JP2006344750A - 磁気メモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】 書き込み電流を低減可能な磁気メモリを提供する。
【解決手段】 TMR素子5に設けられた永久磁石層9が形成する静磁界Hαは、固定層4が形成する静磁界Hβを、感磁層2の位置において相殺する。すなわち、合成磁界(Hα+Hβ)の大きさが零となる。したがって、書き込み電流Iを正方向に流すことにより感磁層2の磁化の向きを変更する場合(正変更とする)の書き込み電流Iの大きさと、書き込み電流Iを負方向に流すことにより感磁層2の磁化の向きを変更する場合(負変更とする)の書き込み電流Iの大きさは等しくなる。すなわち、永久磁石層9が無い場合と比較して、磁化の向きの正変更、負変更の双方の場合に必要な書き込み電流Iの大きさを減少させることができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、磁気メモリに関する。
MRAM(Magnetic RandomAccess Memory)は、格子状に配線されたビット線とワード線の交点にTMR素子(TMR;Tunnel Magnetoresistance)を配置した構造を有する。TMR素子は、2つの強磁性層間に非磁性層を有する強磁性層/非磁性絶縁層/強磁性層の三層構造からなる。強磁性層は、通常は厚さ10nm以下の遷移金属磁性元素(Fe、Co、Ni)又は遷移金属磁性元素の合金(CoFe、CoFeNi、NiFe等)からなり、非磁性絶縁層は、AlやMgO等からなる。
TMR素子を構成する一方の強磁性層(固定層)は、磁化の向きを固定しており、他方の強磁性層(感磁層又は自由層)は磁化の向きが外部磁界に応じて回転する。なお、固定層の構造としては、反強磁性層(FeMn、IrMn、PtMn、NiMn等)を一方の強磁性層に付与した交換結合型が良く用いられる。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子を構成する2つの強磁性体の磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか、反平行であるかに依存して規定される。これら2つの強磁性体の磁化の向きが反平行の時、磁化の向きが平行の時に比べて、厚み方向の電気抵抗の値が大きい。
したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子の厚み方向に電流を流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子の抵抗値又は電流値を測定することで行う。
「1」、「0」の情報の書き込みは、TMR素子近傍に配置した配線に電流を流すことで形成される磁界の作用によって、TMR素子の自由層の磁化の向きを回転させることで行う。
このような磁気メモリに磁気ヨークを用いたものが知られており(例えば、下記特許文献1)、かかる構造の磁気メモリによれば、書き込み電流を低減することができる。
特開2004−128430号公報
しかしながら、自由層は固定層が形成する静磁界内に位置しており、自由層は、この静磁界と、情報書き込み用磁界との合成磁界によって、磁化の向きが変更される。
すなわち、固定層は一方向の静磁界を与えているので、この静磁界を与える磁力線の向きと、自由層の磁化の向きの変更に要する情報書き込み用磁界を与える磁力線の向きとが、自由層の位置において等しい場合には、情報書き込み用磁界の大きさは小さくて済み、逆の場合には、情報書き込み用磁界の大きさは相対的に大きくなる。
すなわち、自由層の磁化の向きの変更に必要な書き込み電流の大きさは、この書き込み電流の流れる向きに依存して異なることになる。書き込み電流は、正負いずれの向きに流す場合においても、大きさを等しくすることが合理的であるため、書き込み電流の大きさは、相対的に大きな方の値を採用することとなる。このように、書き込み電流の低減には改善の余地がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、書き込み電流を低減可能な磁気メモリを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る磁気メモリは、二次元配列した複数の記憶領域を備えた磁気メモリにおいて、複数の記憶領域のそれぞれは、感磁層と固定層との間に非磁性層を有する磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子に情報を書き込むための磁界を発生させる書き込み配線と、磁気抵抗効果素子に電気的に接続された読み出し配線とを備え、感磁層の位置における固定層が発生した静磁界を相殺するように、磁気抵抗効果素子に永久磁石層を設けたことを特徴とする。
書き込み配線に通電を行うと、書き込み配線の長手方向を囲む方向に磁力線が発生し、磁力線が感磁層に与えられる。読み出し配線には、磁気抵抗効果素子からの電流が流れるので、また、この電流量(抵抗値)は感磁層の磁化の向きに依存するので、読み出し配線を介して記憶されたデータを読み出すことができる。
ここで、磁気抵抗効果素子に設けられた永久磁石層が形成する静磁界は、固定層が形成する静磁界を、感磁層の位置において相殺する。すなわち、合成磁界の大きさが零となる。したがって、書き込み電流を正方向に流すことにより感磁層の磁化の向きを変更する場合(正変更とする)の書き込み電流の大きさと、書き込み電流を負方向に流すことにより感磁層の磁化の向きを変更する場合(負変更とする)の書き込み電流の大きさは、等しくすることができる。すなわち、永久磁石層が無い場合と比較して、磁化の向きの正変更、負変更の双方の場合に必要な書き込み電流の大きさを減少させることができる。
なお、感磁層の位置における合成磁界の相殺とは、完全な相殺であることが好ましいが、感磁層の位置における上記双方の静磁界の向きが逆であれば、部分的な相殺であっても一定の効果を奏する。
また、永久磁石層は、感磁層に接合していることが好ましい。この場合、永久磁石層と感磁層との距離を近くすることができるので、永久磁石層が形成する静磁界は、固定層の形成する静磁界を、感磁層内において容易に相殺することができる。
また、永久磁石層は、感磁層にスペーサ層を介して設けられていることが好ましい。すなわち、感磁層内に形成する静磁界の強さは、非磁性体のスペーサ層の厚みによって調整することができるため、上記磁界の相殺を更に精密に制御することができる。
スペーサ層の厚みをD、感磁層の厚みをD、永久磁石層磁化方向の長さをLx、永久磁石層の重心位置Oから感磁層の重心位置Oまでの距離をDzとした場合、0.05<Dz/Lx<0.3となるようDs、Dが設定されている。
この場合、x軸方向(永久磁石層の磁化方向)中心部と端部におけるHx比(=Hx(x=中心位置)/Hx(x=端部)])は、300%〜33%の範囲に収まることとなり、x軸方向の位置に対する磁化の強さの変動を抑制することができる。
この場合には、上記磁界の相殺を感磁層内において高い均一性で行うことができる。
本発明の磁気メモリによれば、書き込み電流を低減することができる。
以下、実施の形態に係る磁気メモリについて説明する。なお、同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、磁気メモリの斜視図(a)、磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き平行時)(b)、磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き反平行時)(c)である。
図1(a)に示すように、磁気メモリ1は、二次元配列した複数の記憶領域P(X,Y)を備えている。X=1〜m、Y=1〜nとする(m、nは2以上の整数)。複数の記憶領域P(X,Y)のそれぞれは、感磁層2と固定層4との間に非磁性層3を有する磁気抵抗効果素子(TMR素子)5を備えている。
TMR素子5の上方には、書き込み配線6が配置されており、TMR素子の厚み方向の上下面には読み出し配線7が接続されている。書き込み配線6の周囲には磁気ヨーク8が配置されており、磁気ヨーク8は感磁層2に与える磁力線を発生する。
「1」、「0」の情報の書き込みは、TMR素子5の近傍に配置した書き込み配線6に電流を流すことで形成される磁界の作用によって、TMR素子5の感磁層2の磁化の向きを回転させることで行う。すなわち、書き込み配線6に電流Iを通電すると、書き込み配線6の長手方向を囲む方向に磁力線が発生し、磁気ヨーク8を介して磁力線が感磁層2に与えられる。この磁力線の向きは磁気ヨーク8と共に一点鎖線矢印で示す。例えば、正方向に電流Iを流した場合には「1」が記録され、負方向に電流Iを流した場合には「0」が記録されるものとする。
磁気ヨーク8は、書き込み配線6の周囲を囲んでいるので、隣接素子への磁束の漏れを抑制し、また、感磁層2内の磁束密度を増加させる。したがって、書き込み配線6に流れる電流Iは、磁気ヨーク8が無い場合と比較して小さくなる。読み出し配線7には、TMR素子5からの電流が流れる。また、この電流Iの電流量(TMR素子5の抵抗値)は感磁層2の磁化の向きに依存する。したがって、読み出し配線7を介してTMR素子5に記憶されたデータを読み出すことができる。
メモリ情報の「1」、「0」は、TMR素子5を構成する感磁層2と固定層4の磁化の向きの状態に応じて、すなわち、磁化の方向が平行であるか(図1(b))、反平行であるか(図1(c))に依存して規定される。感磁層2と固定層4の磁化の向きが反平行の時(図1(c))、磁化の向きが平行の時に比べて(図1(b))、厚み方向の電気抵抗Rの値が大きい。換言すれば、平行時の抵抗Rは閾値R以下であり、反平行時の抵抗Rは閾値Rよりも大きくなる。
したがって、「1」、「0」の情報の読出しは、TMR素子5の厚み方向に電流Iを流し、MR(磁気抵抗)効果によるTMR素子5の抵抗値又は電流値を測定することで行う。
磁気メモリ1においては、格子状にビット線BLとワード線WLが設けられている。ワード線WLの電位を上昇させると、読出し配線7に設けられたトランジスタQR(X,Y)のゲート電位が上昇し、この状態でビット線BLの電位を上昇させると、読出し電流Iが読出し配線7を介してTMR素子5を厚み方向に流れる。読出しのアドレス(X,Y)を指定した場合、ワード線WLとビット線BLの双方の電位を上昇させることで、このアドレス(X,Y)の記録情報を読み出すことができる。
なお、読出し配線7に接続されたワード線WL、ビット線BL、トランジスタと同様の関係で、書き込み配線6にワード線、ビット線、トランジスタを接続することができ、データの書き込みアドレス(X,Y)を指定することができる。一例を図2に示す。
図2は、記憶領域P(X,Y)内の回路図である。
本例では、書き込み配線6に、読出し配線7とは独立に、ビット線BL’が接続され、書き込み配線6に対して直列にトランジスタQW(X,Y)が接続されている。このトランジスタQW(X,Y)のゲートには、読出し配線7とは独立にワード線WL’が接続されており、書き込みアドレス(X,Y)を指定した場合には、ワード線WL’とビット線BL’の双方の電位を正方向又は負方向に上昇させることにより、アドレス(X,Y)のTMR素子5に「1」、「0」のデータを書き込むことができる。
なお、本例では、書き込み配線6に流す電流Iのアドレス(X,Y)は、読出し配線7に流す電流Iのアドレス(X,Y)とは独立に指定する回路を示しているが、ワード線、ビット線、トランジスタは、設計に応じていずれかを共通とすることができる。例えば、ビット線BLとビット線BL’を共通のビット線としても、データの読出しと書き込みのタイミングが異なれば、本回路は機能する。
図3は、感磁層2の磁気ヒステリシス曲線を示すグラフである。縦軸は磁束密度B(T:テスラ)を示し、横軸は外部磁界H(A/m)を示す。
保磁力Hcが大きい物質は硬磁性材料(永久磁石)であるが、感磁層2は高い透磁率を有するが保磁力Hcは小さい軟磁性材料からなる。書き込み電流Iを増加させると、外部磁界Hが強くなり、磁束密度Bが増加して、磁界Hmにおいて飽和磁束密度Bmに到達する。磁束密度Bが飽和した後、外部磁界を無くしても残留磁束密度Brが残り、これを打ち消すためには保磁力Hcが必要となる。
感磁層2は、固定層4の形成する磁界内に配置されているので、常に一定の磁界Hβ内に配置されている。すなわち、固定層4が存在する場合、感磁層2の磁気ヒステリシス曲線は原点Oを通る縦軸に対して非対称となり(オフセット)、曲線LOLDで示される。
そこで、本磁気センサでは、感磁層2の位置における固定層4が発生した静磁界Hβを相殺するように、TMR素子5に永久磁石層9(図5参照)を設け、オフセット成分を除去することとした(曲線LNEW)。
永久磁石層9が形成する静磁界Hαは、固定層4が形成する静磁界Hβを、感磁層2の位置において相殺する。すなわち、合成磁界(Hα+Hβ)の大きさが零となる。したがって、書き込み電流Iを正方向に流すことにより感磁層2の磁化の向きを変更する場合(正変更とする)の書き込み電流Iの大きさと、書き込み電流Iを負方向に流すことにより感磁層2の磁化の向きを変更する場合(負変更とする)の書き込み電流Iの大きさは等しくなる。すなわち、永久磁石層9が無い場合と比較して、磁化の向きの正変更、負変更の双方の場合に必要な書き込み電流Iの大きさを減少させることができる。
感磁層2の位置における合成磁界(Hα+Hβ)の相殺とは、完全な相殺であることが好ましいが、感磁層2の位置における双方の静磁界(Hα,Hβ)の向きが逆であれば、部分的な相殺であっても一定の効果を奏する。
図4は、磁気ヨーク8を含む記憶素子の平面図、図5は図4に示した記憶素子のV−V矢印縦断面図である。
磁気ヨーク8の内部には、書き込み配線6が通っている。下地基板10上には、TMR素子5が形成されており、その上方には書き込み配線6が配置されている。なお、TMR素子5の上下面には読出し配線(7)に接続される電極が設けられている(図示せず)。
永久磁石層9は、TMR素子5の書き込み配線6側の表面に設けられている。したがって、永久磁石層9の下方に位置する感磁層2は、固定層4の静磁界と共に永久磁石層9の静磁界内に容易に位置し、効果的に上記磁界の相殺を行うことができる。なお、永久磁石層9の形成する静磁界は、感磁層2に対して直接的に働く。また、TMR素子5と書き込み配線6との間には、絶縁材料が介在していてもよい。
磁気ヨーク8は、例えば、下部磁気ヨーク8aを下地基板10上に形成した後、中央部にマスクをして側部磁気ヨーク8bを形成し、マスクを除去して書き込み配線6を形成し、その上に絶縁層を形成した後、この上に上部磁気ヨーク8cを堆積すれば形成することができる。なお、下地基板10上には、磁気ヨーク8の形成前にTMR素子5を予め形成しておく。
感磁層2の材料としては、例えばCo、CoFe、NiFe、NiFeCo、CoPt、CoFeBなどの強磁性材料を用いることができる。
非磁性絶縁層3の材料としては、例えばAl、Zn、Mgといった金属の酸化物または窒化物、例えばAlやMgOが好適である。固定層4の構造としては、反強磁性層を強磁性材料層に付与した交換結合型が良く用いられる。また、反強磁性層の材料としては、IrMn、PtMn、FeMn、PtMn、NiMn、PtPdMn、NiO、またはこれらのうち任意の組み合わせの材料を用いることができる。
磁気ヨーク8を構成する軟磁性体の強磁性層の材料としては、NiFe、NiFeCu(Ni0.4Fe0.1Cu0.5)、FeZrB(Fe0.81Zr0.070.12)、FeZrBCu(Fe0.87−XZr0.070.12Cu、Fe0.81−XZr0.070.12Cu(0≦X≦0.02))を用いることができる。
配線材料としては、Cu、AuCu、W、Al等を用いることができる。
なお、磁気ヨーク8の縦断面形状は、書き込み配線6の周囲に位置し、且つ、感磁層2に磁界を提供できるものであれば、同図のような方形環状である必要はなく、円環状や三角形環状であってもよい。
図6は、TMR素子5の具体的な断面図である。
固定層4は、反強磁性層4aと強磁性層(ピンド層)4bを積層してなる。強磁性層4b上には、非磁性絶縁層3が形成され、その上に感磁層2を構成する強磁性層2a及び強磁性層2bが順次積層されている。
本例では、反強磁性層4aはIrMn、強磁性層4bはCoFe、非磁性絶縁層3はAl、強磁性層2aはCoFe、強磁性層2bはNiFeからなる。なお、感磁層2にCoを混入するとMR比が向上する。なお、固定層4の磁化の向きは、書き込み配線の長手方向及び厚み方向の双方に垂直な方向に固定されている。
強磁性層2bには、永久磁石層9が接合している。永久磁石層9は、硬磁性体のCoPt、CoCrPt、SmCo、NdFeB等を用いることができる。
図7は、別のTMR素子5の具体的な断面図である。
このTMR素子5の図6に示したものとの相違点は、スペーサ層Sを感磁層2と永久磁石層9との間に備えている点のみである。換言すれば、永久磁石層9は、感磁層2にスペーサ層Sを介して設けられている。この場合、感磁層2内に形成する静磁界の強さHαは、非磁性体のスペーサ層Sの厚みによって調整することができるため、上述の磁界の相殺を更に精密に制御することができる。スペーサ層Sは、Cu、Ta,Ti等の導電体の非磁性体からなる。
図8は、スペーサ層Sの周辺部の縦断面構成を示す説明図である。
永久磁石層9の重心位置を原点Oとし、原点Oを通り厚み方向に平行な軸をz軸、z軸及び書き込み配線6の長手方向に垂直な方向をx軸とし、永久磁石層9の磁化の向きとは逆向きをx軸の正方向とする。感磁層2の重心位置をOとする。
スペーサ層Sの厚みをD、感磁層2の厚みをD、永久磁石層9の重心位置Oから厚み方向に距離Dzだけ離れた位置の磁界の強さをHxとする。重心位置Oは感磁層2の厚みDの1/2の点に位置し、重心位置Oは永久磁石層9の厚みDの1/2の点に位置する。距離Dzは、永久磁石層9の重心位置Oと、感磁層2の重心位置をOとの間の距離であると考える。ちなみに、距離Dz=永久磁石層厚の半分(D/2)+スペーサ層厚D+感磁層厚の半分(D/2)である。
図9は、原点Oからの幅方向の位置xと、永久磁石層9からの磁界の強さHx(Oe)との関係を有するグラフである。永久磁石層9のx方向の長さをLx(nm)とする。同グラフには、z軸方向の距離Dzを2nm、5nm、10nm、20nm、40nmとして変化させた場合の特性、これらの値を規格化して示すとすると、それぞれz軸方向の規格化距離(Dz/Lx)を、0.2、0.1、0.05、0.025、0.01とした場合の特性が示されている。永久磁石層9の寸法は、縦200nm、横200nm(=Lx)、厚み1nmである。感磁層2の厚みDを例えば3nmであるとすると、永久磁石層9の重心位置Oと、感磁層2の重心位置をOとの間の距離Dzが0.5nm+1.5nm=2nmの場合には、これらの層は接触する。永久磁石層9はCoCrPtとし、(体積)磁化の強さは400(emu/cm)=4×10(A/m)であるとする。
距離zが10〜40nmの場合、規格化して示すと、0.05<Dz/Lxの場合には、幅方向の両端部においてHxにピークが生じず、感磁層2内の磁界の強さは均一化されている。
ここで、スペーサ層Sの厚みD、感磁層2の厚みD、永久磁石層9の磁化方向の長さLx、永久磁石層9の重心位置O、重心位置Oから厚み方向に離れた距離Dzのパラメータの設定に関しては、以下の関係を満たすように、スペーサ層Sの厚みDs、感磁層2の厚みDを調整する。
0.05<Dz/Lx<0.3
この場合、x軸方向(永久磁石層の磁化方向)中心部と端部におけるHx比(=Hx(x=中心位置)/Hx(x=端部)])は、300%〜33%の範囲に収まることとなり、x軸方向の位置に対する感磁層内での磁化の強さの変動を抑制することができる。以下、補足説明を行う。
図10は、規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx、Hx比(=[Hx(X=0nm)/Hx(x=95nm)])の関係を示すグラフである。なお、x軸方向の端部は(=95nm)は、x軸の中心から永久磁石層9の最終端までの距離(Lx/2)の95%であることとした。この永久磁石層9は図9に示したものと同一であり、Lx=200nmである。x=0nmにおいては、Hxは規格化距離Dz/Lxの変動によても10(Oe)程度と一定である。x=95nmにおいては、規格化距離Dz/Lxが0.05を超えた場合に、特に0.1を超えた場合に一定値に収束する傾向がある。
図11は、規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx、Hx比(=[Hx(X=0nm)/Hx(x=195nm)])の関係を示すグラフである。この永久磁石層は9は、図9に示したものと比較して縦横の寸法(縦400nm×横400nm)のみが異なり、他の要素は同一である。Lx=400nmである。x=0nmにおいては、Hxは規格化距離Dz/Lxの変動によっても5(Oe)程度と一定である。x=195nmにおいては、規格化距離Dz/Lxが0.05を超えた場合に、特に0.1を超えた場合に一定値に収束する傾向がある。
図12は、規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx、Hx比(=[Hx(X=0nm)/Hx(x=47.5nm)])の関係を示すグラフである。この永久磁石層は9は、図9に示したものと比較して縦横の寸法(縦100nm×横100nm)のみが異なり、他の要素は同一である。Lx=100nmである。x=0nmにおいては、Hxは規格化距離Dz/Lxの変動によっても20(Oe)程度と一定である。x=47.5nmにおいては、規格化距離Dz/Lxが0.05を超えた場合に、特に0.1を超えた場合に一定値に収束する傾向がある。
以上のように、図10〜図12に示したいずれの場合も、0.05<Dz/Lx<0.3を満たす場合、x軸方向中心部と端部におけるHx比(%)は、300%〜33%の範囲に収まることとなり、x軸方向の位置に対する磁化の強さの変動を抑制することができる。
この場合には、上記磁界の相殺を感磁層内において、高い均一性で行うことができる。なお、磁界の強さは、永久磁石層9の厚さDp、その残留磁化に比例し、x軸方向(着磁方向)の長さに反比例する。
図13、図14、図15は、図5に示した記憶素子の製造方法の説明図である。同図中において、英字(a)〜(o)は記憶素子の縦断面図を示し、数字(1)〜(15)は記憶素子の平面図を示す。
まず、図13(a)及び図13(1)に示すように、下地基板10を用意する。下地基板10は、基板上にTa層(5nm)、AuCu層(30nm)、Ta層(5nm)をスパッタ法で順次積層してなる。これらの金属層のパターニングは、まず、基板上に金属層を堆積後、ホトレジスト膜を金属層残留領域内に残して形成し、全面のミリングを行うことで残留領域周囲の金属層を除去し、この金属層除去領域内に適当な絶縁材料を充填した後、リフトオフを行うことで残留領域上の絶縁材料を除去し、この領域内の金属層を露出させる。この金属層は、TMR素子5の下部電極として機能し、読み出し配線7に接続される(図1参照)。なお、パターニングによって金属層を含む下部電極(下地基板)10は、読み出し配線7に接続される電極パッド10pを有することとなる。
次に、図13(b)及び図13(2)に示すように、下地基板10上にスパッタ法でTMR素子5用の磁性層及び永久磁石層9を順次形成する。
この上に、図13(c)に示すようにホトレジストPR1を塗布し、次に、図13(3)に示すように、下地基板10上においてx軸方向に延びるy軸方向幅MTJ−y=0.2〜1.28のμmのホトレジストPR1を残留させる。
次に、この残留したホトレジストPR1をマスクとして、永久磁石層9及びTMR素子5用の磁性層を順次ミリングして除去し、しかる後、SiOやAl等の絶縁層ISを全面に堆積した後(30nm)、ホトレジストPR1を除去し、図13(d)及び図13(4)に示すように、下地基板10上にパターニングされたTMR素子5を得ることができる。TMR素子5の周囲には絶縁層ISが残留することとなる。
次に、図13(e)及び図13(5)に示すように、永久磁石層9上にy軸方向に延びるx軸方向幅MTJ−x=0.2〜0.8μmのホトレジストPR2をパターニングする。
次に、図13(f)及び図13(6)に示すように、このホトレジストPR2をマスクとして、下地基板10が露出するまでミリングを行い、続いて、Alなどの絶縁層IS2をスパッタ法で堆積し(10nm)、更に、下部磁気ヨーク8aとなるFeNi層を堆積して(10nm〜30nm)、ホトレジストPR2のリフトオフを行う。必要に応じて、FeNi層の堆積の前又は後にTa層(5nm)を形成してもよい。
次に、図14(g)に示すように、ホトレジストPR3を磁性層8a上に形成し、続いて、図14(7)に示すように、ホトレジストPR3をy軸方向幅By−y(=0.35〜2.1μm)でx軸方向に延びるようにパターニングし、これをマスクとして絶縁層IS2が露出するまでミリングを行い、図14(h)及び図14(8)に示すように、残留したホトレジストPR3と同一形状に磁性層8aをパターニングし、全面に絶縁層IS3を形成した後、ホトレジストPR3をリフトオフして、磁性層8aの周囲に絶縁層IS3形成する。
次に、図14(i)及び図14(9)に示すように、磁性層8aのx軸方向両端部が露出するように磁性層8a上にホトレジストPR4を形成し、x軸方向の長さが0.8〜1.4μmとなるように磁性層8aのミリングを行う。
次に、図14(j)及び図14(10)に示すように、磁性層8aの周囲の領域にSiO等の絶縁層IS4を堆積し、ホトレジストPR4のリフトオフを行い、磁性層8aを露出させる。
次に、図14(k)及び図14(11)に示すように、TMR素子5の上部に位置する永久磁石層9が露出するようにホトレジストをパターニングし、永久磁石層9上にAuCu(10nm)の上部電極10’をTMR素子5に電気的に接続するように形成し、続いてAl等の上部電極10’上に絶縁層10”を形成し、このホトレジストのリフトオフを行う。なお、上部電極10’のx軸方向幅Wは、TMR素子5の上面のx軸方向幅の1.5〜2倍に設定する。また、上部電極10’の端部は電極パッド10p’を構成している。
次に、図15(l)及び図15(12)に示すように、上部電極10’上に絶縁層10”を介して書き込み配線6をスパッタ法で形成する。書き込み配線6は、Ta層(5nm)、Cu層(200nm)、Ta層(5nm)を順次積層してなる。なお、書き込み配線6の形成前には、書き込み配線6の形成予定領域が開口するマスクをホトレジストで形成しておき、書き込み配線6の形成後にリフトオフを行う。なお、書き込み配線6の両端部には電極パッド6pが形成されている。
次に、図15(m)及び図15(13)に示すように、書き込み配線6の上部が開口するマスクをホトレジストPR5で形成する。
続いて、図15(n)及び図15(14)に示すように、このホトレジストPR5の開口を介して書き込み配線6上に絶縁層6’(Al:30nm)を形成し、ホトレジストPR5をリフトオフする。書き込み配線6は、絶縁層10”及び絶縁層6’により囲まれることとなる。
最後に、図15(o)及び図15(15)に示すように、磁性層8aの上部が開口したホトレジストを形成し、この上から側部磁気ヨーク8b及び上部磁気ヨーク8cの材料を堆積した後、ホトレジストをリフトオフし、記憶素子が完成する。
なお、永久磁石層9(図13(d))の形成前にスペーサ層S(図8)を形成する場合には、上部電極10を予めTMR素子6に電気的に接続するように形成しておく。
本発明は、磁気メモリに利用することができる。
磁気メモリの斜視図(a)、磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き平行時)(b)、磁気抵抗効果素子の縦断面図(磁化の向き反平行時)(c)である。 記憶領域P(X,Y)内の回路図である。 感磁層2の磁気ヒステリシス曲線を示すグラフである。 磁気ヨーク8を含む記憶素子の平面図である。 図4に示した記憶素子のV−V矢印縦断面図である。 TMR素子5の具体的な断面図である。 TMR素子5の具体的な断面図である。 スペーサ層Sの周辺部の縦断面構成を示す説明図である。 原点Oからの幅方向の距離xと、永久磁石層9からの磁界の強さHx(Oe)との関係を有するグラフである。 規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx(Oe)、Hx比(%)の関係を示すグラフである。 規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx(Oe)、Hx比(%)の関係を示すグラフである。 規格化距離(Dz/Lx)と磁化の強さHx(Oe)、Hx比(%)の関係を示すグラフである。 図5に示した記憶素子の製造方法の説明図である。 図5に示した記憶素子の製造方法の説明図である。 図5に示した記憶素子の製造方法の説明図である。
符号の説明
1・・・磁気メモリ、2・・・感磁層、2a・・・強磁性層、2b・・・強磁性層、3・・・非磁性絶縁層、4b・・・強磁性層、4a・・・反強磁性層、4・・・固定層、6・・・絶縁層、6p・・・電極パッド、7・・・配線、8a・・・下部磁気ヨーク、8b・・・側部磁気ヨーク、8c・・・上部磁気ヨーク、8・・・磁気ヨーク、9・・・永久磁石層、10・・・下地基板(上部電極)、P・・・記憶領域。

Claims (4)

  1. 二次元配列した複数の記憶領域を備えた磁気メモリにおいて、
    前記複数の記憶領域のそれぞれは、
    感磁層と固定層との間に非磁性層を有する磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子に情報を書き込むための磁界を発生させる書き込み配線と、
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続された読み出し配線と、
    を備え、
    前記感磁層の位置における前記固定層が発生した静磁界を相殺するように、前記磁気抵抗効果素子に永久磁石層を設けたことを特徴とする磁気メモリ。
  2. 前記永久磁石層は、前記感磁層に接合していることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  3. 前記永久磁石層は、前記感磁層にスペーサ層を介して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の磁気メモリ。
  4. 前記スペーサ層の厚みをD、前記感磁層の厚みをD、前記永久磁石層磁化方向の長さをLx、前記永久磁石層の重心位置Oから前記感磁層の重心位置Oまでの距離をDzとした場合、0.05<Dz/Lx<0.3となるようDs、Dが設定されていることを特徴とする請求項3に記載の磁気メモリ。
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