JP2011025374A - エンドミル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャンクの軸線を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができるエンドミルの製造方法を提供すること。
【解決手段】ダイヤモンドチップ3を仮シャンクに仮固定して研磨部30bを形成し、その後に仮シャンク5からダイヤモンドチップ3を取り外して加工用のシャンク2に固定する。よって、ダイヤモンドチップ3が仮シャンク5に取付けられる取付け面を変更できるので、ダイヤモンドチップ3の取付面を当て面34から係合凸部37に変更できる。このように取付面を変更するために、貫通穴30aを中心としてダイヤモンドチップ3を回転させるので、円弧状の研磨部30bが凸となる向きを、仮シャンクの先端向きからシャンク2の一側向きに変更できる。これにより、円弧状の研磨部30bをシャンク2の回転軌跡よりも外側へ突出させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ダイヤモンドチップ3を仮シャンクに仮固定して研磨部30bを形成し、その後に仮シャンク5からダイヤモンドチップ3を取り外して加工用のシャンク2に固定する。よって、ダイヤモンドチップ3が仮シャンク5に取付けられる取付け面を変更できるので、ダイヤモンドチップ3の取付面を当て面34から係合凸部37に変更できる。このように取付面を変更するために、貫通穴30aを中心としてダイヤモンドチップ3を回転させるので、円弧状の研磨部30bが凸となる向きを、仮シャンクの先端向きからシャンク2の一側向きに変更できる。これにより、円弧状の研磨部30bをシャンク2の回転軌跡よりも外側へ突出させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンドミル及びその製造方法に関し、特に、シャンクの軸線を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができるエンドミル及びその製造方法に関するものである。
従来のエンドミルが特許文献1に開示されている。かかる従来のエンドミル300は、超硬合金などの材料で構成される筒状の超硬基材2(シャンク)と、ダイヤモンド多結晶素材で構成される切刃部3(ダイヤモンドチップ)とから形成されている。
図6(a)及び図6(b)は、シャンク310にダイヤモンドチップ320が固定される従来のエンドミル300の正面図であって、図6(a)はダイヤモンドチップ320に円弧状の逃げ面を形成する状態を示し、図6(b)は母材Bの開口穴の側面をダイヤモンドチップ320の底刃321でアンダーカット形状に加工する状態を示している。なお、図6において、シャンク310の図示が一部省略されている。
図6(a)に示すように、従来のエンドミル300を製造する場合には、シャンク310の先端にダイヤモンドチップ320を固定し、かかるダイヤモンドチップ320を砥石Tの研ぎ面上で揺動させて研磨することにより、ダイヤモンドチップ320に半円状の研磨部320bが形成される。その研磨された半円状の研磨部320bにすくい面および逃げ面(いずれも図示せず)が形成されることにより、ダイヤモンドチップ320には、シャンク310の軸線O1上に配設される円弧状の底刃321と、その底刃321に連続する外周刃322とが形成される。
しかしながら、上述した従来の製造方法では、砥石Tの研ぎ面上でダイヤモンドチップ320を揺動させて研磨部320bを形成するので、シャンク310を大きく傾けると、シャンク310が砥石Tに干渉する。よって、シャンク310の軸線O1が砥石Tの研ぎ面と平行となるまでしかシャンク310を傾けることができない。従って、外周刃322の接線はシャンク310の軸線O1と略平行となる。
このように、外周刃322の接線がシャンク310の軸線O1と略平行となると、エンドミル300でアンダーカット形状(穴等の側面の一部を凹ませる形状)の切削加工を行う場合、母材Bの開口穴の側面に底刃321を当接させるためにシャンク310の軸線O1を傾けなければならない。
かかる場合に、開口穴の開口幅が、例えばダイヤモンドチップ320の通過に必要な最小限度の大きさのように狭く設定されると、シャンク310と母材Bとが干渉する。よって、シャンク310の軸線O1を傾けることができない場合は、従来のエンドミルの製造方法により製造されたエンドミル300でアンダーカット形状の切削加工を行うことができない問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、シャンクの軸線を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができるエンドミル及びその製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のエンドミルの製造方法は、軸線を回転軸として回転するシャンクと、そのシャンクの先端部に固定され、ダイヤモンド単結晶素材で構成されるダイヤモンドチップとを備えるエンドミルであって、前記ダイヤモンドチップよりも幅広に形成される仮シャンクに前記ダイヤモンドチップを仮固定する仮固定工程と、その仮固定工程により前記仮シャンクに仮固定された前記ダイヤモンドチップの外周面を研磨して円弧状の研磨部を形成する研磨工程と、その研磨工程により研磨された前記ダイヤモンドチップを前記仮シャンクから取り外す取り外し工程と、その取り外し工程により前記仮シャンクから取り外された前記ダイヤモンドチップを、前記研磨部に前記シャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出する突出部を設けつつ、前記シャンクに固定する本固定工程とを備え、前記研磨工程又は前記本固定工程は、前記研磨部の突出部が形成される部分に切れ刃を形成する切れ刃形成工程を備えている。
請求項2記載のエンドミルの製造方法は、請求項1記載のエンドミルの製造方法において、前記本固定工程は、前記ダイヤモンドチップの前記シャンク側に突出する係合凸部と、その係合凸部に対応する形状で前記シャンクの先端に前記シャンクの軸線に沿って凹設される係合凹部と、を係合させる係合工程を備えている。
請求項3記載のエンドミルの製造方法は、請求項1又は2に記載のエンドミルの製造方法において、前記本固定工程または前記研磨工程は、前記軸線を基準として前記突出部と反対側の前記ダイヤモンドチップに、前記突出部の回転軌跡よりも内側に位置するカット面を形成するカット面形成工程を備えている。
請求項4記載のエンドミルの製造方法は、請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルの製造方法において、前記本固定工程は、前記ダイヤモンドチップの板厚方向に貫通形成される貫通穴に係合部材を挿通し、その貫通穴に挿通される前記係合部材を前記シャンクに穿設されるねじ穴に螺合するねじ止め工程を備えている。
請求項5記載のエンドミルは、軸線を回転軸として回転するシャンクと、そのシャンクの先端部に固定され、ダイヤモンド単結晶素材で構成されるダイヤモンドチップとを備えるものであって、前記ダイヤモンドチップは、前記軸線を回転軸として回転する前記シャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出し外周刃を形成する突出刃を備えている。
請求項6記載のエンドミルは、請求項5記載のエンドミルにおいて、前記ダイヤモンドチップは、前記シャンク側に突出する係合凸部を備え、前記シャンクは、その先端に、前記シャンクの軸線に沿って前記係合凸部に対応する形状で凹設される係合凹部を備えている。
請求項7記載のエンドミルは、請求項5又は6に記載のエンドミルにおいて、前記ダイヤモンドチップは、前記シャンクの軸線を基準として前記突出刃と反対側の部分に形成されるカット面を備えている。
請求項8記載のエンドミルは、請求項5から7のいずれかに記載のエンドミルにおいて、前記ダイヤモンドチップを前記シャンクに固定する係合部材を備え、前記ダイヤモンドチップは、そのダイヤモンドチップの板厚方向に貫通形成され前記係合部材が挿通される貫通穴を備え、前記シャンクは、そのシャンクに穿設され前記貫通穴に挿通される係合部材が螺合されるねじ穴を備えている。
請求項1記載のエンドミルの製造方法によれば、軸線を回転軸として回転するシャンクの先端部にダイヤモンドチップが固定され、かかるダイヤモンドチップによって、母材(加工対象物)に対してアンダーカット形状の切削加工が行われるエンドミルが製造される。
ここで、請求項1記載のエンドミルの製造方法によれば、まず、ダイヤモンドチップよりも幅広に形成される仮シャンクにダイヤモンドチップが仮固定され、その仮固定されたダイヤモンドチップの外周面が円弧状に研磨され研磨部が形成される。次に、その研磨部が形成されたダイヤモンドチップは、仮シャンクから取り外された後、シャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出する突出部を研磨部に設けつつ、シャンクに固定される。
そして、回転軌跡よりも外側へ突出する突出部(又は突出部が形成される研磨部の部分)には、ダイヤモンドチップをシャンクに固定した後(又は研磨部を形成した後)に、切れ刃が形成される。このように、ダイヤモンドチップを仮シャンクに仮固定した状態で研磨して研磨部を形成し、その研磨部を形成した後に仮シャンクからダイヤモンドチップを取り外してシャンクに固定するので、ダイヤモンドチップの研磨時と固定時とで円弧状の研磨部が突出する向きを変更することができる。
よって、突出部がシャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出するように、ダイヤモンドチップをシャンクに固定できるので、切れ刃(外周刃)をシャンクの外形線によって形成される回転軌跡より外側に突出させることができるという効果がある。
切れ刃がシャンクの回転軌跡より外側に突出するので、ダイヤモンドチップが母材の開口穴に挿入されると、切れ刃は母材の開口穴の側面と対向配置される。従って、切れ刃を開口穴の側面に向かって水平方向に移動させるだけで、母材の開口穴の内側面に当接させることができる。従って、開口穴の内側面に当接された切れ刃によって、シャンクの軸線を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができる。
このように、シャンクの外形線によって形成される回転軌跡より外側に突出する切れ刃によりアンダーカット形状の切削加工を行うので、切削加工を行うために必要とされる母材の開口穴の開口幅を小さく設定できる。つまり、従来のようにダイヤモンドチップの底刃でアンダーカット形状の切削加工を行う場合は、母材の開口穴にダイヤモンドチップを挿入した後にシャンクの軸線を傾けるので、母材の開口穴の内側面とダイヤモンドチップとの間に母材とシャンクとの干渉を防止するための隙間が必要とされていた。
これに対し、切れ刃がシャンクの外形線によって形成される回転軌跡より外側に突出される場合は、母材の開口穴にダイヤモンドチップを挿入した後にシャンクの軸線を傾ける必要がない。よって、シャンクの軸線を傾ける場合にシャンクと母材との干渉を防止するために必要とされる隙間を不要とできるので、切削加工を行うために必要とされる母材の開口穴の開口幅を小さく設定できる。従って、従来のような底刃では、軸線が傾けられたシャンクと母材とが干渉するためにアンダーカット加工を行えないような狭い開口幅の開口穴であっても、切れ刃により開口穴の側面にアンダーカット形状の切削加工を行うことができるという効果がある。
請求項2記載のエンドミルの製造方法および請求項6記載のエンドミルによれば、請求項1記載のエンドミルの製造方法および請求項5記載のエンドミルの奏する効果に加え、シャンクの係合凹部がダイヤモンドチップの係合凸部と対応する形状で凹設されるので、ダイヤモンドチップがシャンクに固定されると、係合凸部と係合凹部とが係合される。これにより、ダイヤモンドチップとシャンクとの相対位置が位置決めされるので、ダイヤモンドチップをシャンクに固定する固定作業を簡易に行うことができるという効果がある。
また、ダイヤモンドチップの係合凸部とシャンクの係合凹部とが係合すると、ダイヤモンドチップとシャンクとの相対移動が規制される。従って、切削加工時に母材(加工対象物)から受ける切削抵抗が大きい場合でも、シャンクとダイヤモンドチップとの間に滑りが生じることを抑制できるので、シャンクの振れを抑制できるという効果がある。
請求項3記載のエンドミルの製造方法および請求項7記載のエンドミルによれば、請求項1又は2に記載のエンドミルの製造方法および請求項5又は6記載のエンドミルの奏する効果に加え、切れ刃(外周刃)が形成される場合に、軸線を基準として突出部(突出刃)と反対側のダイヤモンドチップに、突出部(突出刃)の回転軌跡よりも内側に位置するカット面が形成される。よって、開口穴に挿入されたダイヤモンドチップが回転する場合に、カット面が突出部の回転軌跡より外側に突出しない。従って、突出部の切れ刃(突出刃)により切削加工が行われる場合において、カット面が母材の開口穴の側面に干渉しないので、突出部の切れ刃(突出刃)による切削加工の加工精度の向上を図れるという効果がある。
請求項4記載のエンドミルの製造方法および請求項8記載のエンドミルによれば、請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルの製造方法および請求項5から7のいずれかに記載のエンドミルの奏する効果に加え、係合部材がダイヤモンドチップの貫通穴に挿通された後、シャンクのねじ穴に螺合されるので、係合部材によってダイヤモンドチップがシャンクに確実に固定される。よって、ダイヤモンドチップとシャンクとの接合面に接着材を塗布する場合に、接着材を塗布してから硬化するまでの間にダイヤモンドチップがシャンクの固定位置からずれることを防止できるという効果がある。
しかも、ダイヤモンドチップの研磨前に貫通穴をダイヤモンドチップに貫通形成しておけば、砥石等で研磨部が形成される場合に、その貫通穴を利用して仮シャンクにダイヤモンドチップを仮固定することができる。よって、ダイヤモンドチップの貫通穴を仮シャンクへの固定とシャンクへの固定とに兼用できるので、ダイヤモンドチップに新たな加工を別途行うことを必要とせず、加工コストの削減を図ることができるという効果がある。
請求項5記載のエンドミルによれば、外周刃により形成される突出刃がシャンクの回転軌跡より外側に突出するので、ダイヤモンドチップが母材の開口穴に挿入されると、突出刃は母材の開口穴の側面と対向配置される。従って、突出刃を開口穴の側面に向かって水平方向に移動させるだけで、母材の開口穴の内側面に当接させることができる。従って、開口穴の内側面に当接された突出刃によって、シャンクの軸線を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができる。
また、シャンクの軸線を傾ける必要がないので、従来のような底刃では、軸線が傾けられたシャンクと母材とが干渉するためにアンダーカット加工を行えないような狭い開口幅の開口穴であっても、突出刃により開口穴の側面にアンダーカット形状の切削加工を行うことができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の第1実施の形態であるエンドミルの製造方法により製造されたエンドミル1の正面図であり、図1(b)は、図1(b)は、図1の矢印Ia方向から視たエンドミル1の分解側面図である。図1において、エンドミル1のシャンク2の図示が一部省略されており、シャンク2の軸線O1が一点鎖線で図示されている。なお、図2及び図3についても同様である。
まず、図1を参照してエンドミル1の全体構成について説明する。エンドミル1は、主に、金型等の3次元加工を行う用途に用いられる工具であり、特に、アンダーカット形状(穴等の側面の一部を凹ませる形状)の切削加工に適した工具として構成されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、エンドミル1は、軸線O1を回転軸として回転するシャンク2と、そのシャンク2の先端部に固定されダイヤモンド単結晶素材で構成されるダイヤモンドチップ3と、そのダイヤモンドチップ3をシャンク2に取り付けると共に外周に雄ねじ(図示せず)が螺刻される固定用ねじ4とを有して構成されている。
シャンク2の後端側(図1の上側)がマシニングセンター等の加工機械のホルダ(図示せず)に保持される。これにより、ホルダを介してマシニングセンター等の加工機械の回転力がシャンク2に伝達され、ダイヤモンドチップ3がシャンク2の軸線O1を回転軸として回転し、母材B(図3(c)参照)が切削加工される。
図1(b)に示すように、シャンク2は、タングステンカーバイト(WC)等を加圧焼結した超硬合金により略軸状体に構成されており、シャンク2の先端部(図1(b)下端部)の表面(図1(b)右側の面)には、後述するダイヤモンドチップ3の係合凸部37と対応する形状でシャンク2の軸線O1に沿って係合凹部22が凹設されている。
係合凹部22は、シャンク2の表面と平行に延設されシャンク2の表面より一段低く設定される受け面22aと、受け面22aの上端(図1(b)上端)から立設される当接面22bとで構成される。受け面22aは、後述するダイヤモンドチップ3の裏面と当接する部位であり、受け面22aからその受け面22aと直交する方向(図1(b)左右方向)にねじ穴20aが穿設され、そのねじ穴20aの内周面には雌ねじ(図示せず)が螺刻される。
図1(a)に示すように、当接面22bは、後述するダイヤモンドチップ3の係合凸部37が当接する部位であり、略逆V字形状に形成される。即ち、当接面22bは、シャンク2の一側に向かって上昇傾斜する第1当接面22b1と、その第1当接面22b1に交差しシャンク2の一側に向かって下降傾斜する第2当接面22b2と、第1当接面22b1及び第2当接面22b2とが交差する交差稜線である底部22b3とで構成される。
よって、ダイヤモンドチップ3が切削加工時に母材B(加工対象物、図2(c)参照)から受ける切削抵抗を、シャンク2の一側に向かって上昇傾斜する第1当接面22b1及びシャンク2の一側に向かって下降傾斜する第2当接面22b2に沿って、軸線O1方向(図1(a)及び図1(b)上下方向)及び軸線O1と直交する径方向へ分散させることができる。
従って、係合凹部22が矩形状に形成される場合に比べて、係合凹部22に作用するシャンク2の径方向への応力を低減させることができ、エンドミル1の寿命の延長を図ることができる。なお、第1当接面22b1の長さは、第2当接面22b2の長さより長尺に設定される。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ダイヤモンドチップ3は、その切れ刃33により母材Bに対して切削加工を行うものであり、上述したように、シャンク2を構成する超硬合金よりも硬質のダイヤモンド単結晶体で構成されている。また、ダイヤモンドチップ3は、矩形に形成される外周面を砥石T(図2(b)参照)上で揺動させて研磨することにより円弧状の研磨部30bが形成される。円弧状の研磨部30bがシャンク2の一側(図1(a)右側)の外側面より外側に突出するようにダイヤモンドチップ3がシャンク2に固定される。
シャンク2に固定されたダイヤモンドチップ3には、シャンク2の係合凹部22に係合する係合凸部37と、研磨部30bに設けられる逃げ面31及びすくい面32と、逃げ面31及びすくい面32が交差する交差稜線で構成される切れ刃33と、シャンク2の軸線O1を基準としてすくい面32(逃げ面31)と反対側の部分に位置するカット面35と、ダイヤモンドチップ3を板厚方向(図1(b)の左右方向)に貫通する貫通穴30aとが形成される。
図1(a)に示すように、係合凸部37は、研磨部30bの一部と、その研磨部30bと交差する直線状の当て面34と、その当て面34及び研磨部30bが交差する交差稜線である角部36とで構成される。また、係合凸部37は、シャンク2の後端に向かうに従って、研磨部30bの一部と直線状の当て面34との対向間隔が漸次減少するように逆V字状に形成され、係合凸部37を係合凹部22に係合させてダイヤモンドチップ3をシャンク2に固定する。
ダイヤモンドチップ3の係合凸部37がシャンク2の係合凹部22に係合すると、ダイヤモンドチップ3の当て面34、研磨部30b及び角部36が、シャンク2の第1当接面22b1、第2当接面22b2及び底部22b3にそれぞれ当接され、ダイヤモンドチップ3とシャンク2とが相対的に位置決めされる。これにより、ダイヤモンドチップ3をシャンク2に固定する固定作業を簡易に行うことができる。
また、ダイヤモンドチップ3とシャンク2とが相対的に位置決めされると、ダイヤモンドチップ3とシャンク2との相対移動が規制される。従って、切削加工時に母材(加工対象物)から受ける切削抵抗が大きい場合でも、シャンクと2ダイヤモンドチップ3との間に滑りが生じることを抑制できるので、シャンク2の振れを抑制できる。
図1(a)に示すように、ダイヤモンドチップ3がシャンク2に固定された状態で、シャンク2の一側(図1(a)右側)の外側面より外側に突出する研磨部30bに逃げ面31及びすくい面32が形成される。また、逃げ面31及びすくい面32が交差する交差稜線には切れ刃33が形成され、その切れ刃33にはダイヤモンドチップ3をシャンク2に固定した場合にシャンク2の一側の外周面より外側に突出する円弧状の突出刃33aが形成される。
従って、軸線O1を回転軸としてシャンク2が回転した場合、円弧状の突出刃33aは、回転するシャンク2の外形線によって形成される回転軌跡(以下「シャンク2の回転軌跡」と称す)よりも外側に突出される。これにより、従来のエンドミルと異なり、母材Bの開口穴(図2(c)参照)にダイヤモンドチップ3を挿入した後、シャンク2の軸線O1を傾けることなく、ダイヤモンドチップ3の切れ刃33(円弧状の突出刃33a)を母材Bの開口穴の側面に当接させることができる。
即ち、従来のエンドミルは、シャンクの軸線上に配設される底刃によりアンダーカット形状の切削加工が行われる。よって、底刃を母材Bの開口穴の側面に当接させるために、母材Bの開口穴にダイヤモンドチップを挿入した後、シャンクの軸線を傾ける必要があった。
これに対して、第1実施の形態のエンドミル1によれば、その切れ刃33(円弧状の突出刃33a)はシャンク2の回転軌跡より外側に突出するので、ダイヤモンドチップ3が母材Bの開口穴に挿入されると、突出刃33aは母材Bの開口穴の側面と対向配置される。
よって、母材Bの開口穴の側面と対向配置される突出刃33aを開口穴の側面に向かって水平方向に移動させるだけで、突出刃33aを母材の開口穴の内側面に当接させることができる。従って、開口穴の内側面に当接された切れ刃33(円弧状の突出刃33a)によって、シャンク2の軸線O1を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができる。
これにより、エンドミル1による切削加工の作業性を向上できる。このように、シャンク2の回転軌跡より外側に突出する切れ刃33(円弧状の突出刃33a)によりアンダーカット形状の切削加工を行う場合は、従来のエンドミルのように母材Bの開口穴にダイヤモンドチップ3を挿入した後にシャンク2の軸線を傾ける必要がない。よって、切削加工を行うために必要とされる母材Bの開口穴の開口幅を小さく設定できる。
つまり、従来のエンドミルのように、シャンクの軸線上に配設される底刃によりアンダーカット形状の切削加工が行われる場合は、シャンクの軸線を傾けても、シャンクと母材とが干渉しないように、母材Bの開口穴とシャンクとの間に干渉防止用の隙間が必要とされていた。
これに対して、第1実施の形態のエンドミル1によれば、その切れ刃33(円弧状の突出刃33a)でシャンク2の軸線O1を傾けることなくアンダーカット形状の切削加工を行うことができる。よって、シャンク2を傾けることによりシャンク2と母材B(図6参照)とが干渉するおそれがないので、母材Bの開口穴の内側面とダイヤモンドチップ3の切れ刃33との間に必要とされる干渉防止用の隙間を不要とできる。
切れ刃33(円弧状の突出刃33a)によってアンダーカット形状の切削加工を行う場合は、干渉防止用の隙間が不要とされた分だけ、底刃によりアンダーカット形状の切削加工が行われる場合に比べて、母材Bの開口穴の開口幅を小さく設定できる。従って、従来の底刃では行えないような場所(シャンク2の軸線を傾けることができないような狭い開口幅の開口穴の側面)であっても、切れ刃33(円弧状の突出刃33a)によってアンダーカット形状の切削加工を行うことができるので、エンドミル1の利便性を向上できる。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ダイヤモンドチップ3をシャンク2に固定した場合に、シャンク2の一側(図1(a)右側)の外側面より内側に位置する研磨部にも、逃げ面31(図1(b)参照)及びすくい面32が形成される。よって、逃げ面31及びすくい面32の交差稜線で構成される切れ刃33には、突出刃33aから軸線O1上まで交差稜線に沿って下方(図1(a)下方に)延設されている。従って、突出刃33aにより、母材Bの開口穴の側面にアンダーカット形状の切削加工を行うことができるだけでなく、突出刃33aから軸線O1上まで交差稜線に沿って下方(図1(a)下方に)延設される切れ刃33により、母材Bの開口穴の底面にも切削加工を行うことができる。
図1(a)に示すように、カット面35は、ダイヤモンドチップ3がシャンク2に固定された場合に、シャンク2の軸線O1を基準としてダイヤモンドチップ3の突出刃33aと反対側に配設されている。カット面35は、ダイヤモンドチップ3の突出刃33aと反対側の部分がレーザによって切断されることにより、シャンク2の一側(図1(a)右側)に向かって下降傾斜するように形成される。
カット面35はシャンク2の他側より内側、即ち突出刃33aの回転軌跡よりも内側に配設されている。よって、突出刃33aでアンダーカット形状の切削加工を行う場合に、ダイヤモンドチップ3のカット面35が開口穴の側面に干渉しないので、突出刃33aによる切削加工の精度を向上させることができる。
次に、図2及び図3を参照してエンドミル1の製造方法について説明する。図2(a)は、後述する仮シャンク5に固定されるダイヤモンドチップ3の正面図であり、図2(b)は、外周面が砥石Tで研磨されるダイヤモンドチップ3の正面図であり、図2(c)は、仮シャンク5から取り外してシャンク2に取り付けられるダイヤモンドチップ3の正面図である。図2(a)及び図2(b)において、仮シャンク5の軸線O2が一点鎖線で図示され、ダイヤモンドチップ3の中心線O3が一点鎖線で図示される。また、図2(b)において、仮シャンク5を一方側に揺動させた状態を実線で示し、仮シャンク5を他方側に揺動させた状態を鎖線で示している。また、矢印により仮シャンク5の揺動方向が図示されている。
図3(a)は、シャンク2に固定されたダイヤモンドチップ3の正面図であり、図3(b)は、カット面35、逃げ面31およびすくい面32が形成された後の状態を示すダイヤモンドチップ3の正面図であり、図3(c)は、エンドミル1の正面図であり、母材Bに穿設された開口穴の側面にダイヤモンドチップ3でアンダーカット形状の切削加工を行った後の状態を示している。
図2(a)に示すように、まず、矩形状のダイヤモンド単結晶素材で構成され矩形状に形成されるダイヤモンドチップ3には、仮シャンク5の軸線O2と一致するダイヤモンドチップ3の中心線O3(ダイヤモンドチップ3の長手方向の中央を通る線)上に、板厚方向(図2(a)の紙面手前から奥方向)に貫通する貫通穴30a(図2(c)参照)がレーザ加工等により形成される。かかる研磨用の仮シャンク5は、軸線O1を回転軸として回転するシャンク2とは別体に構成されている。
仮シャンク5の先端には、ダイヤモンドチップ3の貫通穴30aに対応する位置(研磨用の仮シャンク5の軸線O2上)に、内周面にねじ溝が螺刻されるねじ穴(図示せず)が穿設されている。かかる仮シャンク5の先端のねじ穴に、貫通穴30aに挿通された固定用ねじ4が螺合されることによりダイヤモンドチップ3が仮シャンク5に仮固定される。
図2(b)に示すように、仮シャンク5に仮固定されたダイヤモンドチップ3を、砥石Tの研ぎ面上で仮シャンク5の軸線O2が砥石Tの研ぎ面と平行となるまで仮シャンク5を一方又は他方(図2(b)左右方向)に傾けて揺動させる。よって、仮シャンク5に対向する当て面34を除く部分(当て面34と対向する下面(図2(b)下側の面)及び上面と下面との間に形成される側面)が砥石Tで研磨される。
これにより、ダイヤモンドチップ3の外周面に形成される研磨部30bは半円状に形成される。即ち、研磨部30bは軸線O2を基準に線対称に形成され、研磨部30bの円弧範囲(円弧に対する仮想の中心角)は最大で略180°に設定される。
図2(c)に示すように、半円状の研磨部30bが形成されたダイヤモンドチップ3は、仮シャンク5から取り外され、その受け面22a(図1(b)参照)と当接面22bとにセラミックボンドが塗布される。その後、係合凸部がシャンク2の後端側(図2(c)上側)を向くように、貫通穴30aを中心にダイヤモンドチップ3を回転させてダイヤモンドチップ3の係合凸部37とシャンク2の係合凹部22とを対向配置させ、係合凸部37を係合凹部22(図1(b)参照)に係合させる。
図3(a)に示すように、係合凸部37が係合凹部22に係合されると、ダイヤモンドチップ3の当て面34、研磨部30bの一部(逃げ面31及びすくい面32が形成されない研磨部30b)及び角部36が、シャンク2の第1当接面22b1、第2当接面22b2及び底部22b3にそれぞれ当接される。
これにより、ダイヤモンドチップ3とシャンク2との相対位置が位置決めされる。シャンク2に対して位置決めされたダイヤモンドチップ3は、シャンク2のねじ穴20aに螺合された固定用ねじ4によってシャンク2に固定される。よって、ダイヤモンドチップ3とシャンク2との接合面にセラミックボンドを塗布する場合に、セラミックボンドを塗布してからセラミックボンドが硬化するまでの間にダイヤモンドチップ3がシャンク2の固定位置からずれることを防止できる。
しかも、ダイヤモンドチップ3の研磨前にダイヤモンドチップ3に貫通穴30aを貫通形成しておけば、砥石T等で外周面を研磨して研磨部30bを形成する場合に、その貫通穴30aを利用してダイヤモンドチップ3を仮シャンク5に仮固定することができる。よって、ダイヤモンドチップ3の貫通穴30aを仮シャンク5への固定とシャンク2への固定とに兼用できるので、ダイヤモンドチップ3に新たな加工を別途必要とせず、加工コストの削減を図ることができる。
ダイヤモンドチップの一側(図3(a)右側)がシャンク2の一側の外周面より外側(図3(a)右側)に突出し、ダイヤモンドチップの他側(図3(a)左側)がシャンク2の他側の外周面より外側(図3(a)左側)に突出する状態でダイヤモンドチップ3は固定用ねじ4によってシャンク2に固定される。
図3(b)に示すように、ダイヤモンドチップ3には、ダイヤモンドチップ3の他側の突出部分がレーザによりカットされることにより、シャンク2の軸線O1を基準として突出刃33aと反対側(図3(a)左側)に位置するカット面35が形成される。さらに、ダイヤモンドチップ3の一側に配設される円弧状の研磨部30bに逃げ面31及びすくい面32が形成され、このすくい面32と逃げ面31とが交差する稜線部分に円弧状の切れ刃33が形成される。その切れ刃33に形成される円弧状の突出刃33aは、ダイヤモンドチップ3をシャンク2に固定した場合にシャンク2の一側の外周面より突出する。
図3(c)に示すように、円弧状の突出刃33aはシャンク2の回転軌跡より外側に突出するので、母材Bの開口穴に挿入されたダイヤモンドチップ3を水平方向に移動させて円弧状の突出刃33aを母材Bの開口穴の内側面に当接させる。その母材Bの開口穴の内側面に当接させた突出刃33aによって、シャンク2の軸線O1を傾けることなく、母材Bの開口穴の上端から離間する内側面に対して円弧状の凹みの形状(アンダーカット形状)の切削加工を行うことができる。
このように、ダイヤモンドチップ3を仮シャンク5(図2(b)参照)に仮固定して研磨部30bを形成し、その後に仮シャンク5からダイヤモンドチップ3を取り外して加工用のシャンク2に固定するので、ダイヤモンドチップ3が仮シャンク5に取付けられる取付け面を変更できる。よって、ダイヤモンドチップ3の研磨時と固定時とで円弧状の研磨部30bが凸となる向きを変更することができる。
即ち、砥石T(図2(b)参照)等でダイヤモンドチップ3の外周面を研磨することにより、仮シャンク5の先端向き(図2(b)下向き)に凸となる円弧状の研磨部30bが形成されるので、研磨部30bの円弧範囲は最大で略180°であった。
これに対し、第1実施の形態におけるエンドミルの製造方法によれば、仮シャンク5からシャンク2にダイヤモンドチップ3を付け替えるので、ダイヤモンドチップ3の取付面を当て面34から係合凸部37に変更できる。
よって、取付面を変更できるので、貫通穴30aを中心としてダイヤモンドチップ3を回転させて円弧状の研磨部30bが凸となる向きを、仮シャンク5の先端向きからシャンク2の一側向き(図3(c)右向き)に変更できる。従って、円弧状の研磨部30bをシャンク2の回転軌跡よりも外側へ突出させることができる。さらに、円弧状に形成される切れ刃33の円弧範囲の回転軌跡を180°を超える範囲に設定できる。
従って、円弧状に形成される切れ刃33の円弧範囲の回転軌跡を180°を超える範囲に設定できるので、ダイヤモンドチップ3のシャンク2が仮シャンク5と兼用される(研磨用の仮シャンク5から加工用のシャンク2に付け替えない)場合に比べて、研磨部30bに形成可能な切れ刃の長さを長く設定できる。これにより、切れ刃30によって切削加工できる範囲を拡大できると共に、切れ刃13と母材Bとの接触面積を増大させて切れ刃13の耐久性を向上できる。
固定用ねじ4によって、ダイヤモンドチップ3が仮シャンク5の軸線O2上に配置されるので、研磨部30bの円弧の軌跡を形成できます。またダイヤモンドチップ3が固定用ねじ4でシャンク2に一旦固定されると、ダイヤモンドチップ3がシャンク2に対して正確に位置決めされるので、切れ刃形状を一定にして加工精度を確保できます。また、ダイヤモンドチップ3に、固定用ねじ4が挿通される貫通穴30aを貫通形成するので、シャンク2の外径に対してより大きな半径の円弧を切れ刃33に確保することができる。
図4を参照して、本発明の第2実施の形態におけるエンドミル101について説明する。図3は本発明の第2実施の形態におけるエンドミル101の正面図である。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1実施の形態におけるエンドミル1は、シャンク2の軸線O1を基準としてダイヤモンドチップ3の突出刃33aと反対側に位置するカット面35がシャンク2の一側に向かって下降傾斜するように形成されるのに対して、第2実施の形態におけるエンドミル101は、シャンク2の軸線O1を基準としてダイヤモンドチップ3の突出刃33aと反対側に位置するカット面135がシャンク2の他側の外周面に沿って軸線O1と平行となるように形成される。
これにより、シャンク2の軸線O1を基準として、ダイヤモンドチップ103の突出刃133aと反対側に位置する部分を、シャンク102の外周面に沿ってレーザカットできるので、第1実施の形態のようにカット面35がシャンク2の一側に向かって下降傾斜するように形成される場合に比べて、簡易にカット面35を形成できる。
また、カット面35がシャンク2の一側に向かって下降傾斜するように形成される場合に比べて、ダイヤモンドチップ103が切断される長さを短くできるので、研磨部130bに形成される逃げ面(図示せず)とすくい面132とが交差する稜線部分に形成される切れ刃133の長さを長く設定できる。
よって、切れ刃113と母材Bとの接触面積の増大を図ることができるので、切れ刃113の耐久性を向上できる。
図5を参照して、本発明の第3実施の形態におけるエンドミル201について説明する。図4は本発明の第2実施の形態におけるエンドミル201の正面図である。なお、上記した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
第1実施の形態におけるエンドミル1は、シャンク2の軸線O1を基準としてダイヤモンドチップ3の突出刃33aと反対側の部分にカット面35が形成されるのに対して、第3実施の形態におけるエンドミル201は、シャンク2の軸線O1を基準としてダイヤモンドチップ203の突出刃233aと反対側の部分にカット面35が形成されていない。
即ち、ダイヤモンドチップ203の当て面234が当接する第1当接部222b1を軸線O1と平行に形成すると共に、当て面234に連続しダイヤモンドチップ203の研磨部230bが当接する第2当接部222b2を円弧状に形成し、第1当接部222b1と第2当接部222b2とが交差する交差稜線である底部222b3は、軸線O1を基準として突出刃233aと反対側に配設される。
これにより、ダイヤモンドチップ203の軸線O1を基準として突出刃233aと反対側に配設される部分がシャンク202の他側(図5左側)の外周面より外側に突出されないので、カット面が形成されない。よって、カット面35を形成する工程を削減することができる。
また、ダイヤモンドチップ203にカット面35を形成しないので、研磨部230b全体に逃げ面(図示せず)、すくい面232及び切れ刃233を形成できる。従って、切れ刃233に形成される突出刃233aの長さを長く設定できる。よって、母材B(図3(c)参照)に対して切削加工できる範囲を広く設定でき、切れ刃213と母材Bとの接触面積の増大を図ることができるので、切れ刃213の耐久性を向上できる。
さらに、第1実施の形態におけるエンドミル1は、シャンク2が同一径の円柱状に形成されるのに対して、第3実施の形態におけるエンドミル201は、シャンク202の後端側が先端側に比べて径大の円柱状に形成される。
ここで、シャンク202の回転軌跡は、シャンク202のダイヤモンドチップ203が取付けられる部分、即ちシャンク202の先端(首)側が基準とされる。突出刃233aが、シャンク202の後端側の回転軌跡よりも外側に突出されていなくても、シャンク202の先端側の回転軌跡よりも外側に突出されていれば、アンダーカット形状の切削加工を行うことができるからである。
シャンク202の後端側が先端側に比べて径大に形成することにより、マシニングセンター等の加工機械のホルダ(図示せず)との接触面積を増大させることができるので、シャンク202をホルダに安定した状態で保持させることができる。
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施の形態に何ら限定されるものではなく、各発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、各実施の形態であるエンドミル1,101,201においては、セラミックボンドと固定用ねじ4とでダイヤモンドチップ3,103,203がシャンク2,102,202に固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、いずれか一方のみで固定されていてもよい。
かかる場合であっても、ダイヤモンドチップ3,103,203の係合凸部37,237とシャンク2,102,202の係合凹部22,222とが係合することにより、ダイヤモンドチップ3,103,203とシャンク2,102,202との相対移動を確実に抑制できる。
各実施の形態では、ダイヤモンドチップ3,103,203が人工ダイヤモンドで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、天然ダイヤモンドで構成される場合であってもよい。
また、各実施の形態では、シャンク2,102,202が超硬合金で構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の金属材料で構成される場合であってもよい。
シャンク2,102,202を他の金属材料で構成することにより、超硬合金でシャンク2,102,202が構成される場合に比べて、シャンク2,102,202のコストを低減できるので、エンドミル1,101,201を安価に形成できる。
1,101,201 エンドミル
2,102,202 シャンク
3,103,203 ダイヤモンドチップ
4 ボルト(係合部材)
5 仮シャンク
20a ねじ穴
30b,130b,230b 外周面
22,222 係合凹部
30a 貫通穴
33,133,233 切れ刃
33a,233a 突出刃(突出部の一部)
37 係合凸部
O1 軸線
T 砥石
2,102,202 シャンク
3,103,203 ダイヤモンドチップ
4 ボルト(係合部材)
5 仮シャンク
20a ねじ穴
30b,130b,230b 外周面
22,222 係合凹部
30a 貫通穴
33,133,233 切れ刃
33a,233a 突出刃(突出部の一部)
37 係合凸部
O1 軸線
T 砥石
Claims (8)
- 軸線を回転軸として回転するシャンクと、そのシャンクの先端部に固定され、ダイヤモンド単結晶素材で構成されるダイヤモンドチップとを備えるエンドミルの製造方法であって、
前記ダイヤモンドチップよりも幅広に形成される仮シャンクに前記ダイヤモンドチップを仮固定する仮固定工程と、
その仮固定工程により前記仮シャンクに仮固定された前記ダイヤモンドチップの外周面を研磨して円弧状の研磨部を形成する研磨工程と、
その研磨工程により研磨された前記ダイヤモンドチップを前記仮シャンクから取り外す取り外し工程と、
その取り外し工程により前記仮シャンクから取り外された前記ダイヤモンドチップを、前記研磨部に前記シャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出する突出部を設けつつ、前記シャンクに固定する本固定工程とを備え、
前記研磨工程又は前記本固定工程は、前記研磨部の前記突出部が設けられる部分に切れ刃を形成する切れ刃形成工程を備えることを特徴とするエンドミルの製造方法。 - 前記本固定工程は、前記ダイヤモンドチップの前記シャンク側に突出する係合凸部と、その係合凸部に対応する形状で前記シャンクの先端に前記シャンクの軸線に沿って凹設される係合凹部と、を係合させる係合工程を備えることを特徴とする請求項1記載のエンドミルの製造方法。
- 前記切れ刃形成工程は、前記軸線を基準として前記突出部と反対側の前記ダイヤモンドチップに、前記突出部の回転軌跡よりも内側に位置するカット面を形成するカット面形成工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンドミルの製造方法。
- 前記本固定工程は、前記ダイヤモンドチップの板厚方向に貫通形成される貫通穴に係合部材を挿通し、その貫通穴に挿通される前記係合部材を前記シャンクに穿設されるねじ穴に螺合するねじ止め工程を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンドミルの製造方法。
- 軸線を回転軸として回転するシャンクと、そのシャンクの先端部に固定され、ダイヤモンド単結晶素材で構成されるダイヤモンドチップとを備えるエンドミルにおいて、
前記ダイヤモンドチップは、前記軸線を回転軸として回転する前記シャンクの外形線によって形成される回転軌跡よりも外側へ突出し外周刃を形成する突出刃を備えることを特徴とするエンドミル。 - 前記ダイヤモンドチップは、前記シャンク側に突出する係合凸部を備え、
前記シャンクは、その先端に、前記シャンクの軸線に沿って前記係合凸部に対応する形状で凹設される係合凹部を備えることを特徴とする請求項5記載のエンドミル。 - 前記ダイヤモンドチップは、前記シャンクの軸線を基準として前記突出刃と反対側の部分に形成されるカット面を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のエンドミル。
- 前記ダイヤモンドチップを前記シャンクに固定する係合部材を備え、前記ダイヤモンドチップは、そのダイヤモンドチップの板厚方向に貫通形成され前記係合部材が挿通される貫通穴を備え、前記シャンクは、そのシャンクに穿設され前記貫通穴に挿通される係合部材が螺合されるねじ穴を備えることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載のエンドミル。
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