JP2007000959A - 単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工用鋳鉄板、加工装置及び加工方法 - Google Patents
単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工用鋳鉄板、加工装置及び加工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工用鋳鉄板は、1枚の円板状をした鋳鉄板に単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設けたことを特徴としている。
また、本発明の単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工装置は、単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面及び周面を、円板状をした鋳鉄板にオリーブ油等で溶いた微粒ダイヤモンドを塗布し該鋳鉄板の回転により加工する装置において、1枚の鋳鉄板に前記切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設け、単結晶ダイヤモンド切れ刃を鋳鉄板のx軸からy方向にずれた位置において前記傾斜面に相対するように位置させてなることを特徴としている。
【選択図】 図5
Description
切れ刃10は、端面1、周面2及びすくい面3を有し、4は端面切れ刃角、5は周面切れ刃角、6は端面逃げ角、7は周面逃げ角、8は上すくい角、9は横すくい角である。
すくい面3を鏡面加工された切れ刃10を工作機械に設置したまま切れ刃10の端面1と周面2を機上加工するためには、従来法では図2に示す端面加工用鋳鉄板11と図3に示す周面加工用鋳鉄板12の2つの鋳鉄板11、12をそれぞれ中心軸を所定の角度傾斜させて設置する必要があった。
図2は、機上に固定された切れ刃10の端面1の従来の加工の様子を、また図3は、機上に固定された切れ刃の周面2の従来の加工の様子を示している。
実際の加工時には切れ刃10と鋳鉄板11、12とは最大砥粒径の1/2程度の間隔を有しているが、図2及び図3では判りづらいので極端に離して図示している(以下の図においても同じ。)。
ところが、超精密加工機械を用いて切れ刃10を機上に取り付け固定し、機上加工する場合、加工機械に充分なスペースが有る場合は、2組の傾斜保持された鋳鉄板11、12を用いた加工が可能であるが、鋳鉄板11、12等の工具の設置空間が小さい場合には、端面用と周面用の2つの鋳鉄板11、12の設置が困難であるという問題があった。
また、本発明の単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工装置は、単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面及び周面を、円板状をした鋳鉄板にオリーブ油等で溶いた微粒ダイヤモンドを塗布し該鋳鉄板の回転により加工する装置において、1枚の鋳鉄板に前記切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設け、単結晶ダイヤモンド切れ刃を鋳鉄板のx軸からy方向にずれた位置において前記傾斜面に相対するように位置させてなることを特徴としている。
また、本発明の単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工方法は、単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面及び周面を、円板状をした鋳鉄板にオリーブ油等で溶いた微粒ダイヤモンドを塗布し該鋳鉄板の回転により加工する方法において、前記切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設けた1枚の鋳鉄板に対して鋳鉄板のx軸からy方向にずれた位置の傾斜面の線ALO−ALIに相対して単結晶ダイヤモンド切れ刃を位置させ、前記線ALO−ALIに沿って3次元的に単結晶ダイヤモンド切れ刃及び鋳鉄板を相対移動させつつ切り込み加工することを特徴としている。
高速回転する鋳鉄板20は円板状をしており、鋳鉄板20の下方端面21には切れ刃10の周面切れ刃角5に対応する傾き14をもった端面傾斜面22が設けられており、また、鋳鉄板20の外周部23に切れ刃10の端面切れ刃角4に対応する傾き13をもった外周傾斜面24が設けられている。また、鋳鉄板20を装着台に取り付けるための取付穴25が設けられる。
鋳鉄板20の両傾斜面22、24は最終工程では後述する曲面になっている事が好ましいが、切れ刃10がブロック状の加工初期では、鋳鉄板20の加工面である両傾斜面22、24は最終工程の曲面に加工せずに、最終曲面を直線近似して切れ刃10の加工を開始しても良いし、加工能率を重視し曲面に加工して切れ刃10の加工を開始しても良い。
直線近似で、切れ刃10の加工により鋳鉄板20の形状を目的の形状に創製する手法は後述する。
なお、切れ刃の端面1及び周面2の加工にあたっては、加工する切れ刃10のすくい面3は機械に取り付ける前に鏡面加工されている事を前提としている。
両図とも、左の(a)は加工状態の立体図を、右上の(b)は鋳鉄板20の側面の断面図の半分を、右下の(c)は鋳鉄板20を下から見た図の一部を示す。
図5及び6の右下(c)における鋳鉄板20上の太い2本の実線26、27は、同図(b)の矢印28で示す切れ刃10の往復移動方向の移動経路の例を示している。
なお、本実施の形態においては、切れ刃10あるいは鋳鉄板20のいずれを移動させてもよく、要は両者の相対移動があればよい。
鋳鉄板20は高速回転しており、鋳鉄板20と切れ刃10の間にはオリーブ油等で溶いた微粉のダイヤモンド砥粒が塗布されている。
切れ刃10の加工初期のブロック形状から概略の形状への粗加工では、鋳鉄板20及び切れ刃10の加工負荷に合わせて自由な移動経路を取ってよい。
前記の角度αとβだけずらしている理由は切れ刃10に円弧状の逃げ面を設けるためである。
この方式で加工すると端面逃げ角6及び周面逃げ角7は直線ではなく円弧に加工される。しかし、切れ刃10としての端面切れ刃角4及び周面切れ刃角5の稜線は切れ刃10で加工する製品の形状に転写されるため高精度の直線性を要求されるのに対し、端面逃げ角6及び周面逃げ角7は切れ刃10の端面1や周面2と加工物との摩擦を減らすのが目的のため直線としての形状精度は要求されていない。
図7の左上(a)は、鋳鉄板20の断面図と切れ刃10の関係を示しており、図7の左下(b)は、鋳鉄板20と切れ刃10を下から見た図である。工作機械はX、Y、Zの3軸方向に移動可能である。
切れ刃10の往復移動方向28は、切れ刃すくい面3と鋳鉄板20の最外周との接触点をAXとすると、AXから中心Oへ向かうAX−A2やX−Oに平行に移動するAX−A1など自由に設定できる。1例としてX−Oに平行に鋳鉄板が移動するAX−A1の場合について述べる。αだけずらした時のX−OとAX−A1の間隔をLとする。図7の右(c)は鋳鉄板20の立体モデルと切れ刃すくい面3の接触状態の模式図である。鋳鉄板20と切れ刃10はダイヤモンド微粉により、お互いにお互いを加工し合っており、加工量の比は体積比でダイヤモンド1に対して鋳鉄は約70であるが、今は鋳鉄板20は摩耗しないと仮定する。鋳鉄板20の中心軸とLだけ最小距離が離れ、X−Oと平行な線群で示される平面と鋳鉄板20の円錐の外周傾斜面24と交わる曲線を例示する。
これを防ぐためには鋳鉄板20を往復移動させて切れ刃10を直線に加工することになる。ここでは鋳鉄板20が摩耗しないと仮定しているため、切れ刃10をALOとALIを結ぶ3次元直線上を平行に往復移動させつつ、切れ刃10が加工されるに合わせて切り込むと切れ刃は直線に加工される。この場合、鋳鉄板20が減耗しないと仮定しているため加工に作用する鋳鉄板20は一点のリング状の面しか作用せず、非現実的に切れ刃10の加工能率が悪くなる。実際には鋳鉄板20も摩耗するためALOとALI曲線の凸部と切れ刃の凸部から先に共に接触摩耗され、最終的には図8の下(b)に太線ALO−ALIで示すようにALOとALIが直線になるように鋳鉄板20の周面の傾斜が曲面に加工されることが切れ刃10の加工能率の点で好ましい。
図中のb0は前記のLをL0に移動した場合の切れ刃10と鋳鉄板20の接触幅のモデルである。LからL0へと少し減少しただけで切れ刃10の接触加工部の厚みの幅は非常に狭くなる事が判る。
切れ刃10の周面2の加工法も端面1の加工法と同様にするので加工法の記述を割愛した。
2 周面
3 すくい面
4 端面切れ刃角
5 周面切れ刃角
6 端面逃げ角
7 周面逃げ角
8 上すくい角
9 横すくい角
10 切れ刃
11、12 鋳鉄板
13 端面切れ刃角4に対応する傾き
14 周面切れ刃角5に対応する傾き
20 2面傾斜鋳鉄板
21 下方端面
22 端面傾斜面
23 外周部
24 外周傾斜面
25 取付穴
26、27 単結晶ダイヤモンド切れ刃の往復移動経路の例
28 単結晶ダイヤモンド切れ刃の往復移動方向
Claims (3)
- 1枚の円板状をした鋳鉄板に単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設けたことを特徴とする単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工用鋳鉄板。
- 単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面及び周面を、円板状をした鋳鉄板にオリーブ油等で溶いた微粒ダイヤモンドを塗布し該鋳鉄板の回転により加工する装置において、1枚の鋳鉄板に前記切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設け、単結晶ダイヤモンド切れ刃を鋳鉄板のx軸からy方向にずれた位置において前記傾斜面に相対するように位置させてなることを特徴とする単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工装置
- 単結晶ダイヤモンド切れ刃の端面及び周面を、円板状をした鋳鉄板にオリーブ油等で溶いた微粒ダイヤモンドを塗布し該鋳鉄板の回転により加工する方法において、前記切れ刃の端面切れ刃角及び周面切れ刃角に相当する円錐状の傾斜面を設けた1枚の鋳鉄板に対して鋳鉄板のx軸からy方向にずれた位置の傾斜面の線ALO−ALIに相対して単結晶ダイヤモンド切れ刃を位置させ、前記線ALO−ALIに沿って3次元的に単結晶ダイヤモンド切れ刃及び鋳鉄板を相対移動させつつ切り込み加工することを特徴とする単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工方法。
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