JP2007139911A - 感光性樹脂支持構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持体の背面からの露光手段に依って高精細なレリーフ形成を可能にする感光性樹脂支持構造体を提供すること。
【解決手段】支持体上に粘着剤層及びその保護膜が設けられている支持構造体において、その粘着剤層が支持体と接している面とは反対の面上に保護膜を剥がした状態において開口した連通する空気の通路を有するものであって、その空気の通路部分とその他の部分に配置される感光性樹脂の硬化性を均一にするために、それぞれの領域の紫外線透過率の差異を減じること。
【選択図】図2

Description

本発明は、感光性樹脂によるレリーフ版製造に用いる支持構造体に関する。
感光性樹脂を用いたレリーフ版の製造の多くは、一定版厚に成型した感光性樹脂組成物に活性光線を照射し、印刷版のレリーフ部分となる感光層のみを光重合反応により硬化させる露光工程の後、レリーフ部分以外の未硬化樹脂を所定の洗浄液(現像液)で溶解除去、あるいは膨潤分散させて機械的に除去することにより、硬化部分のみをレリーフとして版表面に出現させる現像工程を含む方法から成る。
感光性樹脂レリーフ版は、フレキソ印刷用途や型取り用途に広く使用されており、レリーフ形成には感光性樹脂の光硬化物を固定する支持体が用いられ、何れの用途においても得られた感光性樹脂レリーフ版は着脱可能な粘着剤によりその支持体背面を用途に応じた対象物に貼り付け、固定して用いられ、その支持体はレリーフ版の易取り扱い性、機械的強度、或いは寸法精度を確保する役割も果たしている。
このような感光性樹脂支持体として、特許文献1では支持体の感光性樹脂と接する面とは反対の面に予め粘着剤層を有する支持構造体を開示している。
すなわち特許文献1は、支持体上に粘着剤層(特許文献1では接着剤層と表現しているが本明細書では感光性樹脂に対する支持体の接着剤層との混同を避けるために粘着剤層と表現する。)及びその保護膜が設けられている支持構造体であって、その粘着剤層が支持体と接している面とは反対の面上に保護膜を剥がした状態において開口した連通する空気の通過路を有していることを特徴とする印刷版製造用の感光性樹脂支持構造体である。
特許文献1の感光性樹脂支持構造体は、粘着剤層を有しない支持体と同じ装置を用いてレリーフ版の製造が可能であり、両面テープ等による貼り付け作業を簡略化するばかりか、貼り付け作業時の異物混入、空気溜まり発生によるレリーフ版の厚み精度低下が及ぼす最終製品の品質への悪影響も抑制する効果があり、連通する空気の通過路をストライプ状に形成させた商品として広く市場で普及している。
しかし、特許文献1の感光性樹脂支持構造体は、支持体の背面からの露光手段に依って支持体上に高精細なレリーフを形成させる用途において、例えば、特許文献2が開示する型取り版の製版方法、特許文献3が開示するフレキソ印刷版を目的の位置に貼りつける際の合マークを形成方法、特許文献4が開示する印刷版の情報を支持体上に形成させる方法では、粘着剤層が有する空気の通過路部分とその他の部分で感光性樹脂の硬化性が異なることから目的のレリーフ形状が得られない場合があった。
特許第3094647号公報 特開2004−317978号公報 特開昭61−32058号公報 特開2000−181051号公報
本発明の目的は、予め粘着機能を有する支持構造体として優れた利便性を有し、支持体側からの露光による微細レリーフ形成性に優れた感光性樹脂支持構造体を提供することである。
本発明者等は、かかる課題を解決するために鋭意研究した結果、粘着機能を有する感光性樹脂支持構造体が空気の通路部分を有している場合、その空気の通路部分とその他の部分では紫外線透過率が異なっており、その差異を減じることが感光性樹脂の硬化性を均一にする効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
1.支持体上に粘着剤層及びその保護膜が設けられている支持構造体であって、その粘着剤層が支持体と接している面とは反対の面上に保護膜を剥がした状態において開口した連通する空気の通路を有しており、該連通した空気の通路部分の光透過率(Tair)と空気の通路でない部分の光透過率(Tadh)との差(△T)が1.8%以下であることを特徴とする感光性樹脂支持構造体。
2.活性光線を感光性樹脂に照射する露光工程を含むレリーフ版の製造に用いられることを特徴とする1.に記載の感光性樹脂支持構造体。
3.該活性光線の有効波長領域が300〜400nmであることを特徴とする2.に記載の感光性樹脂支持構造体。
4.該粘着剤層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする1.に記載の感光性樹脂支持構造体。
5.該支持体が感光性樹脂組成物と接する面側に接着剤層を有しており、該支持体の光透過率(T)が60%以下であることを特徴とする1.に記載の感光性樹脂支持構造体。
6.該保護膜の光透過率(T)が60%以下であることを特徴とする1.に記載の感光性樹脂支持構造体。
7.該支持構造体の光透過率(T)が20%〜60%の範囲であることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の感光性樹脂支持構造体。
8.ネガフィルム、感光性樹脂支持体、感光性樹脂組成物を順に配置し、ネガフィルム側の背面から活性光線を照射する工程を含む感光性樹脂レリーフ版の製造方法であって、その感光性樹脂支持体が1.〜7.のいずれかに記載の感光性樹脂支持構造体であることを特徴とする感光性樹脂レリーフ版の製造方法。
本発明の印刷版製造用の感光性樹脂支持構造体は、粘着機能を有する支持構造体としての優れた利便性を有し、支持体側からの露光により優れた画像形成を可能とする効果を有する。
以下、本発明について特にその好ましい態様を中心に詳細に説明する。
本発明の支持構造体は,図1に例示するように、支持体2上に粘着剤層3及びその保護膜4が設けられている支持構造体であって、その粘着剤層3が支持体2と接している面とは反対の面上に保護膜4を剥がした状態において開口した連通する空気の通路5を有している。
本発明の支持構造体が使用されうる感光性樹脂は、活性光線の照射によりラジカル反応を起こし重合・硬化する既知の感光性樹脂である。このような感光性樹脂としては、例えば不飽和ポリエステルや不飽和ポリウレタンなどからなるプレポリマーにエチレン性不飽和化合物及び光重合開始剤を混合した液状感光性樹脂、或いは例えばスチレンブタジエン共重合ゴム、スチレンイソプレン共重合ゴム、メタクリル酸メチル樹脂、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、水溶性ポリアミド、不飽和ポリウレタン、乳化重合で合成された親水性共重合体などから選ばれるポリマーをバインダーとしてこれにエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤を加えてなる固体状感光性樹脂板がある。
感光性樹脂の感光特性は、露光工程で使用する活性光線の種類に応じ、公知の光開始剤(八代啓一、「光硬化技術データブック」、2000年テクノネット社発行、122〜133頁)の中から材料を選択して調整することが可能であり、本発明が示す活性光線の有効波長領域とは、露光光源の照射光波長分布の内、その中心波長領域のことである。
本発明の支持構造体がフレキソ印刷版や型取り版においてその効果を充分に発揮するためには、これらのレリーフ版製造に用いられる露光光源として挙げられる、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等に対して後述する光透過特性を有していることが望ましく、すなわち300〜400nmの範囲に中心波長領域を示す活性光線に対する光透過特性が重要である。
本発明の支持構造体に用いる支持体2は、これに感光性樹脂を積層して硬化した後に最終的に得られるレリーフ版を補強し所定の形状に保つためのものであり、一般に支持体として慣用されているもののなかから目的に応じ適宜選ばれる。
その材質については特に制限されるものではないが、本発明の感光性樹脂支持構造体が支持体側からの露光により画像形成を行うためには、350nm波長の活性光線に対して後述する所定の透過性を有していることが好ましい。
好ましく適用可能な支持体は、材料自体の厚み精度が比較的良好なプラスチックフィルム又はシートであり、そのような例としてはポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルム支持体の厚みは通常10μmから500μmの範囲内であるが、レリーフ版を支持するのに十分な強度を与えるという点と価格の面から厚さ50〜250μmのポリエステルフィルムが最も好ましい。
支持体2の感光性樹脂が積層される側の面には、感光性樹脂との接着性を高めるために接着剤層が設けられうる。この接着剤層は支持体に接着性材料を塗布したり、或いはコロナ処理等により支持体表面を変性する等して形成される。上記接着性材料としては感光性樹脂版用支持体の接着剤として公知のもの、例えば特公昭48−6563号公報や同49−43561号公報などに記載のものの中から感光性樹脂の化学的性質などを勘案して適宜選ばれる。この接着剤層にはハレーションの防止や紫外線透過波長域の調整を目的として染料や紫外線吸収剤が添加されることがある。接着剤層の厚みは0.1〜10μmの範囲内が好ましい。
本発明の支持構造体に用いる粘着剤層3は、支持体2の上に感光性樹脂硬化物によるレリーフが積層された版を用途により異なる対象物の表面に貼着するためのものであり、支持体の感光性樹脂を積層する面とは反対の面上に配される。粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤など公知の粘着剤(山口章三郎監修「接着・粘着の事典」、1986年朝倉書店発行、118〜169頁)の中から活性光線に対する透明性、支持体2や保護膜4との粘着力・剥離強さ、現像液に対する耐溶剤性などを考慮して適宜選ばれる。なかでも本発明の支持構造体に好適に利用可能な粘着剤としては、印刷版の貼着位置の修正作業あるいはデザイン変更による差し替えを可能とするために永久粘着しない再剥離型感圧粘着剤が好ましく、アクリル系感圧粘着剤、ゴム系感圧粘着剤、シリコン系感圧粘着剤が例として挙げられる。
粘着剤層3は、レリーフ版を対象物表面に貼着する際、粘着剤面と対象物の被粘着面との間に空気溜まりを生じさせないために、支持体2と接する面とは反対の面上に、保護膜4を剥がした状態において開口した連通する空気の通過路が設けられており、通過路は粘着剤層の端部とつながっている。空気の通過路の断面形状は例えば矩形状、くさび形状、半円形状のもの等があり、その深さは粘着剤層の厚みより浅くても良いしあるいは支持体面上まで達していても良い。開口した連通する空気の通過路を有する構造としては、路が連通していることが重要であり、特に空気通過路の平面パターン等によって特に制限されるものでは無く、例えばストライプ状、格子状、網目状、縦横点在状態に形成しても良く、また粘着剤自体を連通多孔質体、繊維状粘着剤の積層体、或いはこれらの組み合せにより目的の通気性を実現しても良い。なお粘着剤層のなかには補強を目的として薄いフィルム層を設けてもよい。
粘着剤層を支持体の面上に設ける方法については、粘着剤を揮発性の溶媒に溶解又は分散させて支持体面上にコーティングする方法や粘着剤を溶融塗工する方法等公知の方法が採用可能である。そして開口した連通する空気の通過路を有する粘着剤層の形成方法は、例えば、支持体ロールに連続的に粘着剤を塗布する工程として、支持体ロールの流れ方向に対して周期性のある紋様で粘着剤をノズル抽出する方法、ノズルより打点式に突出させる方法、あるいは一旦粘着剤を支持体の全面に塗布した後所望の断面形状とピッチを有する爪で粘着剤をかきとる方法、所望の凸版形状とパターンを有するロールで粘着剤面にインプレスする方法、粘着剤を発泡剤により発泡・多孔質化しこれを支持体に塗工する方法、粘着剤を繊維状に押し出しこれを支持体に積層する方法、更にはこれらの組み合わせによる方法が可能である。
本発明の支持構造体を生産性の優れる長尺シートとして製造するためには、上記した何れかの方法によって、支持体シートの流れ方向に平行なストライプ状に粘着剤層の空気通過路を形成することが好ましい。
本発明の支持構造体は、粘着剤層3を支持体2と保護膜4で挟んだ構造であるため、当該支持構造体を積重ねて保存した際の粘着剤層凹凸形状の転写やコールドフローによる構造体端部からの粘着剤のはみ出しや空気の通路が閉塞する可能性も考慮して、貼着後に充分な粘着強度を保つための粘着剤層3の厚みや空気通過路の開口幅、深さが、使用する粘着剤の粘着力、柔軟性によって適宜選択される。
支持構造体における粘着剤層の空気通路の開口面積は、支持体全体に対して50%を超えて大きいと粘着剤層の厚みの段差の影響が版面まで伝わる可能性があり、また0.1%より小さいとコールドフローや圧着時に空気の通路が閉塞して粘着表面において空気溜まりが発生する可能性あるため、0.1%以上50%以下の範囲で設計することが好ましく、より好ましくは1〜40%、更に好ましくは5〜25%である。
ポリエステル材質による支持体に対する本発明の支持構造体の最も好ましい粘着剤層は、アクリル系感圧粘着剤を選択し、粘着剤層の厚みが5〜500μmの範囲内に塗布されており、尚且つ保護膜を剥離した側の表面における空気通過路が、その空気通過路の開口幅が0.2〜1.5mmの範囲内、粘着剤部分が0.5〜10mmの範囲内となるようなストライプ状を呈し、その深さが粘着材層の厚みの50%以上の長さである。
本発明の支持構造体に用いる保護膜4は、取扱い中或いは製版・版取り付けの工程で粘着剤層を保護するために、粘着剤層の支持体と接する面とは反対の面に配置される。保護膜は製版工程で使われる水系、アルコール系、炭化水素系等の現像液に対して耐性を有しているものがよい。そのような保護膜の例としては厚さ5〜200μmのポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレンコポリマー、軟質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂から作られる透明プラスチックフィルムが挙げられる。
保護膜の、粘着剤層と接する面とは反対の面は製版時の真空引きをよくするために均一に粗面化されていることが好ましい。粗面化は過度に施こす必要はなく、例えばJIS規格による10点平均粗さ(Rz)で0.1μm程度あれば十分である。粗面化する方法としてはサンドブラスト法、ケミカルエッチング法が挙げられる。又保護膜に用いるフィルム・シートを製膜する際表面を粗面化する樹脂マット法などにより行うことも出来る。
粘着剤層の粘着力は必要に応じ適宜調整されるが、支持体との粘着力は、幅25mmの試験片を温度20℃に1週間放置して粘着力を安定させた後180度の方向に300mm/分の速度で剥離した場合の粘着力(180度粘着力)で好ましくは100g/25mm以上、より好ましくは200g/25mm以上であるのが望ましい。180度粘着力が200g/25mm以上であればレリーフ厚が3mm以上の厚肉版においても実用上剥がれなどの問題は生じない。
粘着剤層のレリーフ版貼着対象面となる被貼着面に対する粘着力は、一旦貼着したレリーフ版を剥がす場合支持体側に対する粘着力の方が小さいと粘着剤層が支持体側から剥離して被貼着面に転写する恐れがあるので、支持体に対する粘着力と同程度以下であることが好ましい。支持体と被貼着面が同様の材質の場合、粘着剤層と支持体の粘着力を粘着剤層と被貼着面の粘着力より高く設定するために支持体表面をに予め公知のアンカーコート層を設けるとか、或いは粘着剤を塗布した支持体をコロナ処理して粘着力を増大する手立てがとられ得る。
粘着剤層と保護膜の粘着力は、保護膜の剥離を可能とするため前述の支持体との粘着力より小さく調整することが好ましく、取扱い中或いは製版工程中に保護膜が剥離することのないよう及び保護膜の剥離を容易するという観点から好ましくは180度粘着力で1〜200g/25mm、より好ましくは5〜100g/25mm、更に好ましくは10〜50g/25mmに調整する。支持体と保護膜が同様の材質の場合、粘着剤層と保護膜の粘着力を粘着剤層と支持体の粘着力より低く設定するために保護膜の粘着剤層と接する側の面に離型剤層が設けることが有効である。離型剤としては粘着テープなどに通常用いられる公知の、例えばシリコーン系の離型剤やふっ素樹脂が用いられ得る。
本発明の支持構造体は、支持体側からの露光で再現性良く画像を形成するために、該連通した空気の通路部分の光透過率(Tair)と空気の通路でない部分の光透過率(Tadh)との差(△T)が1.8%以下であることが特徴であり、以下にその光透過率に関する特徴を詳細に説明する。
図2に本発明が定義する光透過率の測定領域に関する模式図を示す。
本発明は、支持構造体の連通する空気の通路部分のその他の部分の光透過率の測定、評価する方法を確立し、感光性樹脂組成物の硬化性に基づく画像形成性の優劣がその光透過率の差異に密接に関連することを見出した。
本発明の支持構造体では、空気の通路部分とのその他の領域の光透過率の測定は、測定領域が微少となるため、高感度な分光光度計を用いることが必要であり、尚且つ分光計の光路が対象範囲を通過するよう入射光源の形状を調整することが求められる。
例えば、本発明の好ましい態様である空気の通路部分が0.2〜1.5mm程度、空気の通路以外の領域が0.5〜10mm程度の幅を有するストライプ形状の粘着剤層を有する支持構造体の紫外線蛍光灯における特徴を調べるためには、分光光度計V−570(商標・日本分光(株)製)をバンド幅2nm、固定波長350nmに設定し、さらにフィルムサンプルを保持するホルダー部分に測定光を任意の幅のスリット光とするために独立細線形成用のネガフィルムを設置して測定を行うことができる。
測定は、支持構造体サンプルを設置しない状態で100%透過率の設定を行い、次いで所定のスリット光が支持構造体の空気の通路部分、あるいはその他の領域のみを通過する位置に、支持構造体の保護膜側から測定光が入射する向きとなるようにサンプルホルダーに支持構造体を設置して光透過率測定を実施し、空気の通路部分の光透過率をTair(%)、空気の通路以外の領域の光透過率をTadh(%)として表す。
本発明の支持構造体が、支持構造体を透過した光により優れた画像形成性の有するためには、Tair(%)とTadh(%)の差異が少ないこと、すなわち感光材樹脂に対する光照射量に差異が無いことが重要であることから、その差異は式1)により絶対値として扱い、△T(%)として定義する。
|△T(%)|=Tair(%)−Tadh(%) 式1)
支持体側からの露光における優れた画像形成性とは、例えば型取り用途においては形状転写において障害をきたさない精度であること、フレキソ印刷版の合マークや印刷版情報のレリーフ形成ではレリーフ高さが0.5〜1.0mm程度の範囲で、500μm程度の幅の独立細線あるいは10ポイント程度以上の文字形成が可読可能な精度で形成されることであり、何れもその精度としてはレリーフ高さ、幅ともに±10%程度の範囲で均一であれば良く、すなわち目視外観的に安定していることが求められる。
本発明の支持構造体では、支持体側からの露光において優れた画像形成性を得るためには、△Tを0%に近づけることで画像形成性の信頼性は増大するが、1.8%以下で画像形成性の安定性が得られる。好ましくは1.6%以下である。
支持体上に粘着剤層及びその保護膜が設けられている支持構造体が、その粘着剤層が支持体と接している面とは反対の面上に保護膜を剥がした状態において開口した連通する空気の通路を有している時、その粘着剤層の空気の通路部分では粘着剤層の厚みが他の領域に対して薄くなり、多くの粘着剤が僅かでも紫外線吸収特性を有することから、構成上は空気の通路部分では他の領域に対して光透過率が高くなるはずであるが、従来の設計思想である透明性の高い粘着剤を使用する時、空気の通路部分においてその他の領域より光透過率が減じていた。
この原因は保護膜と粘着剤が接した界面における化学的あるいは物理的な光の屈折率、散乱現象の影響と考えられる。
したがって、本発明の支持構造体として△Tを0に近づける最も好ましい方法は、空気の通路部分以外の領域の光透過率を空気の通路部分と同様にするべく、空気の通路部分以外の領域の光透過率を選択的に減じることであり、それは粘着剤層の光透過率を下げることで最も効果的に達成される。
その具体的方法としては、粘着剤層を形成する粘着剤組成物として樹脂、硬化剤、可塑剤等を選択する際に各々の紫外線吸光特性から目的の光透過率に設定することも可能であるが、本質的粘着性能とは別に光透過率調整を可能とする方法として、粘着剤層に紫外線吸収剤を含有することが最も効果的である。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物には、公知の紫外線吸収剤が使用可能であり、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシー5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤の粘着剤組成物への添加量は、粘着剤あるいは使用する紫外線吸収剤の吸光特性や光透過率調整の度合いによって異なり、特に限定されるものではない。
他方、△Tを減じる方法としては、支持構造体全体の光透過率を減じることが挙げられ、具体的には、光透過率60%以下の支持体あるいは保護膜を使用することが好ましい。支持体、保護膜の光透過率の測定方法は、後述する支持構造体の光透過率T(%)の測定方法と同様の方法で測定可能である。
以上に述べた方法により、本発明は△Tを減じることを実現することができ、更に結果的に本発明の構成体は、支持構造体全体の光透過率Tが60%以下となることで支持体側からの露光よるレリーフ形成において、現像液に対する耐性に優れ、露光装置のコンディションによる光源強度のバラツキによる画像形成性への影響が少なく、より安定した画像再現性を発現する。
支持構造体全体の光透過率T(%)は、本発明の支持構造体が有する連通した空気の通路部分と空気の通路でない部分を平均化した光透過率であり、測定機器としては紫外線測定器UV−M02(商標・オーク製作所製)に350nm波長の光強度検出器(受光部直径16mm)を装着して使用することが可能である。
例えば、370nmを中心波長とする紫外線蛍光灯(例えばAPR用370ランプFLR20S・B−DU−37C/M(東芝(株)製)、TL20W/12RS(PHILIPS社製)、TLK40W/10R(PHILIP社製)等)を装着した感光性樹脂印刷版用露光装置を用いて行う場合、まず、露光装置の蛍光灯を点灯させた状態で透明な硬質板に光強度検出器を密着させて光強度A(mW/cm)を測定し、次いで本発明の支持構造体を介して光強度B(mW/cm)を測定し、式2)により光透過率T(%)求められる。
T(%)=(光強度B/光強度A)×100 式2)
全体光透過率Tが20%に満たない支持構造体では支持体側からの露光時間が非常に多く必要となり、感光性樹脂を保持するガラスが加熱されて変形し、厚み精度への影響が無視できない程度となる可能性がある。
本発明の支持構造体の好ましい全体光透過率の範囲は20〜60%、より好ましくは30〜50%である。
本発明の支持構造体を上述の好ましい光透過特性の構成とするには、その構成要素である支持体、粘着剤層、保護膜の紫外線透過率を適宜調整することが重要である。
両面露光によるフレキソ印刷版用の感光性樹脂支持構造体としては、支持体の感光性樹脂との接着層に光透過率を減じる材料を添加することが印刷版レリーフ画像形成のためには好ましい。
次に本発明の支持構造体を用いた感光性樹脂レリーフ版の製造方法について説明する。
本発明の支持構造体を用いた感光性樹脂レリーフ版の製造方法としては、露光工程、現像工程、その後に必要に応じて後露光工程、乾燥工程を行うことが好ましく、その露光工程において、ネガフィルム、感光性樹脂支持構造体、感光性樹脂組成物を順に配置し、ネガフィルム側の背面から活性光線を照射する工程を含むことがより好ましく、照射する活性光線が300〜400nmの領域に中心波長を有することが更に好ましい。
露光工程おけるその他の所作については何ら制限されるものではなく、例えば露光工程で使用する活性光線の散乱光を減じて平行性を高めるための処置を施しても良いし、感光性樹脂組成物の支持体と接する面とは反対の面に保護フィルムを密着させ、支持体側ネガフィルムとは異なる画像のネガフィルムを介して300〜400nmの領域に中心波長を有する活性光線を照射する工程を含んでも良い。
露光工程の後には、活性光線が照射されていない領域の感光性樹脂を除去するために現像工程が行われることが好ましく、その現像方法は未硬化の感光性樹脂を除去できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば感光性樹脂の溶解、分散、膨潤を可能にする液体(現像液)を用いる方法や、未硬化の感光性樹脂が流動性を有する環境においては高圧水、圧気による除去も可能であり、不織布などによって拭取る事も可能である。
本発明の支持構造体を液体を用いる現像工程に適用する場合、その現像工程中に粘着剤層に設けられた空気通過路に現像液が浸み込むことがある。この場合、現像液が有機溶媒であると、版を取り付けるために保護膜をはがした際に、浸み込んだ現像液が異臭を放つなどして環境衛生上好ましくないとか、粘着剤層に作用して性能に変動をきたしたりする可能性がある。このため、本発明の支持構造体は、水系の現像液が使用される感光性樹脂に対して有利であり、特に粘着剤層への浸透性が低い現像液を用いる液状感光性樹脂に対して最も好適に使用される。
本発明を実施例に基づいて説明する。しかし、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
感圧性アクリル系粘着剤として、ブチルアクリレート:50重量部、2-エチルヘキシルアクリレート:50重量部、アクリル酸:8重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート:0.5重量部を酢酸エチル溶液とした後、アゾビスイソブチロニトリルを重合開始剤とする沸点重合(定温溶液重合法)により、Mw=70万、Mw/Mn=3.1のアクリル系粘着剤を合成し、得られたアクリル系粘着剤100重量部に対して可塑剤W−2600(商標・大日本インキ工業(株)製、ポリエステル系可塑剤):3重量部、硬化剤コロネートL-55E(商標・日本ポリウレタン(株)製)を0.3重量部、紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン0.025重量部混合した組成物を準備した。
175μmポリエステルフィルムの一方の面に無色透明なセルロース系熱可塑性接着剤を担持させた光透過率72%の支持体を準備し、接着剤が担持していないもう一方の面に準備した感圧性アクリル系粘着剤を専用治具により塗布厚み70μm、塗布部5mm、未塗布部1mmのストライプ形状に塗布、乾燥することにより連通する空気通過路を有する粘着剤層を形成し、次いで厚み40μm、光透過率82%の低密度ポリエチレンフィルムを保護膜として前記粘着剤層にラミネートして支持構造体を作製した。
得られた支持構造体を下記の方法で評価した結果、支持構造体の光透過特性はT=50%、Tair=5.2%、Tadh=6.8%、△T=1.6%であり、レリーフ再現性評価は露光時間40秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
<光透過率の評価>
1、光透過率Tの測定方法
測定機器:紫外線測定器UV−M02(商標・オーク製作所製)、検出器;350nm波長(受光部直径16mm)。
方法:370nmを中心波長とする紫外線蛍光灯(TL80W/10R(PHILIP社製)等)を装着した液状感光性樹脂印刷版用AWF型露光装置(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)の光源を点灯させ、まず検出器をガラスに密着させた状態で光源強度を測定し、次いでガラスと検出器の間に支持構造体を介在させて状態で光源強度を測定した。その後、式2)より光透過率T(%)を算出した。
支持体、保護膜それぞれ単独の光透過率測定も同様の方法によって実施した。
支持体、保護膜の光透過率測定にも同様の方法を採用した。
2、光透過率Tair、Tadhの測定方法
測定機器:分光光度計V−570(商標・日本分光(株)製)、透過率モード、固定波長350nm、バンド幅2nm設定。
方法:フィルムサンプルを保持するホルダー部分に測定光を250μm幅のスリット光とするために150μm細線形成用の製版用ネガフィルムを設置し、100%光透過率の設定を行った。次いで150μm幅のスリット光が支持構造体の空気の通路部分、あるいはその他の領域のみを通過する位置に、支持構造体の保護膜側から測定光が入射する向きとなるようにサンプルホルダーに支持構造体を設置し、光透過率Tair(%)、光透過率Tadh(%)を測定し、式1)から△T(%)を算出した。
<レリーフ版作成方法と画像再現性評価>
1、感光性樹脂の製造
1000gのポリ(3-メチル-1,5-ペンタンジオールアジペート)ジオール(水酸
基価:37KOHmg/g)と1000gのポリオキシエチレン(EO)-オキシプロピ
レン(PO)ブロック共重合ジオール(水酸基価:44KOHmg/g、EO含量30w
t%)との混合物に対して45ppmのBTLを加え40℃で均一になるまで攪拌し、次
いで148.5gのTDIを加えてさらに攪拌し、均一となったところで80℃まで昇温
の後約4〜5時間反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマー前駆体とし
た。さらに436.0gのPPMAを加えて約2時間反応させた後、サンプルを一部取り
出してIR分光測定器によりイソシアネート基消失を確認し、GPCにより求めた数平均
分子量が17000のポリウレタン系不飽和プレポリマーを得た。
得られたポリウレタン系不飽和プレポリマー:73重量部、ポリプロピレン(平均n=5)グリコールモノメタアクリレート:13重量部、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルアクリレート:13重量部、トリメチロールプロパントリメタアクリレート:1重量部、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(ジメチルベンジルケタール):0.6重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:0.4重量部の組成比で混合して液状感光性樹脂を得た。
2、レリーフ版の製造方法
本発明の効果を確認するため以下に示す成型・露光工程、未硬化樹脂回収工程、洗浄工程、後露光工程、乾燥工程によって評価用のサンプル版を作成した。
1)成型・露光工程
波長370nmに中心波長領域を有する紫外線蛍光灯を装備し、紫外線測定器UV−M02(商標・オーク製作所製)で測定したガラス越し光照射強度が上部4.5mW/cm、下部5.5mW/cmであるAWF-110E型製版機(商標・旭化成(株)製)を使用して実施した。
まず下側ガラスの上に厚さ30μのポリプロピレンシート(保護フィルム)を真空密着させ、版厚設定4.00mmの条件で自動ラミネーターによって製造した液状感光性樹脂を支持構造体Aを用いて均一の厚みにラミネートし、次いでラミネートされた支持構造体の上に複数本の500μmの独立細線と一辺が200mmの四角状画像(ベタ画像)を支持構造体側からの露光で形成させるために描画処理された銀塩フィルムを乗せ、上側ガラスを降下させて成型工程を行った。この評価では印刷用のレリーフ形成は不要であるため、本来下側ガラスと保護フィルムとの間に介在させるネガフィルムは省略した。
次いで、支持体側すなわち上ガラス側のランプを任意の時間点灯して露光を実施した。
2)未硬化樹脂回収条件
スポンジ製ブレードを備えたAWF−110W型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、回収速度0.5mm/minの速度で回収を実施した。
3)洗浄条件
スプレー式洗浄機構を有するAWF−110W型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)を用い、洗浄剤としてW−10(商標・旭化成(株)製、アニオン界面活性剤水溶液)を1.5wt%、消泡剤SH−4(商標・旭化成(株)製、シリコン系消泡剤)を0.3wt%加えた水溶液を作成し、現像液温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間10分で未硬化樹脂の洗浄を実施した。
4)後露光条件
紫外線蛍光灯、殺菌灯の双方を装備したAWF−110E型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)後露光ユニットの水槽に水を貯め、水中にサンプル版を沈めてそれぞれの光源から照射される露光量が液状感光性樹脂硬化物表面で2500mJ/cmとなる露光時間で露光を行った。
5)乾燥条件
AWF−110W型製版機(商標・旭化成ケミカルズ(株)製)の乾燥ユニットで版表面の水分が無くなるまで約10分間乾燥を行った。
上記の方法により、評価目的の支持構造体に対してそれぞれ異なる露光量を照射した版を作成し、一辺200mmのベタ画像の厚みが2mm程度となる露光量で製造されたレリーフ版について、そのベタ画像表面の平滑性と500μmの独立細線の形成性を以下の基準で評価した。
a)独立細線評価の基準
○:レリーフ高低差、線幅のばらつきが目視判断出来ないほど均質に形成された状態
△:レリーフ形状は均質に形成されているが、一部で接着不良によるレリーフ剥離発生
×:著しいレリーフ高低差、幅のバラツキ、あるいは断線、支持体への接着不良発生
b)ベタ画像評価の基準
○:レリーフ表面が目視にて平滑
×:レリーフ表面が明らかに凹凸形状を呈する
〔実施例2〕
実施例1の支持構造体について、感圧性アクリル系粘着剤組成物の紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン0.035部混合した組成物を使用すること以外は同様の方法により支持構造体を作製した。
得られた支持構造体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、支持構造体の光透過特性はT=44%、Tair=5.2%、Tadh=6.1%、△T=0.9%であり、レリーフ再現性評価は露光時間50秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1の支持構造体について、感圧性アクリル系粘着剤組成物として紫外線吸収剤を加えないこと以外は同様の方法により支持構造体を作製した。
得られた支持構造体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、支持構造体の光透過特性はT=65%、Tair=5.2%、Tadh=7.3%、△T=2.1%であり、レリーフ再現性評価は露光時間30秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1の支持構造体について、感圧性アクリル系粘着剤組成物の紫外線吸収剤として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン0.06部混合した組成物を使用すること以外は同様の方法により支持構造体を作製した。
得られた支持構造体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、支持構造体の光透過特性はT=18%、Tair=5.2%、Tadh=2.6%、△T=2.6%であり、レリーフ再現性評価は露光時間110秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
〔実施例3〕
比較例1の支持構造体について、175μmポリエステルフィルムの一方の面に緑色着色されたセルロース系熱可塑性接着剤を担持させた光透過率42%の支持体を使用すること以外は同様の方法により支持構造体を作製した。
得られた支持構造体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、支持構造体の光透過特性はT=36%、Tair=2.7%、Tadh=4.1%、△T=1.4%であり、レリーフ再現性評価は露光時間60秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
〔実施例4〕
比較例1の支持構造体について、保護膜として厚み40μm、光透過率37.6%の低密度ポリエチレンフィルムを使用すること以外は同様の方法により支持構造体を作製した。
得られた支持構造体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、支持構造体の光透過特性はT=50%、Tair=2.8%、Tadh=4.1%、△T=1.3%であり、レリーフ再現性評価は露光時間60秒の版を用いて行い、評価結果は表1に示す。
以上に挙げた実施例、比較例について、各々の支持体の構成上特徴、光透過特性とレリーフ形成性の評価結果をまとめて表1に示す。
実施例が示す本発明の支持構造体では、粘着剤層、保護膜を有しない支持体と同等のレリーフ形成性を有し、レリーフと支持体との接着安定性が増大していることから、幅広い樹脂組成、レリーフ画像に対してその適用が可能である。
Figure 2007139911
本発明の感光性樹脂支持構造体は、粘着機能を有する支持構造体の利便性が求められ、支持体からの露光による安定したレリーフ形成性が求められる分野、例えばフレキソ印刷版製造分野、型取り版製造分野において好適に利用できる。
本発明の支持構造体の一例を示す断面図。 本発明が定義する光透過率について説明する模式図。
符号の説明
1:支持構造体
2:支持体
3:粘着剤層
4:保護膜
5:空気の通路

Claims (8)

  1. 支持体上に粘着剤層及びその保護膜が設けられている支持構造体であって、その粘着剤層が支持体と接している面とは反対の面上に保護膜を剥がした状態において開口した連通する空気の通路を有しており、該連通した空気の通路部分の光透過率(Tair)と空気の通路でない部分の光透過率(Tadh)との差(△T)が1.8%以下であることを特徴とする感光性樹脂支持構造体。
  2. 活性光線を感光性樹脂に照射する露光工程を含むレリーフ版の製造に用いられることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂支持構造体。
  3. 該活性光線の有効波長領域が300〜400nmであることを特徴とする請求項2に記載の感光性樹脂支持構造体。
  4. 該粘着剤層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂支持構造体。
  5. 該支持体が感光性樹脂組成物と接する面側に接着剤層を有しており、該支持体の光透過率(T)が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂支持構造体。
  6. 該保護膜の光透過率(T)が60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂支持構造体。
  7. 該支持構造体の光透過率(T)が20%〜60%の範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂支持構造体。
  8. ネガフィルム、感光性樹脂支持体、感光性樹脂組成物を順に配置し、ネガフィルム側の背面から活性光線を照射する工程を含む感光性樹脂レリーフ版の製造方法であって、その感光性樹脂支持体が請求項1〜7のいずれかに記載の感光性樹脂支持構造体であることを特徴とする感光性樹脂レリーフ版の製造方法。
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