ、これらの中でも、揮発性の直鎖状ジメチルポリシロキサン,分岐状メチルポリシロキサンおよび環状ジメチルポリシロキサンが好ましく、特には、デカメチルシクロペンタシロキサンが好適である。
非極性有機化合物または低極性有機化合物としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、メシチレン、流動パラフィン,ワセリン,n−パラフィン,イソパラフィン,イソドデカン、水素化ポリイソブチレン、オゾケライト,セレシン,スクワラン,プリスタン等の炭化水素類;アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤシ油等の植物性油脂類;ミンク油,卵黄油,牛脂,豚脂,硬化油等の動物性油脂類;ミツロウ,カルナウバロウ,鯨ロウ,ラノリン,液状ラノリン,還元ラノリン,硬質ラノリン,カンデリラロウ,ホホバ油,マイクロクリスタリンワックス等のロウ類;パルミチルアルコール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール,ラノリンアルコール,コレステロール,フィトステロール,2-ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2-オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオイレイン酸プロピレングリコール,モノステアリン酸グリセリル,モノオレイン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン等のエステル油類;液状脂肪酸トリグリセライド、人工皮脂(スクワランと液状脂肪酸トリグリセライドとオレイン酸の混合物)が例示される。
本発明のゲル状組成物の調製方法としては、(A)成分と(B)成分を混合する方法、一般式(5)で表されるカルボン酸もしくはカルボン酸エステルとを一分子中に少なくとも一個有するオルガノポリシロキサンと一般式(6)で表される(Mn+)j(Rj-)nと(B)成分を混合して、(B)成分中で該オルガノポリシロキサンと金属化合物とを塩形成反応させる方法、あるいは溶媒中で塩形成反応させる方法などが挙げられる。本発明のゲル状組成物は常温でゲル状であり、(A)成分の化学構造によってゲル化性能が変化するので一概には言えないが、50℃以上の高温下では一般に液状を呈する。
本発明のゲル状組成物が常温で液状化しない範囲であれば、水や、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどの低級アルコール類、フェノール類、アミン類、カルボン酸類等の極性液状有機化合物を添加配合してもよい。
(A)成分と(B)成分とからなるゲル状組成物は、(A)成分に含まれる一般式(1)で表される有機基、特に一価または多価金属塩の種類と含有率、(A)成分中のケイ素結合炭化水素基の種類および(B)成分の種類を調節することにより、透明性に優れたゲル状組成物を得ることができる。すなわち、(A)成分に含まれる一般式(1)で表される有機基のXの種類、pの数および/または金属イオンMn+の種類を選択すること、または(B)成分として外観が無色透明で濁りのないシリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物を選択することにより、外観が透明なゲル状組成物を得ることができる。外観が透明なゲル状組成物を得るためには、(A)成分が一般式(1)において、Xがアルキレン基であり、pが0または1であり、金属イオンMn+がナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)のようなアルカリ金属イオン、またはマグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)のようなアルカリ土類金属イオンである有機基を有するメチルポリシロキサンであり、(B)成分が25℃における粘度が0.65〜10,000mm/sであるジメチルポリシロキサンまたはメチルポリシロキサンであることが好ましい。(B)成分として外観が透明なゲル状組成物としては、ゲル状組成物の屈折率が1.20〜1.60の範囲にあることが好ましく、1.25〜1.45の範囲にあることが特に好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例と比較例中、Meはメチル基を表す。
[屈折率]
ゲル状組成物の屈折率は、ERMA社製アッベ屈折率(型番ER−1)を用い、温度25℃で測定した。
[粘弾性]
動的粘弾性試験装置[レオメトリック社製ダイナミックアナライザーRDA−700]を用いて、歪を一定に保ち周波数(f)を変化させ、ゲル状物の貯蔵弾性率G’と粘性率ηとを測定した。測定条件は以下の通りであった。
サンプルの直径:25mm
サンプル厚:1mm
歪:20%
周波数(f):0.1Hzから80Hz
[実施例1]
平均構造式:
Figure 2007001996
で表されるジメチルシロキサン・メチル(3−アミノプロピル)シロキサンコポリマー30グラム(NH基:11.0ミリモル)と無水コハク酸1.10グラム(11.0ミリモル)をイソプロピルアルコール36グラム中で混合して、30〜35℃で5時間攪拌した。赤外吸光(IR)分析の結果、カルボン酸無水物の特性吸収が消失し、アミド基およびカルボキシル基の特性吸収が確認されたことにより、平均構造式:
Figure 2007001996
で表される有機変性メチルポリシロキサンが生成していることが分かった。次いで、この反応生成物に、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液2.2グラム(10.8ミリモル)を添加して、25℃で30分間反応させた。次いで、ヘキサンを投入して均一溶液にした後で、低沸点成分を加熱減圧下で留去したところ、白色固体状物が得られた。IR分析の結果、該白色固体状物は、平均構造式:
Figure 2007001996
で示されるケイ素原子に結合した有機基の末端にカルボン酸のナトリウム塩を有する有機変性メチルポリシロキサンであることが判明した。得られた白色固体状物2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、冷却したところ透明な硬いゲル状組成物が得られた。このゲル状組成物は、室温で3ヶ月以上安定にゲル状を維持していた。このゲル状組成物の屈折率は1.3970であった。
[実施例2]
平均構造式:
Figure 2007001996
で表されるジメチルシロキサン・メチル(3−(2−アミノエチル)アミノプロピル)シロキサンコポリマー10グラム(NH基:2.82ミリモル)とイソプロピルアルコール20グラム中に0.28グラム(2.82ミリモル)の無水コハク酸を投入して窒素気流下に30〜40℃で5時間攪拌した。赤外吸光(IR)分析の結果、カルボン酸無水物の特性吸収は消失し、ケイ素原子に結合した有機基の末端にカルボキシル基を有する有機変性メチルポリシロキサンが生成していることが分かった。次いで、この反応生成物を室温まで冷却した後、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液0.56グラム(2.79ミリモル)を添加して、室温で30分間反応させた。次いで、ヘキサンを投入して均一溶液にした後で、低沸点成分を加熱減圧下で留去したところ、白色固体状物が得られた。IR分析の結果、該白色固体状物は、平均構造式:
Figure 2007001996
で示されるケイ素原子に結合した有機基の末端にカルボン酸のナトリウム塩を有する有機変性メチルポリシロキサンであることが判明した。得られた白色固体状物2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、冷却したところ透明な硬いゲル状組成物(ゲル化剤量:10重量%)が得られた。同様に、得られた白色固体状物1.5gとデカメチルペンタシクロシロキサン18.5gを90℃で攪拌し、冷却したところ、ゲル化剤量が10重量%のゲル状組成物と比べて柔らかい感触のゲル状組成物(ゲル化剤量:7.5重量%)が得られた。これらのゲル状組成物の屈折率は1.3980であった。
[実施例3]
実施例2において、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液の代わりに水酸化カリウムの20重量%水溶液0.784グラム(2.79ミリモル)を添加する以外は同様の条件で反応と混合を行って、下記平均構造式で表される有機変性メチルポリシロキサンの白色固体を得た。
平均構造式:
Figure 2007001996
上記で得た有機変性メチルポリシロキサン2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、室温に冷却したところ透明なゲル状組成物が得られた。このゲル状組成物の透明感は、実施例2で得たナトリウム塩タイプよりも透明感に優れ、柔らかいゲル感触を示した。このゲル状組成物も室温で3ヶ月間放置しても透明なゲル状を保っており、安定性が良好であった。このゲル状組成物の屈折率は1.3981であった。
[実施例4]
実施例2において、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液の代わりにナトリウムメトキサイドの28重量%水溶液0.54g(NaOCH;2.79ミリモル)を添加する以外は同様の条件で反応と混合を行って、下記平均構造式で表される有機変性メチルポリシロキサンの白色固体を得た。
平均構造式:
Figure 2007001996
上記で得た有機変性メチルポリシロキサン2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、室温に冷却したところ透明なゲル状組成物が得られた。
[実施例5]
実施例2において、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液の添加量を0.50グラム(NaOH;2.51ミリモル、末端カルボキシル基の中和量に対して90%量のモル数)に変えた以外は同様の条件で反応と混合を行って、下記の平均構造式(i)〜平均構造式(iv)で表される有機変性メチルポリシロキサンの混合物である白色固体を得た。
平均構造式:
Figure 2007001996
上記で得た有機変性メチルポリシロキサン2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、室温に冷却したところ透明なゲル状組成物が得られた。このゲル状組成物を実施例2で調製したゲル状組成物と比較すると柔らかい感触を示した。またこのゲル状組成物の屈折率は1.3980であった。
[実施例6]
実施例1で得られたケイ素原子に結合した有機基の末端にカルボン酸のナトリウム塩を有する有機変性メチルポリシロキサン10g、イソプロピルアルコール10g、水5g、塩化カルシウム0.33gを混合し、60℃で4時間加熱攪拌した。この反応溶液にヘキサン200g、水を加え生成した無機塩を洗浄除去した。その後、有機層を除去することにより、下記の平均構造式で表される有機変性メチルポリシロキサンの白色固体を得た。得られた白色固体2gとデカメチルペンタシクロシロキサン18gとを90℃で攪拌し、室温に冷却したところ透明な硬いゲル状組成物が得られた。このゲル状組成物は、室温で3ヶ月以上安定にゲル状を維持していた。このゲル状組成物の屈折率は1.3978であった。
平均構造式:
Figure 2007001996
[実施例7]
(A)成分として実施例2で得られたゲル化剤と(B)成分として両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(6mm/s),トルエン,ヘキサン,イソパラフィン,イソドデカンのいずれかとを90℃で攪拌し、室温に冷却してゲル状組成物を調製した結果を表1および表2に示した。
なお、表中の数字は重量%を指し、ゲル状組成物の外観の◎は透明ゲル、○は柔らかい透明ゲルをそれぞれ示す。
Figure 2007001996

Figure 2007001996
[比較例1]
平均構造式:
Figure 2007001996
で表されるジメチルシロキサン・メチル(3−(2−アミノエチル)アミノプロピル)シロキサンコポリマー5グラム(NH基:2.52ミリモル)と無水コハク酸0.25グラム(2.52ミリモル)をエタノール5グラム中で混合して、30〜35℃で2時間攪拌した。IR分析の結果、カルボン酸無水物の特性吸収が消失し、アミド基およびカルボキシル基の特性吸収が確認されたので反応を終了し、20gのデカメチルシクロペンタシロキサンを投入した。次いでエタノールを加熱減圧下で留去することにより、低粘度の液体が得られた。この液体は、平均構造式:
Figure 2007001996

で示される有機変性メチルポリシロキサンとデカメチルシクロペンタシロキサンの混合物であり、上記の有機変性メチルポリシロキサン濃度は20重量%であった。この混合物を室温(25℃)まで冷却したが液状であり、ゲル状物は得られなかった。
[実施例8]
実施例1、実施例2、実施例3で調製したゲル状組成物の粘弾性データを測定した結果を図1に示した。図中、fは周波数(Hz)、G´は貯蔵弾性率、ηは粘性率をそれぞれ表す。
図1より、周波数を上昇させるとゲル組成物の粘性率(η)が減少し、チキソトロピックな粘弾性特性を示すことが分かった。また実施例のゲル状組成物は貯蔵弾性率(G´)が高く、ゲル化能に優れていることがわかった。
本発明のゲル化剤は、シリコーンオイル、特に疎水性シリコーンオイル、非極性有機化合物および低極性有機化合物のゲル化剤として有用である。さらに、本発明のゲル状組成物は、液状やペースト状の各種工業用品、医薬品、化粧品、ヘルスケア製品、ハウスホールドケア製品に配合することができ、それらの感触や使用感や安定性を向上させるという利点を有する。本発明のゲル状組成物は、カーワックス、表面処理剤、離型剤、潤滑剤、樹脂添加剤、乳化物の安定化剤としても使用することができる。
実施例1、実施例2、実施例3で調製したゲル状組成物の粘弾性の測定結果を示している。

Claims (11)

  1. ケイ素原子に結合した一般式(1)で表される有機基を有するオルガノポリシロキサンからなるゲル化剤
    Figure 2007001996
    [式中、Rは−COO(Mn+1/nで表されるカルボン酸の金属塩(Mは一価以上の金属、nはMの原子価を示す)、Xは同種もしくは異種の炭素原子数2〜14の二価炭化水素基、pは0〜10の整数である。]
  2. 一般式(1)において、Mがアルカリ金属であり、二価炭化水素基Xがアルキレン基である請求項1に記載のゲル化剤。
  3. 一般式(2)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲル化剤
    Figure 2007001996
    [式中、Aは一般式(1)で表される有機基、Rは炭素原子数1〜8の非置換もしくは置換の一価炭化水素基(ただし、一般式(1)で表される有機基を除く)、BはRまたはAであり、t=0のとき、Bのうち少なくとも一つはAである。sは10〜100000の整数であり、tは0〜50の整数である。]
  4. 一般式(2)において、Rが炭素原子数1〜8のアルキル基であり、sが100〜1000の整数であり、t/(s+t)が0.1〜5%であることを特徴とする請求項3に記載のゲル化剤。
  5. シリコーンオイル用、非極性有機化合物用または低極性有機化合物用である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のゲル化剤。
  6. シリコーンオイルが疎水性シリコーンオイルである請求項5に記載のゲル化剤。
  7. (A)請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のゲル化剤 1〜99重量%および
    (B)シリコーンオイル、非極性有機化合物または低極性有機化合物 99〜1重量%
    からなることを特徴とするゲル状組成物。
  8. シリコーンオイルが疎水性シリコーンオイルである請求項7に記載のゲル状組成物。
  9. 疎水性シリコーンオイルが揮発性である請求項8に記載のゲル状組成物。
  10. 非極性有機化合物または低極性有機化合物が油脂である請求項7に記載のゲル状組成物。
  11. ゲル状組成物の屈折率が1.20〜1.60の範囲にあることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載のゲル状組成物。
















































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