JP2002220321A - 固形状油中水型乳化化粧料 - Google Patents

固形状油中水型乳化化粧料

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JP2002220321A JP2001018290A JP2001018290A JP2002220321A JP 2002220321 A JP2002220321 A JP 2002220321A JP 2001018290 A JP2001018290 A JP 2001018290A JP 2001018290 A JP2001018290 A JP 2001018290A JP 2002220321 A JP2002220321 A JP 2002220321A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数の最頻値にして22〜100のア
ルキル基、R2〜R5は同一又は異なって炭素数1〜10
の炭化水素基を示す。)で表わされるジシロキサンを含
有する固形状油中水型乳化化粧料。 【効果】 本発明の固形状油中水型乳化化粧料は使用
感、特にのび、清涼感に優れ、経時的な硬度変化や温度
変化による保形性の低下を起こしにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経時的な硬度の変
化や温度変化による保形性の低下を起こしにくく、肌へ
の塗布時に清涼感を付与し、かつ塗布感触の優れた固形
状油中水型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】口紅、アイシャドウ、ファンデーション
等の固形状化粧料は、固体ワックス成分を配合すること
によって固形状となるが、その形状が長期間保たれるこ
とは重要な性質である。固形ワックス成分を増量するこ
とによって保形性はある程度向上させることができるも
のの、塗布時の感触が低下してしまう。そこで塗布感触
を低下させずに保形性を向上させるために、低分子量ポ
リエチレンやカルナウバロウ等の少量で硬度を向上させ
ることができる特定の固形状ワックス成分が使用される
が、これらの固形状ワックス成分は、経時や温度変化に
よって硬度の変化が起こり、保形性が低下するという点
で問題がある。
【0003】一方、使用感の面から見ると、乳化型組成
物が水を多量に配合できるために塗布時の清涼感を付与
できるので、上記固形状化粧料を乳化型にする試みがな
されている。例えば、ポリオキシアルキレン変性オルガ
ノポリシロキサンの使用(特開昭64−79104号公
報)、親油性界面活性剤と疎水化処理粉体の併用(特開
平2−88511号公報)、球状粉末の使用(特開平3
−261707号公報)、水溶性高分子の使用(特開平
4−305513号公報)等の固型状油中水型乳化化粧
料が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの固形状油中水
型乳化化粧料は、固形状でありながら使用時の清涼感等
の使用感触に優れているが、固形状ワックス成分の経時
や温度変化による硬度の変化に基づく保形性の低下を防
止する点は依然解決されていない。
【0005】本発明の目的は、経時的な硬度の変化や温
度変化による保形性の低下を起こしにくく、かつ塗布時
に清涼感を付与し、塗布感触の優れた固形状油中水型乳
化化粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、固形状ワ
ックス成分として2個のケイ素原子に1つずつ特定の長
鎖アルキル基を有するジシロキサンを使用すると、経時
的な硬度の変化や温度変化による保形性の低下を起こし
にくく、かつ塗布時に清涼感を付与し、塗布感触の優れ
た固形状油中水型乳化化粧料が得られることを見出し
た。
【0007】本発明は、油性成分と水を主体とする油中
水型乳化化粧料において、一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1は炭素数の最頻値にして22
〜100のアルキル基、R2〜R5は同一又は異なって炭
素数1〜10の炭化水素基を示す。)で表わされるジシ
ロキサンを含有する固形状油中水型乳化化粧料を提供す
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用するジシロキサンの
一般式(1)において、室温付近では融解せず適度な融
点を持ち、保形性の向上効果に優れ、製造時に扱い易い
点で、R1は炭素数の最頻値にして22〜100である
が、好ましくは22〜80、より好ましくは26〜70
の鎖長を有するアルキル基のものである。R1における
炭素数の最頻値とは、分布のあるアルキル鎖長のうち、
最も含有量の多いアルキル基の炭素数をいい、ジシロキ
サンを本発明の固形状油中水型乳化化粧料の一成分とし
て用いたときの保形性を左右する重要な因子となる。
【0011】一般式(1)におけるR1は、後述のよう
にエチレンの重合で得たポリエチレン鎖として、あるい
はヒドロシリル化反応による長鎖アルキル基として導入
することができるが、R1の炭素数の最頻値は、次の方
法(1)または(2)のいずれかによって測定すること
ができる。
【0012】〔方法(1)〕エチレンの重合終了後、環
状ポリシロキサン、または2つの脱離基を有するシラン
を反応させる直前に、少量の反応液をサンプリングし、
メタノール等でリビングポリエチレンのアニオン末端に
プロトンを付加し、反応を停止する。ポリエチレンが沈
殿するので、メタノール等を濾去して不純物を除き、濾
取したポリエチレンの分子量をGPCにより測定する。
そのクロマトグラムにおけるピークトップが、あるn−
アルカン標準品のピークと重なるとき、そのn−アルカ
ンの炭素数が、ポリエチレンの炭素数の最頻値であり、
同時にそれが最終的に得られる一般式(1)のジシロキ
サンにおけるR1の炭素数の最頻値である。n−アルカ
ン標準品として、例えばAldrich製試薬を用いる。また
上記の方法で測定したポリエチレンの分子量分布は、M
w/Mn=l.5以下であることが好ましい。
【0013】〔方法(2)〕融点測定器(例えばYAN
ACO製)にて測定した一般式(1)のジシロキサンの
融点(例えば昇温速度:1℃/min)が、同様に測定し
たn−アルカン標準品の融点と後述の範囲内で一致する
とき、そのn−アルカン標準品の炭素数として求められ
る。ジシロキサンの融け始めの温度をA℃、融け終わり
の温度をB℃とし、n−アルカン標準品の融け始めの温
度をE℃、融け終わりの温度をF℃としたとき、下記の
条件がともに満足される場合、一般式(1)のジシロキ
サンにおけるR1の炭素数の最頻値は、そのn−アルカ
ン標準品の炭素数と一致するものとする。 |A−E|≦2℃、 |B−F|≦2℃ また、上記の方法で測定した溶融前後の温度の幅は、
(B−A)℃が6℃以内、特に4℃以内が好ましい。
【0014】R2〜R5は同一または異なっていてもよ
く、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、メチ
ル基が特に好ましい。
【0015】一般式(1)のジシロキサンは、例えば有
機リチウムを合有する開始剤を用いてエチレンを重合さ
せ、得られた炭素数の最頻値にして22〜100のポリ
エチレンに環状ポリシロキサンまたは2つの脱離基を有
するシランを反応させ、分子末端がシラノール基、シラ
ノレート基または該脱離基を有するケイ素原子である変
性ポリエチレンを得、その2分子を触媒存在下カップリ
ングすることにより得られる。
【0016】上記製法のうち、変性ポリエチレンを得る
工程は、例えば特開平7−278309号公報第4頁第
6欄第14行〜第5頁第7欄第3行記載の方法により実
施することができる。具体的には、アルキルリチウム及
び3級ジアミンを含む溶液にエチレンを導入すること
で、エチレンのリビング重合を行う。エチレンの導入圧
力には特に制限はないが、1〜100kg/cm2が適当で
ある。重合温度には特に制限はないが、0〜100℃が
適当である。好ましくは20〜80℃である。重合時間
は、重合温度、3級ジアミン濃度、エチレン導入圧力等
によって異なるが、一般に0.1時間から24時間程度
である。ただし、重合熱を除去できる限りなるべく短時
聞であることがリビング末端の失活を防ぐ点で好まし
い。これら重合条件を変化させることで、生成するポリ
エチレンの炭素数の最頻値を正確に制御することができ
る。
【0017】次いで、このようにして得られたリビング
末端を有するポリエチレンに、環状ポリシロキサンまた
は2つの脱離基を有するシランを反応させる。ここで環
状ポリシロキサンは、シロキサンユニットが3〜7のも
のが好ましい。また、シランの脱離基としては、水酸
基、アルコキシ基、ハロゲン等が挙げられる。環状ポリ
シロキサンまたはシランの添加量は、1つのケイ素原子
に2つのリビングポリエチレンが反応する副反応を抑制
するために、シロキサンユニットのモル量がリビングポ
リエチレンのモル量よりも大きいことが好ましい。反応
が緩和に進行し、かつ反応後、洗浄・留去等の操作によ
り過剰原料の除去が容易である点から、環状ポリシロキ
サンが好適に用いられる。
【0018】この様にして得られるものは片末端がシラ
ノレート基または脱離基を有するケイ素原子である変性
ポリエチレンであり、このままで次の工程に用いること
もできるが、必要により中和を行い、片末端シラノール
基変性ポリエチレンを得ることもできる。さらに必要に
応じた精製を行っても良い。具体的には、反応液を無機
酸または有磯酸により中和後、蒸留水を用いて水相が中
性になるまで洗浄して塩類、アミン等の不純物を除去
し、反応溶剤および過剰の環状シリコーンを留去する方
法や反応終了後、例えばキョーワード700SN(協和
化学工業(株)製)のようなアルカリ吸着剤を投入して
アルカリ分、アミン等の吸着処理を行い、吸着剤を濾去
後、反応溶剤等を留去する方法等が挙げられる。最も好
適には、反応液をメタノール等の極性有機溶剤に滴下
し、再沈殿を行うことにより、アルカリ分、アミン、過
剰の環状シリコーン等を除去し、沈殿した片末端シラノ
ール基変性ポリエチレンを濾取する方法が用いられる。
再沈殿を行う方法では、他の方法に比べて環状シリコー
ンの除去が効率よく行えるため、生成物への残存がほと
んど起こらず、これを用いて合成するジシロキサンの純
度が高くなる。純度の高いジシロキサンを固形状油中水
型乳化化粧料に用いると保形性が著しく高くなるので好
ましい。
【0019】得られた変性ポリエチレン2分子をカップ
リングする触媒は、酸触媒、塩基触媒、固体触媒のいず
れかが挙げられる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、メタ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフ
ルオロ酢酸等が、塩基触媒としては、水酸化カリウム、
水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化テト
ラメチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンモ
ニウムが例示される。また、固体触媒としては、活性白
土、イオン交換樹脂、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ
る。反応後の触媒の除去が容易である点から、イオン交
換樹脂や活性白土等の固体触媒を用いることが好まし
い。触媒量は変性ポリエチレン重量の0.01〜0.2
重量倍程度でよい。
【0020】また、本反応は変性ポリエチレン2分子を
脱水してカップリングさせる反応であることから、変性
ポリエチレンが溶解し、かつ反応系から水を共沸除去で
きるような溶剤を加えることが好ましい。例えば、へプ
タン、オクタン、トルエン等の炭化水素溶媒が好適に用
いられる。加える量は水の共沸除去が進行しやすいよ
う、十分な還流が起こる量が好ましい。反応条件は、変
性ポリエチレンが溶解し、さらに生じた水を除去できる
条件であればよいが、具体的には反応温度は100〜1
50℃が好ましく、反応時間は1〜72時間程度であ
る。触媒は抽出、吸着、また固体触媒を用いたときには
濾過等、各触媒に適した処理によって除去することがで
きる。触媒除去後、そのまま溶媒を溜去することによっ
てジシロキサンを得るが、着色やにおいを完全に除去す
る目的でさらに精製を行ってもよい。例えば、活性炭に
よる吸着処理を行うことが好ましい。
【0021】一般式(1)で表わされるジシロキサン
は、上記の製法のほか、特開平3−264510号公報
に開示されているような、メチルハイドロジェンポリシ
ロキサンとα−オレフィンとのいわゆるヒドロシリル化
反応によっても得ることができる。
【0022】本発明の固形状油中水型乳化化粧料中の一
般式(1)で表わされるジシロキサンの含有量は、優れ
た保形性と塗布感触の点から、0.01〜20重量%
(以下、単に%と記載する)、特に0.5〜10%が好
ましい。
【0023】本発明の固形状油中水型乳化化粧料中の水
の含有量は、使用時の清涼感の点で5%以上が好まし
く、更に10%以上、特に15〜50%であるのが好ま
しい。
【0024】本発明の固形状油中水型乳化化粧料は、更
に耐水、耐汗、耐皮脂性等の化粧持続性を向上させるこ
とができる点から、疎水性粉体を含有するのが好まし
い。疎水性粉体には、本来疎水性である粉体のほか、粉
体の表面を疎水化処理したものも含まれる。かかる疎水
性粉体は、レーザー回折/散乱法で測定した平均粒径
が、0.01〜150μm、特に0.05〜100μm
であるのが好ましい。特に多種類の粉体を配合するよう
な製品においては、各粉体の分散性の制御が極めて重要
であるが、粉体としてこのような疎水性粉体を用いるこ
とにより、粉体の分散性が均質化されて色分離が抑制さ
れ、安定性が向上する。
【0025】粉体としては、酸化鉄、二酸化チタン、酸
化亜鉛、二酸化チタン−酸化亜鉛複合体、微粒子二酸化
チタン、微粒子酸化亜鉛、薄片状酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化マグネシウ
ム、アルミナ、窒化ホウ素、タルク、マイカ、セリサイ
ト、カオリン、ベントナイト、バーミキユライト、白雲
母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、珪藻土、珪酸マグネシウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸バリウ
ム、珪酸ストロンチウム、含水珪酸、無水珪酸、タング
ステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、
セラミクスパウダー、モンモリロナイト等の粘土鉱物粉
体、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、チタン酸
鉄、群青、紺青、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、
チタン酸コバルト、酸化チタン被覆マイカ等のパール顔
料等の無機顔料;ナイロンパウダー、ポリエステルパウ
ダー、ポリエチレンパウダー、プロピレンパウダー、ポ
リスチレンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウ
ダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、ポリウレタ
ンパウダー、四フッ化エチレンパウダー、微結晶性セル
ロース、コメデンプン、ラウロイルリジン、シリコーン
パウダー、スチレン・アクリル共重合体、魚鱗箔、赤色
3号、赤色4号、赤色203号等の夕一ル系色素をレー
キ化したもの、天然色素をレーキ化したもの及び無機粉
体と有機粉体を複合化した複合粉体等の有機粉体;アル
ミニウムパウダー、ステンレスパウダー、カツパーパウ
ダー等の金属粉体が挙げられる。
【0026】粉体の疎水化処理の方法としては、例えば
粉体表面に油脂を吸着させたり、水酸基などの官能基を
利用してエステル化やエーテル化を起こさせることによ
り、粉体を親油的にする油脂処理法、ジメチルポリシロ
キサン又はメチル水素ポリシロキサンを用いたシリコー
ン処理法、パーフルオロアルキル基を有するフツ素化合
物で処理する方法等が挙げられる。中でも、シリコーン
処理、フッ素化合物処理が好ましく、パーフルオロアル
キル基を有するフッ素化合物で粉体表面を処理する方法
は、耐皮脂性を付与できるので特に好ましい。ここでパ
ーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物としては、
例えば、次の一般式 [Cm2m+1n2nO]yPO(OH)3-y 〔式中、mは3〜21の数、nは1〜12の数、yは1
〜3の数を示す〕で表わされるポリフルオロアルキルリ
ン酸(米国特許第3,632,744号公報)、フルオ
ロアルキルジ(オキシエチル)アミンリン酸エステル
(特開昭62−250074号公報)、パーフルオロア
ルキル基を有する樹脂(特開昭55−16209号公
報)、四フッ化エチレン樹脂、パーフルオロアルコー
ル、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型フル
オロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボ
ン酸塩、パーフルオロアルキルシラン(特開平2−21
8603号公報)等が挙げられる。処理量は、通常は
0.5〜20%が好ましく、さらに1〜15%、特に2
〜10%であるのが好ましい。
【0027】本発明の固形状油中水型乳化化粧料中の疎
水性粉体の含有量は、0.1〜50%、さらに1〜40
%、特に2〜35%であるのが好ましい。
【0028】本発明の固形状油中水型乳化化粧料に含ま
れる油性成分としては、固体脂または液体油、例えば、
天然または合成のワックス類、油脂類、炭化水素油、高
級脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸エステル類、シ
リコーン油等が挙げられる。このうち、天然または合成
のワックスとしては、例えばキャンデリラワックス、カ
ルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油
等の植物系ワックス;ビーズワックス、ラノリン、鯨ロ
ウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライ
ト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワック
ス;ポリオレフィンワックス、フィッシャートロプシュ
ワックス等の合成炭化水素系ワックス;モンタンワック
ス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリス
タリンワックス誘導体、ポリオレフィンワックス誘導体
等の変性ワックス;硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体
等の水素化ワックス等が挙げられる。このうち、本発明
においては、パラフィンワックス、オゾケライト、セレ
シン、ポリオレフィンワックス、キャンデリラワック
ス、カルナウバワックス等がより好ましい。
【0029】油脂類としてはカカオ脂、ヒマシ油、ホホ
バ油、オリーブ油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油等
が挙げられる。炭化水素油としては、流動パラフィン、
スクワラン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては12
−ヒドロキシステアリン酸、イソノナン酸、イソステア
リン酸等が挙げられる。高級アルコール類としては、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられ、
脂肪酸エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピ
ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジ
イソステアリル等が挙げられる。またシリコーン油とし
ては、ジメチルポリシロキサン、フッ素変性シリコー
ン、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、アルキル変
性シリコーン等が挙げられる。
【0030】これら油性成分は、本発明の固形状油中水
型乳化化粧料に20〜90%、特に50〜80%配合す
るのが好ましい。
【0031】本発明の固形状油中水型乳化化粧料は、必
須成分であるジシロキサンとともに、上記の油性成分及
び水を混合して製造される。その際に、安定な乳化系に
するためには、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリ
シロキサンのほか、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等
の親油性界面活性剤を用いたり、クエン酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、乳酸塩、硫酸塩等の水溶性塩を用いることが有
効である。そして、他の適宜使用される成分とともに棒
状、塊状、板状等の固形物としての成形体や、皿状容器
等に充填した形で製品化することができ、皮膚化粧料、
特にファンデーション、口紅等のメイクアップ化粧料、
または、リツプクリームやスティック状の美白剤等のス
キンケア化粧料とするのが好ましい。
【0032】
【実施例】以下の実施例で使用した一般式(1)で表わ
されるジシロキサンは次の合成法で製造した。
【0033】合成例1 (R1=炭素数の最頻値が28
のアルキル基、R2〜R5=CH3) 窒素置換した1Lのガラス製耐圧反応容器にn−ヘプタ
ン600mL、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
ジアミン4mL、15%n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(1.6mol/L)120mLを仕込み、反応系の温度を
30〜80℃、エチレンガス導入圧力を4kg/cm2に保
ちながら、エチレンガスを48.1L導入して重合を行
った。エチレンガス導入終了後、反応液を一部サンプリ
ングし、メタノールで再沈殿してGPCスペクトルを測
定したところ、ピークトップは炭素数28のn−アルカ
ン(Aldrich試薬)と一致した。また分子量分布
(Mw/Mn)は1.1であった。重合混合物中にデカメチ
ルシクロベンタシロキサン37mLを滴下し、90℃で2
時間反応させた。その後、5Lのメタノールにて再沈殿
を行い、沈殿物を濾取して白色粉末を得た。収量は70
gであった。得られた末端シラノール基変性ポリエチレ
ン30gにn−ヘプタン30gを加え、110℃のオイ
ルバス上で加熱溶解させた。活性白土(ガレオンアース
V2R、水澤化学工業製)3gを添加し、脱水管を取り
付け、10時間加熱、撹拌を続けた。さらに活性炭を加
え、100℃のオイルバス上で2時問加熱、撹拝を続け
た後、熱濾過により活性白土及び活性炭を濾去し、溶媒
を溜去して、白色ワックス状固体を得た。収量は17g
であった。融点測定器(YANACO製)にて、得られ
たジシロキサンの融点を測定したところ、65〜67℃
であり、炭素数28のn−アルカン(Aldrich試
薬)を同測定器で測定した値と一致した。
【0034】合成例2 (R1=炭素数の最頻値が36
のアルキル基、R2〜R5=CH3) 窒素置換した1Lのガラス製耐圧反応容器にn−ヘブタ
ン400mL、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
ジアミン2mL、15%n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(1.6mol/L)150mLを仕込み、反応系の温度を
30〜80℃、エチレンガス導入圧力を5kg/cm2に保
ちながら、エチレンガスを84.8L導入して重合を行
った。エチレンガス導入終了後、反応液を一部サンプリ
ングし、メタノールで再沈殿してGPCスペクトルを測
定したところ、ピークトップは炭素数36のn−アルカ
ン(Aldrich試薬)とした。また分子量分布は
1.1であった。重合混合物中にデカメチルシクロペン
タシロキサン15mLを滴下し、90℃で2時間反応させ
た後、アルカリ吸着剤(キョーワード700SN;協和
化学工業(株)製)72gを加えて95℃で2時間撹件
した。熱濾過により吸着剤を濾去し、溶媒を溜去して、
白色ワックス状固体を得た。収量は110gであった。
得られた末端シラノール基変性ポリエチレン80gにn
−ヘプタン150gを加え、110℃のオイルバス上で
加熱し溶解させた。活性白土10gを添加し、脱水管を
取り付け、4時間加熱、撹伴を続けた。さらに活性炭を
加え、100℃のオイルバス上で2時間加熱、撹拌を続
けた後、熱濾過により活性自土および活性炭を濾去し、
溶媒を溜去して、白色ワックス状固体を得た。収量は6
7gであった。融点測定器(YANACO製)で、得ら
れたジシロキサンの融点を測定したところ76〜77.
5℃であり、炭素数36のn−アルカン(Aldric
h試薬)を同測定器で測定した値と一致した。
【0035】合成例3(R1=炭素数の最頻値が60の
アルキル基、R2〜R5=CH3) 窒素置換した1Lのガラス製耐圧反応容器にn−ヘプタ
ン600mL、N,N,N',N'−テトラメチルエチレン
ジアミン2mL、15%n−ブチルリチウムヘキサン溶液
(1.6mol/L)100mLを仕込み、反応系の温度を
30〜80℃、エチレンガス導入圧力を5kg/cm2に保
ちながら、エチレンガスを107.5L導入しで重合を
行った。エチレンガス導入終了後、反応液を一部サンプ
リングし、メタノールで再沈殿してGPCスペクトルを
測定したところ、ピークトップは炭素数60のn−アル
カン(Aldrich試薬)とした。また分子量分布は
1.1であった。重合混合物中にデカメチルシクロペン
タシロキサン15mLを窒素気流下、滴下した。滴下終了
後、90℃で2時間反応させた後、アルカリ吸着剤(キ
ョーワード700SN;協和化学工業(株)製)52g
を加えて95で2時間撹件した。熱濾過により吸着剤を
濾去し、溶媒を溜去して、白色ワックス状固体を得た。
収量は130gであった。得られた末端シラノール基変
性ポリエチレン100gにn−ヘプタン60gを加え、
110℃のオイルバス上で加熱し溶解させた。活性白土
10gを添加し、脱水管を取り付け、10時間加熱、撹
拌を続けた。さらに活性炭を加え、100℃のオイルバ
ス上で2時間加熱、撹拌を続けた後、熱濾過により活性
白土及び活性炭を濾去し、溶媒を溜去して、白色ワック
ス状固体を得た。収量は84gであった。融点測定器
(YANACO製)で、得られたジシロキサンの融点を
測定したところ96〜98℃であり、炭素数60のn−
アルカン(Aldrich試薬)を同測定器で測定した
値と一致した。
【0036】合成例4(R1=炭素数の最頻値が30の
アルキル基、R2〜R5=CH3) テトラメチルジシロキサン9.6g、1−オレフィン
(ダイアレン30三菱化学製)60g、塩化白金酸2mg
をトルエン190gに加熱溶解し、70℃、4時問反応
させた。反応混合物をエタノール中に投じ、白色固体を
55g得た。
【0037】実施例1、2、比較例1〜5 表1に示す成分(実施例1、2、比較例1〜4)を、先
ず水を除く成分を加熱融解して均一に混合する。次いで
水を添加して乳化した。これを脱泡した後型に流し込ん
で成型し、スティック状化粧料を製造した。比較例5は
上記製法工程中水の添加を省いて製造した。
【0038】次の評価基準に従って評価した結果を表1
に併せ記載する。 (塗布感触(のび、清涼感))パネリスト20名が、固
形状油中水型乳化化粧料を顔に塗布した時の、のび及び
清涼感を官能評価した。 評価 ○ 16名以上がよいと評価した △ 6〜15名がよいと評価した × 5名以下がよいと評価した (保形性の評価)成型したスティック状化粧料を、20
℃にてレオメーター(フドー社製)を用いて折り曲げ圧
縮し、破損したときの負荷を求めた。破損強度300g
以上を保形性良好(○)、それ以外は×と評価した。 (経時での保形性の評価)−10℃と50℃の間で周期
的に温度変化する恒温槽中に、成型したスティック状化
粧料を1ヶ月間保存した後、破損強度を調べた。製造直
後と比べて強度が90%以上保たれているものを合格
(○)、それ以外を×とした。
【0039】本発明のスティック状化粧料(実施例1、
2)は塗布感触が良好で、破損強度が高く、経時での保
形性低下がなく、かつ温度が変化しても硬度低下が著し
く改善されたものとなった。
【0040】
【表1】
【0041】 実施例3 中皿充填タイプ乳化ファンデーション % デカメチルシクロペンタシロキサン 27.0 フッ素変性ポリシロキサン(FSL‐300、旭硝子社製) 10.0 ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体 2.0 (SH3775C、東レダウコーニングシリコーン社製) メトキシ桂皮酸オクチル 3.0 脱臭精製キャンデリラワツクス 5.0 ジシロキサン(合成例1) 3.0 フッ素処理粉体* フッ素処理酸化チタン 7.0 フッ素処理赤酸化鉄 0.3 フッ素処理黄酸化鉄 1.5 フッ素処理黒酸化鉄 0.2 フッ素処理シリコーンパウダー 11.0 (トスパール145A、東芝シリコーン社製) 1,3−ブチレングリコール 2.0 防腐剤/香料 適量 水 バランス *:粉体100g、イオン交換水500mL及びパーフルオロアルキル(平均炭 素数9)リン酸エステルジエタノールアミン塩5.8gを混合し、塩酸でpH3. 0以下にして後、水洗乾燥したもの。 パネリスト20名が顔に塗布して5時間後までの化粧持
続性を官能評価したところ、20名が化粧持ち良好と評
価した。
【0042】 実施例4 スティック状乳化ファンデーション % ジメチルポリシロキサン(10cs) 5.0 デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0 ジシロキサン(合成例2) 2.0 キャンデリラワックス 4.0 フッ素変性シリコーン(FSL‐300、旭硝子社製) 10.0 フッ素処理粉体(実施例3と同様に処理) フッ素処理酸化チタン 11.8 フッ素処理赤酸化鉄 0.4 フッ素処理黄酸化鉄 1.7 フッ素処理黒酸化鉄 0.1 フッ素処理ナイロン粉末 12.0 フッ素処理マイカ 6.0 硫酸マグネシウム 2.0 グリセリン 2.0 防腐剤/香料 適量 水 バランス スティック状乳化ファンデーションは、保形性が良く、
のびがよくてべとつかず、更に清涼感、化粧持続性優れ
るものであった。
【0043】 実施例5 アイシャドウ % パーフルオロポリエーテル 10.0 (FOMBLlN HC−04,アウジモント社製) デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0 キャンデリラワックス 6.0 ジシロキサン(合成例3) 4.0 フッ素処理粉体(実施例3と同様に処理) フッ素処理酸化チタン 0.5 フッ素処理黄酸化鉄 2.3 フッ素処理赤酸化鉄 0.2 フッ素処理マイカ 11.0 フッ素処理タルク 16.0 硫酸マグネシウム 2.0 ポリエチレングリコール 3.0 防腐剤/香料 適量 水 バランス
【0044】 実施例6 頬紅 % パーフルオロポリエーテル 10.0 (FOMBLlN HC−04,アウジモント社製) デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0 ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体 2.0 (SH3775C、東レダウコーニングシリコーン社製) キャンデリラワツクス 5.0 ジシロキサン(合成例4) 2.0 フッ素処理粉体(実施例3と同様に処理) フッ素処理酸化チタン 0.1 フッ素処理黄酸化鉄 0.25 フッ素処理赤酸化鉄 0.75 フッ素処理マイカ 10.9 フッ素処理タルク 13.0 フッ素処理セリサイト 10.0 フッ素処理酸化チタン被覆マイカ 5.0 1,3−ブチレングリコール 2.0 防腐剤/香料 適量 水 バランス
【0045】 実施例7 口紅 % オクタメチルシクロテトラシロキサン 10.0 ジメチルポリシロキサン(6cs) 30.0 精製カルナウバワックスNo.1(野田ワックス社製) 5.0 ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体 2.0 (SH3775C、東レダウコーニングシリコーン社製) ジシロキサン(合成例1) 8.0 シリコーン処理粉体* シリコーン処理赤酸化鉄 0.2 シリコーン処理黄酸化鉄 1.0 赤色204号 0.8 ジブチルヒドロキシトルエン 適量 防腐剤/香料 適量 水 バランス *:メチルハイドロジエンポリシロキサンにて2%被覆したもの
【0046】 実施例8 スティック状リップクリーム % スクワラン 5.0 オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0 ジメチルポリシロキサン(50cs) 15.0 キャンデリラワックス 10.0 ジシロキサン(合成例1) 3.0 ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体 2.0 (SH3775C、東レダウコーニングシリコーン社製) シリコーン処理粉体(実施例7と同様に処理) シリコーン処理黄酸化鉄 0.8 シリコーン処理赤酸化鉄 0.2 シリコーン処理微粒子酸化チタン 3.0 グリセリン 5.0 硫酸マグネシウム 1.5 ソルビトール 0.5 赤色202号 0.01 メントール 0.1 防腐剤/香料 適量 水 バランス
【0047】
【発明の効果】本発明の固形状油中水型乳化化粧料は使
用感、特にのび、清涼感に優れ、経時的な硬度変化や温
度変化による保形性の低下を起こしにくい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/031 A61K 7/031 7/032 7/032 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB172 AB232 AB242 AB352 AC012 AC022 AC122 AC172 AC372 AC422 AC442 AC792 AC852 AD042 AD072 AD151 AD152 AD162 AD172 AD512 AD532 BB25 EE06 EE07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数の最頻値にして22〜100のア
    ルキル基、R2〜R5は同一又は異なって炭素数1〜10
    の炭化水素基を示す。)で表わされるジシロキサンを含
    有する固形状油中水型乳化化粧料。
  2. 【請求項2】 更に、疎水性粉体を含有する請求項1記
    載の固形状油中水型乳化化粧料。
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