JP2017088424A - 塩基性炭酸マグネシウムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムの新たな製造方法を提供する。
【解決手段】正炭酸マグネシウム(A)から得られる塩基性炭酸マグネシウムの製造方法であって、(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、をこの順番で行う塩基性炭酸マグネシウムの製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】正炭酸マグネシウム(A)から得られる塩基性炭酸マグネシウムの製造方法であって、(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、をこの順番で行う塩基性炭酸マグネシウムの製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムの製造方法に関する。
塩基性炭酸マグネシウム(化学式mMgCO3・Mg(OH)2・nH2O、m=3〜5、n=3〜8が一般的である)は、一般に嵩密度が0.2〜0.3g/ml程度と低く、比表面積が10〜40m2/g程度と比較的高い特性を有することが知られている。塩基性炭酸マグネシウムの製造方法としては、マグネシウム塩と炭酸ナトリウムとの反応を利用したソーダ灰法、マグネシウム塩と炭酸アンモニウムとの反応を利用した炭安法、水酸化マグネシウムと炭酸ガスとの反応を利用した炭酸化法が知られている。
ソーダ灰法では、マグネシウム塩と炭酸ナトリウムとの反応により、正炭酸マグネシウム(化学式MgCO3・nH2O、n=3が一般的である)が塩基性炭酸マグネシウムの前駆体として生成される。そして、この生成された正炭酸マグネシウムを浴中で静置熟成させることによって脱炭酸させ、塩基性炭酸マグネシウムが得られることが知られている。特許文献1〜3には、水溶性マグネシウム塩と炭酸ナトリウム水溶液を反応させて塩基性炭酸マグネシウムを合成する方法において、反応系の温度を一定条件下に保持し、攪拌下、対塩の添加速度を一定条件に制御し、さらに母液中で静置熟成することが開示されている。これによれば、嵩密度が高く、球状の塩基性炭酸マグネシウムが得られるとされている。
炭酸化法としては、特許文献4に、水性溶媒中における正炭酸マグネシウムからの脱炭酸により塩基性炭酸マグネシウムを製造するに際して、上記脱炭酸を水性媒体中に気泡を流通させながら行う球状塩基性炭酸マグネシウムの製造方法が開示されている。これによれば、多孔質体であって、見掛比重の小さい球状塩基性炭酸マグネシウムを工業的に有利に製造することができるとされている。特許文献5には、水溶液中にて水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを混合して正炭酸マグネシウムを生成させる第1ステップと、該正炭酸マグネシウムの懸濁液を第1ステップよりも高い温度で加熱処理する第2ステップとを有する塩基性炭酸マグネシウムの製造方法が開示されている。これによれば、多孔質で柱状又は管状の形状を有し、高比表面積、低嵩密度等の特性を有するとされている。また、特許文献6及び7には、水酸化マグネシウム懸濁液に炭酸ガスを導入して炭酸水素マグネシウム溶液を調製する第1ステップと、該炭酸水素マグネシウム溶液をpH7.5〜11.0に調節して正炭酸マグネシウムの柱状粒子を生成させる第2ステップと、該正炭酸マグネシウムの柱状粒子の懸濁液をpH9.0〜12.0、かつ温度30〜75℃に調節した後、前記温度範囲を維持することにより塩基性炭酸マグネシウムを生成させる第3ステップとを有する、薄片状微細結晶からなる管状の凝集粒子である塩基性炭酸マグネシウムの製造方法が開示されている。これらによれば、薄片状微細結晶からなる管状の凝集粒子という独特の形状及び形態、並びにそれらに由来する高比表面積、低嵩密度等の特性を有するとされている。しかしながら、正炭酸マグネシウムから複塩混合物を得て、得られた複塩混合物から塩基性炭酸マグネシウムを製造する方法については、これまで全く知られていなかった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムの新たな製造方法を提供することを目的とするものである。具体的には、正炭酸マグネシウムを出発原料とし、これに水溶性炭酸塩を反応させることによって複塩混合物を得て、得られた複塩混合物を乾燥した後に、該複塩混合物を含むスラリーを調製してから加水分解することによって、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムを効率良く製造する方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、正炭酸マグネシウム(A)から得られる塩基性炭酸マグネシウムの製造方法であって、
(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、
(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、
(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、
をこの順番で行うことを特徴とする塩基性炭酸マグネシウムの製造方法を提供することによって解決される。
(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、
(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、
(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、
をこの順番で行うことを特徴とする塩基性炭酸マグネシウムの製造方法を提供することによって解決される。
このとき、得られる塩基性炭酸マグネシウムのJIS K6220−1:2001で規定される見掛比重が0.4〜0.7g/cm3であることが好適である。このとき、前記複塩生成工程において、40〜100℃で反応させて複塩混合物(C)を得る方法が好適な実施態様であり、前記前処理工程において、複塩混合物(C)を乾燥した後に水を加え、1〜20%濃度の複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する方法が好適な実施態様である。また、このとき、水酸化マグネシウムを含むスラリーに二酸化炭素ガスを吹き込むことにより正炭酸マグネシウム(A)を得てから前記複塩生成工程を行う方法も好適な実施態様である。
本発明により、正炭酸マグネシウムを出発原料とし、これに水溶性炭酸塩を反応させることによって複塩混合物を得て、得られた複塩混合物を乾燥した後に、該複塩混合物を含むスラリーを調製してから加水分解することによって、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムを効率良く製造することができる。
本発明の製造方法は、(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、をこの順番で行うことを特徴とするものである。これにより、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムを効率良く製造することが可能となる。なお、本発明における見掛比重は、JIS K6220−1:2001で規定される見掛比重を表すものである。
本発明における複塩生成工程では、正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得ることを特徴とする。
複塩生成工程において、正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを反応させる方法としては特に限定されず、正炭酸マグネシウム(A)を含むスラリーに対して、水溶性炭酸塩(B)の粉体又は水溶液を加えて反応させる方法であってもよいし、正炭酸マグネシウム(A)の粉体に対して、水溶性炭酸塩(B)の粉体及び水を加えて反応させる方法であってもよいし、正炭酸マグネシウム(A)の粉体に対して、水溶性炭酸塩(B)の水溶液を加える方法であってもよい。このとき、効率良く反応させる観点から、攪拌しながら反応させることが好ましい。
複塩生成工程において、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させることが重要である。このことにより、効率良く複塩混合物(C)を得ることが可能となる。質量比(B/A)が45/55未満の場合、複塩混合物(C)が得られず、代わりに見掛比重の低い塩基性炭酸マグネシウムが生成されてしまう結果となる。質量比(B/A)は、48/52以上であることが好ましく、50/50以上であることがより好ましく、52/48以上であることが更に好ましい。一方、質量比(B/A)が99/1を超える場合、経済性が悪くなるため、質量比(B/A)は、90/10以下であることが好ましく、85/15以下であることがより好ましく、80/20以下であることが更に好ましく、75/25以下であることが特に好ましい。
複塩生成工程において、正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)との反応温度としては、40〜100℃で反応させることが好ましい。反応温度が40℃未満の場合、複塩混合物(C)の生成量が低下するおそれがある。反応温度は、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、60℃以上であることが特に好ましい。一方、反応温度の上限としては、98℃以下であることがより好ましく、95℃以下であることが更に好ましく、90℃以下であることが特に好ましい。
複塩生成工程で用いられる正炭酸マグネシウム(A)は、化学式MgCO3・nH2O(n=3が一般的である)で示されるものであるが、その製造方法としては特に限定されない。水酸化マグネシウムを含むスラリーに二酸化炭素ガスを吹き込む方法、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性マグネシウム塩と水溶性炭酸塩とを反応させる方法、重炭酸マグネシウム(Mg(HCO3)2)を熱分解する方法等が挙げられる。中でも、コストを低く抑える観点から、水酸化マグネシウムを含むスラリーに二酸化炭素ガスを吹き込む方法が好適に採用される。したがって、水酸化マグネシウムを含むスラリーに二酸化炭素ガスを吹き込むことにより正炭酸マグネシウム(A)を得てから前記複塩生成工程を行うことが本発明の好適な実施態様である。二酸化炭素ガスとしては、ボンベ等から供給されるものでもよいし、燃焼排ガスから供給されるものでもよい。よりコストを低く抑え、環境負荷を小さくする観点から、燃焼排ガスから供給される二酸化炭素ガスであることが好ましい。したがって、水酸化マグネシウムを含むスラリーに燃焼排ガスから供給される二酸化炭素ガスを吹き込むことにより正炭酸マグネシウム(A)を得てから前記複塩生成工程を行うことが本発明のより好適な実施態様である。
正炭酸マグネシウム(A)を製造する際の水酸化マグネシウムスラリーの濃度としては特に限定されず、MgO換算で1〜20%であることが好ましい。反応温度としては、40℃以上では正炭酸マグネシウムの塩基性炭酸マグネシウムへの転化が進行してしまうため、40℃未満であることが好ましい。一方、反応温度の下限としては20℃以上であることが好ましい。二酸化炭素ガスの濃度としては特に限定されず、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがより好ましい。
複塩生成工程で用いられる水溶性炭酸塩(B)としては特に限定されず、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、炭酸アンモニウム等が好適に用いられる。中でも、経済性、安全性および操作性の観点から、炭酸アルカリ金属塩が水溶性炭酸塩(B)としてより好適に用いられる。
上記説明したように、正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを反応させる複塩生成工程により、複塩混合物(C)が得られることになる。こうして得られる複塩混合物(C)は、水溶性炭酸塩(B)に由来する陽イオンと、正炭酸マグネシウム(A)に由来する陽イオンの2種が少なくとも含まれるものである。例えば、水溶性炭酸塩(B)が炭酸ナトリウム(Na2CO3)である場合、正炭酸マグネシウム(MgCO3・3H2O)との反応により、主にNa2Mg(CO3)2で示される複塩混合物(C)が生成されることになる。
本発明では、前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程を行う。前処理工程における乾燥には、複塩混合物(C)を粉体として得る操作だけでなく、脱水ケーキ状にする操作を含むものである。後述する実施例における対比から分かるように、前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を含むスラリーに対し、乾燥することなく水を加えて希釈した比較例2では、加水分解反応により得られる塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重が小さい結果となった。これに対し、前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を含むスラリーを乾燥させて、複塩混合物(C)の粉体を得た後に、水を加えることにより複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程を行った実施例1では、得られる塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重が大きいことが分かる。したがって、前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程を採用する意義が大きい。
前処理工程におけるスラリー(D)の濃度としては特に限定されないが、1〜20%濃度の複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製することが好ましい。スラリー(D)の濃度が1%未満の場合、経済性や生産性が悪くなるおそれがあり、3%以上であることがより好ましく、5%以上であることが更に好ましい。一方、スラリー(D)の濃度が20%を超える場合、後述する加水分解反応において複塩混合物(C)が残留してしまうおそれがあり、18%以下であることがより好ましく、15%以下であることが更に好ましい。
次いで、本発明では前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程を行う。これにより、見掛比重の高い塩基性炭酸マグネシウムを得ることができる。塩基性炭酸マグネシウムは、化学式mMgCO3・Mg(OH)2・nH2O(m=3〜5、n=3〜8が一般的である)で示されるものである。得られる塩基性炭酸マグネシウムのJIS K6220−1:2001で規定される見掛比重としては、0.4〜0.7g/cm3であることが好ましく、0.42〜0.68g/cm3であることがより好ましく、0.45〜0.65g/cm3であることが更に好ましい。
加水分解工程における反応温度としては特に限定されないが、25〜100℃であることが好ましい。反応温度が25℃未満の場合、加水分解反応速度が低下するおそれがあり、35℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、60℃以上であることが特に好ましい。一方、反応温度の上限としては、98℃以下であることがより好ましく、95℃以下であることが更に好ましく、90℃以下であることが特に好ましい。
加水分解工程における反応時間としては特に限定されないが、0.5〜48時間であることが好ましい。反応時間が0.5時間未満の場合、複塩混合物(C)が残留してしまうおそれがあり、1時間以上であることがより好ましく、1.5時間以上であることが更に好ましい。一方、反応時間が48時間を超える場合、経済性や生産性が悪くなるおそれがあり、30時間以下であることがより好ましく、24時間以下であることが更に好ましい。
本発明で得られる塩基性炭酸マグネシウムの比表面積としては特に限定されないが、5〜25m2/gであることが好ましく、8〜20m2/gであることがより好ましく、10〜15m2/gであることが更に好ましい。
また、本発明で得られる塩基性炭酸マグネシウムの平均粒径としては特に限定されないが、1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましく、5〜15μmであることが更に好ましい。
上記説明したように、本発明により得られる塩基性炭酸マグネシウムは、見掛比重が大きいものである。したがって、ゴム、塗料、製紙、医薬品、化粧品、建材、窯業原料などの様々な用途に好適に使用することが可能である。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。実施例中、X線回折(XRD)は、株式会社リガク製「MiniFlex600」を使用した。SEM観察は、日本電子株式会社製「JSM−7500FA」を使用して行った。比表面積は、Mountech社製「Macsorb(登録商標)HM model−1201」を使用して測定し、平均粒径は、日機装株式会社製「MicrotracMT3300EXII」を使用して測定し、測定の結果から算出されるメディアン径を平均粒径とした。
[正炭酸マグネシウムの製造]
マグネシウム源として水酸化マグネシウム、炭酸源として二酸化炭素ガスを用いた。MgO換算で6%の水酸化マグネシウムスラリー1Lを40℃以下に保持しながら燃焼排ガス(二酸化炭素ガス濃度13%)を1L/minで吹き込むことにより反応させた。スラリーのpHが8以下で安定したところで反応を終了した。次いで、ろ過、乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、正炭酸マグネシウム(MgCO3・3H2O)の生成を確認した。
マグネシウム源として水酸化マグネシウム、炭酸源として二酸化炭素ガスを用いた。MgO換算で6%の水酸化マグネシウムスラリー1Lを40℃以下に保持しながら燃焼排ガス(二酸化炭素ガス濃度13%)を1L/minで吹き込むことにより反応させた。スラリーのpHが8以下で安定したところで反応を終了した。次いで、ろ過、乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、正炭酸マグネシウム(MgCO3・3H2O)の生成を確認した。
実施例1
上記得られた正炭酸マグネシウムを用い、MgO換算で12%正炭酸マグネシウムスラリーを調製した。前記正炭酸マグネシウムスラリー500mLを攪拌しながら、炭酸ナトリウム80gを添加し、液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させて、添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了した。撹拌終了後、ろ過、乾燥を行って複塩混合物の粉体を得た。X線回折(XRD)により分析し、複塩混合物(Na2Mg(CO3)2)の生成を確認した。得られた複塩混合物の粉体に水を加えて10%スラリーを調製した。このスラリーの液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させ、3時間攪拌を継続し加水分解反応を行った。攪拌終了後、ろ過、水洗及び乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、塩基性炭酸マグネシウムの生成を確認した。塩基性炭酸マグネシウムのSEM画像(倍率:3000倍、10000倍)を図1に示す。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.50g/cm3であり、比表面積は12m2/gであり、平均粒径は8μmであった。
上記得られた正炭酸マグネシウムを用い、MgO換算で12%正炭酸マグネシウムスラリーを調製した。前記正炭酸マグネシウムスラリー500mLを攪拌しながら、炭酸ナトリウム80gを添加し、液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させて、添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了した。撹拌終了後、ろ過、乾燥を行って複塩混合物の粉体を得た。X線回折(XRD)により分析し、複塩混合物(Na2Mg(CO3)2)の生成を確認した。得られた複塩混合物の粉体に水を加えて10%スラリーを調製した。このスラリーの液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させ、3時間攪拌を継続し加水分解反応を行った。攪拌終了後、ろ過、水洗及び乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、塩基性炭酸マグネシウムの生成を確認した。塩基性炭酸マグネシウムのSEM画像(倍率:3000倍、10000倍)を図1に示す。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.50g/cm3であり、比表面積は12m2/gであり、平均粒径は8μmであった。
比較例1
実施例1において、炭酸ナトリウムの使用量を40gに変更した以外は実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了し、ろ過、乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムが生成されており、複塩混合物の生成は認められなかった。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.30g/cm3であった。
実施例1において、炭酸ナトリウムの使用量を40gに変更した以外は実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了し、ろ過、乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析したところ、塩基性炭酸マグネシウムが生成されており、複塩混合物の生成は認められなかった。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.30g/cm3であった。
比較例2
上記得られた正炭酸マグネシウムを用い、MgO換算で12%正炭酸マグネシウムスラリーを調製した。前記正炭酸マグネシウムスラリー500mLを攪拌しながら、炭酸ナトリウム80gを添加し、液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させて、添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了した。次いで、スラリーに水を加えて全量が2Lとなるように希釈した。希釈したスラリーの液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させ、3時間攪拌を継続し加水分解反応を行った。攪拌終了後、ろ過、水洗及び乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、塩基性炭酸マグネシウムの生成を確認した。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.25g/cm3であった。
上記得られた正炭酸マグネシウムを用い、MgO換算で12%正炭酸マグネシウムスラリーを調製した。前記正炭酸マグネシウムスラリー500mLを攪拌しながら、炭酸ナトリウム80gを添加し、液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させて、添加開始から2時間経過した時点で攪拌を終了した。次いで、スラリーに水を加えて全量が2Lとなるように希釈した。希釈したスラリーの液温を0.5℃〜1.0℃/minで80℃まで昇温させ、3時間攪拌を継続し加水分解反応を行った。攪拌終了後、ろ過、水洗及び乾燥を行って粉体を得た。X線回折(XRD)により得られた粉体を分析し、塩基性炭酸マグネシウムの生成を確認した。このとき得られた塩基性炭酸マグネシウムの見掛比重は0.25g/cm3であった。
Claims (5)
- 正炭酸マグネシウム(A)から得られる塩基性炭酸マグネシウムの製造方法であって、
(1)正炭酸マグネシウム(A)と水溶性炭酸塩(B)とを、水溶性炭酸塩(B)とMgO換算による正炭酸マグネシウム(A)との質量比(B/A)が45/55〜99/1となるように反応させて複塩混合物(C)を得る複塩生成工程、
(2)前記複塩生成工程で得られた複塩混合物(C)を乾燥した後に、該複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する前処理工程、
(3)前記スラリー(D)を加水分解することにより塩基性炭酸マグネシウムを得る加水分解工程、
をこの順番で行うことを特徴とする塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。 - 得られる塩基性炭酸マグネシウムのJIS K6220−1:2001で規定される見掛比重が0.4〜0.7g/cm3である請求項1記載の塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。
- 前記複塩生成工程において、40〜100℃で反応させて複塩混合物(C)を得る請求項1又は2記載の塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。
- 前記前処理工程において、複塩混合物(C)を乾燥した後に水を加え、1〜20%濃度の複塩混合物(C)を含むスラリー(D)を調製する請求項1〜3のいずれか記載の塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。
- 水酸化マグネシウムを含むスラリーに二酸化炭素ガスを吹き込むことにより正炭酸マグネシウム(A)を得てから前記複塩生成工程を行う請求項1〜4のいずれか記載の塩基性炭酸マグネシウムの製造方法。
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WO2019044121A1 (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-07 | 神島化学工業株式会社 | 高分散塩基性炭酸マグネシウム粉末及びその製造方法 |
KR20200113676A (ko) * | 2019-03-26 | 2020-10-07 | 연세대학교 산학협력단 | 산업폐수를 이용한 금속 탄산염의 분별 생산방법 |
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WO2019044121A1 (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-07 | 神島化学工業株式会社 | 高分散塩基性炭酸マグネシウム粉末及びその製造方法 |
JP2019038724A (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-14 | 神島化学工業株式会社 | 高分散塩基性炭酸マグネシウム粉末及びその製造方法 |
KR20200113676A (ko) * | 2019-03-26 | 2020-10-07 | 연세대학교 산학협력단 | 산업폐수를 이용한 금속 탄산염의 분별 생산방법 |
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