JP2006341468A - 改良されたフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体において、網点やベタ図柄など大小画像が混在した連続図柄を印刷する際に問題となるベタ図柄などの端部カスレや、網点図柄の印刷太りが少ないバランスのとれた高印刷再現を可能とする印刷版構成体をより高い生産性により提供する。
【解決手段】少なくとも、コアスリーブ層04、クッション層03、剛性層02およびつなぎ目のない印刷レリーフ層01がこの順番に積層されたフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体において、その剛性層が少なくとも1枚以上のプラスチックフィルムまたはシートからなり、当該フィルムまたはシートが当該印刷スリーブの幅方向に並行に重ね貼合され、クッション層全面を隙間なく構成していることを特徴とするフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
【選択図】図1

Description

本発明は、壁紙・包装材料・液体容器・贈答箱などへのフレキソ印刷において、主に連続デザインの印刷に用いられるフレキソ印刷用シームレススリーブ版に高い印刷性能と耐久性を与えるためのスリーブ構成体に関する。
フレキソ印刷方式における印刷版としては、ゴムや熱可塑性エラストマーなど常温領域にゴム弾性を有する樹脂製凸版が一般に用いられている。このためオフセット印刷方式やグラビア印刷方式などで用いられる金属基材を用いた印刷版に比べて被加工体表面に対して軽い印刷圧力でパターンを印刷することができ、段ボール用紙のような表面粗度が高く剛性の低い材料や、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなど張力で伸長しやすい薄いフィルム材料への印刷で好適に用いられている。
フレキソ印刷に使用される樹脂製凸版は、一般的にはシート状の紫外線硬化性熱可塑性エラストマーからなるものが多く用いられており、これらは所望の図柄を有するネガフィルムなどのマスクを通して紫外線を照射し、光硬化させた紫外線硬化性樹脂を現像処理することで凸型レリーフをもつ凸版として製版される。最近ではこれらの製版工程で用いられるネガフィルムを樹脂表面に直接付与一体化したCTP版(Computer To Plateの略)の製版技術によって、製版工程の簡略化のみならず高精細な再現が得られ、より短納期・高品質な用途に向け一般にも使用できるようになってきた。
一方、樹脂製凸版を印刷機に装着する際には、印刷機のシリンダ上に両面粘着テープなどでシート状の樹脂製凸版を貼り付けて使用するが、貼り付けに際しては精度よく貼り付ける必要があり、品目交換ごとにこの印刷シリンダへの貼り付け作業が必要になるという問題がある。このため最近では印刷シリンダから、着脱が簡便な中空円筒状の支持体スリーブ上にあらかじめ両面粘着テープなどで樹脂製凸版シートを貼りこんで固定しておき、品目の交換を支持体スリーブごと印刷機シリンダに出し入れすることによって行う方法がとられている。
また特開平8−305030号公報(特許文献1)には、紫外線硬化性樹脂の表面に紫外線遮蔽性に優れた赤外線感受性層を設けた紫外線硬化性樹脂CTP版シートを支持体スリーブに両面粘着テープなどで貼り付け、赤外線レーザーによって所望のパターンに赤外線感受性層を選択的に切除して紫外線硬化性樹脂の表面にネガ型マスクを形成し、このネガ型マスクを通して紫外線を照射して光硬化させた紫外線硬化性樹脂を現像処理することで、印刷機上での位置決めを製版工程で事前に行うと同時に、CTP版の特徴である高精細なパターンの凸型レリーフをスリーブ上に得る方法が提案されている。
このような省工程、高精細製版技術の発明により、フレキソ印刷方式によるパターン形成がより生産効率の高い方法として見直されている。しかし、このように使用される樹脂製凸版は全てシート状であるため、印刷機シリンダの円周方向に貼り込む際の版端部の避けがたい隙間のため、円周方向につなぎ目なく連続するパターンを形成することができない。そのような連続パターンが要求される場合には、シート状の樹脂製凸版を印刷機シリンダまたは支持体スリーブに貼りあわせた後に、円周方向の版端部間に液状の紫外線硬化性樹脂などを流し込むなどの後加工が必要であった。またこのように後加工しても複雑な連続パターンや高精度・高精細な連続パターンでは、後加工した痕が印刷面に僅かながら出てしまい完全に解消することはできなかった。
最近では前記したフレキソ印刷方式の優位性から連続パターン印刷の要求が高まり、これらの要求に対して円周方向につなぎ目のない樹脂製凸版スリーブを製作する方法が提案されている。
これらは例えば特開2003−025749号公報(特許文献2)に開示されているような、シート状の紫外線硬化性材料を支持体スリーブに巻きつけたシート端部を軟化点以上に加熱して融着させ、研削装置等でつなぎ目なく研削成形した後、その外周面に非赤外線遮蔽性に優れた赤外線感受性層を円周方向につなぎ目なく塗工し赤外線レーザーによって所望のパターンに赤外線感受性層を選択的に切除してその表面にネガ型マスクを形成し、このネガ型マスクを通して紫外線を照射して光硬化させた紫外線硬化性樹脂を現像処理して凸型レリーフを得たものや、特開2004−262076号公報(特許文献3)で開示されているような紫外線硬化性の液状あるいは熱可塑性エラストマーを支持体スリーブに塗工やカレンダリング処理などして継ぎ目なく成型した後、紫外線を照射して当該紫外線硬化性樹脂を光硬化させ研削装置などで表面を仕上げ、その表面に所望のパターンに制御された赤外線レーザーなどを直接照射しながら、光硬化した紫外線硬化性樹脂を彫刻して継ぎ目のない凸型レリーフを得たものである。
これらの方法によって得られる樹脂製凸版スリーブは円周方向につなぎ目がなく高精度・高精細の凸型レリーフを持ち、壁紙・包装材料・液体容器・贈答箱などへのデザイン印刷をはじめ、化粧板などの建築部材のエンボス加工、電子基盤プリント時のマスク形成などフレキソ印刷の用途展開に大きな役割を担っている。しかしこれらの方法により作製されるフレキソ印刷用シームレススリーブ版は継ぎ目のない印刷物は得られるものの細字・ハイライトなどとベタ白抜き・シャドウ図柄が混在するような印刷絵柄構成ではバランスのとれた高品質の印刷物を得ることは困難で、被印刷材料や印刷機の精度依存性が高いなど高品質の印刷物を得るためには実用印刷条件範囲が狭い問題があった。
それらの問題を解決する手段として本発明者等は特開2003−025749(特許文献4)において、プラスチックフィルムを当該フィルムの端部同士が突合せになるように螺旋方向に巻き付け、剛性層各層を構成するフィルムを逆向きに重ね合わせ交互に複数枚のフィルムで構成した剛性層を構成し、スリーブコア層、クッション層、剛性層、およびつなぎ目のない印刷レリーフ層から構成されるフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体によって高い印刷品質を得る方法を提案し、継ぎ目がなく高品質の優れた印刷物が特別な印刷材料や印刷機でなくとも印刷できる実用条件の広い版構成体を提案した。
特開平8−305030号公報 特開2003−025749号公報 特開2004−262076号公報 特開2003−025749号公報
しかし、剛性層となるプラスチックフィルム材はその厚みが厚いほど、そのフィルム幅が広いほどフィルムそのものの剛性が高まるため伸び難くなるため、スリーブ上のクッション材面に突合せを精度良く螺旋状に巻き付けることが難しい。そこで、剛性層の仕立て加工に当たっては伸び易い薄いフィルムを用い、突き合わせ貼り込みを矯正しながら且つ気泡が入らないように幾層にも重ね貼りするといった手間や高度の熟練を要した。更には、厚めのフィルム材料を用いる場合には平行度寸法精度の高いフィルム材料の前加工を必要としたり、螺旋状巻きつけ専用装置が必要となるなどその製造性や生産性には問題があった。
そのため本発明者等はその課題について鋭意研究した結果、印刷品質を更に高めると共に特に高精度な仕立てを必要としない入手性に優れた厚手のプラスチックフィルム材料が使え、剛性層をより簡便な方法で形成させる方法を見出し、本発明に至った。
本発明は以下の通りである。
1.少なくとも、コアスリーブ層、クッション層、剛性層およびつなぎ目のない印刷レリーフ層がこの順番に積層されたフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体であって、その剛性層が切れ目なく連続しており、少なくとも1枚以上のプラスチックフィルムまたはシートからなり、当該フィルムまたはシートが当該印刷スリーブの幅方向に並行に重ね貼合され、クッション層全面を隙間なく構成していることを特徴とするフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
2.前記フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体のフィルムまたはシートが重なりを持ってクッション層表面を隙間なく構成するとき、その重なりによってできる剛性層の厚み増加量が印刷レリーフ層樹脂厚みの10%以下であることを特徴とする1.記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
3.前記フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体のフィルムまたはシートが重なりを持ってクッション層表面を隙間なく構成するとき、その重なりの幅が少なくとも5mm以上であることを特徴とする1.または2.に記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
4.剛性層を構成するプラスチックフィルムまたはシートが、粘着剤または接着剤を介して剛性層を構成している請求項1.から3.のいずれかに記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
5.剛性層を構成するプラスチックフィルムまたはシートの粘着材または接着剤と接触する面が粗面化されてなる4.に記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
6.剛性層となるプラスチックフィルムまたはシートがポリエステル基材からなり、フィルムまたはシートの部分的な厚み増加を除く当該剛性層総厚みが25μmから250μmの剛性層で構成されている1.から5.のいずれかに記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
本発明によるフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体よって、ベタ図柄やハイライト網点など大小画像が混在した連続図柄において両者にバランスのとれた印刷品質をあたえることができるとともに、耐薬品性に優れた剛性層材料を用いることによってクッション材の耐久性を著しく高めることができるものである。本発明によるフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体では、剛性層の形成方法が著しく簡便化されることで製造に当たって高度な熟練や特別な設備が不要となるばかりか、剛性層を構成するフィルム又はシートの厚み、幅ばかりか長さや材質の選択幅が広がることで、より安価な、より耐薬品性に優れたフィルムやシートを使用することができ、低コストでより高い印刷性能を発現することができる。
以下、本発明について特にその好ましい実施態様を中心に詳細に説明する。
本発明で一般的に使用できるコアスリーブ層は、中空円筒状の基材であって、圧縮された空気圧でスリーブ内径が膨張拡大でき、当該圧縮空気圧が開放されると同時に元の内径に戻るような特性を有しているものが好ましい。例えば6バール程度の圧縮空気圧を印刷機の版胴シリンダなどからコアスリーブ層内面に供給することでコアスリーブ層内径を膨張拡大し、シリンダ上をスライドさせたのち圧縮空気圧を開放するとコアスリーブ層が元の内径に戻ってシリンダ上に固定される機能を有するものである。
コアスリーブ層にはニッケルなど薄い厚みの金属基材や、少なくとも1つの繊維強化プラスチック基材層を含むプラスチック類からなるプラスチックスリーブを使用することができるが、金属基材に比べプラスチック基材からなるものが使い勝手の点でより好ましい。その理由としては、プラスチック材は金属材に比べてキズやスリーブ基材端部でのヘコ折れが生じにくく、移送や繰り返し交換作業などにおける耐久性に優れていることである。
プラスチック基材スリーブではベーシックスリーブと呼ばれるガラス繊維強化プラスチック基材そのものと、ベーシックスリーブのようなガラス繊維強化プラスチックスリーブを芯材としてその上に熱硬化性発泡ポリウレタン層などクッション性や軽量化を意図する発泡弾性層を設け、最表面層には耐磨耗性に優れた熱硬化性硬質ポリウレタン材で仕上げた多層で構成された厚肉のクッションスリーブなどがある。厚肉のスリーブでは、多層に構成された構成基材それぞれの厚みを任意にかえてスリーブ外径を調整して、同じ印刷シリンダ径の印刷機で印刷リピートの違う印刷物に対応したり、更にはその内部クッション層や最表面上のプラスチック層の硬さを変えたりするなどして印刷時の補助機能を設けることで、印刷品質の向上を図ることがなされている。これらコアスリーブ層の厚みは薄いものでは0.1mmから、厚いものでは40mm以上のものも使用される。
本発明で用いるコアスリーブ層表面に積層するクッション層とは、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エチレン、プロピレンゴムなどの連続または単独の微細な気泡を有する弾性発泡体からなり、その密度は0.1から0.6g/cmでショアA硬度が10から60度程度のものが使用でき、印刷シリンダに感光性樹脂版を貼り込む際に使われる厚み0.35mmから1mm程度のクッション材の両面に粘着剤が設けられたクッションテープなども使用できる。クッション層の厚みや硬さは印刷レリーフ層を形成する樹脂の材質特性、被印刷材料や印刷仕上がり品質、印刷時の胴径調整などそれぞれの目的によって必要に応じて選択され、コアスリーブ層表面に必要に応じ接着剤などを介して積層される。また、クッション層は隙間なく均一な厚みである方がより良い印刷品質を得ることができるが、本発明における剛性層が隙間なく重なりをもって表面を覆っている場合にはクッション層には僅かな隙間があっても問題にはならない。
本発明におけるフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体では、クッション層と印刷レリーフ層との間に切れ目なく連続した剛性層がスリーブ幅方向に並行に重なりをもって形成される。この剛性層は適度な弾性と剛性を有しているもので、切れ目のない連続した剛性層を印刷レリーフ層とクッション層の間に配することにより、凸レリーフで形成されるフレキソ印刷版がインキを受理する際に受けるアニロックスロールからの圧力、また印刷版シリンダから被印刷体にインキを転移する際に圧胴から受ける印圧など、凸レリーフが印刷中に受ける圧縮のストレスをクッション層に分散することができるため、クッション層の機能が有効に発現されより高い印刷品質を得ることができる。もし本発明の剛性層に切れ目があると、当該絵柄部で受けた印刷ストレスはクッション層面にうまく分散することができないため、当該剛性層の切れ目となる端部に印圧ムラが局部的に生じ当該絵柄部は印刷ムラが避け不良なものとなる。
剛性層に要求される適度な弾性および剛性としては、二軸延伸ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムや硬質塩化ビニルフィルムなどが有する硬さや曲げ剛性を有する材料が具体例として挙げられる。またポリエステルフィルムやナイロン、ケブラーなどのように耐薬品性に優れた素材は、印刷レリーフ層を通して浸透してくる印刷インキビヒクルやインキ洗浄剤成分などのクッション層への浸透劣化を防止するバリア層としても効果的に働く。有機溶剤を含まない紫外線硬化型インキなどでは低分子(アクリル)モノマーなど低分子有機化合物のクッション層への浸透防止に有効で、クッション材選択自由度が広がるばかりかフレキソ印刷用スリーブ構成体の印刷寿命を大きく延命する効果がある。
本発明の印刷効果を発現させるための連続した剛性層の厚みとしては、二軸延伸ポリエステルフィルムの場合には10μmから350μm、好ましくは25μmから250μmの厚みが望ましい。これより薄いと印刷パターンによっては印刷ストレスの分散、均一化が十分発現できず、ベタやシャドウ部などの大画像やその端部に印刷カスレが生じたり、逆に厚過ぎる場合にはクッション層表面への馴染みが悪くて重ね貼り端部に跳ね上がりを生じ制作に支障を生じたり、剛性層が強すぎてクッション層の好適な弾性効果が発現されないため印刷許容幅が狭くハイライトや細字の印刷ゲインが大きくなるなど、いずれの場合もベタと小画像の再現にバランスのとれた印刷品質を安定的に達成することが難しくなる。
本発明における連続した剛性層は一枚以上のプラスチックフィルムまたはシートの重なりによって形成されるが、その重なりの方向はスリーブ幅方向に平行に貼合され、クッション層全面を隙間なく構成している。その重なり幅は少なくとも5mm以上が好ましく、10mm以上が本発明の剛性層により得られるインキや版洗浄剤起因の低分子物質の浸透によるクッション層物性劣化防止の点でより好ましい。また、連続した剛性層に十分な重なりがなかったり突き当て状態である場合は、クッション層の物性劣化以外に既述のように剛性層端部での印圧ムラが生じ、その部分には印刷カスレが避け難いものとなる。
本発明の重なり部のある剛性層は、重なり部の方向がスリーブ幅方向に並行であるため、短冊状の短尺フィルムやシートが使用できるため厚いシート状のものでも使用することができる。そのため、特開2003−025749号公報に開示されているような螺旋状に突き当て精度良く多層化して剛性層の厚みを得るため薄いフィルムを幾層にも重ねて貼り込む必要がないため、特別に高い幅寸法精度で仕立てた長尺テープなどは必要なく、螺旋状に貼り込むための専用の貼り付け装置や熟練した技能も製造において必要ではない。そのため、本発明で使用する剛性層としてのプラスチックフィルムやシート材料は汎用のものが使用でき、入手性やコストの点でも優れる。また、使用する短尺フィルムなど材料が重なりをもって有効に使用できる範囲であれば、貼合方向は角度があっても特に障害にはならない。
また、これら剛性層となるフィルムやシートの重なり幅の大きさは、前記したような溶剤成分などの浸透を防止する効果を得るためには5mm以上、好ましくは10mm以上の重なり幅で仕立てることが望ましい。更にその重なり部分には粘着剤や接着剤のような結合材があった方がフィルム間の密着性に優れるため、当該部分からのクッション層への前記低分子化合物の浸透防止には有効であり、より耐久性に優れたフレキソ印刷用スリーブ構成体が提供できる。これら粘着剤などの結合材料は耐薬品性に優れた素材で、使用に際しては必要最小限の厚みとすることが望ましい。また、粘着剤が片面に薄く塗られた市販のポリエステルテープなどを用いて本発明の剛性層を貼合するような場合は、粘着面と接する面が粗面化されている方が重ね貼り部位のエア溜まりができにくく、本発明の剛性層の製作作業をより効率化させ、仕上り外観も綺麗なものとなり商品価値を高めるためにも有効な方法である。
本発明における貼合による重なり部の厚み段差、すなわち剛性層の部分的な厚み増加量は大きすぎると印刷ムラへの影響は避け難いが、印刷レリーフ層樹脂厚みの10%以下で且つこの部分的な厚み増加部分を除いた剛性層厚みが25μmから250μmであるフレキソ印刷用シームレススリーブ版構成体が本発明の効果を発現しやすい。
本発明における剛性層の厚み増加量の印刷レリーフ層となる樹脂全体厚みの10%以下は、使用される印刷レリーフ層樹脂材料の硬さが硬ければ剛性層の当該部分厚み増加量の実用範囲は高めも許容されるものになる。また、剛性層を構成する際に使用される前記粘着剤が当該樹脂材料より軟らかなものであれば、当該部分厚み増加量は大きめが許容されるものになる。
また、剛性層を構成する粘着材の厚みは前記のように低分子化合物の浸透防止の点から必要以上に厚すぎないことが好ましく、本発明で言うところの剛性層厚みは粘着材などを使用した場合には粘着材をも含む厚みを指す。この時、当該剛性層の厚み増加量の10%以下とは、剛性層厚み増加量(%)≦剛性層部分増加厚み÷印刷レリーフ樹脂層最大厚み×100で表すことができ、例えば樹脂層最大厚みが1.00mmのときの剛性層部分厚み増加量は0.10mm以下が好適であることを言い、樹脂厚みが増加すれば当該剛性層厚みの許容厚みも大きくなる。
重なりを有する本発明の剛性層を設ける具体的な方法を次に例示する。剛性層を構成するフィルムが複数枚以上(図3)、2枚(図4)、1枚(図5)の場合、更にはクッション材に一体化して設けられた両面粘着クッションテープの事例(図―6)を参考までに示すが、本発明はこの事例のみにとらわれるものではない。
まず、本発明のフレキソ印刷用シームレススリーブ版構成体の構造について図1に示すと、コアスリーブ層(04)を芯材にその上層にクッション層(03)が、その上に剛性層(02)、継ぎ目のない印刷レリーフ層(01)の順に各層が構成される。また、図2には短冊状のフィルムを重ね貼りした本発明で言う重なりのある連続した剛性層を示したもので、当該剛性層の重なり部(05)を、重なり部で厚み増加部となる厚み量(06)を示している。
図3には複数枚以上の剛性フィルムを用いる場合の例を示すが、二軸延伸ポリエステルのようなフィルム又はシートの短冊状に切り出した材料を準備し、そのものをコアスリーブ表面に設けられたクッション層の表面にスリーブ幅方向にスリーブと並行に重ね貼合するものである。この時、片面に粘着剤が設けられた市販の粘着ポリエステルテープなどを用いることができるが、まず当該粘着テープの粘着面をクッション表面にスリーブ幅方向に並行に密着貼りし、次いで次のもう一本の新たなテープをその上から5mm以上の幅で重なるように平行にエア溜まりに注意しながら一本横貼を行う。あとは順次先に貼り込んだ当該テープの一端に重ねながら貼合し、この操作を繰り返してクッション層全体を隙間なく貼り込んで、多数枚からなる剛性層を形成させる。この際、当該粘着テープの糊のない面が粗面加工されていると重ね貼り部位でのエア溜まりができにくく、作業効率が良いばかりか仕上がった時の外観も綺麗で、商品価値を高めることもできる。この事例の厚み増加量は一枚重ねであることから、使用した粘着テープ厚みそのものとなる。
次に、図4に示す剛性層を2枚で構成する場合について述べる。この場合はコアスリーブ層表面に設けられたクッション層の外表面周長より少し短めの長さで、その幅はクッション層と同じ幅のフィルムを、例えば100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムなどで準備する。そして、図3の事例でも使用した片面粘着糊付きの幅25mm程度のポリエステープを、スリーブ幅方向に平行にクッション表面に横一枚貼りを行うが、図4ではクッション層表面に粘着テープを先に貼り込み、その上からスプレー糊などで粘着材を吹き付け、先に準備したフィルムの円周寸法側の端を当該テープ上に10mm程度重なる位置に平行に貼り込み、順に円周方向巻きつけながら最終端を当該テープ上に貼り込み固定する。この場合の剛性層厚み増加量は片面糊付きのポリエステープの厚みとなる。また、逆に周長より少し短めの100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを先に貼り込み、スリーブ幅と平行に生じた当該フィルムの後端との隙間を片面粘着糊付き25mm幅のポリエステープを貼り込む方法も同じ効果を得ることができる。
図5は一枚の剛性フィルムを用いた事例である。この事例では、例えば100μm厚みの二軸延伸ポリエステルフィルムをクッション幅の寸法で、その長さをクッション層外周長より約20mm長めのものを準備しておき、当該フィルムの円周長端部をスリーブ幅方向に平行に置き固定し、その反対側の後端をクッション層表面に貼り付けながら一周し巻きつけ、後端重なり部分を必要に応じて前記スプレー糊のような粘着材を用いて固定する。この場合は使用したフィルムの厚みである100μmが剛性層厚み増加量となる。また、この事例では樹脂に剛性層となるフィルムが支持体として一体化したものが使用でき、この場合には剛性層一体の樹脂シートをクッション層外周面長より長めに切り出し、前記フィルムの重なり部分に相当する幅の樹脂層部分をその片側だけ予め剥ぎ取っておいて、剥き出しとなった剛性層の当該部分に片端の支持体付の樹脂シートを重ね合わせて製作することもできる。
図6は両面粘着クッションテープなどを使用する事例である。印刷版を印刷シリンダなどに固定する目的で使われる印刷版貼り込み用の両面クッションテープには、柔らかなクッションテープを貼り込む際の伸びによる厚みムラを防止するため、薄いプラスチックフィルムをクッション材に一体化して持たせているものがある。そのようなクッション材一体型のフィルム材も本発明の剛性層として利用することでき、当該クッションテープの突き当て部分に跨るように剛性のあるフィルムを貼り込むことで本願の効果を得ることができる。この場合は両面粘着クッションテープの突き当て部分に貼り込んだフィルムの厚みが剛性層厚み増加量となる。
本発明の継ぎ目のない印刷レリーフ層の形成には、常温で固体状の紫外線硬化性樹脂組成物からなるシート状フレキソ印刷版として公知のものを使用することができる。シート状フレキソ印刷版は、一般的にはバインダーポリマーと可塑剤、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー、光開始剤、熱重合安定剤からなる組成物が用いられる。更に必要に応じて増感剤や着色剤などの添加剤を含むことができる。
バインダーポリマーとしては、例えばモノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラストマーが用いられる。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α―メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどが、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などを挙げることができる。可塑剤はバインダーポリマーに可塑性を与えて他の配合剤の分散性を改善するとともに成型時の流動性や皮膜形成特性を調節するのに用いられる。好適な可塑剤としては、ナフテン酸およびパラフィン油などの脂肪族炭化水素油、液状ポリブタジエン、液状ポリイソプレン、ポリテルペン樹脂などが挙げられる。
少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーとしては、バインダーポリマーと相溶性のあるもので、例えばt−ブチルアルコールやラウリルアルコールとアクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸とのエステル、あるいはラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド誘導体、またはジオクチルフマレートなどのアルコールとフマール酸のエステル、更にはヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルなどを挙げることができる。
光開始剤としては、ベンゾフェノンのような芳香族ケトン類やベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2、2−ジエトキシフェニルアセトフェノンなどのベンゾインエーテル類など、公知の光開始剤の中から選択し、また組み合わせて使用される。
上記紫外線硬化性樹脂組成物から、様々な方法でシート状紫外線硬化性樹脂版を調製することができる。例えば上記紫外線硬化性樹脂組成物を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエンなどの溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流し込み溶剤を蒸発させてシート状にすることができる。また溶剤を用いずに、ニーダー或いはロールミルで混練りし、押し出し機、射出成型機、プレスなどにより所望の厚さのシートに成型することができる。
本発明の継ぎ目のない印刷レリーフ層は、前記シート状紫外線硬化性樹脂版から得られる継ぎ目のないシームレススリーブ紫外線硬化性樹脂層を用いるのが一般的である。該シームレススリーブ紫外線硬化性樹脂層を作成する方法としては、例えば、前述した方法により形成された剛性層の表面に接着剤を塗布し、加熱オーブン等で乾燥・硬化させ、この後、シーメックス(Seamex)プロセスに代表されるように、シート状紫外線硬化性樹脂版を前記剛性層に巻き付ける。この際、剛性層とシート状紫外線硬化性樹脂版を密着配置する方法として、特開昭59−114099に記載されている通気機構を有したプラスチック繊維のマルチフィラメント層を介して巻き付け、境界面に残留した空気溜まりは当該フィラメントにより作られた隙間を利用して真空排除することもできる。
剛性層に貼り付けられたシート状紫外線硬化性樹脂版の継ぎ目部分となるシートの端部同志は、使用される紫外線硬化性樹脂の軟化温度以上、例えば120℃の加熱オーブン中で十分程度加熱することで融着接着される。融着されたシート状紫外線硬化性樹脂版は室温下一夜放置した後、前記クッション層表面を研磨したグラインダーで表面を研磨し、継ぎ部の厚みムラを除去すると共に所定の外周長、すなわち印刷面長に仕立て上げることで継ぎ目のない紫外線硬化性樹脂層が得られる。
上記方法において、シート状紫外線硬化性樹脂版はスリーブコア層、クッション層、及び剛性層の順で配置されたスリーブ構成体の外周長に合わせ正確に断裁したものが使われるが、当該樹脂版は必要に応じ予め剛性層に貼り付ける側の樹脂面から紫外線を所定量照射(以下、バック露光)したものを使用すると、より微小な網点などの形成性を高めることができる。
この後、特開平8−305030号公報や特開平9−166875号公報などに記載されている赤外線レーザー光による切除が可能で、且つ紫外線硬化性樹脂を硬化させる紫外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層を前述のシームレススリーブ紫外線硬化性樹脂層表面に設け、当該赤外線感受性層を赤外線レーザーで描画除去して画像マスクを形成する。
次いでこの画像マスクを通して紫外線紫外線を照射し画像露光を行う。画像露光後、当該紫外線硬化性樹脂層は紫外線により重合硬化し、紫外線が照射された部分では樹脂の不溶化を生じる。当該紫外線硬化性樹脂の未露光部分は溶剤で現像除去され、乾燥・後露光などを行った後、本発明の継ぎ目のない印刷レリーフ層が得られる。
また、本発明のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体における継ぎ目のない印刷レリーフ層としては前記熱可塑性エラストマーを用いた紫外線硬化型感光性樹脂に限定されるものではなく、当該構成体の用途に用いられる樹脂材料であれば同じ効果を与えることができる。例えば直接レーザー彫刻してレリーフ画像を形成させることのできるレーザー彫刻可能なゴム材料や、特開2004−262135号公報などに開示されている常温で液状である紫外線硬化型の感光性樹脂を用いたものなどが上げられる。
以下に本発明の実施形態を実施例に基づいて具体的に説明する。
内径213.384mm、厚み0.90mm、面長300mmのプラスチックスリーブスリーブ(ベーシックスリーブ(商品名)/POLYWEST社)をコアスリーブ層として用い、ラッピング装置(WARP/AV flexologic社)に装着し、30rpmの速度で回転させながらウレタン系接着剤(KU822S(商品名)/コニシボンド社)をスリーブ表面全体にウエット塗工量30g/mで均一にロール塗工した。この際、スリーブの両端部に幅24mmの片面粘着テープ(ダイアハローテープ(商品名)/三菱樹脂社)をスリーブ端面に沿って円周方向に一周巻きつけ接着剤マスクとし、塗布後にテープを剥がしスリーブ端部への接着材の侵入を防止した。
接着剤表面に幅80mm、厚み1.02mmの弾性発泡体材(R-bak PSA 片面スキン(商品名)/Rogers社)を、そのスキン面を接着剤側に配置して接着剤の塗布端からもう一方の塗布端にむかってスリーブをらせん状に包むように隙間なく巻き付け、室温下1時間放置して接着剤と固定した。その後、研削装置(SA6/2U×200/シュライフ・マシーネンヴェルク社)にスリーブを装着し、その外径が216.234mmになるまで弾性発泡体材表面を研削した。
厚み50μmポリエステル基材の一方の面に厚み30μmの粘着剤が塗布されてなる、50mm幅のポリエステル粘着テープ 31B(商品名/日東電工社)を、クッション層表面にスリーブ幅方向にエア溜まりができないように一線貼り付け、先に貼り付けたテープに約20mmの重なりができるように以降、図2に示したように順次テープを貼り付けてスリーブ円周方向全体に隙間なくテープを貼り付けて剛性層とした。
剛性層を設けたスリーブをスプレー塗工装置(COATING STAND/AV flexologic社)に装着し、円周方向に60rpmの速度で回転させながら、ウレタン系接着剤 ニッポラン3022(商品名/日本ポリウレタン社)10部に対して硬化剤 コロネートL(商品名/日本ポリウレタン社)1部の割合で混合した溶液をスプレー塗布し、その後熱風乾燥機(VERTICAL OVEN/AV flexologic社)内で60℃10分間乾燥させ、更に室温雰囲気下で1時間冷却乾燥させた。
厚み2.10mmのフレキソ印刷用紫外線硬化性樹脂シート(AFP CTH−10(商品名)/旭化成ケミカルズ社)のカバーフィルム側から370nmに主波長を有する紫外線ランプの露光装置(EXPOSURE/AVflexologic社)で40秒間紫外線を照射し、693.456mm×250mmになるように版断裁機(CUTTING TABLE/AV flexologoc社)で版端部を均等に裁断した。
剛性層上に接着剤を設けたスリーブを再度ラッピング装置に装着し、表面にTGIストッキング(商品名、AV flexologic社)を、繊維の重なりがないように引き伸ばしながら被せた。その後、裁断した紫外線硬化性樹脂シートのカバーフィルムを剥がし、剥がした面を剛性層側に配置して紫外線硬化性樹脂シートの短い辺でスリーブ円周方向を包むように巻きつけて、長い辺の接合部を紫外線硬化性樹脂シートがスリーブから脱落しないように片面粘着テープで数箇所仮止めした。
巻きつけた紫外線硬化性樹脂シートをスリーブ上の弾性発泡体材に完全に密着させるために、剛性層と紫外線硬化性樹脂シートの界面に減圧装置を用いて−0.8バールの真空圧を与え、紫外線硬化性樹脂シートの長い辺が真空密着するようにスリーブ端から紫外線硬化性樹脂シートの長い辺の両端部をお互いに寄せ合わせるようにして順次仮接合した。さらにこの減圧状態で紫外線硬化性樹脂シートの外周面にある支持体フィルムを剥がしとり、赤外線加熱炉(CURING OVEN/AV flexologic社)内で樹脂表面温度が110℃になるまで加熱し、仮接合したシート端面と弾性発泡体材表面に紫外線硬化性樹脂シートを完全に融着させた。
次いで、加熱炉から取り出したスリーブを室温まで冷却した後、再度研削装置に装着し、その外径が219.763mmになるまで紫外線硬化性樹脂表面を研削した。その後表面処理装置(ARC−110H/旭化成ケミカルズ社)内でその表面に鏡面化処理を施し、スプレー塗装機(ARC−110B/旭化成ケミカルズ社)にて合成ゴムとカーボンブラックを主成分とする溶液(XBL−B53(商品名)/旭化成ケミカルズ社)をスプレー塗工しその表面に赤外線感受性層を得た。
このスリーブにYAGレーザーを光源とするレーザー照射装置(CDI/ESKO graphics社)で150線/インチの連続図柄の画像データを描画し、赤外線感受性層のネガ型画像マスクを形成させた。この画像マスクを通し、370nmに主波長を有する紫外線ランプの円筒露光装置(MAIN EXPOSURE/AVflexologic社)で照射面の紫外線強度10mW/cm(紫外線35)の下、8000mJの紫外線を照射した。
その後、芳香族炭化水素系溶剤(SOLVIT(商品名)/エクソン化学社)を用いて洗浄装置(AFS−1316IP/旭化成ケミカルズ社)にてブラシによる洗い出しを行い、60℃1時間乾燥の後、表面の粘着性を除去するために254nmの波長を有する殺菌線ランプによって20分間、370nmに主波長を有する紫外線ランプによって5分間の露光を行い、フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体(1)を得た。
実施例1と同様の操作で得られたクッション層表面に、厚み25μmポリエステル基材の一方の面に厚み10μmの粘着剤が塗布されてなる、24mm幅のセキスイポリエステルテープ #29(商品名/積水化学(株)製)を、クッション層表面にスリーブ幅方向にエア溜まりができないように一線貼り付け、先に貼り付けたテープに約10mmの重なりができるように以降、図2に示したように順次テープを貼り付けてスリーブ円周方向全体に隙間なくテープを貼り付けて剛性層とした以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体を得た。
実施例1と同様の操作で得られたクッション層表面に、厚み55μmポリエステル基材の一方の面に厚み35μmの粘着剤が、もう一方の面にマット剤が塗布されて総厚みが100μmとなる、ポリエステル粘着シート No.7881(商品名、住友スリーエム(株)製)を、50mm幅の短冊状に裁断加工して、クッション層表面にスリーブ幅方向にエア溜まりができないように一線貼り付け、先に貼り付けたテープに約20mmの重なりができるように以降、図2に示したように順次テープを貼り付けてスリーブ円周方向全体に隙間なくテープを貼り付けて剛性層とした以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体を得た。
以上の操作により得られた、本発明の剛性層等を配したシームレススリーブ印刷版構成体を用いて、印刷性評価試験として、ドクターチャンバー付きの800線/インチのアニロックスロールを装備したフレキソ印刷機で、溶剤インキを用いてポリエチレンフィルムへの印刷を行った。その結果、全ての構成体において剛性層の重なりによる印刷ムラは見られず、150線/インチの網点画像のハイライト網点は印刷太りが少ない明るいシャープな印刷再現を示す共に、ベタ部分、白抜き画像周辺のベタ部やゴチック文字などの画像も、局部的なカスレのない均一なインキ転移を示す良好かつシャープな再現性の高い印刷物が得られた。
実施例と同様の方法で作成したクッション層表面に厚み188μmポリエステル基材の片面に約10μm厚みの粘着剤を転写しその総厚みが200μmとなる36mm幅のシートをスリーブ幅方向にエア溜まりができないように横一線に貼り付け、先に貼り付けたテープに約10mmの重なりができるようにして以降、図2に示したように順次テープを貼り付けてスリーブ円周方向全体に隙間なくテープを貼り付けて剛性層とした以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体を得た。この構成体を用いて、実施例と同様の条件下で、印刷性評価試験を行った。
その結果、剛性層の重なり部分に相当するベタ部の周辺や、重なり部に相当する網点部に僅かに縞状のムラが濃淡として現れたが、当該部を除いた印刷品質はハイライト網点は印刷太りが少なくゴチック文字や白抜き図柄も共にシャープで良好な印刷物であった。
[比較例1]
実施例と同様の方法で作成したクッション層表面に、実施例2で用いた片面に粘着剤が塗布された24mm幅のセキスイポリエステルテープ #29(商品名/積水化学(株)製)二軸延伸ポリエステルテープを、スリーブ幅方向に対し約75度の角度で螺旋状に貼り込んだテープの端にできるだけ隙間を作らないように巻きつけた。次いで同テープで、今度は逆方向の螺旋状に気泡ができるだけ入らないように注意しながら先貼りのテープ端部との間に隙間ができないよう全周に貼り込んだ。重ね貼りの際にテープとテープの間にできた空気溜まりは、針を用いてエア抜きし密着させながら更に逆螺旋の方向に貼り込み作業を進め、最終的に3層である合計厚みが約105μm厚みの剛性層を仕立てた。
この剛性層表面には実施例と同様の接着剤を同様の方法で塗布した後、同じフレキソ印刷用紫外線硬化性樹脂シートを用い実施例と同じ方法で、同じ手順でフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体を得た。この構成体を用いて実施例と同じ印刷評価試験を行った結果、3層構成における印刷でのムラは見られず150線/インチの網点画像の階調再現はもとよりベタ・白抜き画像もシャープで良好な印刷品質は得られたものの本剛性層を製作するには貼り込み時の気泡や、できるだけ重なりを作らないようにする製作技術と細心の注意が必要で、生産性が極めて悪いものであった。
[比較例2]
実施例と同様の方法で作成したクッション層表面に、実施例3で用いた50mm幅の短冊状に裁断加工した粘着剤付きポリエステル基材シート No.7881(商品名、住友スリーエム(株)製)を、スリーブ幅方向に平行に基材シートが重ならないように突き当てて順にクッション層全周に貼り込み、最後の一枚は先のテープに約20mm程度重なるようにして貼り込んだ結果、最初貼り込んだテープには約15mmの重なりで仕上がった。
この剛性層表面に実施例と同様の接着剤を同様の方法で塗布した後、同じフレキソ印刷用紫外線硬化性樹脂シートを用い実施例と同じ方法、同じ手順でフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体を得た。この構成体を用いて実施例と同じ印刷評価試験を行った結果、 印刷図柄のベタ・網点においてスリーブ幅方向に平行に細い筋状のカスレムラが避けられず、良好な印刷物を得ることができなかった。細い筋状の印刷カスレは、いずれも剛性層として配置した基材シートの突合せ部分となった三箇所において見られた。
本発明により、ベタ図柄や網点など大小画像が混在した連続図柄のバランスのとれた印刷品質が得られるフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体をより高い生産性によって提供することができる。
本発明のつなぎ目のない樹脂製凸版スリーブ構成体の基本断面図を示す。 本発明の実施例および比較例で形成された剛性層の模式図を示す。 本発明実施例の剛性フィルムを複数枚以上用いて形成された剛性層の模式図を示す。 本発明実施例の剛性フィルムを2枚で構成した場合に形成される剛性層を模式図で示したもの。 本発明実施例の剛性フィルムを1枚で構成した場合に形成される剛性層を模式図で示したもの。 本発明実施例の剛性フィルムがクッションテープなどに一体化されたものを用いて形成される剛性層を模式図で示したもの。
符号の説明
01:継ぎ目のない印刷レリーフ層
02:剛性層
03:クッション層
04:コアスリーブ層
05:重なり幅
06:厚み増加量

Claims (6)

  1. 少なくとも、コアスリーブ層、クッション層、剛性層およびつなぎ目のない印刷レリーフ層がこの順番に積層されたフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体であって、その剛性層が切れ目なく連続しており、少なくとも1枚以上のプラスチックフィルムまたはシートからなり、当該フィルムまたはシートが当該印刷スリーブの幅方向に並行に重ね貼合され、クッション層全面を隙間なく構成していることを特徴とするフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
  2. 前記フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体のプラスチックフィルムまたはシートが重なりを持ってクッション層表面を隙間なく構成するとき、その重なりによってできる剛性層の厚み増加量が印刷レリーフ層樹脂厚みの10%以下であることを特徴とする請求項1記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
  3. 前記フレキソ印刷用シームレススリーブ構成体のプラスチックフィルムまたはシートが重なりを持ってクッション層表面を隙間なく構成するとき、その重なりの幅が少なくとも5mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
  4. 剛性層を構成するプラスチックフィルムまたはシートが、粘着剤または接着剤を介して剛性層を構成している請求項1から3のいずれかに記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
  5. 剛性層を構成するプラスチックフィルムまたはシートの粘着剤または接着剤と接触する面が粗面化されてなる請求項4に記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
  6. 剛性層となるプラスチックフィルムまたはシートがポリエステル基材からなり、フィルムまたはシートの部分的な厚み増加を除く当該剛性層総厚みが25μmから250μmの剛性層で構成されている請求項1から5のいずれかに記載のフレキソ印刷用シームレススリーブ構成体。
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