JP2006519762A - アミロイドβペプチド及びその組成物に対する抗体を使用して、アルツハイマー病を治療する方法 - Google Patents

アミロイドβペプチド及びその組成物に対する抗体を使用して、アルツハイマー病を治療する方法 Download PDF

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Abstract

アルツハイマー病およびダウン症候群を治療し、そして防止するためのアミロイドβペプチドに対して指向されたモノクロナール抗体及びその使用方法が記載されている。

Description

本発明は、アルツハイマー病及びダウン症候群など、主にアミロイド・ベータペプチド(Aβ)の発現に関連した病気の検出および治療に関する。本発明は、より詳細にはAβ及びその前躯体βAPPに対する抗体に関する。したがって本発明は、Aβ及びβAPPの過剰発現(又は蓄積)に関係する疾患の免疫治療組成物を、そしてその疾患の検出及び治療に有益な方法を提供する。
アルツハイマー病は、進行性記憶障害、錯乱、経時的な生理的劣化、そして最終的に死に至る、臨床的特徴の脳変性疾患である。世界中に約1500万人の人々が、アルツハイマー病に罹り、そしてその数が、寿命の延長に伴い劇的に増大すると予想される。組織学的にこの病気は神経斑を特徴とし、主に大脳皮質、大脳辺縁系、および基底神経系に関連して見られる。これらの斑の主な要素は、βアミロイド前駆タンパク質(βAPP又はAPP)を切断した生成物である、アミロイドβペプチド(Aβ)である。
APPが、大きな異所性N-末端ドメイン、膜貫通ドメイン、および小さな細胞質C-末端テイルを含む1型膜通過糖タンパク質である。染色体21上の一本鎖APP遺伝子転写の選択的スプライシングにより、アミノ酸数が異なる幾つかの異性体が生成される。
アルツハイマー病の神経病理学においてAβが、重要な役割を有すると考えられる。この病気のファミリー形態は、APPおよびプレセニリン(presenilin)遺伝子の突然変異体に結合している(Tanziら、1996,Neurobiol.Dis.3:159-168;Hardy,1996,Ann.Med.28:255-258)。これら遺伝子の疾患に連結する突然変異体が、アミロイド斑に見い出される顕著な形状としての42のアミノ酸型Aβの産生を、増大させる結果となる。さらにヒトAβを伴うAPPの疾患に連結した変異体の形状を過剰発現するトランスゲニック・マウスを免疫化すると、アミロイド斑の負荷、そして関連病態が減少し(Schenkら、1999,Nature 400:173-177)、さらにAβに指向される抗体を抹消に投与すると、脳内に負荷されたアミロイド斑が減少する(Bardら、2000,Nature Medicine 6(8):916-919)。
従って抗体による治療は、アルツハイマー病の治療や防止に有望な方法を提供する。改良した効能を有し、それがヒト患者の使用に適切であるAβに指向される抗体そして他の免疫治療剤が、依然必要である。
本願の種々の刊行物が(特許および特許出願を含む)全体にわたり引用されている。これら全体的な刊行物の開示が、本明細書により引用として取り入れられている。
発明の要約
本発明は、Aβペプチド(配列番号1)(表6)へ結合する単離されたモノクロナール抗体を提供する。より詳細には、Aβペプチドのアミノ酸1-16,16-28又は28-40へ結合する抗体が提供される。好ましくは抗体が、配列番号4,6,8又は10(表9および11)に示されたアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体の結合を、又は8A1.2A1,3C6.1F9又は10B10.2E6として指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体の結合を、競合的に阻害する。幾つかの例においてモノクロナール抗体が、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、好ましくは約30nM以下、より好ましくは約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性により、Aβペプチドを結合する。幾つかの例においてモノクロナール抗体のFab断片が、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性により、Aβペプチドを結合する。好ましい例において抗体が、そのAβエピトープに配列番号4,6,8又は10に示されるアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体、又は8A1.2A1,3C6.1F9又は10B10.2E6にて指定されるハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体が、結合する同じAβエピトープに結合する。
さらに本発明が、8A1.2A1,3C6.1F9又は10B10.2E6にて指定されるハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体を提供する。所望により本明細書に記載されたモノクロナール抗体が、治療剤に結合されそして/又は検出可能な標識にて標識化することができる。
他の観点において本発明は、Aβペプチド(配列番号1)(表6)のアミノ酸28-40へ優先して結合する単離された抗体を提供する。幾つかの例において抗体は、モノクロナール抗体である。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39そして/又は40を含むエピトープに優先的に結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39そして/又は40を含むエピトープに結合するが、Aβ1-42及び/又はAβ1-43ペプチドと有意な交差反応を示さない。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープに結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)へ、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、好ましくは約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39-40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ、約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、配列番号4及び/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体の結合を、又はAβ1-40ペプチド(配列番号1)に対し、8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにより産生されたそのモノクロナール抗体の結合を、競合的に阻害する。幾つかの例において、配列番号4及び/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生されるモノクロナール抗体が、結合するエピトープに対して、その抗体が結合する。幾つかの例において、その抗体はヒトの抗体である。幾つかの例において抗体が、配列番号4および6に示されるアミノ酸配列を含むか、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生される。
他の観点において本発明が、配列番号4そして/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定のハイブリドーマにより産生されたモノクロナール抗体から誘導されるヒト化(humanized)抗体である。幾つかの例においてヒト化(humanized)抗体が、配列番号4そして/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生されたモノクロナール抗体の1又複数のCDRsを含む。他の観点において本発明は、配列番号4そして/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生されたモノクロナール抗体と同じエピトープへ結合するヒト化(humanized)抗体を提供する。一般的に本発明のヒト化(humanized)抗体が、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生されるモノクロナール抗体のCDR(s)と同一および/又は誘導された1又は複数(1,2,3,4,5,6)のCDRsを含む。
別の観点において本発明が、配列番号4そして/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマより産生されるモノクロナール抗体の重鎖および軽鎖可変領域から誘導される可変領域を、そしてヒト抗体の重鎖および軽鎖定常領域から誘導される定常領域を含むキメラ抗体である。
幾つかの例において、本明細書に開示された抗体における結合の親和性が、約100pM以下、約50pM以下、約25pM以下、約15pM以下、約10pM以下、約5pM以下、又は約2pM以下である。
さらに本発明は、βAPP(配列番号2)(表7)へ結合し、そして25E12.1F9.1H8(BP26),24H4.2E10.1F5(BP27),1F10.8E6.2A2(BP80),13E12.1C5(BP81)、又は14D9.1G8(BP82)と指定されたハイブリドーマにより産生されたモノクロナール抗体への結合を競合的に阻害する、単離されたモノクロナール抗体を提供する。
さらに本発明の1又は複数の抗体を含む組成物を提供する。幾つかの例において組成物が、少なくとも2の抗体であり、それが、Aβペプチドのアミノ酸16-28を指向する一次抗体、およびAβペプチドのアミノ酸28-40を指向する二次抗体である。所望によりさらにその組成物が、生理的に受け入れ可能な担体を含む。
さらに本発明は、本明細書に記載されたモノクロナール抗体をコードする単離されたポリヌクレオチド、およびそのポリヌクレオチドを含むベクター、およびそのベクターを含む宿主細胞を提供する。こうした発現系は、本発明の抗体など免疫反応性ポリペプチドを産生する方法に使用可能であり、ここで宿主細胞を培養し、そしてその培養された宿主細胞にて産生されたポリペプチドを回収する。幾つかの例において本発明のポリヌクレオチド又はベクターが、配列番号3および/又は5(表8)に示されるヌクレオチド配列を含む。幾つかの例において本発明のポリヌクレオチド又はベクターが、配列番号7そして/又は9(表10)に示されるヌクレオチド配列を含む。さらに本発明は、明細書に記載されたベクターを含む宿主細胞を提供する。他の観点においてさらに本発明は、本明細書に記載された宿主細胞の培養を含む免疫反応性ポリペプチドを産生し、そしてこうして産生されたポリペプチドの回収方法を提供する。さらに本発明が、本明細書に記載された宿主細胞の培養により産生された免疫反応性ポリペプチドを提供し、そしてこうして産生されたポリペプチドを回収する。
さらに本発明は、いずれかのポリペプチド(いずれかの抗体を含む)又は本明細書に記載されたポリヌクレオチドの有効量を含む医薬組成物、および医薬的に受け入れ可能な担体を提供する。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチドのアミノ酸16-28に優先的に結合する抗体を含む。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40に優先的に結合する抗体を含む。幾つかの例において抗体が、モノクロナール抗体である。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸配列39および/又は40を含むエピトープに優先的に結合する抗体を含む。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ結合するが、Aβ1-42および/又はAβ1-43ペプチドと有意な交差反応性を示さない抗体を含む。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ結合するが、Aβ1-42および/又はAβ1-43ペプチドと有意な交差反応を示さない抗体を含む。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ結合する抗体が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例においてAβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体の結合を、又は8A1.2A1と指定されるハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体の結合を競合的に阻害する。幾つかの例において配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含む抗体、又は8A1.2A1と指定されるハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体が結合するAβペプチド(配列番号1)上のエピトープに結合する。他の例において医薬組成物が、本明細書に記載されたいずれかの抗体から誘導されるヒトの抗体、ヒト化(humanized)された抗体又はキメラ抗体を含む。
さらに本発明は、8A1.2A1,3C6.1F9,又は10B.2E6と指定されたハイブリドーマを提供する。
さらに本発明は、変性Aβ又はβAPPの発現又はダウン症候群、パーキンソン病、多発性梗塞性痴呆などのβペプチドの蓄積と関連したアルツハイマー病、および他の疾患の発症を防止、治療、阻害又は遅延させるための方法を提供する。その方法は、本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物を対象体へ有効な投与量を投与することを含む。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチドのアミノ酸16-28へ優先的に結合する抗体を含む。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)の28-40へ優先的に結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39そして/又は40を含むエピトープに結合するが、Aβ1-42および/又はAβ1-43ペプチドと有意な交差反応を示さない抗体を含む。幾つかの例においてAβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ結合する抗体が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸29および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先的に結合する抗体のFab断片が、Aβペプチド(配列番号1)へ約200nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下、約2nM以下、および約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体の結合を、あるいは8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体の結合を競合的に阻害する。その抗体が、キメラ、ヒト又はヒト化(humanized)抗体でよく、そして抗体の断片にて可能である。抗体断片の例が、Fab,F(ab')2およびFv断片を含むがそれに限定されない。さらに抗体が、1又は複数の抗体断片を含むことのできる単一鎖、2つの特異的抗体又は複数の特異的抗体にて可能である。さらに抗体を治療剤と結合させてもよく、あるいは治療剤と同時投与しても良い。
さらに本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物の有効投与量を対象体へ投与することを含む本発明は、対象体におけるAβペプチドの蓄積に関係したアルツハイマー病又は他の疾患と関連した症状の発症を遅延させる方法を提供する。
さらに本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物の有効投与量を対象体へ投与することを含む本発明は、対象体のアミロイド斑の形成を阻害する方法を提供する。幾つかの例においてアミロイド斑が、対象体の脳内に存在する。
さらに本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物の有効投与量を対象体へ投与することを含む本発明は、対象体のアミロイド斑を減少させる方法を提供する。幾つかの例においてアミロイド斑が、対象体の脳内に存在する。
さらに本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物の有効投与量を対象体へ投与することを含む本発明は、対象体におけるアミロイド斑を除去するか、あるいは清浄にする方法を提供する。幾つかの例においてアミロイド斑が、対象体の脳内に存在する。
さらに本発明は、本発明のモノクロナール抗体と組織とを接触させることを含む、組織内のAβペプチドの蓄積を阻害させる方法を提供する。
さらに本発明は、本発明の抗体の有効量を個体に投与することを含む、個体の脳内へAβペプチド(可溶な形状及び沈着した形状を含む)を減少させる方法を提供する。幾つかの例においてAβペプチドの蓄積が、脳内にて阻害されそして減少される。幾つかの例においてAβペプチドの毒性効果を、阻害しそして/又は減少させる。従って本発明の方法は、Aβの蓄積がアルツハイマー病、ダウン症候群、パーキンソン病、および多発性梗塞性痴呆など存在するか、存在の疑いのあるいずれかの疾患の治療に、使用することができる。
本明細書に記載された幾つかの例において、組成物が全身的な注入により投与される。幾つかの例において組成物が、腹腔内へ注入にて、投与される。
さらに上記発明の方法において投与可能な組成物が、Aβ1-43(配列番号12)のアミノ酸42および/又は43を含むエピトープへ結合する抗体、Aβ1-43(配列番号12)のC末端に結合するがAβ1-42(配列番号11)、及び/又はAβ1-40(配列番号1)と有意に交差反応を示さない抗体、Aβ1-42(配列番号11)のアミノ酸41および/又は42を含むエピトープへ結合する抗体、又はAβ1-42(配列番号11)のC末端に結合するがAβ1-43(配列番号12)及び/又はAβ1-40(配列番号1)と有意に交差反応を示さない抗体、を含む組成物を含む。
さらに本発明の抗体が、ダウン症候群などの変性されたAβ又はβAPPの発現と関連したアルツハイマー病及び他の疾患の検出、診断および監視に使用することができる。その方法は、変性されたAβ又はβAPPを発現を有すると疑いのある患者の試料を本発明の抗体と接触させ、そしてAβ又はβAPPのレベルが、コントロール又は比較試料のレベルと相違するかどうかを判定することを含む。
さらなる例において本発明が、アルツハイマー病又は変性Aβ又はβAPPの発現と関連した他の疾患などの病理的症状を治療するために、あるいはAβ又はβAPPの検出又は精製に有効な物質を含む製品およびキットを提供する。その製品は、標識を伴う容器を含む。適切な容器は、たとえばボトル、ウイアル(vials)および試験管を含む。その容器は、ガラスやプラスチックなど種々の材料から生成可能である。その容器は、病理症状の治療に、又はAβ又はβAPPの検出又は精製に有効な活性剤を有する組成物を保持する。組成物中の活性剤は抗体であり、そして好ましくはAβ又はβAPPに対し特異的なモノクロナール抗体又は本発明の他のいずれかの組成物を含む。容器上の標識は、組成物がアルツハイマー病などの病理症状を治療し、あるいはAβ又はβAPPを検出し又は精製するために使用されることを明示し、さらに上記のことなどをin vivoにおいてかin vitroにおいてかのいずれかの指針を指示することができる。
本発明のキットは、上記容器および緩衝液を含む第二の容器を含む。さらに、本明細書記載の方法のいずれかを使用する指示に伴い、他の緩衝液、希釈液、フィルター、針、シリング、およびパッケージ挿入物を含む、商業的、そしてユーザの観点から他の好ましい材料を含むことができる。
薬品として使用するか、そして/又は薬品を製造するために使用するかのいずれかの内容であっても、本明細書記載の使用のいずれかにて記載された任意の組成物(抗体など)を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、AβペプチドおよびβAPPに対し特異的であるモノクロナール抗体を提供する。本明細書に開示された抗-Aβ抗体が、高親和性にてそしてβAPPと交差反応することなく結合し、そしてアルツハイマー病、およびダウン症候群などの変性Aβ発現と関連した他の疾患を検出しそして治療する方法を使用するには、これらが特に適切なものとなる。一例において本発明は、AβペプチドのC末端部位に指向される抗体を提供する。一例において本発明は、抗体が指向されるAβペプチドのC末端部位が、アミノ酸28-40を含む。幾つかの例において抗体が、Aβ1-40のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例において抗体が、Aβ1-40のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例において抗体が、Aβ1-40のC末端部位へ約200nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下、約2nM以下、約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、Aβ1-40のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ約200nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下、約2nM以下、約1nM以下の親和性にて優先的に結合する。幾つかの例において、Aβ1-40のアミノ酸36-40を含むエピトープへ約200nM以下、約150nM以下、約100nM以下、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下、約2nM以下、約1nM以下の親和性にて優先的に結合する。AβペプチドのC末端部位に対し向けられる抗体の治療としての用途が驚異する発見に基づいており、それはこうした抗体が、アルツハイマー病の動物モデルの脳組織中のAβ沈着物およびチオフラビン-S沈着物(毒性原繊維形状の沈着物を示す)を除去することができる。
Aβのアミノ酸39および/又は40へ(幾つかの例において、Aβ(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40、又はAβ(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープ)指向される抗体が、アルツハイマー病の動物モデルにおいて原繊維沈着物の除去に有効であるという本発見は、他の報告書と対照的になっている。Schenkによる研究(October 2002,Nat.Rev.Neurosci.3(10):824-8)によれば、抗-Aβ抗体が、脳内の病理症状の減少に全く効果がなく、そしてその病理症状を減少可能なものが、Aβの最初の16アミノ酸(Bacskaiら、2002,J.Neurosci.22(18):7873-8;Bardら、2000,Nature Med.6:916-919)、又はアミノ酸16-28(DeMattosら、2001,Proc.Nat'l Acad.Sci.98(15):8850-55;DeMattosら、2002,Science 295(5563):2264-7;Dodartら、2002 Nat.Neuroscience 5(5):452-7)に指向された抗体に限定される。対照的にカルボキシ末端(たとえばアミノ酸33-42)に指向された抗体は、脳内に負荷されるアミロイドを減少させることができない(Bacskai 2002,supra;Bard 2000,supra)。
定義
本願に使用されたあらゆる科学および技術用語は、その他の特定なものを除いて、技術的に共通に使用される意味を有する。本願に使用される以下の語や句は特定の意味を有する。
本明細書に使用される「抗体」は、これらが、本明細書に記載された所望のいずれかの特異的結合特性を呈する限り、無傷な免疫グロブリン又は抗体分子、ポリクロナール抗体、複数の特異的抗体(たとえば少なくとも二種の無傷抗体から形成される二種の特異的抗体)、および免疫グロブリン断片(Fab,F(ab')2、又はFvなど)を含む。抗体が、特定抗原に対し特異的な結合を示す典型的なタンパク質又はポリペプチドである。
本明細書に使用されるような「モノクロナール抗体」は、実質的に均一な集団から得られる抗体を指しており、すなわち集団を含む個々の抗体は、最小量にて存在できる天然的に生成可能なる変異体を除いて、同一のものである。モノクロナール抗体は高い特異性があり、単一抗原部位へ指向されたものである。さらに異なる判定基(エピトープ)に指向された異なる抗体を典型的に含むポリクロナールの調製とは対照的に、各モノクロナール抗体が、抗原上の単一判定基に指向される。修飾体「モノクロナール」は抗体の特性を示し、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるが、特定方法により抗体の必要生成物として解釈されない。たとえば、本発明に従って用いられたモノクロナール抗体が、Kohler and Milstein,1975,Nature,256:495により最初に記載されたハイブリドーマ法により作成でき、又はたとえば米国特許番号4,816,567に記載された組み換えDNA法により作成することができる。さらにモノクロナール抗体が、たとえばMcCaffertyら、1990、Nature,348:552-554に記載された技術を用いて生成されるファージ・ライブラリーから単離可能である。
本明細書に使用されるように、「ヒト化(humanized)」抗体が、非ヒト(たとえばネズミ)の抗体の形状を言及しており、その非ヒト抗体が、非ヒト免疫グロブリンから誘導される最小の配列を含む特異的キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又はその断片(Fv,Fab,Fab',F(ab)2又は他の抗原結合後の抗体など)である。大部分の部位に対し、ヒト化(humanized)抗体が、ヒトの免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、そこへレシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、マウス、ラット、又は所望による特異性、親和性および収容能力を有するラビットなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基により置き換えられる。幾つかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)の残基が、非ヒトの残基を対応させることにより置き換えられる。さらにヒト化(humanized)抗体が、レシピエント抗体において、移入CDRにもフレームワーク配列にも見出されないが、されに精製されたそして最適な抗体の性能を含む残基を含むことができる。一般的にヒト化(humanized)抗体が、実質的に全にて、少なくとも1つの可変領域、そして典型的に2つの可変領域を含むことになり、そこにおける非ヒト免疫グロブリンのものに相当するCDR領域の全て又は実質的に全て、そしてFR領域の全て又は実質的に全てが、ヒトの免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。さらに所望によりヒト化(humanized)抗体が、少なくともある部分の免疫グロブリン定常領域(region)又はドメイン(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリンものを含むことになる。好ましくは、WO 99/58572記載のような修飾されたFc領域を有する抗体である。ヒト化(humanized)抗体の他の形状が、元の抗体に関し変異された1又は複数のCDR (1,2,3,4,5,6)を有し、さらにそれが、元の抗体の1又は複数のCDR「から誘導される」1又は複数のCDRと称されている。
重鎖および軽鎖可変領域のそれぞれが、さらに超可変領域として知られる3の相補性決定領域(CDRs)により接合される4のフレームワーク領域(FR)から成る。各鎖におけるCDRsが、FRsに極めて近接してたがいに保持されており、そして他の鎖からのCDRsと共に、抗体の抗原結合部位の形成に関与している。CDRsを判定するには少なくとも2の技術がある、すなわち(1)交差種の可変性配列に基づく手法(すなわちKabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest,(5th ed.,1991,National Institutes of Health,Bethesda MD))、そして(2)抗原-抗体の複合体の結晶学的な研究に基づく手法(Chothiaら(1989)Nature 342:877)である。本明細書に使用されるようにCDRが、いずれかの手法により又は両方の手法の組み合わせにより明確にされるCDRsを指している。
本明細書に使用されるように「ヒトの抗体」が、ヒトにより産生される抗体のものに相当するアミノ酸配列を有し、そして/又は技術的に周知にて又は本明細書に開示されたヒト抗体を作成するいずれかの技術を用い作成される抗体の意味である。こうしたヒト抗体の定義では、少なくとも1のヒト重鎖ポリペプチド又は少なくとも1のヒト軽鎖ポリペプチドを含む抗体が含まれる。こうした例の1が、ネズミの軽鎖ペプチドおよびヒトの重鎖ペプチドを含む抗体である。ヒトの抗体が、先行技術として周知の種々の技術を用い作成することができる。1例においてヒトの抗体が、ファージ・ライブラリーから選択され、ここでそのファージ・ライブラリーが、ヒトの抗体を発現する(Vaughanら、1996,Nature Biotechnology,14:309-314;Sheetら、1996,PNAS,(USA)95:6157-6162;Hoogenboom and Winter,1991,J.Mol.Biol.,227:381;Marksら、1991,J.Mol.Biol.,222:581)。さらにトランスジェニック動物、たとえば内在性免疫グロブリン遺伝子が、1部又は完全に不活性化されたマウスへ、ヒト免疫グロブリンの遺伝子座に導入することにより、ヒトの抗体を作成することができる。この方法は、特許番号5,545,807;5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425;および5,661,016に記載されている。選択肢としてヒト抗体が、標的抗原に指向された抗体を産生するヒトB細胞としてのリンパ球を不死化させることにより調製することができる(こうしたBリンパ球が、個体から回収することができるか、あるいはin vitroにおいて免疫可能である)。Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boernerら、1991,J.Immunol.,147(1):86-95;and U.S.Patent No. 5,750,373を参照。
「キメラ抗体」が、重鎖および軽鎖の各アミノ酸配列の特定部分が、特定種から誘導された抗体の配列に対応し相同であるが、残りの鎖の断片が別の配列に対応し相同である抗体を指している。典型的にこれらのキメラ抗体において、軽鎖および重鎖の両方の可変性領域が、ある種の哺乳動物から誘導される抗体の可変領域を真似ているが、定常部分は、他の配列から誘導された抗体の配列に相同性がある。こうしたキメラ形状の特定の明確な利点としては、たとえば可変領域が、たとえばヒト細胞調製物から誘導される定常領域と組み合わせて非ヒトの宿主生体から容易に利用可能なハイブリドーマ、又はB細胞を用いて現段階にて周知の資源から都合良く誘導可能なことである。可変領域は、調製が容易であるという利点があり、そして特異性は資源により影響されないが、抗体を注射した時、定常領域がヒトである場合、非ヒトの定常領域であると仮定した場合より、ヒト対象体からの免疫応答を惹起することが有意に少ないと考えられる。しかしなが、その定義がこの特定例に対して限定されない。
「機能的Fc領域」は、天然の配列のFc領域としての少なくとも1のイフェクター機能を有する。例示的に「イフェクター機能」は、C1q結合部;補体依存性細胞毒性(CDC);Fc受容体の結合;抗体-依存細胞介在細胞毒性(ADCC);食作用;細胞表面受容体(たとえばB細胞受容体;BCR)の下限調節などを含む。一般的にこうしたイフェクター機能では、結合領域(たとえば抗体可変領域)と結合されるFc領域が必要であり、こうした抗体イフェクター機能を評価するには、先行技術として周知の種々の評価法を用い評価することができる。
「天然の配列のFc領域」が、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列に一致するアミノ酸配列を含む。「変異したFc領域」は、少なくとも1のアミノ酸を修飾により天然の配列のFc領域の配列と異なるアミノ酸配列を含み、さらに天然の配列のFc領域の少なくとも1のイフェクター機能を保持する。好ましくはFc領域の変異体が、天然の配列のFc領域、又は親ポリペプチドのFc領域と比較される少なくとも1のアミノ酸置換基を有し、たとえば天然の配列のFc領域に、又は親ポリペプチドのFc領域に約1個から約10個のアミノ酸置換基を、好ましくは約1個から約5個のアミノ酸置換基を有する。本明細書のFc領域の変異体が、天然の配列のFc領域、そして/又は親ポリペプチドのFc領域と少なくとも配列の約80%
同一を、そして好ましくは配列がこれと少なくとも90%同一であり、最も好ましくは配列がこれと少なくとも約95%同一であることが好ましくなる。
本明細書に使用されるように、「抗体依存の細胞介在による細胞毒性」および「ADCC」が、Fc受容体(FcRs)(たとえばナチュラル・キラー(NK)細胞、好中球およびマクロファージ)が、標的細胞に結合する抗体を認識し、その結果として標的細胞の溶解を引き起こす。関連分子のADCC活性が、米国特許番号5,500,362又は5,821,337に記載されているin vitroにおいて、ADCCアッセイを用い評価することができる。こうしたアッセイ用の有益なイフェクター細胞は、末梢血単核球(PBMC)、ナチュラル・キラー(NK)細胞を含む。選択肢として、又は追加的に関係する分子のADCC活性が、たとえばClynesら1998、PNAS(USA),95:652-656に記載されているように動物モデルのin vivoにおいて評価することができる。
本明細書に使用されるように、「ヒトのイフェクター細胞」は、1又は複数のFcRsを発現しそしてイフェクター機能を行う白血球を意味する。好ましくは、その細胞が、少なくともFcRsを発現しそしてADCCイフェクター機能を行う。ADCCを介在するヒト白血球の例は、末梢血単核球(PBMC)、ナチュラル・キラー(NK)細胞、単球、細胞毒性T細胞、および好中球を含み、PBMCsおよびNK細胞が好ましい。イフェクター細胞が、天然の資源から、たとえば血液又はPBMCsから単離することができる。
本明細書に使用されるように「Fc受容体」および「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記載している。好ましいFcRは、ヒトFcRの天然の配列である。さらに好ましいFcRが、IgG抗体(γ受容体)を結合する受容体であり、そしてこれら受容体の対立遺伝子の変種(variants)、およびをそれぞれスプライスした形状を含む、FcγRI、FcγRII、FcγRIIIサブクラスの受容体を含むものである。FcγRII受容体が、FcγRIIA(「活性化受容体」)およびFcγRIIB(「抑制化受容体」)を含み、それがその細胞質領域(domains)において主に異なる類似のアミノ酸配列を有する。FcRsが、Ravetch and Kinet,1991,Ann.Rev.Immunol.,9:457-92;Capelら、1994,Immunomethods,4:25-34;and de Haasら、1995,J.Lab.Clin.Med.,126:330-41において研究されている。さらに「FcR」が、母親のIgGを胎児へ変換するために関与する新生児の受容体としての、FcRnを含む(Guyerら、1976,J.Immunol.,117:587;and Kimら、1994,J.Immunol.,24:249)。
「補体依存性細胞毒性」および「CDC」が、補体に存在する標的を溶解させることを指している。補体の活性化経路が、同族抗原と複合化された分子(たとえば抗体)へ補体系(C1q)の第一の成分に結合することにより、開始される。補体の活性を評価するために、たとえばGazzano-Santoroら、J.Immunol.Methods,202:163(1996)に記載されたCDCアッセイを行うことができる。
本明細書に用いられているように、「成熟された親和性」の抗体は、、そのCDRsが、変性部(alteration(s))を有しない親の抗体に比較される抗原に対する抗体の親和性を改良した結果としての、抗体1又は複数のCDRsの1又は複数の変性部(alteration(s))を有する抗体の意味である。好ましい親和性熟成抗体は、標的抗原に対してナノモルの親和性、あるいはピコモルの親和性さえ有することになる。親和性の熟成された抗体が、技術的に周知な方法により生成される(Markら、1992,Bio/Technology,10:779-783;Barbasら、1994,Proc Nat.Acad.Sci,USA 91:3809-3813;Schierら、1995,Gene,169:147-155;Yeltonら、1995,J.Immunol.,155:1994-2004;Jacksonら、1995,J.Immunol.,154(7):3310-9;Hawkinsら、1992,J.Mol.Biol.,226:889-896)。
本明細書に使用されるように、抗体を「免疫特異的」に結合することが、抗体の抗原結合部位とその抗原により認識される特定抗原(すなわちELISAに、又は他の免疫アッセイにおいてタンパク質とタンパク質と反応するが、関係のないタンパク質と検出可能に反応しない)との間に形成する抗原特異的結合相互作用を言及している。
抗体又はポリペプチドへの「特異的に結合する」又は「優先的に(preferentially)に結合する」(本明細書にて取替え用いることができる)エピトープは、技術的に十分に理解される用語であり、そしてこうした特異的結合又は優先的な(preferentially)な結合を判定する方法も、技術的によく知られている。それぞれの細胞又は物質にて反応又は会合する場合より、特定細胞又は物質と有意な持続時間、そして/又はより強い親和性にて、分子がより頻繁に、より迅速に反応又は会合する場合、その分子を「特異的な結合を」又は「優先的(preferentially)な結合」を呈すると言う。それが他の物質に結合するよりも有意な親和性、結合性、有意な容易性、そして/又は有意な持続時間にて結合する場合、抗体が「特異的に結合」又は「優先的に(preferentially)に結合」する。たとえば、Aβ1-40エピトープへ特異的に又は優先的に(preferentially)に結合する抗体が、それが他のAβ1-40エピトープ又は非Aβ1-40エピトープへ結合するよりも有意な親和性、結合性、有意な容易性、そして/又は有意な持続時間にてこのエピトープを結合する抗体である。さらにそれは、たとえば第一の標的に特異的に又は優先的に(preferentially)に結合する抗体(又は成分又はエピトープ)が、第二の標的に特異的に又は優先的に(preferentially)に結合できる場合とできない場合が、さらにこの定義を読むことにより理解されよう。このように、「特定に結合」又は「優先的な(preferentially)な結合」が、結合することを除いて(それが含むことができるとしても)必ずしも必要とされない。一般的に必要とされないが、結合の引用は優先的な(preferentially)な結合の意味である。
本明細書に用いられるように、「ポリペプチド」が、天然資源からの単離され、組み換え技術による生成されるか又は化学的な合成されても、されなくとも、タンパク質、タンパク質の断片、およびペプチドを含む。典型的に本発明のポリペプチドは、少なくとも約6個のアミノ酸を含む。
本明細書に用いられる「ベクター」は、宿主細胞を対象とする1又は複数の遺伝子又は配列を誘導し、そして好ましくは発現できる構成体の意味である。ベクターの例としては、ウイルスベクター、剥き出しのDNA,又はRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド又はファージベクター、陽イオン縮合剤と関連するDNA又はRNA発現ベクター、リポソームにカプセル化されたDNA又はRNA発現ベクター、およびプロデューサ(producer)細胞などの特定の真核細胞が含まれるがそれに限定されない。
本明細書に用いられるように、「発現制御配列」は、核酸の転写を指令する核酸配列を意味する。発現制御配列が、構成的又は誘発性プロモータ、又はエンハンサーなどのプロモータにて可能である。発現制御配列が転写される核酸配列に作用されるよう接合される。
本明細書に用いられるように、「核酸」又は「ポリヌクレオチド」は、1本鎖や2本鎖のいずれかの形状のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドのポリマーを指しており、その外に限定されないかぎり、天然に形成するヌクレオチドと類似の方法にて、核酸へハイブリダイズする周知な天然と類似するヌクレオチドを包含する。
本明細書に用いられる「医薬的に受け入れ可能な担体」が、活性化成分と組み合わせた場合、その成分が生物的活性を保持でき、そして対象体の免疫系と反応しない任意の物質を含む。試料としては、燐酸緩衝生理食塩溶液、水、オイル/水の乳化した乳化液、および種々の湿潤剤など、いずれかの標準的な医薬担体を含むがそれに限定されない。噴霧又は非経口投与として好ましい希釈剤は、燐酸緩衝生理食塩水溶液、又は正常な(0.9%)の生理食塩水である。
こうした担体を含む組成物が、周知に従来の方法により処方される(たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.Easton,PA,1990;and Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing,2000を参照)。
本明細書に用いられる「アジュバント」は、免疫応答を容易にするための技術的に共通に用いられるアジュバントを含む。アジュバントの例として、水酸化アルミニウム・ゲル(alum)又は燐酸アルミニウム;Freund's Incomplete Adjuvant and Complete Adjuvant(Difco Laboratories,Detroit,MI);Merck Adjuvant 65(Merck and Company,Inc.,Rahway,NJ);AS-2(Smith-Kline Beecham);QS-21(Aquilla Biopharmaceuticals);MPL or 3d-MPL(Corixa Corporation,Hamilton,MT);LEIF;カルシウム、鉄又は亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶懸濁液;陽イオン又は陰イオン誘導のポリ多糖類、ポリホスファゼン(polyphosphazenes);生物分解性の微小球;モノホスホリー脂質Aおよびクイル(quil)A;サイトカイン(たとえば、GM-CSF又はインタロイキン-2,-7又は-12)そして免疫刺激DNA配列を含むムラミル・トリペプチド・ホスファチジル・エタノールアミン又は免疫刺激複合体が含まれるがそれに限定されない。ポリヌクレオチド・ワクチンを使用するなどの幾つかの例において、ヘルパーペプチド又はサイトカインなどのアジュバントを、アジュバントをコードするポリヌクレオチドを介し提供することができる。
本明細書に使用される薬剤、化合物又は医薬組成物の「有効投与量」又は「有効量」は、有益な又は所望の結果を得るに十分な量のことである。予防的な使用として、優先的又は所望による結果は、疾患の生物化学的、組織的、そして/又は行動的な症状、疾患の発生中に現れる合併症および中間的に介在する病理表現型症状などを含む、疾患のリスクの除去又は低減、重篤性の減少又は疾患における発症の遅延などの結果を含む。治療的に使用する有益な又は所望の結果は、疾患の発生中に現れる合併症および中間的な病理表現型、疾患に罹ったヒトの生存の質の向上、疾患治療に必要な他の医薬剤の投与量の減少、他の医薬剤の効能の増強、進行性疾患の遅延、および/又は患者の生存の延長を含む、アミロイド斑の形成の阻害又は抑制、アミロイド斑の減少、除去、又は清浄化、認識力の改良又は低下した認識力の復帰、生物流体へ循環する可溶Aβペプチドの分離、疾患から発生する1又は複数の症状(生物化学的、組織的、そして/又は行動的に)の減少、などの臨床結果があげられる。有効な投与としては、1又は複数回の投与量にて投与することができる。本発明の目的として薬剤、化合物、又は医薬組成物の有効な投与量は、予防的又は療法的治療を直接か間接のいずれかにて行うに十分な量である。臨床的内容を理解するように、薬剤、化合物、又は医薬組成物の有効な投与量を、別の薬剤、化合物、又は医薬組成物と結びつけて行う場合とそうでない場合がある。従って「有効投与量」が、1又は複数の治療剤を投与内容にて考察でき、そして1又は複数のたの薬剤と結びつけて所望の結果が可能であるか、あるいは達成される場合の有効量にて、単一薬剤が与えられると考察することができる。
本明細書に使用される「治療」又は「治療すること」は、臨床結果を含む有益な又は所望の結果を得る手法である。本発明の目的として有益な又は所望の臨床結果が、以下の1又は複数の結果、すなわちアミロイド斑の形成を阻害又は抑制、アミロイド斑の減少、除去、又は清浄化、認識の改良、低下した認識の復帰、生物的流体中を循環する可溶Aβペプチドの分離片の形成、組織中の(脳など)Aβペプチドの減少(可溶および沈殿)、脳におけるAβペプチドの蓄積の阻害そして/又は減少、組織中の(脳など) Aβペプチドの毒性的影響の阻害および/又は減少、疾患から生ずる症状の減少、疾患に罹ったヒトの生存の質の増大、疾患を治療するために求められる他の薬剤の投与量の減少、進行性疾患の遅延、そして/又は患者の生存の延長が含まれるがそれに限定されない。
本明細書に使用されるアルツハイマー病発生を「遅延させる」は、疾患の発症の遅延、障害、スロー、遅らせる、安定化させる、そして/又は延長させる意味である。この遅延が、疾患そして/又は治療される個人の履歴に依存して期間の長さは変更可能である。当業者に明らかなように、十分な又は有意な遅延が、その個体が疾患を発症していないという点において、有効な防止を包含できる。アルツハイマー病発症を「遅延」させる方法は、この方法を使用せずに比較した場合に、所定の時間枠に疾患を発生する確率を減少させる方法である。こうした比較が、対象体の統計的に有意な数を使用する典型的な臨床研究に基づいている。
アルツハイマー病の「発症」は、個体内のアルツハイマー病が開始し、そして/又は進行する意味である。アルツハイマー病の発症を、本明細書記載のように標準的な臨床技術を用いて検知することができる。しかしながらさらに発症を、早期に検知できない疾患の進行も言及している。標準的な神経的試験又は患者への質問にて判定するか、又はより特定な試験にて判定できるように、本発明の目的として進行することは、本症例における疾患状態の生物的過程を指している。これら種々の診断試験が、神経系の画像化、血清又は脳脊髄液における特定タンパク質のレベルの変化を検出(たとえばアミロイドペプチドおよびタウ)、コンピュータ化された断層撮影法(CT)、および磁気共鳴画像法(MRI)が含まれるがそれに限定されない。「発症」は、発生、再発、および開始を含む。本明細書に使用されるアルツハイマー病の「開始」又は「発生」が、最初の開始そして/又は再発を含む。
本明細書に使用されている「リスクにさらされる」個体とは、アルツハイマー病の発生の危険に曝された個体である。「リスクにさらされる」個体は、検知可能な疾患を有する場合でも、そうでない場合でも良く、そして本明細書記載の方法にて治療する前に検知可能な疾患を表示する場合も、そうでない場合でも良い。「リスクにさらされる」とは、個体が1又は複数のいわゆるリスク要因を有することを示し、それがアルツハイマー病の発生と相互に関連する測定可能なパラメータである。これらの1又は複数のリスク要因を有する個体が、これらのリスク要因を有しない個体よりアルツハイマー病の発症する確率が有意に高い。これらのリスク要因が、年齢、性、人種、飲料物、これまでの疾患の歴史、前駆疾患の存在、遺伝子(遺伝性)の考察、および環境えの暴露を含むがそれに限定されない。
本明細書に使用されるように、「a」又は「an」は、それ以外に明確に明示されないかぎり、少なくとも1の意味である。
抗体
本発明は、Aβペプチドに結合する単離されたモノクロナール抗体(本発明のヒト、ヒト化(humanized)された、又はキメラ抗体)を提供する。より具体的にはAβペプチドのアミノ酸1-16,16-28,又は28-40に結合する抗体が提供される。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39そして/又は40を含むエピトープへ結合することが好ましい。配列番号1のアミノ酸1-40を含むAβペプチドへ結合するが、配列番号1のアミノ酸1-38を含むAβペプチドへ結合しない(当業者に理解されているように優先的に結合しない)抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸38および/又は40を含むエピトープへ結合することが好ましい抗体である。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープに結合する。幾つかの例において、抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ、約200nM以下、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下又は約1nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下の親和性にて結合することが好ましい。抗体は、配列番号4,6,8および/又は10に示されるアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体の結合を、又は8A1.2A1,3C6.1F9又は10B10.2E6と指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体の結合を、競合的に阻害することが好ましい。幾つかの例においてモノクロナール抗体が、Aβペプチドへ、約60nM以下、好ましくは約30nM以下、そしてより好ましくは約3nM以下の親和性にて結合する。好ましい例において抗体が、配列番号4,6,8および/又は10に示されるアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体又は8A1.2A1,3C6.1F9又は10B10.2E6と指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体が結合する同じAβエピトープへ結合する。モノクロナール抗体が、所望により治療剤と結合することができ、そして/又は検出可能な標識にて標識化することができる。
幾つかの例において、そして本明細書に記載されている(そして技術的に知られた)親和性を、対応する抗体のFab断片使用し測定する。
さらに本発明は、βAPP(配列番号2)へ結合し、そして25E12.1F9.1H8(BP26),24H.2E10.1F5(BP27),1F10.8E6.2A2(BP80),13E12.1C5(BP81)又は14D9.1G8(BP82)と指定されたハイブリド−マにより産生されたモノクロナール抗体の結合を、競合的に阻害する単離されたモノクロナール抗体を提供する。
別の観点において本発明は、配列番号4,および/又は6に示されるアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体から誘導されるヒト化(humanized)された抗体を提供する。ヒト化(humanized)した形状の抗体が、誘導されたモノクロナールと同定されるCDRを有する場合も、有しない場合も可能である。CDR領域の判定が、十分に当業者の範囲内である。幾つかの例において本発明は、誘導されたモノクロナールの少なくとも1のCDR、少なくとも2のCDR、少なくとも3のCDR、少なくとも4のCDR、少なくとも5のCDRに実質的に相同である(又は幾つかの例において、モノクロナールの、又はモノクロナールから誘導された6のCDR全てに対し実質的に相同である)少なくとも1のCDRを含む抗体を提供する。他の例は、モノクロナール抗体又はモノクロナール抗体から誘導される少なくとも2,3,4,5又は6のCDRへ、実質的に相同である少なくとも2,3,4,5又は6のCDRを有する抗体を含む。活性の程度が、8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体と比較して変動可能であるが、本発明の目的として、特異的そして/又は全体的な結合活性 (Aβの沈着を清浄にするという条件にて可能)は一般に保持されることが理解される。さらに本発明が、これらの抗体のいずれかを作成する方法を提供する。抗体を作成する方法が、技術的に周知でありそして本明細書に記載されている。
2の抗体が、同一性か立体的に重なり合うエピトープを認識することににより、同じエピトープへ結合するかどうかを判定するために、競合的アッセイを使用することができる。典型的に、抗原を複数のウエル・プレートに固定し、非標識化抗体が、標識化抗体の結合をブロックできる能力を測定する。こうした競合アッセイのための共通標識は、放射性標識又は酵素標識である。
Aβペプチドに対する抗体の結合親和性を判定する1の方法は、抗体の単一機能Fab断片の親和性の測定によることである。単一機能Fab断片を得るには、たとえばIgGsが、パパインにて切断され又は組み替え的に発現することができる。モノクロナール抗体の抗AβのFab断片の親和性が、表面プラスモン共鳴(SPR)システム(BIAcore 3000TM、BIAcore,Inc.,Piscaway,NJ)により判定することができる。SAチップ(ストレプトアビジン)(cips(streptavidin))が、供給者の指示に従って使用される。ビオチン化Aβペプチド1-40(配列番号1)は、HBS-EP(100mMのHEPES pH7.4,150mMのNaCl,3mMのEDTA,0.005%のP20)に希釈され、そして0.005mg/mLの濃度にてチップ上に注入することができる。個体のチップチャンネルを交差する種々のフロー時間を使用して、2つの範囲の抗原密度を、すなわち詳細な反応速度的研究に関し10-20の応答単位(RU)及び濃度に関し500-600のRUにて行った。ピアス希釈緩衝液(Pierce elution buffer)と4MのNaCl(2:1)の混合液が、200以上の注入に対しチップ上のAβペプチドの活性を維持しながら、結合Fabを有効に取り出したことが、代表的研究がら示される。HBS-ES緩衝液を、全てのBIAcoreアッセイに対する実行緩衝液として使用することができる。精製されたFab試料の一連の希釈物(0.1-10xと推定されるKD)を、100μL/minにて2分間注入し、そして30h分までの開示時間が許容される。Fabタンパク質の濃度が、ELISAおよび/又はSDS-PAGE電気泳動により、基準FAbの周知の濃度(アミノ酸分析により判定される)を使用して判定することができる。反応会合率(kinetic association rates)および反応解離率(kinetic association rates)が、BIA評価プログラムを使用して、1:1のLangmuir結合モデル(Loafas & Johnsson,1990)にデータを適合することにより、同時に得られる。平衡解離定数(KD)値がkoff/konとして計算される。
本発明は、単量体、2量体、および多価形体の抗体を提供する。たとえば2特異的抗体として、少なくとも2の異なる抗原に特異的な結合性を有するモノクロナール抗体が、本明細書に開示される抗体を使用して調製することができる。2特異的抗体を作成する方法は、技術的に周知である(たとえば、Sureshら、1986,Methods in Enzymology 121:210を参)。従来2の特異的な抗体の組み換え生成物が、異なる特異性を有する2の重鎖と併せて、2の免疫グロブリン重鎖-軽鎖対を同時発現することに基づいている(Millstein and Cuello,1983,Nature 305,537-539)。
2特異的抗体を作成する1の手法により、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗体-抗原結合部位)が、免疫グロブリン定常ドメイン配列へ融合される。少なくともヒンジ部分の、CH2およびCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインにての融合が、好ましい。少なくとも1の融合部分に存在する、軽鎖結合のため必要な部位を含む第一重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。免疫グロブリン重鎖および所望であれば免疫グロブリン軽鎖の融合部位をコードするDNAsが、別の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生体中にトランスフェクトされる。これは、構造的に使用される3のポリペプチド鎖の等しくない割合が、最適な形成(yields)として得られる時、実例において3のポリペプチド断片の相互の割合を調節するに顕著な柔軟性を提供する。等しい割合での少なくとも2のポリペプチド鎖を発現が、高い発生となる場合、又はその割合において特に有意差が無い場合、1の発現ベクターにおける2又は3の全てのポリペプチド鎖に対するコード配列が、挿入を可能にしている。
1の方式において2の特異的抗体が、1方のアームに1次結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖、およびもう一方のアームにハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖の対(二次結合特異性を提供)から構成される。2の特異的分子の一方の半分だけにおける免疫グロブリン軽鎖を有するこの不斉構造が、所望されない免疫グロブリン鎖の組み合わせ体からの所望の2特異的化合物を容易に分離する。この方法が、PCT公開番号WO 94/04690 published March 3,1994に記載されている。
さらに2の共有結合した抗体を含む異種結合抗体は、本発明の範囲内である。こうした抗体が、所望されない細胞に免疫系細胞を標的とするため(米国特許番号4,676,989)、およびHIV感染を治療(PCT出願公開番号WO 91/00360およびWO92/200373;EP 03089)のため使用されてきた。異種結合抗体が、従来の何らかの交差結合方法を用いて行うことができる。適切な交差結合剤およびその技術が、技術的に周知でありそして米国特許番号4,676,980に記載されている。
特定例において免疫反応性分子が抗体断片である。種々の技術が抗体断片を生成するために開発されてきた。これらの断片が、無傷の抗体のタンパク質分解の消化作用を介して誘導できる(たとえば、Morimotoら、1992,J.Biochem.Biophys.Methods 24:107-117 and Brennanら、1985,Science 229:81を参照)か又は組み替え宿主細胞により直接産生することができる。たとえば、Fab'-SH断片が大腸菌から直接復帰され、そしてF(ab')2断片を形成するように化学的に結合される(Carterら、1992,Bio/Technology 10:163-167)。その他の例においてF(ab')2を、F(ab')2分子の合成を促進するようロイシン・ジッパーGCN4を使用し形成する。別の方法によりFv,Fab又はF(ab')2断片が、組換え宿主細胞培養株から直接単離される。
本発明のモノクロナール抗体を、医薬組成物の形状にて所望により担体と共に提供することができる。
さらに抗体が、調製されたマイクロカプセルにおいて、たとえばコアセルベーション技術により、又は界面の重合化により(たとえば、ヒドロキシメチルセルローズ、又はゲラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタアクリレート)のそれぞれのマイクロカプセル)、コロイド状薬剤誘導システム(たとえば、リポゾーム、アルブミン微小球、マイクロ乳化液、ナノ-粒子およびナノカプセル)、又はマクロ乳化液に封じ込むことができる。こうした技術が、Remington's Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.Easton,PA,1990;and Remington,The Sciience and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing,2000に開示されている。抗体寿命の血清半減期を増大させるために、たとえば米国特許5,739,277に記載されているように、1の方法が、抗体内において(特に抗体断片)サルベージ受容体結合エピトープを組み入れることができる。本明細書に使用されるものとして、用語「サルベージ受容体結合エピトープ」は、IgG分子の寿命のin vivo血清半減期を増大させるために関与できるIgG分子のFc領域(たとえば、IgG1、IgG2,IgG3又はIgG4の)のエピトープを指している。
さらに本明細書に開示される抗体が、免疫リポゾームとして処方することができる。抗体を含むリポソームが、たとえばEpsteinら、1985,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688;Hwangら、1980,Proc.Natl Acad.Sci.USA 77:4030;and 米国特許番号4,485,045 and 4,544,545に記載のように、技術的に知られた方法により調製される。循環時間を高めたリポゾームが、米国特許5,013,556に開示されている。特に有益なリポゾームが、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を逆相蒸発法により生成することができる。リポソームが、所望の直径にてリポソームを得るために、明示された孔サイズのフィルターを介して押し出しされる。加えて本発明の抗体のFab'断片が、ジスルフィド交換反応を介して、Martinら、1982,J.Biol.Chem.257:286-288に記載されているように、リポソームに結合することができる。
幾つかの例において本発明の抗体が、1本鎖(ScFv)、その変異体であり、抗体部分、ヒト化(humanized)された抗体、キメラ抗体、ダイアボデイ・リニア抗体(diabodies linear antibodies)、1本鎖抗体、および免疫グロブリン分子のいずれか他の修飾された構造体を含む融合タンパク質である。
抗体の製造
モノクロナール抗体がハイブリドーマ法を用いて調製することができ、それはたとえばKohler and Milsteinら、1975,Nature256:495に記載されている。ハイブリドーマ法において、マウス、ハムスター、又は他の適切な主要動物を、免疫化剤に特異的に結合する抗体を産生するか又は産生できるリンパ球を誘発すべく免疫剤にて典型的に免疫化される。選択肢としてリンパ球がin vitroにおいて免疫化される。
さらにモノクロナール抗体を、組み換えDNA法により作成することができ、それらはたとえば米国特許4,816,567に記載されている。モノクロナール抗体をコードするDNAが、従来の方法、たとえばモノクロナール抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチド・プローブを使用する、などにより単離されそして配列判定される。いったん単離されると、DNAを発現ベクター内に入れることができ、その後大腸菌の細胞、類人猿のCOS細胞、中国ハムスター卵巣(CHO)細胞、又はその他に免疫グロブリンタンパク質を生成しないミエローマ細胞などの宿主細胞内にてトランスフェクトされ、組み替え宿主細胞に合成によるモノクロナール抗体を得ることができる。
DNAが、非免疫グロブリンのポリペプチドに対するコード配列の全て又は1部の免疫グロブリンコード配列にたとえば共有的に結合することにより修飾できる。その方法において本明細書に記載されたモノクロナール抗体の特異的結合を有する、「キメラ」又は「ハイブリット」抗体が調製される。Aβ(又はβAPP)の1方の抗原結合部位、および異なる抗原に特異性を有するもう一方の抗原結合部位を含むキメラの2価抗体を生成するよう、典型的にこうした非免疫グロブリンのポリペプチドが、本発明の抗体の定常ドメインに対し置き換えられるか、あるいはこれらが本発明の抗体の1の抗原結合部位の可変ドメインに置き換えられる。
さらに本発明がヒト化(humanized)抗体を包含する。治療抗体が、投与された抗体に指令される免疫応答の引き金を1部引くことにより、しばしば逆向きの効果を惹起する。これは薬剤の効能の減少となり、標的抗原に関係する(bearing)細胞の枯渇、および不適切な炎症に応答する可能性がある。上記を迂回する(circumvent)ための組み換え抗-Aβヒト化(humanized)抗体が生成される。配列番号3および5などの抗体のポリヌクレオチド配列が、「ヒト化(humanized)」抗体を生成するため、抗体の親和性又は他の特徴を改良するために、遺伝子操作として使用される。抗体をヒト化(humanized)する一般的原理は、抗体の抗原結合部の塩基性配列を保持し、1方で抗体の非ヒトの残留配列 (remainder)をヒト抗体配列と交換することを含む。モノクロナール抗体をヒト化(humanized)するために一般的に4つの工程がある。これらには、(1) 抗体の軽鎖および重鎖可変ドメインを開始するヌクレオチドおよび予測されるアミノ酸配列を判定する工程、(2)ヒト化(humanized)された抗体の指定、すなわちヒト化(humanizing)するプロセスの期間、どの抗体のフレームワークを用いるかを判定する工程、(3)実際にヒト化(humanizing)する方法/技術、および(4)ヒト化(humanized)抗体をトランスフェクトしそして発現する工程である。たとえばその抗体を、臨床試験におよびヒトの治療に使用する場合、定常領域の免疫応答を回避するようにヒトの定常領域を有意に類似するよう遺伝子操作ができる。たとえば、米国特許番号5,997,867および5,866,692を参照。
組み換えヒト化(humanized)抗体において、Fcγ部は、Fcγリセプターおよび補体免疫系との相互作用を回避するために、修飾することができる。この種の修飾が、Mike Clark from the Department of Pathology at Cambrige University により指定され、そしてこうした抗体の調製技術が、November 18,1999にて公開された、WO 99/58572に記載されている。
げっ歯類のV領域を有するキメラ抗体、およびヒト定常ドメインに融合されるこれらの関連する相補性決定領域(CDRs)を含む、非ヒト免疫グロブリンから誘導される抗原結合部位を含む多くの「ヒト化(humanized)された」抗体分子が、記載されてきた。たとえば、Winterら、Nature 349:293-299(1991);Lobuglioら、Proc.Nat.Acad.Sci.USA 86:4220-4224(1989);Shawら、J.Immunol.138:4534-4538(1987);およびBrownら、Cancer Res.47:3577-3583(1987)を参照。他の文献は、適切なヒト抗体定常ドメインと融合する前に、ヒト支持フレーム領域(FR)に移植されたげっ歯類CDRsを記載している。たとえば、Riechmannら、Nature 332:323-327(1988);Verhoeyenら、Science 239:1534-1536(1988);およびJonesら、Nature 321:522-525(1986)を参照。別の文献では、組み換えに的に修飾された(veneered)げっ歯類のフレームワーク領域により支持されたCDRsが、記載されている。たとえば、ヨーロッパ特許公開番号519,596を参照。ヒトのレシペントにおいて、これらの成分の療法的適用の継続期間および有効性を限定するげっ歯類の抗ヒト分子に対し所望しない免疫的応答を最小にするために、これらの「ヒト化(humanized)された」分子が設計されている。さらに使用可能なヒト化(humanized)する抗体のその他の方法は、Daughertyらにより、Nucl.Acids Res.,19:2471-2476(1991)にて、および米国特許番号6,180,377;6,054,297;5,997,867;5,866,692;6,210,671;6,350,861:そしてPCT WO 10/27160に開示されている。
さらに別の選択肢において、全ヒトの抗体が、ヒトの免疫グロブリン・タンパク質に特異的に発現するよう、遺伝子操作された商業的に入手可能なマウスを用いることにより得ることができる。より所望されるか、又はより活発な免疫応答を生成するように設計されたトランスゲニック動物が、さらにヒト化(humanized)された又はヒトの抗体を作成するために使用することができる。こうした技術の例は、Abgenix,Inc.(Fremont,CA)からのXenomouseTMおよびMedarex、Inc.(Princeton,NJ)からHuMAb-Mousu(商標)およびTC MouseTMである。
その他の選択肢において、抗体が、ファージ表示技術により組み換え的に作成できる。たとえば、米国特許番号5,565,332;5,580,717;5,733,743および6,265,150;およびWinterら、Annu.Rev.Immunol.12:433-455(1994)を参照。選択肢として、ファージ表示技術(McCaffertyら、Nature 348:552-553(1990))が、非免疫化ドナーから免疫グロブリン可変(V)ドメインの遺伝子レパートリーから、in vitroにおけるヒトの抗体および抗体の断片を生成するために使用できる。この技術により抗体Vドメインの遺伝子が、M13又はfdなどの糸状バクテリオファージ、の最大か最小のいずれかの被覆タンパク質遺伝子のフレーム内(in-frame)にクローン化され、そしてファージ粒子の表面上へ機能的な抗体断片として表示される。糸状粒子が、ファージゲノムの1本鎖DNAの複製を含むことから、さらに抗体の機能特性に基づく選択では、これらの特性を示す抗体をコードする遺伝子を選択することになる。従ってファージはB細胞の幾つかの特性を擬態する。ファージの表示が、種々の形状にて行うことが可能である、見解として、たとえばJohnson,Kevin S.and Chiswel,David J.,Current Opinion in Structural Biology 3,564-571(1993)を参照。V-遺伝子断片の幾つかの資源が、ファージ表示のため使用することができる。免疫化されたマウスの脾臓から誘導されたV遺伝子の少量であるが雑多な組み合わせライブラリーから、抗-オキサゾロン抗体から多様な構成(array)が、Clacksonら、Nature 352:624-628(1991)により単離された。非免疫化されないヒトのドナーからV遺伝子のレパートリーが構成され、抗原(自己抗原を含む)の多様な構成(array)に対する抗体を、Markら、J.Mol.Biol.222:581-591(1991),又はGriffithら、EMBO J.12:725-734(1993)により記載の技術に従って特に単離できる。天然の免疫応答において抗体の遺伝子が、変異体を高い割合にて蓄積する(体細胞超突然変異体)。導入される幾つかの変化が、有意に高い親和性を与え、そしてグロブリン免疫表面に高い親和性を示すB細胞が、後の抗原投与中に適切に複製および分化される。この天然の過程を、「鎖のシャフリング」として知られた技術(たとえばMarksら、Bio/Technol.10:779-783(1992)を参照)を用いて真似ることができる。この方法において、ファージ表示により得られた「一次」ヒト抗体の親和性が、免疫化されていないドナーから得られたVドメイン遺伝子の天然に形成する変種(variants)レパートリー(レパートリー)にて重鎖および軽鎖のV領域の遺伝子を順次置き換えることにより改良することができる。この技術が、pM-nMの範囲における親和性を用い抗体およびこうした断片の生成を可能にする。非常に大きなファージ抗体のレパートリー(又は「ライブラリー全ての母親」(the mother-of-all libraries)として知られた)を作成する戦略が、Waterhouseら、Nucl.Acids.21:2265-2266(1993)により記載されている。さらに遺伝子シャフリングが、げっ歯類の抗体からヒトの抗体を誘導するために使用することができ、ここでヒトの抗体が、開始するげっ歯類の抗体に対し類似した親和性および特異性を有する。さらに「エピトープの刷り込み」と言及される本方法によれば、ファージ表示技術により得られるげっ歯類における抗体の重鎖および軽鎖のVドメインの遺伝子が、げっ歯類-ヒトのキメラを生成するヒトVドメイン遺伝子のレパートリーにて置き換えられる。抗原に関する選択が、機能的抗原結合部位を修復可能なヒト可変領域を単離する結果となり、すなわちそのエピトープが、相手の選択を管理(刷り込み)することになる。げっ歯類の残ったVドメインを置き換えるためこの過程が繰りかえされると、ヒトの抗体が得られる(PCT特許出願として、PCT WO 9306213,published April 1,1993を参照)。けっ歯類の抗体をCDRの移植により従来ヒト化(humanized)とは異なり、この技術は、元のげっ歯類のフレームワーク又はCDR残基を有しない、完全なヒトの抗体を提供する。上記はヒト化(humanized)された抗体に関係するが、記載の一般的原理では、使用のため、たとえばイヌ、ネコ、霊長類、ウマ、および牛の特注の抗体に適用できることは明らかである。
さらに合成タンパク質化学の周知の方法を用いて、キメリックな又はハイブリッドな抗体が、架橋剤に関わる物質を含むin vitroにて調製することができる。たとえば免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用い、又はチオエーテル結合を形成することにより構成できる。この目的のための適切な試薬の例としては、イミノチオレートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミデイトがあげられる。
さらに1本鎖Fv断片が、たとえばIliadesら、1997,FEBS Letters,409:437-441に記載のように作成することができる。こうした種々のリンカーを使用した1本鎖断片を結合することが、Korttら、1997、Protein Engineering,10:423-433に記載されている。抗体の組み換えの製造および操作する種々の技術が、技術的に良く知られている。
多様なそして修飾された免疫反応ポリペプチドおよび抗体
さらに本発明は、本発明の抗体のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する、たとえば配列番号4および/又は6にて示されたアミノ酸配列を有するモノクロナール抗体、あるいは8A1.2A1と指定のハイブリドーマにより生成されたモノクロナール抗体などである。本発明に記載された免疫反応ポリペプチドが、本明細書記載のいずれかの組成物、キット、および方法として有益であり、そしてそれにて使用することができる。ポリペプチドが、本明細書記載の1又は複数の結合特性を有しそして幾つかの例において、本明細書記載の1又は複数の付加的な機能特性のいずれかを表示する。幾つかの例においてポリペプチドが、モノクロナール抗体の軽鎖および/又は重鎖の1又は複数の可変領域を含む。幾つかの例においてポリペプチドが、モノクロナール抗体の軽鎖および/又は重鎖の1又は複数の(1,2,3,4,5又は6)のCDRを含む。幾つかの例においてポリペプチドが、モノクロナール抗体の軽鎖および/又は重鎖の3のCDRsを含む。幾つかの例においてポリペプチドが、以下のいずれかを有するモノクロナール抗体のアミノ酸配列を含む、すなわちモノクロナール抗体の少なくとも5個接触するアミノ酸配列、少なくとも8個接触するアミノ酸配列、少なくとも10個接触するアミノ酸配列、少なくとも15個接触するアミノ酸配列、少なくとも20個接触するアミノ酸配列、少なくとも25個接触するアミノ酸配列、少なくとも30個接触するアミノ酸配列であり、ここで少なくとも3個のアミノ酸が、モノクロナール抗体の可変領域からである。1の例において可変領域が、モノクロナール抗体の軽鎖からである。もう1の例において可変領域が、モノクロナール抗体の重さからである。別の例において5個(又はそれ以上)の接触アミノ酸が、モノクロナール抗体の相補性決定領域からである。
本明細書に用いられるポリペプチド「変種(variant)」は、ペプチドの免疫反応性が、実質的に減少しないよう、1又は複数の置換、欠失、追加、および/又は挿入し、天然のタンパク質と異なるポリペプチドである。言い換えると変種(variant)が抗原へ特異的に結合できることが、天然のタンパク質と比較して強化されているか又は変らないかであり、又は天然のタンパク質と比較して50%以下まで、そして好ましくは20%以下まで減少できることである。ポリペプチドの変種(variant)が、同定されたポリペプチドに対し好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、そして最も好ましくは少なくとも約95%の同一性(本明細書に記載されたように判定)を示す。
抗体のアミノ酸配列の変種(variant)が、抗体DNA内に適切なヌクレオチドの変化を導入することにより、又はペプチドの合成により調製される。こうした変種(variant)が、本明細書記載のたとえば配列番号4,6又は8のアミノ酸配列内の残基からの欠失、そして/又は残基への挿入、そして/又は残基の置換を含む。欠失、挿入、及び置換のいずれかを組み合わせ、所望の特徴を有する場合最終構成体を、最終的な構造体に到達するように行う。さらにアミノ酸の変化が,グリコシル化の数又は位置の変化など、抗体の翻訳後の過程を変化させることができる。
変異生成のため好ましい位置である抗体の特定残基、又は領域を同定するための有益な方法が、「アラニン走査の変異体の生成」と呼ばれ、そしてCunningham and Wells,1989,Science,244:1081-1085にて記載されている。標的残基又はグループを同定し(たとえば、arg,asp,his,lys,and gluなどの荷電された残基)、そして抗原とアミノ酸との相互作用に影響を与えるよう中性又は負に荷電されたアミノ酸 (最も好ましくはアラニン又はポリアラニン) により置き換えられる。次に置換に対し機能的感受性を実証するこれら
アミノ酸の位置を、置換部位にて、又は置換部位にさらなる又はその他の変種(variant)を導入することにより正確にする。従ってアミノ酸配列の変種(variant)を導入する部位が予め定められるが、変異体それ自体の性質を予め定める必要がない。たとえば、所定の部位にて変異体の性能を分析するために、ala走査又は無作為な変異体の生成が標的ゴドン又は領域にて行われ、そして発現される抗体の変種(variant)が、所望の活性のためスクリーニングされる。
アミノ酸配列の挿入は、アミノ-末端そして/又はカルボキシ-末端の融合範囲で長さが1残基から100以上の残基を含むポリペプチドを含み、そして1又は複数のアミノ酸残基の配列内への挿入があげられる。末端挿入の例は、N-末端メチオニン残基を伴う抗体、又はエピトープタグに融合される抗体を含む。抗体分子の他の挿入変種(variant)が、抗体の血清寿命の半減期を増大させる酵素又はポリペプチドを抗体のN末端又はC末端への融合を含む。
置換変種(variant)は、取り出された抗体分子における少なくとも1のアミノ酸残基、およびその場所に挿入される異なる残基を有する。置換する変異生成に最も関心のある部位が、超可変領域を含むが、さらにFRの変更が考えられる。保守的な置換が、「好ましい置換」という表1の名題に示されている。こうした置換が、生物活性の変化となる場合、より実質的な変化が、表1における「例示的置換」と命名され、又はアミノ酸の分類に引用してさらに下記のように導入されそして、生成物が選別される。
Figure 2006519762
抗体の生物的特性の実質的変更が、
(a) たとえば、シート状、又はラセン形状として置換領域のペプチド骨格の構造、
(b) 標的部位における分子の荷電又は疎水性、又は
(C) 所定量の側鎖、
の維持に及ぼす影響において、有意に異なる置換体を選択することにより達成される。
天然に形成する残基は、共通の側鎖特性に基づく群に分割され、すなわち
(1) 疎水性:ノルロイシン、Met,Ala,Val,Leu,Ile;
(2) 中性親水性:Cys,Ser,Thr;
(3) 酸性の:Asp,Glu;
(4) 塩基性:Asn,Gln,His,Lys,Arg;
(5) 鎖の配列に影響する残基:Gly,Pro;および
(6) 芳香族:Trp,Tyr,Phe、
に分割される。
非保守性置換が、これら分類内の1のメンバーを他の分類に交換することにより行われる。
さらに抗体の適切な構造の維持に関与されないシステイン残基のいずれかを、分子の酸化への安定性を改良し、そして主に異常な架橋を防止するようセリンと置換することができる。逆にいえば特に抗体がFv断片などの抗体の断片である場合、その安定性を改良するように、システイン結合体を抗体へ付加することができる。
置換した変種(variant)の特に好ましい型は、親の抗体における1又は複数の超可変領域残基を置換することを含む。一般的には、さらに開発するため選択される生成変種(variant)が、それが生成される親の抗体と比較して生物的特性を改良したことになる。
最も好ましいくは、WO 99/58572,published November 18,1999に記載されているように、修飾された抗体である。これらの抗体は、さらに標的分子に指向される結合ドメインに加え、ヒト免疫グロブリン重鎖の全て又は1部の定常ドメインに対し実質的に相同のアミノ酸配列を有するイフェクタードメインを含む。これらの抗体が、有意な補体依存性溶解、又は標的の細胞介在による破壊を引き金にすることなく、標的分子と結合することができる。好ましくは、イフェクタードメインが、FcRnおよび/又はFcγRIIbを特異的に結合することができる。これらは、典型的に2又はそれ以上のヒト免疫グロブリン重鎖CH2ドメインから由来のキメラ・ドメインに基づいている。この方法において修飾される抗体が、慢性的抗体治療に使用し、従来の抗体治療に対する炎症や他の副作用を回避することが好ましい。
抗体のグリコシル化変種(variants)が、抗体のグリコシル化の形状を変化した変種(variants)である。「変化する」は、抗体に見られる1又は複数の炭化水素成分の欠失、抗体へ1又は複数の炭化水素成分の付加、グリコシル化組成物の変化(グリコシル化形状)、グリコシル化の程度などの意味である。グリコル化の変種(variants)が、たとえば抗体をコードする核酸配列における1又は複数のグリコル化部位を取り出し、変化させ、そして/又は付加することにより調製することができる。
抗体は、これらの定常領域における保守された位置にてグリコル化される(Jefferis and Lund,1997,Chem.Immnol.65:111-128;Wright and Morrison,1997,TibTECH 15:26-32)。免疫グロブリンのオリゴ多糖側鎖が、タンパク質機能に影響を与え(Boydら、1996,Mol.Immunol,32:1311-1318;Wittwe and Howard,1990,Biochem.29:4175-4180)、および糖タンパク質間の部分の分子内の相互作用に影響を与え、それが糖タンパク質の構成に影響を与え、そしてその3次元構造の表面を提示することができる(Hefferis and Lund,supra;Wyss and Wangner,1996,Current Opin.Biotech.7:409-416)。さらにオリゴ多糖類が、特異的認識構造に基づいて特定分子に対し所定の糖タンパク質を標的とするように用いることができる。さらに抗体のグリコル化が、抗体依存性細胞細胞毒性(ADCC)に影響を与えると記載されている。特にGlcNAcを2分する形状を触媒するグリコシルトランスフェラーゼとして、β(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ III(GnIII)のテトラサイクリン-調節発現を伴うCHO細胞が、改良されたADCC活性を有すると記載されていた(Umanaら、1999,Mature Biotech.17:176-180)。
抗体のグリコシル化が、典型的にN結合かG結合のいずれかである。N結合が、アスパラギン残基の側鎖へ炭水化物成分の結合を指している。アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-トレオニンからのトリペプチド配列は、Xがプロリンを除く任意のアミノ酸であり、アスパラギン側鎖へ炭水化物成分を酵素的に結合する認識配列である。従ってこれらのポリペプチドにおけるトリペプチド配列のいずれかの存在が、効果的なグリコシル化部位を創り出す。酸素結合のグリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸へ、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリシンがさらに使用することができるが最も一般的にはセリン又はトレオニンへ、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの糖の1への結合を指している。
抗体へのグリコシル化部位の付加は、それが1又は複数の上記トリペプチド配列(N-結合グリコシル化部位)を含むように、アミノ酸配列を変えることにより都合よく達成される。さらに元の抗体の配列に対し(酸素結合グリコシル化部位に対し)、1又は複数のセリン又はトレオニン残基の付加、又はその残基による置換により、そうした変化が行われる。
抗体のアミノ酸配列の変種(variants)をコードする核酸分子が、技術的に周知の種々の方法により調製することができる。これらの方法は、天然の資源からの単離(核酸配列の変種(variants)を天然に生成する場合において)又はオリゴヌクレオチドを介在した(又は部位に対する)変異体の生成、PCR変異体の形成、および抗体の早期調製の変種(variants)又は非変種(variants)バージョンとしてのカセット変異体形成による調製を含むがそれに限定されない。
さらに抗体のグリコシル化形状は、基本的な核酸配列を変化させることなく変化させることができる。グリコシル化が、抗体を発現するように使用される宿主細胞に大きく依存している。組み換え糖タンパク質の発現として、たとえば強力な治療としての抗体として使用される細胞の型が、天然の細胞がまれなことから、抗体のグリコシル化形状の変種(variants)を予測することができる(たとえば、Hseら、1997,J.Biol.Chem.272:9062-9070を参照)。
宿主細胞の選択に加え、抗体の組み換え製造中のグリコシル化に影響を与える因子が、増殖モード、培地の形成、培養密度、酸化、pH、精製方法などを含む。オリゴ糖類の生成に関与する特定酵素の導入又は過剰発現を含む特定の宿主生体に行われるグリコシル化形状を変化させるための種々の方法(米国特許番号5,047,335;5,510,261および5,278,299)が提示されてきた。グリコシル化又は特定型のグリコシル化を、たとえばエンドグリコシダーゼ H(Endo H)を用いて糖タンパク質から酵素的に除去することができる。加えて組み替え宿主細胞を、特定型のポリ多糖類の過程において欠陥のあるように一般的な遺伝子操作をすることができる。これらの、そして類似する技術が技術的によく知られている。
ポリペプチドが、タンパク質の輸送を、翻訳と同時に又は翻訳後に指令するタンパク質のN-端末の末端にてシグナル(又はリーダ)配列を含むことができる。さらにポリペプチドが、ポリペプチドの合成、精製、又は同定を容易にするため、又は固体支持体へポリペプチドの結合を強化するために、リンカー又は他の配列に結合することができる。たとえば、ポリペプチドが免疫グロブリンFc領域へ結合することができる。
約100以下のアミノ酸、一般に約50以下のアミノ酸を有する部位および他の変種(variants)が、さらに当業者周知の技術を用いる、合成手段により生成することができる。たとえば、Merrifield solid-phase 合成法などの商業的に入手可能ないずれかの固相技術を用いて、こうしたポリペプチドを合成することが可能であり、この場合アミノ酸が、拡張するアミノ酸鎖へ直列的に加えられる。Merrifield,J.Am.Che.Soc.85:2149-2146,1963を参照。ポリペプチドの自動合成用装置が、Perkin Elmer/Applied BioSystems Division(Foster City,CA)などの供給者から商業的に入手することができ、そして製造業者の指示にしたがって操作することができる。
HPTU(O-ベンゾトリアゾールN,N,N',N'-テトラメチルウラニウム・ヘキサフルオロホスフェート)活性化によりFMOC化学を用いるPerkin Elmer/Applied Biosystems Division 340Aペプチドセンセサイザー上にてポリペプチドを合成することができる。Gly-Cys-Gly配列が、ペプチドのアミノ酸末端に結合し、免疫固定化表面に結合又はペプチドを標識化する結合方法を提供する。固体支持体からのペプチドの切断が、以下の切断混合物:トリフルオロ酢酸:エタンジチオール:チオアニソール:水:フェノール(40:1:2:2:3)を用いて行うことができる。2時間切断した後、ペプチドを、冷却したメチル-t-ブチルエーテルに沈殿させることができる。次にペプチドのペレットを、0.1%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水に溶解し、そしてC18逆相HPLCにて精製する前に凍結乾燥した。水中に0%乃至60%勾配のアセトニトリル(0.1%のTFAを含む)を用いてペプチドを溶解した。精製した画分を凍結乾燥した後、ペプチドは、エレクトロスプレイ法又はその他の種類の質量分光分析を用いて、そしてアミノ酸分析により特徴付けが可能である。
融合タンパク質
幾つかの例において、ポリペプチドは、本明細書記載の複数のポリペプチドを含むか又は本明細書に記載された少なくとも1のポリペプチド、および非関連性配列を含む融合タンパク質である。追加的に融合相手物質を付加することができる。
たとえば融合パートナーを、T ヘルパーエピトープの好ましくはヒトにより認識されるT ヘルパーエピトープの補充(provision)を支援することにより免疫的な融合パートナーとして用いる。別の例として融合パートナーを、タンパク質の発現において、天然の組み換えタンパク質より有意に高い量にて支援するエンハンサーの発現として用いる。特定の好ましい融合パートナーは、免疫強化融合パートナーと発現強化融合パートナーとの両方である。他の融合パートナーが、タンパク質の溶解性を増大させるよう選択可能か、または所望の細胞内の画分へタンパク質を標的とすることができることである。またさらなる融合パートナーが、タンパク質の精製を容易にする親和性タグを含む。
一般的に融合タンパク質が、化学的結合を含む標準的な技術を用いて調製することができる。好ましくは融合タンパク質が、組み換えタンパク質として発現され、発現系において非融合タンパク質と比較して生成物のレベルを増大させることができる。簡単にはポリペプチド成分をコードするDNA配列は、別に構成され、そして適切な発現ベクターへ結合することができる。1のポリペプチド成分をコードするDNA配列の3'末端は、リーデングフレーム配列が相内であるように、2次ポリペプチド成分をコードするDNA配列の5'端部に、ペプチド・リンカーの有する場合又は有しない場合にて結合される。これは、両成分のポリペプチドの生物的活性を保持する単一の融合タンパク質へ翻訳することができる。
ペプチド・リンカー配列を用いて、各ポリペプチドを2次又は3次構造へ畳みこむことを確実にするための十分な間隔により、1次および2次ポリペプチド成分を分離することができる。こうしたペプチド・リンカー配列は、技術的に知られた標準技術を用いて融合タンパク質へ組み入れられる。適切なペプチド・リンカー配列は、以下の要因に基づいて選択することができる、すなわち(1)これらが、柔軟性のある拡張構造を採用できること、(2)これらが、1次および2次ポリペプチド上に機能的エピトープと相互作用できる2次構造を採用できないこと、そして(3)ポリペプチドの機能的エピトープと反応できる疎水性の欠けた、又は荷電された残基であること。好ましいペプチド・リンカー配列は、Gly,AsnおよびSer残基を含む。ThrおよびAlaなどの他のほぼ中性のアミノ酸がさらに、リンカー配列に使用することができる。リンカーとして有益に用いられるアミノ酸配列が、Marateaら、Gene 40:39-46,1985;Murphyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8258-8262,1986;U.S.Patent No.4,935,233 and U.S.Patent No.4,751,180に記載されたものを含む。リンカー配列は、主に長さが1から約50のアミノ酸にて可能である。1次および2次ペプチドが、機能ドメインを分離し、そして立体的な干渉を防止するために使用できる必須のN-末端アミノ酸領域を有しない場合、リンカー配列を必要としない。
結合されたDNA配列が、適切な転写又は翻訳調節要素へ操作により結合される。DNAの発現に対し応答可能な調節要素が、1次ポリペプチドをコードするDNA配列に対し5'に配置される。同様に、最終の翻訳および転写末端シグナルに必要な停止コドンが、二次又は最終ポリペプチドをエンコードするDNA配列に対し3'を提示している。
さらに関係しない免疫原タンパク質と共に本発明のポリペプチドを含む融合タンパク質が提供される。好ましくは免疫原タンパク質が、メモリー応答を惹起できる。こうしたタンパク質の例は、破傷風、結核症、および肝炎のタンパク質(たとえば、Stouteら、1997,New Engl.J.Med.336:86-91を参照)を含む。
好ましい例において免疫融合パートナーが、グラム陰性細菌Haemophilus influenza Bの表面タンパク質(WO 91/18926)としてのタンパク質Dから誘導される。好ましくはタンパク質D誘導体が、タンパク質の約1/3を含み(たとえば、1次N-末端100-110
アミノ酸)、およびタンパク質D誘導体が、脂質化されても良い(lipidated)。特定の好ましい例において、リポタンパクD 融合パートナーの最初の109残基が、Nの末端上に含まれ、付加的な外因性T細胞エピトープを伴うポリペプチドを提供し、そして大腸菌の発現レベルを増大させる(従って、エンハンサーの発現として機能する)。脂質テイルが、抗原提示細胞へ抗原を最適に提示することを保障する。その他の融合パートナーは、インフルエンザ・ウイルス、NS1(ヘマグルチニン)からの非構造タンパク質を含む。T-ヘルパー・エピトープを含む異なる断片を用いることができるが、典型的にN-末端の81アミノ酸が用いられる。
別の例において、免疫的な融合パートナーが、LYTAとして知られたタンパク質又はその1部(好ましくはC-末端部分)である。LYTAは、LYTAアミダーゼとして知られたN-アセチル-L-アラニン・アミダーゼを合成する(LytA遺伝子によりコードされるGene 43:265-292,1986を参照)肺炎れんさ球菌から誘導される。LYTAが、ペプチドグリカンの中心骨格の特定の結合を特に劣化させるという、自己溶解性がある。LYTAタンパク質のC末端ドメインが、コリンへ、又はDEARなどの幾つかのコリン類似物への親和性に対し関与している。融合タンパク質の発現に有益なプラスミドを発現する大腸菌CLYTAの発生に対し、この特性が明示されてきた。アミノ末端にてC-LYTAを含むハイブリットタンパク質の精製が記載されている(Biotechnology 10:795-798,1992を参照)。好ましい例のうち、LYTAの繰り返し部分が、融合タンパク質に組み入れることができる。繰り返し部分が、残基178にて開始するC-末端領域に見出される。特に好ましい繰り返し部分が、残基188-305に組み込むことである。
本明細書に記載された主にポリペプチド(融合タンパク質を含む)およびポリヌクレオチドが単離される。「単離された」ポリペプチド又はポリヌクレオチドが、元の環境から取り出されたものである。たとえば天然系において共存する物質の幾つか、又はその全てから分離される場合、その天然に形成するタンパク質が単離される。
好ましくは、こうしたポリペプチドが少なくとも約90%の純度であり、より好ましくは約95%、そして最も好ましくは少なくとも約99%の純度である。たとえば天然の環境の1部でないベクターへクローン化されるなら、ポリヌクレオチドが単離されると考えられる。
ポリヌクレオチド、およびベクター
さらに本発明が、本明細書に記載されたモノクロナール抗体をコードする単離されたポリヌクレオチド、およびポリヌクレオチドを含むベクター、およびそのベクターを含む宿主細胞を提供する。本発明の抗体などの免疫反応性ポリペプチドを生成する方法において、こうした発現系を使用することができ、ここで宿主細胞が培養され、培養された宿主細胞により産生されるポリペプチドを取り出すことができる。さらに本発明の抗体をコードするポリペプチドを宿主対象体へ導入し、対照物としての宿主細胞によって抗体を発現させることができる。ホスト対象体の中枢神経系における抗-セニリン抗体へポリヌクレオチドを導入するため、およびその抗体を発現させるため戦略的な例が、PCT application No. WO98/44955,published October 15,1998に記載されている。
さらにこうした配列のいずれかに対して相補的なポリヌクレオチドが、本発明により包含される。ポリヌクレオチドが、1本鎖(コーデング又はアンチセンス)又は2本鎖でよく、そしてDNA(ゲノム、cDNA又は合成物)又はRNA分子でも良い。RNA分子はHnRNA分子を含み、それがイントロンを含み、そして1に1方式にてDNA分子におよびmRNA分子に相当し、それがイントロンを含まない。付加的なコード配列又は非コード配列が、本発明のポリペプチド内に存在しても良いが、それを必要とはせず、そしてポリヌクレオチドが、他の分子そして/又は支持物質にリンクしても良いが、リンクする必要性がない。
ポリヌクレオチドが、天然の配列を含むことができ(すなわち、抗体をコードする内在性配列又はその1部)、又はこうした配列の変種(variants)を含むことができる。コード化されたポリペプチドの免疫反応が、天然の免疫反応性分子と比較して減少させないように、ポリヌクレオチドの変種(variants)は、1又は複数の置換、追加、欠失、および/又は挿入を含む。コードされたポリペプチドの免疫反応の及ぼす効果を、主に本明細書に記載されたように評価することができる。好ましくは変種(variants)が、天然の抗体又はその1部をコード化したポリヌクレオチド配列に対して少なくとも約70%の同一性、より好ましくは少なくとも約80%の同一性、そして最も好ましくは少なくとも約90%の同一性を呈する。
下記のように対応を最大にするよう配列調整(aligned)された場合2の配列におけるヌクレオチド又はアミノ酸配列が同じであるならば、2のポリヌクレオチド又はアミノ酸配列が、「同定(identical)」であると言われる。、比較ウインドウを介し配列を比較することにより、典型的2の配列間の比較が行われ配列の局部領域の類似性を同定し、又は比較することができる。本明細書に用いられる「比較ウインドウ」は、少なくとも20の近接する配置部、通常30から約75、40から約50の断片を指しており、2の配列が最適に配列調節された後に、そこにおける配列を、同じ数の近接地点の基準配列に比較することができる。
比較のための配列の最適な配置判定が、the Megalign program in the Lasergene suite of bioinformatics software(DNASTAR,Inc.,Madison,WI)を用いて、デフォルト・パラメータを使用して行うことができた。このプログラムは、以下の引用に記載されたいくつかの配列判定スキームを例示する、すなわちDayhoff,M.O.(1978)A model ofevolutionary change in proteins-Matrices for detecting distant relationships,In Dayhoff,M.O.(ed.)Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,Washington DC Vol.5,Suppl.3,pp.345-358;Hein J.,1990,Unified Approach to Alirnment and Phylogenes pp.626-645 Methods in Enzymology vol.183,Academic Press,Inc.,San Diego,CA;Higgins,D.G. and Sharp,P.M.,1989,CABIOS 5:151-153;Myers,E.W.and Muller W.,1988,CABIOS 4:11-17;Robinson,E.D.,1971,Comb.Theor. 11:105;Santou,N.,Nes,M.,1987,Mol.Biol.Evol.4:406-425;Sneath,P.H.A.and Sokal,R.R.,1973,Numerical Taxonomy the Principles and Practice of Numerical Taxonomy,Freeman Press,San Francisco,CA;Wilbur,W.J.and Lipman,D.J.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:726-730を参照。
好ましくは、「同一配列のパーセント」は、少なくとも20の位置を比較するウインドウの2の最適に配置された配列を比較することにより判定され、ここで比較ウインドウにおけるポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の部分が、2の配列を最適に位置調整するため基準配列と比較するものとして(ここでは付加又は欠失を含まない)20%以下に、通常5乃至15%に又は10乃至12%に付加又は欠失(すなわちギャップ)を含むことができる。同一の核酸塩基又はアミノ酸残基が、両方の配列に形成する位置数を判定することによりパーセントを計算して照合された数を得て、その照合した位置数を基準配列の位置の全数にて割り(すなわちウインドウサイズ)、そしてその結果に100を乗じて、配列の同一性のパーセントが得られる。
さらに変種(variants)(variant)が、天然の遺伝子、又はその1部分又はその相補部分に実質的に相同であるか、又は選択的に相同であるかである。こうしたポリヌクレオチド変種(variants)(variant)が、天然の抗体をコード化する天然に生成するDNA配列(又は相補配列)に対し中程度のストリンジエントな条件下にてハイブリダイズすることができる。
適切な「中程度のストリンジエントな条件」とは、5X SSC,0.5%SDS,1.0mM EDTA(pH 8.0)の溶液にて前もって洗浄、50℃乃至65℃、5X SSCにて1昼夜ハイブリダイズ、その後0.1%のSDSを含むそれぞれ2X,0.5Xおよび0.2XのSSCにて65℃にて20分間、2回洗浄することがあげられる。
本明細書に使用されるように、「高度のストリンジエントな条件」又は「高いストリンジエント性のある条件」とは、(1)洗浄ではイオン強度が低くそして高温にて行い、たとえば0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウムを50℃にて洗浄;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミドなどの変性剤を用い、たとえば0.1%の牛の血清アルブミン/0.1%のフィコール/0.1%のポリビニルピロロリジン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムと共に、42℃で、pH6.5にて、50mMの燐酸ナトリウム緩衝液と共に50%(v/v)のホルムアミドを用いる;又は(3)50%のホルムアミド、5xのSSC(0.75MのNaCl,0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMの燐酸ナトリウム(pH6.8),0.1%のピロリン酸ナトリウム、5xのDenhardt'の溶液、超音波にて破壊された鮭の精子のDNA(50μg/ml)、0.1%のSDS、および10%の硫酸デキストランを42℃にて用い、0.2xSSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)、および50%のホルムアミドを55℃にて洗浄し、その後EDTAを含む0.1xSSCのから成る高ストリンジエントな洗浄液を、55℃にて行う。当業者が、プローブ長などの収容因子に必要とする温度、イオン強度をいかに調整するかを認識するであろう。
遺伝子コードを劣化させる結果として、本明細書に記載されているように、ペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列があることは、当業者により理解されるであろう。これらのポリヌクレオチドの幾つかは、天然の遺伝子のヌクレオチド配列に最小の相同性を示している。にもかかわらず本発明では、使用コドンの違いにより変わるポリヌクレオチドを特に考察する。さらに本明細書に提供されるポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子は、本発明の範囲内である。対立遺伝子が、ヌクレオチドの欠失、追加、および/又は置換などの1又は複数の変異化の結果として、変化する内在性遺伝子である。得られたmRNAおよびタンパク質は、変化した構造又は機能を有しても良いがその必要もない。対立遺伝子が、標準的技術(ハイブリット、増幅、および/又はデーターベースによる配列比較)を用いて同定することができる。
ポリヌクレオチドは、技術的に周知な種々の技術を用いて調製することができる。さらに抗体をコードするDNAは、抗体のmRNAを発現する組織から調製されたcDNAライブラリーから得ることができる。関心のある遺伝子またはそれによりコードされるタンパク質を同定するために、設計されたプローブにて(少なくとも約20-80塩基の結合パートナー又はオリゴヌクレオチドなど)、ライブラリーをスクリーニングすることができる。図示されたライブラリーは、ヒトの肝臓のcDNAライブラリー(ヒトの肝臓の5'に伸びたcDNA、Clontech laboratories,Inc.)、およびマウスの腎臓cDNAライブラリー(マウスの腎臓5'に延びたcDNA、Clontech laboratories,Inc.)を含む。選択されたプローブによりcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニングすることは、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989に記載されている方法など、標準的な方法を用いて行うことができる。選択肢としての1は、PCRの方法を用いて抗体をコードする遺伝子を単離することができる(Sambrookら、supra;Dieffenbachら、PCR Primer:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995)。
プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列が、実証的に明白でないものを最小
となるように、十分に長くそして十分明白なものにすべきである。オリゴヌクレオチドは、それがスクリーニングされたライブラリーにおけるDNAへ、ハイブリダイズにて検出できるように標識化することが好ましい。標識化する方法が、技術的に周知であり、そして32P-標識化されたATPなどの放射性標識の使用、ビオチン化又は酵素による標識化を含む。中程度のストリンジエント、および高いストリンジエントを含むハイブリダイゼーションの条件は、上記Sambrookらにて提供される。
こうしたライブラリー・スクリーニング法において同定された配列が、GenBankなどの公的なデータベース又は私的な配列データベースに登録され、そして入手できる他の周知の配列と比較可能であり、そして配列調整することができる。分子の画定された領域内、又は全長にわたる配列の同定(アミノ酸のレベルかヌクレオチドのレベルのいずれかにて)は、相同性を測定する種々のアルゴリズムを用いたコンピュータ・ソフトウエア・プログラムを用い配列のアライメントを介して判定することができる。
タンパク質コード配列を有する核酸分子は、選択されたcDNA又はゲノムライブラリーヲスクリーニングすることにより、そして必要であれば、cDNAへ逆転写することなく前駆体およびmRNAの処理中間体を検出するために、上記Sambrookらにより記載された従来のプライマーの伸張方法を用いて得ることができる。
ポリヌクレオチド変種(variants)(variant)が、たとえば、固相ホスホロアミダイト化学合成法による化学合成を含む、主に技術的に周知の方法により調製された。さらにポリヌクレオチド配列における修飾が、オリゴヌクレオチドに指向された部位特異的突然変異生成など(Adelmanら、DNA 2:183,1983を参照)、標準的な突然変異生成技術を使用して導入することができる。選択肢としてDNAが、適切なRNAポリメラーゼ・プロモータ(T7又はSP6など)にて、ベクター内に組み入れられる場合、RNA分子を、抗体又はその1部をコードするDNA配列のin vitro又はin vivoの転写により、生成することができる。特定タンパク質が、本明細書記載のように、コードされたポリペプチドを調製するため使用することができる。さらに、あるいは選択肢として、コードされたポリペプチドが、in viboに生成されるように、その1部を患者に投与することができる(たとえば、樹状細胞などの抗原提示細胞を、ポリペプチドをコードするcDNA構造体にてトランスフェクトし、そして患者にトランスフェクトされた細胞を投与することにより)。
さらにいずれかのポリヌクレオチドが、in vivoにおける安定性を増大するよう修飾することができる。可能な修飾が、5'末端および/又は3'末端のフランキング配列の追加;骨格におけるホスホロジエステラーゼ・リンケージよりむしろホスホロチオエイト又は2'O-メチルの使用;そして/又はオノシン、キューオシンおよびワイブチンなどの従来にない塩基、およびアセチル、メチル、チオ、およびアデニン、シチジン、グアニン、チミジンおよびウリジンの他の修飾された形状を包含、を含むがそれに限定されない。
ヌクレオチド配列が、確立された組み換えDNA技術を用い多様な他のヌクレオチド配列に接合することができる。たとえばポリヌクレオチドは、プラスミド、ファージミド、λファージ誘導体およびコスミドを含む、多様なクローニングベクターのいずれかへクローン化することができる。特に興味深いベクターが、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、および配列判定ベクターを含む。一般にベクターは、少なくとも1の生体に機能する複製の開始点(origin)、従来の制限酵素エンドヌクレアーゼ部位、および1又は複数の選択可能な標識を含んで成る。他の要素は、所望する用途に依存しそして当業者に明らかであろう。
特例例の範囲において、ポリヌクレオチドを、哺乳動物の細胞内に入ることができるよう、そしてそこに発現できるように調製することができる。こうした調製物が、下記のように治療目的として特に有益である。標的細胞にポリヌクレオチドの発現を実現すべき多くの方法があり、そしていずれか適切な方法を使用することができることを、当業者が理解できるであろう。たとえばポリヌクレオチドを、ウイルスベクター内に組み入れることができ、そのウイルスベクターには、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイスル、又は他のポックスウイルス(たとえばトリのポックスウイルス)などあげられるが、それに限定されない。こうしたベクター内にDNAを組み入れる技術は、当業者に良く知られている。さらにレトロウイルス・ベクターは、選択可能な標識として遺伝子(形質導入された細胞の同定又は選択の支援に)を、そして/又はそのベクターを特異的に標的とさせるため、特異的標的細胞上の受容体に対するリガンドをコードする遺伝子などの標的成分を、付加的に輸送するか又は組み入れることができる。さらに標的とすることは、抗体を用い、当業者に知られた方法により行うことができる。
治療目的としてその他の調製物は、コロイド状の分散系を含み、その分散系は、マクロ分子の複合体、ナノカプセル、微小球、ビーズ、そして脂質ビーズ系オイル-水による乳化液、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む、脂質依存性の系などがあげられる。輸送担体としてin vitroおよびin vivoにおいて使用する好ましいコロイド系は、リポゾーム(すなわち人工膜による小胞)である。こうした系の使用および調製が、技術的に良く知られている。
医薬組成物
本発明は、医薬組成物に組み入れられる抗体、ポリペプチド、および/又はポリヌクレオチドを提供する。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先して結合する抗体を含む。幾つかの例において抗体が、モノクロナール抗体である。幾つかの例において、医薬組成物は、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先して結合するモノクロナール抗体を含む。幾つかの例において医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ優先して結合するモノクロナール抗体を含む。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下の親和性にて結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下の親和性にて優先して結合する。幾つかの例において抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸36-40を含むエピトープへ、約60nM以下、約30nM以下、又は約3nM以下の親和性にて優先して結合する。幾つかの例において上記の抗体が、Aβ1-41および/又はAβ1-42による、有意な交差反応性を示していない。幾つかの例において、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにて産生されるモノクロナール抗体を結合することを、抗体が競合的に阻害する。幾つかの例において抗体が、配列番号4又は6に示されるアミノ酸配列を含む抗体、又は8A1.2A1と指定されたハイブリドーマにて産生されるモノクロナール抗体と、Aβペプチド(配列番号1)上同じエピトープへ結合する。その他の例において医薬組成物は、ヒト抗体、ヒト化(humanized)(humenized)又は本明細書記載のいずれかの抗体から誘導されるキメラ抗体を含む。医薬組成物が、こうした1又は複数の化合物、および所望により生理的に受け入れ可能な担体を含む。さらに本発明の範囲内の医薬組成物が、生物的活性、又は非活性にて可能な他の化合物を含むことができる。好ましい例においてその組成物が、少なくとも2種の抗体を含み、第一の抗体が、Aβペプチドのアミノ酸16-28を指向し、二次の抗体は、Aβペプチドのアミノ酸28-40を指向している。
ポリペプチドが、in situにおいて生成されるように、上記のように1又は複数のポリペプチドをコードするDNAを含むことができる。上記のようにDNAが、核酸発現系、細菌およびウイルス発現系を含む、当業者に周知の種々の誘導系のいずれかの範囲内に提示することができる。多くの遺伝子導入技術が、Rolland,1998,Crit.Rev.Therap.Drug Carrier Systems 15:143-198に記載された文献、および本文献などにて技術的に知られている。適切な核酸発現系は、患者の発現のため必要なDNA配列を(適切なプロモータおよび末端シグナル) 含む。
好ましい例においてDNAが、非病状(非欠陥性の)にて、複製力の強いウイルスの使用を含め、ウイルス発現系 (たとえば、ワクチン又は他のポックス・ウイルス、レトロウイルス、又はアデノウイルス)を使用して、導入することができる。適切なシステムが、たとえば、Fisher-Hochら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:317-321;Flexnerら、1989,Ann.N.Y.Acad.Sci.569:86-103;Flexnerら、1990、Vaccine 8:17-21;U.S.Patent Nos.4,603,112、4,769,330,and 5,017,487;WO 89/01973;U.S.Patent No.4,777,127;GB 2,200,651;EP 0,345,242;WO 91/02805;Berkner-Biotechniques 6:616-627,1988;Rosenfeldら、1991,Science 252:431-434;Kollsら、1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:215-219;Kass-Eislerら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11498-11502;Guzmanら、1993,Circulation 88:2838-2848;and Guzmanら、1993,Cir.Res.73:1202-1207に開示されている。こうした発現系にDNAを組み入れるための技術が、当業者に周知である。さらにDNAが、たとえば、Ulmerら、1993,Science 259:1745-1749,and reviewed by Cohen,1993,Science 259:1691-1692記載のように「むき出し(naked)」にて良い。むき出し(naked)のDNAを摂取することが、細胞内に効果的に輸送される生物的劣化可能なビーズ上に、そのDNAを被覆することにより増大させることができる。
当業者に知られた適切な担体が、本発明の医薬組成物に用いることができるが、担体の種類が、投与するモードにより変化することになる。本発明の組成物が、たとえば局所、経口、経鼻、静脈内、頭蓋内の、腹腔内の、皮下の、又は筋肉内への投与を含む、いずれか適切な投与方法として調製することができる。皮下注射などの非経口投与に対し、上記いずれかの担体、又は水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ワックス、又は緩衝液を含むことが好ましい。経口投与として、マニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリン・ナトリウム、タルシム、セルローズ、グルコース、サッカロース、および炭酸マグネシウムなどの固体担体を用いることができる。さらに生物的劣化可能な微小球体(ポリアクリル酸ポリグリコレート)が、本発明の医薬組成物の担体として使用することができる。適切な生物的に劣化できる微小球が、たとえば、U.S.Patent Nos.4,897,268 and 5,075,109に開示されている。
さらにこうした組成物が、緩衝液(たとえば中性緩衝の生理食塩水)、又はリン酸緩衝の生理食塩水)、炭化水素物(たとえば、グルコース、マンノース、サッカローズ又はデキストラン)、マニトール、タンパク質、ポリペプチド、又はグリシンなどのアミノ酸、抗酸化剤、EDTA又はグルタチオンなどのキレート剤、アジュバント(たとえば、水酸化アルミニウム)および/又は防腐剤を含むことができる。選択肢として本発明の組成物は、凍結乾燥として調製することができる。さらに化合物は、周知の技術を用いてリポソーム内にカプセル化することができる。
本明細書に記載された組成物を、ある程度残存する放出成形物(投与後化合物の放出ゆっくりと行うカプセルやスポンジなどの成形物)として投与することができる。こうした成形物は、一般的に周知の技術を用いて調製され、そしてたとえば経口、直腸、又は皮下移植により、又は所望の標的部位へ移植することにより投与することができる。持続的に放出された成形物が、担体マトリックスに分散され、そして/又はレイト制御膜により包囲された貯蔵器官内に含まれるポリペプチド、ポリヌクレオチド、又は抗体を含むことができる。こうした調製内に使用するための担体が、生物適応性でありさらに調製物が、生物的な劣化することができ、好ましくは、比較的一定の活性成分の放出量を提供する。持続性放出調製物内に含まれる活性化合物の量は、移植部位、放出の割合および予測される持続時間、および処理され又は防止される条件となる性質に依存する。
本発明の抗体(ポリペプチドを含む)、ポリヌクレオチド、および医薬組成物が、ダウン症候群、パーキンソン病、および多発性梗塞性痴呆など変性Aβ又はβAPPの発現又はAβペプチドの蓄積に伴う、関連したアルツハイマー病、および他の疾患の発症を治療し、防止し、そして阻害する方法に使用することができる。こうした方法は、免疫反応性分子、抗体(ポリヌクレオチドを含む)、ポリヌクレオチド又は医薬組成物を対象体に投与することを含む。予防的適用においては医薬組成物又は薬品が、アルツハイマー病に感染可能な、又はそうでなければその疾患のリスクのある患者へ、そのリスクを除去し又は減少させ、重篤さを低減し又は病気発生を遅延させるに十分な量にて投与され、その疾患症状には、疾患の生化学的、組織学的、又は行動的症状、その複合的症状、そして疾患の発生中現れる病理に伴う中間的な表現型症状があげられる。治療の適用において、組成物又は薬品が、疾患の発症におけるその合併症および中間的な病理表現型の症状を含む疾患発症(生化学的、組織的、そして/又は行動的に)を、治癒又は少なくとも1部停止するために十分な量にて、こうした疾患に罹るか又はすでにその疾患に罹っている患者へ、投与される。
さらに本発明は、対象体に対し本発明の抗体(ポリペプチドを含む)又はポリヌクレオチドを含む医薬組成物の有効量を投与することを含む、対象体のアルツハイマー病に関連した症状の発症を遅らせる方法を提供する。アルツハイマー病に関連した症状は、記憶、問題解決、言語、計算、視界空間的認知、判断および行動などの異常性を含むがそれに限定されない。
更に本発明は、本発明の医薬組成物の有効投与量を、対象体へ投与することを含む、対象体のアミロイド斑の形成を阻害又は抑制する方法を提供する。幾つかの例において、アミロイド斑が、対象体の脳内にある。
さらに本発明は、本発明の医薬組成物の有効投与量を、対象体に投与することを含む対象体のアミロイド斑を減少させる方法を提供する。幾つかの例においてアミロイド斑が対象体の脳内にある。
さらに本発明は、本発明の医薬組成物の有効投与量を、対象体に投与することを含む対象体のアミロイド斑を除去又は清浄にする方法を提供する。幾つかの例においてアミロイド斑が対象体の脳内にある。
さらに本発明は、本発明の医薬組成物の有効量を対象体に投与することを含む、対象体の組織(脳など)のAβペプチドを減少させ、対象体の組織(脳など)のAβペプチドを阻害そして/又は減少させ、そして対象体の組織(脳など)のAβペプチドの毒性効果を阻害そして/又は減少させる方法を提供する。
本明細書に記載された方法(予防又は治療を含む)は、単一又は複数部位へ時間的に1点又は複数点にて、単一の直接注射によって行われる。さらに投与を複数の部位へほぼ同時にすることができる。投与の頻度が、治療の過程を介して判定そして調節することができ、そして実現する所望の結果に基づいている。幾つかの例において、本発明の抗体(ポリペプチドを含む)、ポリヌクレオチドおよび医薬組成物の継続して持続的に放出する小生物が適切である。持続的放出を行う多様な調製物およびデバイスが技術的に知られている。
患者、対象体、又は個体が、動物としてヒト、牛、ウマ、イヌ、ネコ、ブタ、およびヒツジなどの哺乳動物を含む。対象体が好ましくはヒトであり、そして疾患に罹っている場合又は罹っていない場合、あるいは現段階で症状を示す場合でも可能である。アルツハイマー病の症例において彼又は彼女が長期間生存する場合、アルツハイマー病に罹る危険性は、実際にだれもある。従って本方法は、対象体としての患者となる危険性を何ら評価する必要がなく、一般的な集団に予防的に投与することができる。本方法は、アルツハイマー病の周知の遺伝的リスクを有する個体に有益である。こうした個体が、この疾患を経験した血縁関係を有する人たちを含み、これらリスクを有する人が、遺伝的又は生化学的標識を分析することにより判定される。アルツハイマー病に対しリスクを有する遺伝的標識は、APP遺伝子の変異体部を含み、具体的にはHardyとSwedishのそれぞれの変異体(Hardy(1997)Trends Neurosci.20:154-9を参照)として言及されている変異体位置717、および位置670および位置671を含む。その他のリスク標識は、早老遺伝子の変異体であり、PS1およびPS2、およびApoE4、ADのファミリー組織、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症がある。現段階でアルツハイマー病に罹患した個体が、性格的な痴呆、および上記リスク要因の存在を認識することができる。加えて多くの診断試験が、ADを有する個体を識別するために利用できる。これらは、CSFタウ(tau)およびAβ42レベルの測定を含む。タウ(tau)が増大し、Aβ42レベルが減少することは、ADが存在することを示している。さらにアルツハイマー病に罹っている個人を、ADRDA(アルツハイマー病および関連疾患協会(Alzheimer's Disease and Related Disorder Association))基準にて診断することができる。無症候性患者において治療は、任意の年齢(たとえば、10,20,30)にて始めることができる。しかしながら通常患者が、40,50,60又は70歳に達するまで、治療を始めることは、必ずしも必要性がない。典型的に治療は、期間にわたって複数の投与を伴ってくる。治療を、時間にわたり技術的に知られた種々の方法にて監視することができる。潜在的ダウン症候群の症例において、治療を出産前にまたは誕生後すぐに、母へ治療剤を投与することから始めることができる。
上記方法に使用できる医薬組成物が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40に優先して結合する抗体、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先して結合する抗体、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40に、約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下の親和性にて結合する抗体、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ約60nM以下、約30nM以下、約3nM以下の親和性にて優先的に結合する抗体、および本明細書に記載されたいずれかの抗体およびポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むがそれに限定されない。他の例において以下の抗体、すなわちAβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ結合するが、Aβ1-42およびAβ1-43ペプチドと有意な交差反応を示さない抗体、Aβ1-40ペプチド(配列番号1)へ、約200nM以下又は約1nM以下の親和性にて結合する抗体のFab断片、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体をAβ1-40ペプチド(配列番号1)への結合を競合的に阻害する抗体、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体が結合する同じエピトープへ結合する抗体、および上記特徴のいずれかを組み合わせた特徴を有する抗体が挙げられる。
投与および投与量
抗体が、担体において、好ましくは医薬的に受け入れ可能な担体にて哺乳動物へ投与することが好ましい。適切な担体およびこれらの調製が、Remington's Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.Easton,PA,1990;and Remington,The Science and Practice of Pharmacy 20th Ed.Mack Publishing,2000に記載されている。典型的に適切な量の医薬的に受け入れ可能な塩を、調製物における等張性を与えるよう調製物に使用する。担体の例は、生理食塩水、Ringer's溶液、およびデキストリン溶液を含む。溶液のpHは、好ましくは約5から約8、そしてより好ましくは約7から約7.5である。さらに担体としては、抗体を含む固形疎水性ポリマーの半透過性材料などで、その材料が形状化された製品の形で、たとえばフイルム、リポソーム又は微小粒子である、放出の持続可能な調製物があげられる。特定担体が、投与される抗体の投与経路および抗体の濃度に依存することがより好ましいは、当業者にも明らかになるであろう。
抗体が、注射によるか(たとえば全身系、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、門脈内)、又侵出などその他の方法により哺乳動物へ投与することができ、それは有効な形で血流への導入を確実にする。さらに抗体は、たとえば単離された組織灌流など、単離された灌流技術により投与され局所治療効果を惹起することができる。静脈内注射が好ましい。
抗体を投与する効果的な投与量および計画を、実験的に判定することができ、そしてこうした判定をすることが、技術的範囲内である。投与しなければならない抗体の投与量が、たとえば抗体を受ける哺乳動物、投与経路、特定の使用される抗体の種類、および哺乳動物へ投与されるその他の薬剤に依存して変化することは、当業者が理解出来よう。抗体の適切な投与量を選択する指針は、たとえばHandbook of Monoclonal Antibodies,Ferroneら、eds.,Noges Publications,Park Ridge,N.J.,1985,ch.22 and pp.303-357;Smithら、Antibodies in Human Diagnosis and Therapy,Haberら、eds.,Raven Press,New York,1977,pp.365-389などの治療として抗体の使用に関する文献において見出される。典型的に単独に使用される抗体の毎日の投与量が、1日当り体重の約1μg/kgから最大100mg/kgまで、またはそれ以上の範囲にて良く、そして上記要因に依存している。一般的に以下のいずれかの投与量にて使用することができ、すなわち少なくとも約50mg/kg体重;少なくとも約50mg/kg体重;少なくとも約50mg/kg体重;少なくとも約50mg/kg体重;少なくとも約10mg/kg体重;少なくとも約3mg/kg体重;少なくとも約1mg/kg体重;少なくとも約750μg/kg体重;少なくとも約500μg/kg体重;少なくとも約250μg/kg体重;少なくとも約100μg/kg体重;少なくとも約50μg/kg体重;少なくとも約10μg/kg体重;少なくとも約1μg/kg体重かそれ以上投与される。
いくつかの例において、2以上の抗体を提示することができる。こうした組成物は、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種の本発明の異なる抗体(ポリペプチドを含む)を含むことができる。
さらに抗体を、1又は複数の他の治療剤の有効量と組み合わせて、哺乳動物へ投与することができる。抗体を、1又は複数の他の治療剤を順次、又は併行して投与することができる。抗体および治療剤の量が、たとえば、どのような薬剤が使用されるか、病状をどのように治療するか、そして投与する計画および経路がどのようかに依存するが、一般的にそれぞれが個別に使用する場合より有意に少なくなるであろう。
抗体を哺乳動物へ投与する場合、哺乳動物の生理的状態を、技術的に実際行われる周知の種々の方法にて監視することができる。
投与および投与量の上記原理が、本明細書に記載されたポリペプチドに取り入れられた。
さらに本発明の抗体(ポリペプチドを含む)をコードするポリヌクレオチドが、所望の細胞の抗体又はポリペプチドの輸送および発現のため、使用することができる。発現ベクターが、全身系として腹腔内に、静脈内に、筋肉内に、皮下に、鞘内に、心室内に、経口的に、腸内に、非経口的に、鼻内に、皮膚に又は呼吸により投与することができる。たとえば発現ベクターの投与は、注射、経口投与、粒子ガン、又はカテーテルによる投与、および局所投与を含む局所又は全身投与を含む。当業者は、発現ベクターを投与してin vivoにおける外因性タンパク質の発現を得ることができることをよく理解している。たとえば、U.S.Patent Nos.6,436,908、6,413,942、および6,376,471を参照。
さらに本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドを含む標的とされる治療組成物の搬送に使用することができる。受容体介在DNA輸送技術が、たとえば、Findeisら、Trends Biotechnol.(1993)11:202;Chiouら、Gene Therapeutics:Methods And Applications Of Direct Gene Transfer(J.A.Wolff,ed.)(1994);Wuら、J.Biol.Chem.(1988)263:621;Wuら、J.Biol.Chem.(1994)269:542;Zenkeら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1990)87:3655;Wuら、J.Biol.Chem.(1991)266:338に記載されている。ポリヌクレオチドを含む治療組成物を、遺伝子治療方法において局所投与でDNAを約100ngから約200ngの範囲にて投与する。さらに約500ngから約50mg、約1μgから約2mg、約5μgから約500μg、および約20μgから約100μgの範囲のDNA濃度を、遺伝子治療方法中に使用することができる。本発明の治療としてのポリヌクレオチドとポリペプチドを、遺伝子輸送担体を用い輸送することができる。遺伝子輸送担体が、ウイルス資源又は非ウイルス資源にて可能である(一般的にJolly,Cancer Gene Therapy(1994)1:51;Kimura,Human Gene Therapy(1994)5:845;Connelly,Human Gene Therapy(1995)1:185;and Kaplitt,Nature Genetics(1994)6:148を参照)。こうしたコード配列の発現が、内在的に哺乳動物又は異種性プロモータを用いて誘発される。コード配列の発現は、構成的か又は調節されるかのいずれかにても可能である。
所望のポリヌクレオチドを輸送し、そして所望の細胞に発現するためのウイルスに基づくベクターが、技術的によく知られている。例示的なウイルスに基づく担体が、組み換えレトロウイルスを含むがそれに限定されない(たとえば、PCT Publication Nos. WO 90/07936; WO 94/03622;WO 93/25698;WO 93/25234;WO 93/11230;WO 93/10218;WO 91/02805;U.S.Patent Nos,5,219,740;4,777,127;GB.Patent No.2,200,651;and EP 0345242)、アルファ・ウイルスに基づくベクター(たとえば、Sindbis virus vectors,Semliki forest virus(ATCC VR-67; ATCC VR-1247),ロス・リバー・ウイルス(ATCC VR-373; ATCC VR-1246)およびベネズエラ・ウマ脳炎ウイルス(ATCC VR-924; ATCC VR-1250; ATCC VR-1249; ATCC VR-532))、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(たとえばPCT PCT Publication Nos.WO94/12649,WO93/03769;WO93/19191;WO94/28938;WO95/11984 and WO95/00655を参照)を含むがそれに限定されない。さらにCuriel,Hum.Gene Ther:(1992)3:147に記載されているように死のアデノウイルスに結合したDNAが投与に用いることができる。
さらに非ウイルス輸送担体および方法を使用することができ、それには死んだアデノウイルスへ単独にて結合又は非連結のポリカチオニックな縮合DNA(たとえばCuriel,Hum.Gene Ther.(1992)3:147を参照);リガンド結合のDNA(たとえば、Wu,J.Biol.Chem.(1989)264:16985を参照)、真核細胞輸送の担体細胞(たとえば、U.S.Patent No.5,814,482;PCT Publication Nos.WO 95/07994;WO96/17072;WO95/30763;and WO97/42338を参照)、および細胞膜による核電荷の中性化又は浸出を含むがそれに限定されない。さらにむき出しのDNAを用いることができる。例示的にむきだしのDNA誘導方法は、PCT Publication No.WO90/11092 およびU.S.Patent No.5,580,859に記載されている。遺伝子輸送担体として作用できるリポソームは、U.S.Patent No.5,422,120;PCT Publication Nos.WO95/13796;WO94/23697;WO91/14445;およびEP 0 524 968に記載されている。さらなる方法は、Philip,Mol.Cell Biol.(1994)14:2411,and in Woffendin,Proc.Natl.Acad.Sci.(1994)91:1581に記載されている。
抗体の診断的な使用
本発明の抗体は、ダウン症候群などの変性Aβ又はβAPPの発現と関連したアルツハイマー病および他の疾患を検知、診断および監視に使用することができる。この方法は、本発明の変性Aβ又はβAPPの発現を有すると考えられる患者の試料を、抗体と接触させ、そしてAβ又はβAPPレベルがコントロール又は比較試料のレベルと異なるかどうか判定することを含む。
診断に適応するために抗体が、典型的に検出可能な成分にて標識化され、その標識は、放射性同位元素、蛍光標識、および種々の酵素-基質標識があげられるがそれに限定されない。抗体へ標識を結合させる方法は技術的に知られている。本発明のその他の例において本発明の抗体は、標識化する必要がなく、そしてその存在を本発明の抗体へ結合する標識化された抗体を用いて検出することができる。
本発明の抗体は、競合結合アッセイ、直接および間接サンドイッチ・アッセイ、および免疫沈降アッセイなどのいずれか周知のアッセイを用いることができる。たとえばZola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147-156(CRC Press,Inc.1987) を参照。
さらに抗体を、in vivoの画像化などin vivoにおける診断アッセイとして使用することができる。一般的に放射免疫検出法を用いて関心ある細胞又は組織を位置付けできるように、抗体を、放射性核種(111In,99Tc,14C,131I,125I,又は3Hなど)にて標識化する。
さらに抗体を、周知の技術に従って病理学における染色試薬として使用することができる。
さらなる例において本発明は、変性Aβ又はβAPPの発現と関連したアルツハイマー病、ダウン症候群、又は他の疾患などの病理状態の治療又はAβ又はβAPPの検出又は精製に有効な物質を含む製造製品およびキットを提供する。製造製品は標識の付いた容器を含む。適切な容器は、たとえばボトル、ウイアル、および試験管を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの種々の材料から成型可能である。容器は、病理状態の治療又はAβ又はβAPPの検出又は精製に有効な活性剤を有する組成物を保持する。その組成物中の活性剤が抗体であり、そしてAβ又はβAPPに対し特異的なモノクロナール抗体を含むことが好ましい。幾つかの例において活性剤は、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40内のエピトープへ結合する抗体である。幾つかの例において、その抗体が、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸38-40を間隔とするエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例においてその抗体が、約60nM以下、約30nM以下又は約3nM以下の親和性にて、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先的に結合する。
幾つかの例においてその抗体が、約60nM以下、約30nM以下又は約3nM以下の親和性にて、Aβペプチド(配列番号1)のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する。幾つかの例においてその抗体が、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列をモノクロナール抗体の結合、又は8A1.2A1に指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体の結合を競合的に阻害する。幾つかの例において、その抗体が、配列番号4および/又は6に示されるアミノ酸配列を含む抗体と又は8A1.2A1に指定されたハイブリドーマにより産生されるモノクロナール抗体が結合するとAβペプチド(配列番号1)上同じエピトープへ結合する。幾つかの例において活性剤が、本明細書に記載されたヒト化(humanized)、キメラ抗体、又はヒト抗体のいずれかを含む。容器に付いている標識は、その組成物が、アルツハイマー病などの病理状態を治療又はAβ又はβAPPを検出又は精製に使用することを示し、さらに上記のものなどin vivoかin vitroのいずれかの使用を対象として指示している。
幾つかの例において本発明のキットが、上記容器を含む。別の例において本発明のキットは、上記の容器および緩衝液を含む第二の容器を含む。さらに本明細書に記載されたいずれかの方法(アルツハイマー病を治療するための方法、および脳内のAβペプチドの蓄積を阻害又は減少させる方法など)を行うため指示して、他の緩衝液、希釈物、フィルター、針、シリンジ、およびパッケージの挿入物を含む、商業的及びユーザの点から所望される他の物質を含むことができる。Aβ又はβAPPを検出又は精製のため使用されるキットにおいて、典型的に抗体が、たとえば放射性同位元素、蛍光化合物、生物蛍光化合物、化学蛍光化合物、金属キレート又は酵素などを検出できる標識にて標識化される。
実施例
以下の実施例が、本発明を明示するため、そして本発明の作成および使用に当業者を支援するために提示される。本実施例は、その他に本発明の範囲を限定する、いずれかの方法を意図するものではない。
Aβに対するモノクロナール抗体を産生および特徴付け
、Aβに対し高い親和性と特異的な抗体を、Aβ関連疾患を標的とする有益な治療剤として生成し、そして提供することを、本実施例に提示したデータが示している。Geerligs HJら、1989,J.Immunol.Methods 124:95-102;Kenney JSら、1989,J.Immunol.Methods 121:157-166;and Wicher Kら、1989,Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.89:128-135に記載のように、マウスを、継続して10週の間隔で、Ribiアジュバント(足パッド当り50μl、マウス当り総量にて100μl)に50-100μgのAβ1-40のペプチドにて免疫化した。
脾細胞を免疫化したマウスから得て、そしてポリエチレングリコール1500と10:1の割合にてNSOメラノーマ細胞と融合した。そのハイブリッドを、20%のホース血清を含むDMEMの96-ウエル・プレートへ入れ、そして2-オキサロ酢酸/ピルベイト/インスリン(Sigma),およびヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジンからの選択を始めた。8日目で20%のホース血清を含む100μのDMEMを全ウエルへ加えた。抗体捕獲免疫アッセイを用いハイブリット上澄液をスクリーニングした。抗体種の判定を種特定2次抗体にて行った。
モノクロナール抗体-産生細胞株のパネルを、特徴付けのため選択した。対応する抗体を記載するこれらの細胞株および情報を表2に一覧として示す。
表2:モノクロナール抗体の特徴
Figure 2006519762
種々の資源からAβへ、そしてβ-APPおよびコントロール・ペプチドへの結合を、サンドイッチ・アッセイにて試験した。試験されたAβペプチドが、両方がCalbiochem(San Diego,CA)から得られたβ-アミロイド・ペプチド 1-42および1-40、そしてBachem(Torrance,CA)から得られたβ-アミロイド・ペプチド1-43、であった。ペプチドをプレートへ固定化し抗体を加え、そして結合をGAMIgG(Fc)HRPを用いて検知し、吸光度を490nmにて読み出した。図1に示される交差反応のデータにより、Aβに指向されるmAbsが、β-APPと交差反応しないことを確認する。
抗体が可溶なAβペプチドを捕捉できることを確認するために、捕獲アッセイ(capture assay)を行った。このアッセイにおいて、Aβペプチドをアッセイのプレート上に固定し、mAbを、直接又は前に培養した後のいずれかであるlAβの10μg/mlに加え、そして結合状態をGAMIgG(Fc)HRPを用いて検出し、そして吸光度を490nmにて読み出した。コントロールが、マウス抗-βAPPおよび6E10であり、ヒトβアミロイドのペプチド1-17(Signet,Dedham,MA)を検出するモノクロナール抗体である。可溶なAβの捕捉を判定するデータを図2に示す。
候補としての治療抗体が、Bardら、2000,Nature Medicine 6(8):916-919に記載されているように、in vivoにおける中枢神経系に負荷された神経斑を効果的に減少できることをex vivoにて評価することができる。
Aβに指向される抗体が結合するAβポリペプチドへのエピトープを特徴付け
モノクロナール抗体により認識されたAβポリペプチドのエピトープを判定するために、Surface Plaamon Resonance(SPR,Biacore 3000)結合分析を用いた。ビオチン(Global Peptide Services,CO)に結合したAβ1-40(配列番号1)を、ステップアビジン被覆チップ上に固定した。Aβペプチドの可溶性断片(at 1000nM,from American Peptide Company Inc.,CA)の存在又は非存在における、固定されたAβ1-40へAβ抗体(100nMにて)を結合する。モノクロナール抗体2324,2289および2286(これらそれぞれのハイブリドーマ細胞株10B10.2E6,3C6.1F9,and 8A1.2A1から単離されたより正確な抗体)の結合を、Aβ1-40へ置き換えるために必要とされるAβペプチドが、それぞれAβ1-16、β1-28、Aβ1-40である(図3)。3種の抗体全てのAβ1-40への結合することが、可溶性Aβ1-40により阻害される。しかしながら、Aβ1-38ペプチドが、Aβ1-40のMAbs 2324と2289への結合を阻害した、MAb2286を阻害しなかったことが、MAb2286が結合するエピトープが、Aβ1-40ペプチドのアミノ酸39および/又は40を含むことを示唆している(図3)。
加えてこれらがMAbs2324と2289との両方へ結合するAβ1-40を容易に阻害できるが、Aβ1-42とAβ1-43のペプチドは、Aβ1-40に対するMab2286の結合を阻害しなかった。これらの結果から、MAb2286が、Aβ1-40へ優先的に結合するが、Aβ1-42およびAβ1-43へ結合しないことを示している。
さらにMab2286の結合にβ-アミロイド・ペプチド個別のアミノ酸残基の関与を評価するため、少なくとも5アミノ酸のそれぞれが(Aβ1-40アミノ酸残基36-40)が個々にアラニン(アラニン走査突然変異形成)によって置き換えられた異なるAβ1-40の変種(variants)を、部位指向突然変異形成物により生成した。これらのAβ1-40の変種(variants)(表6に示される配列)を、Glutathione-S-Transferase(GST)融合タンパク質(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ USA)として大腸菌にて発現され、その後Glutathione-Agarose beads(Sigma-Aldrich Corp.,St.Louis,MO,USA)上にて親和性精製される。コントロールとして、さらに野生型(WT) Aβ1-40(配列番号1)およびAβ1-41(配列番号13)を、GST融合タンパク質として発現させた。次にAβ1-40、Aβ1-41および5の異なる変種(variants)(配列番号14-18)を、アッセイ・プレート上(各ウエル当り0.25μg)に固定し、そしてMab2286又はMab2324のいずれかにてインキュベートした(アミノ酸28-40又は1-16の各間におけるAβ1-40のエピトープに、それぞれの抗体2nMにて指向される)。10回連続して洗浄した後、アッセイ・プレートを、ビオチン結合ヤギ-抗マウス(H+L)抗体(Vecter Laboratories,Burllingame CA,USA)、その後HRP結合ストレプトアビジン(Amersham Biosciences Corp.,NJ,USA)にてインキュベートした。プレートの吸収度450nmにて読み出した。
図8に示されるように、AβのN末端エピトープへ指向されたMab2324が、同じ強度にて全ての変種(variants)を認識し、そしてプレート上のタンパク質の濃度およびタンパク質の一体化を内的にポジティブに制御する働きをしている。Mab 2286が、Aβ1-41 (又は図3に示すAβ1-42) を認識しないが、C末端V40のAlaの変異が、結合に影響されないが、タンパク質のアミノ・カルボキシ末端成分が、Mab2286エピトープに直接関与するが、V40の側鎖が、あまり重要でないことを示唆している。Aβ1-40の変異体V39A,G38A,G37AおよびV36Aが、Mab2286への結合を減少することを示し、Mab2286エピトープが、Aβ1-40のC末端部で少なくとも5のアミノ酸へ伸張したことを実証している。VとGのAへの変異が、極めて保守的であり、タンパク質の重要な配座の変化を生成しないようであり、従ってMab2286の結合へこれらの変異の大きな影響が、Aβの内容に言及されたアミノ酸との間を区別できることにより、そしてこれらのデータが、抗体に極めて高い特異性を証明した。
βAPPに指向されるモノクロナール抗体の産生および特徴付け
実施例1に記載されたようにマウスをAPPにて免疫化した。モノクロナール抗体産生の細胞株のパネルを特徴付けとして選択した。相当する抗体を記載する細胞株および情報を、表3に一覧として示す。
Figure 2006519762
モノクロナール抗体の2286のヒト対応化
マウスの抗体2286を、重鎖CDRs(Kabat and/or Chothia)をヒト生殖細胞受容体の配列VH3およびVH4へ移植することにより、ヒト化(humanized)した;そして軽鎖Kabat CDRsを、ヒト生殖細胞受容体の配列08に移植した。抗体2286のヒト化(humanized)重鎖および軽鎖を下記表4に示す。
Figure 2006519762
*両Kabat and Chothia(低い場合)の命名が、CDRの境界を定義するために使用されるCDRH1を除いて、抗体の重鎖および軽鎖におけるCDRの境界を、Kabaの命名(下線により標識化される)にしたがって決定した。
モノクロナール抗体の抗AβFab断片の平衡解離定数(KD)値を、上記BIAcor3000TM表面細胞形質遺伝子共鳴(SPR)システム(BIAcore,INC,Piscaway NJ)を用いて、「Steady-State」法により判定した。反応速度会合率(KON)および解離率(KOFF)を、計算BIA評価プログラムを用いて、そのデータを1:1のLangmuir結合モデル(Lafas & Johnsson,1990)へ合せることにより同時に得ることができる。ヒト化(humanized)抗体およびマウス抗体2286の親和性が、以下表5に示される。
Figure 2006519762
Aβペプチドに指向される抗体がアルツハイマー病の動物モデルにおいて組織的症状の減少
本発明のモノクロナール抗体が、アルツハイマー病を治療し、そして防止するための有効な治療剤を提供することを、本例が示している。驚いたことにこれらのデータは、AβのC末端(すなわちaa 28-40)にて指向される抗体が、アルツハイマー病のこうしたマウス・モデルのN末端(aa 1-16)にて指向された抗体として、Aβ、チオフラビン-Sを清浄にし、そしてMHC-II染色の増大にまさに効果的である。その理由はAβのN末端を標的とする抗体が、前駆体を認識する能力の増大そして/又は集塊するアミロイド沈着の破壊に都合が良いと考えられ、これらの結果が、アルツハイマー病治療に有望な新らしい療法戦略を提供する。
in vivoにおける抗Aβ抗体の治療としての効果を評価するため、モノクロナール抗体2324,2286および2289を、より詳細にはこれらそれぞれのハイブリドーマ細胞株10B10.2E6,8A1.2A1および3C6.1F9から単離された抗体を、「スエーデンの(Swedish)」変異体アミロイド前駆体のタンパク質(APP;Tg2576;K670N/M671L;Hsiaoら、1996,Science 274:99-102)を過剰発現するトランスジェニックマウスへ注入した。これらのマウスにおけるアルツハイマー様表現型の存在が十分に特徴付けられた(Holcomb LAら、1998,Nat.Med.4:97-100;、Holcomb LAら、1999、Behav.Gen.29:177-185;and McGowan E,1999,Neurobiol.Dis.6:231-244)。
以下に行われた実験方法に関して、本発明を記載し本発明を可能にするには必ずしも必要でないが、抗体を、加齢16ヶ月のトランスジェニック・マウスTg2576への頭蓋内へ注入した。注入された抗体は、モノクロナール抗体2324(2μlの容量にて2μg)、2286(2μlの容量にて2μg)、および2289(2μlの容量にて2μg)、および「Amnesiac」と称するジョウジョウバエ(Drosophila)タンパク質に指向されるコントロール・モノクロナール抗体(2μlの容量にて2μg)、より正確にはこれら各ハイブリドーマ細胞株10B10.2E6、8A1.2A1、および3C6.1F9から単離された抗体を頭蓋内へ注入した。マウスの前頭皮質および海馬の組織病態を、注入3日後に評価した。3日の時間点が、別な抗体により時間経過研究から選択されたことは、アミロイドの清浄化がその間隔で完了し、そして小膠細胞の活性を、1日又は7日の最大値の比較をしたことが、明示されている。Aβ、チオフラビン-S、およびMHC-IIの染色に対する注入側と非注入側の比としてデータが提示されている。
本研究に使用される3の抗体が、Aβペプチドの異なる部分(それぞれアミノ酸1-16、16-28および28-40)のそれぞれに指向されるが、全てが、コントロール群(抗-amnesiac抗体および担体注入群)と比較してかなりのパーセント(図4、40乃至80%により)により海馬と前頭にAβの沈着とチオフラビン-Sの沈着(後者がAβの沈着の毒性繊維形状を検知)を共に、全てが除去される。さらにこれらが、MHC-II染色により(図4)評価されるように活性化した小膠細胞である。これらマウス内を染色しAβ、チオフラビン-S、又は増大するMHC-IIを除去すべき容量において、3のAβ抗体間では一貫した相違がない。これらの結果が、抗体に指向されるC末端でなく(すなわちaa 28-40)でなくN末端(すなわちaa 1-16)が、Aβ沈着を除去するために重要であったことを示す(Solomon,Bら、1996、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:452-455;Solomon,B.ら、1997,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4109-4112)、前に公開された研究の場合に対し予想外の結果となっていた。
ミクロギリアとしての活性およびアミロイド・クリアランスにおける抗体2286のFcドメインの潜在的役割
小膠細胞の活性およびアミロイドの除去における抗Aβ抗体2286のFcドメインの潜在的役割を研究するために、小膠細胞の活性およびアミロイドの除去におけるショウジョウバエのタンパク質amnesiacに指向される抗体2286、無傷な抗体、コントロール・モノクロナール抗体のF(ab’)2断片の効果が、実施例6に記載された動物モデルにて比較され、その抗体が頭蓋内に投与された。
F (ab’)2 断片の調製
抗Aβモノクロナール2286およびショウジョウバエのタンパク質amnesiacに指向されたコントロール・モノクロナール抗体からのF (ab’)2 断片を、免疫純正なIgGF(ab)およびF(ab’)調製キット(Pierce Biotechnology,Rockford,IL)を用いて調製した。キットに伴い提供される指示が以下である。簡単にいうと、1mg/mlの0.5mlのIgGを、0.5mlのマウスのIgG1を穏やかに希釈したキットへ加えた。これらは、平衡なフィシン(ficin)カラムへ適用され、カラム内へ入れられ、そして37℃20時間にて消化させた。4mlの溶離液が得られ、そして平衡化し、固定されたタンパク質Aのカラムへ用いて、Fc断片および消化されないIgGからF(ab')2を分離した。生成物の1mlの画分4つが得られた。ゲル・電気泳動を行い判定されるように、2回および3回だけの溶解液から、F(ab')2を含むことが見出されゲル上に同様の強度を現した。F(ab')2の断片を含む2つの溶解液を集め(pooled)、Centricon centrifugal filter devices(Millipore Corp.Bedford,MA)を用い、約200μlの容量に濃縮した。これまでの実験では特定マウスに注入した場合、カラムから直接濃縮されたF(ab')2の画分を注入すると、発作の原因となることが分かった。従って最初の濃縮液を4mlの新鮮なPBSにて希釈し、そして再度濃縮して、発作の要因となる残基の適切な溶解緩衝液の成分を希釈した。発作又は神経細胞の毒性が、本明細書に含まれるマウスにおいて全く見出されなかった。濃縮された生成物を、SDS-ポリアクリルアミド・ゲル電気泳動(SDS-PAGE)上にて実行した。さらにブラッドホード・アッセイ(Bradford assay)を行い、ブラッドホード(Bradford)タンパク質アッセイ試薬濃縮液(Bio-Rad,Hercules,CA)を用いて、F(ab')2断片の濃度を実現する。
抗-Aβモノクロナール抗体2286から調製されたF(ab')2断片およびショウジョウバエ・タンパク質amnesiacに指向されるコントロール・モノクロナール抗体を、SDS-ポリアクリルアミド-ゲル電気泳動(SDS-PAGE)を介して分析した。そのゲルは、未消化のIgG又はFc断片により全くの非汚染物で、F(ab')2断片として分子量約105kDaにて1本のバンドにて、極めて純度の高い生成物を示した。無傷のIgG分子は、IgG分子として正しい分子量で、約150kDaの1本の高い強度のバンド、および約110kDaにて強度の低いバンドを生成した。次にSDS-PAGEを介して以下のように純度を確認するために、精製された画分において、F(ab')2の修復を評価するために、ブラッドホード・アッセイ(Bradford assay)を行った。発明者が、開始物質として使用されたものより、有意に少量にて抗-AβF(ab')2断片を溶解したことから、頭蓋内に注入されるF(ab')2断片の濃縮を、1.2μg/μlであったが、全抗体の濃度が1μg/μlであり、F(ab')2溶液中過剰な抗-AβFvドメインとなっている。
抗体画分の検討
加齢19.5ヶ月の20匹のTg2576トランス・ゲニック・マウスを、4グループの1に割り当て、全てのグループが前頭皮質および海馬への頭蓋内注入を受けた。第一のグループが、各領域において2μg/2μlの濃度にて抗-Aβ抗体2286を受けた。第二のグループは、各領域において2.2μg/2μlにて抗-Aβ抗体2286から調製された抗-AβF(ab')2断片を受けた。第三のグループは、無傷のIgG注入の非特異的観点のコントロールとしてショウジョウバエのamnesiacタンパク質へ指向されるIgGを受けた。最後のグループは、F(ab')2注入の非特異的効果としてのコントロールに対してショウジョウバエのamnesiacタンパク質に指向されるIgGから調製されたコントロールF(ab')2断片を受けた。全てのマウスは、外科的手術後72時間生存した。
外科的手術方法:
外科手術をする日に、マウスの体重を量り、イソフランにて麻酔にかけ、そして定位固定装置(51603 dual manipulator lab standard,Stoeltings,Wood Dale,IL)に置いた。頭骨(midsagittal)切開を、クラニウム(craniom)を曝して行い、そして2のブルホール(burrholes)が、右側の前頭皮質および海馬上の以下の位置に、デンタルドリルを用いて穴をあけた、すなわち前頭皮質、AP+1.5mm,L-2.0mm,海馬、AP-2.7mm,L-2.5mmにて、全てブレグマ(bregma)から取ったものである。10μLのHamilton(Reno,NV)シリンジに付けられた26ゲージの針をプレグマに対し腹部に3mm低くして、そして2μlの注射を、2分間にわたって行った。その切開部を生理食塩水にて清浄にし、そしてステイプル(staples)にて閉鎖した。
組織の調製
マウスを犠牲にする日、そのマウスの体重をはかり、ペントバルビタル100mg/kgと過剰投与し(Nembutal sodium solution,Abbott laboratories,North Chicago IL)、そして0.9%の塩化ナトリウムを25mlと、その後新たに調製された4%のパラホルムアルデヒド50ml(pH=7.4)にて心臓内を灌流した。迅速に脳を取り出し、新たに調製された4%のパラホルムアルデヒドにて、24時間液浸固定をした。次に脳を、シロプロテキト(cyroprotect)するため、順次10,20そして30%のサッカローズにて24時間インキュベートした。次に25μmの厚みの水平切片を、スライデング・ミクロトームを用いて採取し、そして微生物の増殖を防止するために、ナトリウム・アジド(sodium azide)を伴うDPBS緩衝液に、4℃にて保存した。
免疫組織化学法
約100μmに分けた6乃至8の切片を、注入部位の間隔を選択し、そしてこれまでに記載された(Gordonら、2002)ように全Aβ(Aβペプチド1:10000のN-末端と一次反応するラビットの抗血清)およびCD45(Serotec,Raleigh NC,1:3000)の遊離浮動免疫組織化学法を用いて、染色した。免疫染色のために、いくつかの切片を、非特異的免疫組織化学反応をアクセスするために一次抗体から除外した。隣接した切片を、スライド上に取り付け4%のチオフラビン-S(Sigma-Aldrich,St Louis MO)を用いて10分間染色した。なを注意することは、注入量を含む切片の数が制限されることである。以下の方法は、それぞれ僅かな切片と大量の指標にて行うよりむしろわずかであるが信頼できる指標にて測定すべきである。
データの分析:
染色された切片の全てに付く免疫組織化学反応生成物を、前頭皮質および海馬の注入領域に、そして脳の対側の側面に相当する領域に、ビデオメトリック(videometric)V150画像分析システム(Oncor,San Diego,CA)を用いて測定した。データを、Aβ、チオフラビン-SおよびCD45に対し、注入側面と非注入側面の比として提示した。相当する対側の部位に対しそれぞれの注入部位を正規化することは、動物間の変種性の影響を減少させ、そして有意に少ない数のマウスにより、薬剤の効能を信頼可能に測定することができる。処理に関係した可能な違いを評価するために、それぞれの処理グループに対する値の率を、Stat View software version 5.0.1(SAS Institute Inc.,NC)を用いて、その後Fischer's LSD mean comparisonsを用いてANOVAにより分析した。
結果:
前頭皮質および海馬へ頭蓋内注入から72時間後にミクログリアを活性化した唯一の抗体が、無傷な抗-Aβ抗体2286であった。前頭皮質が、海馬より有意に高い活性度を示し、しかしながら、両領域において活性化が、コントロール抗−amnesacタンパク質IgG,F(ab')2、又は抗-2286 F(ab')2(図5A、C、およびD,図6A;P<0.01,又は全ての比較においてより高い)を受けていたグループより有意に高かった。抗-Aβ抗体2286注入の後の海馬の活性化の形状が、ベータ・アミロイドアミノ酸1-16(Biosource,Camarillo,CA)へ結合するモノクロナール抗体の, 抗-Aβ抗体44-352を使用した場合の形状に類似した。歯状回の顆粒細胞層にいける活性の極めて強い領域があり、歯状回のリマインダー満たす活性を極めて大きく分散している。興味深いことに、抗-Aβ(ab')2断片が、前頭皮質と海馬の両方においてミクログリアの活性を全く生成していない(図5B、図6A)。
2の抗-amnesiacタンパク質コントロール群におけるAβの免疫組織化学法は、19.5ヶ月のAPPトランスジェニック・マウスに観察される典型的に染色した形状を示した。マウスは定量的に有為に大きいのは、3.5ヶ月加齢であるにもかかわらず、この形状は、16ヶ月にて観察されたと同じ定性的であった。抗Aβ抗体および抗AβF(ab’)グループが、前頭皮質と海馬のへ注入72時間後に同様の程度へ、全Aβ免疫組織化学に有為に減少した。前頭皮質において、約60%の減少があった(図6B)。海馬における減少が、約65%であった(図5EおよびF、図6B)。
チオフラビン-Sの染色が、緻密な繊維状アミロイド沈着物のみを検知する。コントロール抗-amnesiacタンパク質IgGか染色に典型的に類似スルコントロールF(ab’)2のいずれかの頭蓋内注入を受けるマウスが、この加齢のAPPトランスゲニック・マウスにおいて観察した。海馬において、大部分のチオフラボン-Sのポジテブ斑が、海馬溝近くのアーモンズ・ホーン(Ammon’s horn)および歯状回(dentate gyrus)の外側分子層の位置にある(図5KおよびL)。抗-Aβ抗体IgGが、前頭皮質および海馬において約90%だけチオフラビン-Sのポジテブな緻密斑を有為に減少させた(図6C).海馬においてチオフラビン-Sのポジテブな緻密斑を残すことがないか、又は極めて少ない。対照的に抗-AβのF(ab’)2の断片が、全体のIgG分子として効果的に緻密なアミロイド斑を除去することができない。前頭皮質において、コントロール群のいずれかと比較されるとき、チオフラボン-Sの染色において、有為な減少がない(図6C)。海馬において、抗-AβのF(ab’)2・グループとコントロール群(P<0.05)の間に有為差があり、しかしながら、さらにその減少が、全体的なIgG分子にて観察される減少より有為に少なかった(図5J,図6C;P<0.02以上)。
予測のように、後の処理に関係なく、抗-AβのIgG又は抗- AβのF(ab’)2を受ける全グループに対するCD45とチオフラビン-S値とが、単一の大きな回帰分析において比較されると、logの形質転換されたCD45の値(p<0.001,R = 0.57)が用いられる場合,CD45の免疫組織化学により検知されるマイクログリアの活性レベルの増大と前頭皮質を染色するチオフラビン-Sにより検知されるも緻密な神経斑の除去との間に有為な関連性がある。さらにこの関係は、海馬において観察された(p<0.02,R = 0-427)。
抗体2286を抹消へ注入した後の血清Aβ濃度の増大
アルツハイマー病トランジェニック・モデルマウスの全身的な受身免疫化後のモノクロナール抗体2286の効果を試験するために、本実験を行った。19ヶ月の年齢のTg2576のトランジェニック・マウス(Hsiaoら、1996,Science 274:99-102)を、モノクロナール抗体2286か、抗-健忘症抗体(IgG1コントロール)のいずれかにより、腹腔内へ注射した。抗体を、2ヶ月又は3ヶ月間、体重のKg当り10mgの投与量にて毎週1回1ヶ月注入し、その後Aβの血清濃度および血清中の抗-Aβ抗体の両方を測定した。
Aβの血清濃度が、抗Aβ抗体(Clone 6E10,Signet Laboratories Inc.,Dedham,MA)を、アッセイ・プレート上に固定し、処理されたマウスから誘導された希釈した血清試料にてインキュベートした捕獲アッセイ(capture assay)を用いて判定した。継続的に10回の洗浄のあと、アッセイ・プレートを、第二のビオチン結合抗-Aβ抗体(Clone 4G8,Signet Laboratories Inc.,Dedham MA,USA)にて、その後HRP-結合ストレプトアビジン(Amersham Biosciences Corp.,NJ,USA)を加えてインキュベートした。アッセイ・プレートを吸光度450nmにて判定し、そして血清試料中のAβの濃度を、基準として合成Aβ1-40(American Peptide Company Inc.,Sunnyval CA,USA)の周知の濃度を正規化することにより判定した。血清試料中の2286の抗体の力価を測定するために、抗体-Aβ複合体を、低いpHにより解離し、そして合成Aβ1-40にて前もって被覆された(各ウエル当り0.25μg)アッセイ・プレートにてインキュベートした。継続的に10回の洗浄の後、アッセイ・プレートを、ビオチン結合-ヤギ-抗マウス(H+L)抗体(Vector Laboratories,Burllingame CA,USA)にて、その後HRP-結合ストレプトアビジン(Amersham Biosciences Corp.,NJ,USA)にてインキュベートし、そして吸光度を450nmにて測定した。抗-Aβ抗体の濃度を、精製された2286を周知の濃度の親和性と同じアッセイを行うことにより生成された標準曲線から計算した。
図7に示すように、Tg2576のマウスの2286であるが抗健忘症抗体でない以下の周辺への投与することに、血清Aβの濃度の急激な増大が観察された。血清試料中の抗-Aβのタイターが、血清中の抗体の濃度と処理されたトランスゲニック・マウス(r2 = 0.5125、F = 26.28,P<0.0001,INSTAT PRISM v.4,GraphPad Software Inc.,San Diego,CAにより分析されたデータ)の血清Aβ濃度との間の有為に積極的な関係を示した。これらのデータは、モノクロナール2286が、CNSと血漿との間のAβとの間のAβの平衡を変化し、そしてモノロナール2286の投与が、CNSからAβの除去を容易にできることを示唆している。血清中におけるAβの濃度の増大が、処理されたマウスにおける負荷された脳アミロイドの減少と関連性があるかどうか判定するために、この可能性を試験するために付加された脳アミロイドを測定する必要がある。
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生物物質の寄託
以下の物質を、American Type Culture Collection,10801 University Boulevard,Manassas,Virginia 20110-2209,USA(ATCC)に寄託した。
物質 抗体番号 ATCCアクセス番号 寄託日
8A1.2A1 2286 PTA-5199 May 15,2003
この寄託は、特許手続きおよびそれに基づく調節(ブタペスト条約)を目的とした微生物の寄託の国際承認に関するブタペスト条約の規定に基づいて行われる。これは、寄託日より30年間寄託による多様な培養の維持を保障する。その寄託は、ブタペスト条約の条件とし、そしてReurosience Corp.とATCC間の同意に従って、ATCCにより利用することができ、そして関係する米国特許のそして米国又は外国特許出願のいずれかの公開に基づいて、どちらが最初になっても、その35USCの122条、およびそれに従う長官の規則(特に886OG638へ引用する37CFR1.14を含む)により、そこに権利が与えられるよう、米国の特許及び商標局長官が決定する権利に対する子孫に対する利用可能性を保障する。
本願の譲受人が、寄託に関する物質の培養物が、適切な状態下にて培養されたときに、死んだり、失われたり、又は破壊されたりした場合、別の同じ物質に関する情報に迅速に置き換える必要がある。寄託された物質の利用できることを、特許法によるいずれかの政府の職権に基づいて付保され権利の違反で、本発明を行うべき資格として考えるべきでない。
上記書面の明細書は、当業者が本発明を行うことができるに十分であると考えられる。本発明は、寄託された構成物による範囲に限定されない、それは寄託された実施例が、本発明の特定の観点を単に図示したものであり、且つ機能的に等しい任意の構成物が、本発明の範囲内である。本明細書における物質の寄託は、本明細書に含まれる書面により記載が、その最良の形態を含み、本発明のいずれかの観点から行うことができるに不十分であるとする認可を構成するものでなく、またそれが提示される特定の表示に、特許請求の範囲を限定するものとして構成されるものでない。実際に本明細書に明示されそして記載されるものに加えて本発明の種々の変更が、上記記載から当業者に明らかでありそして添付クレームの範囲内となるであろう。
図1は、Aβに指向したモノクロナール抗体がβAPPと交差反応をしないことを実証する棒グラフである。
図2は、Aβに指向される全てのモノクロナール抗体が、可溶性Aβを捕捉することを実証する棒グラフである。
図3は、8A1.2A1指定のハイブリドーマにより産生される抗体が、Aβ1-40のアミノ酸39および/又は40を含むエピトープへ優先的に結合することを実証している棒グラフである。
図4は、抗体2286,2324,2289又は抗健忘患者からのコントロール抗体を頭蓋内に注入した後の前頭皮質および海馬を染色して、定量化した全Aβ、チオフラビン-S、およびMHC-IIを示す。
図5は、抗-Aβ2286F(ab')2断片が、ミクログリアを活性にしないし、完全な抗-Aβ2286IgGとしてできるだけ効率的に緻密なアミロイド沈着物を除去できないことを示している。パネルA-Dは、海馬におけるCD45の免疫組織化学性を示している。パネルE-Hが、海馬における全Aβの免疫組織化学性を示している。パネルI-Lが、海馬にて染色sするチオフラビン-Sを示している。マウスへ、抗-Aβ2286IgG(A,EおよびI)、抗-Aβ2286F(ab')2断片(B,FおよびJ)、コントロール(抗-健忘患者)IgG(C,GおよびK)、又はコントロール(抗-健忘患者)F(ab')2断片(D,HおよびL)を無傷な状態にて注入した。拡大率=40X、スケール棒=120μmである。
図6は、抗-Aβ2286抗体および抗-Aβ2286F(ab')2断片を頭蓋内に注入した後に定量化として染色した、免疫組織化学性のCD45およびAβの総量、およびチオフラビン-Sを示している。パネルAは、免疫組織化学法によるCD45の右から左側への比率を示している。パネルBは、免疫組織化学法によるAβ総量に対する右から左側の比率を示している。パネルCは、染色したチオフラビン-Sに対する右から左側の比率を示している。ソリッド棒フラフは、前頭皮質の値を示し、そして開いた棒グラフは、海馬の値を示している。x軸上にIgG-Contが、コントロール(抗-健忘症の)としての無傷のIgGを指しており、F(ab')2-Contは、コントロール(抗-健忘症の)F(ab')2の断片を指し、IgG-Aβが、抗-Aβ無傷IgGを指し、F(ab')2-Aβが、抗-AβF(ab')2断片を指す。”***”が、P<0.001を指示し、そして”*”が、両コントロール抗体群と比較してP<0.05を指示している。棒クラフの上の線が指示される特定の対となる群の間を比較するためのP値を指示している。
図7は、抗体2286を全身的に注入した後、血清中のAβの血清レベル(グラフ上部)、および血清中の(グラフ下部)抗-Aβ抗体の濃度を示している。グラフの各点は、指示された条件下に処理された1匹のマウスのAβの血清レベル又は抗-Aβ抗体濃度を表している。グラフの線は、指示されたような条件下に処理されたマウスの平均のAβ血清レベル又は抗-Aβ抗体濃度を表している。
図8は、異なるAβペプチド変種(variants)へ抗体2286および抗体2324の結合を示している。

Claims (50)

  1. 1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先的に結合する抗体、および医薬的に受け入れ可能な担体を含む医薬組成物の有効量を対象体へ投与することを含む、アルツハイマー病を治療する方法。
  2. 抗体が、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸39及び/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する請求項1記載の方法。
  3. 抗体が、Aβ1-42ペプチドとAβ1-43ペプチドとの有意な交差反応性を示さない請求項1又は2のいずれか1項記載の方法。
  4. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項1記載の方法。
  5. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項1記載の方法。
  6. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項2記載の方法。
  7. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項2記載の方法。
  8. 抗体が、アミノ酸配列の配列番号4および6を含むモノクロナール抗体をAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合することを競合的に阻害する請求項1記載の方法。
  9. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体が結合するエピトープと同じエピトープへ結合する請求項1記載の方法。
  10. 抗体がモノクロナール抗体である請求項1記載の方法。
  11. 抗体がヒト化(humanized)抗体である請求項1記載の方法。
  12. 抗体がヒト抗体である請求項1記載の方法。
  13. 1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先的に結合する抗体、および医薬的に受け入れ可能な担体を含む医薬組成物の有効量を対象体へ投与することを含む、対象体内のアミロイド斑の形成を阻害する方法。
  14. 抗体が、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸39及び/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する請求項13記載の方法。
  15. 抗体が、Aβ1-42ペプチドおよびAβ1-43ペプチドとの有意な交差反応性を示さない請求項13記載の方法。
  16. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項13記載の方法。
  17. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項13記載の方法。
  18. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項14記載の方法。
  19. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項14記載の方法。
  20. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体を、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合することを、競合的に阻害する請求項13記載の方法。
  21. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体が結合するエピトープと同じエピトープへ結合する請求項13記載の方法。
  22. 抗体がモノクロナール抗体である請求項13記載の方法。
  23. 抗体がヒト化(humanized)抗体である請求項13記載の方法。
  24. 抗体がヒト抗体である請求項13記載の方法。
  25. アミロイド斑が、対象体の脳内にある請求項13記載の方法。
  26. 1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先的に結合する抗体、および医薬的に受け入れ可能な担体を含む医薬組成物の有効量を対象体へ投与することを含む、対象体内のアミロイド斑を減少させる方法。
  27. 抗体が、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸39及び/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する請求項26記載の方法。
  28. 抗体が、Aβ1-42ペプチドおよびAβ1-43ペプチドと有意な交差反応性を示さない請求項26記載の方法。
  29. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項26記載の方法。
  30. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項26記載の方法。
  31. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項26記載の方法。
  32. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項27記載の方法。
  33. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体を、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合することを、競合的に阻害する請求項26記載の方法。
  34. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体が結合するエピトープと同じエピトープへ結合する請求項26記載の方法。
  35. 抗体がモノクロナール抗体である請求項26記載の方法。
  36. 抗体がヒト化(humanized)抗体である請求項26記載の方法。
  37. 抗体がヒトの抗体である請求項26記載の方法。
  38. アミロイド斑が、対象体の脳内にある請求項26記載の方法。
  39. 1-40ペプチド(配列番号1)のアミノ酸28-40へ優先的に結合する抗体、および医薬的に受け入れ可能な担体を含む医薬組成物の有効量を対象体に投与することを含む、対象体内におけるアルツハイマー病の関連した症状の発症を遅延させる方法。
  40. 抗体が、Aβ1-40のペプチド(配列番号1)のアミノ酸39及び/又は40を含むエピトープへ優先的に結合する請求項39記載の方法。
  41. 抗体が、Aβ1-42ペプチドおよびAβ1-43ペプチドと有意な交差反応性を示さない請求項39記載の方法。
  42. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項39記載の方法。
  43. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項39記載の方法。
  44. 抗体のFab断片が、約200nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)を結合する請求項40記載の方法。
  45. 抗体のFab断片が、約1nM以下の親和性にてAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合する請求項40記載の方法。
  46. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体がAβ1-40のペプチド(配列番号1)へ結合することを競合的に阻害する請求項39記載の方法。
  47. 抗体が、配列番号4および6のアミノ酸配列を含むモノクロナール抗体が結合するエピトープと同じエピトープへ結合する請求項39記載の方法。
  48. 抗体がモノクロナール抗体である請求項39記載の方法。
  49. 抗体がヒト化(humanized)抗体である請求項39記載の方法。
  50. 抗体がヒト抗体である請求項39記載の方法。
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