JP2006505413A - 金属製品圧延設備の生産レンジの拡大方法および設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1つの圧延スタンドが圧延スタンドの形状を変える手段を備え、このコンバーチブルな圧延スタンドL1は圧延力を加える手段(15、16、3,3’)を同じ状態に維持したまま、各形状が1つの生産レンジに対応した少なくとも2つの形状をとることができる。このコンバーチブルな圧延スタンドL1の形状は被圧延製品(M)の特性を関数にして選択され、それによって、生産レンジが拡大される。
Description
本発明はさらに、上記生産レンジの拡大方法を実施する手段を備えた冷間圧延設備に関するものである。
圧延機では2本のワークロール間に製品を通す。ワークロール間の間隙は上流側での製品の厚さ以下である。ロール間ギャップで生じる摩擦によって金属の流れが生じ、ロール出口ではロール間ギャップにほぼ対応する厚さになる。この操作中に金属構造が変化し、製品の硬度は上がる。
そのため、修正値が調整できる複雑なシステムがここ数年前から開発されている。
上記システムでは2つのワークロールのチョックを互いに接近させて製品の端縁の過剰な厚さを補償するいわゆる負の曲げを行ったり、2本のワークロールのチョックを互いに離して製品の中心部分の過剰な厚さを補償する正の曲げを行うことができる。
さらに、この中間ロールを用いることによってより直径の小さいワークロールを使用でき、同じ厚さの低減率に要する圧延力を小さくすることができるという利点もある。
また、製品の幅方向の応力分布をより良く制御するために、四段圧延機のワークロールおよび/または六段圧延機のワークロールを軸線方向に互いに反対方向へ移動させることもできる。
「C.V.C」として知られる別のシステムでは、四段圧延機および/または六段圧延機のワークロールに補助カーブ(curvilignes complementaires)プロフィルを付ける。このプロフィルによってロールが軸線方向移動すると上ロールと下ロールとの間のクラウンを変えることができる。
最近では、接触母線に沿って圧力分布を変化させることができる一連のシリンダーを介して固定シャフトに支持され、このシャフトを中心に回転するスリーブを有するロールを用いて圧延力を伝えて、ワークロールまたは中間ロールと接触する母線に沿った圧延力を変える方法が提案されている。
この装置およびここ数年間に開発されたその他の改良装置を用いることによって、冷間圧延機、特にタンデム圧延機において、最終製品の品質は絶えず改良されている。
しかも、圧延プロセスでは2つのワークロール間で金属が流動するため、ワークロールの直径、回転トルクおよびより一般的には圧延力が加えられる手段を製品の機械的、冶金学的および寸法的特性に合せる必要がある。
そのため、これまでは特性が大幅に制限された製品レンジ用に設計された設備を大量生産の場合にも使用する必要があると考えられてきた。実際、自動車用鋼板と容器用鋼の2つの鋼のファミリーのためだけに年間百万トンを超える極めて大型の設備が作られてきた。
特に、自動車工業では高い性能が得られる極めて精密なグレードの鋼を使用する傾向にある。例えば、自動車用鋼板では、降伏強度が150MPa〜250MPaのいわゆるCQ、DQ、DDQ、EDDQとよばれる鋼グレードや最大降伏強度が600MPaの超高炭素鋼(HSLA)が次々と出てきている一方、降伏強度が160MPaの超低炭素鋼(IF)に対する需要もある。
最近では「TRIP」(Transition Induced Plasticity 遷移誘導塑性)とよばれる鋼が開発されている。この鋼は引き抜き段階でのみ最終再結晶するように製造され、熱間圧延出口での加速冷却時または冷間圧延時に再結晶が起る。通常鋼すなわち低炭素鋼の破断点が降伏強度(Re≒0.8Rm)よりわずか高いのに対し、このTRIP鋼の破断点は降伏強度値の2倍になることもある。そのため加工硬化曲線、従って、各パスの条件が全く別のものになる。すなわち、この鋼は降伏強度ではなく破断点値で一般に特徴付けられる。
本発明の目的は圧延設備の生産レンジを拡大して上記の全ての問題を解決することにある。
本発明方法を用いることによって、製品に要求される厚さ、平坦度および表面仕上げ度を最適に保障するのに必要な全ての手段を備え且つ全てのグレードの鋼で十分な生産性を維持できる状態で、極めて多様な寸法と機械的および冶金学的特性を有する鋼を圧延することができる。
本発明のさらに他の目的は、製品の品質と供給量(トン数)の両方の要求に簡単に適合できる生産ツールを提供することにある。
特に有利な実施例では、各圧延スタンドを少なくとも1つの品質ファクタ(例えば厚さ均一性、平坦性および/または表面仕上げ度)を制御する手段と組合わせて、設備の全生産レンジで同じ品質が維持されるように、少なくとも1つの圧延スタンドの形状を製品の寸法特性、機械的および冶金学的特性を関数にして選択する。
従って、本発明では圧延機の少なくとも1つのスタンドの形状を選択することによって拡大された生産レンジ全体で1回のパスで少なくとも70%の厚さ低減率を得ることができる。
好ましくは、少なくとも第1スタンドの形状を圧延機入口での破断点が600MPa以上の圧延ストリップ用の六段圧延機形状に変え、破断点がそれ以下の圧延ストリップ用には四段圧延機形状に変えることができるようにする。
しかし、最後のスタンドの形状を変えて圧延機出口での製品表面の品質を制御するのも有利である。
別の実施例では、少なくとも1つのスタンド、特に中間スタンドを六段圧延機形状から八段圧延機形状へ、またその逆に変えることができる。
本発明の特に有利な実施例では、スタンドがロール曲げ(cambrage)手段を備え、このロール曲げ手段は両方の形状で同じで、第1形状ではワークロールチョックのバックアップラグと、第2形状では中間ロールチョックのバックアップラグとそれぞれ協働する。このバックアップラグは圧延面の各側で圧延面に対してほぼ同じ高さに配置される。
図示した実施例では圧延部分Lはタンデム運転される4つのスタンドを有する。すなわち、各スタンドで製品の厚さの低減が同時に実施され、各スタンドは製品の強度に合った張力(一般に高い張力)が維持され且つ各スタンドでより高い厚さ圧下率が得られるように制御される。
連続圧延設備についてはこれ以上の説明は必要ないと思われる。この設備の特徴については例えば下記文献に記載の「Sainte Agathe a Sollac Florangeの酸洗・タンデム圧延機」を参照されたい。
Revue de la Metallurgie,1998年3月
一般に、タンデム圧延設備では製品の厚さが一連の圧延スタンドで次第に薄くされ、各スタンドで実施できる圧下率は製品の機械特性および寸法特性と、当然ながら、圧延力を加えるために利用可能な手段とに依存するということは知られている。
1つの重要なパラメータはワークロールの直径であり、この直径によってロールギャップにおける金属の流れ状態が決まる。すなわち、ロールギャップを規定するロールの円形面に沿って生じる摩擦によって金属が送られるので、実施すべき厚さ低減率に対して大きな直径を用いた場合には摩擦角度が小さくなり、従って、ストリップの駆動(entrainement)が容易になる。一般に冷間圧延ではかなり大きな直径、例えば約500mmの直径を有するワークロールを使用する理由はこのためである。
ロール直径が大きいことはさらに別の利点を有する。例えば、ロール直径が大きいと摩耗範囲が大きくなり、周縁部から行う必要のあるロール冷却をより効率的行うことができる。
圧延パスでの可能な最大厚さの低減率は下記の式で表せる:
この点に関して圧延設備に要求される1つの基本的特性は厚さおよび表面仕上げができるだけ一定な製品を供給することである。そのためには厚さ低減プロセスに関与する因子を常に調整して、生産プロセス全体にわたって所望の厚さ低減度、平坦性および表面仕上げを安定に維持しなければならない。
実際に、タンデム圧延機では、互いに連続した2つのスタンド間で得られる高い張力値によって厚さのより高い低減率を得ることができる。しかし、上記の式は直径を大きくすると極めて高い圧延力が生じ、それがストリップの張力値の影響を最小にするということを示している。従って、低減率の安定性は摩擦係数によって確保され、この摩擦係数は潤滑量およびロールの粗さに依存する。
さらに、設備の入口および出口でストリップに加えることができる張力は設備の上流および下流に配置した装置に依存し、それはタンデム圧延スタンドが発生させる張力以下である。
すなわち、高品質の製品の数を良くするためには表面外観が重要である。下流でのストリップの加工操作(亜鉛めっき、塗装等)が正確かつ一定な表面粗さを与えるが、表面粗さはタンデム圧延機の最後のスタンドのワークロール粗さによって与えられる。直径が大きければ大きいほどロールの表面状態をストリップに転写するのが容易になることがわかっている。従って、これが最後のスタンドに大きな直径のロールを選択する別の基準になる。
すなわち、スタンドの形状を簡単に変える手段を備えた少なくとも1つのスタンドを設けることによって、本発明方法でタンデム圧延機の生産レンジを大幅に拡大することができる。
[図3]に示すように、バックアップロール3、3’よりも直径が小さいワークロール2、2’は2つのチョック20、20’に支持され、チョック20、20’は窓11の内側に突出した2つの部材13a、13bに形成された垂直案内面12a、12bに沿って垂直に摺動できる。バックアップロール3、3’のチョック30、30’用の案内面は各スタンドの窓11の垂直側面11a、11bに沿って設けられている。
以下で説明するように、窓11とロールの締付け手段およびパスライン調整手段15、16はバックアップロール3、3’間のギャップを広範囲にわたって調整できるような寸法に設計されているということは理解できよう。
圧延機の各スタンドにはワークロールを曲げる(cambtage)ことによって製品の平坦性を制御する手段をさらに備えている。
既に述べたように、側面案内面12a、12bは各カラム10の2つの取付け部と一体な2つの突出部13a、13bの端部に取り付けられ、曲げシリンダー4、4’は一般にこれらの突出部13a、13によって支持されている。
本発明の装置は上記の種々の課題を解決できる。
各液圧ブロック4a、4bは圧延面Pの高さで窓の内側に突出部13a、13bを有する。この突出部はその内側端にワークロール2、2’のチョック20、20’のための垂直案内面12a、12bを有している。これらのチョックは「ラグ、oreilles」とよばれる当接部21を有し、これらの当接部は垂直締付け面P1の両側から外に突き出ている。
[図3]の実施例では、各曲げシリンダー組立体5が少なくとも一対の対向するシリンダー51、52を有し、これらのシリンダーはそれぞれ圧延面から離れる正の方向および圧延面に近づく負の方向でラグ21の各側に配置されかつ当接している。
さらに、加えられた圧延力が中心から外れずにワークロールを軸線方向に移動させるために、締付け面P1と同じ側に位置した正51aおよび負52aの曲げシリンダーは支持部41a内に収容され、この支持部41aはカラム10の中心部分でこの支持部と組み合わされた液圧ブロック4aに、ロール軸線に平行な方向に摺動可能に取り付けられている。締付け面P1の反対側でも同様である。
[図3]の四段圧延機形状では、突出部13a,13bは2つのロールのチョック20,20’を突出部の両端12a,12bの間に案内するためだけに使用されることがわかる。
しかし、[図4]に示す六段圧延機形状においては、各突出部13はワークロールを曲げるために設計された2つのシリンダー組立体(上側50および下側50’)をさらに支持する。
上述のように、圧延機の窓11および締付け手段15,16はバックアップロール3,3’に十分な調整の範囲を与えるような寸法に設計されている。
従って、ワークロール2、2’を曲げるために四段圧延機形状で設けたのと同じシリンダー組立体5,5’を、同一の軸線方向移動手段を有する六段圧延機形状で中間ロール32,32’を曲げるために、同一の摺動支持部40,40に取り付けて使用する。
しかし、そのためには、六段圧延機圧延機における上側中間ロール32のチョック33のバックアップラグ34が、四段圧延機形状における直径が大きい上側ワークロール2のチョック20のバックアップラグ21とほぼ同じ高さに配置され、かつ、下側ワークロール2および中間ロール22のための圧延面の反対側でも同様である必要がある。
同一のバックアップロール3、3’を用いるため、これらのロールの高さを調整する手段はワークロールおよび中間ロールに必要な空間に適合していなければならず、この空間は六段圧延機形状よりも四段圧延機形状のほうが大きい。ロール力シリンダー15および上側バックアップロール3の高さを調整するための調整ネジ16は十分なストロークがあればよく、それに応じて窓11の寸法を決めるだけでよい。
すなわち、厚さの制御および平坦性の修正をするための同じ圧延力付与手段を用いて大きなワークロールを備えた「四段圧延機」モードから小さいワークロールを備えた「六段圧延機」モードへ迅速に切り換えて、例えば圧延製品の硬度の変化に対処することができる。
この取り換えられた設備はより広い硬度範囲の鋼、特に、降伏強度が高い、従って第1スタンドで既に硬度が高い自動車鋼板用の新しいグレードを圧延することができる。
従って、本発明ではこの第1スタンドL1は通常の鋼に適した四段圧延機形状から六段圧延機形状へ迅速に切り換えるための[図3]および[図4]に示すコンバーチブル型である。そうすることによって1回目のパスで既に高い低減率を実施でき、従って、この種の鋼の用の圧延機を通して最大70%の厚さ圧下率を得ることができる。
この点に関しては、ワークロール直径が小さいと、水平ロールの変位が大きくなり、ストリップの平坦性および圧延スタンドの安定性が損なわれる可能性があることに注目すべきである。このような変位はワークロール支持点が互いに離れた場所にある(すなわち圧延機の幅が大きい)場合により大きくなる。一例としては加工範囲が360〜405mmの66’’幅の圧延機と、加工範囲が425〜485mmの80’’幅の圧延機とを挙げることができる。
さらに、この広範囲なグレード全体にわたって製品の品質を一定に維持するためには、圧延機に厚さを制御しかつ形状の欠陥を修正する同一の手段、例えば[図3]および[図4]を参照して説明したように、四段圧延機形状における上記のロール曲げおよび軸線方向移動装置等を設けることが特に有利である。
実際に、第1スタンドの形状を変えるたけで生産レンジを拡大でき、生産スケジュールの全ての変化に迅速に対応することができる。
例えば、530〜620mmのワークロールを用いた通常グレードの鋼に適した[図1]に示す設備で、例えば厚さ低減率の大部分が実施される第1スタンドL1において降伏強度が高い鋼を圧延できるようにするために第1スタンドL1を360〜485mmの範囲内で選択された直径を有するワークロールを備えた六段圧延機形状に換えることができる。この場合、通常は厚さ低減率の一部を実施する2つの中間スタンドL2およびL3は大きなロールを有する「四段圧延機」モードに維持することができる。
圧延スタンドのこの変更は、摩耗したロールの交換でどのみち必要となる高速ロール交換装置によって行われることは理解できよう。
圧延力を加える手段および圧延力が伝達される条件を調整する手段がそのまま維持されるので、製品の最終品質性能、特に厚さの規則性、平坦性および表面の品質を同じに維持しながら、同じ設備で生産データの変化に極めて迅速に対応できる。
しかし、技術開発が速くなる結果、鉄鋼メーカーは顧客の広範囲の鋼の特性の要求に迅速に応じなければならない。
例えば、加工硬化中に降伏強度が大きく変化する超高炭素鋼を生産する必要があろう。この場合には、鋼の硬度が1つのスタンドからその次のスタンドの間で増大するが、超高炭素鋼では、中間スタンドで制限されるため、全体の所望厚さ低減率を実施するのが難しい。
このようなワークロール直径では周知の「Z−HIGH」形状などの側面当接手段が必要である。
従って、[図3]および[図4]に示す上記の型のコンバーチブルスタンドでは、四段圧延機形状の直径がかなり大きい各ワークロール2、2’を、直径が小さいロールと中間ロールと側部当接ロールとを有する「Z−HIGH」型のインサートに交換することができる。
しかし、その場合には、ロール軸線移動システムを「Z−HIGH」形状で使用することができない。しかも、直径が小さいロールの場合は、六段圧延機形状においてワークロール回転方向と反対の方向に回転する中間ロールをモータ駆動する必要がある。従って、電源および制御装置と組み合わされた駆動モータは、四段圧延機形状におけるワークロールまたは六段圧延機形状における中間ロールを駆動するために全速および全力で両方の回転方向に運転できなければならない。
この課題を解決するために、別の実施例では、圧延機が[図5]〜[図12]に示す形式の少なくとも1つのコンバーチブルスタンドを有し、このコンバーチブルスタンドは六段圧延機形状(図5)で直径が大きいロールを、八段圧延機形状(図6)では側部当接手段を備えた直径が極めて小さいロールを有することができる。
[図5]〜[図7]にはロール曲げ装置およびロールチョックの変形例を示している。この変形例では締付け面の各側で各チョックがロール軸線を通る水平面の各側で互いに間隔をあけて配置された当接部を有し、これらの当接部は圧延カラムと一体な突出部の上下にそれぞれ配置され、その内部に曲げシリンダーが配置されている。
[図5]に示す配置では、直径が大きいワークロール22を、直径が小さいワークロール61とそれと組み合わされた中間ロール62とからなるカセット組立体6に取り換えることができる。2つのロール61、62の直径の合計は[図5]に示す六段圧延機形状におけるワークロール22の直径とほぼ等しく、中間ロール32、32’はほぼ同じ高さに維持される。
八段圧延機形状の各カセット6のフレーム7は六段圧延機形状のワークロール22のチョック23と同じ形状であるので、ロール軸線に平行なロール移動による高速交換システムを使用でき、それによって、チョック23またはフレーム7がロール軸受26、73を介して、突出部42a、42bに取り付けられたレール46に当接する。
突出部42、42’は形状変更中に定位置に維持される曲げシリンダー組立体を支持し、六段圧延機形状ではワークロール22、22’に、八段圧延機形状では第2中間ロール62、62’に正または負の作用を加える。
第2中間ロール62は各側にフレーム7に固定された外側ケージを有する軸受74で支持されたネックを有する。このフレーム7はロール62のチョックの役目をする。
一方、それと組み合わされたワークロール61は各側で軸線方向スラスト軸受75に単に回転自在に取り付けられている。しかし、この軸受は横方向に遊びを残した状態でフレーム7の内面に固定された保持装置76内に取り付けられ、さらに、[図11]に示すように摩耗に起因する全てのロール直径の変化を補償するために、第2中間ロール62にワークロール61を常に押圧するバネ装置77を有する。
八段圧延機形状では、第1中間ロールは直径が小さいワークロールと同じ方向に回転する。従って、六段圧延機形状では直径が小さいワークロールに、八段圧延機形状では第1中間ロールに、スピンドルを介して駆動トルクが加えられるので、両方向に回転するモータを使用する必要がない。
しかし、このような直径が小さいワークロールは回転中に曲がる危険があるので、これらのロールは[図6]の実施例に示すX配置に従って側面支持ロールと組み合わせるのが好ましい。
[図5]に示す六段圧延機形状でスタンドの中心に空間を空けるために、各ロール組立体8は支持フレーム81と一緒に容易に取り外せるのが好ましい。4つの側路82およびシリンダー83のみがスタンドのカラム10に固定されている。
4本のロール組立体8の取り外しは[図7]および[図8]に示す方法で行うことができる。
一つまたは複数の側面バックアップ組立体8、8’もメンテナンスまたは交換の際に、スタンドから容易に取り外すことができる。このためには、ワークロールまたはインサートを取り出した後、スタンドの中心部分にロール交換支持部85を導入する。この際、この支持部85はロール軸受を介して上側レール46に当接し且つ十字形86の2つの直交する壁を支持し、この十字形は4分円(quadrant)を限定し、これらの4分円の中に4つのロール組立体8をシリンダー83で押して導入することができる。次いで、ロール支持フレーム81がシリンダーから分離し、ロール交換支持部85を軸線方向移動によってスタンドから取り外し、4本のロール組立体8、8’を取り去ることができる。
本発明は上記の実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の保護の範囲を逸脱しない限り、代替の解決策を考えることができることは理解できよう。
軸線方向にロールを移動する場合は、曲げ手段も同時に移動させるためにこの曲げ手段も液圧ブロックの固定部分に収容できるのがより好ましい。そのとき、圧力値をスタンドのカラムに対するチョックの中心面位置に合わせて調整する。
本発明で、コンバーチブルスタンドの平坦性制御能力を特にタンデム圧延機の最後のスタンドL4を設けることで高める場合、例えば下記文献に記載の形式の変形可能なスリーブを使用することもできる。
[図9]に示す配置では、ロール組立体8を摺動させる各シリンダー83が圧延面から離れた場所にある軸線を中心として回動するようにカラム10に枢着されている。このシリンダー83はクランクレバー87を回転駆動する。このクランクレバー87は両端がバックアップロール8に関節接合された連結ロッド88を介してバックアップロール8を支持するフレーム81に連結されている。
請求の範囲に記載した参照符号は技術的特徴の理解を助けるためもので、本発明の範囲をなんら制限するものではない。
Claims (29)
- 製品(M)の厚さを順次薄くするためのタンデムに運転される少なくとも2つの圧延スタンド(L1、L2)を有し、各圧延スタンドは2つのワークロール(2、2’)間に圧延力を加える手段(15、16)を有し、所定の生産レンジに対応した製品の寸法、機械特性および冶金学的特性を考慮に入れて圧延スタンドが所定の形状(configuration)を取った時に所定の厚さ低減率が得られるようになっている金属ストリップの冷間圧延設備の生産レンジを拡大する方法であって、
少なくとも1つの圧延スタンド(L1)は形状を変えることができる手段を備えたコンバーチブルスタンド(la cage transformable)であり、このコンバーチブルスタンドは、圧延力を加える手段(15、16、3,3’)を同じ状態に維持したままで、圧延スタンドの形状を少なくとも2つの形状(各形状は1つの生産レンジに合ったもの)に変えることができ、
上記コンバーチブルスタンドの形状は製品(M)の特性を関数にして製品(M)の特性が所定形状に対応する生産レンジ内に入るように選択される
ことを特徴とする方法。 - コンバーチブルスタンドの形状が圧延される製品の材料の硬度を関数にして選択される請求項1に記載の方法。
- コンバーチブルスタンドの形状を変えることによって熱間圧延後の破断点が160MPa〜1000MPaの範囲である製品を含む全生産レンジをカバーすることができる請求項2に記載の方法。
- 厚さの均一性、平坦性および/または表面粗さ等の品質ファクタの少なくとも1つを制御する手段と組合された少なくとも2つの圧延スタンド(L1、L2)を有する圧延設備の生産レンジを拡大する方法であって、
製品(M)の寸法特性、機械的および冶金学的特性を関数にして、上記設備の全生産レンジで同じ品質を維持するように、少なくとも1つの圧延スタンド(L1)の形状を変えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 被圧延製品(M)の特定の特性に合わせるために、少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)の形状を、2つのバックアップロール(3、3’)に支持された2つのワークロール(2、2’)を含む四段(quarto)構造から2つの中間ロール(32、32’)を介して同じバックアップロール(3、3’)に支持された2つのワークロール(2、2’)を含む六段(sexto)構造へ変えるか、その逆に変える請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 被圧延製品(M)の特定の特性に合わせるために、少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)の形状を、それぞれ一対の第1中間ロール(32、32’)を介して一対のバックアップロール(3、3’)に支持された2つのワークロール(22、22’)を含む六段(sexto)構造からそれぞれ一対の第2中間ロール(62、62’)を介して同一の第1中間ロール(32、32’)および同一のバックアップロール(3、3’)に支持された2つのワークロール(61、61’)を含む八段(octo)構造へ変えるか、その逆に変える請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)が着脱自在なワークロール側面当接手段(8、8’)を備え、追加形状時に必要に応じてこの側面当接手段(8、8’)と組合せて直径が小さいワークロール(61、61’)を使用できるようになっている請求項5または6に記載の方法。
- 形状の変更をストリップの走行方向においてタンデム圧延機の少なくとも第1スタンド(L1)で行う請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 破断点が600MPa以下のストリップの圧延時にタンデム圧延機の第1スタンド(L1)を四段圧延機の形状に変える請求項8に記載の方法。
- 圧延機入口での破断点が600MPa以上のストリップの圧延時にタンデム圧延機の少なくとも第1スタンド(L1)を六段圧延機の形状に変える請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 圧延機の第1スタンド(L1)および最後の圧延スタンド(L4)の形状を変える請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 圧延機の少なくとも1つの中間スタンド(L2、L3)の形状を変える請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 圧延機の少なくとも1つの中間スタンド(L2、L3)の形状を変えるとともに、圧延機の第1スタンド(L1)および最後のスタンド(L4)の形状を維持する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 圧延機の少なくとも1つのスタンド(L1)の形状を、全生産レンジで1回のパスでの最小の厚さ低減率が70%になるように、製品の機械的および冶金学的特性を関数にして選択する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- タンデムに運転される少なくとも2つの圧延スタンド(L1、L2)と、これらの圧延スタンド(L1、L2)を通って製品(M)を圧延面Pに沿って走行させる手段とを有し、各スタンドは2つのカラム(10)の間に互いに重ねられた状態で締付け面に平行に摺動可能に取付けられた2本のバックアップロール(3、3’)および2本のワークロール(2、2’)を含む少なくとも4本のロールを有し、さらに、ロール間のギャップを調整しながら圧延力を加える手段(15、16)を有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法を実施するための冷間圧延設備備において、
少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(4)がワークロールの第1のペアー(対)(2、2’)を、直径がより小さいワークロール(61、61’)と中間ロール(62、62’)とを組合わせたものから成る2つのカセット型組立体(6、6’)と迅速に交換する手段を備え、それによってコンバーチブルスタンドは第1生産レンジに適した少なくとも4本のロールを有する第1の形状と、第2生産レンジに適した少なくとも6本のロールを有する第2の形状の2つの形状をとることができ、いずれの形状においても少なくともバックアップロール(3、3’)と圧延力を加える手段(15、16)は同じものが維持されることを特徴とする設備。 - 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)の形状を変える手段によって、このコンバーチブルスタンドを2本のワークロール(2、2’)と2本のバックアップロール(3、3’)とを有する四段圧延機形状から2本のワークロール(22、22’)、2本の中間ロール(32、32’)および同じバックアップロール(3、3’)を有する六段圧延機形状へまたこの逆に変えることができる請求項15に記載の設備。
- 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)の形状を変える手段によって、このコンバーチブルスタンドが、一対の第1中間ロール(32、32’)を介して一対のバックアップロール(3、3’)に支持された2本のワークロール(22、22’)を含む六段圧延機形状から、一対の第2中間ロール(62、62’)を介して同じ第1中間ロール(32、32’)および同じバックアップロール(3、3’)に支持された2本のワークロール(61、61’)を含む八段圧延機形状へまたその逆に変えることができる請求項15に記載の設備。
- 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)が、追加形状時に、直径が小さいワークロール(61、61’)を使用できるようにするための着脱自在なワークロール側面当接手段(8、8’)を備えている請求項15〜17のいずれか一項に記載の設備。
- ワークロールおよび中間ロールがそれぞれ2つのチョックに回転可能に取り付けられ、各チョックは圧延力の伝達条件を調整する手段のための少なくとも2つのバックアップラグを備え、第1の形状のワークロール(2、2’)(22、22’)および第2の形状の中間ロール(32、32’)(62、62’)のそれぞれのバックアップラグ(21、21’)(24、25’)(24’、25’)がほぼ同じ高さに配置され、また、形状を変える時に、第1の形状でワークロール(2、2’)(22、22’)と、第2の形状で中間ロール(32、32’)(62、62’)と協働するように、調整手段(40、40’、5、5’)(42、42’)がスタンド(1)のカラム(10)内の定位置に維持される請求項15〜18のいずれか一項に記載の設備。
- 少なくともコンバーチブルスタンド(L1)が、スタンド(1)のカラム(10)と一体な支持部(40、40’)(42、42’)に取り付けられたロール曲げ(cambrage)手段(5、5’)を備え、このロール曲げ手段(5、5’)は圧延面の各側で両方の形状で同一であり、第1の形状ではワークロール(2、22)のチョックのバックアップラグ(21、24、25)と、第2形状では中間ロール(32、62)のチョックのバックアップラグ(33、63)とそれぞれ協働し、チョック(20、33、63)のバックアップラグ(21、24、25)(34、64)は圧延面(P)の各側で圧延面に対してほぼ同じ高さに配置される請求項19に記載の設備。
- 第1の形状においてワークロール(2、22)のチョック(20、20’)のバックアップラグ(21、21’)が圧延面Pの反対側でロール軸線に対してオフセットし、第2の形状において中間ロール(32、32’)のチョック(33、33’)のバックアップラグ(34、34’)がロール軸線に対して圧延面(P)へ向かってオフセットして、ワークロール(2、2’)のラグ(21、21’)および中間ロール(32、32’)の(34、34’)がほぼ同じ高さに配置されかつ同一の曲げ手段(5、5’)と協働する請求項20に記載の設備。
- 第1および第2の形状のワークロール(2、2’)(22、22’)のチョック(20、20’)(23、23’)がタラム(10)と一体な突出部(13a、13b)の端部に設けられた案内面(12a、12b)の間に摺動可能に取り付けられ、上記突出部は第2の形状のワークロール(22、22’)とのみ協働する曲げ手段(50、50’)を支持する請求項21に記載の設備。
- 曲げ手段(5、5’)を支持する支持部(42、42’)の端部に設けられた案内面の間にロールのチョックが摺動可能に取り付けられ、各チョック(23、23’)(7、7’)がこの支持部(42、42’)の上下に配置された2対のバックアップラグ(24、25、24’、25’)(71、72、71’、72’)を備える請求項20に記載の設備。
- 第1の形状のワークロール(2、2’)のチョック(20、20’)および第2の形状の中間ロール(32,32’)のチョック(33、33’)がスタンドのカラム(10)と一体な支持部(40、40’)に支持された同一の曲げ手段(5、5’)と協働し、さらに、中間ロール(32,32’)のチョック(33、33’)が上記支持部(40、40’)の端部に設けられた案内面(41)の間に締付け面P1に平行に摺動可能に取り付けられている請求項23に記載の設備。
- 各形状においてロールギャップを製品の幅に合わせるために、第1の形状のワークロール(2、22)および第2の形状の中間ロール(22,22’)の曲げ手段(5、5’)を支持する支持部(40、40’)がそれぞれ、圧延面Pの上下で、ロール軸線に平行な方向かつ互いに反対方向に摺動可能に取り付けられている請求項24に記載の設備。
- 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L1)が四段圧延機形状で2本のバックアップロール(3、3’)と直径が大きな2本のワークロール(2、2’)とを備え、六段圧延機形状では同じのバックアップロール(3、3’)、直径が小さい2本のワークロール(22、22’)および2本の中間ロール(32、32’)を備える請求項15〜25のいずれか一項に記載の設備。
- 少なくとも1つのコンバーチブルスタンド(L2)が六段圧延機形状では一対バックアップロール(3、3’)、一対の第1中間ロール(32、32’)および一対のワークロール(22、22’)を備え、八段圧延機形状では間にカセット組立体(6、6’)が挿入された同じのバックアップロール(3、3’)と同じ第1中間ロール(32、32’)を備え、各組立体は直径が小さい1本のワークロール(61、61’)と1本の第2中間ロール(62、62’)との組合せで構成される請求項15〜25のいずれか一項に記載の設備。
- コンバーチブルスタンド(L1)がスタンド(1)のカラム(10)に取り付けられた側面当接手段(8、8’)を備え、この側面当接手段(8、8’)が六段圧延機形状のための離れた位置と八段圧延機形状のための直径の小さい各ワークロール(61、61’)の側面バックアップとの係合位置との2つの位置の間を移動可能である請求項27に記載の設備。
- 八段圧延機形状の各カセット組立体(6、6’)が芯出し軸受(74)を有するチョックの形をした保持フレーム(7、7’)に支持された2つのネック部分を有する1本の第2中間ロール(62、62’)と、この第2中間ロール(62、62’)にワークロール(61、61’)を押圧するバネ手段(77)によって第2中間ロール(62、62’)を保持するフレーム(7、7’)に連結されたボックス(76)に収容された軸方向スラスト(75)によってそれぞれ支持された2つのセンタリングネック部分を有する直径が小さいワークロール(61、61’)とを有する請求項27または28に記載の設備。
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