JP2013210334A - 切削インサートの形状評価方法、切削インサートの製造方法及び切削インサート - Google Patents

切削インサートの形状評価方法、切削インサートの製造方法及び切削インサート Download PDF

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Abstract

【課題】切削インサートの切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じているか否かを的確に評価する。
【解決手段】多角形平板状の切削インサートにおける切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分の形状を評価する切削インサートの形状評価方法である。少なくとも直線部分と円弧部分を含む前記切れ刃の直交座標における輪郭形状を測定する測定工程と、円弧部分の曲率中心を求め曲率中心から切れ刃の測定点まで距離Rと、曲率中心を中心とした円弧部分のある一点から前記切れ刃の測定点に至るまでの角度θを設定してインサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換する座標変換工程と、極座標における境界部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの距離Rが、円弧部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して、所定許容範囲に収まっているか否かで切削インサートの良否を判定する判定工程とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、切削インサートの形状評価方法、切削インサートの製造方法及び切削インサートに関する。
従来、金属材料(被削材)に旋削加工や転削加工等を施すための刃先交換式切削工具が知られている。刃先交換式切削工具は、軸状や柱状をなす工具本体と、該工具本体の先端部に着脱可能に装着される板状や棒状をなす切削インサートとを備える。切削インサートは、板状のものの場合例えば多角形面などからなるすくい面と、このすくい面に交差して連なる逃げ面と、これらすくい面及び逃げ面の交差稜線に形成された切れ刃とを備えている。
この種の切削インサートとして、超硬合金や鋼等からなる台金の角部にcBN焼結体又はPCD焼結体を含む切れ刃部材が配設されたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開平8−155702号公報
一般に、切れ刃がcBN焼結体又はPCD焼結体からなる切削インサートは、例えば焼結合金等の高硬度鋼の仕上げ切削用として用いられるものであり、被削材に対する加工精度をあげるため、切削インサート自体、その形状を高精度で仕上げ加工されている。例えば、形状を整えるために、最終的に切れ刃部分を含んで外周研磨加工が施されている。
多角形平板状の切削インサートに外周研磨加工を施す際に、切れ刃の辺の直線部分と刃先の丸みをおびた円弧部分との境界部分を、滑らかとなるように研磨加工することができず、この部分に不連続部分が生じてしまうことが多々あった。つまり、切削インサートの切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に凹みが生じたり、あるいは逆に凸部が生じたりしていた。
このように切削インサートの切れ刃の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じる原因は、研磨用砥石の摩耗が進行することに伴い該砥石の形状が刻々変化することもあって、円弧部分に沿って該砥石を移動させながら研磨加工する際に、辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分で、その研磨加工を正確に終了させることが困難なためである。
そして、上述したように切削インサートの切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じると、当該切削インサートの切れ刃と被削材との接触面積が小さくなって被削材に対して局所的な加工が行なわれることとなり、所望の加工精度が得られなくなる。
ところで、従来、被削材の加工精度につながる、多角形平板状の切削インサートの切り刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じていることを的確に評価する方法は未だ見出されておらず、その開発が待たれていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切削インサートの切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じているか否かを的確に評価することができる切削インサートの形状評価方法、切削インサートの製造方法及び良好な加工精度が得られる高品質の切削インサートを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の切削インサートの形状評価方法は、多角形平板状の切削インサートにおける切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分の形状を評価する切削インサートの形状評価方法であって、少なくとも前記直線部分と前記円弧部分を含む前記切れ刃の直交座標における輪郭形状を測定する測定工程と、前記円弧部分の曲率中心を求め該曲率中心から前記切れ刃の測定点まで距離Rと、前記曲率中心を中心とした前記円弧部分のある一点から前記切れ刃の測定点に至るまでの角度θを設定して、前記インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換する座標変換工程と、前記極座標における前記境界部分の前記曲率中心から前記切れ刃の測定点までの距離Rが、前記円弧部分の前記曲率中心から前記切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して、所定許容範囲に収まっているか否かで切削インサートの良否を判定する判定工程と、を備えることを特徴する。
このような構成によれば、まず、切削インサートの切れ刃の直交座標における輪郭形状を測定し、次いで、これら測定データから刃先の円弧部分の曲率中心を求めるとともにこの曲率中心から切れ刃の測定点まで距離Rと、曲率中心を中心とした円弧部分のある一点から切れ刃の測定点に至るまでの角度θを設定して、インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換する。そして、極座標における境界部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの距離Rが、円弧部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して、所定許容範囲に収まっているか否によって切削インサートの良否を判定する。
このように切れ刃の刃先の円弧部分が曲率中心からの距離すなわち曲率半径が一定であるとの仮定のもと、切削インサートの辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分の形状を、前記曲率中心から測定点まで距離Rに基づいて切削インサートの良否を判定するので、切削インサートの形状に対する的確な評価が行なえる。
また、前記判定工程における所定許容範囲は±1μmであることが好ましい。
この場合、本件の発明者等は、種々実験を行い、極座標における境界部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの距離Rが、円弧部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して±1μm内に収まっていれば、当該切削インサートによって被削材に対し切削加工を行う場合、高精度加工が行なえることを確認した。これについては後述する実施例の説明で明らかにする。
また、本発明の切削インサートの製造方法は、切削インサートとなる中間部材に対して輪郭形状を整えるための研磨加工を施す研磨工程と、前記請求項1または2に記載の切削インサートの形状評価方法によって前記中間部材が良否のいずれになるかを評価する評価工程と、前記評価工程で良と評価した場合には研磨加工を終了し、前記評価工程で否と評価した場合には該評価工程で良と評価できるまで、前記中間部材に対して追加工を施すことを特徴とする。
また、本発明の切削インサートは、請求項2に記載の切削インサートの形状評価方法により良と評価されたことを特徴する。
これにより、最終的に、良好な加工精度が得られる高品質の切削インサートを得ることができる。
本発明によれば、切削インサートとなる中間部材の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分に不連続部分が生じているか否かを的確に評価することができる。また、この評価によって良と判定された切削インサートは、被削材に対して良好な加工精度が得られる高品質の切削インサートであることを保証できる。
本発明の実施形態の切削インサートの形状評価方法及び切削インサートの製造方法の対象となる切削インサートの斜視図である。 同実施形態の切削インサートの形状評価方法及び切削インサートの製造方法の対象となる切削インサートの平面図である。 本発明の実施形態の切削インサートの形状評価方法及び切削インサートの製造方法の工程を説明する図である。 本発明の実施形態の切削インサートの形状評価方法の測定工程において図2のIV円部の切れ刃を測定する説明図である。 本発明の実施形態の切削インサートの形状評価方法における切削インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換した説明図である。 理想的な切削インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換した説明図である。 本発明の実施例の面粗さの状況を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
図1は本発明の実施形態の切削インサートの形状評価方法及び切削インサートの製造方法の対象となる切削インサートを示すものである。また、図2は同切削インサートの平面図である。
切削インサートは、図1に示すように多角形平板状、具体的には菱形平板状をなすインサート本体1を有し、その一方の菱形面がすくい面2とされるとともに他方の菱形面が着座面3とされ、これらすくい面2と着座面3の周囲に配置される4つの周面が逃げ面4とされ、すくい面2と逃げ面4との交差稜線部に切れ刃5が形成されている。
また、すくい面2と着座面3の中央部には、インサート本体1を貫通する取付孔6が開口されている。なお、本実施形態の切削インサートは、すくい面2と着座面3とがこの取付孔6の中心線に垂直な平面状とされるとともに、逃げ面4は前記中心線に平行に延びる平面状とされて、すくい面2と逃げ面4とが直交する方向に形成されたネガティブタイプの切削インサートとされている。
このインサート本体1は、すくい面2とされる菱形面の両鋭角角部を除いた部分が超硬合金によりなる台金7として形成されるとともに、この鋭角角部には、該鋭角角部に交差する一対の逃げ面4をすくい面2から一定の深さで断面L字状に切り欠くように凹部8が形成されており、この凹部8にcBN焼結体よりなる切刃チップ9がロウ付けにより接合されている。
この切刃チップ9は、上面に前記すくい面2が形成される第1cBN層9Aと、この第1cBN層9Aの下面に接合された第2cBN層9BからなるcBN層状焼結体によって形成されており、切刃チップ9における逃げ面4は第2cBN層9B上に亙って形成されている。そして、切刃チップ9の第1cBN層9AにおけるcBN粒子の平均粒径は、前記第2cBN層9BにおけるcBN粒子の平均粒径よりも大きくされている。
ここで、これら切刃チップ9と台金7とにおいて、すくい面2と逃げ面4はそれぞれ面一となるように形成され、また一対の逃げ面4の交差稜線部はすくい面2にかけて凸円筒面状に形成されて、切刃チップ9上の切れ刃5に凸円弧状のコーナ部10が形成されるようになされている。さらに、前記切れ刃5には、チャンファーホーニングまたは丸ホーニングあるいはこれらの複合ホーニングよりなるホーニングが、必要に応じて台金7から切刃チップ9にかけて連続するように形成される。
このような切削インサートは、例えば刃先交換式バイトのホルダに着脱可能に取り付けられて、回転する被削材の外周面や端面に切れ刃5が切り込まれることにより、旋削加工に使用される。このとき、切れ刃5は、主として硬質なcBN焼結体によりなる前記切刃チップ9上に形成された部分が被削材に切り込まれて使用される。
次に、前記構成の切削インサートの製造方法について図3を参照しながら説明する。上述のようなcBN粒子の平均粒径の異なる第1、第2cBN層9A、9Bを有する層状焼結体よりなる切刃チップ9を形成するのに、平均粒径の大きなcBN粒子を含有する第1cBN焼結体を予備焼結するとともに、この第1cBN焼結体よりも平均粒径の小さなcBN粒子を含有する第2cBN焼結体を予備焼結し、これら第1、第2cBN焼結体を突き合わせて本焼結することにより接合して例えばリング状のブランク材を形成する。
このリング状のブランク材の前記第1、第2cBN焼結体の接合面を含む領域を切り出して層状焼結体に成形する。層状焼結体は切刃チップ9よりも僅かに一回り大きな寸法に設定する。そして、層状焼結体における前記第1cBN焼結体部分がすくい面2側を向くようにして、やはり前記台金7よりも僅かに一回り大きな寸法に形成された超硬合金製基体の凹部に、この層状焼結体をロウ付けにより接合する。
このようにして得られる切削インサートの中間部材に対し、層状焼結体およびその周辺の超硬合金製基体の表面に研磨加工を施す(ステップS1)。これにより、台金7と切刃チップ9とで面一なすくい面2および逃げ面4、並びに必要に応じたホーニングを形成する。
このように製造された前記構成の切削インサートでは、切れ刃5のすくい面2に、切刃チップ9の上面において平均粒径の大きなcBN粒子を含有する第1cBN層9Aが配設されるとともに、該第1cBN層9Aの下側に平均粒径の小さいcBN粒子を含有する第2cBN層9Bが配設される。
次いで、研磨加工を施した前記切削インサート1が的確な輪郭形状に仕上られているか否か、特に、多角形平板状の切削インサート1における切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cが連続するように滑らかに加工されているかどうか、言いかえれば、切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cに凹みや凸部が生じて、それら直線部分5Aと円弧部分5Bとが不連続となっていないかどうかについて評価する(ステップS2)。
形状評価方法について説明すると、図4に示すように、切削インサートの切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bについて輪郭形状を測定する(ステップS2−1)。この測定には、例えば輪郭形状測定器を用いる。勿論、これに限らず、カメラを用いて切削インサート1を上面から臨むように撮像し、その撮像データから切削インサートの所要部位の輪郭形状データを得るように測定しても良い。このようにして得られた輪郭形状の測定データは直交座標系のデータである。
この測定データから、まず円弧部分5Bの曲率中心Oを求める。そして、曲率中心Oから切れ刃5の各測定点まで距離Rと、曲率中心Oを中心とした前記円弧部分のある一点から切れ刃5の測定点に至るまでの角度θを設定し、切削インサート1の切れ刃5の輪郭形状の測定データを極座標に変換する(ステップS2−2)。
なお、ここでは、角度θの基点は、円弧部分5Bの中心としたが、これに限られることなく、例えば、円弧部分5Bの一端側あるいは他端側に設定してもよい。
図5は切削インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換した説明図である。縦軸には距離R、横軸には角度θをとっている。この測定データを基に、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離Rが、円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxに対して、所定許容範囲、例えば±1μmに収まっているか否かによって、切削インサート1の良否を判定する(ステップS2−3)。
具体的には、個々の測定データは誤差を含んでいる関係上、個々の距離Rに関する測定データについて、平均距離Rxに対し所定許容範囲内に収まっているか否かを判定するより、隣接する極近傍の測定点、例えば連続する3個の測定点の測定データの局所平均値Rbを求め、その局所平均値Rbが前記平均距離Rxに対して所定許容範囲(±1μm)に収まっているか否を判断する方が、誤差の取り込みが少なくより的確な評価が行なえる。
なお、ここでは、3個の測定点の測定データ(距離R)の局所平均値Rbを採用しているが、これに限られることなく、2個の測定点の平均値を局所平均値Rbとしても、あるいは3個以上〜7個以内のいずれかの複数の測定点の平均値を局所平均値Rbとしてもよい。さらに、測定点の個数に代わり、ある測定範囲を定め、その測定範囲内(例えば切れ刃に沿った数μm)にある測定点の平均値をその測定範囲の局所平均値としてもよい。
図5に示す例では、局所平均値Rbが平均距離Rxよりも1μm以上小さくなっている。つまり、平均距離Rxに対する局所平均値Rbが−1μmを超えているので、切削インサート1の形状を「否」と判定した。言い換えれば、切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cに凹みが生じて、それら直線部分5Aと円弧部分5Bとが不連続となっていると判定した。
図6は、理想的な切削インサートの切れ刃5の輪郭形状の測定データを極座標に変換した説明図である。この図に示すように、切れ刃5の刃先の円弧部分5Bでは、角度θが何れであっても、曲率中心Oから切れ刃5の測定点まで距離Rは一定(Ra)である。そして、角度θが大きくなって、測定点が境界部分5Cを超えて切れ刃5の辺の直線部分5Aに至ると、曲率中心Oから切れ刃5の測定点まで距離Rは、角度θが増すに伴い漸次増大する。すなわち、図6において距離Rが一定の領域5bは切れ刃5の刃先の円弧部分5Bを表し、距離Rが角度θとともに増大する領域5aは切れ刃5の辺の直線部分5Aを表し、領域5bと領域5aとの間の屈曲部5cは切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cを表す。
実際の測定データは、前記図5に示すように、この理想的な切削インサートの測定データに近いものの、直線部分から立ち上がる寸前で若干下がる傾向にある。すなわち、これは、切れ刃の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cで凹みが生じていることを意味する。ここでは、図5から明らかなように、切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cに、凹みや凸部が生じていることを視覚によって容易に認識することができる。
このように、インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換することで、切れ刃の刃先の円弧部分が曲率中心からの距離すなわち曲率半径が一定であるとの仮定のもと、切れ刃の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cの形状を容易に認識することができ、これに基づき、切削インサートの形状の良否を容易に判定することができる。
そして、前記評価工程(ステップS2、S2−3)で「良」と評価した場合には研磨加工を終了し(ステップS4)、前記評価工程で「否」と評価した場合には該評価工程で「良」と評価できるまで、当該切削インサート1に対して追加工を施す(ステップS3)。
追加工は、例えば、切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5C及びその近傍に対して、ブラシ処理、ラップ処理、ショットブラスト処理、あるいはレーザー加工を行い、境界部分5Cの凹みや凸部を除去する加工である。
以上のような、切削インサートであると、切れ刃5の辺の直線部分5Aと刃先の円弧部分5Bとの境界部分5Cに凹みや凸部を有さず連続した形状となっているので、被削材に対して高精度の加工が行なえる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、前記実施形態では、菱形平板状の切削インサート1を研磨加工する場合を例に挙げて説明したが、これに限られることなく、他の多角形平板状、例えば3角形平板状のあるいは6角形平板状の切削インサートを加工する場合にも、本発明は適用可能である。
また、前記実施形態では、角部に形成した凹部8にcBN焼結体よりなる切刃チップ9がロウ付けにより接合された切削インサート1を例に挙げて説明したが、これに限られることなく、切削チップを有することなく一体型の切削インサートを加工する場合にも、本発明は適用可能である。
また、切削インサートの良否を判定するに当り、前述したように、極座標における前記境界部分5Cの曲率中心から切れ刃の測定点までの距離Rが、円弧部分の曲率中心から切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して所定許容範囲に収まっているか否かで判定しているが、この要素に加えて、図5に示すように、例えば最大高さRzが3μm(この値は適宜任意に設定可能である)以下にするといった面粗さの要素を加えても良い。これにより、より高品質の切削インサートを保証することができる。
また、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、前記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明の効果について実証する。本実施例では、上述した実施形態に基づいて、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離の局所平均値Rbと、円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxとの差Lが、−1.0μmのもの(実施例1)、−0.6μmのもの(実施例2)、−0.4μmのもの(実施例3)、−0.1μmのもの(実施例4)のものそれぞれ用意し、切削試験を行ってそれぞれ被削材について面粗さを測定した。この結果を図7に示す。
また、この実施例に対する比較例として、上述した実施形態に基づいて、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離の局所平均値Rbと、円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxとの差Lが、−1.6μmのもの(比較例1)を用意し、実施例1〜4と同一の切削条件で切削試験を行って被削材について面粗さを測定した。これらの結果も図7に併せて示す。
なお、製造した切削インサートは、呼び記号がNP-CNGA120408GAのもので、切れ刃5にはcBN焼結体よりなる切刃チップ9が配設されていた。cBN焼結体のcBN含有量は50−60重量%、cBNの粒径は1μm以下のものを用いた。
切削試験はSCM420よりなる丸棒被削材の外周旋削を行い、切削条件は切削速度180m/min、送り0.2mm/rev、切り込み0.2mmであり、乾式切削であった。
図7に示すように、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離の局所平均値Rbと円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxとの差Lが小さくなるにつれて、つまり、実施例1から実施例4へ移行するにつれて、被削材の最大高さRmaxが小さくなっていることが分かった。特に、切削を開始してから90秒以内の切削初期段階においてはその傾向が著しい。これは、切れ刃5がまだ新しく構成刃先等を有さず、該切れ刃5の形状がそのまま被削材の面粗さに影響を及ぼすためと考えられる。
これにより、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離の局所平均値Rbと円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxとの差Lと最大高さRmaxとは明らかに相関関係があり、前記差Lが小さければ、被削材に対して面粗さの小さい良好な切削加工が行なえることが確認できた。
また、図7の結果から、極座標における境界部分5Cの曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの距離の局所平均値Rbと円弧部分5Bにおける曲率中心Oから切れ刃5の測定点までの平均距離Rxとの差Lが1.0μm以下であると(実施例1、2、3、4)、比較例に比べ、切削時間が240秒と長くなっても最大高さRzが比較的小さな値に抑えられ、良好な切削が行なわれたことが確認された。
1 切削インサート
5 切れ刃
5A 切れ刃の辺の直線部分
5B 切れ刃の刃先の円弧部分
5C 切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分
7 台金
9 切刃チップ

Claims (4)

  1. 多角形平板状の切削インサートにおける切れ刃の辺の直線部分と刃先の円弧部分との境界部分の形状を評価する切削インサートの形状評価方法であって、
    少なくとも前記直線部分と前記円弧部分を含む前記切れ刃の直交座標における輪郭形状を測定する測定工程と、
    前記円弧部分の曲率中心を求め該曲率中心から前記切れ刃の測定点まで距離Rと、前記曲率中心を中心とした前記円弧部分のある一点から前記切れ刃の測定点に至るまでの角度θを設定して、前記インサートの切れ刃の輪郭形状の測定データを極座標に変換する座標変換工程と、
    前記極座標における前記境界部分の前記曲率中心から前記切れ刃の測定点までの距離Rが、前記円弧部分の前記曲率中心から前記切れ刃の測定点までの平均距離Rxに対して、所定許容範囲に収まっているか否かで切削インサートの良否を判定する判定工程と、
    を備えることを特徴する切削インサートの形状評価方法。
  2. 前記判定工程における所定許容範囲は±1μmであることを特徴とする請求項1に記載の切削インサートの形状評価方法。
  3. 切削インサートとなる中間部材に対して輪郭形状を整えるための研磨加工を施す研磨工程と、
    前記請求項1または2に記載の切削インサートの形状評価方法によって前記中間部材が良否のいずれになるかを評価する評価工程と、
    前記評価工程で良と評価した場合には研磨加工を終了し、前記評価工程で否と評価した場合には該評価工程で良と評価できるまで、当該切削インサートに対して追加工を施すことを特徴とする切削インサートの製造方法。
  4. 前記請求項2に記載の切削インサートの形状評価方法により良と評価されたことを特徴する切削インサート。
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