JP2006342847A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の板部材を積層してウエイトを構成するダイナミックダンパにおいて、その固有振動数の個体ばらつきを小さくするとともに、振動低減効果が得られる周波数域を広げて、少々の個体ばらつきがあっても振動を十分に低減できるようにする。
【解決手段】 ダイナミックダンパAのウエイト13を、それぞれ中心に貫通穴14a,15aを有する2枚の皿状の板部材14,15により構成する。それらの板部材14,15を上下方向に相互に裏返した状態で重ね合わせて(積層して)、貫通穴を囲む内周フランジ部において接合する。2枚の板部材14,15の間に形成される空間部Sを利用して、ゴム弾性体12と加硫接着する際に板部材15の外周フランジ部を保持して、その位置決め精度を高める。これにより、板部材15と取付部材11との間に形成されるゴム弾性体12の主バネ部12aの寸法のばらつきを小さくすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動体に付加されてその振動レベルを低下させるダイナミックダンパに関し、特に複数の板部材を積層したウエイトの構造の技術分野に属する。
従来より、例えば自動車のエンジンのような振動発生源やエンジンマウント、サスペンションメンバなど振動の伝達経路となる部材(以下、振動体と総称する)に付加振動系を取り付けて、所定の周波数域において振動体の振動を吸収し、その振動レベルを低下させるようにしたダイナミックダンパは公知である(例えば特許文献1、2などを参照)。
そのような公知のダイナミックダンパは、低コスト化等のためにウエイトとして金属片を用い、これをバネ要素であるゴム弾性体を介して振動体に付加することが多い。そして、その付加振動系の固有振動数(共振周波数)を振動体の振動レベルが高い特定の周波数域に合わせるために、ウエイトの質量とゴム弾性体のバネ定数とを適宜、設定するようにしている。
また、例えば特許文献3には、ステアリングホイールのボス部のように狭いスペースにダイナミックダンパを設置する場合に、そのウエイトを、板金プレス成型品の板部材を積層して構成することが提案されている。こうすることで、ウエイトを例えば鋳造や鍛造等する場合のように大幅なコストアップを招くことなく、その形状の自由度を高めることができるからである。
特開2004−11787号公報 特開平1−29305号公報 特開平8−127347号公報
ところで、一般的にダイナミックダンパの性能は共振曲線(図7参照)によって表され、共振点における山の高さ(共振倍率)が高いほど、効果的に振動を低減できるものであるが、前記のようにバネ要素をゴム弾性体によって構成した場合は、そのバネ定数の個体ばらつきが比較的大きくなるため、固有振動数を正確に設定することが難しいという実状がある。
そのようにバネ定数がばらつくのはゴムの物性がばらつくことにも依るが、ゴム弾性体の寸法がばらつくことの影響も大きい。すなわち、前記のようなダイナミックダンパは、通常、金属製のウエイトを成形型に入れてゴムの加硫と同時に接着するようにしており、その際、成形型の内部でウエイトの位置がずれることにより、ゴム弾性体の寸法にばらつきを生じる。
特に前記特許文献3のもののように板金プレス成型品の板部材を積層してウエイトを構成する場合には、板部材個々の厚みのばらつきが積み重なる上に、それらの隙間のばらつきも加わってウエイト自体の寸法が大きくばらつくことになるから、ゴム弾性体の寸法のばらつきはかなり大きくなってしまう。
そうしてゴム弾性体の寸法のばらつきが大きくなると、そのバネ定数のばらつきも大きくなるから、固有振動数が狙いとする値から大きくずれてしまい、ダイナミックダンパによって振動を効果的に低減できる周波数域と振動体の振動レベルが高い周波数域とが大きくずれて、所期の振動低減効果を得られなくなり、そればかりか、反共振による悪影響を生じる虞れもある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板部材を積層したウエイトの構造に工夫を凝らして、ダイナミックダンパの固有振動数の個体ばらつきを小さくするとともに、該ダイナミックダンパによる振動低減効果が得られる周波数域を拡大して、少々の個体ばらつきがあっても振動を十分に低減できるようにすることにある。
前記の目的を達成するために、本発明では、ウエイトを構成する複数の板部材のうち、振動体に最も近い第1の板部材を厚み方向に屈曲する形状とし、これと隣接する第2の板部材との間に空間部を形成して、ここで該第1の板部材を保持することにより、ゴム弾性体と加硫接着する際の位置決め精度を高めるようにした。
具体的に、請求項1の発明は、複数の板部材が積層されたウエイトを、ゴム弾性体を介して振動体に連結してなるダイナミックダンパが対象であり、それら複数の板部材のうち、前記振動体に最も近い第1板部材が厚み方向に段差を有するように屈曲形成されていて、これと隣接する第2板部材との間に空間部が形成されているとともに、その第1及び第2板部材の外周が前記ゴム弾性体と一体のゴム層により被覆されていて、このゴム層に、それら両板部材の間の空間部に対応して周方向に延びる凹部が形成されていることを特徴とする。
前記構成のダイナミックダンパは、ウエイトを構成する積層された複数の板部材のうち、最下層の第1板部材が厚み方向に段差を有するように屈曲形成されて、これと隣接する第2板部材との間に空間部が形成されている。このため、ウエイトをゴムの成形型に入れてゴム弾性体と加硫接着する際に、そのゴム弾性体と直接、接する第1板部材を前記の空間部を利用して保持することができ、これにより成形型に対する位置決め精度を高くすることができる。
このことで、前記板部材のそれぞれの厚みにばらつきがあり、さらにそれらの隙間によってウエイト自体の積層方向の寸法が大きくばらついていても、このことによってゴム弾性体の寸法が大きくばらつくことはなく、そのバネ定数のばらつきを小さくすることができる。そうして第2板部材との間の空間部を利用して第1板部材を保持しながら、ウエイトとゴム弾性体とを加硫接着すると、そのための保持具の痕跡として、前記の空間部に対応するウエイト外周上の位置に周方向に延びる凹部が形成されることになる。
また、前記のように第1板部材がその厚み方向に屈曲した形状であると、これが平板状である場合に比べてウエイトが板部材の積層方向に長くなり、その重心位置が振動体から遠ざかることになる。このことで、ダイナミックダンパによって振動を低減できる周波数域が相対的に広くなり、その固有振動数(共振周波数)の個体ばらつきが少々あっても、狙いとする周波数域において振動の低減効果を得ることができる。
前記のようにウエイトの形状及び重心位置が変化すると、振動を低減できる周波数域が変化することについて、質量及びバネ定数の同じ2つの付加振動系について説明すると、例えば模式的に図6(a),(b)に示す2つの振動系の固有振動数fは、ウエイトWの質量をMとし、バネ要素であるゴム弾性体Rのバネ定数をkとすると、簡略には
f=(2π)-1・(k/M)1/2
と表され、両者は同じ値になる。しかし、前記2つの付加振動系の共振曲線は、例えば図7に実線及び破線でそれぞれ示すような形状になり、共振点の山の高さや裾野の広さが異なるものとなる。
そのように共振曲線の形状が変化する理由は、ウエイトの重心周りの回動変位(首振り)に起因すると考えられる。すなわち、図示のようなウエイトWを備えた付加振動系においては振動の入力によってウエイトWの重心Gが並進移動するとともに、それが重心Gの周りに回動(首振り)することから、ゴム弾性体Rの歪みはその内部において一定ではなく、或る程度の幅を持つことになる。
そして、加硫ゴムの性質として、その動バネ定数は歪み振幅とともに低下するので、前記のようにゴム弾性体Rの歪みが部位によって異なり、また、ウエイトWの首振りの大きさによっても異なるものであるとすれば、ゴム弾性体R全体としての平均的な動バネ定数kの値も一定ではなく、或る程度の幅を持つことになる。このため、前記の式によって導かれる固有振動数fの値も或る程度の幅を持つものとなり、そのことが前記のような共振曲線の形状の変化として現れるのである。
すなわち、例えば前記図6(a)のようにウエイトWが比較的細長くて、その重心Gの高さhが比較的高い(振動体から遠い)場合には、自ずと首振りが大きくなるので、この付加振動系の共振曲線は図7に破線で示すようになり、共振点における山の高さがやや低くなるものの、その裾野は広がって、振動を低減できる周波数域が比較的広くなる。
これに対し、図6(b)のようにウエイトWが比較的扁平で、その重心Gの高さhが比較的低い(振動体に近い)場合には、首振りは小さくなるので、図7に実線で示すように共振曲線の山の高さが高くなって、振動低減効果は高くなるが、一方で、その裾野は狭くなるので、振動を低減できる周波数域は比較的狭くなってしまうのである。
以上、要するに、前記の如き構成の本発明のダイナミックダンパは、板部材を積層したウエイトを使用する場合でも、このウエイトを振動体に連結するゴム弾性体の寸法のばらつきを抑制して、そのバネ定数のばらつきを小さくし、これにより固有振動数のばらつきを減らすことができるとともに、ウエイトを比較的重心の高い(重心位置を振動体から遠い)形状とすることで、振動低減効果の得られる周波数域を広げることができ、それらの相乗的な効果で、狙いとする周波数域の振動を十分に低減できるようになる。
より具体的に、前記ウエイトの構造として好ましいのは、第1及び第2の板部材をいずれも内周側に貫通穴を有する皿状に形成し、これらを積層方向に相互に裏返した状態で、貫通穴を囲む内周側の部位において接合することである(請求項2)。こうすれば、皿状に形成された第1板部材の外周部を、その全周においてより確実に保持することができる。また、第2板部材も第1板部材と同様に厚み方向に屈曲されているため、それらが積層されたウエイトの重心位置をより高くすることができ、これにより、振動低減効果の得られる周波数域をより広げることができる。
その場合に、前記ウエイトの構造として、さらに好ましいのは、前記第1及び第2板部材と同様に内周側に貫通穴を有する皿状の第3板部材を備え、この第3板部材と前記第2板部材とを積層方向に相互に裏返した状態で、互いに外周側の部位において接合することである(請求項3)。こうすれば、皿状の第1〜第3板部材が積層されたウエイトの重心位置がさらに高くなるので、振動低減効果の得られる周波数域をより一層、広げることができる。
そして、そのように貫通穴を有する皿状の板部材を積層して、ウエイトを構成するのであれば、それらを全て略同一形状とすることで(請求項4)、コストの低減が図られる。
但し、必ずしもそのように全ての板部材を略同一形状とする必要はなく、例えば、前記第2板部材は、内周側に貫通穴を有する平板状に形成して、これを前記第1板部材と貫通穴を囲む内周側の部位において接合する構成としてもよい(請求項5)。
以上、説明したように、本発明に係るダイナミックダンパによると、複数の板部材を積層してウエイトを構成する場合でも、このウエイトを振動体に連結するゴム弾性体の寸法のばらつきを抑制して、そのバネ定数のばらつきを小さくし、これにより、ダイナミックダンパの固有振動数の個体ばらつきを小さくすることができるとともに、そのウエイトを比較的重心の高い(重心位置が振動体から遠い)形状として、振動低減効果の得られる周波数域を広げることができ、それらの相乗的な効果で振動体の所定周波数域の振動を十分に低減することができる。
特に、全ての板部材を全て略同一の皿状に形成し、それらを交互に裏返して積層するようにすれば、前記の効果を十分に得ながら、コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図2は、本発明に係るダイナミックダンパAを自動車のエンジンマウント1に適用した実施形態を示し、このエンジンマウント1は、図示しないエンジンと車体との間に介在されて、そのエンジンの静荷重を支持するとともに、エンジンの発生する振動を吸収し、或いは減衰させて車体への伝達を抑制するためのものである。この実施形態では、エンジンマウント1が振動体である。
前記エンジンマウント1は、例えば、金属製外套2で補強したゴム製容器の中に液体を封入した上下2つの室を設け、この両室をオリフィスでつないだものであり、前記外套2には車体に取り付けるための車体ブラケット3〜5が設けられている。また、前記ゴム製容器の上部には金属製の支持部材6が結合されていて、この支持部材6にはエンジンに取り付けるためのエンジンブラケット7が締結されるようになっている。
すなわち、エンジンから延設されるエンジンブラケット7の端部が前記支持部材6の上面に重ねられていて、そのブラケット7の端部上面にダイナミックダンパAの後述する取付部材11が重ねられて、この取付部材11とブラケット7の端部とがボルト8により支持部材6に共締めされている。
ダイナミックダンパAは、図1(a)に拡大して示すように、前記取付部材11の上面にゴム弾性体12を介してウエイト13(同図(b)に単体で示す)が取付けられたものである。取付部材11は、円板状の金属板によって形成されていて、その中心に前記ボルト8を挿通するためのボルト穴11aが形成されている。また、ゴム弾性体12は、前記取付部材11の上面でボルト穴11aの周囲を巡り、且つ上方に向かって延びる円筒状に形成されており、その内部に、取付部材11の上面から離間して上下2枚の環状の板部材14,15からなるウエイト13が埋め込まれている。
前記ゴム弾性体12は、取付部材11とその上方に対峙する板部材15(振動体であるエンジンマウント1に最も近い第1板部材)とに挟まれた部分が、ダイナミックダンパAのバネ要素として機能する主バネ部12aとされている。主バネ部12aは、前記板部材15の外周部の下面付近から取付部材11の外周を囲む下端部まで、その外径がやや小さくされた小径部である。
前記ウエイト13を構成する2枚の板部材14,15は、いずれも金属製板材をプレス成形して、その中心に前記取付部材11のボルト穴11aよりも大径の貫通穴14a,15aを有する皿状に形成したものである。この例では、2枚の板部材は略同じ形状とされ、上下方向に相互に裏返された状態で重ねられて(積層されて)、貫通穴14a,15aを囲む内周側の部位において溶接により接合されている。
より詳しくは、図1(b)にのみ符号を付して示すが、前記板部材14,15は、それぞれ、内周フランジ部14b,15b及び外周フランジ部14c,15cが傾斜部14d,15dにより繋がれて、内外周間に厚み方向の段差ができるように緩やかに屈曲している。そして、両板部材14,15の貫通穴14a,15aを囲む内周フランジ部14b,15b同士が接合されている一方、そこから外周側に向かって徐々に両板部材14,15の間隔が広くなっていて、そこにはウエイト13の全周に亘る環状の空間部Sが形成されている。
そして、同図(a)の如く、前記両板部材14,15の接合部を除くウエイト13の表面全てが、主バネ部12aに連なるゴム弾性体12のゴム層により覆われていて、そのうちの前記空間部Sに対応する相対的に厚肉のゴム層12bには、板部材15の外周フランジ部15cの上面付近に沿って、全周に亘る環状の溝部16(凹部)が形成されている。言い換えると、ゴム弾性体12の外周には小径の主バネ部12aと前記溝部16とに挟まれて、ちょうど板部材15の外周フランジ部15cを覆うように環状の畝部17が形成されている。
ここで、上述の構成のダイナミックダンパAを製造するときには、図3に示すように、取付部材11及びウエイト13を前記のエンジンマウント1への取付時とは上下反転した状態で成形型D内のキャビティに設置し、このキャビティに充填したゴムの加硫と同時に、このゴムに接着する。この際、図の下方に位置する板部材14が内外周側及び下側から下型d1により保持されるとともに、図の上方に位置する板部材15は、外周フランジ部15cが外周側及び上側から上型d2により保持され、且つ下側から中間型d3によって保持されるようになる。また、取付部材11は上型d2及び下型d1により挟持される。
こうして取付部材11が上下の型d1,d2間に挟持されるとともに、板部材15は、その外周フランジ部15cを全周に亘って上型d2と中間型d3との間に挟まれた状態になって、いずれも成形型Dに対し精度良く位置決めされることになる。そのため、2枚の板部材14,15にそれぞれ厚みのばらつきがあり、さらに両者の間に隙間があって、ウエイト13全体として高さ(厚み寸法)がばらついていても、取付部材11と板部材15との間に形成されるゴム弾性体12の主バネ部12aの高さ(厚み寸法)が大きくばらつくことはなく、そのバネ定数のばらつきを小さくすることができる。
そうして板部材15の外周フランジ部15cを上型d2と中間型d3との中間に挟んだ状態で、ゴム弾性体12を加硫成型すると、上述したように、ゴム弾性体12の外周には板部材15の外周フランジ部15cに沿うようにして環状の溝部16が形成され、この溝部16と小径の主バネ部12aとの間に環状の畝部17が形成されることになる。
したがって、この実施形態のダイナミックダンパAは、プレス成型した金属製板部材14,15を重ね合わせてウエイト13を構成する場合でも、このウエイト13を振動体であるエンジンマウント1に連結するゴム弾性体12においてバネ要素として機能する主バネ部12aの寸法のばらつきが抑制されて、そのバネ定数のばらつきが小さくなるので、このことに起因する固有振動数の個体ばらつきが小さくなり、エンジンマウント1の振動を低減する周波数域を精度良く設定することができる。
また、それぞれ厚み方向に屈曲する皿状の板部材14,15を相互に裏返して積層したことで、それらが平板状である場合に比べてウエイト13が積層方向に長くなり、その重心位置が高くなるから、図6,7を参照して上述したように、振動を低減する周波数域を広げて、固有振動数の個体ばらつきが少々あっても、振動低減効果を得ることができる。
そして、そのようにダイナミックダンパAの固有振動数のばらつきが小さくなり、振動を低減する周波数域が精度良く設定できることと、その周波数域が相対的に広くなることとの相乗的な効果で、エンジンマウント1の振動を狙いとする周波数域において十分に吸収し、その振動レベルを低下させることができる。
加えて、この実施形態では、前記のようにプレス成型した同一形状の板部材14,15を重ね合わせて、ウエイト13を構成するようにしているので、例えば鋳造、鍛造等する場合に比べてウエイト13の製造コストをかなり低減することができ、これによりダイナミックダンパAの製造コストも低減できる。
(他の実施形態)
尚、本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記の実施形態では、ウエイト13を2枚の皿状の板部材14,15により構成しているが、これに限らず、例えば図4に一例を示すように、第1の板部材15と重ね合わされる第2の板部材14は、その内周側に貫通穴14aを有する略平坦な円板状に形成してもよい。
或いは、例えば図5に一例を示すように、2枚の板部材14,15と同じ形状の第3の板部材18を第2の板部材14に上方から重ね合わせて、積層することもできる。この場合、図示の如く第3の板部材18及び第2の板部材14はその積層方向に相互に裏返した状態で、互いに外周フランジ部において接合するのがよい。こうすれば、皿状の3枚の板部材14,15,18を積層したウエイト13がさらに長くなり、その重心位置がさらに高くなるので、振動低減効果の得られる周波数域をより一層、広げることができる。
さらに、ウエイト13を構成する板部材は、前記のような皿状や円板状のものでなくてもよく、例えば平面視で矩形の板部材を折り曲げて厚み方向に段差ができるような形状とするだけでもよい。
また、前記実施形態では、ダイナミックダンパAの製造時に中間型d3によってウエイト13の板部材15の全周を保持するようにしており、そのため、ゴム弾性体12の外周には全周に亘って溝部16が形成されることになるが、前記板部材15の外周の一部を保持するようにしてもよく、そうすれば、ゴム弾性体12の外周には周方向に延びる凹部が形成されることになる。
さらにまた、前記実施形態では、本発明のダイナミックダンパAを自動車用のエンジンマウント1に取り付けているが、ダイナミックダンパAの用途は、それに限定されず、例えば、それ以外のエンジンマウント、自動車のサスペンションブッシュ等、種々の用途に用いられる。
以上、説明したように、本発明に係るダイナミックダンパは、板部材を積層して、比較的低コストで形状の自由度が高いウエイトを構成することができるとともに、その場合でも固有振動数の個体ばらつきを抑えて、振動体の振動を狙いとする周波数域において十分に低減できるものなので、例えば自動車のエンジンマウント、サスペンションブッシュを始めとして、各種産業機械などにも好適なものである。
本発明に係るダイナミックダンパを示す斜視図であり、(a)は一部を切り欠いてダンパの内部構造を示し、(b)はウエイトを単体で示す。 同ダイナミックダンパを適用したエンジンマウントの正面図である。 同ダイナミックダンパの製造過程を模式的に示す断面図である。 ウエイトに円板を用いた他の実施形態の図1(a)相当図である。 ウエイトとして3枚の板部材を用いた他の実施形態の図1(a)相当図である。 ウエイトの形状が異なる2つの付加振動系を模式的に示す説明図である。 同2つの付加振動系の共振曲線を対比して示すグラフ図である。
符号の説明
A ダイナミックダンパ
1 エンジンマウント(振動体)
12 ゴム弾性体
12a 主バネ部
12b ゴム層
13 ウエイト
14 板部材(第2の板部材)
14a 貫通穴
15 板部材(第1の板部材)
15a 貫通穴
16 溝部(凹部)
18 板部材(第3の板部材)
S 空間部

Claims (5)

  1. 複数の板部材が積層されたウエイトを、ゴム弾性体を介して振動体に連結してなるダイナミックダンパであって、
    前記複数の板部材のうち前記振動体に最も近い第1板部材は、その厚み方向に段差を有するように屈曲形成されていて、隣接する第2板部材との間に空間部が形成されており、
    前記第1及び第2板部材の外周が前記ゴム弾性体と一体のゴム層により被覆されていて、このゴム層に、前記両板部材の間の空間部に対応して周方向に延びる凹部が形成されていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 請求項1のダイナミックダンパにおいて、
    第1及び第2の板部材は、いずれも内周側に貫通穴を有する皿状に形成され、積層方向に相互に裏返された状態で前記貫通穴を囲む内周側の部位において接合されていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  3. 請求項2のダイナミックダンパにおいて、
    ウエイトは、内周側に貫通穴を有する皿状に形成されて、第2板部材と積層方向に裏返された状態で互いに外周側の部位において接合された第3板部材を備えていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  4. 請求項2又は3のいずれかのダイナミックダンパにおいて、
    全ての板部材が略同一形状とされていることを特徴とするダイナミックダンパ。
  5. 請求項1のダイナミックダンパにおいて、
    第1板部材が内周側に貫通穴を有する皿状に形成されている一方、第2板部材は内周側に貫通穴を有する平板状に形成され、該両板部材が互いに貫通穴を囲む内周側の部位において接合されていることを特徴とするダイナミックダンパ。
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