JP2005036845A - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】金属マスを複数の弾性連結体を介して支持枠部材で弾性的に支持せしめて副振動系を構成することにより、互いに直交する2方向で有効な制振効果を発揮するようにしたダイナミックダンパにおいて、かかる副振動系におけるチューニングの精度と長期間における安定性を向上すること。
【解決手段】マス部材14を囲むようにして、略矩形枠体形状の支持枠部材12が配設されて、該支持枠部材12において対向位置する一対の支持辺部26,32とマス部材14との各対向面間がそれぞれ弾性連結体16,16,16,16で連結されると共に、該支持枠部材12における一対の支持辺部26,32が相互に接近変位せしめられるように、支持枠部材12が変形加工されることにより各弾性連結体16に対して予圧縮が及ぼされてなるダイナミックダンパ10。
【選択図】 図1
【解決手段】マス部材14を囲むようにして、略矩形枠体形状の支持枠部材12が配設されて、該支持枠部材12において対向位置する一対の支持辺部26,32とマス部材14との各対向面間がそれぞれ弾性連結体16,16,16,16で連結されると共に、該支持枠部材12における一対の支持辺部26,32が相互に接近変位せしめられるように、支持枠部材12が変形加工されることにより各弾性連結体16に対して予圧縮が及ぼされてなるダイナミックダンパ10。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、振動部材に装着されて該振動部材の振動を低減する制振装置としてのダイナミックダンパに係り、特に、従来構造のダイナミックダンパに比して、目的とする制振効果をより高精度に、しかも安定して得ることが出来、例えば自動車におけるステアリングホイール用のダイナミックダンパ等として好適に採用される、新規な構造のダイナミックダンパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車におけるステアリングホイールは、自動車の運転に際して、常時、運転者が直接に手で握っている部分であって、運転者は、ステアリングホイールの微振動に対しても敏感に知覚し得ることから、ステアリングホイールにおける振動は、自動車の乗り心地に大きな影響を与えることとなり、自動車においては、従来から、ステアリングホイールの防振が重視されている。特に、ステアリングホイールは、基端部で片持構造とされたステアリングシャフト(ステアリングコラムとも言う)の先端部分にある程度の質量をもって取り付けられるものであることから、ステアリングシャフトの首振状の振動がステアリングシャフトの軸直角方向で車両略上下方向や左右方向に生ぜしめられ易く、しかも、固有振動数が略アイドリング振動に相当する20〜40≡となることが多いことから、大きな問題となり易いのである。
【0003】
そこで、従来から、ステアリングホイールにおいては、特定構造のダイナミックダンパを装着して、アイドリング振動周波数域の振動を低減することが提案されている。例えば、特許文献1(特開平10−267075号公報)や特許文献2(特許2824382号公報)に記載されているものが、それである。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−267075号公報
【特許文献2】
特許2824382号公報
【0005】
これら特許文献1,2に開示されたダイナミックダンパは、マス金具と、振動部材に取り付けられる支持板金具とが、該マス金具を挟んだ両側の各対向面間で、ゴム弾性体等の弾性連結体によって弾性連結せしめられていることから、ステアリングシャフトの中心軸に対して直交する上下方向や左右方向等の複数の振動入力方向で、マス金具が有利に且つ安定して変位せしめられることとなり、それら複数方向の振動に対してそれぞれ有効な防振効果が発揮されることとなる。
【0006】
ところで、ダイナミックダンパは、周知の如く、マス金具とそれを振動部材に対して弾性連結せしめる弾性連結体で構成されるマス−バネ系からなる副振動系の固有振動数を、主振動系たる振動部材において防振すべき振動の周波数に対して、正確にチューニングすることによって、有効な制振効果を得ることが出来るのであり、それ故、(i)副振動系における固有振動数のチューニング精度が充分に高いことと、(ii)一度チューニングされた副振動系の固有振動数が長期間に亘って安定して維持されることが、重要となる。
【0007】
しかしながら、前述の特許文献1,2に開示された従来構造のダイナミックダンパは、何れも、薄肉平板形状の支持板金具の長手方向両側の自由端縁部を折り曲げただけで、弾性連結体を介してマス金具を支持せしめる支持部が構成されているに過ぎない。そのために、本発明者が検討したところ、このような支持部の構造では、充分な強度や剛性を確保することが難しく、形状寸法が、製造時やその後の使用中に設計値から外れてしまい易いとの知見を得た。特に、かかる支持部には、マス金具の変位に伴う荷重が弾性連結体を介して直接に及ぼされることから、多少の変形は予想に難くないところである。そして、支持部の形状寸法が変化してしまうと、かかる支持部は、マス金具を一方向で挟むようにして、弾性連結体で弾性支持せしめる構造となっていることから、弾性連結体におけるばね特性の変化に直接につながることとなり、その結果、ダイナミックダンパのチューニングが変化してしまって、目的とする制振効果を安定して得ることが難しくなるという問題がある。
【0008】
また、本発明者が検討した結果、このようなダイナミックダンパにおいても、弾性連結体をゴム弾性体で構成した場合には、ゴム弾性体の加硫収縮に起因する引張応力を軽減して耐久性を向上する等の目的で、ゴム弾性体の加硫成形後に支持部を変形加工してゴム弾性体に予圧縮を及ぼすことが有効であることが確認されているが、上述の特許文献1,2に示されている如き、薄肉平板形状の支持板金具の自由端縁部を折り曲げただけで支持部を構成した従来構造のダイナミックダンパでは、その支持部を変形加工してゴム弾性体に予圧縮を及ぼすと、支持部のスプリングバックが大きく、且つその大きさの管理が極めて困難であることから、ダイナミックダンパのチューニング精度を確保することが一層難しくなるとういう問題があったのである。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、マス部材を弾性連結体を介して支持せしめる支持部材の形状寸法を高精度に設定および保持することが可能で副振動系のチューニング精度が向上されて目的とする防振効果を有利に且つ安定して得ることが出来、しかも、弾性連結体への予圧縮も効果的に及ぼされて優れた耐久性が発揮され得る、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
【0010】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0011】
すなわち、本発明の特徴とするところは、(a)マス部材と、(b)略矩形枠体形状をもって形成されて前記マス部材の外周側を所定距離を隔てて取り囲むようにして配設せしめられた、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材と、(c)該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と前記マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に配設されて、該マス部材を該一対の辺部に対してそれぞれ弾性的に連結する複数の弾性連結体とを、含んで構成されており、前記支持枠部材が変形加工されて前記一対の支持辺部が相互に接近変位せしめられることにより前記複数の弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされているダイナミックダンパにある。
【0012】
このような本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、マス部材がその両側に配された一対の支持辺部に対してそれぞれ弾性連結体で連結支持されていることから、支持枠部材の開口軸方向と、該開口軸方向および一対の支持辺部の対向方向の何れにも直交する軸直角方向との、何れにおいても、マス部材が支持枠部材に対して相対変位せしめられた際、かかるマス部材の変位方向がマス部材を挟んだ両側に配されて該マス部材を弾性的に支持する弾性連結体の略弾性主軸の方向となるように設定することが可能となる。それによって、互いに直交するそれら二つの方向での振動入力に際して、マス部材における回転や揺動等の不規則な変位が抑えられて、マス部材が安定して変位せしめられることとなるのであり、以て、マス部材の変位に基づく制振効果が、それら二つの方向の振動に対して、何れも有効に且つ安定して発揮され得るのである。
【0013】
また、上述の二つの方向(▲1▼支持枠部材の開口軸方向と、▲2▼該開口軸方向および一対の支持辺部の対向方向との何れにも直交する軸直角方向)では、振動入力によってマス部材が変位せしめられた際、弾性連結体の弾性変形が、主に剪断成分をもって生ぜしめられることとなる。それ故、それら二つの方向の入力振動に対するダイナミックダンパのチューニング自由度が、弾性連結体の耐久性を有利に確保しつつ低周波数域まで広げられると共に、マス部材の質量を著しく大きくすることなくコンパクトなサイズで低周波数域へのチューニングが実現可能となるのである。
【0014】
さらに、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパでは、支持枠部材に変形加工が加えられることで弾性連結体に予圧縮が及ぼされていることから、弾性連結体における引張応力が軽減されて、耐久性の更なる向上が図られているのである。
【0015】
ここにおいて、特に本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、支持枠部材が周方向で閉じた略矩形枠体形状とされていることから、例えば特許2824382号公報(特許文献2)に記載されているように支持板金具の自由端縁部でマス金具を弾性的に支持せしめた構造のものに比して、支持枠部材におけるマス金具の支持部分の剛性、即ち形状寸法の精度が飛躍的に向上され得る。それ故、本発明では、上述の如き支持枠部材の変形加工によってゴム弾性体に予圧縮を加えても、その後の支持枠部材のスプリングバックが可及的に抑えられると共に精度良く予測され得ることとなる。従って、ゴム弾性体に予圧縮を及ぼして耐久性の向上を図りつつ、寸法精度を充分に確保して、目的とするチューニングを安定して行うことが出来るのであり、以て、目的とする制振効果を、安定して、且つ優れた耐久性のもとに得ることの出来る、新規な構造のダイナミックダンパが実現され得るのである。
【0016】
さらに、本発明においては、前記マス部材が、略矩形枠体形状を有する前記支持枠部材の内周面形状よりも一回り小さな外周面を備えた略矩形ブロック形状を有しており、該マス部材と該支持枠部材の前記弾性連結体で連結される各対向面が、前記一対の支持辺部の対向方向に対して略直交して広がる略平行な平面形状とされている構成が、好適に採用される。
【0017】
このような構成を採用することにより、支持枠部材で囲繞されたスペースでマス部材の質量を効率的に確保することが出来ると共に、マス部材と支持枠部材に対する弾性連結体の固着面が対向方向に略直交する略平行面とされていることにより、制振効果が発揮される前述の二つの方向の何れにマス部材が変位せしめられた際にも、弾性連結体に対する圧縮変形が回避され得ることから、弾性連結体のばね定数の安定化ひいては制振効果の安定化が一層有利に図られ得るのである。
【0018】
また、本発明においては、前記支持枠部材における前記一対の支持辺部において、それぞれ、該支持枠部材における4つの角部を形成する両端部分を避けた長手方向中間部分に前記弾性連結体が固着されていると共に、少なくとも一方の支持辺部が、両端部分を避けた該長手方向中間部分において相互に接近する方向に変形加工されることにより、該弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされている構成が、好適に採用される。
【0019】
このような構成を採用したダイナミックダンパにおいては、変形加工の難しい角部を避けて支持辺部の長手方向中間部分を変形加工することにより、支持枠部材の変形加工による弾性連結体への予圧縮が一層容易に実現可能となる。また、支持枠部材の角部の変形加工を避けることにより、角部による支持枠部材全体の強度保持効果がより安定して発揮され得るのである。
【0020】
また、本発明においては、前記振動部材に対して固定するための取付部が形成された取付板金具に対して、その端縁部に略門形状の部分枠金具を重ね合わせて、該部分枠金具の両脚部先端部を該取付板金具に固着することにより、これら取付板金具の端縁部と部分枠金具で全体として矩形枠体形状を有する前記支持枠部材が形成されている構成が、好適に採用される。
【0021】
このような構成を採用することにより、矩形枠体形状の支持枠部材を、容易に且つ効率的に形成することが可能となる。尤も、支持枠部材の構造は、その他、各種のものが採用可能であり、例えば矩形断面の管体を適当な幅で切り出したり、或いは振動部材に対する取付部分に一体形成された長手帯板状の部分を屈曲させて矩形枠体状として両端部同士を溶着等すること等によって、単一の部材から形成することも可能である。
【0022】
また、本発明においては、前記マス部材を前記支持枠部材に対して弾性連結せしめる前記弾性連結体におけるばね定数を、該支持枠部材の開口軸方向と、該支持枠部材の開口軸方向および該支持枠部材における前記一対の支持辺部の対向方向の何れにも直交する軸直角方向との、二方向において略同じに設定して、自動車のステアリングシャフトに対して、該ステアリングシャフトの中心軸と該支持枠部材の開口軸が略直交するようにして装着されるようにした構成が、好適に採用される。
【0023】
このような構成を採用することにより、ステアリングホイールで特に問題となる、何れもステアリングシャフトの中心軸に直交し且つ互いに直交する二方向で惹起される、アイドリング振動の周波数域と略同じ周波数域の共振現象に伴う振動に対して、何れも、有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが有利に実現可能となるのである。
【0024】
特に、ステアリング用のダイナミックダンパは、一般に、ステアリングのホーンボタンを兼ねてエアバッグの収納スペースを覆うカバーの内部に設けられた極めて狭いスペースに組み込まれることとなるが、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにあっては、そのような狭い領域内にも容易に配設され得ると共に、マス部材の周囲が矩形枠体形状の支持枠部材で囲繞されていることから、支持枠部材の軸方向両側の開口部分を他部材で所定距離を隔てて覆うように配設すれば、たとえ弾性連結体が破断した場合でもマス部材の完全な離脱乃至は飛び出しが阻止され得ることとなり、フェイルセーフ機構が容易に実現可能となるという利点もある。
【0025】
さらに、本発明は、(d)マス部材を準備する工程と、(e)略矩形枠体形状をもって形成されて、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材を準備する工程と、(f)前記マス部材の外周側に所定距離を隔てて取り囲むようにして、前記支持枠部材を配置せしめて、該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と該マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に複数の弾性連結体を成形せしめて、かかる複数の弾性連結体を該マス部材と該一対の辺部に対してそれぞれ加硫接着せしめる加硫成形工程と、(g)前記支持枠部材を変形加工せしめて前記一対の支持辺部を相互に接近変位せしめることにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす予圧縮工程とを、有するダイナミックダンパの製造方法も、特徴とする。
【0026】
このような本発明方法に従えば、前述の如き、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパが、有利に製造され得る。
【0027】
また、かかる本発明方法にあっては、前記予圧縮工程において、前記支持枠部材における前記一対の支持辺部のうちの一方だけを、前記弾性連結体が加硫接着された長手方向中間部分が他方の該支持辺部に対して接近せしめられるように変形加工することにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす構成が、好適に採用される。
【0028】
このような構成を採用することにより、矩形枠体形状とされた支持枠部材に対して、弾性連結体に予圧縮を及ぼすための変形加工を一層容易に加えることが出来、目的とするダイナミックダンパをより効率的に製造することが可能となる。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1〜5には、本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパ10が示されている。このダイナミックダンパ10は、支持枠部材としての支持枠金具12に対して、マス部材としてのマス金具14が、弾性連結体としての連結ゴム脚部16,16,16,16によって弾性連結されることにより、マス金具14と複数の連結ゴム脚部16によって一つの振動系を構成するようになっている。
【0031】
より詳細には、支持枠金具12は、取付板金具としての平形金具18に対して部分枠金具としての門形金具20が溶着されることによって形成されている。平形金具18は、全体として矩形平板形状を有しており、中央部分には大径の円形窓22が設けられている。なお、円形窓22の周囲には、4個の固定用ボルト孔34が、平形金具18の周方向で略等分の位置に形成されている。
【0032】
また、平形金具18の一つの端縁部が、段差部24によって一方の面(外面)側に僅かに立ち上がって支持縁部26が形成されている。一方、門形金具20は、薄肉の長手帯状の板金具を屈曲させることで、全体として門形状とされており、両脚28,28の基端部分が、それぞれ、平形金具18における支持縁部26の両端部分に重ね合わされて溶着されている。
【0033】
これにより、平形金具18の一つの端縁部分には、支持縁部26と門形金具20で協働して、全体として略矩形枠体形状の支持枠部30が形成されている。即ち、かかる支持枠部30は、門形金具20の両脚部28,28で形成されて互いに対向位置せしめられた一対の短辺部と、支持縁部26と門形金具20の天板部32で形成されて互いに対向位置せしめられた一対の支持辺部としての一対の長辺部とによって構成されている。即ち、本実施形態では、支持枠部30が平形金具18の一方の面に立ち上がって形成されており、この支持枠部30の開口軸方向(図1において紙面に垂直な方向)が、支持枠部材としての支持枠金具12における開口軸方向とされている。
【0034】
そして、かかる支持枠金具12において支持枠部30で囲まれた中空領域にマス金具14が配設されている。かかるマス金具14は、支持枠部30の開口軸方向からの正面視において、図1に示されているように、支持枠部30で囲まれた中空領域よりも一回り小さな略矩形の外周形状を有している。そして、支持枠部30の中空領域の略中央に位置せしめられていることにより、マス金具14の周囲には、全周に亘って、支持枠部30との間に隙間が形成され、マス金具14が支持枠部30から離隔して配設されている。
【0035】
なお、マス金具14の高さ方向(図1中の上下方向)の寸法は、正面視において、幅方向中央部分35よりも両側部分36,36が小さくされている。また、高さ寸法が小さくされた両側部分36,36は、何れも、高さ方向両端面38,38が、支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向方向に直交して広がる平坦面とされており、互いに所定距離を隔てて対向位置せしめられた支持枠体30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)と略平行に広がっている。
【0036】
また、支持枠部30の開口軸方向(即ち、図1の紙面に垂直な方向)では、マス金具14の肉厚寸法が、支持枠部30よりも僅かに大きくされて、支持枠部30から両側に突出せしめられている。尤も、マス金具14の具体的形状は、周囲に配設される他部材への干渉を回避することや、要求される制振効果を実現するために必要なマス質量等を考慮して適宜に決定されるものであり、本実施形態によって限定的に解釈されない。
【0037】
さらに、上述の如くマス金具14とその回りを取り囲むようにして配設された支持枠部30は、計4本の連結ゴム脚部16,16,16,16によって、弾性連結されている。これら連結ゴム脚部16,16,16,16は、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向面間に、それぞれ配設されている。特に本実施形態では、一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の略対向方向に延びる中心軸をもって、各連結ゴム脚部16が形成されており、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部26,32の対向面に対して、それら各連結ゴム脚部16の軸方向両端面が加硫接着されている。
【0038】
なお、特に本実施形態では、薄肉の被覆ゴム層40がマス金具14に被着されて、該マス金具14の外周面を略全体に亘って被覆していると共に、この被覆ゴム層40と一体的に連結ゴム脚部16,16,16,16が形成されている。要するに、被覆ゴム層40と連結ゴム脚部16,16,16,16は、所定の成形金型の成形キャビティに支持枠金具12とマス金具14を位置決めセットした状態で該成形キャビティにゴム材料を射出充填し、加硫することによって成形されており、かかる加硫成形と同時に支持枠金具12とマス金具14に対して加硫接着されている。
【0039】
また、各連結ゴム脚部16は、略矩形状の一定断面をもって、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向面間において、該一対の長辺部(図1中の上下方向)に向かって相互に平行に延びるように形成されている。更に、本実施形態では、マス金具14において、各連結ゴム脚部16が被着された両側部分36,36の高さ寸法が中央部分よりも小さくされていることから、連結ゴム脚部16の軸方向の自由長を大きく設定することが出来ると共に、マス金具14の中央部分が支持枠部30における一対の長辺部26,32に向かって突出されて適当な隙間を隔てて対向位置せしめられていることにより、かかる中央部分の長辺部26,32に対する被覆ゴム層40を介しての当接によってマス金具14の支持枠部30に対する高さ方向の相対変位量を制限するストッパ機能が発揮されるようになっている。
【0040】
更にまた、本実施形態では、各連結ゴム脚部16が長方形状の軸方向断面とされており、これにより、図2中の上下方向と左右方向で異なるチューニングが施されることとなる。特に、図2中の左右方向が、各連結ゴム脚部16の軸方向断面における長辺方向と略一致せしめられていることから、左右方向のチューニング周波数が上下方向のチューニング周波数よりも大きくされている。
【0041】
そして、これら4本の連結ゴム脚部16,16,16,16によってマス金具14を支持枠部30に対して協働して弾性的に連結支持せしめることにより、後述する主振動系としてのステアリングに対する副振動系として機能する一つの振動系が構成されている。
【0042】
また、かかる振動系においては、マス金具14の重心を通って支持枠部30の開口軸と平行に延びるマス軸方向中心線と、該マス軸方向中心線に直交する図1中の上下方向および左右方向において、マス金具14の中心を通って延びるマス上下方向中心線およびマス左右方向中心線とが、それぞれダイナミックダンパのばね系の弾性主軸と略一致するように設定されている。これにより、かかる振動系に外力が及ぼされてマス金具14が、支持枠部30の開口軸方向と、該開口軸に直交する図1中の上下方向または左右方向に変位せしめられた際、マス金具14が、回転等の不規則な変位を小さく抑えられて、安定して変位せしめられるようになっている。
【0043】
さらに、支持枠部30において一方の長辺部を構成する門形金具20の天板部32は、その中間部分が下方に向かって変位加工せしめられて、他方の長辺部を構成する平形金具18の支持縁部26に接近して位置せしめられている。
【0044】
すなわち、図6に示されているように、支持枠金具12は、平形金具18と門形金具20を溶着して組み立てられた際、およびその後にマス金具14と共に所定の成形金型にセットされて、被覆ゴム層40と連結ゴム脚部16,16,16,16が成形されて一体加硫成形品42とされた際には、その支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)が、両端角部を含む全長に亘って互いに平行に直線的に延びる長手平板形状とされている。
【0045】
しかし、図1に示されているように、かかる一体加硫成形品42には、その後、上側の長辺部32(門形金具20の天板部)に対して、プレス加工が施され、その長手方向両端近くに一対の段差状部44,44が形成されることにより、かかる上側の長辺部32が、長手方向両端に設けられた略直角な屈曲部分(支持枠部32の四つの角部)を除く中間部分の略全長に亘って、下側の長辺部26に向かって変位せしめられている。これにより、支持枠部30の一対の長辺部26,32と、それらの対向面間に配設されたマス金具14との対向間距離が小さく変化せしめられて、かかる対向方向でマス金具14と長辺部26,32を相互に連結する連結ゴム脚部16,16,16,16に対して、それぞれ、軸方向の圧縮変形が及ぼされて予圧縮が加えられている。
【0046】
そうして、このような構造とされたダイナミックダンパ10は、例えば、図7に示されているように、自動車のステアリングホイール46を形成する強度部材48の中央に設けられた板状のボス部50に重ね合わされて、その支持枠金具12の固定用ボルト孔34に挿通される固定ボルトで該ボス部50に対して固定されることにより、ステアリングホイール46に取り付けられる。これにより、ステアリングホイール46がステアリングシャフト52の突出先端部分に固定された状態下、ステアリングシャフト52を含んで構成されたステアリングコラムに振動が惹起された場合に、ダイナミックダンパ10が副振動系として機能して制振効果を発揮することにより、ステアリングホイール46の振動が低減されることとなる。
【0047】
ここにおいて、上述の如き構造とされたダイナミックダンパ10は、その装着状態下、支持枠部30の開口軸がステアリングシャフト52の中心軸に対して略直交せしめられ、図1における上下方向がステアリングシャフト52の略軸方向とされると共に、同図中の左右方向がステアリングシャフト52の中心軸に略直角な方向に延びるようにされる。即ち、ステアリングシャフト52の軸直角方向で且つ互いに直交する二つの方向(例えば、図7に示されたステアリングホイール46の略上下方向と左右方向)が、ダイナミックダンパ10における図1中の軸方向(紙面に垂直な方向)と左右方向とされる。これにより、それら二つの方向では、ダイナミックダンパ10におけるマス金具14の変位が、何れも、連結ゴム脚部16,16,16,16の剪断変形を主体とする弾性変形に基づいて許容されることから、ダイナミックダンパ10における副振動系のばね定数を小さく設定することが容易であり、以て、ダイナミックダンパ10で構成される副振動系を、ステアリングホイール46で問題となり易いアイドリング振動の周波数域(例えば、20〜40≡)で、ステアリングシャフト52の軸直角方向で互いに直交する2方向に、それぞれチューニングすることが出来るのである。
【0048】
しかも、かかるダイナミックダンパ10においては、連結ゴム脚部16,16,16,16で連結されるマス金具14と支持枠部30の連結方向が実質的に同一方向に設定されていると共に、かかる方向で、連結ゴム脚部16,16,16,16の加硫成形後に支持枠部30の寸法が小さくなるように、連結ゴム脚部16,16,16,16が接着された一対の長辺部26,32が相対的に接近方向に変位せしめられていることから、加硫成形に際して連結ゴム脚部16,16,16,16に生ぜしめられる引張応力が軽減乃至は解消され、更に必要に応じて圧縮応力が生ぜしめられるのであり、これによって、連結ゴム脚部16,16,16,16ひいてはダイナミックダンパ10の耐久性が有利に確保され得る。
【0049】
加えて、連結ゴム脚部16,16,16,16を介してマス金具14を支持せしめる支持枠部30は、全体として閉じた環体構造を有していることから、部材厚が極端に大きくないコンパクトサイズでありながら、大きな剛性を発揮し得る。それ故、支持枠金具12の製造に際して、更にその後に門形金具20の天板部32に加えられる変形加工に際しても、優れた部材寸法精度が実現され得るのであり、特に、天板部32の変形加工後のスプリングバックも小さく抑えることが出来ると共に、スプリングバック量も高精度に管理することが可能となる。
【0050】
従って、連結ゴム脚部16,16,16,16が接着される一対の長辺部26,32の対向面間距離を高精度に設定することによって、連結ゴム脚部16,16,16,16のばね定数ひいてはダイナミックダンパ10によって構成される副振動系のチューニング周波数を目的とする値に精度良く設定することが出来る。また、実車への装着後に過大な外力が及ぼされた場合でも、支持枠部30の剛性が大きく、その変形に起因する副振動系のチューニングの変化が有利に防止されることとなる。
【0051】
それ故、上述の如き構造のダイナミックダンパ10においては、目的とする防振性能が高精度に且つ長期間に亘って安定して発揮され得ることとなり、例えば前述の特許文献2に示されている如き従来構造のダイナミックダンパに比して、その性能と信頼性および耐久性が何れも大幅に向上され得るのである。
【0052】
また、自動車のステアリングホイールでは、図7に示されているように一般にステアリングシャフトの中心軸が傾斜せしめられており、ステアリングホイールの上下方向だけでなく、前後、左右方向にも共振を有する。前後方向の共振は、上下方向の共振と通常連成することから上下方向の振動として把握され、左右方向の共振とは周波数が異なる場合が多いが、本実施形態のダイナミックダンパ10では、前述の如く、軸方向断面が略長方形状の連結ゴム脚部16が採用されていることから、それら上下方向と左右方向において、各別に最適にチューニングすることが可能となる。即ち、互いに直交する2方向(上述の上下方向と左右方向)で何れも連結ゴム脚部16が主に剪断変形せしめられて共振周波数を略同じ低周波数域に有利に設定しつつも、それら2方向で相互に僅かにチューニングを異ならせることが可能であり、以て上下方向と左右方向で各別に最適チューニングを行うことが出来るのである。
【0053】
因みに、実車において、予め問題となっているアイドリング振動の周波数を求めて、かかるアイドリング振動周波数を目標としてチューニングしたダイナミックダンパ10を実際に製造した。そして、かかるダイナミックダンパ10の特性を測定したところ、目的とする設計値に極めて近い値を示すことが確認された。更に、かかるダイナミックダンパ10を実車に装着したところ、装着前のステアリングホイールにおけるアイドリング時の振動速度の最大値が約6mm/sであったのに対して、装着後には、同最大値が約2mm/sまで低下し、設計理論値として予測していた効果が極めて有効に発揮され得るだけの性能が、高精度に実現されていることを確認することが出来た。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得ることとなり、また、そのような実施態様は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0055】
例えば、支持枠金具12におけるステアリングシャフト52への取付構造や、支持枠部30およびマス金具14の各寸法、連結ゴム脚部16の形状や寸法などは、何れも、ダイナミックダンパ10が装着されるスペースの形状や大きさ、および要求される制振作用などを考慮して、適宜に設計されるものである。
【0056】
また、連結ゴム脚部16の数や配設位置は、マス金具14の変位を直交する二方向で安定して実現するために、前記実施形態のように、支持枠体30の中空領域において長手方向両側部分に位置して四つ、或いはそれ以上設定することが望ましいが、本発明では、その他、例えば支持枠体30の中空領域において長手方向中央部分に位置してマス金具14を高さ方向に挟んだ両側に二つだけ、連結ゴム脚部を形成した構造等も採用可能である。
【0057】
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のステアリングホイールに装着されるダイナミックダンパに適用したものの一具体例を示したが、本発明は、自動車における各部位、或いは自動車以外の各種装置に対して装着されるダイナミックダンパに対して、何れも適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、或いは本発明に係るダイナミックダンパの製造方法に従えば、副振動系を構成する弾性連結体に予圧縮を加えることに優れた耐久性を得ることが出来る。また、それに加えて、弾性連結体に予圧縮を及ぼす支持枠部材として、略矩形枠体形状を有する特定構造のものを採用したことにより、弾性連結体に対する予圧縮を高精度でばらつきなく設定することが可能となると共に、かかる予圧縮を長期間に亘って精度良く保持することが出来る。それ故、目的とする防振性能が高精度に且つ長期間に亘って安定して発揮され得るダイナミックダンパが、有利に実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパを示す正面図である。
【図2】図1に示されたダイナミックダンパの平面図である。
【図3】図2における右側面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図2におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示されたダイナミックダンパを構成する一体加硫成形品を示す正面図である。
【図7】図1に示されたダイナミックダンパの装着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ
12 支持枠金具
14 マス金具
16 連結ゴム脚部
26 支持縁部(長辺部)
30 支持枠部
32 天板部(長辺部)
40 被覆ゴム層
42 一体加硫成形品
46 ステアリングホイール
52 ステアリングシャフト
【技術分野】
本発明は、振動部材に装着されて該振動部材の振動を低減する制振装置としてのダイナミックダンパに係り、特に、従来構造のダイナミックダンパに比して、目的とする制振効果をより高精度に、しかも安定して得ることが出来、例えば自動車におけるステアリングホイール用のダイナミックダンパ等として好適に採用される、新規な構造のダイナミックダンパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車におけるステアリングホイールは、自動車の運転に際して、常時、運転者が直接に手で握っている部分であって、運転者は、ステアリングホイールの微振動に対しても敏感に知覚し得ることから、ステアリングホイールにおける振動は、自動車の乗り心地に大きな影響を与えることとなり、自動車においては、従来から、ステアリングホイールの防振が重視されている。特に、ステアリングホイールは、基端部で片持構造とされたステアリングシャフト(ステアリングコラムとも言う)の先端部分にある程度の質量をもって取り付けられるものであることから、ステアリングシャフトの首振状の振動がステアリングシャフトの軸直角方向で車両略上下方向や左右方向に生ぜしめられ易く、しかも、固有振動数が略アイドリング振動に相当する20〜40≡となることが多いことから、大きな問題となり易いのである。
【0003】
そこで、従来から、ステアリングホイールにおいては、特定構造のダイナミックダンパを装着して、アイドリング振動周波数域の振動を低減することが提案されている。例えば、特許文献1(特開平10−267075号公報)や特許文献2(特許2824382号公報)に記載されているものが、それである。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−267075号公報
【特許文献2】
特許2824382号公報
【0005】
これら特許文献1,2に開示されたダイナミックダンパは、マス金具と、振動部材に取り付けられる支持板金具とが、該マス金具を挟んだ両側の各対向面間で、ゴム弾性体等の弾性連結体によって弾性連結せしめられていることから、ステアリングシャフトの中心軸に対して直交する上下方向や左右方向等の複数の振動入力方向で、マス金具が有利に且つ安定して変位せしめられることとなり、それら複数方向の振動に対してそれぞれ有効な防振効果が発揮されることとなる。
【0006】
ところで、ダイナミックダンパは、周知の如く、マス金具とそれを振動部材に対して弾性連結せしめる弾性連結体で構成されるマス−バネ系からなる副振動系の固有振動数を、主振動系たる振動部材において防振すべき振動の周波数に対して、正確にチューニングすることによって、有効な制振効果を得ることが出来るのであり、それ故、(i)副振動系における固有振動数のチューニング精度が充分に高いことと、(ii)一度チューニングされた副振動系の固有振動数が長期間に亘って安定して維持されることが、重要となる。
【0007】
しかしながら、前述の特許文献1,2に開示された従来構造のダイナミックダンパは、何れも、薄肉平板形状の支持板金具の長手方向両側の自由端縁部を折り曲げただけで、弾性連結体を介してマス金具を支持せしめる支持部が構成されているに過ぎない。そのために、本発明者が検討したところ、このような支持部の構造では、充分な強度や剛性を確保することが難しく、形状寸法が、製造時やその後の使用中に設計値から外れてしまい易いとの知見を得た。特に、かかる支持部には、マス金具の変位に伴う荷重が弾性連結体を介して直接に及ぼされることから、多少の変形は予想に難くないところである。そして、支持部の形状寸法が変化してしまうと、かかる支持部は、マス金具を一方向で挟むようにして、弾性連結体で弾性支持せしめる構造となっていることから、弾性連結体におけるばね特性の変化に直接につながることとなり、その結果、ダイナミックダンパのチューニングが変化してしまって、目的とする制振効果を安定して得ることが難しくなるという問題がある。
【0008】
また、本発明者が検討した結果、このようなダイナミックダンパにおいても、弾性連結体をゴム弾性体で構成した場合には、ゴム弾性体の加硫収縮に起因する引張応力を軽減して耐久性を向上する等の目的で、ゴム弾性体の加硫成形後に支持部を変形加工してゴム弾性体に予圧縮を及ぼすことが有効であることが確認されているが、上述の特許文献1,2に示されている如き、薄肉平板形状の支持板金具の自由端縁部を折り曲げただけで支持部を構成した従来構造のダイナミックダンパでは、その支持部を変形加工してゴム弾性体に予圧縮を及ぼすと、支持部のスプリングバックが大きく、且つその大きさの管理が極めて困難であることから、ダイナミックダンパのチューニング精度を確保することが一層難しくなるとういう問題があったのである。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、マス部材を弾性連結体を介して支持せしめる支持部材の形状寸法を高精度に設定および保持することが可能で副振動系のチューニング精度が向上されて目的とする防振効果を有利に且つ安定して得ることが出来、しかも、弾性連結体への予圧縮も効果的に及ぼされて優れた耐久性が発揮され得る、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
【0010】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0011】
すなわち、本発明の特徴とするところは、(a)マス部材と、(b)略矩形枠体形状をもって形成されて前記マス部材の外周側を所定距離を隔てて取り囲むようにして配設せしめられた、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材と、(c)該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と前記マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に配設されて、該マス部材を該一対の辺部に対してそれぞれ弾性的に連結する複数の弾性連結体とを、含んで構成されており、前記支持枠部材が変形加工されて前記一対の支持辺部が相互に接近変位せしめられることにより前記複数の弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされているダイナミックダンパにある。
【0012】
このような本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、マス部材がその両側に配された一対の支持辺部に対してそれぞれ弾性連結体で連結支持されていることから、支持枠部材の開口軸方向と、該開口軸方向および一対の支持辺部の対向方向の何れにも直交する軸直角方向との、何れにおいても、マス部材が支持枠部材に対して相対変位せしめられた際、かかるマス部材の変位方向がマス部材を挟んだ両側に配されて該マス部材を弾性的に支持する弾性連結体の略弾性主軸の方向となるように設定することが可能となる。それによって、互いに直交するそれら二つの方向での振動入力に際して、マス部材における回転や揺動等の不規則な変位が抑えられて、マス部材が安定して変位せしめられることとなるのであり、以て、マス部材の変位に基づく制振効果が、それら二つの方向の振動に対して、何れも有効に且つ安定して発揮され得るのである。
【0013】
また、上述の二つの方向(▲1▼支持枠部材の開口軸方向と、▲2▼該開口軸方向および一対の支持辺部の対向方向との何れにも直交する軸直角方向)では、振動入力によってマス部材が変位せしめられた際、弾性連結体の弾性変形が、主に剪断成分をもって生ぜしめられることとなる。それ故、それら二つの方向の入力振動に対するダイナミックダンパのチューニング自由度が、弾性連結体の耐久性を有利に確保しつつ低周波数域まで広げられると共に、マス部材の質量を著しく大きくすることなくコンパクトなサイズで低周波数域へのチューニングが実現可能となるのである。
【0014】
さらに、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパでは、支持枠部材に変形加工が加えられることで弾性連結体に予圧縮が及ぼされていることから、弾性連結体における引張応力が軽減されて、耐久性の更なる向上が図られているのである。
【0015】
ここにおいて、特に本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、支持枠部材が周方向で閉じた略矩形枠体形状とされていることから、例えば特許2824382号公報(特許文献2)に記載されているように支持板金具の自由端縁部でマス金具を弾性的に支持せしめた構造のものに比して、支持枠部材におけるマス金具の支持部分の剛性、即ち形状寸法の精度が飛躍的に向上され得る。それ故、本発明では、上述の如き支持枠部材の変形加工によってゴム弾性体に予圧縮を加えても、その後の支持枠部材のスプリングバックが可及的に抑えられると共に精度良く予測され得ることとなる。従って、ゴム弾性体に予圧縮を及ぼして耐久性の向上を図りつつ、寸法精度を充分に確保して、目的とするチューニングを安定して行うことが出来るのであり、以て、目的とする制振効果を、安定して、且つ優れた耐久性のもとに得ることの出来る、新規な構造のダイナミックダンパが実現され得るのである。
【0016】
さらに、本発明においては、前記マス部材が、略矩形枠体形状を有する前記支持枠部材の内周面形状よりも一回り小さな外周面を備えた略矩形ブロック形状を有しており、該マス部材と該支持枠部材の前記弾性連結体で連結される各対向面が、前記一対の支持辺部の対向方向に対して略直交して広がる略平行な平面形状とされている構成が、好適に採用される。
【0017】
このような構成を採用することにより、支持枠部材で囲繞されたスペースでマス部材の質量を効率的に確保することが出来ると共に、マス部材と支持枠部材に対する弾性連結体の固着面が対向方向に略直交する略平行面とされていることにより、制振効果が発揮される前述の二つの方向の何れにマス部材が変位せしめられた際にも、弾性連結体に対する圧縮変形が回避され得ることから、弾性連結体のばね定数の安定化ひいては制振効果の安定化が一層有利に図られ得るのである。
【0018】
また、本発明においては、前記支持枠部材における前記一対の支持辺部において、それぞれ、該支持枠部材における4つの角部を形成する両端部分を避けた長手方向中間部分に前記弾性連結体が固着されていると共に、少なくとも一方の支持辺部が、両端部分を避けた該長手方向中間部分において相互に接近する方向に変形加工されることにより、該弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされている構成が、好適に採用される。
【0019】
このような構成を採用したダイナミックダンパにおいては、変形加工の難しい角部を避けて支持辺部の長手方向中間部分を変形加工することにより、支持枠部材の変形加工による弾性連結体への予圧縮が一層容易に実現可能となる。また、支持枠部材の角部の変形加工を避けることにより、角部による支持枠部材全体の強度保持効果がより安定して発揮され得るのである。
【0020】
また、本発明においては、前記振動部材に対して固定するための取付部が形成された取付板金具に対して、その端縁部に略門形状の部分枠金具を重ね合わせて、該部分枠金具の両脚部先端部を該取付板金具に固着することにより、これら取付板金具の端縁部と部分枠金具で全体として矩形枠体形状を有する前記支持枠部材が形成されている構成が、好適に採用される。
【0021】
このような構成を採用することにより、矩形枠体形状の支持枠部材を、容易に且つ効率的に形成することが可能となる。尤も、支持枠部材の構造は、その他、各種のものが採用可能であり、例えば矩形断面の管体を適当な幅で切り出したり、或いは振動部材に対する取付部分に一体形成された長手帯板状の部分を屈曲させて矩形枠体状として両端部同士を溶着等すること等によって、単一の部材から形成することも可能である。
【0022】
また、本発明においては、前記マス部材を前記支持枠部材に対して弾性連結せしめる前記弾性連結体におけるばね定数を、該支持枠部材の開口軸方向と、該支持枠部材の開口軸方向および該支持枠部材における前記一対の支持辺部の対向方向の何れにも直交する軸直角方向との、二方向において略同じに設定して、自動車のステアリングシャフトに対して、該ステアリングシャフトの中心軸と該支持枠部材の開口軸が略直交するようにして装着されるようにした構成が、好適に採用される。
【0023】
このような構成を採用することにより、ステアリングホイールで特に問題となる、何れもステアリングシャフトの中心軸に直交し且つ互いに直交する二方向で惹起される、アイドリング振動の周波数域と略同じ周波数域の共振現象に伴う振動に対して、何れも、有効な制振効果を発揮し得るダイナミックダンパが有利に実現可能となるのである。
【0024】
特に、ステアリング用のダイナミックダンパは、一般に、ステアリングのホーンボタンを兼ねてエアバッグの収納スペースを覆うカバーの内部に設けられた極めて狭いスペースに組み込まれることとなるが、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにあっては、そのような狭い領域内にも容易に配設され得ると共に、マス部材の周囲が矩形枠体形状の支持枠部材で囲繞されていることから、支持枠部材の軸方向両側の開口部分を他部材で所定距離を隔てて覆うように配設すれば、たとえ弾性連結体が破断した場合でもマス部材の完全な離脱乃至は飛び出しが阻止され得ることとなり、フェイルセーフ機構が容易に実現可能となるという利点もある。
【0025】
さらに、本発明は、(d)マス部材を準備する工程と、(e)略矩形枠体形状をもって形成されて、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材を準備する工程と、(f)前記マス部材の外周側に所定距離を隔てて取り囲むようにして、前記支持枠部材を配置せしめて、該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と該マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に複数の弾性連結体を成形せしめて、かかる複数の弾性連結体を該マス部材と該一対の辺部に対してそれぞれ加硫接着せしめる加硫成形工程と、(g)前記支持枠部材を変形加工せしめて前記一対の支持辺部を相互に接近変位せしめることにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす予圧縮工程とを、有するダイナミックダンパの製造方法も、特徴とする。
【0026】
このような本発明方法に従えば、前述の如き、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパが、有利に製造され得る。
【0027】
また、かかる本発明方法にあっては、前記予圧縮工程において、前記支持枠部材における前記一対の支持辺部のうちの一方だけを、前記弾性連結体が加硫接着された長手方向中間部分が他方の該支持辺部に対して接近せしめられるように変形加工することにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす構成が、好適に採用される。
【0028】
このような構成を採用することにより、矩形枠体形状とされた支持枠部材に対して、弾性連結体に予圧縮を及ぼすための変形加工を一層容易に加えることが出来、目的とするダイナミックダンパをより効率的に製造することが可能となる。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0030】
先ず、図1〜5には、本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパ10が示されている。このダイナミックダンパ10は、支持枠部材としての支持枠金具12に対して、マス部材としてのマス金具14が、弾性連結体としての連結ゴム脚部16,16,16,16によって弾性連結されることにより、マス金具14と複数の連結ゴム脚部16によって一つの振動系を構成するようになっている。
【0031】
より詳細には、支持枠金具12は、取付板金具としての平形金具18に対して部分枠金具としての門形金具20が溶着されることによって形成されている。平形金具18は、全体として矩形平板形状を有しており、中央部分には大径の円形窓22が設けられている。なお、円形窓22の周囲には、4個の固定用ボルト孔34が、平形金具18の周方向で略等分の位置に形成されている。
【0032】
また、平形金具18の一つの端縁部が、段差部24によって一方の面(外面)側に僅かに立ち上がって支持縁部26が形成されている。一方、門形金具20は、薄肉の長手帯状の板金具を屈曲させることで、全体として門形状とされており、両脚28,28の基端部分が、それぞれ、平形金具18における支持縁部26の両端部分に重ね合わされて溶着されている。
【0033】
これにより、平形金具18の一つの端縁部分には、支持縁部26と門形金具20で協働して、全体として略矩形枠体形状の支持枠部30が形成されている。即ち、かかる支持枠部30は、門形金具20の両脚部28,28で形成されて互いに対向位置せしめられた一対の短辺部と、支持縁部26と門形金具20の天板部32で形成されて互いに対向位置せしめられた一対の支持辺部としての一対の長辺部とによって構成されている。即ち、本実施形態では、支持枠部30が平形金具18の一方の面に立ち上がって形成されており、この支持枠部30の開口軸方向(図1において紙面に垂直な方向)が、支持枠部材としての支持枠金具12における開口軸方向とされている。
【0034】
そして、かかる支持枠金具12において支持枠部30で囲まれた中空領域にマス金具14が配設されている。かかるマス金具14は、支持枠部30の開口軸方向からの正面視において、図1に示されているように、支持枠部30で囲まれた中空領域よりも一回り小さな略矩形の外周形状を有している。そして、支持枠部30の中空領域の略中央に位置せしめられていることにより、マス金具14の周囲には、全周に亘って、支持枠部30との間に隙間が形成され、マス金具14が支持枠部30から離隔して配設されている。
【0035】
なお、マス金具14の高さ方向(図1中の上下方向)の寸法は、正面視において、幅方向中央部分35よりも両側部分36,36が小さくされている。また、高さ寸法が小さくされた両側部分36,36は、何れも、高さ方向両端面38,38が、支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向方向に直交して広がる平坦面とされており、互いに所定距離を隔てて対向位置せしめられた支持枠体30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)と略平行に広がっている。
【0036】
また、支持枠部30の開口軸方向(即ち、図1の紙面に垂直な方向)では、マス金具14の肉厚寸法が、支持枠部30よりも僅かに大きくされて、支持枠部30から両側に突出せしめられている。尤も、マス金具14の具体的形状は、周囲に配設される他部材への干渉を回避することや、要求される制振効果を実現するために必要なマス質量等を考慮して適宜に決定されるものであり、本実施形態によって限定的に解釈されない。
【0037】
さらに、上述の如くマス金具14とその回りを取り囲むようにして配設された支持枠部30は、計4本の連結ゴム脚部16,16,16,16によって、弾性連結されている。これら連結ゴム脚部16,16,16,16は、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向面間に、それぞれ配設されている。特に本実施形態では、一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の略対向方向に延びる中心軸をもって、各連結ゴム脚部16が形成されており、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部26,32の対向面に対して、それら各連結ゴム脚部16の軸方向両端面が加硫接着されている。
【0038】
なお、特に本実施形態では、薄肉の被覆ゴム層40がマス金具14に被着されて、該マス金具14の外周面を略全体に亘って被覆していると共に、この被覆ゴム層40と一体的に連結ゴム脚部16,16,16,16が形成されている。要するに、被覆ゴム層40と連結ゴム脚部16,16,16,16は、所定の成形金型の成形キャビティに支持枠金具12とマス金具14を位置決めセットした状態で該成形キャビティにゴム材料を射出充填し、加硫することによって成形されており、かかる加硫成形と同時に支持枠金具12とマス金具14に対して加硫接着されている。
【0039】
また、各連結ゴム脚部16は、略矩形状の一定断面をもって、マス金具14の両側部分36,36と支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)の対向面間において、該一対の長辺部(図1中の上下方向)に向かって相互に平行に延びるように形成されている。更に、本実施形態では、マス金具14において、各連結ゴム脚部16が被着された両側部分36,36の高さ寸法が中央部分よりも小さくされていることから、連結ゴム脚部16の軸方向の自由長を大きく設定することが出来ると共に、マス金具14の中央部分が支持枠部30における一対の長辺部26,32に向かって突出されて適当な隙間を隔てて対向位置せしめられていることにより、かかる中央部分の長辺部26,32に対する被覆ゴム層40を介しての当接によってマス金具14の支持枠部30に対する高さ方向の相対変位量を制限するストッパ機能が発揮されるようになっている。
【0040】
更にまた、本実施形態では、各連結ゴム脚部16が長方形状の軸方向断面とされており、これにより、図2中の上下方向と左右方向で異なるチューニングが施されることとなる。特に、図2中の左右方向が、各連結ゴム脚部16の軸方向断面における長辺方向と略一致せしめられていることから、左右方向のチューニング周波数が上下方向のチューニング周波数よりも大きくされている。
【0041】
そして、これら4本の連結ゴム脚部16,16,16,16によってマス金具14を支持枠部30に対して協働して弾性的に連結支持せしめることにより、後述する主振動系としてのステアリングに対する副振動系として機能する一つの振動系が構成されている。
【0042】
また、かかる振動系においては、マス金具14の重心を通って支持枠部30の開口軸と平行に延びるマス軸方向中心線と、該マス軸方向中心線に直交する図1中の上下方向および左右方向において、マス金具14の中心を通って延びるマス上下方向中心線およびマス左右方向中心線とが、それぞれダイナミックダンパのばね系の弾性主軸と略一致するように設定されている。これにより、かかる振動系に外力が及ぼされてマス金具14が、支持枠部30の開口軸方向と、該開口軸に直交する図1中の上下方向または左右方向に変位せしめられた際、マス金具14が、回転等の不規則な変位を小さく抑えられて、安定して変位せしめられるようになっている。
【0043】
さらに、支持枠部30において一方の長辺部を構成する門形金具20の天板部32は、その中間部分が下方に向かって変位加工せしめられて、他方の長辺部を構成する平形金具18の支持縁部26に接近して位置せしめられている。
【0044】
すなわち、図6に示されているように、支持枠金具12は、平形金具18と門形金具20を溶着して組み立てられた際、およびその後にマス金具14と共に所定の成形金型にセットされて、被覆ゴム層40と連結ゴム脚部16,16,16,16が成形されて一体加硫成形品42とされた際には、その支持枠部30における一対の長辺部(支持縁部26および天板部32)が、両端角部を含む全長に亘って互いに平行に直線的に延びる長手平板形状とされている。
【0045】
しかし、図1に示されているように、かかる一体加硫成形品42には、その後、上側の長辺部32(門形金具20の天板部)に対して、プレス加工が施され、その長手方向両端近くに一対の段差状部44,44が形成されることにより、かかる上側の長辺部32が、長手方向両端に設けられた略直角な屈曲部分(支持枠部32の四つの角部)を除く中間部分の略全長に亘って、下側の長辺部26に向かって変位せしめられている。これにより、支持枠部30の一対の長辺部26,32と、それらの対向面間に配設されたマス金具14との対向間距離が小さく変化せしめられて、かかる対向方向でマス金具14と長辺部26,32を相互に連結する連結ゴム脚部16,16,16,16に対して、それぞれ、軸方向の圧縮変形が及ぼされて予圧縮が加えられている。
【0046】
そうして、このような構造とされたダイナミックダンパ10は、例えば、図7に示されているように、自動車のステアリングホイール46を形成する強度部材48の中央に設けられた板状のボス部50に重ね合わされて、その支持枠金具12の固定用ボルト孔34に挿通される固定ボルトで該ボス部50に対して固定されることにより、ステアリングホイール46に取り付けられる。これにより、ステアリングホイール46がステアリングシャフト52の突出先端部分に固定された状態下、ステアリングシャフト52を含んで構成されたステアリングコラムに振動が惹起された場合に、ダイナミックダンパ10が副振動系として機能して制振効果を発揮することにより、ステアリングホイール46の振動が低減されることとなる。
【0047】
ここにおいて、上述の如き構造とされたダイナミックダンパ10は、その装着状態下、支持枠部30の開口軸がステアリングシャフト52の中心軸に対して略直交せしめられ、図1における上下方向がステアリングシャフト52の略軸方向とされると共に、同図中の左右方向がステアリングシャフト52の中心軸に略直角な方向に延びるようにされる。即ち、ステアリングシャフト52の軸直角方向で且つ互いに直交する二つの方向(例えば、図7に示されたステアリングホイール46の略上下方向と左右方向)が、ダイナミックダンパ10における図1中の軸方向(紙面に垂直な方向)と左右方向とされる。これにより、それら二つの方向では、ダイナミックダンパ10におけるマス金具14の変位が、何れも、連結ゴム脚部16,16,16,16の剪断変形を主体とする弾性変形に基づいて許容されることから、ダイナミックダンパ10における副振動系のばね定数を小さく設定することが容易であり、以て、ダイナミックダンパ10で構成される副振動系を、ステアリングホイール46で問題となり易いアイドリング振動の周波数域(例えば、20〜40≡)で、ステアリングシャフト52の軸直角方向で互いに直交する2方向に、それぞれチューニングすることが出来るのである。
【0048】
しかも、かかるダイナミックダンパ10においては、連結ゴム脚部16,16,16,16で連結されるマス金具14と支持枠部30の連結方向が実質的に同一方向に設定されていると共に、かかる方向で、連結ゴム脚部16,16,16,16の加硫成形後に支持枠部30の寸法が小さくなるように、連結ゴム脚部16,16,16,16が接着された一対の長辺部26,32が相対的に接近方向に変位せしめられていることから、加硫成形に際して連結ゴム脚部16,16,16,16に生ぜしめられる引張応力が軽減乃至は解消され、更に必要に応じて圧縮応力が生ぜしめられるのであり、これによって、連結ゴム脚部16,16,16,16ひいてはダイナミックダンパ10の耐久性が有利に確保され得る。
【0049】
加えて、連結ゴム脚部16,16,16,16を介してマス金具14を支持せしめる支持枠部30は、全体として閉じた環体構造を有していることから、部材厚が極端に大きくないコンパクトサイズでありながら、大きな剛性を発揮し得る。それ故、支持枠金具12の製造に際して、更にその後に門形金具20の天板部32に加えられる変形加工に際しても、優れた部材寸法精度が実現され得るのであり、特に、天板部32の変形加工後のスプリングバックも小さく抑えることが出来ると共に、スプリングバック量も高精度に管理することが可能となる。
【0050】
従って、連結ゴム脚部16,16,16,16が接着される一対の長辺部26,32の対向面間距離を高精度に設定することによって、連結ゴム脚部16,16,16,16のばね定数ひいてはダイナミックダンパ10によって構成される副振動系のチューニング周波数を目的とする値に精度良く設定することが出来る。また、実車への装着後に過大な外力が及ぼされた場合でも、支持枠部30の剛性が大きく、その変形に起因する副振動系のチューニングの変化が有利に防止されることとなる。
【0051】
それ故、上述の如き構造のダイナミックダンパ10においては、目的とする防振性能が高精度に且つ長期間に亘って安定して発揮され得ることとなり、例えば前述の特許文献2に示されている如き従来構造のダイナミックダンパに比して、その性能と信頼性および耐久性が何れも大幅に向上され得るのである。
【0052】
また、自動車のステアリングホイールでは、図7に示されているように一般にステアリングシャフトの中心軸が傾斜せしめられており、ステアリングホイールの上下方向だけでなく、前後、左右方向にも共振を有する。前後方向の共振は、上下方向の共振と通常連成することから上下方向の振動として把握され、左右方向の共振とは周波数が異なる場合が多いが、本実施形態のダイナミックダンパ10では、前述の如く、軸方向断面が略長方形状の連結ゴム脚部16が採用されていることから、それら上下方向と左右方向において、各別に最適にチューニングすることが可能となる。即ち、互いに直交する2方向(上述の上下方向と左右方向)で何れも連結ゴム脚部16が主に剪断変形せしめられて共振周波数を略同じ低周波数域に有利に設定しつつも、それら2方向で相互に僅かにチューニングを異ならせることが可能であり、以て上下方向と左右方向で各別に最適チューニングを行うことが出来るのである。
【0053】
因みに、実車において、予め問題となっているアイドリング振動の周波数を求めて、かかるアイドリング振動周波数を目標としてチューニングしたダイナミックダンパ10を実際に製造した。そして、かかるダイナミックダンパ10の特性を測定したところ、目的とする設計値に極めて近い値を示すことが確認された。更に、かかるダイナミックダンパ10を実車に装着したところ、装着前のステアリングホイールにおけるアイドリング時の振動速度の最大値が約6mm/sであったのに対して、装着後には、同最大値が約2mm/sまで低下し、設計理論値として予測していた効果が極めて有効に発揮され得るだけの性能が、高精度に実現されていることを確認することが出来た。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得ることとなり、また、そのような実施態様は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0055】
例えば、支持枠金具12におけるステアリングシャフト52への取付構造や、支持枠部30およびマス金具14の各寸法、連結ゴム脚部16の形状や寸法などは、何れも、ダイナミックダンパ10が装着されるスペースの形状や大きさ、および要求される制振作用などを考慮して、適宜に設計されるものである。
【0056】
また、連結ゴム脚部16の数や配設位置は、マス金具14の変位を直交する二方向で安定して実現するために、前記実施形態のように、支持枠体30の中空領域において長手方向両側部分に位置して四つ、或いはそれ以上設定することが望ましいが、本発明では、その他、例えば支持枠体30の中空領域において長手方向中央部分に位置してマス金具14を高さ方向に挟んだ両側に二つだけ、連結ゴム脚部を形成した構造等も採用可能である。
【0057】
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用のステアリングホイールに装着されるダイナミックダンパに適用したものの一具体例を示したが、本発明は、自動車における各部位、或いは自動車以外の各種装置に対して装着されるダイナミックダンパに対して、何れも適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたダイナミックダンパにおいては、或いは本発明に係るダイナミックダンパの製造方法に従えば、副振動系を構成する弾性連結体に予圧縮を加えることに優れた耐久性を得ることが出来る。また、それに加えて、弾性連結体に予圧縮を及ぼす支持枠部材として、略矩形枠体形状を有する特定構造のものを採用したことにより、弾性連結体に対する予圧縮を高精度でばらつきなく設定することが可能となると共に、かかる予圧縮を長期間に亘って精度良く保持することが出来る。それ故、目的とする防振性能が高精度に且つ長期間に亘って安定して発揮され得るダイナミックダンパが、有利に実現可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのダイナミックダンパを示す正面図である。
【図2】図1に示されたダイナミックダンパの平面図である。
【図3】図2における右側面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図2におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示されたダイナミックダンパを構成する一体加硫成形品を示す正面図である。
【図7】図1に示されたダイナミックダンパの装着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ
12 支持枠金具
14 マス金具
16 連結ゴム脚部
26 支持縁部(長辺部)
30 支持枠部
32 天板部(長辺部)
40 被覆ゴム層
42 一体加硫成形品
46 ステアリングホイール
52 ステアリングシャフト
Claims (7)
- マス部材と、
略矩形枠体形状をもって形成されて前記マス部材の外周側を所定距離を隔てて取り囲むようにして配設せしめられた、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材と、
該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と前記マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に配設されて、該マス部材を該一対の辺部に対してそれぞれ弾性的に連結する複数の弾性連結体と
を、含んで構成されており、前記支持枠部材が変形加工されて前記一対の支持辺部が相互に接近変位せしめられることにより前記複数の弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされていることを特徴とするダイナミックダンパ。 - 前記マス部材が、略矩形枠体形状を有する前記支持枠部材の内周面形状よりも一回り小さな外周面を備えた略矩形ブロック形状を有しており、該マス部材と該支持枠部材の前記弾性連結体で連結される各対向面が、前記一対の支持辺部の対向方向に対して略直交して広がる略平行な平面形状とされている請求項1に記載のダイナミックダンパ。
- 前記支持枠部材における前記一対の支持辺部において、それぞれ、該支持枠部材における4つの角部を形成する両端部分を避けた長手方向中間部分に前記弾性連結体が固着されていると共に、少なくとも一方の支持辺部が、両端部分を避けた該長手方向中間部分において相互に接近する方向に変形加工されることにより、該弾性連結体に対して予圧縮が及ぼされている請求項1又は2に記載のダイナミックダンパ。
- 前記振動部材に対して固定するための取付部が形成された取付板金具に対して、その端縁部に略門形状の部分枠金具を重ね合わせて、該部分枠金具の両脚部先端部を該取付板金具に固着することにより、これら取付板金具の端縁部と部分枠金具で全体として矩形枠体形状を有する前記支持枠部材が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のダイナミックダンパ。
- 前記マス部材を前記支持枠部材に対して弾性連結せしめる前記弾性連結体におけるばね定数を、該支持枠部材の開口軸方向と、該支持枠部材の開口軸方向および該支持枠部材における前記一対の支持辺部の対向方向の何れにも直交する軸直角方向との、二方向において略同じに設定して、自動車のステアリングシャフトに対して、該ステアリングシャフトの中心軸と該支持枠部材の開口軸が略直交するようにして装着されるようにした請求項1乃至4の何れかに記載のダイナミックダンパ。
- マス部材を準備する工程と、
略矩形枠体形状をもって形成されて、振動部材に対して取り付けられる支持枠部材を準備する工程と、
前記マス部材の外周側に所定距離を隔てて取り囲むようにして、前記支持枠部材を配置せしめて、該支持枠部材において一方向で対向位置する一対の支持辺部と該マス部材との、該一対の支持辺部の対向方向での対向面間に複数の弾性連結体を成形せしめて、かかる複数の弾性連結体を該マス部材と該一対の辺部に対してそれぞれ加硫接着せしめる加硫成形工程と、
前記支持枠部材を変形加工せしめて前記一対の支持辺部を相互に接近変位せしめることにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす予圧縮工程とを、
有することを特徴とするダイナミックダンパの製造方法。 - 前記予圧縮工程において、前記支持枠部材における前記一対の支持辺部のうちの一方だけを、前記弾性連結体が加硫接着された長手方向中間部分が他方の該支持辺部に対して接近せしめられるように変形加工することにより、前記複数の弾性連結体に対して予圧縮を及ぼす請求項6に記載のダイナミックダンパの製造方法。
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