JP2006344485A - 固体酸およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン交換容量、触媒性能、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れた固体酸およびその製造方法の提供、およびこれを使用したプロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜、膜電極接合体、燃料電池の提供。
【解決手段】 重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含む固体酸により課題を解決できる。また、炭化水素スルホン酸を重縮合剤の存在下で加熱処理することにより高い触媒性能、イオン交換性能、プロトン伝導度を有する高性能な固体酸を低コストで容易に製造できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体酸およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、プロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜、膜電極接合体、燃料電池に使用できるイオン交換容量、触媒性能、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れた固体酸およびその製造方法に関するものである。
近年、高いエネルギー効率を有し、環境負荷の少ない燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素やメタノールなどの燃料を酸素または空気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すものである。
このような燃料電池は、用いる電解質の種類によって、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、アルカリ型などに分類される。このうち、陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、用いる電解質膜を薄くすることにより燃料電池内の内部抵抗を低減できるため高電流で操作でき、小型化が可能である。このような利点から固体高分子型の研究が盛んになってきている。
固体高分子型燃料電池に用いる電解質膜には、燃料電池の電極反応に関与するプロトンについて高いプロトン伝導性が要求される。このようなプロトン伝導性材料としては、商品名Nafion(デュポン社製)などのスルホン酸基含有フッ素樹脂が知られている。しかし、これらの高分子電解質材料は環境負荷の高いフッ素系の樹脂である上、合成経路が複雑であり、非常に高価であるという問題を抱えている。
また、スルホン酸基含有フッ素樹脂は、ガラス転移温度が低く、耐熱性が低いため、作動温度が約80℃〜100℃と低くなってしまい効率が悪くなるという問題点も抱えている。
現在、前述したNafionに代わる新たなプロトン伝導性材料の開発が進められているが未だ実用化には至っていない。
一方、固体酸触媒は、分離・回収に中和や塩の除去といったプロセスが不要であり、不必要な副産物を生産することなく省エネルギーで目的物を作ることができるため、従来から積極的にその研究が進められてきた(例えば、非特許文献1参照)。
その結果、ゼオライト、シリカ−アルミナ、含水ニオブなどの固体酸触媒が化学工業で大きな成果を挙げ、社会に大きな恩恵をもたらしている。また、前述したNafionも親水性を有する非常に強い固体酸であり、液体酸を上回る酸強度をもつ超強酸として働くことが既に知られている。しかし、Nafionは熱に弱く、また、工業的に利用するには高価すぎるという問題点がある。
このように、性能およびコストなどの面から固体酸触媒が液体の酸触媒より有利な工業的プロセスの設計は難しく、現在のところほとんどの化学産業は液体の酸触媒に依存していると言える。このような現状において液体の酸を凌ぐ固体酸触媒の出現が望まれる。
また商業化されているイオン交換樹脂も耐熱性が低く耐熱性の高い材料が求められている。
このような中、国立大学法人東京工業大学では固体酸の開発を行った。この固体酸は芳香族炭化水素を濃硫酸中または発煙硫酸中で加熱することによりスルホン酸化を行い、余分な硫酸を真空で除去した後、再度、高温で多芳香環化することで得ている。触媒性能、イオン交換容量、プロトン伝導性ともに高い固体酸である(特許文献1、特許文献2参照)。
この固体酸はそのままでも良い材料であるが、スルホン酸基の導入がしにくいという問題点があった。元素分析により、炭素原子に対する硫黄原子の割合が15%未満と低く、さらに硫黄原子を多く含んだ高性能かつ低コストで製造できる材料の提供が求められていた。
ここで元素分析における硫黄の割合は、スルホン酸基の含有率が高くなると増加する。別の計算方法では滴定により酸価を図る方法もあるが、この場合はカルボン酸などの別の弱い酸基との区別がつかず、元素分析法の方がより実体を把握できる。
Ishihara,K;Hasegawa,A;Yamamoto,H;Angew.Chem.Int.Ed.2001,4077. 国際出願番号PCT/JP2004/13035 特開2004−238311号公報
本発明の第1の課題は、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつイオン交換容量、触媒性能などにも優れた低価格の固体酸を提供することであり、
本発明の第2の課題は、そのような固体酸を低コストで容易に製造する方法を提供することであり、
さらに本発明の他の課題は、そのような固体酸を用いたプロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜、膜電極接合体、燃料電池を提供することである。
本発明は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、重縮合した炭化水素スルホン酸を含む多環式芳香族炭化水素を主成分として含む固体酸が、より高い優れた性能が得られることを見出し、また炭化水素スルホン酸を重縮合剤中で加熱処理し、炭化水素スルホン酸を重縮合することによってそのような優れた固体酸が低コストで容易に得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の請求項1記載の発明は、重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含むことを特徴とする固体酸である。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の固体酸において、重縮合した炭化水素スルホン酸および炭化水素スルホン酸以外の炭化水素を主成分として含むことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の固体酸において、炭化水素スルホン酸が、2−ナフタレンスルホン酸、あるいは1,5−ナフタレンジスルホン酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体酸において、X線光電子分光法スペクトルで、163eV付近と168eV付近とに二つのピークを示すものであって、163eV付近のピーク面積を(A)とし、168eV付近のピーク面積を(B)とし、両者の和を(A+B)とした時、下式で表される両者の和(A+B)に対する163eV付近のピーク面積(A)の割合(C)が20%を超え100%未満であることを特徴とする。
(C)=[(A)/(A+B)]×100 式
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体酸において、元素分析で炭素に対する硫黄のモル量が15モル%以上100モル%以下であることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体酸において、固体酸の酸価が、1〜10meq/gであることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、炭化水素スルホン酸を重縮合剤の存在下で加熱処理することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸の製造方法である。
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の固体酸の製造方法において、重縮合剤が、濃硫酸あるいは発煙硫酸であることを特徴とする。
本発明の請求項9記載の発明は、請求項7あるいは請求項8記載の固体酸の製造方法において、加熱処理温度が、160〜300℃であることを特徴とする。
本発明の請求項10記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするプロトン伝導膜である。
本発明の請求項11記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする固体酸触媒である。
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするイオン交換膜である。
本発明の請求項13記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする膜電極接合体である。
本発明の請求項14記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする燃料電池である。
本発明の請求項1記載の固体酸は、重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含むので、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつイオン交換容量、触媒性能などにも優れ、しかも低価格であるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の固体酸において、重縮合した炭化水素スルホン酸および炭化水素スルホン酸以外の炭化水素を主成分とするので、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつイオン交換容量、触媒性能など各性能に優れるとともに、さらに低価格になるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1あるいは請求項2記載の固体酸において、炭化水素スルホン酸が、2−ナフタレンスルホン酸、あるいは1,5−ナフタレンジスルホン酸から選ばれる少なくとも1つであるので、入手も容易であり、各性能に優れるとともに、さらに低価格になるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体酸において、X線光電子分光法スペクトルで、163eV付近と168eV付近とに二つのピークを示すものであって、163eV付近のピーク面積を(A)とし、168eV付近のピーク面積を(B)とし、両者の和を(A+B)とした時、前記式で表される両者の和(A+B)に対する163eV付近のピーク面積(A)の割合(C)が20%を超え100%未満であるので、固体酸として確実に高性能が得られるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体酸において、元素分析で炭素に対する硫黄のモル量が15モル%以上100モル%以下であるので、強酸となり、イオン交換容量、触媒性能、プロトン伝導性など確実に高性能が得られるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体酸において、固体酸の酸価が、1〜10meq/gであるので、活性が高く、極性溶媒にも不溶であり、固体酸として確実に高性能が得られるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項7記載の発明は、炭化水素スルホン酸を重縮合剤の存在下で加熱処理することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸の製造方法であり、これらの固体酸を低コストで容易に製造できるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8記載の発明は、請求項7記載の固体酸の製造方法において、重縮合剤が、濃硫酸あるいは発煙硫酸であるので、入手も容易であり、高性能の固体酸をさらに低コストで容易に製造できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9記載の発明は、請求項7あるいは請求項8記載の固体酸の製造方法において、加熱処理温度が、160〜300℃であるので、高性能の固体酸を確実に低コストで容易に製造できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項10記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするプロトン伝導膜であり、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れ、低価格であるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項11記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする固体酸触媒であり、超強酸として作用し触媒活性が高く耐熱性に優れ、低価格であるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするイオン交換膜であり、イオン交換容量が高く耐熱性に優れ、低価格であるという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項13記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする膜電極接合体であり、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れ、低価格である上、環境負荷が小さいという、顕著な効果を奏する。
本発明の請求項14記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする燃料電池であり、高い作動温度で作動可能であり、低価格である上、環境負荷が小さいという、顕著な効果を奏する。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明は、重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含む固体酸あるいは重縮合した炭化水素スルホン酸および炭化水素スルホン酸以外の炭化水素を主成分として含む固体酸に関するものであり、炭化水素スルホン酸あるいはさらに他の炭化水素を重縮合剤中で加熱処理し、炭化水素スルホン酸あるいはさらに他の炭化水素を重縮合することによって製造される、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつイオン交換容量、触媒性能などにも優れ、しかも低価格である優れた固体酸およびその製造方法に関するものである。
本発明で用いる炭化水素スルホン酸としては、芳香族炭化水素スルホン酸およびそれ以外の脂肪族炭化水素スルホン酸あるいはこれらの2つ以上の混合物が挙げられる。
芳香族炭化水素スルホン酸としては、具体的には、例えばベンゼンスルホン酸、ビフェニルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルフェニル硫酸、ブチルナフタレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ピレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸、コロネンスルホン酸、ペリレンスルホン酸、ピレンジスルホン酸、フェナントレンジスルホン酸、ペリレンジスルホン酸などの芳香族環に1つ以上のスルホン酸基を含有している化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
脂肪族炭化水素スルホン酸としては、具体的には、例えばメチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸、ブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸、オクチル硫酸、ノニル硫酸、ウンデシル硫酸、デシル硫酸、トリデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ラウリル硫酸、セチル硫酸、ドデカンスルホン酸、ヘプタデシルスルホン酸、ナノデシル硫酸、エイコシル硫酸、ステアリル硫酸、オレイル硫酸、オクタン硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トリデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ヘプタデカンスルホン酸、オクタデカンスルホン酸、ノナデカンスルホン酸、エイコサンスルホン酸、イソブタンスルホン酸、イソペンタンスルホン酸、イソヘキサンスルホン酸、メチルペンタンスルホン酸、ジメチルブタンスルホン酸、ブテンスルホン酸、ペンテンスルホン酸、ヘキセンスルホン酸、ヘプテンスルホン酸、オクテンスルホン酸、ノネンスルホン酸、デセンスルホン酸、ウンデセンスルホン酸、ドデセンスルホン酸、ドデセンスルホン酸、トリデセンスルホン酸、テトラデセンスルホン酸、ペンタデセンスルホン酸、ヘキサデセンスルホン酸、ヘプタデセンスルホン酸、オクタデセンスルホン酸、ノナデセンスルホン酸、エイコセンスルホン酸などのオレフィン硫酸が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
より好ましくは、炭化水素スルホン酸が、2−ナフタレンスルホン酸あるいは1,5−ナフタレンスルホン酸であるが、これに限定するものではない。
重縮合した炭化水素スルホン酸の有効成分は5〜100質量%の範囲であればよく、さらに好ましくは25〜100質量%であるが、これに限定するものではない。
本発明で用いる炭化水素スルホン酸以外の炭化水素としては、具体的には、例えばナフタレン、ピレン、アントラセン、フェナントレン、ペリレン、コロネンなどの少なくとも2以上の芳香環が縮合している多環式芳香族炭化水素が挙げられる。
さらに、本発明で用いる炭化水素スルホン酸以外の炭化水素としては、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニルなどの1つ以上の芳香環が炭素−炭素単結合している化合物や、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシピロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、単糖類、二糖類、多糖類などのセルロース骨格をもつ化合物、ポリブタジエンゴムやポリイソブチレンゴム、ポリイソプレンゴムなどのゴム類、硫酸ピッチ、石油ピッチ、ポリビニルアルコール類、キトサン類、ポリスルホン類、ポリスチレン類、ポリイミド類、ポリアクリルアミド類、ポリテルペン類、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、アリル樹脂、エポキシ樹脂、EVA樹脂、フッ素樹脂、フラン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル、石油樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリケトン、ポリメチルペンテン、ポリフェニルエーテル、ポリフェニルスルフィド、SAN樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、シリコーン、ポリ酢酸ビニル、キシレン樹脂などのゴム以外の合成ポリマー類、廃タイヤなど産業廃棄物、使用済み茶やコーヒー豆、みかんの皮などの天然化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の固体酸は、炭化水素スルホン酸が重縮合剤中で重縮合し、芳香環を生成し、あるいは、2個またはそれ以上の芳香環が、新たに2個またはそれ以上の原子を共有した形で一体となった縮合環を生成すること、縮合の進んだ複雑に重縮合した多環式芳香族炭化水素のアモルファス体が生成されること、一般的に縮合した芳香環の数が増えるにつれてその性質は黒鉛に近くなる知見を応用して製造された。
本発明者等は、極めて多数の芳香族が縮合した多環式芳香族炭化水素は黒鉛と類似の2次元形状に発達した構造をとり、この構造の外環の芳香環がスルホン化されていても、大きく発達した疎水性の多環式芳香族炭化水素により水に溶けない固体酸になることを予想し加熱処理を行った。
本発明で用いる重縮合剤としては、上記の重縮合を促進させるものであればよく、例えば、AlCl3 、FeCl3 、SbCl5 、BF3 、ZnCl2 、TiCl4 、HF、H3 PO4 、P25 、ポリリン酸などのフリーデル−クラフツ反応に使用される縮合剤、諸種の酸化剤やScholl反応に使用される縮合剤、固体酸や一般的な脱水素触媒などを挙げることができる。
特に好ましくは、濃硫酸あるいは発煙硫酸であるが、これらに限定するものではない。
本発明の加熱処理温度範囲としては、重縮合反応が生じる温度であればよく、160〜300℃が好ましく、250±30℃がさらに好ましい。
160℃未満では安定性の低い生成物が得られる恐れがあり、300℃を超えると濃硫酸あるいは発煙硫酸などの重縮合剤が分解する恐れがあり、いずれも好ましくない。
本発明の固体酸は、高い活性が得られる上、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつ高イオン交換容量、高触媒性能を有する。
本発明の固体酸は、酸価が1〜10meq/gであることが好ましい。酸価が1meq/g未満で低いと活性作用が低く固体酸の機能が低くなり易く、10meq/gを超えて高過ぎると極性溶媒に溶解して固体酸としての機能が損なわれ易い。
本発明の固体酸は、図2に示すようにX線光電子分光法スペクトルで、163eV付近と168eV付近とに二つのピークを示すものである。これらのピークは、ともに、炭素原子−硫黄原子結合エネルギーに基づくものと考えられる。
2−ナフタレンスルホン酸は、図1に示すようにX線光電子分光法スペクトルより、168eV付近にピークが見られるが、このピークは芳香環炭素原子−スルホン酸の硫黄原子の結合エネルギーであると思われる。
163eV付近に現れるピークは、炭化水素スルホン酸を重縮合剤中で加熱処理を行った場合にだけ出現する特定のピークである。このピークは硫黄原子と炭素原子の結合によるものと推察されるが現段階ではどのような結合様式であるか確定されていない。しかし、本発明の固体酸の高い活性に関連するものと思われる。
本発明の好ましい固体酸は、X線光電子分光法スペクトルで、163eV付近と168eV付近とに二つのピークを示すものであって、163eV付近のピーク面積を(A)とし、168eV付近のピーク面積を(B)とし、両者の和を(A+B)とした時、前記式で表される両者の和(A+B)に対する163eV付近のピーク面積(A)の割合(C)が20%を超え100%未満のものである。このような固体酸は、固体酸として確実に高性能が得られる。
また、本発明の固体酸は、元素分析で炭素に対する硫黄のモル量が15モル%以上100モル%以下であることが好ましい。15モル%未満であるとスルホン酸化率が低く、強酸を得られ難く、イオン交換容量、触媒性能、プロトン伝導性が低くなる。
本発明の固体酸は、プロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜、膜電極接合体、燃料電池に使用できる。
本発明で言うプロトン伝導膜とは、プロトンを伝導する能力を持つ膜のことを言う。本発明の固体酸を単独で膜化させたり、バインダー樹脂などを使用したりすることで膜化して使用される。
本発明の固体酸は強酸基が多く、高い酸触媒機能をもつことができるため、固体酸触媒としても良好に使用できる。単独で使用しても良いが、バインダー樹脂やアルミナなどに担時することでも使用できる。
本発明で言うイオン交換膜とは、イオンを選択的に透過する膜のことを言う。本発明の固体酸を単独で使用したり、バインダー樹脂やアルミナなどに担時することにより使用される。
本発明の固体酸を用いて、膜電極接合体を製造する方法の一例としては、以下の方法を示すことができる。まず、本発明の固体酸を単独、またはバインダー樹脂などと混合させる。次に支持体に積層し乾燥などを行いプロトン伝導膜を形成させる。さらに必要に応じてその上に保護フィルムを積層して保存する。そして使用時、この支持体、保護フィルムを剥離させた後、プロトン伝導膜の両側にガス拡散層、触媒層を含有する電極層を形成する。これにより膜電極接合体が得られる。
ここにセパレータや補助的な装置(ガス供給装置、冷却装置)を組み立て、単一あるいは積層することにより、燃料電池を作製することができる。
図4は前記プロトン伝導膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極結合体の一実施態様の断面説明図である。
前記プロトン伝導膜1をその両面に常法により電極触媒層2、3を接合・積層して膜電極結合体12が形成される。
図5は、この膜電極結合体12を装着した固体高分子型燃料電池の単セルの一実施態様の構成を示す分解断面図である。膜電極結合体12の電極触媒層2および電極触媒層3と対向して、それぞれカーボンペーパーにカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の混合物を塗布した構造を持つ空気極側ガス拡散層4および燃料極側ガス拡散層5が配置される。これによりそれぞれ空気極6および燃料極7が構成される。そして、単セルに面して反応ガス流通用のガス流路8を備え、相対する主面に冷却水流通用の冷却水流路9を備えた導電性でかつガス不透過性の材料よりなる一組のセパレータ10により挟持して単セル11が構成される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、この例示により本発明が限定的に解釈されるものではない。
(実施例1)
20gの2−ナフタレンスルホン酸を100mlの濃硫酸(97質量%)に加えて250℃で10時間加熱した後に、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色の固体粉末を得た。これに600mlのイオン交換水を加えて、攪拌を1時間行い、一晩静置後、デカンテーションし、得た沈殿物に新たにイオン交換水600mlを加え、1時間攪拌した後、一晩静置後、デカンテーションした。
更に、得た沈殿物にイオン交換水600mlを加えて攪拌を2時間行い、一晩静置後、デカンテーションした。得られた沈殿物を80℃のオーブンで一晩乾燥した。この固体粉末をエチルアルコール300mlで洗浄し、洗浄後のエチルアルコール中の硫酸が元素分析の検出限外になるまでこの洗浄操作を繰り返した。このときの本発明の固体酸の収量は19.6gであった。
(実施例2)
20gの1,5−ナフタレンジスルホン酸を100mlの濃硫酸(97質量%)に加えて250℃で10時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色の固体粉末を得た。これに600mlのイオン交換水を加えて、攪拌を1時間行い、一晩静置後、デカンテーションし、沈殿物に新たにイオン交換水600mlを加え、1時間攪拌した後、一晩静置し、デカンテーションした。得られた沈殿物を80℃のオーブンで一晩乾燥した。この固体粉末をエチルアルコール300mlで洗浄し、洗浄後のエチルアルコール中の硫酸が元素分析の検出限外になるまでこの洗浄操作を繰り返した。このときの本発明の固体酸の収量は10.1gであった。
(実施例3)
10gの1,5−ナフタレンジスルホン酸と10gのナフタレンを100mlの濃硫酸(97%)に加えて250℃で15時間反応した後に、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色の固体粉末を得た。これに600mlのイオン交換水を加えて、攪拌を1時間行い、一晩静置後、デカンテーションし、沈殿物に新たにイオン交換水600mlを加え、1時間攪拌した後、一晩静置し、デカンテーションした。得られた沈殿物を80℃のオーブンで一晩乾燥した。この固体粉末をエチルアルコール300mlで洗浄し、洗浄後のエチルアルコール中の硫酸が元素分析の検出限外になるまでこの洗浄操作を繰り返した。このときの本発明の固体酸の収量は12.8gであった。
(比較例1)
1.00gのコロネン(C2412)を100mlの濃硫酸(97質量%)に加えて200℃で8時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色の固体粉末を得た。
これに600mlのイオン交換水を加えて、攪拌を1時間行い、一晩静置後、デカンテーションし、沈殿物に新たにイオン交換水600mlを加え、1時間攪拌した後、一晩静置し、デカンテーションした。得られた沈殿物を80℃のオーブンで一晩乾燥した。この固体粉末をエチルアルコール300mlで洗浄し、洗浄後のエチルアルコール中の硫酸が元素分析の検出限外になるまでこの洗浄操作を繰り返し比較の固体酸を得た。
実施例1〜3で得られた固体酸、比較例1で得られた固体酸および、参考として2−ナフタレンスルホン酸、スルホン酸化ポリスルホンのX線光電子分光法による分析を行った。測定条件は、以下の通りである。
実施例1〜3で得られた固体酸、比較例1で得られた固体酸の場合は168eV付近と163eV付近に2つのピークが観察され、2−ナフタレンスルホン酸、スルホン酸化ポリスルホンの場合は168eV付近に1つのピークが観察された。
163eV付近のピーク面積を(A)とし、168eV付近のピーク面積を(B)とし、両者の和(A+B)を100%とした時の、ピーク面積(A)および(B)の値(%)を表1に示した。
そして、2−ナフタレンスルホン酸のX線光電子分光法によるスペクトルを図1に示し、実施例1で得られた固体酸のX線光電子分光法によるスペクトルを図2に示し、比較例1で得られた固体酸のX線光電子分光法によるスペクトルを図3に示した。
図中、(A)は163eV付近のピーク面積を示し、(B)は168eV付近のピーク面積を示す。
(X線光電子分光測定条件)
装置:島津製作所/KRATOS製光電子分光分析装置AXIS−HS
分析条件
・X線源:単色化X線源(Alターゲット) 15kV−10mA
・レンズモード:Hybrid
・中和関連:すべてON
Figure 2006344485
図1に示した2−ナフタレンスルホン酸のチャートより、168eV付近のピークは芳香環炭素原子−スルホン酸の硫黄原子の結合エネルギーであると思われる。
163eV付近に現れるピークは、炭化水素スルホン酸(実施例1〜3)およびコロネン(C2412)(比較例1)を重縮合剤中で加熱処理を行った場合にだけ出現する特定のピークである。このピークは硫黄原子と炭素原子の結合によるものと推察されるが、現段階ではどのような結合様式であるか確定されていないが、本発明の固体酸の高い活性に関連するものと思われる。
次に、実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸の酸価の測定を下記の方法で行った。
(酸価の測定法)
上記黒色粉末(実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸)を純水で洗浄した。次に48時間、2規定の硝酸ナトリウム水溶液中で黒色粉末と反応させ、黒色粉末をフィルターで濾過した。この黒色粉末を取り除いた酸性溶液に水酸化ナトリウム溶液を滴下し、窒素気流中で中和点を計測した。その滴下した量により酸価を算出した。その結果を表2に示す。
従来、黒色粉末に直接、水酸化ナトリウムを滴下することで中和点を求めていたが、この方法を使用するとより的確に酸価を計測できて良い。
その結果、従来法に比べ、いずれの実施例においても約1.5倍の酸価を得ることができた。これにより、より多くの酸基が導入されていることが判った。
Figure 2006344485
次に、実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸の硫黄含有量(モル%)の測定を下記の方法で行った。
(元素分析)
実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸(いずれも黒色粉末)を酸素気流下で燃焼させ、CHSN−932(米国LECO社製)を用いて炭素1モルに対する硫黄含有量(モル%)を測定した。その結果を表3に示す。
硫黄の含有率が従来に比べいずれの実施例においても約1.7倍高く、従来に比べスルホン酸基が導入されていることが判った。
Figure 2006344485
次に、実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸のプロトン伝導度(S/cm)の測定を下記の方法で行った。
(プロトン伝導度)
実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸(いずれも黒色粉末)を加圧成型(日本分光社製、10mmφ錠剤成型器、成形条件:400Kg/cm2 、室温1分)することにより、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクに白金を蒸着した後、交流インピーダンス法により測定した。すなわち、100%相対湿度下に置かれた白金付ディスクを、白金電極に挟み、密封セルに封入し、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。その結果を表4に示す。実施例1〜3で得られた固体酸はプロトン伝導度が高いことが判った。
Figure 2006344485
次に、実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸の固体酸触媒性能の評価を下記の方法で行った。
(固体酸触媒性能評価法)
実施例1〜3で得られた固体酸および比較例1で得られた固体酸各0.2gを触媒としてアルゴン雰囲気下の酢酸0.1molとエチルアルコール1molの混合溶液に添加し、70℃で6時間撹拌し、反応中に酸触媒反応によって生成する酢酸エチルの1時間後の生成量 (mol)をガスクロマトグラフで調べた。
Figure 2006344485
実施例1〜3で得られた固体酸のようにスルホン酸基が予め導入された出発原料を使用することで、高い酸価(2.0meq/g以上)および硫黄含有量(19モル%)の高い固体酸を提供できる。これはスルホン酸基が予め導入されていない出発原料を使用する比較例1に比べ酸価では約1.5倍、硫黄含有率では約1.7倍であり、このことはイオン交換能力が高いことを示している。
また、実施例1〜3で得られた固体酸のプロトン伝導度を測定したところ、従来に比べ最大約1.5倍もの性能を示し、高い性能の膜電極接合体および燃料電池を提供できることが判る。
さらに、実施例1〜3で得られた固体酸の固体酸触媒性能を調査したところ、従来に比べ最大1.5倍の触媒性能を示し、高い性能の固体酸触媒を提供できることが判った。
これらの違いはX線光電子分光測定により、163eVのピーク面積(A)が大きいためである可能性が高いことが判った。このようにスルホン酸基が予め導入された出発原料を使用することで、従来に比べ高い性能のプロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜、膜電極接合体、燃料電池を提供することができることが判った。
本発明の固体酸は、重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含むので、あるいは重縮合した炭化水素スルホン酸および炭化水素スルホン酸以外の炭化水素を主成分として含むので、プロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、かつイオン交換容量、触媒性能などにも優れ、しかも低価格であるという顕著な効果を奏するものであり、炭化水素スルホン酸を重縮合剤の存在下で加熱処理することによりこのような高性能な固体酸を低コストで容易に製造できるという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
2−ナフタレンスルホン酸のX線光電子分光スペクトルを示すグラフである。 実施例1で得られた固体酸のX線光電子分光スペクトルを示すグラフである。 比較例1で得られた固体酸のX線光電子分光スペクトルを示すグラフである。 プロトン伝導膜の両面に電極触媒層を形成した膜電極結合体の一実施態様の断面説明図である。 図4に示した膜電極結合体を装着した固体高分子型燃料電池の単セルの構成を示す分解断面図である。
符号の説明
1 プロトン伝導膜
2、3 電極触媒層
4 空気極側ガス拡散層
5 燃料極側ガス拡散層
6 空気極
7 燃料極
8 ガス流路
9 冷却水流路
10 セパレータ
11 単セル
12 膜電極結合体
(A) 163eV付近のピーク面積
(B) 168eV付近のピーク面積

Claims (14)

  1. 重縮合した炭化水素スルホン酸を主成分として含むことを特徴とする固体酸。
  2. 重縮合した炭化水素スルホン酸および炭化水素スルホン酸以外の炭化水素を主成分として含むことを特徴とする固体酸。
  3. 炭化水素スルホン酸が、2−ナフタレンスルホン酸、あるいは1,5−ナフタレンジスルホン酸から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の固体酸。
  4. X線光電子分光法スペクトルで、163eV付近と168eV付近とに二つのピークを示すものであって、163eV付近のピーク面積を(A)とし、168eV付近のピーク面積を(B)とし、両者の和を(A+B)とした時、下式で表される両者の和(A+B)に対する163eV付近のピーク面積(A)の割合(C)が20%を超え100%未満であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体酸。
    (C)=[(A)/(A+B)]×100 式
  5. 元素分析で炭素に対する硫黄のモル量が15モル%以上100モル%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体酸。
  6. 固体酸の酸価が、1〜10meq/gであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体酸。
  7. 炭化水素スルホン酸を重縮合剤の存在下で加熱処理することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸の製造方法。
  8. 重縮合剤が、濃硫酸あるいは発煙硫酸であることを特徴とする請求項7記載の固体酸の製造方法。
  9. 加熱処理温度が、160〜300℃であることを特徴とする請求項7あるいは請求項8記載の固体酸の製造方法。
  10. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするプロトン伝導膜。
  11. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする固体酸触媒。
  12. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とするイオン交換膜。
  13. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする膜電極接合体。
  14. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の固体酸を用いてなることを特徴とする燃料電池。
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