JPH05112544A - 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体 - Google Patents

4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体

Info

Publication number
JPH05112544A
JPH05112544A JP29806891A JP29806891A JPH05112544A JP H05112544 A JPH05112544 A JP H05112544A JP 29806891 A JP29806891 A JP 29806891A JP 29806891 A JP29806891 A JP 29806891A JP H05112544 A JPH05112544 A JP H05112544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
group
compound
general formula
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29806891A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikara Kaneko
主税 金子
Masayuki Sato
雅之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP29806891A priority Critical patent/JPH05112544A/ja
Publication of JPH05112544A publication Critical patent/JPH05112544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式化1で示される4,6−ジオキソ−
1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体及び該化合
物を用いた光学活性カルボン酸誘導体の製造法。 【化1】 (式中,R1,R2は同一又は異なって置換されていても
よいアリール基を,Phはフェニル基を意味する。) 【効果】 光学活性な医薬の合成中間体として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性な医薬その他の
化合物の合成中間体として有用な下記一般式(I)化1
1で示される4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−
2−カルボン酸誘導体及び該化合物を用いた一般式(I
I)又は(III)化12で示される光学活性なカルボン酸
誘導体又はその塩あるいはそのエステルの製造法に関す
る。
【0002】
【化11】 (式中,R1及びR2は同一又は異なって置換されていて
もよいアリール基を,Phはフェニル基を意味する。以
下同様)
【0003】
【化12】 (式中,R5は水素原子,低級アルキル基又は低級アル
コキシ基を,R6は低級アルキル基,低級アルケニル基
又はアリール基を意味する。以下同様)
【0004】
【従来の技術】本発明者等は,光学活性な2,2−ジ置
換マロン酸モノアミド誘導体の製造法及びその中間体に
ついて先に特許出願した(特開平3−123766号公
報参照)。本発明者等は光学活性な化合物の製法につい
て種々検討を重ねたところ,意外にも4,6−ジオキソ
−1,3−オキサジンの2位にメンチルエステル基を導
入した4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カ
ルボン酸誘導体が光学活性化合物,殊に前記一般式(I
I)及び(III)で示される化合物の合成に,更に有用な
ことを見出し本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち,本発明は前記
一般式(I)で示される4,6−ジオキソ−1,3−オ
キサジン−2−カルボン酸誘導体,及び下記一般式(I
a)化13で示される4,6−ジオキソ−1,3−オキ
サジン−2−カルボン酸誘導体に
【化13】
【0006】一般式(IV)化14で示されるアルケン類
を反応させ
【化14】
【0007】(式中,R3及びR4は同一又は異なって一
方は低級アルコキシ基であり,他方は水素原子,低級ア
ルキル基,又は低級アルコキシ基を意味する。以下同
様)一般式(V)化15で示される化合物としたのち,
【0008】
【化15】
【0009】この化合物を加水分解した後,所望により
エステル化することを特徴とする一般式(II)化16
で示されるフェニルカルボン誘導体又はその塩,あるい
はそのエステルの製造法(以下,製法1と称する)
【0010】
【化16】
【0011】または,前記一般式(Ia)で示される
4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン
酸誘導体に,一般式(VI)R6MgX(式中,R6は低級
アルキル基,アルケニル基又はアリール基を,Xはハロ
ゲン原子を意味する。以下同様)で示されるグリニャー
ル試薬を反応させ,一般式(VII)化17
【0012】
【化17】
【0013】で示される化合物としたのち,加水分解し
所望によりエステル化することを特徴とする一般式(II
I)化18
【0014】
【化18】
【0015】で示されるフェニルプロピオン酸誘導体又
はその塩,あるいはそのエステルの製造法(以下,製法
2と称する)である。
【0016】本発明の一般式の基の定義において,「低
級アルキル基」とは,メチル基,エチル基,プロピル
基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,ペンチ
ル基,イソペンチル基等の直鎖又は分枝状の炭素数1乃
至5個の炭素鎖を,「低級アルコキシ基」としては,メ
トキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロポキシ
基,ブトキシ基,イソブトキシ基,tert−ブトキシ
基,ペンチルオキシ基等を,「低級アルケニル基」とし
ては,ビニル基,アリル基,2ーブテニル基,3−ブテ
ニル基,1−メチル−3−ブテニル基,1−メチル−2
−ペンテニル基等を,「アリール基」としては,フェニ
ル基,ベンジル基等を,「ハロゲン原子」としては,臭
素原子,塩素原子,ヨウ素原子等を意味する。また,
「置換されていてもよいアリール基」の置換基として
は,低級アルキル基,低級アルコキシ基等である。
【0017】前記一般式(II)又は(III)で示される
化合物の塩としては,ナトリウム,カリウム等のアルカ
リ金属塩,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ土類
金属塩,アンモニウム塩,トリエチルアミン等の有機塩
基との塩である。また,これらのエステルとしては好ま
しくは,低級アルキルエステルであり,例えば,メチル
エステル,エチルエステル,プロピルエステル,ペンチ
ルエステルである。
【0018】また,一般式(I)で示される化合物は,
分子中に不整炭素原子が含まれており,本発明の一般式
においてはこれに基づく光学異性体や,また他の幾何異
性体等をも包含する。なお,目的化合物(I)の2位の
側鎖に結合したメンチル基はl体のものがより好まし
い。
【0019】以下に一般式(I)で示される化合物の製
法について具体的に説明する。即ち,一般式(I)で示
される化合物は,下記反応式化19で示される方法によ
り製造される。
【0020】
【化19】
【0021】一般式(I)で示される化合物は,一般式
(VIII)で示されるイミン化合物に式(IX)で示され
るマロン酸を反応させ,一般式(X)で示される化合物
としたのち((I−1)工程),この化合物に一般式
(XI)で示されるアルデヒド誘導体を反応させて((I
−2)工程)得ることができる。
【0022】1)(I−1)工程 一般式(VIII)で示される化合物とマロン酸(IX)との
反応は,例えば,無水酢酸等の存在下,化合物(VIII)
に対して等モル乃至過剰モルのマロン酸(IX)を反応さ
せることによって行われる。この反応は,濃硫酸,p−
トルエンスルホン酸若しくは他のLewis酸等の存在
下に行うこともできる。本工程で得られる化合物(X)
には下記一般式(Xa)及び(Xb)化19で示される
二種の異性体が存在するが,分別再結晶により両者を純
粋な結晶として単離できる。また,以下の光学活性カル
ボン酸誘導体(II)及び(III)を得るためには,一般
式(Xa)で示される化合物の方がより好ましい配座で
ある。
【0023】
【化20】
【0024】2)(I−2)工程 (I−2)工程は,上記で得られた一般式(X)で示さ
れる化合物に,一般式(XI)で示されるアルデヒド化
合物を反応させるこによって行われる。アルデヒド化合
物(XI)との反応は,エーテル,ベンゼン,トルエ
ン,ジクロロメタン,ジクロロエタン,クロロホルム等
の溶媒中,好ましくは,ピリジン,ピコリンピペリジ
ン,ルチジン等の有機塩基の存在下,好ましくはモレキ
ュラーシーブ等の脱水剤の存在下に行なうことができ
る。反応温度乃至は,室温乃至加温下である。
【0025】一般式(I)で示される本発明化合物に
も,下記一般式(Ia)及び(Ib)化20で示される
二種の幾何異性体が存在するが,(Ib)で示される異
性体は(Ia)で示される異性体に異性化しやすく,再
結晶することにより全て純粋な(Ia)体を得ることが
できる。
【0026】
【化21】
【0027】こうして得られた本発明の目的化合物
(I)は,種々の光学活性な化合物の合成に用いること
ができる。以下にその代表的な例について説明する。 (製法1)
【0028】
【化22】
【0029】一般式(Ia)で示される化合物はアルケ
ン類(IV)と反応させ,化合物(V)としたのち(製法
1−1工程),その後,この化合物を加水分解後,所望
によりエステル化すること(製法1−2工程)により,
一般式(II)で示される光学活性なフェニルカルボン酸
誘導体又はその塩,あるいはそのエステルに導くことが
できる。
【0030】(製法1−1工程)化合物(Ia)とアル
ケン類(IV)との反応は,いわゆる Diels-Alder 反応
であり,ベンゼン,トルエン,キシレン,ジクロロメタ
ン,クロロホルム,エーテル,テトラヒドロフラン等の
反応溶媒中,冷却下乃至室温下に行われる。反応時間は
数時間乃至数日である。
【0031】(製法1−2工程)化合物(V)は,加水
分解後,所望によりエステル化することにより,フェニ
ルカルボン酸誘導体又はその塩あるいはそのエステル
(II)に導くことができる。加水分解は,好ましくは酸
加水分解であり,常法により,塩酸,硫酸,酢酸,p−
トルエンスルホン酸等の無機又は有機の酸が用いられ
る。また,エステル化は常法により,メタノール,エタ
ノール等のアルコール類,ジアゾメタン,ニトロソメチ
ル尿素等によって行われる。尚,加水分解により副生す
るイミン化合物(VIII)は,再度本発明の目的化合物
(I)の合成に利用できる。 (製法2)
【0032】
【化23】
【0033】一般式(Ia)で示される化合物は,一般
式(VI)で示されるグリニャール試薬と反応させ化合物
(VII)としたのち(製法2−1工程),加水分解する
こと(製法2−2工程)により,光学活性なフェニルプ
ロピオン酸誘導体又はその塩に導くことができる。
【0034】(製法2−1工程)一般式(Ia)で示さ
れる化合物とグリニャール試薬(VI)との反応は,テト
ラヒドロフラン,ジオキサン,エーテル等の溶媒中,冷
却下に行なうことができる。
【0035】(製法2−2工程)本工程における加水分
解及びエステル化は,前記製法1−2工程で用いられた
操作が適宜採用される。このようにして得られる化合物
(II)あるいは(III)は,抽出,結晶化,再結晶,各
種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を施すことに
より,単離,精製される。
【0036】
【発明の効果】本発明の目的化合物(I)は,N−メチ
ルバルビツール酸類化24
【0037】
【化24】
【0038】の合成中間体として有用である。また,化
合物(I)は光学活性カルボン酸誘導体(II),(II
I)の簡便且つ高選択的合成原料として有用である。即
ち,化合物(I)は,立体構造上,1,3−オキサジン
環の背面(β面)に非常にかさ高いメンチル基を有する
ため,この後のエノン部分に対する付加反応が立体障害
の少ないα面から高選択的に生起する。従って,この付
加化合物を加水分解して得られるカルボン酸誘導体の光
学純度は,いずれも99%以上と極めて高い。しかも,
化合物(I)を用いた場合,得られる化合物の結晶性が
良好なため,分離操作が容易である。従って,化合物
(I)は,製法1,2で示したような光学活性カルボン
酸誘導体の簡便且つ高選択的合成法を提供するものであ
る。また,化合物(II),(III)は例えは芳香油の主
成分である(+)−ar-Turmerone(Tetrahedron letter
s,30,2749-52(1979))等の合成原料としても有用であ
る。
【0039】
【実施例】以下に実施例を掲記し,本発明を更に詳細に
説明する。尚,本発明はこれらの実施例により何等制限
されるものではない。 参考例 1
【0040】
【化25】
【0041】フェニルグリオキシル酸(10.5g,7
0mmol),l−メントール(12g,77mmo
l),p−トルエンスルホン酸(0.7g)をベンゼン
(200ml)中ディーン−スターク装置を付して1日
間加熱した。次いでこの反応液にp−アニシジン(8.
61g,70mmol)を加え再び1日間加熱した。加
熱終了後溶媒を留去し,ヘキサンに溶解後シリカゲルの
短いカラムを通して極性物質を除いた。ヘキサンを留去
し残渣をペンタンより再結晶してl−メンチル2−[N
−(4−メトキシフェニル)イミノ]フェニルアセテー
トを得た。
【0042】理化学的性状 (i) mp: 93−94℃(黄色プリズム晶) (ii) IR(CHCl3): 1730cm-1 (iii) 元素分析値(C2531NO3 として) C(%) H(%) N(%) 理論値: 76.30 7.94 3.56 実測値: 76.41 8.18 3.62 (iv) [α]23 D ; −151.3°(c=1.
2,CHCl3) 実施例 1 (1)
【0043】
【化26】
【0044】l−メンチル 2−[N−(4−メトキシ
フェニル)イミノ]フェニルアセテート(23.6g,
60mmol),マロン酸(6.864g,66mmo
l),無水酢酸(61.2g,0.6mol)の混合物
を60℃で5時間加熱撹拌した。この後,無水酢酸を減
圧下で留去し,残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し,ヘキサン−酢酸エチル(5:1)で展開し
てl−メンチル (2S)−3−(4−メトキシフェニ
ル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6−ジオ
キソ−1,3−オキサジン−2−カルボキシレート及び
l−メンチル(2R)−3−(4−メトキシフェニル)
−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6−ジオキソ
−1,3−オキサジン−2−カルボキシレートの混合物
(28.74g,100%)を結晶として得た。これを
エーテル−ヘキサンより分別再結晶して,難溶性のl−
メンチル (2S)−3−(4−メトキシフェニル)−
2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6−ジオキソ−
1,3−オキサジン−2−カルボキシレート14g及び
易溶性のl−メンチル (2R)−3−(4−メトキシ
フェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6
−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボキシレー
ト12gをそれぞれ結晶として得た。
【0045】理化学的性状 l−メンチル (2S)−3−(4−メトキシフェニ
ル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6−ジオ
キソ−1,3−オキサジン−2−カルボキシレート (i) mp: 141−142℃(プリズム晶) (ii) IR: 1790,1740,1700cm-1 (iii) 元素分析値(C2833NO6 として) C(%) H(%) N(%) 理論値: 70.12 6.94 2.92 実測値: 70.08 7.03 2.97 (iv) [α]22 D ; −27.4° (c=1.
0, CHCl3
【0046】l−メンチル (2R)−3−(4−メト
キシフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−
4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボキ
シレート (i) mp: 137−138℃(プリズム晶) (ii) IR: 1790,1740,1700cm-1 (iii) 元素分析値(C2833NO6 として) C(%) H(%) N(%) 理論値: 70.12 6.94 2.92 実測値: 70.35 6.86 2.95 (iv) [α]24 D ; −54.6° (c=1.2
5, CHCl3) (2)
【0047】
【化27】
【0048】l−メンチル (2S)−3−(4−メト
キシフェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−
4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボキ
シレート(1.92g,4mmol),ベンズアルデヒ
ド(509mg,4.8mmol),ピペリジン(15
滴),酢酸(15滴)のベンゼン(20ml)溶液にモ
レキュラーシーブ4Å(4g)を加えて室温で5時間放
置した。この反応液を濾過後濃縮し,シリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付しヘキサン−酢酸エチル(5:
1)で展開し,IcとIdの混合物を結晶として得た。
これをヘキサン−エーテルより再結晶し,l−メンチル
(2S)−5−ベンジリデン−3−(4−メトキシフ
ェニル)−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−4,6−
ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボキシレート
(Ic)1.875g(収率 83%)を得た。
【0049】理化学的性状 (i) mp: 175−177℃(プリズム晶) (ii) IR: 1760,1750,1695,169
0,1620,1600cm-1 (iii) 元素分析値(C3537NO6 として) C(%) H(%) N(%) 理論値: 74.05 6.57 2.47 実測値: 74.04 6.73 2.56 (iv) [α]24 D ; +102.5° (c=1.
1, CHCl3) (v) 1H−NMR(500MHz,CDCl3):0.
504,0.548,0.649(各3H,d,J=7
Hz,Me),3.720(3H,s,OMe),8.
177(1H,s,PhC=). 実施例2
【0050】
【化28】
【0051】l−メンチル (2S)−5−ベンジリデ
ン−3−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−
2,3−ジヒドロ−4,6−ジオキソ−1,3−オキサ
ジン−2−カルボキシレート(567mg,1mmo
l)をジクロロメタン(10ml)に溶かし,−40℃
に冷却下でケテンジエチルアセタール(232mg,2
mmol)を加え,同温度で12時間放置した。反応溶
媒を減圧下で留去して付加体l−メンチル (2S,5
R)−7,7−ジエトキシ−3−(4−メトキシフェニ
ル)−2,5−ジフェニル−3,4,6,7−テトラヒ
ドロ−4−オキソ−2H,5H−ピラノ[3,2−e]
−1,3−オキサジン−2−カルボン酸690mg(1
00%)を油状物として得た。これにジオキサン(10
ml)と水(1ml)を加え,15時間加熱還流した。
溶媒を減圧下で留去後エーテルに溶かし,飽和炭素水素
ナトリウム水溶液で抽出した。有機層を無水硫酸マグネ
シウムで脱水後濃縮し,フェニルグリオキシル酸メンチ
ルとl−メンチル 2−[N−(4−メトキシフェニ
ル)イミノ]フェニルアセテートの約1:1の混合物3
55mgを得た。この後,水層を10%塩酸で酸性とし
てエーテル抽出した。エーテル層を脱水後濃縮して油状
の(R)−3−フェニルグルタル酸水素エチル199m
g(通算収率 84%)を得た。
【0052】理化学的性状 (i) IR(CHCl3): 3450,3350,17
20,1680cm-1 (ii) 1H−NMR(CDCl3,60MHz):1.1
(3H,t,J=7Hz,CH 3),2.6−2.9
(4H,m,COCH2×2),3.4〜3.91(1
H,m,CPh),4.0(2H,q,J=7Hz,
OCH2),7.2(5H,brs,Ph),9.7
(1H,brs,OH) (iii) [α]25 D ; +10.54 (c=1.
1, ベンゼン) なお,この化合物の光学純度は,p−アニシジンのアミ
ドに誘導後Chiralcel OJカラムによる高速
液体クロマトグラフによる分析で,100%であること
を確認した。 実施例 3
【0053】
【化29】
【0054】l−メンチル (2S)−5−ベンジリデ
ン−3−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−
2,3−ジヒドロ−4,6−ジオキソ−1,3−オキサ
ジン−2−カルボキシレート(114mg,0.2mm
ol)と2−メトキシプロペン(29mg,0.4mm
ol)のジクロメタン溶液を−16℃で2日間放置し
た。溶媒を留去後,得られたl−メンチル (2S,5
R)−7−メトキシ−7−メチル−3−(4−メトキシ
フェニル)−2,5−ジフェニル−3,4,6,7−テ
トラヒドロ−4−オキソ−2H,5H−ピラノ[3,2
−e]−1,3−オキサジン−2−カルボン酸(140
mg(100%),無色油状物)にジオキサン(5m
l)と水(0.5ml)を加え,5時間加熱還流した。
溶媒を留去後,残渣をエーテルに溶かし,飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で抽出した。水層を10%塩酸で酸性
とし,エーテル抽出した。エーテル層を脱水後濃縮して
(S)−5−オキソ−3−フェニルヘキサン酸を得た。
これを精製することなくジアゾメタンを用いて常法でメ
チル化した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付しヘキサン−酢酸エチル(10:1)で展開して
無色油状の(S)−5−オキソ−3−フェニルヘキサン
酸 メチルエステル28mg(収率65%)を得た。
【0055】理化学的性状 (i) IR(CHCl3):1734,1718cm-1 (ii) 1H−NMR(CDCl3,60MHz):2.0
7(3H,s,Me),2.67,2.80(各2H,
d,COCH2X2),3.60(3H,s,OM
e),3.47−3.83(1H,m,PhC),
7.27(5H,s,Ph) (iii) [α]26 D ; −21.7° (c=2.2,
ベンゼン) 本化合物の絶対構造は,Tetrahedron Lett.,24,4967(19
83) に記載のデータとの比較により決定した。また,前
記,(S)−3−フェニル−5−オキソヘキサン酸をジ
シクロヘキシルカルボジイミド法でl−メントールとの
エステルとし,500MHz 1H−NMRで解析した
結果,単一のシアステレオマーであることを確認した。
従って,前記カルボン酸及びそのメチルエステルの光学
純度は99%以上と決定された。 実施例 4
【0056】
【化30】
【0057】l−メンチル (2S)−5−ベンジリデ
ン−3−(4−メトキシフェニル)−2−フェニル−
2,3−ジヒドロ−4,6−ジオキソ−1,3−オキサ
ジン−2−カルボキシレート(283mg,0.5mm
ol),ヨウ化第一銅(5.7mg,0.03mmo
l)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液を−7
8℃に冷却,撹拌下にエチルマグネシウムブロマイドの
テトラヒドロフラン溶液(0.75mmol)を加え
た。同温度で4時間撹拌後,飽和塩化アンモニウム水溶
液を加えた。エーテルで抽出し,有機層を脱水後濃縮し
た。エーテルを留去し,シリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し,ヘキサン−酢酸エチル(10:1)で展
開し,l−メンチル (1′R,2S,5R)−2,3
−ジヒドロ−3−(4−メトキシフェニル)−4,6−
ジオキソ−5−(1−フェニルプロピル)−1,3−オ
キサジン−2−カルボン酸223mg(75%)を油状
物として得た。この化合物を3M硫酸(10ml)中8
時間加熱還流する。ジクロロメタンで抽出後クロマトグ
ラフィーで精製し(S)−3−フェニルペンタン酸34
mg(54%)を油状物として得た。
【0058】理化学的性状 (i) IR(CHCl3):3000−2900cm-1 (ii) 1H−NMR(CDCl3,60MHz):0.
77(3H,t,J−7Hz,CH2 CH3 ),1.27
−1.93(2H,m,CH2 CH3),2.53−3.
27(3H,m,PhCH,COCH2)7.23(5
H,s,Ph),10.30(1H,br,OH) (iii) [α]25 D ; +47.52° (c=1.2
5, ベンゼン) (S)−3−フェニルペンタン酸の絶対構造は Bull.Ch
em.Soc.Japan,51,3368-3372(1978) 記載のデータとの比
較により決定した。なお(S)−3−フェニルペンタン
酸をジアゾメタンで常法によりメチルエステル体とし,
Chiralcel OD カラムによる高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析したところ,その光学純度は99%であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 498/04 111 8415−4C // A61K 31/535 7252−4C C07B 53/00 7419−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示される4,6−ジオ
    キソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体。 【化1】 (式中,R1 及びR2は置換されていてもよいアリール基
    を,Phはフェニル基を意味する。)
  2. 【請求項2】 下記一般式化2で示される請求項1記載
    の4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボ
    ン酸誘導体。 【化2】 (式中,R1aは低級アルコキシ基で置換されたフェニル
    基を,R2aはフェニル基を意味する。)
  3. 【請求項3】 下記一般式化3で示される4,6−ジオ
    キソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体に 【化3】 (式中,R1及びR2は置換されていてもよいアリール基
    を,Phはフェニル基を意味する。以下同様)一般式化
    4で示されるアルケン類を反応させ 【化4】 (式中,R3及びR4は同一又は異なって一方は低級アル
    コキシ基であり,他方は,水素原子,低級アルキル基,
    又は低級アルコキシ基を意味する。以下同様)一般式化
    5で示される化合物としたのち, 【化5】 この化合物を加水分解した後,所望によりエステル化す
    ることを特徴とする一般式化6で示されるフェニルカル
    ボン誘導体又はその塩,あるいはそのエステルの製造
    法。 【化6】 (式中,R5は水素原子,低級アルキル基又は低級アル
    コキシ基を意味する。)
  4. 【請求項4】 下記一般式化7で示される4,6−ジオ
    キソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体に 【化7】 (式中,R1及びR2は同一又は異なって置換されていて
    もよいアリール基を,Phはフェニル基を意味する。以
    下同様)一般式R6MgX(式中,R6は低級アルキル
    基,低級アルケニル基,又はアリール基を,Xはハロゲ
    ン原子を意味する。以下同様)で示されるグリニャール
    試薬を反応させ,一般式化8 【化8】 で示される化合物とし,加水分解後所望によりエステル
    化することを特徴とする一般式化9 【化9】 で示されるフェニルプロピオン酸誘導体又はその塩,あ
    るいはそのエステルの製造法。
  5. 【請求項5】 下記一般式化10で示される化合物。 【化10】 (式中,R1及びR2は置換されていてもよいアリール基
    を,Phはフェニル基を,R3及びR4は同一又は異なっ
    て一方は低級アルコキシ基であり,他方は水素原子,低
    級アルキル基,低級アルコキシ基を意味する。)
JP29806891A 1991-10-18 1991-10-18 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体 Pending JPH05112544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29806891A JPH05112544A (ja) 1991-10-18 1991-10-18 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29806891A JPH05112544A (ja) 1991-10-18 1991-10-18 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05112544A true JPH05112544A (ja) 1993-05-07

Family

ID=17854729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29806891A Pending JPH05112544A (ja) 1991-10-18 1991-10-18 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05112544A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111592501A (zh) * 2020-06-29 2020-08-28 遵义医科大学 一种1,3-噁嗪类羟化物的合成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111592501A (zh) * 2020-06-29 2020-08-28 遵义医科大学 一种1,3-噁嗪类羟化物的合成方法
CN111592501B (zh) * 2020-06-29 2023-04-07 遵义医科大学 一种1,3-噁嗪类羟化物的合成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU207841B (en) Process for producing biphenyl-carbonitrils
JPH0784457B2 (ja) 光学活性を有するケタール化合物およびその製造法
EP1888499A1 (en) A process for the dynamic resolution of (substituted) (r) - or (s) -mandelic acid
JPH05331128A (ja) (R)−(−)−4−シアノ−3−ヒドロキシ酪酸t−ブチルエステル及びその製造方法
US5003087A (en) Process for preparing a naphthalene derivative and a synthetic intermediate thereof
JP4881298B2 (ja) インデノールエステルまたはエーテルの製造方法
RU2470018C2 (ru) Новые производные пирокатехина
JPH115791A (ja) 抗高コレステロール血性テトラゾール化合物およびそれらの中間体
JPS61129178A (ja) HMG‐CoA還元酵素阻害剤及びそれに使用する中間体化合物の製造方法
JPH05112544A (ja) 4,6−ジオキソ−1,3−オキサジン−2−カルボン酸誘導体
WO2014094511A1 (zh) 一种制备曲前列尼尔的中间体、其制备方法以及通过其制备曲前列尼尔的方法
US5498799A (en) Process for producing optically active 2-norbornanone
JP4176201B2 (ja) 5−ハロゲノ−2−置換ピリジンの製造方法
JP2010229097A (ja) 新規オキサゾリジン誘導体及び新規オキサゾリジン誘導体塩、並びに該オキサゾリジン誘導体塩を不斉有機分子触媒とした光学活性化合物の製造方法
JP2958834B2 (ja) アゼチジン−2−オン誘導体
US4958037A (en) Precursors and synthesis of methyl-9-oxo-11α, 16-dihydroxy-16-vinyl-5-cis-13-trans-prostadienoates
JP2958835B2 (ja) 4−(1−カルボキシアルキル)アゼチジン−2−オン誘導体の製造法
JP3965704B2 (ja) 光学活性な5−ヒドロキシ−3−オキソ−6−ヘプチン酸エステル誘導体の製造方法
JPH0623176B2 (ja) 非対称ジチオアセタール及びジチオケタールの製造方法
Robertson et al. Further studies on silatropic carbonyl ene cyclisations: β-crotyl (diphenyl) silyloxy aldehyde substrates; synthesis of 2-deoxy-2-C-phenylhexoses
JP3319069B2 (ja) 光学活性化合物とその製造法
JPH02223539A (ja) 置換シクロプロパン―1,1―ジカルボン酸誘導体の製造法及び中間体
JP4064645B2 (ja) 多置換シクロアルケン類の新規製造法
WO1984000755A1 (en) Amino polyol derivatives
JP2000191554A (ja) 反応活性の高い官能基を有するアクリル酸誘導体の製造方法