JP2007001796A - 炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より簡便で工業的製造にも適した方法にて炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく製造する方法の提供。
【解決手段】 その製造方法は、前記課題を解決するものであり、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合し、その混合液に炭酸ガスを導入することを特徴とする。
また、その方法においては、以下のことが望ましく、それらを採用することにより、より効率よく炭酸ストロンチウムの微粒子を製造することができる。
(1)水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合比を、水溶性ストロンチウム化合物1モルに対して、水酸化アルカリを0.05〜2モル
(2)炭酸ガスの導入速度を、ストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上
(3)炭酸ガスを導入する際の液温を、氷点以上、25℃以下
(4)炭酸ガスの導入を、液のpHが11以下となるまで行う
【選択図】 なし
Description
本発明は、炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法に関する。
より詳しくは、より簡便で工業的製造にも適した方法にて炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく製造する方法に関する。
より詳しくは、より簡便で工業的製造にも適した方法にて炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく製造する方法に関する。
炭酸ストロンチウムは、工業的に、ブラウン管やフェライト磁石の原料、蛍光体、光学レンズ、真空管陰極材などに使用されている。
その製造方法としては、硫化ストロンチウム又は硫酸ストロンチウムと、炭酸アンモニウム又は炭酸ナトリウムとの反応により、炭酸ストロンチウムを沈殿させる方法が一般的である。
そのほか、炭酸ストロンチウムの製造に関しては、古くから種々の検討がなされてきており、幾つかの方法が特許文献で提案されている。
その製造方法としては、硫化ストロンチウム又は硫酸ストロンチウムと、炭酸アンモニウム又は炭酸ナトリウムとの反応により、炭酸ストロンチウムを沈殿させる方法が一般的である。
そのほか、炭酸ストロンチウムの製造に関しては、古くから種々の検討がなされてきており、幾つかの方法が特許文献で提案されている。
[先行技術文献]
特開昭55−23055号公報
特開昭59−83934号公報
特開平9−77516号公報
特許第3585603号
特公昭54−19400号公報
特開昭49−47295号公報
特開2004−35347号公報
特開2004−109355号公報
例えば、高純度の炭酸ストロンチウムを製造する方法としては、特許文献1に記載の微粉化した硫酸ストロンチウム鉱石を浮遊選鉱して得た精鉱を硫酸とともに加熱した後炭酸ナトリウムと反応させる方法や、特許文献2に記載の硫酸ストロンチウム鉱石から炭酸ストロンチウムを調製し、その後か焼して酸化物とした後加水により水酸化物として抽出し再び炭酸化する方法、特許文献3に記載のストロンチウム含有溶液に酸を添加してストロンチウム塩を析出させた後炭酸化を行う方法、特許文献4に記載のストロンチウム含有溶液にアンモニウム塩の存在下で硫酸又は硫酸塩を添加して硫酸ストロンチウムを生成させた後炭酸化を行う方法などが提案されている。
また、炭酸ストロンチウムの粒子径の調節を目的とした方法としては、特許文献5に記載の予め調製された炭酸ストロンチウムの存在下で硫化ストロンチウムと炭酸ナトリウムの水溶液とを混合するにあたり硫化ストロンチウムと炭酸ナトリウムの割合を調節することで1〜7μmの範囲で炭酸ストロンチウムの粒子径を調節する方法や、特許文献6に記載の当モルの硫化ストロンチウムと炭酸アルカリの水溶液とから特定条件下において連続的に反応を行うことにより炭酸ストロンチウムの粗大粒子を得る方法などが挙げられる。
さらに、近年ナノテクロノジーに代表される超微細化技術について注目が集まっており、炭酸ストロンチウムについても、形態制御技術や微粒子化が求められるようになってきている。
例えば、特許文献7や特許文献8に記載されている非複屈折性光学樹脂材料に使用される炭酸ストロンチウムは、針状形状を有し、かつ可視光域において透明性を確保するのに十分な程度の微粒子であることが求められており、その特許文献7においては、上記性能を満足させるための炭酸ストロンチウムの製造方法も開示されている。
例えば、特許文献7や特許文献8に記載されている非複屈折性光学樹脂材料に使用される炭酸ストロンチウムは、針状形状を有し、かつ可視光域において透明性を確保するのに十分な程度の微粒子であることが求められており、その特許文献7においては、上記性能を満足させるための炭酸ストロンチウムの製造方法も開示されている。
この製造方法は、ストロンチウム塩の水溶液中で尿素を加水分解させることによりストロンチウムイオンと炭酸イオンとを反応させる方法、あるいは水酸化ストロンチウムの水懸濁液に炭酸ガスを吹き込みストロンチウムイオンと炭酸イオンとを反応させる方法において、エチレングリコールなどの凝固点降下物質を添加し、炭酸ストロンチウムの生成反応を氷点下で行うことにより、長軸に沿った平均粒子サイズが500nm以下の炭酸ストロンチウム微粒子を製造するものである。
炭酸ストロンチウムの微粒子を製造する方法に関しては、上記した背景技術に記載のとおり既に幾つかの提案がなされており、特に特許文献7ではナノサイズの微粒子を製造する方法が提案されている。
前記のとおりではあるものの、この方法では反応系にエチレングリコールなどを添加する必要があることや、冷却のために多大のエネルギーを要するなど問題点もあり、必ずしも工業的に適した方法とは言い難いのが現状である。
前記のとおりではあるものの、この方法では反応系にエチレングリコールなどを添加する必要があることや、冷却のために多大のエネルギーを要するなど問題点もあり、必ずしも工業的に適した方法とは言い難いのが現状である。
また、尿素の加水分解を利用する方法では低温下での反応が必要であることから尿素分解酵素を使用する必要があるほか、エチレングリコールなどの凝固点降下物質の使用は廃水処理などの面でも問題がある。
したがって、本発明は、上記問題点を解決し、それにより、より簡便で工業的製造にも適した方法にて炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく製造する方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
したがって、本発明は、上記問題点を解決し、それにより、より簡便で工業的製造にも適した方法にて炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく製造する方法を提供することを発明の解決すべき課題とするものである。
本発明の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、前記課題を解決するものであり、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合し、その混合液に炭酸ガスを導入することを特徴とするものである。
そして、その方法は、以下のことが望ましく、それらを採用することにより、より効率よく炭酸ストロンチウムの微粒子を製造することが可能となる。
(1)水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合比を、水溶性ストロンチウム化合物1モルに対して、水酸化アルカリを0.05〜2モル
(2)炭酸ガスの導入速度を、ストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上
(3)炭酸ガスを導入する際の液温を、氷点以上、25℃以下
(4)炭酸ガスの導入を、液のpHが11以下となるまで行う
そして、その方法は、以下のことが望ましく、それらを採用することにより、より効率よく炭酸ストロンチウムの微粒子を製造することが可能となる。
(1)水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合比を、水溶性ストロンチウム化合物1モルに対して、水酸化アルカリを0.05〜2モル
(2)炭酸ガスの導入速度を、ストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上
(3)炭酸ガスを導入する際の液温を、氷点以上、25℃以下
(4)炭酸ガスの導入を、液のpHが11以下となるまで行う
本発明は、水系にて合成反応を行い、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリと炭酸ガスとから炭酸ストロンチウムの微粒子を製造するものであり、それではエチレングリコールなどの凝固点降下物質や尿素分解酵素を必要とせず、氷点以上の温度下にて反応させることから、簡便で、かつ工業的製造に適した方法にて、効率よく炭酸ストロンチウム微粒子を製造しており、より広範な用途へ優れた性状の炭酸ストロンチウム微粒子を提供することが可能となる。
以下に、発明を実施するための最良の形態を含む本発明の実施の態様について詳細に説明するが、本発明はそれによって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
本発明の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合した後、該混合液に炭酸ガスを導入して炭酸ストロンチウムの微粒子を沈殿させることを特徴とするものである。
本発明の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法は、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合した後、該混合液に炭酸ガスを導入して炭酸ストロンチウムの微粒子を沈殿させることを特徴とするものである。
原料とする水溶性ストロンチウム化合物としては、塩化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、過塩素酸ストロンチウム等の水溶性化合物が使用できる。 また、水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが使用できる。
本発明においては、先ず上記水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合する。
その混合の手法については特段の制約はなく、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と、水酸化アルカリの水溶液とを混合するのが最も好ましいが、それ以外に固体の水酸化アルカリを添加してもよい。
本発明においては、先ず上記水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合する。
その混合の手法については特段の制約はなく、水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と、水酸化アルカリの水溶液とを混合するのが最も好ましいが、それ以外に固体の水酸化アルカリを添加してもよい。
その混合の際には、液を十分に攪拌しておくことが好ましく、その際における水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合比は、水溶性ストロンチウム化合物1モルに対して、水酸化アルカリを0.05〜2モルとすることが望ましい。
その混合比が0.05モル未満であると、炭酸ストロンチウムの生成量が極端に少なくなることがある。
逆に、2モルを越えると生成する炭酸ストロンチウムの粒子が粗大化することがある。 特に強調すべきは、上記した水酸化アルカリのモル比をより小さくすることで、より微細な炭酸ストロンチウム微粒子を得ることができる。
その混合比が0.05モル未満であると、炭酸ストロンチウムの生成量が極端に少なくなることがある。
逆に、2モルを越えると生成する炭酸ストロンチウムの粒子が粗大化することがある。 特に強調すべきは、上記した水酸化アルカリのモル比をより小さくすることで、より微細な炭酸ストロンチウム微粒子を得ることができる。
そして、水酸化アルカリを混合した後の液は、ストロンチウムの濃度で、0.02〜5モル/Lとするのが好適である。
その濃度が0.02モル/L未満であると、製造効率が悪くなり支障をきたすことがある。
逆に、5モル/Lを超えると、炭酸ストロンチウム生成後の液粘度が上昇しハンドリングの面で問題が生じることがあるほか、その他の条件によっては炭酸ストロンチウムの粒子が粗大化することがある。
その濃度が0.02モル/L未満であると、製造効率が悪くなり支障をきたすことがある。
逆に、5モル/Lを超えると、炭酸ストロンチウム生成後の液粘度が上昇しハンドリングの面で問題が生じることがあるほか、その他の条件によっては炭酸ストロンチウムの粒子が粗大化することがある。
また、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合を行う際には、その液温は50℃以下、好ましくは25℃以下とするのがよい。
その液温が50℃を超える高温下でこの操作を行った場合、炭酸化により生成する炭酸ストロンチウムが粗大粒子となることがある。
このようにして、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとを混合すると、溶解しているストロンチウムイオンが水酸化物として析出する。
その液温が50℃を超える高温下でこの操作を行った場合、炭酸化により生成する炭酸ストロンチウムが粗大粒子となることがある。
このようにして、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとを混合すると、溶解しているストロンチウムイオンが水酸化物として析出する。
この水酸化ストロンチウムが析出した液に直接炭酸ガスを導入することが本発明の最大の特徴である。
先行技術として、水酸化ストロンチウムの懸濁液に炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸ストロンチウムを製造する方法が存在するが、これは、市販されている水酸化ストロンチウム(水和物)結晶の粉末を水に懸濁して使用する方法である。
この水酸化ストロンチウムの粉末を使用した場合、特許文献7のように氷点下での炭酸化反応を行わない限り、粗大な炭酸ストロンチウム粒子が生成する。
先行技術として、水酸化ストロンチウムの懸濁液に炭酸ガスを吹き込むことにより炭酸ストロンチウムを製造する方法が存在するが、これは、市販されている水酸化ストロンチウム(水和物)結晶の粉末を水に懸濁して使用する方法である。
この水酸化ストロンチウムの粉末を使用した場合、特許文献7のように氷点下での炭酸化反応を行わない限り、粗大な炭酸ストロンチウム粒子が生成する。
これに対して、水溶性ストロンチウムと水酸化アルカリとの混合により液中にて析出させた水酸化物の懸濁液に、直接炭酸ガスを導入することにより、炭酸ストロンチウムの微粒子が得られることを見出したのが、本発明である。
本発明により、氷点以上の温度下で炭酸ストロンチウムの微粒子が得られる理由については未だ明確ではないが、本発明者らが推察するに、水酸化ストロンチウムの粒子径や表面性状等が影響しているものと考えられる。
本発明により、氷点以上の温度下で炭酸ストロンチウムの微粒子が得られる理由については未だ明確ではないが、本発明者らが推察するに、水酸化ストロンチウムの粒子径や表面性状等が影響しているものと考えられる。
例えば、粒子径についてみるに、市販されているような水酸化ストロンチウム(水和物)結晶の粉末は、サブミリ〜ミリメートルオーダーの粗大結晶であるのに対して、本発明において、水溶性ストロンチウムと水酸化アルカリとの混合により液中にて析出させた水酸化ストロンチウムはより微細な粒子となっている。
この水酸化ストロンチウムの粒子径により、炭酸化反応の機構に何らかの変化が起こっていると考えられる。
この水酸化ストロンチウムの粒子径により、炭酸化反応の機構に何らかの変化が起こっていると考えられる。
その炭酸化反応の際の炭酸ガスの導入は、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとを混合してから、5時間以内、より望ましくは2時間以内に開始することが好適であり、長時間放置しておくと、炭酸ストロンチウムの微粒子が得られないことがある。
また、析出させた水酸化ストロンチウムのサイズが、レーザー回折法により測定される平均径で100μm以下、より好ましくは50μm以下の状態で炭酸ガスの導入を開始することが望ましい。
また、析出させた水酸化ストロンチウムのサイズが、レーザー回折法により測定される平均径で100μm以下、より好ましくは50μm以下の状態で炭酸ガスの導入を開始することが望ましい。
そのための最良の操作としては、水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリを混合し、所定の液温に調節した後、直ちに炭酸ガスの導入を開始させることがよく、こうすることで、より微細な炭酸ストロンチウム微粒子を効率よく得ることが可能となる。
その際の炭酸ガスの導入は、液中への炭酸ガスの分散および溶解を促進させるため、攪拌下で行うことが好適である。
その炭酸ガスの導入速度については、液中に含有されるストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上、より好適には1L/分以上とすることが望ましい。
その際の炭酸ガスの導入は、液中への炭酸ガスの分散および溶解を促進させるため、攪拌下で行うことが好適である。
その炭酸ガスの導入速度については、液中に含有されるストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上、より好適には1L/分以上とすることが望ましい。
このように炭酸ガスの導入速度をより速めることで、より微細な炭酸ストロンチウム微粒子が得られる。
0.5L/分未満の場合、目的とする微粒子が安定して得られず、炭酸ストロンチウムの粗大粒子が生成することがある。
その炭酸ガス導入速度の上限については特段の制約はなく、より微細な炭酸ストロンチウムを製造したい場合には、可能な範囲で導入速度を速めることが好適であるが、液中への炭酸ガスの溶解速度にもある程度の限界があるため、反応液1Lに対して、炭酸ガス導入速度を10L/分以下とすることが炭酸ガスの利用効率の面では好ましい。
0.5L/分未満の場合、目的とする微粒子が安定して得られず、炭酸ストロンチウムの粗大粒子が生成することがある。
その炭酸ガス導入速度の上限については特段の制約はなく、より微細な炭酸ストロンチウムを製造したい場合には、可能な範囲で導入速度を速めることが好適であるが、液中への炭酸ガスの溶解速度にもある程度の限界があるため、反応液1Lに対して、炭酸ガス導入速度を10L/分以下とすることが炭酸ガスの利用効率の面では好ましい。
その炭酸ガスを導入する際の液温に関しては、氷点以上、25℃以下、より好適には氷点以上、15℃以下とすることが望ましく、この範囲内でもより低温とすることで、より微細な炭酸ストロンチウム微粒子が得られる傾向にある。
25℃を超える温度の場合、その他の条件によっては、炭酸ストロンチウム粒子が粗大化することがある。
25℃を超える温度の場合、その他の条件によっては、炭酸ストロンチウム粒子が粗大化することがある。
その炭酸ガスの導入は、液のpHが11以下、望ましくは10以下となるまで継続させることが好適である。
pHが11を超えているにもかかわらず炭酸ガスの導入を停止すると、一部未反応のストロンチウム化合物又はイオンが存在することになり、製造量の低下につながるほか、これらが不純分として含有される場合がある。
pHが11を超えているにもかかわらず炭酸ガスの導入を停止すると、一部未反応のストロンチウム化合物又はイオンが存在することになり、製造量の低下につながるほか、これらが不純分として含有される場合がある。
さらに、炭酸ガスの導入を完了した後に、加熱攪拌や室温放置などの方法で熟成工程を設けることもでき、該熟成を行うことにより炭酸ストロンチウム微粒子の分散性を向上させることも可能である。
例えば、炭酸ガスの導入を完了した直後の炭酸ストロンチウム微粒子が短径20nm、長径100nmの柱状粒子が数個程度集合した状態であった場合、その後50℃で2時間攪拌熟成を行うことでほぼ単分散状態の微粒子とすることができる。
例えば、炭酸ガスの導入を完了した直後の炭酸ストロンチウム微粒子が短径20nm、長径100nmの柱状粒子が数個程度集合した状態であった場合、その後50℃で2時間攪拌熟成を行うことでほぼ単分散状態の微粒子とすることができる。
このようにして得られる炭酸ストロンチウムは、短径10〜100nm、長径15〜2000nmで、アスペクト比が1.5〜20の範囲の柱状形状の微細粒子となる。
生成後の炭酸ストロンチウム微粒子は、その用途に応じて、スラリーの状態や脱水乾燥した乾燥粉の状態で使用することができる。
また、高純度のものが求められる用途においては、精製水などにて十分に洗浄することが好適である。
さらに、湿式あるいは乾式において、一般に炭酸塩粒子の表面改質に使用される各種の表面処理剤にて表面処理を施すことも何ら問題ない。
生成後の炭酸ストロンチウム微粒子は、その用途に応じて、スラリーの状態や脱水乾燥した乾燥粉の状態で使用することができる。
また、高純度のものが求められる用途においては、精製水などにて十分に洗浄することが好適である。
さらに、湿式あるいは乾式において、一般に炭酸塩粒子の表面改質に使用される各種の表面処理剤にて表面処理を施すことも何ら問題ない。
以上のとおり、本発明の製造方法により得られる炭酸ストロンチウム微粒子は、特許文献7に記載されている非複屈折性光学樹脂材料など、微細な炭酸ストロンチウム微粒子が所望される用途に好適に使用することができる。
また、本発明の製造方法では、水系にて反応を行い、水溶性ストロンチウム化合物、水酸化アルカリ、炭酸ガスとを原料とすることから、エチレングリコールなどの凝固点降下物質や尿素分解酵素などを必要とせず、より簡便で工業的にも適した方法にて、効率よく炭酸ストロンチウム微粒子を得ることが可能である。
また、本発明の製造方法では、水系にて反応を行い、水溶性ストロンチウム化合物、水酸化アルカリ、炭酸ガスとを原料とすることから、エチレングリコールなどの凝固点降下物質や尿素分解酵素などを必要とせず、より簡便で工業的にも適した方法にて、効率よく炭酸ストロンチウム微粒子を得ることが可能である。
以下において、2つの実施例及び比較例を示して本発明に関し更に具体的に説明するが、本発明は、該実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
まず、実施例1を示すに、塩化ストロンチウム6水和物0.5モルを2Lのイオン交換水に溶解させた後、そこに5M−水酸化ナトリウム水溶液50mLを混合した(両者の量的関係は水溶性ストロンチウム化合物のストロンチウム1モルに対して水酸化ナトリウムが0.5モルとなる)。
まず、実施例1を示すに、塩化ストロンチウム6水和物0.5モルを2Lのイオン交換水に溶解させた後、そこに5M−水酸化ナトリウム水溶液50mLを混合した(両者の量的関係は水溶性ストロンチウム化合物のストロンチウム1モルに対して水酸化ナトリウムが0.5モルとなる)。
その後、液温を5℃に保ち、撹拌しながら、炭酸ガスを2.0L/分の速度(ストロンチウム1モルに対して1.0L/分)にて、液のpHが10になるまで導入し、炭酸ストロンチウムを生成させた。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径20〜50nm、長径50〜300nmの柱状形状を有する炭酸ストロンチウム微粒子であることが確認された。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径20〜50nm、長径50〜300nmの柱状形状を有する炭酸ストロンチウム微粒子であることが確認された。
塩化ストロンチウム6水和物0.5モルを2Lのイオン交換水に溶解させた後、そこに5M−水酸化ナトリウム水溶液100mLを混合した(両者の量的関係は水溶性ストロンチウム化合物のストロンチウム1モルに対して、水酸化ナトリウムが1モルとなる)。
続いて、液温を10℃に保ち、撹拌しながら、炭酸ガスを1.5L/分の速度(ストロンチウム1モルに対して0.75L/分)にて、液のpHが10になるまで導入し、炭酸ストロンチウムを生成させた。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径50〜80nm、長径100〜500nmの柱状形状を有する炭酸ストロンチウム微粒子であることが確認された。
続いて、液温を10℃に保ち、撹拌しながら、炭酸ガスを1.5L/分の速度(ストロンチウム1モルに対して0.75L/分)にて、液のpHが10になるまで導入し、炭酸ストロンチウムを生成させた。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径50〜80nm、長径100〜500nmの柱状形状を有する炭酸ストロンチウム微粒子であることが確認された。
[比較例1]
市販の水酸化ストロンチウム8水和物0.5モルを2Lのイオン交換水に懸濁させ、そこに実施例1と同様の条件で炭酸ガスを導入して炭酸ストロンチウムを生成させた。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径0.2〜0.5μm、長径5〜20μmの粗大粒子の集合体であることが確認された。
市販の水酸化ストロンチウム8水和物0.5モルを2Lのイオン交換水に懸濁させ、そこに実施例1と同様の条件で炭酸ガスを導入して炭酸ストロンチウムを生成させた。
得られた炭酸ストロンチウムを走査型電子顕微鏡にて観察したところ、短径0.2〜0.5μm、長径5〜20μmの粗大粒子の集合体であることが確認された。
Claims (6)
- 水溶性ストロンチウム化合物の水溶液と水酸化アルカリとを混合し、その混合液に炭酸ガスを導入することを特徴とする炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 水溶性ストロンチウム化合物と水酸化アルカリとの混合比を、水溶性ストロンチウム化合物1モルに対して、水酸化アルカリを0.05〜2モルとする請求項1に記載の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 炭酸ガスの導入速度を、ストロンチウム1モルに対して、0.5L/分以上とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 炭酸ガスを導入する際の液温を、氷点以上、25℃以下とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 炭酸ガスの導入を、液のpHが11以下となるまで行う請求項1ないし4のいずれか1項に記載の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
- 炭酸ストロンチウムが、短径10〜100nm、長径15〜2000nm、アスペクト比1.5〜20の柱状粒子である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の炭酸ストロンチウム微粒子の製造方法。
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