JP2003298145A - 磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子および磁気メモリ装置

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JP2003298145A
JP2003298145A JP2002097758A JP2002097758A JP2003298145A JP 2003298145 A JP2003298145 A JP 2003298145A JP 2002097758 A JP2002097758 A JP 2002097758A JP 2002097758 A JP2002097758 A JP 2002097758A JP 2003298145 A JP2003298145 A JP 2003298145A
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magnetoresistive effect
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Application number
JP2002097758A
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Katsuya Nishiyama
勝哉 西山
Yoshiaki Saito
好昭 斉藤
Tatsuya Kishi
達也 岸
Minoru Amano
実 天野
Tomomasa Ueda
知正 上田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子サイズが微小化しても安定な磁区構造を
有し、かつ無磁場で出力の低下が少なく高出力が得られ
る磁気抵抗効果素子を提供する。 【解決手段】 磁化自由層(13)と、磁化自由層(1
3)に接して積層された絶縁体層(14)と、絶縁体層
(14)に接して積層された磁化固着層(15)と、磁
化固着層(15)に接して積層された反強磁性層(1
6)の積層構造を含む強磁性トンネル接合部を1重また
は2重以上有し、磁化固着層(15)の平面積が磁化自
由層(13)の平面積より小さい磁気抵抗効果素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素
子、およびこの磁気抵抗効果素子を記憶セルに用いた磁
気ランダムアクセスメモリ(MRAM)などの磁気メモ
リ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速読み書き、大容量、低消費電
力動作も可能な次世代の固体不揮発メモリとして、強磁
性体の磁気抵抗効果を利用した磁気ランダムアクセスメ
モリ(Magnetic Random Access Memory:以下、MRA
Mと記す)への関心が高まっている。特に、強磁性トン
ネル接合を有する磁気抵抗効果素子は、大きな磁気抵抗
変化率を示すことが見いだされて以来、注目されてい
る。
【0003】強磁性トンネル接合は、外部磁場によって
磁化方向が容易に変化する磁化自由層と、絶縁体層と、
外部磁場が加わっても所定の磁化方向を維持する磁化固
着層との三層積層構造を基本構成とする。磁化固着層
は、磁化固着層となる強磁性層に接するように反強磁性
層を積層させて磁化方向が固定される。一方、磁化自由
層には一般的に保磁力の小さな軟磁性材料が用いられて
いる。強磁性トンネル接合では、絶縁体層をトンネルし
て電流が流れる。このとき、接合部の抵抗は、磁化固着
層と磁化自由層との磁化方向の相対角により変化し、磁
化方向が平行のとき極小値を、反平行のとき極大値をと
る。この抵抗変化はトンネル磁気抵抗効果(Tunneling
Magneto-Resistance effect:以下TMR効果と記す)
と呼ばれ、従来の巨大磁気抵抗(GMR)効果よりも大
きな磁気抵抗変化率が報告されている。
【0004】実際に、MRAMの一つの記憶セルとして
強磁性トンネル接合を有する磁気素子を用いる場合に
は、磁化固着層と磁化自由層との磁化の平行、反平行状
態(すなわち抵抗の極小、極大)を二進情報の“0”ま
たは“1”に対応づけることにより、情報を記憶する。
【0005】磁気情報の書き込みは、記憶セル近傍に書
き込み配線を配置し、電流を流した際に発生する電流磁
場によって、磁化自由層の磁化方向のみを反転させるこ
とによって行う。また、磁気情報の読み出しは、記憶セ
ルにセンス電流を流し、TMR効果による抵抗変化を検
出することにより行う。MRAMはこのような記憶セル
を多数配置し、さらに任意の記憶セルを選択するスイッ
チングトランジスタ、ビット線、ワード線、その他印加
電圧などを制御する周辺回路から構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような記憶原理
上、TMR素子をMRAMに用いる場合には、出力とな
る磁気抵抗変化率が大きいということはもちろん、書き
込む際の反転磁場(スイッチング磁場)と比例関係にあ
る磁化自由層の保磁力が小さいということが望まれる。
しかし、保磁力すなわちスイッチング磁場は、素子サイ
ズ、形状、強磁性材料の磁化、膜厚などに依存してお
り、一般に記憶セルのサイズが小さくなるとスイッチン
グ磁場は大きくなる。このことはMRAMの書き込みに
大きな電流磁場を必要とし、消費電力が大きくなるとい
うことを意味する。さらに、MRAMの高集積化を考え
た場合は、消費電力の増大がより一層顕著になるという
点で大きな問題である。従って、MRAMの記憶セルに
用いられる磁化自由層の保磁力を低減することは、高集
積化MRAMを実現する上で重要な課題である。
【0007】現在、MRAMの記憶セルにTMR素子を
用いる場合、素子の平面形状を長方形にすることが考え
られている。これは、TMR素子を長方形にすると、形
状異方性のために磁化自由層の長手方向が磁化容易軸と
なり、読み出し時の磁化状態を安定化できるためであ
る。すなわち、長方形の磁化自由層の内部磁化は、中央
付近で磁気異方性と交換相互作用の効果から、磁化容易
軸方向に沿って平行に揃っている状態が最も安定であ
る。
【0008】しかし、素子サイズが小さくなると、長方
形の磁化自由層では、両端に生じた磁極による反磁場の
影響により、短辺の長さの逆数に比例してスイッチング
磁場が増大することが知られている。また、長方形の磁
化自由層の両端部には、磁極発生に伴う静磁エネルギー
を減少させようとして、中央部と異なる磁化方向を持つ
磁区(エッジドメイン)が形成される。このエッジドメ
インは磁化反転の引き金の役割を果たし、残留磁化すな
わち出力となる磁気抵抗変化率を低下させる。エッジド
メインの大きさは、素子サイズが小さくなっても、長方
形のアスペクト比(短辺:長辺)が同じであれば、それ
ほど変化しない。このため、エッジドメインの影響は、
素子サイズが小さくなると相対的に大きくなり、出力を
低下させる方向に作用する。
【0009】このようなエッジドメインによる複雑な磁
化反転の影響を少なくする方法として、エッジドメイン
が素子形状に対して敏感であるということを利用して、
磁化自由層を楕円形や角が直角でない平行四辺形のよう
な形状にすることが提案されている(米国特許第5,7
57,695、特開平11−273337参照)。
【0010】磁化自由層の平面形状が楕円形である場
合、長方形の磁化自由層の端部でみられるエッジドメイ
ンは発生せず単磁区構造が実現されるため、磁化反転過
程は安定になり残留磁化は大きくなる。しかし、一般に
単磁区構造の磁化自由層では、磁壁移動を伴う磁化反転
過程よりも大きな磁化反転磁場が必要となるため、結果
的にスイッチング磁場は長方形の磁化自由層の場合より
大きくなる。
【0011】また、磁化自由層の平面形状が平行四辺形
のように角が直角でない場合には、長方形の磁化自由層
の場合ほどエッジドメインが大きくなく、磁化反転過程
でさらに複雑な微小ドメインを生成することがないた
め、スイッチング磁場を低減することが可能である。し
かし、高集積化に伴い素子サイズがサブミクロン以下と
なった場合においては、やはりエッジドメインの占める
領域が相対的に大きくなるため、根本的な解決策とはな
りえない。
【0012】一方、素子形状ではなく、素子の積層構造
を工夫してエッジドメインを固定し複雑な磁区構造の発
生を防ぎ、エッジドメインの影響を低減する提案もなさ
れている(米国特許第5,748,524、特開200
0−100153)。しかし、これらの提案でもスイッ
チング磁場を実質的に低減することはできず、しかもエ
ッジドメインを固定するために新たな構造を付加する必
要があるため、高集積化には適さない。
【0013】さらに、高集積化に伴い素子サイズが微小
化すると、上述のような長方形の両端に発生するエッジ
ドメインの影響だけでなく、長辺方向の形状の影響も現
れる可能性がある。これは、サブミクロン加工プロセス
においては、素子描画パターン形状の微細性・制御性が
著しく失われるため、端部に加工精度程度の形状の揺ら
ぎが生じ、結果として磁化反転を不安定にするためであ
る。
【0014】本発明の目的は、素子サイズが微小化して
も安定な磁区構造を有し、かつ無磁場で出力の低下が少
なく高出力が得られる磁気抵抗効果素子、およびこの磁
気抵抗効果素子を記憶セルに用い、高集積化と高出力を
実現できる磁気メモリ装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様に係る磁
気抵抗効果素子は、磁化自由層と、この磁化自由層に接
して積層された絶縁体層と、この絶縁体層に接して積層
された磁化固着層の積層構造を含む強磁性トンネル接合
部を1重または2重以上有し、前記磁化固着層の平面積
が前記磁化自由層の平面積より小さいことを特徴とす
る。
【0016】本発明の他の態様に係る磁気抵抗効果素子
は、第1の方向に延在する第1の配線と、前記第1の配
線の上方において、前記第1の方向と交差する方向に延
在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第2の配線
との間に設けられた上記の磁気抵抗効果素子とを有す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の基本概念を説明
する。
【0018】図1(a)および(b)に平面形状が長方
形である磁化自由層1の磁区構造を示す。図1(a)は
面積が大きい磁化自由層、図1(b)は面積が小さい磁
化自由層であり、いずれも長方形のアスペクト比は1:
3である。図1(c)にこれらの磁化自由層を有する磁
気抵抗効果素子のMR曲線を模式的に示す。
【0019】図1(a)のように面積が大きい磁化自由
層1では、反磁界の影響が小さいため保磁力が小さく、
またエッジドメインEDの占める割合が小さいため残留
磁化が大きく、比較的大きな出力が得られる。一方、図
1(b)のように面積が小さい磁化自由層1では、反磁
界の影響が大きいため保磁力が大きくなり、またエッジ
ドメインEDの占める割合が相対的に大きくなるため残
留磁化が小さくなり、出力が低下する。
【0020】このエッジドメインの大きさは、磁化自由
層の材料や形状によって変化するが、最小でおおむね磁
壁幅(磁化転移領域)程度である。MRAMでは低消費
電力化のために磁化自由層としてNiFeのように保磁
力の小さな軟磁性材料を用いるのが一般的である。この
ような材料では、保磁力・異方性の大きな材料に比べ
て、エッジドメインの幅が大きくなる。仮に磁化自由層
の材料をNiFeとして長方形に加工した素子について
シミュレーションした結果、無磁場付近で長辺方向に沿
うエッジドメインの幅は0.1μmにもなることが判明
している。磁化自由層にNiFe以外の材料を用いた場
合には、エッジドメインの幅がより広くなることもあり
得る。しかも、エッジドメインの大きさは素子サイズに
よらずほぼ変わらない。このため、素子サイズがエッジ
ドメインに比して十分大きければ問題はないが、素子サ
イズを微細化した場合にはエッジドメインの面積が相対
的に大きくなり、エッジドメインの影響が無視できなく
なる。
【0021】TMR膜の磁化自由層の材料をNiFeと
し、素子形状を短辺と長辺との比(アスペクト比)が
1:3である長方形に加工したと仮定し、アスペクト比
を一定にしたまま素子サイズを変化させて角形比(残留
抵抗/飽和抵抗)をシミュレーションした結果を図2に
示す。図2から、素子サイズを微細化すると、それに伴
って角形比が小さくなり、結果的に出力となる無磁場で
のMR変化率が小さくなる傾向が見られた。図2からわ
かるように、素子短辺が0.25μm(このときエッジ
ドメインの平面積は素子平面積の13%になる)までは
出力の低下が少ない。しかし、素子短辺が0.25μm
よりも小さくなると、エッジドメインの影響が顕著にな
り、角形比すなわち出力が大きく低下する。
【0022】本発明の実施形態においては、エッジドメ
インの影響を低減するために、磁化固着層の平面積を磁
化自由層の平面積より小さく設計し、TMR素子のセン
シング部(磁化自由層と磁化固着層との重なり部分)が
エッジドメインに重ならないようにする。
【0023】上記のシミュレーションによれば、エッジ
ドメインの影響による出力の低下を抑制するには、磁化
固着層の平面積を磁化自由層の平面積の87%より小さ
くすることが好ましいことがわかる。さらに、磁化自由
層の長辺端部に生じる形状の揺らぎを考慮して、エッジ
ドメインの影響を避けるには、磁化固着層の平面積を磁
化自由層の平面積の70%より小さくするのがより好ま
しい。このような条件を満たしていれば、無磁場での出
力の低下が少なく、安定した出力を示すTMR素子を得
ることができる。
【0024】図3(a)および(b)に、本発明の一実
施形態に係る磁気抵抗効果素子(TMR素子の断面図お
よび平面図を示す。図3(a)に示すように、このTM
R素子は、下部電極層11上に、バッファ層12、磁化
自由層13、トンネルバリア層14、磁化固着層15、
反強磁性層16、表面保護層17を積層した構造を有す
る。このTMR素子では、トンネルバリア層14より下
の各層の面積よりも、磁化固着層15より上の各層の面
積を小さくしている。このように磁化自由層13と磁化
固着層15との間に、磁化固着層15よりも面積の大き
く磁化自由層13とほぼ同じ面積でトンネルバリア層1
4を残すようにすると、側面におけるエッチング残渣の
付着によるリークの問題を確実に防止できる。なお、磁
化自由層13より下の各層の面積よりも、トンネルバリ
ア層14より上の各層の面積を小さくするように加工し
てもよい。図3(b)には、このTMR素子の磁化自由
層13および磁化固着層15の大きさを示している。こ
のようなTMR素子は、フォトリソグラフィーによりマ
スクを形成し、イオンミリングまたは反応性イオンエッ
チング(RIE)で所定の層をエッチングする工程を2
回繰り返すことにより加工することができる。
【0025】なお、磁化固着層15は、第1の強磁性層
と、この第1の強磁性層に接して積層された非磁性結合
層と、この非磁性結合層に接して積層された第2の強磁
性層の三層構造を有し、非磁性結合層を介して第1およ
び第2の強磁性層が反強磁性的に結合した三層積層型磁
化固着層(シンセティックピン層)であってもよい。
【0026】図4(a)および(b)に、本発明の他の
実施形態に係る磁気抵抗効果素子(TMR素子の断面図
および平面図を示す。図4(a)に示すように、このT
MR素子は、各層の積層構造が図3(a)のTMR素子
と同様であるが、その断面形状は台形となっている。図
4(b)に、このTMR素子の磁化自由層13および磁
化固着層15の大きさを示す。
【0027】このTMR素子は、フォトリソグラフィー
によりマスクを形成し、イオンミリングのミリング角ま
たは反応性イオンエッチング(RIE)のエッチングパ
ワーを調整することにより側面を傾斜させて加工するこ
とができる。なお、図4のように加工しても、側面にお
いてエッチング残渣が残るようなことはなく、リークの
問題は生じない。
【0028】図4のTMR素子において、磁化自由層の
平面形状が短辺0.25μm、長辺0.75μmの長方
形、バッファ層12より上の積層膜の厚さが約0.12
5μmであるものとする。図5は、図4に示したTMR
素子断面の台形の底角θと、角形比(=残留磁化/飽和
磁化)との関係を示す。この場合、底角θが小さくなる
ほどエッジドメインの影響が少なくなるため角形比が増
大する。具体的には、θ≦51.3°の場合には磁化固
着層が磁化自由層のエッジドメインに重ならないため、
エッジドメインの影響がほぼなく、角形比は約1、すな
わち無磁場での出力が低下しないTMR素子を実現でき
る。一方、θが51.3°より大きくなると、エッジド
メインの影響が次第に増加し、θ≧68.2°では角形
比が著しく低下している。
【0029】したがって、素子加工の際にミリング角や
エッチングパワーを調整して、素子断面形状を底角がθ
≦51.3°である台形状に加工し、磁化固着層の平面
積を磁化自由層の平面積より小さくすることにより、無
磁場での出力の低下が少なく、また安定した出力を示す
TMR素子を得ることができる。
【0030】また、図6に示すように、バッファ層12
および磁化自由層13のみ側面を傾斜させて加工し、ト
ンネルバリア層14、磁化固着層15および反強磁性層
16の側面は鉛直に加工した、ハット型のような断面形
状を有するTMR素子においても上記と同様の効果が認
められる。
【0031】図7は、本発明の他の実施形態に係るTM
R素子の断面構造の模式図である。このTMR素子はい
わゆる強磁性二重トンネル接合素子であり、下部電極層
21、バッファ層22、反強磁性層23、下側磁化固着
層24、トンネルバリア層25、磁化自由層26、トン
ネルバリア層27、上側磁化固着層28、反強磁性層2
9、表面保護層30を順次積層した構造を有する。この
強磁性二重トンネル接合素子においても、磁化固着層2
4、28の平面積は磁化自由層26の平面積より小さく
なっている。
【0032】このような強磁性二重トンネル接合素子を
製造するには、下部電極層21上に、バッファ層22、
反強磁性層23および下側磁化固着層24を堆積した
後、フォトリソグラフィーとイオンミリングまたはRI
Eにより、下側磁化固着層24が所定の平面積となるよ
うに加工する。次に、層間絶縁層32を成膜した後、下
側磁化固着層24が露出するように加工する。次いで、
トンネルバリア層25、磁化自由層26およびトンネル
バリア層27を形成し、フォトリソグラフィーによりマ
スクを形成し、イオンミリングのミリング角または反応
性イオンエッチング(RIE)のエッチングパワーを調
整することにより、これらの側面を傾斜させて加工す
る。このとき、磁化自由層26の平面積が下側磁化固着
層24の平面積よりも大きくなるように加工する。その
後、層間絶縁膜33を成膜し、トンネルバリア層27
に、磁化自由層26の平面積よりも小さい開口部を形成
する。この開口部内に、磁化固着層28、反強磁性層2
9および表面保護層30を埋め込んで、表面を平坦化す
る。このようにして、強磁性二重トンネル接合膜におい
ても、磁化固着層24、28の平面積が磁化自由層26
の平面積より小さくなっている構造を実現できる。
【0033】なお、図7では、トンネルバリア層25、
磁化自由層26およびトンネルバリア層27の側面を傾
斜させて加工しているが、磁化固着層28の平面積が磁
化自由層26の平面積より小さくなっていれば、必ずし
も上記のように側面を傾斜させて加工する必要はない。
【0034】図8は、本発明の一実施形態に係る磁気メ
モリ装置の記憶セルを示す断面図である。図8におい
て、シリコン基板101上にはゲート電極102が形成
され、ゲート電極102の両側のシリコン基板101表
面にはソース/ドレイン領域103、104が形成され
ている。これらの部材により選択トランジスタが形成さ
れている。ゲート電極102は紙面に直交する方向に延
びており、ワードライン(WL1)として用いられる。
シリコン基板101の全面には絶縁層105が形成さ
れ、この絶縁膜105中に、選択トランジスタのドレイ
ン領域104に接続された接続プラグ106、紙面に直
交する方向に延びるワードライン(WL2)107、接
続プラグ106に接続された下地電極108、ワードラ
イン(WL2)107の上方に配置され、下地電極10
8に接続されたTMR素子109が埋め込まれている。
TMR素子109の上面にはワードライン(WL2)1
07の方向と交差する方向に延びるビットライン(B
L)110が接続されている。上記のTMR素子109
は、既述したように、磁化固着層の平面積が磁化自由層
の平面積より小さく加工されている。
【0035】図8に示すように、この磁気メモリ装置
は、紙面に直交する方向に延びるワードライン(WL
2)107と、ワードライン(WL2)107上方にお
いてこれに交差する方向に延びるビットライン110
と、ワードライン(WL2)107とビットライン11
0との間に設けられたTMR素子109とを有する。T
MR素子109への書き込み動作は、ワードライン(W
L2)107とビットライン110に書き込み電流を流
して電流磁界を発生させ、両者の合成磁界によりTMR
素子109の磁化自由層の磁化を反転させることにより
行われる。読み出し動作は、選択トランジスタをオン
し、下地電極108とビットライン110との間のTM
R素子109にセンス電流を流して磁気抵抗変化を測定
することにより行われる。
【0036】このような磁気メモリ装置では、TMR素
子として磁化固着層の平面積が磁化自由層の平面積より
小さいものを用いているので、高集積化と高出力を実現
できる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、素
子サイズが微小化しても安定な磁区構造を有し、かつ無
磁場で出力の低下が少なく高出力が得られる磁気抵抗効
果素子、およびこの磁気抵抗効果素子を記憶セルに用
い、高集積化と高出力を実現できる磁気メモリ装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気抵抗効果素子の磁化自由層の磁区構造を示
す平面図、およびMR曲線を示す図。
【図2】磁化自由層の素子サイズと角形比との関係を示
す図。
【図3】本発明の一実施形態に係るTMR素子の断面図
および平面図。
【図4】本発明の他の実施形態に係るTMR素子の断面
図および平面図。
【図5】図4のTMR素子における断面の底角θと角形
比との関係を示す図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るTMR素子の断面
図。
【図7】本発明の他の実施形態に係る強磁性二重トンネ
ル接合素子の断面図。
【図8】本発明の一実施形態に係る磁気メモリ装置の記
憶セルを示す断面図。
【符号の説明】
11…下部電極層 12…下地バッファ層 13…磁化自由層 14…トンネルバリア層 15…磁化固着層 16…反強磁性層 17…表面保護層 21…下部電極層 22…バッファ層 23…反強磁性層 24…下側磁化固着層 25…トンネルバリア層 26…磁化自由層 27…トンネルバリア層 28…上側磁化固着層 29…反強磁性層 30…表面保護層 10…1シリコン基板 102…ゲート電極(WL1) 103、104…ソース/ドレイン領域 105…絶縁層 106…接続プラグ 107…ワードライン(WL2) 108…下地電極 109…TMR素子 110…ビットライン(BL)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 達也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 天野 実 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上田 知正 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5F083 FZ10 KA01 KA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁化自由層と、この磁化自由層に接して積
    層された絶縁体層と、この絶縁体層に接して積層された
    磁化固着層の積層構造を含む強磁性トンネル接合部を1
    重または2重以上有し、前記磁化固着層の平面積が前記
    磁化自由層の平面積より小さいことを特徴とする磁気抵
    抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記磁化固着層の平面積が、前記磁化自
    由層の平面積の87%より小さいことを特徴とする請求
    項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 【請求項3】第1の方向に延在する第1の配線と、前記
    第1の配線の上方において、前記第1の方向と交差する
    方向に延在する第2の配線と、前記第1の配線と前記第
    2の配線との間に設けられた請求項1または2に記載の
    磁気抵抗効果素子とを有することを特徴とする磁気メモ
    リ装置。
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