JP3935927B2 - パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法 - Google Patents

パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3935927B2
JP3935927B2 JP2004359025A JP2004359025A JP3935927B2 JP 3935927 B2 JP3935927 B2 JP 3935927B2 JP 2004359025 A JP2004359025 A JP 2004359025A JP 2004359025 A JP2004359025 A JP 2004359025A JP 3935927 B2 JP3935927 B2 JP 3935927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
tool
pad
groove
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004359025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006167811A (ja
Inventor
辰俊 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toho Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toho Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Engineering Co Ltd filed Critical Toho Engineering Co Ltd
Priority to JP2004359025A priority Critical patent/JP3935927B2/ja
Priority to US11/301,361 priority patent/US7516536B2/en
Publication of JP2006167811A publication Critical patent/JP2006167811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3935927B2 publication Critical patent/JP3935927B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、例えばCMP法(Chemical Mechanical Polishing)等に用いられる研磨用パッドの表面や裏面に対して加工を施すことにより溝を形成したり補修したりするのに好適に採用され得る、新規な構造のパッド溝加工用バイト工具に関するものであり、更に、かかるパッド溝加工用バイト工具を用いた研磨用パッドの製造方法や、かかるパッド溝加工用バイト工具を用いた加工によって実現される新規な構造の溝入り研磨用パッドに関するものである。
従来から、合成樹脂材料からなる薄肉円板形状の研磨用パッドを用いて対象物の表面を高精度に研磨加工する技術が知られている。例えば、近年では、半導体ウェハやその表面に導電膜等を積層形成したデバイスに対して、CMPを施す技術が提供され、注目されている。特にCMPでは、より高精度で且つ効率的な研磨加工が要求されるようになってきており、そのために、研磨装置やスラリー、研磨パッドの材質等の改良に加えて、研磨用パッドの表面や裏面に適当な形状の溝を形成することによる効果も報告されている。
ところで、CMPに採用される研磨用パッドは、従来から、合成樹脂材料で形成されており、その成形と同時に適当な形状の溝が型成形されるのが一般的であった。しかし、研磨精度の要求レベルが厳しくなってきたことに伴い、本出願人は、先の出願(特許文献1)において、型成形による溝の形成では限界があることを指摘し、切削加工によって溝を形成することを、新たに提案した。
また、本出願人は、かかる先の出願において、合成樹脂材料製の研磨用パッドへの溝加工に際して好適に採用される特定構造のバイトを提案した。かかるバイトは、特に研磨パッドに複数条の溝を同心円状に形成するに際して、前逃げ角を大きくとることにより、曲率半径が小さい内周部分の溝を旋削するに際しても、刃物側面の溝側面に対する干渉に起因する加工面の荒れを回避するようにしたことを、一つの特徴とするものである。
ところが、本発明者が更なる実験と研究を加えたところ、このような先の出願に係るバイトには、未だ改良する余地のあることが新たにわかった。即ち、この先願に係るバイトでは、パッド基板の材質や、加工条件等によって次のような問題が発生するおそれのあることが明らかとなったのである。
(1)刃先の欠けによる欠損が発生し易い。特にハイス(高速度工具鋼)よりも超硬合金で製作されたバイトにおいて問題となり易い傾向にある。
(2)工具寿命が短い。
(3)形成した溝の底面の粗さを、更に向上させることが難しい。
特開2001−18164号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、特に高精度な加工面が要求されるCMP用の研磨パッドへの溝加工にも好適に採用されるパッド溝加工用バイト工具を提供することにある。より具体的には、本発明は、曲率半径の小さい溝を、溝側面の加工面精度を十分に確保しつつ形成することが出来ることに加えて、溝の底面の加工面精度の更なる向上が図られ得ると共に、溝加工に際しての刃先の欠けが防止されて、工具寿命の向上が図られ得る、新規な構造のパッド溝加工用バイト工具を提供することを、目的の一つとするものである。
また、本発明は、かくの如き特定構造のパッド溝加工用バイト工具を用いてそれぞれ実現される、溝入り研磨用パッドの新規な製造方法を提供すること、および、新規な構造の溝入り研磨用パッドを提供することも、目的とする。
先ず、本発明者は、先の出願(特許文献1)で提案した特定構造のバイトにおける前述の(1)〜(3)の問題について鋭意研究した結果、次のような新たな知見を得た。
すなわち、前述の(1)刃先の欠損と、(2)工具寿命の問題は、前逃げ角を大きくしたことに伴って刃物角が小さくなったことに起因するものと考えられる。要するに、特許文献1に記載の発明においては、形成する溝側面の加工面精度が低下する原因が、バイトの両端縁部が溝側面に干渉することに起因するであろうとの知見のもとに、バイトの刃物角を小さくすることで、溝側面に対するバイトの両端縁部の干渉を回避するようにしたものである。これにより、溝側面の加工面精度を向上せしめ得たことは、特許文献1に記載の通りであるが、更なる検討の結果、刃物角を小さくしたことで、バイトの耐久性が低下してしまい、その結果、目に見えない程の小さい刃先の欠けを含めて(1)刃物の欠損や、刃先の磨耗等による(2)工具寿命の問題が発生し、刃先の欠けや磨耗に伴って切削精度が低下して(3)溝底面の粗さが大きくなってしまうという問題が発生すると考えられ、との知見を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第1の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第1の態様は、CMP法に用いられる、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して、互いに平行に周方向にのびる複数条の円環状の溝を形成するために、切削加工により溝加工を施すのに用いられるパッド溝加工用バイト工具であって、前記溝を切削形成する刃先部分を刃幅方向において一定の間隔で複数備えており、それら各刃先部分において、その前逃げ面には刃先から0.05mm〜1.0mmの高さで且つ形成する該溝の深さ寸法よりも小さな高さ位置に屈曲線を設け、該屈曲線よりも刃先側の刃物角:θ1を25°≦θ1≦60°とすると共に、該屈曲線よりも基部側の刃物角:θ2をθ2<θ1とし、且つ該前逃げ面における該屈曲線よりも刃先側の領域の表面粗さを3μm以下のRy値とすると共に、幅方向両端面における横逃げ角をそれぞれ2度以下としたことを、特徴とする。
本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、前逃げ面に屈曲線を設けて、前逃げ角を二段構造とされていることにより、基部側の小さな刃物角:θ2によりバイトの前逃げ面を実質的に大きく立ち上げて、曲率半径の小さい溝を加工する際の溝側面への工具干渉を回避しつつ、切刃を有する刃先部分の刃物角を大きくして強度等を確保し、(1)刃物の欠損を防止すると共に、(2)工具寿命を向上することが可能となるのである。
このように、特徴的構成として前逃げ面に二段階の角度付けをもった二段刃構造としたことにより、バイトの基部側(刃先と反対側)では、刃物角が実質的に小さく設定されていることから、刃厚さ方向の寸法の増大を抑え、それによって曲率の大きい溝を切削加工するに際してのバイトの幅方向両側端縁部の溝両側内面への干渉を抑えることが出来るのであり、その結果、溝両側内面の加工面精度を良好に確保することが出来る。加えて、バイト刃先部分では、刃物角が実質的に大きく設定されていることから、刃先の強度や耐久性が有利に確保され得ることとなり、それによって、形成された溝の底部の表面粗さや精度を高度に得ることが可能となるのである。
また、特に本発明では、バイトのすくい面でなく、バイトの前逃げ面に屈曲線を設けたことにより、初期のすくい角を確保することが出来るのであり、その結果、特に合成樹脂材料等からなる研磨用パッドに対して、良好な切削性能を確保しつつ、前述の如き強度や耐久性の向上効果を一層有効に得ることが可能となるのである。
更に加えて、本態様においては、刃先側の刃物角:θ1の大きさを特定範囲内に設定したことから、上述の如き効果を有効に発揮せしめることが出来る。即ち、刃物角:θ1が小さ過ぎると、刃先部分の強度を確保することが困難となる一方、刃物角:θ1が大き過ぎると、切削加工に際する工具干渉を有効に回避出来なくなると共に、前逃げ面と溝底面との接触量が増加してしまって、摩擦熱や静電気の発生等が問題となるおそれがある。
また、本態様においては、刃先側の刃物角:θ1を大きく形成したことによって、パッド溝加工用バイトの刃先部分の製造に際して、刃こぼれなどが生じることも軽減されて、バイトの製造がより容易となる。なお、屈曲線の高さ位置が0.05mmより小さいと、バイトの耐久性や強度の改善効果が十分に発揮され難くなり、反対に1.0mmより大きいと、小さな曲率半径で溝を切削するに際して刃物の溝側壁面への干渉問題が発生するおそれがある。
なお、本態様において、屈曲線の位置は、刃先から屈曲線までの距離が、形成する溝の目的とする深さ寸法よりも小さくなるように設定されることとなり、これによって、バイトの幅方向両側端縁部の溝両側内面への干渉を抑える効果が有効に発揮されることとなる。ここにおいて、本態様において屈曲線が形成される刃先から0.05mm〜1.0mmの高さ位置とは、パッド溝の溝深さ方向における高さ位置を示すものである。従って、かかる屈曲線の前逃げ面の面上での位置は、前逃げ角の大きさに左右されるものである。即ち、例えば刃物角が同一のバイトであっても、被切削物に対する前逃げ角が異ならされていれば、かかる屈曲線の高さ位置は異ならされることとなる。
また、本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイトにおいては、高度な溝底面の加工精度を得ることが可能となる。
すなわち、前逃げ角を二段構造とした構造のバイトでは、パッド基板の材料特性などの特定条件下では、刃先部分の刃物角を大きくしたことに起因すると考えられる、次の新たな(4)〜(7)の問題が発生するおそれがある。
(4)パッド基板の材質によっては、その弾性変形等に起因して、切削加工に際して前逃げ面と溝底面との接触量が多くなり、接触に伴って発生する静電気に起因するであろうと考えられる切削屑(樹脂屑)の加工面への付着が発生し易くなる。この切削屑の付着により、繰り返される切削加工に際して切削屑が加工面に噛み込んで切削面が荒らされるおそれがある。
(5)パッド基板の材質等によっては、切削加工に際しての摩擦熱によるものと考えられる刃先部分の発熱が大きくなり、切削速度を十分に上げることが出来ないことから、加工効率が低下してしまう。
(6)切削速度を上げると、パッド基板の材質等によっては、刃先部分の発熱によってパッドの溝内面が変質するおそれがある。
(7)切削速度を上げると、刃先部分の発熱によって工具寿命が低下してしまうおそれがある。
そして、本発明の第の態様に従えば、前述の(1)〜(3)に加えて、これら(4)〜(7)の新たな問題を全て解決することが可能となるのである。より具体的には、本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、屈曲線から刃先側の刃物角を大きくして、刃先部分に適度な厚さ寸法を確保したことによって、刃先部分の強度を確保しつつ、屈曲線より基部側の刃物角を小さくして、前逃げ面を大きく立ち上げることによって、前述の如き溝側壁面への工具干渉を軽減することが可能とされている。これにより、曲率半径の小さい溝を加工する際の溝側面への工具干渉を回避しつつ、(1)刃物の欠損を防止すると共に、(2)工具寿命を向上することが可能になることに加えて、前逃げ面における屈曲線よりも刃先側の表面粗さを小さくしたことによって、(3)溝底面の粗さを小さくすることが可能になる。
さらに、本態様においては、屈曲線よりも刃先側の表面を滑らかにしたことによって、(4)合成樹脂材料等の静電気が問題となる材料からなる研磨パッドを採用した場合にも、刃先部分と溝底面との接触量の増加に起因する静電気の発生を低減して、切削屑の付着を抑えて切削面の加工精度を向上することが出来る。加えて、切削加工に際しての刃先部分の発熱量を軽減することによって、(5)切削速度の向上を可能にして、加工効率を向上せしめ、(6)パッド溝内面の変質を低減すると共に、(7)工具寿命の向上も図ることが出来るのであって、二段構造の前逃げ角という特定構造を採用したが故に生じる前述の如き新たな問題をも有効に回避することが可能となるのである。
なお、前逃げ面における刃先側の領域に施す表面加工としては、表面粗さを向上するための各種の加工方法が採用可能であり、ラッピングの他、ポリッシング、バフ仕上、超音波加工、或いはメッキ等を採用することも可能である。また、本態様において、より好適にはRy≦1.0μm、更に好適にはRy≦0.5μm、一層好適にはRy≦0.25μmとされる。なお、Ry値は、JIS B0601−1994に規定の最大高さである。
また、本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、パッド溝加工用バイト工具の刃幅方向端面が溝側面に干渉することをより有効に回避して、溝のエッジを直角に保つことが出来る。特に弾性を有する発泡性の合成樹脂製パッド基板を加工対象とする場合には、このような横逃げ角を設定することが有効である。なお、横逃げ角(εs)の設定値は、バイトの強度や耐久性,加工のし易さ等を考慮して設定される。
さらにまた、本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、複数状の溝を互いに高度な平行度をもって極めて効率的に切削形成することが可能となる。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1の態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、前記前逃げ面において、前記屈曲線よりも刃先側の領域に表面加工を施して、該屈曲線を挟んで基部側の領域よりも該刃先側の領域の表面粗さを小さくしたことを、特徴とする。
本態様におけるパッド溝加工用バイト工具においても、前述の第の態様と同様に、二段構造の前逃げ角という特定構造を採用したが故に生ずるおそれのある新たな問題までも有効に回避しつつ、切削加工に際する工具干渉を抑えて、曲率半径の小さな溝を高い加工精度をもって形成することが出来る。なお、本態様において、前逃げ面における屈曲線よりも刃先側の領域と共に、屈曲線よりも基部側の領域に表面処理を行なうことも可能である。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1又は第2の態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、前記屈曲線よりも刃先側の前逃げ角:αを10°≦α≦60°としたことを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、屈曲線よりも刃先側の前逃げ角:αを特定の範囲内に設定したことから、切削加工に際する工具干渉を回避しつつ、切削屑の付着や、刃先部分の発熱をより有効に低減することが出来る。即ち、前逃げ角:αが大き過ぎると、パッドに接する刃先部分が立ち上がって、刃物角が小さいバイトを使用するのと実質的に同じこととなり、刃先部分の欠損などが生じ易くなる一方、前逃げ角:αが小さ過ぎると、刃先部分とパッド基板との接触量が大きくなってしまい、刃先部分の発熱の低減効果等が有効に発揮されなくなるからである。
なお、本態様における屈曲線よりも刃先側の前逃げ角:αは、上記範囲内において、且つパッド溝加工用バイトのすくい面とパッド基板に対する垂直面によって形成される0度以上のすくい角との組み合わせによって決定される。また、好適には、前逃げ角は、20°≦α≦50°とされる。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1乃至第の何れかの態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、前記前逃げ面における前記屈曲線よりも刃先側の領域に対して10μm以下のダイヤモンド砥粒を用いたラッピングによる表面処理が施されていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、屈曲線よりも刃先側の領域の表面粗さを、有効に小さくすることが出来る。これにより、屈曲線よりも刃先側の領域の表面の磨耗をより有効に低減することが出来る。また、初期磨耗の開始と進行を遅らせることも出来て、加工精度を長期に亘って有効に保つことが出来る。なお、より好適には、5μm以下のダイヤモンド砥粒を用いたラッピングで表面処理が行われ、適当な溶媒等を用いてスラリー状態として公知のラッピング処理が施されることとなる。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1乃至第の何れかの態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、前記前逃げ面において刃先から溝深さ方向で2.0mmの高さの位置が、切削方向において該刃先から2.5mm以下の離隔距離とされていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、パッド溝加工用バイトの切削方向における前後方向の幅寸法が小さく抑えられていることによって、曲率半径の小さな溝を旋削形成する際にも、刃物側面の溝側面に対する干渉を軽減して、加工面の荒れを有効に回避乃至は軽減することが出来る。より好適には、刃先から溝深さ方向で2.0mmの高さ位置が、切削方向において刃先から2.0mm以下の離隔距離となるように設計される。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1乃至第の何れかの態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、前記刃先のノーズ半径:Rを、R≦0.05mmとしたことを、特徴とする。
一般に、研磨用パッド基板は合成樹脂材料から形成されているものが殆どであり、そのような合成樹脂材料を切削加工する際には、パッド溝加工用バイト工具の刃先は鋭利な形状とされることが望ましい。しかし従来は、刃先の強度確保の必要性から、加工精度が低下するにも関わらず、刃先に曲面を形成することによって、刃先強度を確保しなければならなかった。このような問題に対して、本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、特定構造を有する刃先部分を採用したことによって、刃先部分の強度を向上せしめることが可能となったことから、かかる刃先部分のノーズ半径:Rを小さくすることが可能となったのである。そして、刃先のノーズ半径:Rを小さくしたことによって、一般に合成樹脂材料によって形成されている研磨用パッド基板を、より高い加工精度をもって切削することが可能となるのである。なお、このことから明らかなように、刃先のノーズ半径:Rは可及的に小さくされることが望ましく、実質的にノーズ半径:Rを0として、刃先部分を先鋭とすることも可能である。
(パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様)
パッド溝加工用バイト工具に関する本発明の第の態様は、前記第1乃至第の何れかの態様に係るパッド溝加工用バイト工具において、超硬合金によって形成されていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、硬さ、耐磨耗性、靭性に優れた超硬合金を採用することによって、より優れた加工精度を有するパッド溝加工用バイト工具を得ることが出来る。更に、本態様においては、刃先部分の刃物角を大きく形成したことによって、刃先部分の強度を向上することが出来たことから、超硬合金の如き焼結材料からなるパッド溝加工用バイト工具においても、微小な刃こぼれ等の発生を回避乃至は軽減することが出来るのである。
(溝入り研磨用パッドの製造方法に関する本発明の第1の態様)
溝入り研磨用パッドの製造方法に関する本発明の第1の態様は、前述の本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具を用いて、CMP法に用いられる、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して切削加工による溝加工を施すことにより、該研磨用パッド基板の表面及び/又は裏面において互いに平行に周方向にのびる円環状の溝であって深さ寸法が該パッド溝加工用バイト工具における刃先から前記屈曲線までの高さ寸法よりも大きな深さ寸法の溝の複数本を同時に形成する溝入り研磨用パッドの製造方法を、特徴とする。
本態様に従う製造方法によれば、本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具を用いたことによって、優れた加工精度をもって溝を形成することが可能となる。特に、曲率半径の小さい溝も高度な面精度で形成することが出来ることから、溝の形状等に関して大きな設計自由度が実現可能となる。また、特に多刃バイト工具を採用したことにより、平行な多条の溝を有する溝入り研磨用パッドを、優れた製造効率をもって製造することが出来る。なお、ここにおいて多条の平行な溝とは、同心円状に延びる複数の環状溝や、中央部分から外周に広がる螺旋状溝、研磨用パッドの径方向に延びる直線溝等を含むものである。
また、本製造方法における溝加工とは、未だ溝が形成されていない新規な平坦面を有する研磨用パッド基板に溝加工を施して、新たに研磨用パッド基板を製造する場合のみならず、研磨に使用されたことによって溝深さが浅くなった研磨用パッド基板に対して再び溝加工を施すことによって研磨用パッドを再製造する方法等も含むものである。また、多刃のパッド溝加工用バイト工具において、刃幅方向で隣り合う刃間のピッチは、例えば形成するパッドの溝ピッチの整数倍とすることが出来る。そのような溝ピッチの整数倍の刃間ピッチの多刃工具を用いる場合には、工具全体を目的とする溝ピッチに相当する距離だけ移動させることで、パッド基板に対して目的とする溝ピッチの多溝を形成することが出来る。
(溝入り研磨用パッドに関する本発明の第1の態様)
溝入り研磨用パッドに関する本発明の第1の態様は、前述の本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具を用いて、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して中心軸回りで同心円状に延びる複数条の環状溝が、該パッド溝加工用バイト工具における刃先から前記屈曲線までの高さ寸法よりも大きな深さ寸法で切削形成されており、その最内周に位置する該環状溝の直径寸法:Dが、D<60mmとされていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされた溝入り研磨用パッドにおいては、研磨用パッド基板の中央により近い位置に、環状溝が形成されていることから、有効な研磨領域を内周側の広い領域において確保することが可能となる。更に、研磨液が滞留し難い研磨用パッド基板の中央部分においても、研磨液を有効に保持することが可能となる効果も期待できる。更に、かかる径寸法の小さな環状溝を、本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具を用いて形成したことによって、優れた加工精度をもって形成することが可能とされており、より優れた研磨液の流動効果を発揮せしめることが出来るのである。なお、より好適には、研磨パッドの有効研磨領域を一層有利に確保するために、D≦40mmとされ、更に好適にはD≦30mmとされ、一層好適にはD≦20mmとすることが可能となる。即ち、本発明に従うバイトを採用することにより、このような研磨パッドが、優れた溝内面精度を確保しつつ容易に実現可能となるのである。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたパッド溝加工用バイト工具においては、例えば曲率半径の小さい溝を形成する場合等においても、バイトの幅方向端縁部の溝内面への干渉を抑えて溝側面の加工精度を確保しつつ、溝底面の加工精度を向上せしめることが可能になると共に、溝加工に際するバイトの欠損を防止して、工具寿命を向上せしめることが可能となるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのパッド溝加工用バイト工具に用いられるバイト10における先端部分及び研磨用パッド基板としてのパッド基板12が示されている。バイト10は、図1中の右側から左側に向かって送られることによって、パッド基板12を切削して溝13を形成するようにされている。なお、以下の説明中、切削方向の前後方向とは、原則として図1中の左右方向を言うものであり、図1中の左側を前方とする。また、添付する各図面においては、何れも、以下に説明するバイト10やパッド基板12等の形状の理解を容易とするために、その形状や縮尺が誇張して表現されている。
パッド基板12は、全体に一定の厚さ寸法を有する薄肉円板形状とされており、例えば硬質の発泡或いは未発泡の合成樹脂材料や硬質ゴム材料をはじめとする各種の適当な材料によって形成され得る。
一方、バイト10は、図2にも示すように、前面となるすくい面14が、パッド基板12に対する垂直方向から所定のすくい角:αだけ後方に傾斜せしめられている。一方、背面となる前逃げ面16には、バイト10の刃幅方向に向かって延びる屈曲線18が形成されており、前逃げ面16における屈曲線18よりも刃先側の領域が刃先側前逃げ面20とされている一方、屈曲線18よりも基部側の領域が基部側前逃げ面22とされている。
そして、刃先側前逃げ面20における刃物角:θ1と、基部側前逃げ面22における刃物角:θ2が異ならされており、基部側前逃げ面22における刃物角:θ2の方が、刃先側前逃げ面20における刃物角:θ1よりも小さくされている。その結果、基部側前逃げ面22における前逃げ角:εe2の方が、刃先側前逃げ面20における前逃げ角:εe1よりも大きくされて、基部側前逃げ面22の方がパッド基板12に対して大きく立ち上がるようにされている。
ここにおいて、刃先側前逃げ面20における刃物角:θ1は、25°〜70°の範囲内で設定されることが望ましく、本実施形態においては30°に設定されている。これに伴い、基部側前逃げ面22の刃物角:θ2は、θ1よりも小さい値が採用されて、本実施形態においては20°に設定されている。
また、刃先側前逃げ面20における前逃げ角:εe1は、10°〜60°の範囲内で設定されることが望ましい。かかる前逃げ角:εe1及びεe2は、すくい角:αと刃物角:θ1、θ2によって決定されることとなり、本実施形態においては、すくい角:αが10°に設定されていることから、刃先側前逃げ面20における前逃げ角:εe1は50°に設定される一方、基部側前逃げ面22における前逃げ角:εe2は60°に設定されている。
なお、屈曲線18は、パッド基板12における溝13の深さ方向で、バイト10の刃先から0.05mm〜1.0mmの高さ位置で形成されることが望ましく、且つ、パッド基板12に形成される溝13の深さ寸法よりも小さく設定されることがより望ましい。蓋し、屈曲線18の位置が溝13よりも高い位置に設定されていると、前逃げ角の小さな刃先側前逃げ面20が溝13のエッジに干渉することとなり、工具干渉が発生し易くなるからである。特に本実施形態においては、パッド基板12に形成される溝13の深さ寸法が1.0mmとされていることを考慮して、屈曲線18は、バイト10の刃先から0.3mmの高さ位置で形成されている。
さらに、工具干渉を軽減するためには、前逃げ面16における刃先部分から切削方向の離隔距離、即ち切削方向におけるバイト10の前後幅は小さくされていることが望ましく、具体的には、溝13の深さ方向で、前逃げ面16における刃先から2.0mmの高さ位置が、切削方向において刃先から2.5mm以下の離隔距離とされていること、より好適には2.0mm以下の離隔距離、更に好適には1.5mm以下の離隔距離とされていることが好ましい。本実施形態においては、上述の如きすくい角、刃物角によって、前逃げ面16における刃先から2.0mmの高さ位置は刃先から1.23mmの離隔距離(水平方向)、同1.0mmの高さ位置は刃先から0.66mmの離隔距離とされている。
また、刃先側前逃げ面20には、表面加工が施されており、その表面粗さが、基部側前逃げ面22よりも小さくされている。特に本実施形態においては、表面加工として10μm以下のダイヤモンド砥粒を用いたラッピングによる表面処理が施されることによって、その表面粗さが、3μm以下のRy値、好ましくはRy≦1μmとされている。なお、表面加工としては各種の加工方法が採用可能であり、ラッピングの他、例えばポリッシング、バフ仕上、超音波加工等が採用可能であるし、或いは、刃先側前逃げ面20にメッキを施すことによって、表面粗さを小さくすること等も可能である。
さらに、バイト10の刃先部分における刃幅方向両端面21,21には、それぞれ横逃げ角:εsが形成されている。かかる横逃げ角:εsは、0.1°〜5°に設定されていることが望ましく、本実施形態においては、εs=略2°に設定されている。
また、バイト10の刃幅は、研磨パッドにおいて目的とする研磨性能を実現するために形成される溝幅寸法に対応して設定されるものであり、一般に、CMP用研磨パッドの場合には、0.1mm〜1.0mmの間で設定されることが望ましく、本実施形態においては、略0.5mmとされている。
更にまた、図3に示すように、バイト10の先端部分には、所定のノーズ半径:Rを有する曲面が形成されることによって、刃先強度が向上せしめられている。但し、加工精度の観点からは、一般に合成樹脂材料から形成されるパッド基板12を切削するバイト10の先端部分としては、鋭利な形状をもって形成されていることが望ましいのであって、かかるノーズ半径:Rは、バイト10の耐久性と加工精度を考慮の上、可及的に小さくされていることが望ましい。従って、具体的には、ノーズ半径:Rは0.05mm以下とされていることが望ましく、実質的にノーズ半径:Rを0として、バイト10の先端部分を尖鋭形状としても良い。特に、本実施形態においては、バイト10の先端部分のノーズ半径:Rは0.01mmとされている。即ち、本発明に従えば、このような小さなR乃至は尖鋭形状の刃先を有するバイトが実用的に提供可能となるのである。
なお、バイト10は、各種の材料をもって形成することが可能であって、例えば、ダイヤモンド、ダイヤモンド焼結体、cBN焼結体、セラミックス、サーメット、超硬合金、ハイス(高速度工具鋼)等が採用可能であるが、特に超硬合金やハイスが好適に採用される。本実施形態においては、バイト10は、超硬合金によって形成されている。
このような構造とされたバイト10は、例えば以下に説明する加工装置に用いられることによって、研磨用パッド基板に対して、多条の平行な溝を、優れた加工精度及び加工効率をもって形成することが出来る。
具体的には、図4及び図5に示す如き加工装置30が、好適に用いられる。なお、以下に説明する加工装置30は、特開2002−11630号公報に記載されたものであり、ここでは概略を説明するに留める。
加工装置30は、パッド基板12を固定的に支持する平坦な支持面32を備えた円テーブル34と、円テーブル34に対してX軸、Y軸、Z軸からなる直交三軸方向に移動可能な一対の刃物台36A、36Bと、かかる刃物台36A、36Bに装着される切削ユニット38、そして、刃物台36A、36Bおよび円テーブル34を駆動する駆動手段、更にそれらの作動制御を行なう制御手段としての制御装置40から構成される。なお、X軸方向とは、図5における左右方向を示し、Y軸方向とは、図4における左右方向、およびZ軸方向とは、図4における上下方向を示すものとする。また、図4における刃物台36A,36Bは、切削ユニット38を取り外した状態が示されている。
円テーブル34は、C軸制御によって鉛直方向(Z軸方向)に延びる中心軸回りに回転駆動可能とされると共に、円テーブル34の回転を解除可能に阻止して固定する図示しない電磁ブレーキなどの固定手段が設けられている。また、円テーブル34の支持面32は、パッド基板12を負厚吸引によって吸着固定することが可能とされていると共に、その所定位置において、切削工具を使用する際の逃げ溝や逃がし穴等の凹部が形成されている。
また、加工装置30におけるベッド42上には、一対の第1ガイド44A、44Bが、円テーブル34を挟んでX軸方向に延びるように配設されており、かかる第1ガイド44A、44Bに案内されることによって、X軸方向に移動可能とされたガントリ型コラム46が設けられている。
そして、ガントリ型コラム46には、ガントリ型コラム46に設けられたY軸方向に延びる一対の第2ガイド48A、48BによってY軸方向に移動可能とされた一対のサドル50A,50Bが設けられている。
さらに、それぞれのサドル50A,50Bには、刃物台36A,36Bが装着されている。これらの刃物台36A,36Bはそれぞれ、モータ52A,52BによってZ軸方向に移動可能とされている。そして、刃物台36A,36Bにはそれぞれ工具装着用の取付穴54A,54Bが適当に設けられており、工具が取付可能とされている。
以上説明したように、ガントリ型コラム46の第1ガイド44A,44BによるX軸移動と、サドル50A,50Bの第2ガイド48A,48BによるY軸移動および自身のZ軸移動によって、刃物台36A、36Bは円テーブル34に対して直交三軸方向に移動することが可能とされているのである。
そして、これら円テーブル34及び刃物台36A,36Bの作動制御および位置制御は、制御装置40によって行なわれる。なお、この制御装置40による各部材の作動制御は、例えば、各部材の位置を検出する位置センサからの検出信号を用いて、各作動部材を駆動する駆動手段としてのサーボモータ等をフィードバック制御すること等による公知の手法で行なわれる。
さらに、このように直交三軸方向で位置制御される刃物台36A,36Bには、切削工具および旋削工具が適宜に取り付けられるようになっている。なお、本実施形態においては、切削工具を備えた状態を示しているが、ドリル等の穿孔工具を取り付けることも可能である。
図5に、切削工具を加工装置30に装着した一態様を示す。図5に示す刃物台36Bには、切削工具としての切削ユニット38が取付穴54Bを利用して取り付けられている。そして、かかる切削ユニット38は、多刃バイト工具としての工具チップ56が取り付けられた工具ホルダ58を備えている。
工具チップ56は、例えば図6に示すように、本発明に従う構造とされたバイト10を、先辺部に適当なピッチ:P(刃幅方向に隣り合う刃間の離隔寸法であって、本実施形態においては3.0mm)で備えた多刃工具チップとしたものが好適に採用される。このような工具チップ56は、例えば、工具ホルダ58に固装した位置決めピン60,60によって高精度に位置決めし、押さえ板62で挟持してボルト64で工具ホルダ58に固定されている。なお、本実施形態では、工具チップ56は、単一の金具に対して複数の刃が形成されたものが採用されているが、各単一の刃を独立して形成した複数のバイトを、適当なスペーサを挟んで刃幅方向に重ね合わせて相互に固定することで、同様な多刃工具を構成することも可能である。また、本実施形態では、工具チップ56の内部を上下方向に延びるトンネル状の通孔63が形成されており、この通孔63の下端部が、複数本のブロー口65に分岐した後、工具チップ56の後方に位置して形成された複数箇所に開口せしめられている。そして、この工具ホルダ58の装着状態下、通孔63からブロー口65を通じてイオンブローが実施されるようになっている。即ち、工具チップ56による切削に際して、工具チップ56の刃先に向けてイオンブロー(マイナスイオンを含む空気流)が行われるようになっており、摩擦に起因する静電気を可及的に抑えるようになっている。また、図面上では明示されていないが、工具チップ56の前方には、バキューム管路の負圧吸引口が開口位置せしめられており、この負圧吸引口を通じて、切削屑が吸引除去されて切削作業領域から可及的速やかに除かれるようになっている。
そして、このような構造とされた工具ホルダ58を備えた切削ユニット38を用いれば、円テーブル34の支持面32に吸引固定されたパッド基板12に対してバイト10を突き当てて切削加工を施し、さらに、同じ切削部位をトレースするように繰り返して切削する旋削工程を、直線状や渦巻溝等の有端の凹溝であれば往復作動等で間欠的態様をもって、また、環状の周溝であれば連続回廊態様をもって、複数回繰り返すことによって、目的とする形状を有する溝13を、有利に切削形成することが出来る。
特に、本実施形態においては、特定構造を有するバイト10を用いたことによって、このような溝13を、より高い加工精度および加工効率をもって形成することが出来るのである。
すなわち、本実施形態におけるバイト10においては、その刃先部分における基部側前逃げ面22の前逃げ角:εe2が大きく確保されていると共に、横逃げ角が形成されていることによって、パッド基板12の中央部分に位置する径寸法の小さな溝13を形成する際にも、工具干渉を有効に回避することが出来て、溝13のエッジ形状を乱すことを回避乃至は軽減することが出来る。
さらに、本実施形態においては、刃先側前逃げ面20における刃物角:θ1を、基部側前逃げ面22における刃物角:θ2よりも大きくしたことによって、バイト10における刃先部分が適度な厚みをもって形成されている。これにより、刃先部分の強度が向上せしめられており、バイト10の工具寿命を向上することが出来るのである。また、刃先部分の強度が向上せしめられることによって、バイト10の先端部分をより尖鋭に形成することが可能となって、より優れた加工精度を得ることも可能となるのである。
加えて、本実施形態においては、刃先側前逃げ面20の表面粗さを小さくしたことによって、切削加工に際する切削屑の加工面への付着を軽減することが出来る。これにより、切削屑が介在することに起因する加工面の荒れを軽減して、より優れた加工精度を得ることが出来る。また、摩擦熱に起因すると考えられるバイト10の刃先部分の発熱量も抑えられることから、加工速度を向上することが出来ると共に、溝13内面の熱による変質も抑えられる。また、発熱量を抑えることによって、バイト10の工具寿命をより向上することも可能とされているのである。特に、本発明者が検討したところ、溝底部の加工精度の向上は低発熱だけによるものでないことが明らかとされている。即ち、合成樹脂材料のパッド基板は切削加工に際して弾性変形し易く、バイトを下方に押し付けると刃先の後方でパッド基板が膨らむようになって、バイトの刃先の前逃げ面に接触し易いと考えられる。このように接触面が、金属加工に比して大きくなるために、上述の発熱の問題も発生し易いと考えられるが、それに加えて、特にパッド基板が導電率が小さいことから切削屑が帯電し易く、静電気の作用で切削屑がパッド基板の加工溝内面に付着し易い。バイトによる切削は、微小深さずつ多数回の切削を繰り返して目的とする深さの溝を形成することで行われることから、溝内面に付着した切削屑が複数回の切削に際してバイトとパッド基板の間に噛み込んでしまい、それによって切削面が荒れてしまうものと考えられるのである。本実施形態では、バイトの前逃げ面が、研磨パッドと接触し易い刃先部分において低摩擦性とされており、静電気の発生が抑えられることから、一層優れた溝加工精度が実現可能となるのである。なお、静電気による研磨屑のパッド基板への付着をより効果的に防止するためには、例えば切削部位にイオンブローを施したり、切削部位から研磨屑を負圧吸引する機構を採用することが望ましい。
なお、図7および図8に、前述の如き製造方法に従って製造された研磨用パッドの一例としての研磨用パッド70を示す。図7は研磨用パッド70の一部平面図であり、図8は研磨用パッド70の要部拡大断面図である。研磨用パッド70における溝13は、研磨用パッド70の中心軸回りで同心円状に延びる複数状の環状溝とされており、例えば溝幅:B=0.5mm、溝深さ:D=1.0mm、溝ピッチ:P=1.5mmの寸法をもって形成されている。このような研磨用パッド70は、前述の加工装置30の円テーブル34にパッド基板12が載置されて、円テーブル34が回転せしめられた状態で、前述の如き構造とされたバイト10が連続回廊態様をもって複数回突き当てられることによって形成される。なお、前述の如き工具チップ56においては、バイト10の間隔:P=3.0mmとされていることから、溝13の旋削加工に際しては、切削ユニット38即ち工具チップ56を、パッド基板12の径方向に1.5mmずつ変位せしめることによって、溝ピッチ:P=1.5mmの環状溝が形成されることとなる。
そして、本実施形態における研磨用パッド70の最内周に位置する環状溝13の直径寸法:Dは、20mmとされている。これにより、研磨用パッド70の表面の広い領域を研磨面として有効に利用することが可能となる。また、研磨液が滞留し難いパッドの中央部分にも環状溝13が設けられることから、研磨液を有効に保持することが期待出来る。なお、前述の如き本発明に従う構造のバイト10を採用することにより、イト10の環状溝13側壁内面への干渉を抑えつつ、直径:D<60mmの環状溝も容易に旋削形成や加工することが出来るのであり、前逃げ角や刃物角を適当に調節することにより、D<20mm、更にはD≦10mmの環状溝も良好に旋削可能となる。
さらに、最内周に位置する環状溝13を、上述の如き特定構造を有するバイト10を用いて形成したことによって、このような小さな径寸法を有する環状溝であっても、優れた加工精度をもって形成することが可能とされているのである。これにより、かかる研磨用パッド70においては、より優れた研磨液の流動作用を得ることが可能となるのである。
次に、従来構造に従うバイトと、本発明に従う構造とされたバイトについて、環状溝を切削形成する際の工具干渉量を比較検討する。なお、簡略化のため、刃幅については考慮せずに、前逃げ面における刃先部分から切削方向の離隔距離、即ち切削方向におけるバイトの前後幅に着目して比較検討する。
先ず、図9(a)に、本発明に従う構造とされたバイトにおける前述の前逃げ角等の各設定値を示す。対象として用いるのは前述の実施形態におけるバイト10であり、刃先側前逃げ面20の前逃げ角:εe1=50°、基部側前逃げ面22の前逃げ角:εe2=60°とされている。また、屈曲線18の溝深さ方向における高さ寸法は、0.3mmとされている。
なお、かかるバイト10を用いて切削形成する環状溝13は、高さ寸法:D=1.0mmであり、パッド基板の平面視におけるその曲率半径寸法がr=10mmのものとする。
ここにおいて、溝13の上端面における前逃げ面16(本実施形態においては基部側前逃げ面22)の刃先からの離隔距離:W、即ち、溝13の上端面におけるバイト10の切削方向での前後幅は、刃先から屈曲線18までの前後幅:w1と屈曲線18から基部側前逃げ面22の溝13の上端面における位置までの前後幅:w2との和であり、次式により求められる。
したがって、バイト10の溝13の上端面における前後幅:W=0.656mmとなる。ここにおいて、図9(b)に示すように、上述の如き半径寸法:rを有する溝13を形成する際のバイト10の溝13の側壁面への干渉量:x1は、次式により求められる。
従って、本発明におけるバイト10を用いて、上述の如き環状溝13を切削形成する際の溝内面への干渉量:x1=0.021mmとなる。一方、屈曲線18を有せず、一定の刃物角:θ=20°をもって形成された従来構造に従うバイトについて同様の試算を行なうと、その干渉量:x2=0.017mmとなる。このことから明らかなように、本発明に従う構造とされたバイト10においては、工具干渉量に対する影響を小さく抑えながらも、刃先部分の刃物角:θ1を大きく確保して、前述の如き多くの効果を発揮することが可能とされているのである。
次に、表1に、屈曲線を有することなく、一定の刃物角をもって形成された、従来構造に従う刃先形状を有するバイト(比較例)と、本発明に従い、屈曲線が設けられた二段構造の前逃げ面を有する(但し、屈曲線より刃先側の前逃げ面に表面加工の施されていない)バイト(実施例A)と、本発明に従い、実施例Aにおける前逃げ面において屈曲線から刃先までの領域に表面加工が施されて、かかる領域の表面粗さが小さくされたバイト(実施例B)の三つの試験体(何れも材質は同じ)について、同一の合成樹脂製のCMP用パッド基板に対する溝加工を繰り返し行ない、溝の加工精度、耐久性等について比較した結果を示す。
なお、かかる溝加工の試験は、図6に示されている前述の如き11枚刃のハイス多刃工具(刃ピッチ:3.0mm)を用い、φ750mmの発泡ウレタンパッドに対して、溝幅:0.5mm、溝ピッチ:1.5mm、溝深さ:1.0mmの円環状の同心溝を、旋削パッド回転数:200〜400rpmの加工条件下で切削形成することによって行った。また、比較例のバイトにおける刃物角:θ=20度であり、実施例A,Bでは、θ1=30度,θ2=20度である。
先ず、溝の加工精度についてみると、溝側面の加工精度については大きな差異は見受けられないが、溝底面の加工精度については、比較例よりも本発明に従う構造とされたバイトにおいて、より良好な加工精度を得ることが出来た。これにより、前逃げ面に二段階の角度付けをしたことによる効果、更に好ましくは刃先部分の領域に表面加工を施したことによる効果として、溝の切削加工精度を向上せしめることが可能となることが確認された。
また、バイトの耐久性についてみると、比較例から実施例A、更に実施例Bの順で、耐久性が明らかに向上している。また、刃先部分の欠損については、比較例においては、早い段階から欠損が生じ始めると共に、欠損の量も多いが、実施例Bでは改善が認められ、実施例Aでも欠損の開始時期が遅く、欠損の量も少なくなっている。即ち、バイトの刃先部分の刃物角を大きく形成したことと、前逃げ面における刃先側領域に表面加工を施したことのそれぞれについて耐久性が向上せしめられる効果が確認出来るのであり、本発明に従う構造とされたバイト(特に実施例B)においては、それら2つの効果が相乗的に発揮されて、優れた耐久性を得ることが可能とされているのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前述の実施形態における刃物角:θ1、θ2、前逃げ角:εe1,εe2等の具体値は、あくまでも好適な設定値を例示したものであって、前述の如き設定値に限定されるものでないことは、言うまでも無い。なお、刃先部分の刃物角:θ1を大きくすると、バイトの切削方向における前後幅が拡大して、工具干渉量が大きくなることから、θ1を大きくする場合には、それに対応して屈曲線の高さ位置を低くすることが望ましい。具体的には、例えばθ1≦60°の場合には、屈曲線の刃先からの高さを0.8mm以下とすることが望ましい。
また、前述の溝入り研磨用パッドの製造方法においては、多刃バイト工具としての工具チップ56を1つ用いた溝加工方法を例示したが、かかる工具チップ56を複数個並列に並べて、溝加工を行なうことも可能である。このような態様によれば、より効率的な溝加工を行なうことが出来る。
さらに、前述の実施形態においては、溝入り研磨用パッドの製造方法として、本発明に従う構造とされた多刃バイト工具を用いて、同心円状に延びる複数の環状溝を有する研磨用パッドを製造する方法を例示したが、かかる多刃バイト工具を用いた切削加工の方法も、何等限定されるものではない。例えば、前述の如き研磨用パッド基板を回転させつつ、その表面にバイトを突き当てて切削加工(旋削加工)する溝加工の他、研磨用パッド基板を固定的に位置決め支持せしめた状態下で、その表面上をバイトを直線や適当な曲線をもって移動させて切削加工を行なう溝加工にも、或いは、パッド基板とバイトの両方を同時に移動させて切削効果を行う溝加工にも、本発明に従う構造とされたバイトが採用可能である。このような溝加工によれば、多条の格子溝を有する溝入り研磨用パッドを、良好な加工精度及び加工効率をもって製造することが出来る。
また、本発明における製造方法に従って製造される溝入り研磨用パッド基板の用途も、限定されるものではない。例えば、シリコンウエハを研磨するものや、半導体ウエハを研磨するもの、特にCMP法に採用されるもの等が対象となるが、その他の各種の研磨用の樹脂パッド等も対象となり得るものである。更にまた、研磨パッドへの溝加工は、パッドの表裏の何れの面にも行うことが出来る。また、本発明が適用される研磨パッドは、その材質や用途が限定されることがなく、例えばCMP用研磨パッドとしても、従来から公知の合成樹脂材料製のパッド基板や、多層構造のパッド基板、硬質樹脂材料製のパッド基板、架橋重合体を含有する非水溶性マトリックス中に水溶性粒子を分散させたような混合材料からなるパッド基板などが何れも採用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのパッド溝加工用バイト工具と研磨用パッド基板を示す要部拡大縦断面図である。 図1に示したパッド溝加工用バイト工具の説明図であり、(a)は側面説明図、(b)正面説明図、(c)斜め下方からの斜視説明図である。 図1に示したパッド溝加工用バイト工具の刃先部分を示す拡大断面図である。 本発明に係るパッド溝加工用バイト工具を取着し、本発明に係る製造方法を適用する溝加工機械を示す正面図である。 図4に示した溝加工機械の側面図である。 本発明に係るパッド溝加工用バイト工具を備えた工具ホルダを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 本発明に係る溝入り研磨用パッドを示す一部平面図である。 図7に示した溝入り研磨用パッドの一部拡大断面図である。 本発明に係るパッド溝加工用バイト工具の工具干渉量を求めるための説明図であって、(a)はパッド加工用バイト工具の寸法等の具体的な設定値を示す説明図であり、(b)は研磨用パッドに形成される環状溝の平面形状を具体的に示す説明図である。
符号の説明
10 バイト
12 パッド基板
13 溝
18 屈曲線
20 刃先側前逃げ面
22 基部側前逃げ面
30 加工装置
38 切削ユニット
56 工具チップ
58 工具ホルダ
62 押さえ板
70 研磨用パッド

Claims (9)

  1. CMP法に用いられる、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して、互いに平行に周方向にのびる複数条の円環状の溝を形成するために、切削加工により溝加工を施すのに用いられるパッド溝加工用バイト工具であって、
    前記溝を切削形成する刃先部分を刃幅方向において一定の間隔で複数備えており、それら各刃先部分において、その前逃げ面には刃先から0.05mm〜1.0mmの高さで且つ形成する該溝の深さ寸法よりも小さな高さ位置に屈曲線を設け、該屈曲線よりも刃先側の刃物角:θ1を25°≦θ1≦60°とすると共に、該屈曲線よりも基部側の刃物角:θ2をθ2<θ1とし、且つ該前逃げ面における該屈曲線よりも刃先側の領域の表面粗さを3μm以下のRy値とすると共に、幅方向両端面における横逃げ角をそれぞれ2度以下としたことを特徴とするパッド溝加工用バイト工具
  2. 前記前逃げ面において、前記屈曲線よりも刃先側の領域に表面加工を施して、該屈曲線を挟んで基部側の領域よりも該刃先側の領域の表面粗さを小さくした請求項1に記載のパッド溝加工用バイト工具
  3. 前記屈曲線よりも刃先側の前逃げ角:αを10°≦α≦60°とした請求項1又は2に記載のパッド溝加工用バイト工具
  4. 前記前逃げ面における前記屈曲線よりも刃先側の領域に対して10μm以下のダイヤモンド砥粒を用いたラッピングによる表面処理が施されている請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具
  5. 前記前逃げ面において刃先から溝深さ方向で2.0mmの高さの位置が、切削方向において該刃先から2.5mm以下の離隔距離とされている請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具
  6. 前記刃先のノーズ半径:Rを、R≦0.05mmとした請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具
  7. 超硬合金によって形成されている請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具
  8. 請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具を用いて、CMP法に用いられる、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して切削加工による溝加工を施すことにより、該研磨用パッド基板の表面及び/又は裏面において互いに平行に周方向にのびる円環状の溝であって深さ寸法が該パッド溝加工用バイト工具における刃先から前記屈曲線までの高さ寸法よりも大きな深さ寸法の溝の複数本を同時に形成することを特徴とする溝入り研磨用パッドの製造方法。
  9. 請求項1乃至の何れかに記載のパッド溝加工用バイト工具を用いて、合成樹脂材料からなる研磨用パッド基板に対して中心軸回りで同心円状に延びる複数条の環状溝が、該パッド溝加工用バイト工具における刃先から前記屈曲線までの高さ寸法よりも大きな深さ寸法で切削形成されており、その最内周に位置する該環状溝の直径寸法:Dが、D<60mmとされていることを特徴とする溝入り研磨用パッド。
JP2004359025A 1999-07-08 2004-12-10 パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法 Active JP3935927B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004359025A JP3935927B2 (ja) 2004-12-10 2004-12-10 パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法
US11/301,361 US7516536B2 (en) 1999-07-08 2005-12-12 Method of producing polishing pad

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004359025A JP3935927B2 (ja) 2004-12-10 2004-12-10 パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006167811A JP2006167811A (ja) 2006-06-29
JP3935927B2 true JP3935927B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=36669100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004359025A Active JP3935927B2 (ja) 1999-07-08 2004-12-10 パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3935927B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120322348A1 (en) 2009-12-22 2012-12-20 Jsr Corporation Pad for chemical mechanical polishing and method of chemical mechanical polishing using same
JP5484171B2 (ja) * 2010-04-19 2014-05-07 株式会社ディスコ 研磨パッドの溝形成方法
JP5871701B2 (ja) * 2012-04-10 2016-03-01 株式会社神戸製鋼所 切削工具の製造方法
JP6622439B1 (ja) * 2019-03-06 2019-12-18 住友化学株式会社 切削加工された積層フィルムの製造方法
KR102154583B1 (ko) * 2020-07-28 2020-09-10 (주)티씨에스 Cmp pad의 정밀가공 장치의 제품 및 공구 측정방법
CN114472944B (zh) * 2021-12-31 2024-03-12 华侨大学 减少刀具磨损的精加工刀片

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006167811A (ja) 2006-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5693781B2 (ja) ダイシングブレード
US7140088B2 (en) Turning tool for grooving polishing pad, apparatus and method of producing polishing pad using the tool, and polishing pad produced by using the tool
US20060154577A1 (en) Method of producing polishing pad
CN109968112B (zh) 切削刀具的修整方法
CN109070315B (zh) 一种微沟槽加工用的砂轮工具及其制造方法
JP3935927B2 (ja) パッド溝加工用バイト工具およびそれを用いた研磨用パッドの製造方法
JP2006198743A (ja) 小径回転工具及び高硬度材料ワークの切削方法
JP2019059020A (ja) 加工砥石
JP3299523B2 (ja) 硬質発泡樹脂パッドの旋削溝加工用工具
JP3497492B2 (ja) 半導体デバイス加工用硬質発泡樹脂溝付パッド及びそのパッド旋削溝加工用工具
CN1262999C (zh) 滑动器和加工滑动器的方法
TW201836739A (zh) 用於化學機械平坦化拋光墊之膠凝減縮工具
JP5183256B2 (ja) 切削工具とこれを用いた切削方法
JP2011020182A (ja) パッド・コンディショニングに適した研磨工具及びこれを用いた研磨方法
CN1720119A (zh) 软质材料加工用切削工具
JP2008229764A (ja) 回転工具及び加工方法
JP2003326464A (ja) 切断用ホイール及びその製造方法
JP4649592B2 (ja) 単結晶ダイヤモンド切れ刃の2面加工装置及び加工方法
JP2002326166A (ja) 電着薄刃砥石とその製造方法
JP7450864B1 (ja) 側刃付きメタルソーと側刃付きメタルソーの製造方法及び加工方法
JP2012121129A (ja) パッド・コンディショニングに適した研磨工具及びこれを用いた研磨方法
CN117206987A (zh) C形结构排气硅环加工方法
JP3817568B2 (ja) 超硬刃研削工具及び超硬工具の製造方法
JP2006123018A (ja) 面取り加工装置
JP4334514B2 (ja) 研磨砥石

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060926

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20060926

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20061016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3935927

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 3

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160330

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250