JP2004177616A - フレキソ印刷用感光性刷版、フレキソ印刷用印刷シート、フレキソ印刷用平板状弾性体、フレキソ印刷用弾性部材、フレキソ印刷用部材及びフレキソ印刷方法 - Google Patents
フレキソ印刷用感光性刷版、フレキソ印刷用印刷シート、フレキソ印刷用平板状弾性体、フレキソ印刷用弾性部材、フレキソ印刷用部材及びフレキソ印刷方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】フレキソ印刷用部材Aは、下地シート1と、印刷シート2とを有し、下地シート1は、磁石部10と、平板状弾性体20と、ポリエステルシート30とを有し、また、印刷シート2は、感光性刷版40と、シート状部50とを有している。この下地シート1と印刷シート2とは、積層した状態で印刷シリンダに巻装して使用する。ここで、平板状弾性体20は、ショアA硬度が10−25の範囲となっていて、また、感光性刷版40は、ショアA硬度は30−60の範囲となっている。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキソ印刷用感光性刷版に関するものであり、特に、平板状弾性体上に積層して用いるフレキソ印刷用感光性刷版その他のフレキソ印刷用の部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダンボールを代表とする被印刷体に印刷する場合、通常、フレキソ印刷と称される印刷によりなされている。係るフレキソ印刷に用いる刷版としては、柔軟性を有するゴム等の平板体に、画像に対応するレリーフを形成し、このレリーフの凸部にインキを載せ、これをダンボール等に転写するようにしている。
【0003】
レリーフを形成するには、ゴム等の平板体に彫刻等により彫る方法もあったが、近年はゴム弾性を有する感光性樹脂に画像に対応するマスクを介して紫外線を選択的に照射したのち、未露光部を現像液により洗い出してレリーフを形成している。
【0004】
なお、出願人は、先行技術文献の調査は行ったが、記載すべき先行技術文献は存在しなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようにして得られたレリーフは原画に忠実なものが得られて好ましいのであるが、これを刷版材として用いて印刷した場合、原画に忠実な印刷が得られるものではない。例えば、ベタ部にインキの着肉ムラが発生しないように印圧を調整して印刷する場合、ドットの原画部が太ったドットとなったり、細線の原画部がギザギザのある細線を呈することがあり満足のある印刷とはいえない。ドットや細線がシャープに印刷されるように印圧を調整したときにはベタ部にインキの着肉ムラが発生する。印刷物として見た場合には当然、不良品との評価がなされることになる。
【0006】
また、係る問題を解決するために種々の弾性を有する感光性樹脂を調製する方法も試みられているようであるが、原画が種々のパターンを含む今日においては、未だ完成されたとはいえない。
【0007】
そこで、本発明は、フレキソ印刷において原画に忠実な印刷が可能な感光性刷版や、その他の部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いるフレキソ印刷用感光性刷版であって、該フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあることを特徴とする。
【0009】
この第1の構成のフレキソ印刷用感光性刷版によれば、該感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあるので、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いることにより、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。特に、前記平板状弾性体のショアA硬度を10−25の範囲とし、前記フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度を30−60の範囲とすることが重要である。このような構成を採用したことにより、従来の印刷に比し印刷特性が大幅に改善される。
【0010】
また、第2には、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いるフレキソ印刷用印刷シートであって、該平板状弾性体又は弾性部材の上に積層させるシート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、を有することを特徴とする。
【0011】
この第2の構成のフレキソ印刷用感光性刷版によれば、該感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあるので、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いることにより、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0012】
また、第3には、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いるフレキソ印刷用平板状弾性体であって、該フレキソ印刷用平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあることを特徴とする。
【0013】
この第3の構成のフレキソ印刷用平板状弾性体によれば、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、この平板状弾性体を下地材として、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層して用いることにより、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0014】
また、第4には、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いるフレキソ印刷用弾性部材であって、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部と、を有することを特徴とする。
【0015】
この第4の構成のフレキソ印刷用弾性部材によれば、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、このフレキソ印刷用弾性部材を下地材として、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層して用いることにより、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0016】
また、第5には、上記第4の構成において、上記弾性部材が、さらに、上記シート状部材に上記平板状弾性体に隣接して固着された磁石部を有することを特徴とする。この第5の構成によれば、磁石部により一旦シリンダに弾性部材を固定させておいて、弾性部材とフレキソ印刷用感光性刷版をシリンダに巻装させることができるので、巻装を容易とすることができる。また、該弾性部材と感光性刷版とをシリンダに徐々に巻き付けていくことにより、上記弾性部材とシリンダとの間の空気及び該弾性部材と感光性刷版との間の空気は徐々に押し出されるので、空気が残留することにより不均一な印圧となって印刷性が低下してしまうということがない。そのため、高い印刷性の確保を図ることも可能になる。
【0017】
また、第6には、フレキソ印刷に用いる部材であるフレキソ印刷用部材であって、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、該フレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いる平板状弾性体で、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、を有することを特徴とする。
【0018】
この第6の構成のフレキソ印刷用部材によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0019】
また、第7には、フレキソ印刷に用いる部材であるフレキソ印刷用部材であって、シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、を有する印刷シートと、該印刷シートの下地材に用いる平板状弾性体で、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、を有することを特徴とする。
【0020】
この第7の構成のフレキソ印刷用部材によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0021】
また、第8には、フレキソ印刷方法であって、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体をシリンダに巻装させるとともに、該平板状弾性体にショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とする。
【0022】
この第8の構成のフレキソ印刷方法によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0023】
また、第9には、フレキソ印刷方法であって、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体をシリンダに巻装させるとともに、該平板状弾性体に、印刷シートであって、シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版とを有する印刷シートを積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とする。
【0024】
この第9の構成のフレキソ印刷方法によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0025】
また、第10には、フレキソ印刷方法であって、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材をシリンダに巻装させるとともに、該弾性部材にショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とする。
【0026】
この第10の構成のフレキソ印刷方法によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0027】
また、第11には、フレキソ印刷方法であって、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材をシリンダに巻装させるとともに、該弾性部材に、印刷シートであって、シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版とを有する印刷シートを積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とする。
【0028】
この第11の構成のフレキソ印刷方法によれば、フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあり、また、平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあるので、印刷特性の品位を格段に向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態につき詳細に説明する。本発明は、平板状弾性体とフレキソ印刷用感光性刷版を積層して用いることに特徴があるが、平板状弾性体は、ショアA硬度が10−25の範囲とする。この範囲にある平板状弾性体であることから、自ずからその材質は限定されてくるが、天然ゴム、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の合成ゴム等を挙げることができ、その厚さは特に限定されるものではないが、取り扱いの点から1〜7mm程度とするのが好ましい。この平板状弾性体は、具体的な構成としては、以下に示す平板状弾性体20となる。また、ショアA硬度が10−25の範囲にあることから、柔らかいという反面材質によってはタック性があったり、形態が崩れやすい場合も考えられるので、必要によっては、ポリエステル等のシートを片面又は両面に貼り合わせて使用することもできる。この場合、ポリエステル等のシート側から測定してショアA硬度が85位の値を示しても印刷に支障を来すことはない。このシートは、具体的な構成としては、以下に示すポリエステルシート30となる。
【0030】
一方、上記感光性刷版としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、結合剤と、α、β―不飽和二重結合を有する光重合性単量体と、光重合性開始剤とを配合してなる組成物に対し、従来公知の方法により、紫外線を選択的に照射して潜像を形成し、現像液に浸漬して洗い出し作業を行ってレリーフを形成する。このレリーフ部のショアA硬度は30−60の範囲となることが必要である。
【0031】
ここで、上記結合剤としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリブタジエン、ブタジエンとスチレンとの共重合体、ポリイソプレン、イソプレンとスチレンとの共重合体等の合成ゴム等を挙げることができる。
【0032】
また、α、β―不飽和二重結合を有する光重合性単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエーテル化合物、ビニルエステル化合物が挙げられる。
【0033】
ここで、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとしては、プロピルアルコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ブタンジオール、トリメチオールエタンなどのアルコール類とのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどがある。
【0034】
また、アクリルアミドおよびメタクリルアミドには、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドのほか、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンのようなポリアミンとアクリル酸またはメタクリル酸との酸アミドがある。
【0035】
また、ビニルエーテル化合物は、前記多価アルコールのポリビニルエーテルであり、ビニルエステル化合物はジビニルサクシネート、ジビニルアジペート、ジビニルフタレートなどである。
【0036】
また、上記光重合性開始剤としては、アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンなどのアントラキノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、フエナントレンキノン、4.4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフエノンなどを挙げることができる。
【0037】
この感光性刷版は、ポリエステル等のシート上に形成したものを用いると製版したときの取り扱いが容易となるので好ましい。また、厚さについては、特に限定されるものではないが、取り扱いの点から1−7mm程度とするのが好ましい。この感光性刷版は、具体的構成としては、以下に示す感光性刷版40となり、また、該シートは、具体的構成としては、以下に示すシート状部50となる。
【0038】
次に、具体的な構成について図面を用いて説明する。本実施例のフレキソ印刷用部材Aは、下地シート(フレキソ印刷用弾性部材)1と、印刷シート(フレキソ印刷用印刷シート)2とを有していて(図11等参照)、下地シート1は、図1(a)、(b)、図2、図3等に示すように、磁石部10と、平板状弾性体(フレキソ印刷用平板状弾性体)20と、ポリエステルシート(シート状部)30とを有しており、また、印刷シート2は、図5等に示すように、感光性刷版(フレキソ印刷用感光性刷版)40と、シート状部(シート状部材)50と、バー52とを有している。
【0039】
ここで、下地シート1は、後述するように印刷シート2を輪転機R1の印刷シリンダR10に巻装する場合の下地材として機能する。なお、図面における断面図は一部厚み方向に強調して描かれている。例えば、図1(a)、図4、図11においては、図面を見やすくするために厚み方向に若干強調して描かれている。また、図2、図3においては、下地シート1が長手方向(図1(b)では、X方向)に長く形成されているので、一部破断して描かれている。
【0040】
上記磁石部10は、シート状の磁石であり、磁性粉を含有することによって磁性を有している塩ビ磁石シートによって形成されており、柔軟性、可撓性を有したものとなっている。そのため、円筒状の後述する印刷シリンダR10(図6等参照)の表面に容易に巻装することが可能なものとなっている。そして、所定の幅、所定の長さを呈し、略直方体形状のシート状に成形されている。この磁石部10の平面形状は、具体的には、長方形状となっている。また、この磁石部10の厚みについては後述する。
【0041】
また、上記平板状弾性体20は、ゴム、ウレタンフォーム等の素材によって形成されたスポンジ体、発泡体等によりそのショアA硬度が10−25の範囲、すなわち、10以上25以下の範囲となっている。この範囲の硬度とすることによって、印刷特性が大幅に改善される。また、ポリエステルシート30を貼着したときのポリエステル側から硬度を測定したときには80−85程度まで上がるが平板状弾性体20のショアA硬度が10−25の範囲にある限り、印刷特性を損なうことはない。
【0042】
また、この平板状弾性体20は、上記磁石部10と略同じ幅(好適には同じ幅)、所定の長さを呈し、略直方体形状のシート状に形成されている。この平板状弾性体20の平面形状は、具体的には、長方形状となっている。この平板状弾性体20の長さ、具体的には、図1(b)におけるX方向の長さは、磁石部10よりも長く形成されている。また、平板状弾性体20の厚みYa(図1参照)は、上記磁石部10の厚みと略同一(好適には、同一)となっていて、約3.812mm(好適には、丁度3.812mm)であるが、実際には、使用時に平板状弾性体20の厚みが若干薄くなることを考慮して、磁石部10の厚みを平板状弾性体20の厚みよりも若干薄くするのが好ましい。
【0043】
また、上記ポリエステルシート30は、シート状を呈し、ポリエステル材によって形成されており、上記磁石部10と上記平板状弾性体20を並設したときの表面形状と略同一な外形寸法に成形されるとともに、ポリエステルシート30の厚さYbは約0.188mm(好適には、丁度0.188mm)となっている。つまり、ポリエステルシート30はシート状部材により形成され、その平面形状は、方形状(具体的には、長方形状)を呈している。なお、ポリエステルシート30の代わりに、他の素材から構成されるフィルムやシート材を用いてもよいし、さらに、他のシート状部材を用いてもよい。
【0044】
そして、そのように形成された上記磁石部10と上記平板状弾性体20を、図1(a)に示すように、隣接した状態で並設して配設し、その上部側に上記ポリエステルシート30を被覆して、接着剤にて全面塗布して一体化し、上記下地シート1とする。つまり、磁石部10とポリエステルシート30とは全面塗布により接着剤で接着され、また、平板状弾性体20とポリエステルシート30とについても、全面塗布により接着剤で接着されている。
【0045】
上記磁石部10と、平板状弾性体20と、ポリエステルシート30の各厚みは上記のようになっているので、上記下地シート1の全体の厚さYc(図1参照)は、4.000(=3.812+0.188)mmとなる。特に、平板状弾性体20とポリエステルシート30の厚みの合計が4.000mmとなる。上記下地シート1の全体の厚さYcを4.000mmとするのは、厚さ約7mmの感光性刷版用に設定されている印刷機の輪転機において、厚さ約3mmの感光性刷版40を有する印刷シート2(後述)をセッティングできるようにするためである。
【0046】
なお、下地シート1は、全体としては、シート状を呈し、その平面形状は略方形状(具体的には、長方形状)を呈している。また、下地シート1の巻き付け方向(図1(b)ではX方向)の長さは、使用する印刷シリンダの大きさによって定められ、また、該巻き付け方向と直角の方向(図1(b)ではY方向)の長さは、使用する印刷シート2の大きさによって定められる。
【0047】
次に、印刷シート(印版ともいう)2について説明する。印刷シート2は、図4(a)、(b)、図5等に示すように、感光性刷版40と、シート状部50と、一対のバー52とを有している。この印刷シート2は、いわゆる厚さ約3mmの感光性刷版を用いたものである。
【0048】
ここで、上記感光性刷版40は、上記で説明したように、従来公知のものを使用することができる。例えば、結合剤と、α、β―不飽和二重結合を有する光重合性単量体と、光重合性開始剤とを配合してなる組成物に対し、従来公知の方法により、紫外線を選択的に照射して潜像を形成し、現像液に浸漬して洗い出し作業を行って形成したものである。ここで、感光性刷版40のショアA硬度は30−60の範囲、すなわち、30以上60以下の範囲となっている。なお、感光性刷版40にはシート状部50が設けられているので、感光性刷版40のショアA硬度は、感光性刷版40側から測定すると、30−60の範囲になっている。また、上記感光性刷版40の厚さYd(図4参照)は、2.84mmに設定されている。つまり、これが厚さ約3mmの感光性刷版である。
【0049】
また、上記シート状部50は、透明のシート状を呈し、ポリエステル材によって形成されており、平面形状が方形状に形成されている。なお、このシート状部50の大きさとしては、上記下地シート1の全面を被覆可能となるように形成されている。つまり、上記シート状部50の幅及び長さがともに上記下地シート1よりも若干大きく形成されている。また、このシート状部50の厚さYeは、0.188mmとなっている。これにより、感光性刷版40とシート状部50との合計厚みは、3.028(=2.840+0.188)mmとなる。なお、このシート状部50は、透明でなくてもよい。なお、このシート状部50は、ポリエステル材の代わりに、他の素材から構成されるフィルムやシート材を用いてもよい。
【0050】
また、バー52は、断面四角形状の棒状に形成されていて、その長さは、シート状部50の幅、つまり、シート状部50の巻き付け方向とは直角方向の幅と略同一になっている。このバー52は、上記シート状部50の後述する印刷シリンダへの巻き付け方向となる側の両端部に、シート状部50の端部に沿って接着剤によって取り付けられている。なお、該バー52は軽量な樹脂材等で形成するのが好ましい。
【0051】
そして、上記シート状部50の表面に所定のレリーフ面が形成された上記感光性刷版40を1個、或いは複数個配設して、上記シート状部50と上記感光性刷版40とを図示略の両面テープ又は接着剤によって固着して、上記印刷シート2を形成する。
【0052】
次に、本実施例の使用状態を説明する。本実施例の下地シート1は、フレキソ印刷において、感光性刷版を印刷シリンダに巻装する際に、下地として用いる。つまり、感光性刷版の嵩上げ部材として用いる。
【0053】
図6は本実施例に使用する印刷機における輪転機R1を示す斜視図である。上記輪転機R1は印刷シリンダ(版胴)R10と、加圧シリンダ(圧胴)R1aとを有している。上記印刷シリンダR10は、略円筒状を呈しており、クロムメッキが施された外周面部に巻込み軸R20及び複数の掛止溝R30が、上記印刷シリンダR10の軸直方向に向けて形成されている。
【0054】
上記巻込み軸R20は、図6及び図7に示すように、丸棒状に形成されており、この巻込み軸R20には、全長に渡って掛止溝R22が形成されている。そして、上記印刷シリンダR10の軸直方向に形成された溝部内に配設されているガイドステーR24内に回転自在に挿通されている。また、上記巻込み軸R20には、図示略のラチェット機構が係合されており、該ラチェット機構の作用時には正回転(例えば、左回転)は許容されるが、逆回転(例えば、右回転)はロックされるようになされている。なお、上記ラチェット機構の解除時には上記巻込み軸R20の回転はフリーとなる。
【0055】
上記掛止溝R30は、上記印刷シート2の上記バー52を嵌め込むことによって上記バー52を掛止することが可能になされている。そして、上記巻込み軸R20及び複数の掛止溝R30を用いて、上記印刷シリンダR10の外周面に印刷シート2が巻装される。
【0056】
上記下地シート1と、印刷シート2の具体的な装着方法について説明すると、図7に示すように、まず、上記印刷シリンダR10の外周面に上記下地シート1の磁石部10を、上記印刷シリンダR10の軸直方向と一致させて上記磁石部10の磁力によって貼付する。磁石部10を貼付する位置は、掛止溝R30から若干離れた位置が好ましい。続いて、図7に示すように、上述した方法によって上記感光性刷版40が貼付された上記印刷シート2の一側の上記バー52を、所定の位置の上記掛止溝R30に嵌め込んで掛止する。そして、徐々に上記下地シート1及び上記印刷シート2を図8に示すように上記印刷シリンダ(シリンダ)R10に巻き付けていく。つまり、印刷シート2を下地シート1の上に巻き付けていく。
【0057】
なお、磁石部10の上側の位置には、感光性刷版40は存在しないようにする。つまり、感光性刷版40の上記のショアA硬度の条件(つまり、ショアA硬度30−60の範囲)と、平板状弾性体20の上記のショアA硬度の条件(つまり、ショアA硬度10−25の範囲)が重要であるので、感光性刷版40の下側の位置には、平板状弾性体20があるようにする。
【0058】
そして、上記下地シート1及び上記印刷シート2を図8に示すように上記印刷シリンダR10に巻き付けていき、図9に示すように他側の上記バー52を上記巻込み軸R20の掛止溝R22に嵌め込む。そして、その状態から上記巻込み軸R20を図10に示すようにスパナなどによって正回転(例えば、右回転)させ、上記バー52を上記巻込み軸R20に巻き込んでいき上記下地シート1を引き込んで締め込む。そのため、上記印刷シリンダR10の外周面に上記下地シート1及び上記印刷シート2が、ぴったりと隙間やたわみが生じることなく張り付くことになる。
【0059】
この場合に、図11に示すように、上記感光性刷版40が配設された部位における上記下地シート1と上記印刷シート2との合計の厚さYt(図11参照)は、上述した上記下地シート1の厚さYc(4mm)+上記感光性刷版40の厚さYd(2.840mm)+上記シート状部50の厚さYe(0.188mm)である。従って、上記感光性刷版40が配設された部位における上記下地シート1と上記印刷シート2との合計の厚さYtは7.028mmとなる。
【0060】
なお、上記加圧シリンダR1aは、上記印刷シリンダR10と略同一な外形寸法の略円筒状になされており、外周面部にはクロムメッキが施されている。また、該加圧シリンダR1aは、上記印刷シリンダR10の上部側に間隔調節が可能な状態で略平行に配設される。この場合の上記加圧シリンダR1aと上記印刷シリンダR10との間隔は、該約7mmの厚さの感光性刷版に対応して設定されている。つまり、該間隔は、7mmの幅に印刷物の厚みを考慮した厚みを加算した値となっている。
【0061】
そして、上記加圧シリンダR1aと上記印刷シリンダR10とを、図示略の駆動装置によって所定のスピードで回転駆動させる。この場合に、図12に示すように、はす歯歯車R40とはす歯歯車R50とが噛み合うことによって上記加圧シリンダR1aと上記印刷シリンダR10とは互いに回転が伝達され合うとともに、上記加圧シリンダR1aと上記印刷シリンダR10とは、常時逆方向に回転することになる。
【0062】
なお、印刷シリンダR10と加圧シリンダR1aの径については、厚さ約7mmの感光性刷版を印刷シリンダR10に巻き付けることにより、該感光性刷版を含めた径と加圧シリンダR1aの径とが同じになるように設定されているので、厚さ約3mmの感光性刷版を下地シート1により嵩上げすることにより、下地シート1と厚さ約3mmの感光性刷版を含めた印刷シリンダR10の径と、加圧シリンダR1aの径とが同じになり、円滑に回転することが可能となる。
【0063】
そのため、上記加圧シリンダR1aと上記印刷シリンダR10との間隙に段ボール材などの印刷物を挿通することによって印刷物が引き込まれて、上記印刷シリンダR10の感光性刷版40と印刷物の表面が圧接し、上記感光性刷版40から印刷物に速乾性インクが転写されて印刷物に印刷が施される。
【0064】
以上のように、本発明のフレキソ印刷用部材Aにおいては、下地シート1における平板状弾性体20が、ショアA硬度が10−25の範囲にあり、また、印刷シート2における感光性刷版40のショアA硬度が30−60の範囲にあるので、良好な印刷を得ることができる。
【0065】
なお、上記の説明では、下地シート1に磁石部10が設けられているが、磁石部10の構成を省略したものとしてもよい。つまり、下地シートを、ポリエステルシート30に平板状弾性体20が貼着された構成としてもよい。
【0066】
次に、実際の実施例について説明する。まず、第1実施例について説明する。0.125mm厚さのポリエステルシート上に感光性刷版材料として下記の組成物を2.715mmの厚さとなるように設け、45線の10%網点と線幅0.46mmの直線を有するパターンを介して、370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から8分間選択的に紫外線を照射したのち、下記現像液を用いてブラシによりこすりながら3分間洗い出しを行い、続いて55℃の乾燥機内で50分間乾燥後、250nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から13分間紫外線を照射し、レリーフ側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射、一方、レリーフと反対側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射して、得られたレリーフの輪郭部にナイフを入れて切り取り、感光性刷版を用意した。この厚さにおけるショアA硬度はレリーフ側から測定して50であった。
【0067】
なお、上記組成物としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を用い、その組成としては、旭化成社製タフプレンAQを100質量部、液状ブタジエン(日本曹達社製PB1000)を51質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリラートを16質量部、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オンを2.75質量部とする。また、上記現像液としては、芳香族溶剤(丸善石油化学社製スワゾール1500)を40質量部、イソブチルイソブチラートを30質量部、イソプロピルアルコールを10質量部、ベンジルアルコールを20質量部とする。
【0068】
一方、0.188mm厚さのポリエステルシート上に3.812mm厚さのポリウレタン(このときのショアA硬度が約20であるロジャース社製クッション材R−bak)を設けた平板状弾性体を用意した。
【0069】
この平板状弾性体に,0.188mm厚さのポリエステルシート上に上記により用意した感光性刷版を貼り付けたものを重ねて印刷シリンダに巻装し、B段、表ライナー220g、中芯160gシートから成るダンボールにハマダ印刷機ミネルバを用いて印刷したところ、図13に示すとおり優れた印刷を得ることができた。この図13において、(a)は印刷方向に対して平行な線を示し、(b)は印刷方向に対して垂直な線を示し、(c)は45線の10%網点を示すものである。
【0070】
一方、この第1実施例に対する比較例を以下のように行った。つまり、0.125mm厚さのポリエステルシート上に感光性刷版材料として下記の組成物を6.875mm厚さとなるように設け、45線の10%網点と線幅0.46mmの直線を有するパターンを介して、370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から8分間選択的に紫外線を照射したのち、下記現像液を用いてブラシによりこすりながら3分間洗い出しを行い、続いて55℃の乾燥機内で50分間乾燥後、250nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から13分間紫外線を照射し、レリーフ側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射、一方、レリーフと反対側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射して、得られたレリーフの輪郭部にナイフを入れて切り取り、感光性刷版を用意した。この厚さにおけるショアA硬度はレリーフ側から測定して36であった。
【0071】
なお、この比較例における上記組成物としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を用い、その組成は、旭化成社製タフプレンAQを100質量部、液状ブタジエン(日本曹達社製PB1000)を71.8質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリラートを4.8質量部、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オンを2質量部とする。また、この比較例における上記現像液としては、芳香族溶剤(丸善石油化学社製スワゾール1500)を40質量部、イソブチルイソブチラートを30質量部、イソプロピルアルコールを10質量部、ベンジルアルコールを20質量部とする。
【0072】
そして、上記第1実施例と同じようにして印刷したところ、図14に示すとおりの印刷物を得ることができたが、その結果は、ドットにおいては楕円形となり(図14(c)参照)、直線においては端部に目立つギザギザがあり(図14(a)、(b)参照)、印刷物としては満足できるものではなかった。なお、この図14において、(a)は印刷方向に対して平行な線を示し、(b)は印刷方向に対して垂直な線を示し、(c)は45線の10%網点を示すものである。
【0073】
次に、第2実施例について説明する。0.125mm厚さのポリエステルシート上に感光性刷版材料として下記の組成物を2.715mm厚さとなるように設け、バーコードを有するパターンを介して、370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から8分間選択的に紫外線を照射したのち、下記現像液を用いてブラシによりこすりながら3分間洗い出しを行い、続いて55℃の乾燥機内で50分間乾燥後、250nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から13分間紫外線を照射し、レリーフ側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射、一方、レリーフと反対側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射して、得られたレリーフの輪郭部にナイフを入れて切り取り、感光性刷版を用意した。この厚さにおけるショアA硬度はレリーフ側から測定して38であった。
【0074】
なお、この第2実施例における上記組成物としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を用い、その組成としては、旭化成社製タフプレンAQを100質量部、液状ブタジエン(日本曹達社製PB1000)を85.3質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリラートを8.62質量部、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オンを2.9質量部とする。また、この第2実施例における現像液としては、芳香族溶剤(丸善石油化学社製スワゾール1500)を40質量部、イソブチルイソブチラートを30質量部、イソプロピルアルコールを10質量部、ベンジルアルコールを20質量部とする。
【0075】
一方、0.188mm厚さのポリエステルシート上に3.812mm厚さのポリウレタン(このときのショアA硬度が約20であるロジャース社製クッション材R−bak)を設けた平板状弾性体を用意した。
【0076】
この平板状弾性体に,0.188mm厚さのポリエステルシート上に上記により用意した感光性刷版を貼り付けたものを重ねて印刷シリンダに巻装し、A段、表ライナー280g、中芯120gシートから成るダンボールにハマダ印刷機ミネルバを用いて印刷したところ、図15(a)に示すとおり優れた印刷を得ることができた。
【0077】
一方、この第2実施例に対する比較例を以下のように行った。0.125mm厚さのポリエステルシート上に感光性刷版材料として下記の組成物を6.875mm厚さとなるように設け、バーコードを有するパターンを介して、370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から8分間選択的に紫外線を照射したのち、下記現像液を用いてブラシによりこすりながら3分間洗い出しを行い、続いて55℃の乾燥機内で50分間乾燥後、250nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から13分間紫外線を照射し、レリーフ側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射、一方、レリーフと反対側から370nmに最大発光強度を有する100Wの光源を用いて10cmの距離から4分間紫外線を照射して、得られたレリーフの輪郭部にナイフを入れて切り取り、感光性刷版を用意した。この厚さにおけるショアA硬度はレリーフ側から測定して36であった。
【0078】
なお、この第2実施例に対する比較例における上記組成物としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を用い、旭化成社製タフプレンAQを100質量部、液状ブタジエン(日本曹達社製PB1000)を71.8質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリラートを4.8質量部、2,2−ジメトキシー1,2−ジフェニルエタンー1−オンを2質量部とした。また、この第2実施例に対する比較例における上記現像液としては、芳香族溶剤(丸善石油化学社製スワゾール1500)を40質量部、イソブチルイソブチラートを30質量部、イソプロピルアルコールを10質量部、ベンジルアルコール20質量部とした。
【0079】
そして、上記第2実施例と同じようにして印刷したところ、図15(b)に示すとおりの印刷物を得ることができたが、その結果は、写真中、ベタ部の横線においてマージナルが発生して印刷物としては満足できるものではなかった。
【0080】
なお、上記各実施例と比較例を繰り返した結果、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体上にショアA硬度が30−60の範囲にある感光性刷版を積層することが好ましいことが確認された。
【0081】
なお、上記の説明では、下地シート1は、ポリエステルシート30に平板状弾性体20が貼着された構成となっているが、ポリエステルシート30の構成を省略して、下地シート1を平板状弾性体20のみとしてもよい。また、印刷シート2についても、上記の説明では、印刷シート2は、感光性刷版40と、シート状部50と、一対のバー52とを有している構成であるとして説明したが、シート状部50やバー52の構成を省略して、感光性刷版のみの構成としてもよい。
【0082】
【発明の効果】
本発明に基づくフレキソ印刷用感光性刷版、フレキソ印刷用印刷シート、フレキソ印刷用平板状弾性体、フレキソ印刷用弾性部材、フレキソ印刷用部材及びフレキソ印刷方法によれば、ショアA硬度が30−60の範囲にある感光性刷版と、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体とを用いることによって、これまでに得られなかった原画に忠実な印刷物、具体的には、細線、ドット、ベタ部が混在して有するパターン原画を再現性よく印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に基づく下地シートの構成を示す図であり、特に、(a)はその要部断面図である。
【図2】本発明の実施例に基づく下地シートを示す斜視図である。
【図3】下地シートの湾曲状態を示す説明図である。
【図4】印刷シートを示す図であり、特に、(a)はその要部断面図であり、(b)はその要部平面図である。
【図5】印刷シートを示す斜視図である。
【図6】フレキソ印刷用輪転機の構成を示す斜視図である。
【図7】印刷シリンダに下地シート及び印刷シートを巻き付ける際の状態を示す説明図である。
【図8】印刷シリンダに下地シート及び印刷シートを巻き付ける際の状態を示す説明図である。
【図9】印刷シリンダに下地シート及び印刷シートを巻き付ける際の状態を示す説明図である。
【図10】印刷シリンダに下地シート及び印刷シートを巻き付けた際の状態を示す説明図である。
【図11】印刷シートと下地シートとが密着した状態を示す断面図である。
【図12】印刷シリンダに感光性刷版を貼付した状態を示す説明図である。
【図13】第1実施例による印刷結果を写真の状態で示す説明図である。
【図14】第1実施例に対する比較例の印刷結果を写真の状態で示す説明図である。
【図15】印刷結果を写真の状態で示す説明図であり、(a)は第2実施例の印刷結果を示す図であり、(b)は第2実施例に対する比較例の印刷結果を示す図である。
【符号の説明】
A フレキソ印刷用部材
1 下地シート
2 印刷シート
10 磁石部
20 平板状弾性体
30 ポリエステルシート
40 感光性刷版
50 シート状部
Claims (11)
- ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いるフレキソ印刷用感光性刷版であって、
該フレキソ印刷用感光性刷版のショアA硬度が30−60の範囲にあることを特徴とするフレキソ印刷用感光性刷版。 - ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体、又は、該平板状弾性体と該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材に積層して用いるフレキソ印刷用印刷シートであって、
該平板状弾性体又は弾性部材の上に積層させるシート状部材と、
該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、
を有することを特徴とするフレキソ印刷用印刷シート。 - ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いるフレキソ印刷用平板状弾性体であって、
該フレキソ印刷用平板状弾性体のショアA硬度が10−25の範囲にあることを特徴とするフレキソ印刷用平板状弾性体。 - ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いるフレキソ印刷用弾性部材であって、
ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、
該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部と、
を有することを特徴とするフレキソ印刷用弾性部材。 - 上記弾性部材が、さらに、上記シート状部材に上記平板状弾性体に隣接して固着された磁石部を有することを特徴とする請求項4に記載のフレキソ印刷用弾性部材。
- フレキソ印刷に用いる部材であるフレキソ印刷用部材であって、
ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、
該フレキソ印刷用感光性刷版の下地材に用いる平板状弾性体で、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、
を有することを特徴とするフレキソ印刷用部材。 - フレキソ印刷に用いる部材であるフレキソ印刷用部材であって、
シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版と、を有する印刷シートと、
該印刷シートの下地材に用いる平板状弾性体で、ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、
を有することを特徴とするフレキソ印刷用部材。 - フレキソ印刷方法であって、
ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体をシリンダに巻装させるとともに、該平板状弾性体にショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とするフレキソ印刷方法。 - フレキソ印刷方法であって、
ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体をシリンダに巻装させるとともに、該平板状弾性体に、印刷シートであって、シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版とを有する印刷シートを積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とするフレキソ印刷方法。 - フレキソ印刷方法であって、
ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材をシリンダに巻装させるとともに、該弾性部材にショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版を積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とするフレキソ印刷方法。 - フレキソ印刷方法であって、
ショアA硬度が10−25の範囲にある平板状弾性体と、該平板状弾性体に積層して固着されたシート状部とを有する弾性部材をシリンダに巻装させるとともに、該弾性部材に、印刷シートであって、シート状部材と、該シート状部材に固着されたフレキソ印刷用感光性刷版で、ショアA硬度が30−60の範囲にあるフレキソ印刷用感光性刷版とを有する印刷シートを積層させた状態でフレキソ印刷を行うことを特徴とするフレキソ印刷方法。
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