JP2004158766A - 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】R−Hカーブのシフトを極力低減して、書き込み電流のアンバランスによる消費電力増大や非選択セルの誤書き込みを解決できる、二重接合TMR素子構造の磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】第1の磁化固着層と、第1のトンネルバリア層と、第1の強磁性層、非磁性層および第2の強磁性層を含む磁化自由層と、第2のトンネルバリア層と、第2の磁化固着層とを有し、第1および第2の磁化固着層の磁化の向きが互いに反対向きであり、第1の強磁性層と前記第2の強磁性層とが非磁性層を介して反強磁性結合し、第1および第2の強磁性層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、第1および第2の磁化固着層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、磁化の大きい磁化固着層は第1および第2の強磁性層のうち磁化の小さい強磁性層に近い側に形成されている磁気抵抗効果素子。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果素子およびメモリセルに磁気抵抗効果素子を用いた磁気メモリ装置たとえば磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)などに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、情報を記憶するセル部に磁気抵抗効果を持つ磁気素子を用いたメモリ装置であり、高速動作、大容量および不揮発性を実現可能な次世代メモリ装置として注目されている。磁気抵抗効果とは、強磁性体に磁場を印加すると強磁性体の磁化の向きに応じて電気抵抗が変化する現象である。こうした強磁性体の磁化の向きを情報の記憶に用い、それに対応する電気抵抗の大小で情報を読み出すことによりメモリ装置(MRAM)として動作させることができる。近年、2つの強磁性層の間に絶縁層(トンネルバリア層)を挟んだサンドイッチ構造を含む強磁性トンネル接合において、トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)により20%以上の磁気抵抗変化率(MR比)が得られるようになった。このことをきっかけとして、トンネル磁気抵抗効果を利用した強磁性トンネル接合磁気抵抗効果素子(TMR素子)を用いたMRAMが期待と注目を集めている。
【0003】
MRAMにTMR素子を用いる場合、トンネルバリア層を挟む2つの強磁性層のうち、一方を磁化の向きが変化しないように固着した磁化固着層(磁化基準層)とし、他方を磁化の向きが反転しやすい磁化自由層(記憶層)とする。磁化固着層と磁化自由層との磁化の向きが平行な状態と反平行な状態を2進情報の“0”と“1”に対応付けることで情報を記憶することができる。記録情報の書き込みは、TMR素子近傍に設けられた書き込み配線に電流を流して発生する誘導磁場により磁化自由層の磁化の向きを反転させることにより行う。また、記録情報の読み出しは、TMR効果による抵抗変化分を検出することにより行う。
【0004】
従って、磁化自由層に関しては、TMR効果による抵抗変化率(MR比)が大きく、磁化反転に必要な磁場すなわちスイッチング磁場が小さいことが好ましい。一方、磁化固着層に関しては、磁化が反転しにくくなるように磁化の向きを固定することが必要であり、そのためには、強磁性層に接するように反強磁性層を設けて交換結合力により磁化反転を起こりにくくするという方法が用いられる。この構造において磁化固着層の磁化の向きは磁場を印加しながら熱処理すること(磁化固着アニール)により決定される。
【0005】
ここで、従来のMRAMの問題点について説明する。図6に、従来のMRAMを構成する二重接合TMR素子を模式的に示す。このTMR素子は、IrMn第1反強磁性層1、CoFe第1磁化固着層(第1ピン層)2、Al第1トンネルバリア層3、CoFeNi磁化自由層(フリー層)4、Al第2トンネルバリア層5、CoFe第2磁化固着層(第2ピン層)6、IrMn第2反強磁性層7を積層した構造を有する。こうしたTMR素子は、MRAMのメモリセルとして所定の形状に加工される。図6に示されるように、第1ピン層2と第2ピン層6の磁化の向きは、互いに平行になっている。
【0006】
スイッチング特性の観点から、TMR素子の抵抗−磁場ヒステリシス曲線(以下、R−Hカーブという)は原点に対し対称であることが好ましいが、従来は種々の磁気的な結合に起因して、R−Hカーブが原点からシフトするという問題が発生していた。このようなR−Hカーブのシフトが起こると、トンネルバリア層を挟む磁化固着層と磁化自由層との間で、磁化固着層の磁化に対して磁化自由層の磁化が平行から反平行へスイッチングする磁場の大きさと、反平行から平行へスイッチングする磁場の大きさが異なるようになる。その結果、磁化反転に必要な書き込み電流が正負のどちらかで大きくなる、R−Hカーブのシフトが大きすぎて磁化平行または磁化反平行のいずれかの状態に固定される、シフト量のばらつきに応じて非選択セルでの誤書き込みが起こるなど、多くの問題が起こる。
【0007】
上述したR−Hカーブのシフトを引き起こす原因となる磁気的な結合は2つに大別され、それぞれ図7(a)および(b)に示すようなシフトを引き起こす。
【0008】
ひとつは、各強磁性層の加工により形成された端面から発生する漏洩磁場(図6に破線矢印で表示)による静磁結合である。この場合、トンネルバリア層を挟む磁化固着層と磁化自由層の磁化が反平行になろうとする力が働き、図7(a)に示すようなR−Hカーブのシフトが引き起こされる。この漏洩磁場の静磁結合によるR−Hカーブのシフト量Hshift_sfはTMR素子の磁化容易軸方向の長さに反比例することが知られている。そして、TMR素子のサイズが1μm以下(メガビット級MRAMのメモリセルサイズに相当する)では、シフト量Hshift_sfは、スイッチング磁場Hswと同程度またはより大きな値となる。
【0009】
もうひとつは、トンネルバリア層の界面の凹凸に起因して発生するネール結合である。図8にネール結合を概略的に示す。図8は、第1ピン層2、第1トンネルバリア層3およびフリー層4の部分を示し、第1トンネルバリア層3の界面の凹凸に起因してネール結合が発生することを示している。この場合、トンネルバリア層を挟む磁化固着層と磁化自由層の磁化が平行になろうとする力が働き、図7(b)に示すようなR−Hカーブのシフトが引き起こされる。
【0010】
ネール結合に起因するR−Hカーブのシフト量Hshift_Nは下記の式1で表される。
【0011】
【数1】
Figure 2004158766
【0012】
ここで、πは円周率、hおよびλはそれぞれトンネルバリア界面の凹凸の振幅と波長、Msは磁化固着層の飽和磁化、tおよびtはそれぞれ磁化自由層およびトンネルバリア層の厚さである。
【0013】
この式からわかるように、Hshift_Nの大きさはメモリセルのサイズには依存しないが、トンネルバリア近傍の細かなラフネスには敏感である。たとえば、1nm程度(数原子層オーダー)のラフネスであってもスイッチング磁場の大きさと同程度となる。
【0014】
以上のように、MRAMのメモリセルとしてTMR素子を用いる場合には、Hshift_sfおよびHshift_Nのいずれも特性を大きく左右するパラメータとなる。特に、動作バイアス時の出力を大きくするために改良された図6に示すような二重接合TMR素子では、これらがそれぞれ約2倍となるため、メモリ動作をさせる上でこれらを小さくすることが大きな課題になってある。
【0015】
上記のような磁気結合起因のR−Hカーブのシフトを低減するために以下のような技術が提案されている。
【0016】
たとえば、米国特許第6172904号明細書には、磁化固着層(基準層)、トンネルバリア層、磁化自由層、スペーサ層、追加磁化固着層(追加基準層)という構造を有する磁気メモリセルが提案されている。この磁気メモリセルでは、磁化固着層(基準層)の磁化の向きと追加磁化固着層(追加基準層)の磁化の向きとが反対向きになっている。このような構造であれば、磁化自由層において、基準層による磁気結合と追加基準層による磁気結合をキャンセルすることができる。しかし、この構造を適用した二重接合TMR素子を作製すると、磁化自由層の磁化の向きがどちらであっても、一方の磁化固着層に対しては磁化平行、もう一方の磁化固着層に対しては磁化反平行となるため、TMR効果を観測することができない。
【0017】
また、特開2001−156357号公報には、磁化固着層、トンネルバリア層、強磁性層/非磁性層/強磁性層という3層構造の磁化自由層(記憶層)、トンネルバリア層、磁化固着層という二重接合TMR素子構造を有するMRAMが提案されている。下部および上部の磁化固着層は、磁化の向きが互いに反対向きになっている。また、磁化自由層(記憶層)に含まれる下部および上部の2つの強磁性層は非磁性層を介して反強磁性結合しており、磁化の向きが互いに反対向きになる。このようなMRAMでは、外部磁場の向きに応じて磁化自由層(記憶層)に含まれる下部および上部の2つの強磁性層で磁化反転が起こり、それぞれ下部および上部のトンネルバリア層を介して設けられている下部および上部の磁化固着層の磁化の向きに対し同時に平行または反平行となり、TMR効果を観測することができる。しかし、このような構造のMRAMでも、各強磁性層の材料や厚さによってはR−Hカーブのシフト量が大きくなるため、この構造を採用するだけではR−Hカーブのシフトをなくすことはできない。
【0018】
【特許文献1】
米国特許第6172904号明細書
【0019】
【特許文献2】
特開2001−156357号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、R−Hカーブのシフトを極力低減して、書き込み電流のアンバランスによる消費電力増大や非選択セルの誤書き込みといった問題を解決できる、書き込み特性に優れた二重接合TMR素子構造の磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子は、第1の磁化固着層と、第1のトンネルバリア層と、第1の強磁性層、非磁性層および第2の強磁性層を含む磁化自由層と、第2のトンネルバリア層と、第2の磁化固着層とを有し、前記第1および第2の磁化固着層の磁化の向きが互いに反対向きであり、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層とが前記非磁性層を介して反強磁性結合し、前記第1および第2の強磁性層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、前記第1および第2の磁化固着層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、磁化の大きい磁化固着層は前記第1および第2の強磁性層のうち磁化の小さい強磁性層に近い側に形成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明の他の態様に係る磁気抵抗効果素子は、第1の磁化固着層と、第1のトンネルバリア層と、第1の強磁性層、第1の非磁性層、第3の強磁性層、第2の非磁性層および第2の強磁性層を含む磁化自由層と、第2のトンネルバリア層と、第2の磁化固着層とを有し、前記第1および第2の磁化固着層の磁化の向きが互いに反対向きであり、前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層とが前記第1の非磁性層を介して磁気結合し、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層とが前記第2の非磁性層を介して磁気結合し、これら2つの磁気結合のうち一方が強磁性結合、もう一方が反強磁性結合であることを特徴とする。
【0023】
本発明のさらに他の態様に係る磁気メモリ装置は、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の配線の上方において、前記第1の方向と交差する方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との間に設けられた上記のいずれかの磁気抵抗効果素子とを有することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係る磁気抵抗効果素子は、2つのトンネル接合層を有する、いわゆる二重接合TMR素子であり、第1の磁化固着層、第1のトンネルバリア層、積層構造を有する磁化自由層(記憶層)、第2のトンネルバリア層、第2の磁化固着層という積層構造を有し、第1および第2の磁化固着層の磁化の向きは互いに反対向きになっている。
【0025】
本発明の一態様に係る磁気抵抗効果素子では、磁化自由層(記憶層)が、第1の強磁性層、非磁性層および第2の強磁性層の3層構造を有し、第1の強磁性層と前記第2の強磁性層とが非磁性層を介して反強磁性結合し、第1および第2の強磁性層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きくなっている。
【0026】
本発明の他の態様に係る磁気抵抗効果素子では、磁化自由層(記憶層)が、第1の強磁性層/第1の非磁性層/第3の強磁性層/第1の非磁性層/第2の強磁性層という5層構造を有し、第1の強磁性層と第3の強磁性層とが第1の非磁性層を介して磁気結合し、第2の強磁性層と第3の強磁性層とが前記第2の非磁性層を介して磁気結合し、これら2つの磁気結合のうち一方が強磁性結合、もう一方が反強磁性結合となっている。
【0027】
いずれの態様の磁気抵抗効果素子でも、磁化自由層の端面から漏洩磁場が発生しており、この磁化自由層の端面において第1の磁化固着層からの漏洩磁場と第2の磁化固着層からの漏洩磁場とが打ち消しあうように設計することにより、漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減することができる。
【0028】
また、第1の磁化固着層と、第2の磁化固着層の飽和磁化の大きさをほぼ等しくすることにより、ネール結合によるR−Hカーブのシフトを低減することができる。
【0029】
本発明に係る磁気抵抗効果素子においては、磁化自由層を複数層の強磁性層と非磁性層との積層構造とするのに加えて、第1の磁化固着層および/または第2の磁化固着層を複数層の強磁性層と非磁性層との積層構造にしてもよい。この場合、一方の磁化固着層を偶数層の強磁性層と非磁性層との積層構造、たとえば反強磁性層に接する強磁性層、非磁性層およびトンネルバリア層に接する強磁性層の積層構造として、トンネルバリア層に接する強磁性層の磁化を反強磁性層に接する強磁性層の磁化よりも大きくし、他方の磁化固着層を反強磁性層とトンネルバリア層に接する単層の強磁性層とすることにより、第1および第2の磁化固着層の磁化の向きは互いに反対向きにすることができる。また、他方の磁化固着層を、3層以上の奇数層の強磁性層と非磁性層との積層構造、たとえば強磁性層/非磁性層/強磁性層/非磁性層/強磁性層の積層構造としてもよい。なお、このような積層構造を有する磁化固着層を用いた場合、第1および第2の磁化固着層の磁化の向きとは、磁化固着層に含まれる強磁性層のうちトンネルバリア層に接する強磁性層の磁化の向きを意味する。
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る二重接合TMR素子についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図である。このTMR素子は、第1反強磁性層1、CoFe第1磁化固着層(第1ピン層)2、Al第1トンネルバリア層3、NiFeCo下部フリー層41/Ru非磁性層40/NiFeCo上部フリー層42の3層構造を有する磁化自由層(記憶層)4、Al第2トンネルバリア層5、CoFe第2磁化固着層(第2ピン層)6、第2反強磁性層7を積層した構造を有する。このTMR素子は、MRAMのメモリセルとして所定の形状に加工される。
【0031】
図1に示されるように、第1ピン層2と第2ピン層6とは、磁化の向きが互いに反対向きになっている。磁化自由層(記憶層)4の下部フリー層41と上部フリー層42とは非磁性層40を介して反強磁性結合しており、磁化の向きが互いに反対向きになる。下部フリー層41および上部フリー層42は、外部磁場の向きに応じて磁化反転を起こし、それぞれ第1ピン層2および第2ピン層6の磁化の向きに対し同時に平行または反平行となるので、TMR効果を観測することができる。
【0032】
このTMR素子においては、下部フリー層41と上部フリー層42の磁化の大きさは、いずれか一方が大きくなるように設定されている。たとえば、下部フリー層41の膜厚を上部フリー層42の膜厚より厚くすると、下部フリー層41の磁化は上部フリー層42の磁化よりも大きくなる。こうすることにより、この記憶層には正味の磁化が発生し、その磁化の中心(もしくは重心)は、記憶層の中間ではなく、厚くした下部フリー層42側にずれることとなる。
【0033】
図1のTMR素子においては、以下のような手段によりR−Hカーブのシフトを極力低減することができる。ここで、図1のTMR素子における各強磁性層の磁化M、飽和磁化Msおよび各層の厚さtを以下のように表す。
【0034】
第2ピン層6 Mp2、Msp2、tp2
第2トンネルバリア層5 tb2
上部フリー層42 Mf2、Msf2、tf2
非磁性層40 tfn
下部フリー層41 Mf1、Msf1、tf1
第1トンネルバリア層3 tb1
第1ピン層2 Mp1、Msp1、tp1
まず、ネール結合によるR−Hカーブのシフトを低減するには以下のような手段を用いる。式1に示したように、ネール結合の大きさを決定する要因は、トンネルバリア層界面のラフネス、ピン層の飽和磁化、フリー層およびトンネルバリア層の厚さである。二重接合TMR素子では、通常、2つのトンネルバリア層の厚さを同じ、すなわちtb1=tb2とする。このとき、2つのトンネルバリア層界面のラフネスはほとんど同じ大きさになる。この場合、第1ピン層2および第2ピン層6の飽和磁化を同じ、すなわちMsp1=Msp2にすれば、ネール結合によるR−Hカーブのシフトをほぼ打ち消すことができる。
【0035】
一方、漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減するには、下部フリー層41の磁化Mf1と上部フリー層42の磁化Mf2との差に応じて、第1ピン層2の磁化Mp1および第2ピン層6の磁化Mp2を調整する。具体的には、
f1>Mf2の場合、Mp1<Mp2
f1<Mf2の場合、Mp1>Mp2
とする。このように各強磁性層の磁化を調整することにより、磁化自由層(記憶層)4の近傍において漏洩磁場による静磁結合が打ち消しあう向きに働き、漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減することができる。
【0036】
より厳密には、磁化自由層(記憶層)4の磁化の中心位置に相当する端面近傍で2つのピン層2、6からの漏洩磁場の大きさがほぼ同じになるように設計する。
【0037】
また、簡単のために、下部フリー層41および上部フリー層42の飽和磁化が等しい、すなわちMsf1=Msf2とする。上述したように、tb1=tb2、Msp1=Msp2である。
【0038】
フリー層4全体の磁化の中心は、下側トンネルバリアの上面からa=(tf1+tf2)/2+tfn×tf2/(tf1+tf2)の高さに位置する。このフリー層全体の中心位置に相当する端面において、2つのピン層2、6からの漏洩磁場による静磁結合をキャンセルするには以下の関係式を満たすように第1ピン層2および第2ピン層6の厚さtp1、tp2を決定する。
【0039】
1/(tb1+a)−1/(tb1+a+tp1)=
1/(tb2+t−a)−1/(tb2+t−a+tp2) …式2
(ここで、t=tf1+tf2+tfnである)。
【0040】
たとえば、Mf1>Mf2(tf1>tf2)の場合、式2を満たすためにはtp1<tp2として、Mp1<Mp2の関係を満たすようにする。逆に、Mf1<Mf2(tf1<tf2)の場合、tp1>tp2としてMp1>Mp2の関係を満たすようにする。
【0041】
なお、Mf1=Mf2の場合にはMp1=Mp2とすればよいと考えられるが、この場合には磁化の向きを規定できないので不適当である。
【0042】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図である。このTMR素子は、第1反強磁性層1、CoFe下部ピン層21/Ru非磁性層20/CoFe上部ピン層22の3層構造を有する第1磁化固着層(第1ピン層)2、Al第1トンネルバリア層3、NiFeCo下部フリー層41/Ru非磁性層40/NiFeCo上部フリー層42の3層構造を有する磁化自由層(記憶層)4、Al第2トンネルバリア層5、CoFe第2磁化固着層(第2ピン層)6、第2反強磁性層7を積層した構造を有する。
【0043】
図2のTMR素子は第1ピン層2を強磁性層/非磁性層/強磁性層の3層構造からなるシンセティックピン構造としている点で、図1のTMR素子と異なる。第1ピン層2に含まれる下部ピン層21および上部ピン層22は非磁性層20を介して反強磁性結合しており、これにより第1ピン層2(上部ピン層22)と第2ピン層6の磁化の向きは互いに反対向きとなっている。また、トンネルバリア層3に接する上部ピン層22の磁化は、反強磁性層1に接する下部ピン層21の磁化よりも大きくなっている。
【0044】
図1と同様に、磁化自由層(記憶層)4の下部フリー層41と上部フリー層42とは非磁性層40を介して反強磁性結合しており、磁化の向きが互いに反対向きになる。下部フリー層41と上部フリー層42の磁化の大きさは、いずれか一方が大きくなるように設定されている。たとえば、下部フリー層41の膜厚を上部フリー層42の膜厚より厚くすると、下部フリー層41の磁化は上部フリー層42の磁化よりも大きくなる。
【0045】
図2のTMR素子においては、以下のような手段によりR−Hカーブのシフトを極力低減することができる。ここで、図2のTMR素子における各強磁性層の磁化M、飽和磁化Msおよび各層の厚さtを以下のように表す。
【0046】
第2ピン層6 Mp2、Msp2、tp2
第2トンネルバリア層5 tb2
上部フリー層42 Mf2、Msf2、tf2
非磁性層40 tfn
下部フリー層41 Mf1、Msf1、tf1
第1トンネルバリア層3 tb1
上部ピン層22 Mp12、Msp12、tp12
非磁性層20 Mp1n、Msp1n、tp1n
下部ピン層21 Mp11、Msp11、tp11
ネール結合をキャンセルするために、Msp12=Msp2、tb1=tb2とする。また、簡単のために、Msp11=Msp12とし、下部フリー層41および上部フリー層42の飽和磁化が等しい、すなわちMsf1=Msf2とする。
【0047】
漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減するには、以下のように設計する。たとえば、下部フリー層41の厚さtf1を上部フリー層42の厚さtf2より厚くして、Msf2・tf2<Msf1・tf1とした場合、
Msp12・tp12−Msp11・tp11<Msp2・tp2 …式3
とする。より具体的には、図2に示される各層の厚さを以下のように設定する。
【0048】
p11=2nm、tp1n=1nm、tp12=4.7nm、tb1=1.5nm、tf1=3nm、tfn=1nm、tf2=2nm、tb2(=tb1)=1.5nm、tp2=3nm。
【0049】
逆に、下部フリー層41の厚さtf1を上部フリー層42の厚さtf2より薄くして、Msf2・tf2>Msf1・tf1とした場合、
Msp12・tp12−Msp11・tp11>Msp2・tp2 …式4
とする。
【0050】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図である。このTMR素子は、第1反強磁性層1、CoFe下部ピン層21/Ru非磁性層20/CoFe上部ピン層22の3層構造を有する第1磁化固着層(第1ピン層)2、Al第1トンネルバリア層3、CoFe下部フリー層41/Ru第1非磁性層401/NiFeCo中間フリー層43/Ru第2非磁性層402/CoFe上部フリー層42の5層構造を有する磁化自由層(記憶層)4、Al第2トンネルバリア層5、CoFe第2磁化固着層(第2ピン層)6、第2反強磁性層7を積層した構造を有する。
【0051】
図3のTMR素子は磁化自由層(記憶層)4を強磁性層/非磁性層/強磁性層/非磁性層/強磁性層の5層構造としている点で、図2のTMR素子と異なる。下部フリー層41と中間フリー層43とは第1非磁性層401を介して磁気結合し、上部フリー層42と中間フリー層43とは第2非磁性層402を介して磁気結合している。これら2つの磁気結合のうち一方が強磁性結合であり、他方が反強磁性結合である。図3は、下部フリー層41と中間フリー層43とが強磁性結合し、上部フリー層42と中間フリー層43とが反強磁性結合している例を示している。この結果、磁化自由層(記憶層)4のうちトンネルバリア層3、5に接する下部フリー層41および上部フリー層42の磁化の向きは互いに反対向きになっている。
【0052】
図2と同様に、第1ピン層2に含まれる下部ピン層21および上部ピン層22は非磁性層20を介して反強磁性結合しており、これにより第1ピン層2(上部ピン層22)と第2ピン層6の磁化の向きは互いに反対向きとなっている。また、トンネルバリア層3に接する上部ピン層22の磁化は、反強磁性層1に接する下部ピン層21の磁化よりも大きくなっている。
【0053】
図3のTMR素子においては、以下のような手段によりR−Hカーブのシフトを極力低減することができる。ここで、図3のTMR素子における各強磁性層の磁化M、飽和磁化Msおよび各層の厚さtを以下のように表す。
【0054】
第2ピン層6 Mp2、Msp2、tp2
第2トンネルバリア層5 tb2
上部フリー層42 Mf2、Msf2、tf2
第2非磁性層402 tfn2
中間フリー層43 Mf3、Msf3、tf3
第1非磁性層401 tfn1
下部フリー層41 Mf1、Msf1、tf1
第1トンネルバリア層3 tb1
上部ピン層22 Mp12、Msp12、tp12
非磁性層20 Mp1n、Msp1n、tp1n
下部ピン層21 Mp11、Msp11、tp11
ネール結合をキャンセルするために、Msp12=Msp2、tb1=tb2とする。また、簡単のために、Msp11=Msp12とし、下部フリー層41および上部フリー層42の飽和磁化が等しい、すなわちMsf1=Msf2とする。
【0055】
漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減するには、
Msf2・tf2≒Msf1・tf1 …式5
Msp12・tp12−Msp11・tp11≒Msp2・tp2 …式6
とする。より具体的には、図3に示される各層の厚さを以下のように設定する。
【0056】
p11=2nm、tp1n=1nm、tp12=5nm、tb1=1.5nm、tf1=2nm、tfn1=1.4nm、tf3=2nm、tfn2=1nm、tf2=2nm、tb2(=tb1)=1.5nm、tp2=3nm。
【0057】
なお、強磁性層/非磁性層/強磁性層/非磁性層/強磁性層の5層構造を有する磁化自由層(記憶層)において、非磁性層の材料としては、Au、Ag、Ir、Cr、Re、Nb、Pd、Pt、Cu、Ruなどを用いることができる。そして、2つの磁気結合のうち一方を強磁性結合、他方を反強磁性結合とするには、それぞれの非磁性材料に応じて2つの磁性層の厚さを適切に設定すればよい。たとえば、図3では下部フリー層41と中間フリー層43とを強磁性結合させるために、第1非磁性層として厚さ1.4nmのRuを用いているが、その代わりに厚さ1nmのCuを用いてもよい。
【0058】
図4は、本発明の第4の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図である。このTMR素子は、第1反強磁性層1、CoFe下部ピン層21/Ru非磁性層20/CoFe上部ピン層22の3層構造を有する第1磁化固着層(第1ピン層)2、Al第1トンネルバリア層3、NiFeCo下部フリー層41/Ru非磁性層40/NiFeCo上部フリー層42の3層構造を有する磁化自由層(記憶層)4、Al第2トンネルバリア層5、CoFe下部ピン層61/Ru非磁性層601/CoFe中間ピン層62/Ru非磁性層602/CoFe上部ピン層63の5層構造を有する第2磁化固着層(第2ピン層)6、第2反強磁性層7を積層した構造を有する。
【0059】
図4のTMR素子では、第1ピン層2が3層のシンセティックピン構造であり、第2ピン層が5層のシンセティックピン構造である。第1ピン層2に含まれる下部ピン層21および上部ピン層22は非磁性層20を介して反強磁性結合している。同様に、第2ピン層6に含まれる下部ピン層61、中間ピン層62および上部ピン層63は非磁性層601、602を介して反強磁性結合している。これにより第1ピン層2(上部ピン層22)と第2ピン層6(下部ピン層61)の磁化の向きは互いに反対向きとなっている。
【0060】
図1、図2と同様に、磁化自由層(記憶層)4の下部フリー層41と上部フリー層42とは非磁性層40を介して反強磁性結合しており、磁化の向きが互いに反対向きになる。下部フリー層41と上部フリー層42の磁化の大きさは、いずれか一方が大きくなるように設定されている。たとえば、下部フリー層41の膜厚を上部フリー層42の膜厚より厚くすると、下部フリー層41の磁化は上部フリー層42の磁化よりも大きくなる。この磁化自由層(記憶層)4からは漏洩磁場が発生している。
【0061】
図4のTMR素子においては、以下のような手段によりR−Hカーブのシフトを極力低減することができる。ここで、図4のTMR素子における各強磁性層の磁化M、飽和磁化Msおよび各層の厚さtを以下のように表す。
【0062】
上部ピン層63 Mp23、Msp23、tp23
非磁性層602 tp2n2
中間ピン層62 Mp22、Msp22、tp22
非磁性層601 tp2n1
下部ピン層61 Mp21、Msp21、tp21
第2トンネルバリア層5 tb2
上部フリー層42 Mf2、Msf2、tf2
第2非磁性層402 tfn2
中間フリー層43 Mf3、Msf3、tf3
第1非磁性層401 tfn1
下部フリー層41 Mf1、Msf1、tf1
第1トンネルバリア層3 tb1
上部ピン層22 Mp12、Msp12、tp12
非磁性層20 Mp1n、Msp1n、tp1n
下部ピン層21 Mp11、Msp11、tp11
ネール結合をキャンセルするために、Msp12=Msp21、tb1=tb2とする。また、簡単のために、下部フリー層41および上部フリー層42の飽和磁化が等しい、すなわちMsf1=Msf2とする。
【0063】
漏洩磁場静磁結合によるR−Hカーブのシフトを低減するには、フリー層の磁化の大きさに関係なく、
p12・tp12≒Mp11・tp11 …式7
p21・tp21+Mp23・tp23≒Mp22・tp22 …式8
とする。このようにすれば、第1ピン層2および第2ピン層6からの漏洩磁場をそれぞれのピン層内でキャンセルすることができ、磁化自由層(記憶層)4に対して漏洩磁場静磁結合が発生しない。より具体的には、図4に示される各層の厚さを以下のように設定する。
【0064】
p11=2nm、tp1n=1nm、tp12=2nm、tb1=1.5nm、tf1=3nm、tfn=1nm、tf2=2nm、tb2(=tb1)=1.5nm、tp21=2nm、tp2n1=1nm、tp22=4nm、tp2n2(=tp2n1)=1nm、tp23(=tp21)=2nm。
【0065】
図5は、本発明に係る磁気メモリ装置のメモリセルを示す断面図である。図5において、シリコン基板101上にはゲート電極102が形成され、ゲート電極102の両側のシリコン基板101表面にはソース/ドレイン領域103、104が形成されている。これらの部材により選択トランジスタが形成されている。ゲート電極102は紙面に直交する方向に延びており、ワードライン(WL1)として用いられる。シリコン基板101の全面には絶縁層105が形成され、この絶縁膜105中に、選択トランジスタのドレイン領域104に接続された接続プラグ106、紙面に直交する方向に延びるワードライン(WL2)107、接続プラグ106に接続された下地電極108、ワードライン(WL2)107の上方に配置され、下地電極108に接続されたTMR素子109が埋め込まれている。TMR素子109の上面にはワードライン(WL2)107の方向と交差する方向に延びるビットライン(BL)110が接続されている。上記のTMR素子109としては、たとえば図1〜図4のいずれかが用いられる。
【0066】
図5に示すように、この磁気メモリ装置は、紙面に直交する方向に延びるワードライン(WL2)107と、ワードライン(WL2)107上方においてこれに交差する方向に延びるビットライン110と、ワードライン(WL2)107とビットライン110との間に設けられたTMR素子109とを有する。TMR素子109への書き込み動作は、ワードライン(WL2)107とビットライン110に書き込み電流を流して電流磁界を発生させ、両者の合成磁界によりTMR素子109の磁化自由層の磁化を反転させることにより行われる。読み出し動作は、選択トランジスタをオンし、下地電極108とビットライン110との間のTMR素子109にセンス電流を流して磁気抵抗変化を測定することにより行われる。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、R−Hカーブのシフトのない二重接合TMR素子が得られ、これをメモリセルに用いることにより、消費電力が小さく、また誤書き込みの起こりにくいMRAMを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図。
【図5】本発明に係る磁気メモリ装置のメモリセルを示す断面図。
【図6】従来の二重接合TMR素子の積層構造を模式的に示す図。
【図7】R−Hカーブのシフトを説明する図。
【図8】ネール結合を説明する図。
【符号の説明】
1…第1反強磁性層
2…第1磁化固着層(第1ピン層)
3…第1トンネルバリア層
4…磁化自由層(フリー層)
5…第2トンネルバリア層
6…第2磁化固着層(第2ピン層)
7…第2反強磁性層
101…シリコン基板
102…ゲート電極(WL1)
103、104…ソース/ドレイン領域
105…絶縁層
106…接続プラグ
107…ワードライン(WL2)
108…下地電極
109…TMR素子
110…ビットライン(BL)

Claims (6)

  1. 第1の磁化固着層と、第1のトンネルバリア層と、第1の強磁性層、非磁性層および第2の強磁性層を含む磁化自由層と、第2のトンネルバリア層と、第2の磁化固着層とを有し、前記第1および第2の磁化固着層の磁化の向きが互いに反対向きであり、前記第1の強磁性層と前記第2の強磁性層とが前記非磁性層を介して反強磁性結合し、前記第1および第2の強磁性層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、前記第1および第2の磁化固着層のうち一方の磁化が他方の磁化よりも大きく、磁化の大きい磁化固着層は前記第1および第2の強磁性層のうち磁化の小さい強磁性層に近い側に形成されていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 第1の磁化固着層と、第1のトンネルバリア層と、第1の強磁性層、第1の非磁性層、第3の強磁性層、第2の非磁性層および第2の強磁性層を含む磁化自由層と、第2のトンネルバリア層と、第2の磁化固着層とを有し、前記第1および第2の磁化固着層の磁化の向きが互いに反対向きであり、前記第1の強磁性層と前記第3の強磁性層とが前記第1の非磁性層を介して磁気結合し、前記第2の強磁性層と前記第3の強磁性層とが前記第2の非磁性層を介して磁気結合し、これら2つの磁気結合のうち一方が強磁性結合、もう一方が反強磁性結合であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第1および第2の強磁性層の磁化の大きさがほぼ等しく、前記第1および第2の磁化固着層の磁化の大きさがほぼ等しいことを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第1の磁化固着層と、前記第2の磁化固着層の飽和磁化の大きさがほぼ等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第1の磁化固着層と前記第2の磁化固着層のうちいずれか一方の磁化固着層は、反強磁性層に接する強磁性層、非磁性層およびトンネルバリア層に接する強磁性層の積層構造を有し、2つの強磁性層は非磁性層を介して反強磁性結合しており、トンネルバリア層に接する強磁性層の磁化が反強磁性層に接する強磁性層の磁化よりも大きく、他方の磁化固着層は、反強磁性層とトンネルバリア層に接する強磁性層からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の配線の上方において、前記第1の方向と交差する方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線との間に設けられた請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子とを有することを特徴とする磁気メモリ装置。
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