JP4688139B2 - 固体酸含有組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸及びバインダーを含む組成物、並びにその製造方法に関する。この組成物は、プロトン伝導膜、固体酸触媒、イオン交換膜などに利用することができる。
近年、高いエネルギー効率を有し、環境負荷の少ない燃料電池が注目されている。燃料電池とは、水素やメタノール等の燃料を酸素または空気を用いて電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すものである。
このような燃料電池は、用いる電解質の種類によって、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、アルカリ型等に分類される。このうち、陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、用いる電解質膜を薄くすることにより燃料電池内の内部抵抗を低減できるため高電流で操作でき、小型化が可能である。このような利点から固体高分子型の研究が盛んになってきている。
固体高分子型燃料電池に用いる電解質膜には、燃料電池の電極反応に関与するプロトンについて高いプロトン伝導性が要求される。このようなプロトン伝導性高分子電解質膜材料としては、商品名Nafion(デュポン社製)などのスルホン酸基含有フッ素樹脂が知られている。しかし、これらの高分子電解質材料は扱いづらいフッ素系の樹脂である上、合成経路が複雑であり、非常に高価であるという問題を抱えている。また、スルホン酸基含有フッ素樹脂は、ガラス転移温度が低く、耐熱性が低い為、動作温度が約80〜100℃と低くなってしまい効率が悪くなるという問題点も抱えている。
特開2004−238311号公報
本発明者らは、スルホン酸基が導入された無定形炭素(スルホン酸基導入無定形炭素)が燃料電池用電解質膜として優れた性質を持つことを見出し、先に出願を行った(国際出願番号:PCT/JP2004/13035、未公開)。このスルホン酸基導入無定形炭素はプロトン伝導性が高く、耐熱性に優れ、また製造コストも低く、高分子電解質膜材料として極めて優れた性質を示す。しかし、この物質は粉状であるため、充分な強度を持つ電解質膜をつくるのは困難であった。
本発明の目的は、このスルホン酸基導入無定形炭素に充分な強度を付与し、燃料電池用電解質膜として利用可能にする手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、スルホン酸基導入無定形炭素をバインダーと混合することにより、この化合物に充分な強度を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(19)を提供するものである。
(1)少なくとも、固体酸及びバインダーを含むことを特徴とする組成物。
(2)固体酸が、スルホン酸基が導入された無定形炭素であることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(3)スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01〜0.2S/cm(温度80℃湿度100%条件下で交流インピーダンス法による)であることを特徴とする(2)に記載の組成物。
(4)スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出され、プロトン伝導性を示すことを特徴とする(2)に記載の組成物。
(5)スルホン酸基が導入された無定形炭素の粉末X線回折において炭素(002)面の回折ピークのみが検出される(4)に記載の組成物。
(6)スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、0.5〜8mmol/gである(4)又は(5)に記載の組成物。
(7)スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、1.6〜8mmol/gである(4)又は(5)に記載の組成物。
(8)スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、3〜8mmol/gである(4)又は(5)に記載の組成物。
(9)バインダーが、水溶性ポリマーであることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(10)バインダーが、フッ素を含有することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(11)バインダーが、エンジニアリングプラスチック又はその変性体であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(12)バインダーが、ポリビニルアルコール又はその誘導体であることを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(13)バインダーが、スルホン酸基を含有することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の組成物。
(14)(1)乃至(13)のいずれかに記載の組成物を用いたことを特徴とする固体電解質膜。
(15)(14)に記載の固体電解質膜を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
(16)(14)に記載の固体電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
(17)有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造し、これをバインダーと混合することを特徴とする(1)乃至(13)のいずれかに記載の組成物の製造方法。
(18)不活性ガス又は乾燥空気気流中で、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造することを特徴とする(17)に記載の組成物の製造方法。
(19)有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理した後、加熱処理物を真空加熱し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造することを特徴とする(17)又は(18)に記載の組成物の製造方法。
本発明により、プロトン伝導性が高く耐熱性に優れ、低コストである固体酸を含有する組成物を提供することができ、さらにこれを用いた固体電解質膜及び燃料電池を提供することができる。固体酸として特に、スルホン酸基導入無定形炭素を用いることで環境負荷を大幅に低減できる。この物質はスルホン化と炭化という非常に簡便なステップで合成され、イオン交換容量、プロトン伝導度も高い物質である。また、必ずしも精製された出発原料を必要とせず、重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを出発原料としても良い。更に合成しなくても硫酸ピッチとして大量に産業廃棄されており、リサイクルすることで環境負荷を大幅に低減させることが可能となる。
次世代クリーンエネルギーとして使用される燃料電池の材料自体の環境負荷が大きいことは問題である。環境問題は全体として考えなければならず、環境負荷の低減を目指すという意味でもスルホン酸基導入無定形炭素を用いた燃料電池を提供できることは非常に意義が大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物は、少なくとも固体酸とバインダーを含むことを特徴とするものである。
本発明おいて使用する固体酸は、水に不溶であり、酸としてはたらく官能基を有するものであれば特に限定されない。酸としてはたらく官能基には、例えば、OH、SOH、COOH、NOH、NOHなどのブレンステッド酸の性質を持つ官能基、BF、AlClなどのルイス酸の性質を持つ官能基が含まれるが、これらに限定されるものではない。好適な固体酸としては、スルホン基導入無定形炭素を例示でき、また、これ以外にも、ゼオライト、IV族元素のシリケート、含水酸化ジルコニウム、含スルホン化ジルコニウム、有機系固体酸、モルデナイト等の無機系固体酸などを例示できる。
固体酸として使用するスルホン基導入無定形炭素は、スルホン酸基を持ち、無定形炭素としての性質を示す物質であればどのようなものでもよい。ここで「無定形炭素」とは、炭素からなる物質であって、ダイヤモンドや黒鉛のような明確な結晶構造を持たない物質をいい、より具体的には、粉末X線回折において、明確なピークが検出されないか、あるいは幅の広いピークが検出される物質を意味する。
好適なスルホン酸基導入無定形炭素としては、(1)以下の(A)、(B)及び(C)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素、(2)以下の(A)、(B)及び(C)の性質、並びに以下の(D)及び/又は(E)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素、(3)以下の(C)、(F)、(G)、及び(H)の性質を持つスルホン酸基導入無定形炭素を例示できる。
(A)13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出される。
(B)粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出される。
(C)プロトン伝導性を示す。
(D)スルホン酸密度が0.5〜8mmol/gである。
(E)スルホン酸基が結合した炭素原子が全炭素原子の3%〜20%である。
(F)水に不溶である。
(G)酸触媒としての機能を持つ。
(H)硫黄含有量は、0.3〜15atm%である。
上記(B)の性質に関して、検出される回折ピークは(002)面以外のものがあってもよいが、(002)面の回折ピークのみが検出されることが好ましい。
上記(C)の性質に関して、プロトン伝導度は特に限定されないが、0.01〜0.2Scm−1であることが好ましく、0.08〜0.11Scm−1であることが更に好ましい(前記プロトン伝導度は、温度80℃、湿度100%条件下、交流インピーダンス法によって測定される値である。)。
上記(D)の性質に関し、スルホン酸密度は0.5〜8mmol/gであればよいが、1.6〜8mmol/gであることが好ましく、3〜8mmol/gであることが更に好ましい。
上記(H)の性質に関し、硫黄含有量は0.3〜15atm%であればよいが、3〜10atm%であることが好ましい。
スルホン酸基導入無定形炭素は、例えば、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理することによって製造することができる。この製造方法の概略を図1に示す。有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理すると、炭化、スルホン化、環同士の縮合が起きる。この結果、図1に示すようなスルホン酸基導入無定形炭素が生成する。
濃硫酸又は発煙硫酸中の有機化合物の加熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性ガス気流中、あるいは乾燥空気気流中で行うことがスルホン酸密度の高い無定形炭素を製造する上で必要である。より好ましい処理は有機化合物を加えた濃硫酸又は発煙硫酸に窒素、アルゴン等の不活性ガス、あるいは乾燥空気を吹き込みながら加熱を行うことである。濃硫酸と芳香族化合物の反応によって芳香族スルホン酸と水が生成するが、この反応は平衡反応である。したがって反応系内の水が増えると、逆反応が早く進むため、無定形炭素に導入されるスルホン酸の量が著しく低下する。不活性ガスや乾燥空気気流中で反応を行うか、反応系にこれらのガスを吹き込みながら反応を行い、水を反応系から積極的に除去することによって高いスルホン酸密度をもつ無定形炭素を合成することができる。
加熱処理においては、有機化合物の部分炭化、環化及び縮合などを進行させると共に、スルホン化を起こさせる。従って、加熱処理温度は、前記反応を進行させる温度であれば特に限定されないが、工業的には、100℃〜350℃、好ましくは150℃〜250℃である。処理温度が100℃未満の場合、有機化合物の縮合、炭化が十分でなく、炭素の形成が不十分であることがあり、また、処理温度が350℃を超えると、スルホン酸基の熱分解が起きる場合がある。
加熱処理時間は、使用する有機化合物や処理温度などによって適宜選択できるが、通常、5〜50時間、好ましくは10〜20時間である。
使用する濃硫酸又は発煙硫酸の量は特に限定されないが、有機化合物1モルに対し、通常、2.6〜50.0モルであり、好適には6.0〜36.0モルである。
有機化合物としては、芳香族炭化水素類を使用することができるが、それ以外の有機化合物、例えば、グルコース、砂糖(スクロース)、セルロースのような天然物、ポリエチレン、ポリアクリルアミドのような合成高分子化合物を使用してもよい。芳香族炭化水素類は、多環式芳香族炭化水素類でも単環式芳香族炭化水素類でもよく、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ペリレン、コロネンなどを使用することができ、好適には、ナフタレンなどを使用することができる。有機化合物は、一種類だけを使用してもよいが、二種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、必ずしも精製された有機化合物を使用する必要はなく、例えば、芳香族炭化水素類を含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを使用してもよい。
グルコース、セルロース等の天然物や合成高分子化合物を原料とするときは、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の前に、これらの原料を不活性ガス気流中で加熱し、部分炭化させておくことが好ましい。このときの加熱温度は、通常、100〜350℃であり、処理時間は、通常、1〜20時間である。部分炭化の状態は、加熱処理物の粉末X線回折パターンにおいて、半値幅(2θ)が30°の(002)面の回折ピークが検出されるような状態が好ましい。
芳香族炭化水素類、又はこれを含む重油、ピッチ、タール、アスファルトなどを原料とする場合、濃硫酸又は発煙硫酸中での加熱処理の後、生成物を真空加熱することが好ましい。これは、過剰の硫酸を除去すると共に、生成物の炭化・固化を促進させ、生成物の収率を増加させる。真空排気は排気速度10L/min以上、到達圧力100torr以下の排気装置を用いることが好ましい。好ましい加熱温度は140〜300℃、より好ましい温度は200〜280℃である。この温度における真空排気の時間は、通常2〜20時間である。
本発明において使用するバインダーとしては、以下に例示する樹脂を単独又は二種類以上混合して使用することができる。また、これらの樹脂の変性体や共重合体を使用してもよい。樹脂としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、プロピレン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニリデン樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、ビニル樹脂、カルボン酸樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを例示できるが、これらに限定されない。また、上記のように有機樹脂だけでなく、有機無機ハイブリッド樹脂やシリケート樹脂、水ガラス、各種無機ポリマー等も使用できる。これらの樹脂にスルホン酸基や水酸基を導入した変性体も好適に用いられる。なかでも水溶性ポリマー、フッ素樹脂、エンジニアリングプラスチックを単独、若しくは変性及び共重合させたものは、ガス遮断性、水蒸気透過性、非電子伝導性、低コスト性等、固体電解質組成物として重要な性質を備えているので好ましい。特に水溶性ポリマーは、前記した性質に加え、スルホン基導入無定形炭素に親和性が高く、良好な膜を作り好ましい。水溶性ポリマーの中でもポリビニルアルコールは機械的特性に優れ好ましい。
エンジニアリングプラスチックとしては、耐熱性が100℃以上あり、強度が49.0MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上ある樹脂であれば特に限定されない。このようなものには以下のようなものなどがある。すなわち、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルなどが好適に用いられる。この中でも変性ポリフェニレンオキサイド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリルは安定性に優れ、特に好ましい。
水溶性ポリマーとしては、純水に1wt%以上溶解するものであれば特に限定されない。このようなものには以下のようなものがある。すなわち、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、ポリプロピルアルコール、ポリフェノール、ポリスチリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポバール酢酸ビニル、ポリビニルアセトアミド、カラギナン、ポリエチレングリコール、デキストリン、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、セルロース系化合物、スターチ、ポリアクリルアミド、カルボン酸系ポリマー、水溶性ナイロン、水溶性ポリイミド等が挙げられる。また、それらの共重合体、誘導体を用いても良く、単独または2種類以上を組み合わせて使用することもできる。これらのなかでも、ポリビニルアルコールは機械的強度が強い為、特に好ましい。
フッ素を含有しているバインダーとしては、フッ素樹脂などを使用でき、より具体的には、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのフッ素含有モノマーの単独又は共重合体を使用することができる。前記フッ素含有モノマーと、エチレン、プロピレン、スチレン、各種のアクリレートなどの共重合性モノマーとの共重合体も含まれる。フッ素を含有することで電解質膜の安定性が飛躍的に向上する。
スルホン酸基を含有するバインダーとしては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、プロピレン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニリデン樹脂、フラン樹脂、ウレタン樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、ビニル樹脂、カルボン酸樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂、スチロール樹脂、エンジニアリングプラスチックなどを、硫酸や発煙硫酸などでスルホン酸基変性したものを使用できる。これらを用いることでバインダーにもプロトン伝導性が付与でき、さらに良いプロトン伝導性が付与されることが多い。
本発明ではさらに(1)充填材又は補強材、(2)溶媒、(3)種々の添加剤を必要に応じて用いることができる。本発明の組成物に充填材を添加することにより、各層の熱膨張率を整合させることができ、各層間での内部応力を緩和することができるため、剥離やクラックを防止することができる。この充填材は球状、針状、チップ状の粒子状態で添加されることが好ましく、粒径が0.1μm以下では内部応力の緩和が難しく、増粘性があり、塗工時に問題が生じる。10μm以上だと樹脂組成物自体の脆性が悪くなる。また、膜の物性を上昇させる目的で補強材を含有させることができる。補強材としては、アラミド不織布、液晶ポリマー、ガラスクロス、ガラス不織布、ポリテトラフロロエチレン不織布、ポリテトラフロロエチレン多孔質、ポリフェニレンサルファイドレジン、等があり、これらを単独、若しくは二つ以上用いても良い。この補強材を入れることにより、機械的な強度が増す他、クラック耐性などの信頼性も向上する。また、溶媒は、有機溶媒、水、無機溶媒など常温で液体状態であるものが好適に使用でき、粘度などを調節する働きがある。添加剤としては、例えばフタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、酸化チタン、カーボンブラック等の着色顔料、樹脂硬化触媒、チクソトロピー付与剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、分散剤等を挙げることができる。
固体酸とバインダーの重量比は、固体酸:バインダー=1:99〜99:1の範囲であるが、必要とされる電解質膜の特質に応じてその割合を変更することが可能である。バインダーがスルホン酸基などプロトン伝導性の官能基を有しない場合は、固体酸をできるだけ多くした方が、高いプロトン伝導性を付与することができる。膜強度との関係もあるが、この場合は固体酸とバインダーの重量比は、固体酸:バインダー=30:70〜99:1の範囲である方が好ましいことが多い。一方、バインダーがスルホン酸基などプロトン伝導性の官能基を有する場合はプロトン伝導性の付与よりも、膜強度や安定性を重視した方が良い結果が得られることが多い。
本発明の組成物は、固体酸として機能し、プロトン伝導性に優れ、また、イオン交換容量も高いことから、固体酸触媒、プロトン伝導膜、イオン交換膜などとして利用できる。更に、本発明の組成物を利用して固体電解質膜を作製し、これを用いて膜電極接合体(MEA)や燃料電池を作製することも可能である。
本発明の組成物を用いて、MEAを製造する方法の一例としては、以下の方法を示すことができる。まず、本発明の組成物を支持体に積層し乾燥などを行い電解質層を形成する。さらに必要に応じてその上へ保護フィルムを積層して保存する。使用時、この支持体、保護フィルムを剥離させた後、電解質層の両側にガス拡散層、触媒層を含有する電極層を形成し、これによりMEAが得られる。ここにセパーレタや補助的な装置(ガス供給装置、冷却装置など)を組み立て、単一あるいは積層することにより燃料電池を作製することが出来る。
また、本発明における組成物によって形成された電解質層の好適な厚さは、通常0.1〜500μm程度であるが、より好ましくは10μm〜150μmである。これは形成された抵抗素子が厚すぎると抵抗値が大きくなり、薄すぎると電解質層の物理特性が悪くなってしまう為である。
本発明の組成物は、液状若しくは、フィルムとして用いることができる。フィルムとして用いる場合に支持体を用いることが出来る。例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、シクロオレフィン、ノルボルネン、アルミペット、アルミニウム箔などからなるフィルムが用いられる。これらに表面加工を施したり、数種類のフィルムを積層して用いてもよい。液状の組成物を支持体に均一に塗布し、熱風等による乾燥を行った後、溶剤を除去して電解質層を形成する。このままでも用いることもできるが、通常は電解質層保護のために電解質層上に保護フィルムを積層し、例えばロール状に巻くなどして保存される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
[固体電解質組成物の調製]
表1に示す重量比で固体酸とバインダーを配合し、組成物を調製した。さらに固体酸とバインダーからなる樹脂固形分が6重量%になるように溶媒で希釈し、ボールミルで混錬した後、ワニスa〜hを調製、これらを後述の方法で評価した。
Figure 0004688139
固体酸 : 化合物1
: 化合物2
バインダー:ポリビニルアルコール
:スルホン酸基含有フッ素樹脂
:ポリエーテルスルホン
補強剤 :ガラスクロス
[化合物1]
ナフタレンを濃硫酸(96%)に加え、数百℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を数百℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
[化合物2]
重油を濃硫酸(96%)に加え、数百℃で15時間加熱し硫酸ピッチを得た後、過剰の濃硫酸を数百℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
[電解質層及びMEAの製造]
シャーレの中にワニスa〜hを加え、125℃で乾燥させた。この時、場合によりガラスクロスを含有させ補強した。乾燥後の膜厚が100μmになるようにし、放冷して電解質層とした。次に、Pt触媒層が形成された炭素電極層(エレクトロケム社製)の接着面に5%Nafion溶液を垂らし乾燥させ、これを電解質層に加熱圧着してMEAを作製した。
[評価方法]
機械物性:ワニスa〜hを用いて作製した各種MEAを手で折り曲げ、折れないものを○、折れるものを×とした。
プロトン伝導性:各種MEAにセパレータを張り合わせ、これを燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製GFT−SG1)で80℃RH100%の条件下、ナイキストプロットにより膜抵抗Rを測定し、以下の式によりプロトン伝導度を測定した。この時一方の極には酸素を、一方の極には水素を流し発電させた。
[式1]
σ(S/cm:プロトン伝導性)
=l(cm:膜厚)/{R(Ω:膜抵抗)×S(cm:断面積)}
Figure 0004688139
化合物1とポリビニルアルコールを用いて作製した電解質膜(混合比は60:40)はプロトン伝導性が3E−2S/cmと高かった(ワニスa)。一方、ポリビニルアルコールのみで作製した電解質膜はプロトン伝導性が測定限界値以下(1E−5S/cm以下)であった(ワニスg)。プロトン伝導性を示さないバインダー(ポリビニルアルコール)でも、化合物1を加えることで、高いプロトン伝導性を示すことがわかった。
化合物1の含有率を高くすることにより、プロトン伝導性が向上したが(8E−2S/cm)、機械物性が若干損なわれた(ワニスd)。しかし、機械物性の低下は、ガラスクロスを含有させることで防止できた(ワニスc)。
化合物1の代わりに硫酸ピッチ由来の化合物2を用いても3E−2S/cmと高いプロトン伝導性が得られた(ワニスb)。
スルホン酸基含有フッ素樹脂をバインダーとして使用すると、化合物1の含有率が20%と少なくても8E−2S/cmと高いプロトン伝導性が得られた(ワニスe)。これはバインダーがスルホン酸基を持つため、プロトンが移動しやすかったからだと考えられる。
ポリエーテルスルホンのようなエンジニアリングプラスチックをバインダーとして用いた場合でも2E−3S/cmと高いプロトン伝導性が得られた(ワニスf)。ポリエーテルスルホン単独ではプロトン伝導性は計測限界以下(1E−5S/cm以下)であった(ワニスh)。ポリエーテルスルホンに化合物1を加えることにより、少なくとも200倍以上のプロトン伝導性が得られたことになる。
このように固体酸とバインダーで形成される固体電解質膜は高いプロトン伝導性が得られる。特に固体酸としてスルホン酸基導入無定形炭素を用いると高いプロトン伝導性が得られる。
スルホン基導入無定形炭素はスルホン化と炭化という非常に簡便なステップで合成され、イオン交換容量も4.5meq/gと非常に高くプロトン伝導度が高い材料である。この材料は合成しなくても硫酸ピッチとして大量に産業廃棄されており、リサイクルすることで環境負荷を大幅に低減させることが可能となる。次世代クリーンエネルギーとして使用される燃料電池の材料自体の環境負荷が大きいことは問題である。環境問題は全体として考えなければならず、環境負荷の低減を目指すという意味でもスルホン基導入無定形炭素を用いた燃料電池を提供できることは非常に意義が大きいと思われる。
固体酸として用いるスルホン酸基導入無定形炭素について、以下の参考例及び参考試験例において詳しく説明する。
最初に本参考例等で用いた測定装置及び測定法について説明する。
13C MAS(Magic angle spinning)核磁気共鳴スペクトルの測定:ASX200(Bruker社製、測定周波数:50.3MHz)を使用して測定した。
X線解析装置:Geigerflex RAD−B,CuKα(株式会社リガク社製)を使用した。
閃光燃焼を用いた元素分析計:CHSN−932(米国LECO社製)を使用した。
プロトン伝導度の測定:交流インピーダンス法によって測定した。即ち、100%相対湿度下に置かれた直径10mmのフィルム状試料を、白金電極に挟み、密閉セルに封入し、インピーダンスアナライザー(HYP4192A)を用いて、周波数5〜13MHz、印加電圧12mV、温度20℃、50℃、100℃にてセルのインピーダンスの絶対値と位相角を測定した。得られたデータは、コンピュータを用いて発振レベル12mVにて複素インピーダンス測定を行い、プロトン伝導度を算出した。
スルホン酸密度の測定:製造した材料1gを蒸留水100mLに分散させ、0.1M水酸化ナトリウム水溶液で滴定することによって求めた。なお、中和点はpHメータを用いて決定した。
〔参考例1〕 ナフタレンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
20gのナフタレンを300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
このスルホン酸基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。80℃、湿度100%における上記スルホン酸残基導入無定形炭素のプロトン伝導度は1.1×10−1Scm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
〔参考例2〕 コロネンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
5gのコロネン(C2412)を100mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を280℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
このスルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。80℃、湿度100%における上記スルホン酸残基導入無定形炭素のプロトン伝導度は0.7×10−2Scm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
〔参考例3〕 重油からのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
10gの重油を300mlの濃硫酸(96%)に加え、250℃で15時間加熱した後、過剰の濃硫酸を250℃での減圧蒸留によって除去し、黒色粉末を得た。この黒色粉末を300mlの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。
このスルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。80℃、湿度100%における上記スルホン酸残基導入無定形炭素のプロトン伝導度は1.0×10−1Scm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
〔参考試験例1〕 X線構造解析
参考例1〜3で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の構造を、前述したX線解析装置を用いて解析した。この結果、参考例1〜3で製造したいずれのスルホン酸残基導入無定形炭素においても、X線回折パターンにはいかなる構造も確認することができず、これらの物質はアモルファスであることがわかった。
〔参考試験例2〕 硫黄含有量の測定
参考例で1〜3で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素を酸素気流中下で燃焼させ、前述した元素分析計を用いて硫黄含有量を測定した。この結果、参考例1、2、3のスルホン酸残基導入無定形炭素の硫黄含有量は、それぞれ7.1atm%、1.5atm%、3.5atm%であり、いずれの物質にも多くのスルホン酸基が存在することが確認された。
〔参考試験例3〕 熱安定性の評価
参考例1〜3で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の大気中での分解温度を、昇温脱離法(日本ベル株式会社マルチタスクTPD)及び熱重量分析法(島津製作所DTG−60/60H)により測定した。この結果、参考例1、2、3のスルホン酸残基導入無定形炭素の分解温度は、それぞれ250℃、210℃、250℃であり、いずれの物質も熱的安定性が高いことが確認された。
〔参考試験例4〕 化学的安定性の評価
参考例1〜3で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素を150℃で1時間真空排気した後、その0.2gを触媒としてアルゴン雰囲気下の酢酸0.1molとエチルアルコール1.0molの混合溶液に添加し、70℃で6時間攪拌し、反応中に酸触媒反応によって生成する酢酸エチルの生成量をガスクロマトグラフで調べた。また、反応終了後、スルホン酸残基導入無定形炭素を回収し、洗浄後、同じ反応に再度触媒として用い、同様に酢酸エチルの生成量を調べた。なお、比較として同量のナフィオンを触媒として用いた場合の酢酸エチル生成量も調べた。
参考例1、2、3で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の実験結果をそれぞれ図2、3、4に示す。これらの図に示すように、いずれのスルホン酸残基導入無定形炭素も酸触媒として機能しており、また、その触媒作用はナフィオンよりも強かった。また、スルホン酸残基導入無定形炭素の触媒作用は、再使用時においても低下しなかった。
上記スルホン酸残基導入無定形炭素を150℃のオートクレーブ中で蒸留水と共に72時間加熱した後、ろ別した粉末を150℃で1時間真空排気した後、その0.2gを触媒として上記と同様の反応を行ったところ、いずれのスルホン酸残基導入無定形炭素も加熱処理していないものと同様の触媒作用を示した(図には示さない)。これらの結果は上記スルホン酸残基導入無定形炭素は化学的安定性が高く、150℃の水中においても酸強度が損なわれないことを示している。
〔参考例4〕
(1)ナフタレンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
20gのナフタレンを300mLの96%濃硫酸に加え、この混合物に窒素ガスを30ml/minで吹き込みながら250℃で15時間加熱することによって黒色の液体が得られた。この液体を排気速度50L/min、到達圧力1×10−2torr以下の高真空ロータリーポンプで真空排気しながら250℃で5時間加熱することによって過剰の濃硫酸の除去と炭化の促進を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末を不活性気流中下180℃で12時間加熱した後、300mLの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が前述した閃光燃焼を用いた元素分析計による元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトルを図5に示す。核磁気共鳴スペクトルは、前述した13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定法に従って測定した。図5に示すように、130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。なお、図5中で、SSBと示したピークは、13C MAS核磁気共鳴スペクトルの測定で特徴的に観測されるスピニングサイドバンドであり、炭素種に由来するものではない。図6には前述したX線解析装置で測定した粉末X線回折パターンを示した。図6に示すように、炭素(002)面と(004)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は11°であった。また、このスルホン酸基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.9mmol/gであった。
このスルホン酸基導入無定形炭素の粉末を加圧成型(日本分光社製、10mmΦ錠剤成型器、成型条件:400kg/cm、室温、1分)することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度は1.1×10−1Scm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
(2)ナフタレンから製造されたスルホン酸基導入無定形炭素の固体酸としての利用
上記スルホン酸基導入無定形炭素の粉末を150℃で1時間真空排気した後、その0.2gを触媒としてアルゴン雰囲気下の酢酸0.1molとエチルアルコール1.0molの混合溶液に添加し、70℃で6時間攪拌し、反応中に酸触媒反応によって生成する酢酸エチルの生成速度をガスクロマトグラフで調べた。その結果を図7にA(原料:ナフタレン)として示した。比較のため、スルホン酸基導入無定形炭素の代わりに、0.2gの濃硫酸、ナフィオンを触媒として反応を行い、酢酸エチル生成速度を求めた。この結果を図7にR1(HSO)、R2(ナフィオンNR50)として示した。図7のAに示されるように、スルホン酸基導入無定形炭素の存在下では酢酸エチルの生成が著しく速く、この物質が強い固体酸触媒として機能していることがわかった。
〔参考例5〕
(1)トルエンからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
5gのトルエンを100mLの96%硫酸に加え、この混合物に窒素ガスを30ml/minで吹き込みながら250℃で15時間加熱することによって黒色の液体が得られた。この液体を排気速度50L/min、到達圧力1×10−2torr以下の高真空ロータリーポンプで真空排気しながら250℃で5時間加熱することによって過剰の濃硫酸の除去と炭化の促進を行い、黒色粉末を得た。この黒色粉末を不活性気流中下180℃で12時間加熱した後、300mLの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸残基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトルの130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。得られたスルホン酸基導入無定形炭素粉末の粉末X線回折パターンでは炭素(002)面と(004)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は8°であった。また、このスルホン酸残基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.2mmol/gであった。
このスルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を参考例4と同一の条件で加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度は7×10−2Scm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
(2)トルエンから製造されたスルホン酸基導入無定形炭素の固体酸としての利用
上記スルホン酸基導入無定形炭素の粉末を150℃で1時間真空排気した後、その0.2gを触媒としてアルゴン雰囲気下の酢酸0.1molとエチルアルコール1.0molの混合溶液に添加し、70℃で6時間攪拌し、反応中に酸触媒反応によって生成する酢酸エチルの生成速度をガスクロマトグラフで調べた。その結果を図4にB(原料:トルエン)として示した。図7のBに示されるように、スルホン酸残基導入無定形炭素の存在下では酢酸エチルの生成が著しく速く、この物質が強い固体酸触媒として機能していることがわかった。
〔参考例6〕
(1)グルコースからのスルホン酸基導入無定形炭素の製造
10gのD−グルコースを不活性ガス気流中、250℃で15時間加熱し、茶褐色の有機物粉末〔半値幅(2θ)が30°である(002)面の回折ピークが観察される。〕を得た。この粉末5gを200mLの96%硫酸に加え、これに窒素ガスを 30ml/minで吹き込みながら150℃で15時間加熱することによって黒色の固体を得た。この黒色固体を300mLの蒸留水で洗浄し、洗浄後の蒸留水中の硫酸が元素分析の検出限界以下になるまでこの操作を繰り返し、スルホン酸基導入無定形炭素を得た。得られたスルホン酸基導入無定形炭素粉末の13C核磁気共鳴スペクトルの130ppm付近には縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れ、140ppmm付近にはスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環による化学シフトが現れた。得られたスルホン酸基導入無定形炭素粉末の粉末X線回折パターンでは、炭素(002)面の回折ピークが確認された。(002)面の回折ピークの半値幅(2θ)は20°であった。また、このスルホン酸残基導入無定形炭素のスルホン酸密度は4.5mmol/gであった。
このスルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を参考例4と同一の条件で加圧成型することによって、厚さ0.7mm、直径10mmのディスクを作製し、ディスクの片面に白金を蒸着した後、前述した交流インピーダンス法によってプロトン伝導度を測定した。プロトン伝導度は5×10−2cm−1であることが確認された。この結果は、上記スルホン酸残基導入無定形炭素がナフィオンに匹敵するプロトン伝導度を有することを示している。
(2)グルコースから製造されたスルホン酸基導入無定形炭素の固体酸としての利用
上記スルホン酸残基導入無定形炭素の粉末を150℃で1時間真空排気した後、その0.2gを触媒としてアルゴン雰囲気下の酢酸0.1molとエチルアルコール1.0molの混合溶液に添加し、70℃で6時間攪拌し、反応中に酸触媒反応によって生成する酢酸エチルの生成速度をガスクロマトグラフで調べた。その結果を図4のC(原料:グルコース)に示した。図7のCに示されるように、スルホン酸残基導入無定形炭素の存在下では酢酸エチルの生成が著しく速く、この物質が強い固体酸触媒として機能していることがわかった。
〔参考試験例5〕 熱安定性の評価
参考例4〜6で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素の大気中での分解温度を、昇温脱離法(日本ベル株式会社マルチタスクTPD)及び熱重量分析法(島津製作所DTG−60/60H)により測定した。
この結果、参考例4、5及び6のスルホン酸残基導入無定形炭素の分解温度は、それぞれ250℃、220℃、200℃であり、いずれの物質も熱的安定性が高いことが確認された。
〔参考試験例6〕 化学的安定性の評価
参考例4〜6で製造したスルホン酸残基導入無定形炭素を150℃のオートクレーブ中で蒸留水と共に72時間加熱した後、ろ別した粉末を150℃で1時間真空排気し、次いで、その0.2gを触媒として参考例4〜6と同様に酢酸エチルの生成反応を行ったところ、各参考例で製造したいずれの物質も加熱処理していないものと同様の触媒作用を示した(図には示さない)。これらの結果は各参考例で製造した物質は化学的安定性が高く、150℃の水中においても酸強度が損なわれないことを示している。
有機化合物からスルホン酸基導入無定形炭素を製造する工程を概念的に表した図。 スルホン酸基導入無定形炭素(原料:ナフタレン)を触媒とした場合の酢酸エチル生成の経時的変化を示す図。 スルホン酸基導入無定形炭素(原料:コロネン)を触媒とした場合の酢酸エチル生成の経時的変化を示す図。 スルホン酸基導入無定形炭素(原料:重油)を触媒とした場合の酢酸エチル生成の経時的変化を示す図。 参考例4で得られたスルホン酸基導入無定形炭素の13C核磁気共鳴スペクトル。 参考例4で得られたスルホン酸基導入無定形炭素の粉末X線回折パターン。 参考例4〜6で得られたスルホン酸基導入無定形炭素の酢酸エチルの生成速度を示す図。

Claims (17)

  1. 少なくとも、スルホン酸基が導入された無定形炭素及びバインダーを含み、スルホン酸基が導入された無定形炭素とバインダーの重量比が、スルホン酸基が導入された無定形炭素:バインダー=1:99〜99:1の範囲であり、スルホン酸基が導入された無定形炭素が、13C核磁気共鳴スペクトルにおいて縮合芳香族炭素6員環及びスルホン酸基が結合した縮合芳香族炭素6員環の化学シフトが検出され、粉末X線回折において半値幅(2θ)が5〜30°である炭素(002)面の回折ピークが少なくとも検出され、プロトン伝導性を示すことを特徴とする組成物。
  2. スルホン酸基が導入された無定形炭素のプロトン伝導度が、0.01〜0.2S/cm(温度80℃湿度100%条件下で交流インピーダンス法による)であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. スルホン酸基が導入された無定形炭素の粉末X線回折において炭素(002)面の回折ピークのみが検出される請求項1又は2に記載の組成物。
  4. スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、0.5〜8mmol/gである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、1.6〜8mmol/gである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  6. スルホン酸基が導入された無定形炭素のスルホン酸密度が、3〜8mmol/gである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  7. バインダーが、水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. バインダーが、フッ素を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  9. バインダーが、エンジニアリングプラスチック又はその変性体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  10. バインダーが、ポリビニルアルコール又はその誘導体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  11. バインダーが、スルホン酸基を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の組成物を用いたことを特徴とする固体電解質膜。
  13. 請求項12に記載の固体電解質膜を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
  14. 請求項12に記載の固体電解質膜を用いたことを特徴とする燃料電池。
  15. 有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造し、これをバインダーと混合することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  16. 不活性ガス又は乾燥空気気流中で、有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造することを特徴とする請求項15に記載の組成物の製造方法。
  17. 有機化合物を濃硫酸又は発煙硫酸中で加熱処理した後、加熱処理物を真空加熱し、スルホン酸基が導入された無定形炭素を製造することを特徴とする請求項15又は16に記載の組成物の製造方法。
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