JP2006527180A - エポチロン及びエポチロン誘発体の合成のための保護された5,7−ジヒドロキシ−4,4−ジメチル−3−オキソヘプタン酸エステル及び5,7−ジヒドロキシ−2−アルキル−4,4−ジメチル−3−オキソヘプタン酸エステル、及びそれらのエステルの生成方法 - Google Patents
エポチロン及びエポチロン誘発体の合成のための保護された5,7−ジヒドロキシ−4,4−ジメチル−3−オキソヘプタン酸エステル及び5,7−ジヒドロキシ−2−アルキル−4,4−ジメチル−3−オキソヘプタン酸エステル、及びそれらのエステルの生成方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
新規中間体生成物の生成方法は、経済的出発材料から出発し、高い鏡像異性体純度、高い化学的純度、良好な収率で前記中間体生成物を生成し、そして産業規模での生成を可能にする。
天然のエポチロンは、ミクソバクテリウム スポランギウム セロサム(Myxobacterium sporangium cellosum)の培養物から単離された、16−員のマクロライド環であり、そして多くの癌系に対して効果的であることが試験され、そして見出された有望な抗−腫瘍剤の種類の代表である。
保護基の研究は、"Protective Groups in Organic Synthesis"Theodora W. Green, John Wiley and Sonsに見出される。
式III のエポチロンC1−C6セグメントの生成は、特許出願WO03/04063号及びWO03/015068号に記載されている。この場合、タイプIIa又はタイプIIbの出発材料がアルキル金属との有機金属反応において式III の化合物に転換される。
反応混合物の加水分解の後、式III の生成物が高収率で得られる。これに比較して、アルキルエステル官能基−CO2Raと有機金属化合物との直接的な反応は、中間的に生成されるケトンがさらに反応されるので、選択的でない。IIa又はIIbからの一次アダクトの場合、後者は安定化され、そして二次反応として、問題のカルビノールとさらに反応しない。
リチウムオルガニル化合物及び有機金属化合物の入手可能性は制限される。従って、市販されているか、又は単純な手段で生成され得る標準のリチウムオルガニル化合物を使用することが可能である場合、好都合である。後者に関して、もう1つのアルキル基は、式III aのメチルケトンのα−アルキル化を通して続くアルキル化において導入されるべきである。次に、これは、有機金属化合物に基づかれるアルキルハロゲン化物又はアルケニルハロゲン化合物が、良くあることだが、例えばC4−C6−アルケニルハロゲン化物において、非常に高価であるか又は入手できない場合、特に好都合である。
続く段階においては、アルキル化は、式IVaの化合物を形成するために塩基の存在下で適切なアルキル化剤により行われる。式IVbのビス−アルキル化生成物は、いずれの場合においても所望されない。
ビス−アルキル化の問題は、A. Streitwieser など. in Org. Lett., 2001,3, 2599-2601により記載されている。精製においては、出発材料、モノアルキル化生成物及びビス−アルキル化生成物から成る反応混合物が分離され得ることに問題が存在する。
本発明により、III aのアルキル化において単純な手段でIVaにおけるモノアルキル化生成物のみ入手を可能にする方法が入手されるはずである。エポチロン−セグメントC1−C6(=モノアルキル化生成物IVa)は、高い価値の分子であり、ここで高い収率及び高い純度が標的化され得る。
選択的アルキル化の問題は、一般形Vのβ−ケトエステルが一般式III aの化合物から生成されることにおいて本発明に従って達成される。一般式Vのケトエステルは、一般式IVの化合物への接近を提供し、これは、VII への鹸化及びエステル基の脱カルボキシル化の後、式IVaの生成物を生成する。
β−ケトエステルのアルキル化は、カルバニオンのアルキル化のための標準の方法である。2種の隣接する活性化カルボニル基により、α−炭素は容易に脱プロトン化し、そして一般的に容易にアルキル化される(A. C. Cope, H. L. Holmes, H.O. House, Org. React. 1957,9, 107-331)。
特に、R6は、アリル、クロチル及びベンジル基を表わす。
酸性化は好ましくは、リン酸又は塩化アンモニウムにより行われ;酸性化はpHモニターを伴って、行われる。
前記方法は、物質が可能性ある保護基分解又はケタール分離(PG1/PG2=ケタール基の場合)に関して、特定のpH範囲において安定していることにおいて特徴づけられる。
一般式IVaの化合物は、驚くべきことには、アルカリ性範囲で安定している。
脱カルボキシル化は4〜9のpHで行われ得ることが見出されている。pHは、脱カルボキシル化における保護基の安定性のために重要である。式II、IVa、V及びVIの化合物はさらに、溶液において中間体単離を伴わないで反応せしめられ得る。
1つの利点は、1%以下の遊離物III a及び1%以下のビス−アルキル化された化合物IVbを含む、この方法に従って生成される生成物の品質である。
一般式VIの化合物はまた、水の添加により、約100℃でDMF(ジメチルホルムアミド)において炭酸リチウムと反応せしめられる一般式VIの化合物により、一般式IVaの化合物を形成するために直接的に反応せしめられ得る。この反応は、脱アルコキシカルボニル化として言及され、それによれば、CO2が分離され、そしてアルキル臭化物が形成される。
一般式VI及びVIIIの化合物においては、R1及びR2はすでに、一般式VIに示される意味を有する。
IXの合成のための1つの方法は、塩基の存在下でのジアリルカーボネートとの反応による一般式III aの化合物の反応である。
式IXのアルキルケトエステルはまた、例えば一般式Vのアルキルエステルの再エステル化により入手できる。
文献においては、この反応は、Carroll反応(M. F. Carroll, J. Chem. Soc. 1940,1226)として言及される。Carroll反応はまた、[3,3]−シグマトロピック転位としても言及され得る。反応のためには、アリルケトエステルが、熱処理される。アリルエステルの熱転位は、高温(170〜200℃)を必要とする。この方法の制限はしばしば、化合物の低い耐熱性により提供される。
IX〜Xのこの反応はまた、一般式IVのアルキルエステルが塩基の存在下で再エステル化されるような手段で行われ、それによれば、続く反応は、A)アリル基の導入に従って、アルミニウムアコキシドの存在下で同時転位及び脱カルボキシル化により起こる。
この方法によれば、一般式IXのアリルエステルが、脱カルボキシル化及び同時アリル化下で、一般式Xのホモアリルケトンに転換され得る。
一般式Xの化合物における二重結合は、パラジウム又は白金触媒及び水素の使用により、一般式XIの化合物の飽和形に転換され得る。
本発明のより詳細な説明について下記に引用される例は、天然の3Sシリーズにおける化合物に関する。3S鏡像異性体の他に、一般式V, VI, VII , IX及びXの化合物の3R鏡像異性体及びラセミ体もまた、請求されている。
式II〜Xのすべての構造体においては、PG1及びPG2は、一般式Ia及びIbの化合物下で最初に言及された意味を有し;さらに、それらはまた、イソプロピリデン又は保護基としてのケタール構造体を意味する。
例1:S−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−3−メチル−ブタン−2−オン
1000mlのメチルリチウム−リチウムブロミド錯体(ジエチルエーテル中、1.5M)を、400mlのTHFに溶解された、WO03/014068号(例1e)3(S)-(3,5)アセトンジメチルケタール−2,2−ジメチル−ペンタン−ニトリルの標記化合物183g(1モル)に、−20℃で滴下する。次に、それを−20℃で30分間、攪拌し、そして次に室温に加熱する。それを室温で2時間、攪拌する。500mlの飽和塩化アンモニウム溶液を添加し、そしてそれを6時間、攪拌し、その間、pHを室温でモニターする。生成物をヘキサンにより抽出し、有機相を分離し、そしてそれを、水により2度、洗浄する。有機相を真空下で乾燥状態に蒸発する。
収量:195g(98%の理論値)の油状物。
47.5g(1.118モル)の60%パラフィン−安定化された水素化ナトリウムを、200mlのヘキサンにより洗浄し、パラフィン−フリーにし、そして285mlのTHFを添加する。338g(3.76モル)のジメチルカルボネートを添加する。300mlのTHF中、例1からの95gのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−3−メチル−ブタン−2−オンを、それに添加する。
例2に類似して、S−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステルを、例1の化合物及びジエチルカーボネートから生成する。
例2に類似して、S−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−5−オキソ−ペンタン酸アリルを、例1の化合物及びジアリルカーボネートから生成する。
5.16g(20モル)の例2からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、100mlのアリルアルコール及び1mlのチタンテトライソプロピレートにおいて80℃で6時間、攪拌する。アリルアルコールを蒸留し、残渣を100mlの酢酸エチルに取り、そして20mlの水により加水分解する。それを酢酸エチルにより抽出し、そして有機相を20gのシリカゲル上で濾過する。残渣を蒸発により濃縮した後、5.7g(96%の理論値)を、油状物として得る。
2.84g(10mモル)の例4からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸アリルエステルを、80mgのテトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウムと共に20mlのトルエン中で100℃で10分間、攪拌する。冷却の後、それをシリカゲル上で濾過し、メチル−tert−ブチルエーテルにより再洗浄し、そして乾燥する。2.5gの生成物(88%の理論値)を得る。
2.84g(10mモル)の例4からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸アリルエステルを、1mモルのアルミニュウムトリイソプロポキドと共に20mlのトルエン中で100℃で1時間、攪拌する。冷却の後、それを10mlの水に添加し、生成物をメチル−tert−ブチルエーテルにより抽出し、そしてそれを硫酸ナトリウム上で乾燥する。100℃/1mバールでのボール管蒸留の後、2.3gの生成物を、油状物(81%の理論値)として得る。
5.17g(20モル)のS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、18mlのエタノールにおいて0〜10℃で、2.47g(22mモル)のカリウムtert−ブチレートと共に混合し、そしてそれを10分間、攪拌する。20℃で、1.3ml(3.08g、21mモル)のヨウ化メチルを添加し、それにより、温度は30℃に上昇する。それを、2時間さらに攪拌し、それにより、白色固形物(NaI)が沈殿する。反応を、この場合、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。
前記溶液2/3をさらに、例9において反応せしめる。残る1/3を、飽和塩化アンモニウム溶液(pH7)により中和し、そして生成物を酢酸エチルにより抽出する。1.75gの生成物(96%の理論値)を油状物として得る。
例8の溶液2/3(13.4mモル)を、20mlの2NのNaOH(40mモル)と共に混合し、そして40℃で2時間、攪拌する。鹸化を、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。鹸化の後、それをリン酸(H3PO4)(pH7)により中和し、そしてその溶液をCO2発生下で80℃に30分間、加熱する。冷却の後、それを、メチル−tert−メチルエーテルにより抽出し、そして生成物をクロマトグラフィー処理する。2.5g(90%の理論値)の生成物を得る。分光データは、Eur. Chem. J. 2996,2, 1996,1477-1482に記載される情報と同一である。
5.17g(20モル)のS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、18mlのエタノールにおいて0〜10℃で、2.47g(22mモル)のカリウムtert−ブチレートと共に混合し、そしてそれを10分間、攪拌する。20℃で、3.27g(21mモル)のヨウ化エチルを添加し、そして温度は30℃に上昇する。攪拌を、2時間続け、それにより、白色固形物(NaI)が沈殿する。反応を、この場合、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。反応を、塩化アンモニウム溶液と共に混合し、メチル−tert−メチルエステルにより抽出し、そしてシリカゲル上で濾過する。4.2g(92%の理論値)を、油状物として得る。
5.17g(20モル)の例2からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、18mlのエタノールにおいて0〜10℃で、2.47g(22mモル)のカリウムtert−ブチレートと共に混合し、そしてそれを10分間、攪拌する。20℃で、3.27g(21mモル)のヨウ化エチルを添加し、それにより、温度は30℃に上昇する。
5.17g(20モル)のS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、18mlのエタノールにおいて0〜10℃で、2.47g(22mモル)のカリウムtert−ブチレートと共に混合し、そしてそれを10分間、攪拌する。20℃で、3.8g(30mモル)の塩化ベンジルを添加し、それにより、温度は30℃に上昇する。攪拌を、2時間続け、それにより、白色固形物(NaI)が沈殿する。反応を、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。反応を、塩化アンモニウム溶液と共に混合し、メチル−tert−メチルエステルにより抽出し、そしてシリカゲル上で濾過する。6.9g(99%の理論値)を、油状物として得る。
5.17g(20モル)のS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを、18mlのエタノールにおいて0〜10℃で、2.47g(22mモル)のカリウムtert−ブチレートと共に混合し、そしてそれを10分間、攪拌する。20℃で、3.8g(30mモル)の塩化ベンジルを添加し、それにより、温度は30℃に上昇する。反応を、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。
24.55g(0.22モル)のカリウムtert−ブチレートを、200mlのエタノールに懸濁する。20℃で、51.6g(0.2モル)の例2からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを添加し、そしてそれを、この温度で30分間、攪拌する。36.29gの臭化アリル(1−ブロモプロペン)を添加し、そして40℃で、さらに1時間、攪拌する。それを塩化アンモニウム溶液により加水分解し、そして酢酸エチルにより加水分解する。有機相を水により洗浄し、そして乾燥する。60g(96%の理論値)を、油状物として得る。
31.2g(0.1モル)の例14からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−2−アリル−4−メチル−3−ペンタン酸メチルエステルを、200mlのエアノールに溶解する。125mlの2Nの水酸化ナトリウムを添加し、そしてそれを40℃で2時間、攪拌する。鹸化を、薄層クロマトグラフィーにより追跡する。それを、85%リン酸(pH7)により中和し、そして80℃に30分間、加熱し、脱カルボキシル化を完結する。30℃への冷却の後、生成物を、メチル−tert−ブチルエーテルにより抽出する。ヘキサン及び上昇する割合の酢酸エチルを伴ってのシリカゲル上での精製の後、21.8g(91%の理論値)の生成物を得る。
サンプルの回転角度[α]Dは、+11.6°である(CHCl3中、1%、I=100mm)。
24.55g(0.22モル)のカリウムtert−ブチレートを、200mlのエタノールに懸濁する。20℃で、51.6g(0.2モル)の例2からのS−3−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−4−メチル−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステルを添加し、そしてそれを、この温度で30分間、攪拌する。36.29gの臭化アリル(1−ブロモプロペン)を添加し、そして40℃で、さらに1時間、攪拌する。反応を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。
24g(0.1モル)の例16からの(4S)−4−(2−メチル−3−オキソ−ヘプト−6−エン−2−イル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサンを、480mlのTHFに溶解する。室温で4.8gの炭素上パラジウム(10%)を添加する。それを、水素吸収が完結されるまで、2時間、10バールの水素下で水素化する。触媒を吸引し、THFにより再洗浄し、そして生成物を95℃/1mバールで蒸発する。21gの生成物(87%の理論値)を得る。
Claims (5)
- 下記一般式VI:
R1は、6個までの炭素原子を有する、直鎖又は枝分かれ鎖の、任意には不飽和の炭化水素を表わし、そして
R6は、直鎖又は枝分かれ鎖であり得る、C1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニルもしくはC2−C6−アルキニル基、又はアルコキシアルキル、アルコキシ−アルケニル、アルコキシアルキニルもしくはアリール−アルキル基を表わし、ここでアルコキシ部分におけるアルキルはC1−C6−アルキル基を意味し、そしてアリールはフェニル又はナフチル基を意味し、そして−アルキル−、アルケニル−、アルキニルはC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル又はC2−C6−アルキニル基を意味する]
で表わされる化合物。
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