JP2006337959A - トナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、重合トナー粒子及びその製造方法 - Google Patents

トナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、重合トナー粒子及びその製造方法 Download PDF

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貴訓 遠藤
Masanori Kondo
真典 近藤
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Abstract

【課題】微細で、しかも均一な粒径を有し、トナー粒子内部に均一に分散させることのできるトナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、このトナー用ワックス−顔料複合微粒子を内包する重合トナー粒子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】(1)揮発性分散媒にワックス及び顔料を分散させてなる分散液に、粉砕機による撹拌・微粒化処理及び揮発性分散媒除去処理を施してなるトナー用ワックス−顔料複合微粒子。(2)前記トナー用ワックス−顔料複合微粒子を含む重合トナー粒子。(3)トナー用ワックス−顔料複合微粒子を、水と懸濁重合性モノマーとの混合液に添加して懸濁液を調製し、次いで、この懸濁液を重合反応に付した後、得られた重合反応生成物を固液分離する重合トナー粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、重合トナー粒子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、微細で、しかも均一な粒径を有し、トナー内部に均一に分散させることのできるトナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、このトナー用ワックス−顔料複合微粒子を内包する重合トナー粒子及びその製造方法に関する。
電子写真、静電記録又は静電印刷等の画像形成手段においては、近年、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの4色のトナーを用いて、フルカラー画像を形成する手段が、急速に進展してきた。
このフルカラー画像形成手段の進展により、フルカラー複写機、フルカラープリンタ等、様々なフルカラー画像形成装置が開発され、広く使用されるようになってきている。
このような状況下、形成される画像や印字等には、より高い品質が要求され、この要求に対応して、一層の改良が重ねられている。
従来、フルカラー画像の形成に用いられるトナーは、粉砕法と称される手法によって製造されていたが、近年、懸濁重合法と称されるトナーの製造方法が開発され、主流となってきた。
例えば、重合トナー中の残留金属イオンを低減し、乾燥効率を高めた重合トナーの製造方法(特許文献1)、後処理工程での品質のバラツキが抑制された重合トナーの製造方法(特許文献2)、トナーの融着、凝集等を防止し、効率よく乾燥することのできる重合トナーの製造方法(特許文献3)、クリーニング性の良好な非球形の懸濁重合トナーの製造方法(特許文献4)、小粒径で粒度分布の狭い懸濁重合トナーの製造方法(特許文献5)等が提案されている。
これらトナーの製造方法は、粒径の制御が容易であり、従来の粉砕法における粉砕工程がないことから、エネルギーの節減、工程収率の向上及びコストの低減という利点を有する製造方法として期待されている。
ところで、トナーに内包される物質(以下、「内包物質」ということがある。)のトナー内部における分散状態は、トナーの性質に重大な影響を及ぼすため、均一に分散されなければならない。特に、内包物質として用いられるワックスの粒径は、トナーの粒径よりも小さいことが望まれる。
しかし、常温においては、モノマーに不溶の内包物質が多く、モノマー中で均一に微粒子化し、均一に分散させることが困難である。このため、離型剤を含有するトナーを懸濁重合法により製造しようとすると、離型剤を全く含有しないトナー粒子と離型剤の含有量が極端に多いトナー粒子とが併存して生成し、不均質なトナー粒子となり易いという不都合があった。
このような離型剤の含有量が不均質なトナーは、特に、耐オフセット性に劣ることとなり、さらには、現像ブレードや感光体へのフィルミングを発生させ易くなり、定着性、現像性及び耐久性の変動又は劣化を招く結果となる。
そこで、ワックスを微粒子化する方法として、これまでに、例えば、ワックスを機械的に粉砕する方法、ワックスを水等のワックスを溶解しない媒体中で溶融分散させ、粒子として沈殿させる方法(特許文献6)、ワックスを水系で乳化剤を用いて乳化し、水を除去する方法(特許文献7)、ワックスを溶融した後、スプレー噴霧により微粒子を得る方法(特許文献8)等が提案されている。
前記のワックスを機械的に粉砕する方法においては、得られるワックスの粒度分布が広く、不均一な粒径を有するワックス粒子であるという問題があった。また、粉砕に要するエネルギーコストも問題となっていた。
特許文献6に記載の方法においては、粒子相互の凝集を防止することが困難であり、均一な粒径を有するワックス粒子を得ることができないという問題があった。
特許文献7に記載の方法においては、用いるワックス及び媒体に対応して乳化剤を選定する必要があり、乳化条件の設定及び作業が煩雑になるという問題があった。また、用いる乳化剤によっては、製品の品質に影響を及ぼすことが危惧される。その上、水の分離処理に多大なエネルギーを必要とし、かつ生産性に劣るという問題があった。
また、特許文献8に記載の方法においても、ワックスの微粒子化に限度があり、しかも、粒度分布が広いという問題があった。
さらに、ワックスを微粒子化する方法としては、例えば、メディア方式による粉砕方法(特許文献9、10及び11)が提案されている。
しかしながら、これらの方法においては、粉砕された離型剤の粒度分布が広く、そのために、トナー内部の離型剤の含有量及び離型剤の分布が不均一となって、定着性に悪影響を及ぼすことがあるという問題があった。
特開2001−281924号公報 特開2001−281925号公報 特開2001−281928号公報 特開1993−72808号公報 特開1993−72809号公報 特開2003−147088号公報 特開2002−69386号公報 特開1996−165352号公報 特開平11−38678号公報 特開平11−24308号公報 特開平10−21883号公報
本発明は、このような従来の問題を解消し、微細で、しかも均一な粒径を有し、トナー粒子内部に均一に分散させることのできるトナー用ワックス−顔料複合微粒子粒子、その製造方法、このトナー用ワックス−顔料複合微粒子粒子を内包する重合トナー粒子及びその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、ワックスの粉砕手段に着目して鋭意、検討を重ねた結果、揮発性分散媒にワックス及び顔料を分散させてなる分散液を、粉砕機、好ましくは、メディア式粉砕機により撹拌・微粒化処理することによって、微細で、しかも均一な粒径を有するトナー用ワックス−顔料複合微粒子を得ることができるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)揮発性分散媒にワックス及び顔料を分散させてなる分散液に、粉砕機による撹拌・微粒化処理及び揮発性分散媒除去処理を施してなることを特徴とするトナー用ワックス−顔料複合微粒子
である。
本発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)ワックス及び顔料を揮発性分散媒に分散させて分散液を調製し、次いで、この分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理した後、揮発性分散媒を除去することを特徴とするトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法
である。
本発明の第2の手段における好ましい態様としては、下記(イ)及び(ロ)のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法を挙げることができる。
(イ)揮発性分散媒が、10〜15の溶解度パラメーター(SP)を有し、かつワックスの融点未満の沸点を有するトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法。
(ロ)粉砕機が、メディア式粉砕機であるトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法。
また、本発明の前記課題を解決するための第3の手段は、
(3)前記(1)のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は前記(2)の造方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を含むことを特徴とする重合トナー粒子
である。
さらに、本発明の前記課題を解決するための第4の手段は、
(4)前記(1)のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は前記(2)の方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を、水と懸濁重合性モノマーとの混合液に添加して懸濁液を調製し、次いで、この懸濁液を重合反応に付した後、得られた重合反応生成物を固液分離することを特徴とする重合トナー粒子の製造方法
である。
本発明によれば、微細で、しかも均一な粒径を有し、トナー粒子内部に均一に分散させることのできるトナー用ワックス−顔料複合微粒子、その製造方法、このトナー用ワックス−顔料複合微粒子を内包する重合トナー粒子及びその製造方法が提供され、このため、電子写真、静電記録又は静電印刷等の画像形成手段によるフルカラー複写機、フルカラープリンタ等のフルカラー画像形成装置の設計及び作製分野に寄与するところはきわめて多大である。
(1)本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子は、揮発性分散媒にワックス及び顔料を分散させてなる分散液に、粉砕機による撹拌・微粒化処理及び揮発性分散媒除去処理を施してなることを特徴とする。
本発明における揮発性分散媒としては、用いるワックスを溶解することがなく、ワックス及び顔料を効率的に分散することができ、しかも、その除去処理が容易な分散媒である限り制限はないが、ワックスの融点未満の沸点を有する分散媒であることが好ましい。
このような揮発性分散媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系媒体;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル系媒体;塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系媒体;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系媒体;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブチルアネコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系媒体;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系媒体;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系媒体;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系媒体等を挙げることができる。これら媒体の中でも、10〜15の溶解度パラメーター(SP)を有するものが特に好ましい。
これら揮発性分散媒は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の揮発性分散媒を混合して用いるときは、その混合分散媒のSPが、10〜15であることが好ましい。
また、本発明におけるワックスにも特別な制限はなく、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油、みつろう、ラノリン等の天然ワックス、酸化マイクロ、酸化ポリエチレン、マレイン酸変性ポリマー、モンタン変性ワックス等の合成ワックスを挙げることができる。
天然ワックスの中でも、キャンデリラワックス及びみつろうは、遊離脂肪酸を10〜20質量%含有していることから乳化性に優れ、好ましく用いることができる。また、合成ワックスの中ても、マレイン酸変性ポリマー及びモンタン変性ワックスは、酸価及びケン化価が高いことから乳化性に優れ、好ましく用いることができる。
さらに、本発明における顔料としては、汎用のブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料及びシアン顔料を挙げることができる。
ブラック顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。
イエロー顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチレン化合物、アリルアミド化合物等を挙げることができ、具体的には、C.I.ピグメントイエロー12,13,14,15,17,62,74,83
,93,94,95,97,109,110,111,120,127,128,129,147,155,168,174,176,180,181,191等を好ましく挙げることができる。
また、マゼンタ顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基性染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等を挙げることができ、具体的には、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48
:4,57:1,81:1,122,144,146,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254等を好ましく挙げることができる。
さらに、シアン顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基性染料レーキ化合物等を挙げることができ、具体的には、C.I.ピグメン
トブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66等を好ましく挙げることができる。
これら顔料は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記分散液における揮発性分散媒、ワックス及び顔料の配合割合に特別な制限はないが、ワックスの微粒化や凝集抑制、作業性、分散媒の除去エネルギー等の面から、分散液100質量部に対し、揮発性分散媒が、通常は95〜50質量部、好ましくは90〜70質量部であり、ワックスが、通常は2〜20質量部、好ましくは5〜10質量部であり、顔料が、通常は2〜20質量部、好ましくは5〜10質量部である。
本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子は、前記揮発性分散媒に、前記ワックス及び前記顔料を分散させてなる分散液に、粉砕機による撹拌・微粒化処理及び揮発性分散媒除去処理を施してなるものである。
前記分散液を撹拌・微粒化処理するために用いる粉砕機は、分散液を撹拌混合することによってワックスを粉砕して微粒子とする機器である限り制限はないが、メディア式粉砕機が好ましい。このメディア式粉砕機としては、特に高流量で流通させることができるように設計された、ハイブロー型のメディアミルが好ましい。このメディアミルは、縦型であってもよく、横型であってもよい。
本発明において用いることのできる市販のメディアミルとしては、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)、DCPミル(アイリッヒ社製)、SCミル(三井鉱山社製)、スーパービスコミル、ナノミル、ファインミル(日本ニューマチック社製)等を挙げることができる。撹拌・微粒化処理の条件及び揮発性分散媒除去処理の条件については、後記する。
(2)本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法は、ワックス及び顔料を揮発性分散媒に分散させて分散液を調製し、次いで、この分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理した後、揮発性分散媒を除去することを特徴とする。
本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法において用いるワックス、顔料及び揮発性分散媒は、前記のとおりである。
本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法においては、まず、ワックス及び顔料を揮発性分散媒に分散させて分散液を調製する。この分散液を調製するときの、ワックス、顔料及び揮発性溶剤の配合割合も、前記のとおりである。
前記分散液の調製条件に制限はなく、単に、前記三者を常温、常圧下、10〜60分間程度、機械的手段により攪拌混合すれば足りる。前記機械的手段としては、例えば、ホモミキサー等の混合機を挙げることができる。
次いで、このようにして調製された分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理する。この撹拌・微粒化処理は、分散液中に分散されているワックス及び顔料、とりわけワックスを粉砕して、ワックス微粒子を得るための処理である。
前記分散液を撹拌・微粒化処理するときに用いる粉砕機は、前記のとおりであり、メディア式粉砕機が好ましく用いられる。
前記分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理するときの条件にも制限はないが、例えば、粉砕機としてダイノーミルを用いるときは、0.5mmジルコニアメディア充填率を60〜95%、ギャップを1〜2mm、周速を5〜20m/sとすることが好ましい。
このようにして、分散液を粉砕機、好ましくはメディア式粉砕機により撹拌・微粒化処理することによって得られるワックス粒子の粒径は、例えば、レーザー散乱方式粒度分布計によって測定されるメジアン径が、0.2〜5.0μm程度である。
前記分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理した後、揮発性分散媒を除去することによって、トナー用ワックス−顔料複合微粒子が製造される。
前記揮発性分散媒を除去する手段に特別の手段を採用する必要はなく、真空乾燥、風乾、加熱等の手段により、揮発性分散媒を除去することができる。これら除去手段の中でも真空乾燥が好ましく、通常は5〜50時間、真空乾燥することによって、容易に揮発性分散媒を除去することができる。
(3)本発明の重合トナー粒子は、前記(1)のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は前記(2)の方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を含むことを特徴とする。
本発明の重合トナー粒子を、下記(4)の本発明の重合トナー粒子の製造方法により明らかにする。
(4)本発明の重合トナー粒子の製造方法は、前記(1)のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は前記(2)の方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を、水と懸濁重合性モノマーとの混合液に添加して懸濁液を調製し、次いで、この懸濁液を重合反応に付した後、得られた重合反応生成物を固液分離することを特徴とする。
本発明における懸濁重合性モノマーとしては、懸濁重合することによってポリマーを得ることができるモノマーである限り、特に制限はないが、ビニル系モノマーが好ましい。このビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロピルビニルケトン等のビニルケトン等を挙げることができる。これらビニル系モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、スチレン系モノマーとアクリル酸又はメタクリル酸誘導体とを組み合わせて用いることが好ましい。
前期懸濁液におけるトナー用ワックス−顔料複合微粒子、水及び懸濁重合性モノマーの配合割合に特別な制限はないが、懸濁液100質量部に対し、トナー用ワックス−顔料複合微粒子が、通常は1〜10質量部、好ましくは1.5〜5質量部であり、水が、通常は30〜90質量部、好ましくは40〜60質量部であり、懸濁重合性モノマーが、通常は10〜50質量部、好ましくは15〜30
質量部である。
トナー用ワックス−顔料複合微粒子、水及び懸濁重合性モノマーの配合割合が、前記範囲を逸脱すると、懸濁粒子が形成せず、重合トナー粒子が得られないので望ましくない。
本発明の重合トナー粒子の製造方法を実施するに際して、特別な工程を経る必要はないが、例えば、以下のA〜G工程を経て実施し、重合トナー粒子を製造することが好ましい。
A工程:トナー用ワックス−顔料複合微粒子と懸濁重合性モノマーとを混合して、分散液を調製する工程。
B工程:前記分散液に、電荷制御剤、架橋剤等を添加、混合して、混合液を調製する工程。
C工程:前記混合液に、重合開始剤等を添加、混合して、油相の重合性組成液を調製する工程。
D工程:別途、水に分散安定剤等を添加、混合して、水相の混合液を調製する工程。
E工程:前記の水相の混合液に、前記油相の重合性組成液を添加、混合して、懸濁液を調製する工程。
F工程:前記懸濁液中の懸濁物を造粒し、さらに前記懸濁液について重合反応を行う工程。
G工程:前記重合反応の完結した懸濁液を固液分離し、得られた固体粒子を洗浄して、重合トナー粒子を製造する工程。
なお、前記C工程とD工程との実施順序は不問である。
前記A工程においては、トナー用ワックス−顔料複合微粒子を、好ましくは、スチレン系モノマーとアクリル酸又はメタクリル酸誘導体との混合液に投入し、攪拌機により攪拌混合して分散液を調製する。この分散液の調製条件に制限はなく、通常は、常温、常圧下、15〜60分間、攪拌混合される。
調製された分散液には、粗大粒子は存在せず、分散液中の粒子の粒径は、例えば、レーザー散乱方式粒度分布計により観察することができ、そのメジアン径は、0.2〜1.0μmである。
この際、モノマーとトナー用ワックス−顔料複合微粒子との割合は、オフセット抑制効果及び画像濃度変化の抑制等の面から、得られる重合トナー粒子中のワックス含有量が、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは2〜30質量%になるように選定されることが望ましい。
前記B工程において用いる電荷制御剤としては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物を挙げることができる。
また、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;4級アンモニウム塩;カリックスアーレン;ケイ素化合物;スチレンーアクリル酸共重合体;スチレンーメタクリル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物等を挙げることができる。
さらに、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこららのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等が挙げられる)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類等を挙げることができる。
これら荷電制御剤の中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。これら荷電制御剤は単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。
これらの荷電制御剤は、前記モノマー100質量部に対して、0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜4質量部が用いられる。
また、架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物等を挙げることができる。
これら架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上組合せて用いてもよい。
架橋剤は、前記モノマー100質量部に対して、0.001〜10質量部が用いられる。
前記混合液の調製条件に制限はなく、通常は、常温、常圧下、1〜10分間、攪拌混合される。
前記C工程において用いる重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジ−クロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5′−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジ−カーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジ−カーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジ−カーボネート、ジ−メトキシブチルパーオキシジ−カーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジ−カーボネート等のパーオキシジ−カーボネート類;(α,α−ビス−ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1′,3,3′−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等を挙げることができる。
C工程において調製される油相の重合性組成液は、前記混合液100質量部に対し、通常は、0.5〜20質量部の重合開始剤を配合し、常温、常圧下、1〜10分間程度、攪拌混合されて調製される。
前記D工程において用いる分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物等を挙げることができる。これらの難水溶性金属化合物は、その種類によって、塩酸や硫酸等の酸によって水系分散媒体のpHを酸性に調整すると可溶化するものと、水酸化ナトリウム等のアルカリによって水系分散媒体のpHをアルカリ性に調整すると可溶化するものとに大別される。
水に分散安定剤を添加、混合して調製される水相の混合液は、前記モノマー100質量部に対し、通常は、0.2〜30質量部になるように分散安定剤を配合し、常温、常圧下、1〜20分間程度、攪拌混合されて調製される。
前記E工程において、前記の水相の混合液に前記油相の重合性組成液を混合して調製される懸濁液は、水相の混合液100質量部に対し、通常は、20〜40質量部の油相の重合性組成液を添加し、常温、常圧下、1〜30分間程度、攪拌混合して調製される。
前記F工程における懸濁液中の懸濁物の造粒は、例えば、エムテクニック社製のクレアミックスと称される攪拌機を用い、回転数6000〜18000rpmにより攪拌することによって行うことができる。
続いて、前記懸濁液について、50〜80℃で3〜8時間、重合反応を行い、さらに、70〜100℃で1〜5時間、重合反応を行うことによって重合反応を完結させる。
前記G工程は、最終工程であり、前記重合反応の完結した懸濁液を固液分離し、得られた固体粒子を酸洗浄し、次いで、水洗して、重合トナー粒子が製造される。
このようにして製造される重合トナー粒子の平均粒径は、通常は1〜15μmであり、好ましくは4〜10μmである。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら限定されるものではない。
実施例1
〔トナー用ワックス−顔料複合微粒子(1)の製造例〕
エタノール(揮発性分散媒、SP値:12.7、沸点:72.32℃)40質量部、ワックス(株式会社加藤洋行製、パラフリントH1、融点:105℃)5質量部及びマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド238)5質量部を混合した後、ダイノーミル(メディ
ア式粉砕機、シンマルエンタープライゼス社製)により、0.5mmジルコニアメディア充填率85%、ギャップ0.1mm、周速14m/sで10パス処理することによって、分散液(A)を調製した。
この分散液(A)中のワックス粒子の粒径を、レーザー散乱方式粒度分布計(株式会社堀場製作所製、LA500)により観察したところ、メジアン径3.30μmであった。
次いで、前記分散液(A)を真空乾燥機により24時間、乾燥して、〔トナー用ワックス−顔料複合微粒子(1)を製造した。
実施例2
〔重合トナー粒子(1)の製造例〕
実施例1で製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子(1)10質量部を、スチレン75質量部とアクリル酸ブチル25質量部との混合液に投入し、ホモミキサー(IKA社
製、ULTR T50)により、4000rpm、15分間、攪拌混合して再分散し、分散液(B)を調製した。
この分散液(B)を光学顕微鏡により観察したところ、粗大粒子の存在しない状態の分散液であった。
また、前記分散液(B)中の粒子の粒径を、前記レーザー散乱方式粒度分布計により観察したところ、メジアン径0.66μmであった。
前記分散液(B)に、第4級アンモニウム塩(CopyCharge PSY、クラリアントジャパン社製、電荷制御剤)1質量部、ステアリン酸マグネシウム(分散安定剤)0.4質量部、2−フェニルイミダゾール(電荷制御剤)0.2質量部及びヘキサンジオールジアクリレート(架橋剤)0.2質量部を投入し、十分に混合して混合液を調製した。
この混合液に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(重合開始剤)2質量部を添加し、十分に混合して油相の重合性組成液を調製した。
別途、蒸留水380質量部に、第3リン酸カルシウム(分散安定剤)10質量部及び2モル/L塩酸90質量部を添加し、混合して水相の混合液を調製した。
次いで、この水相の混合液に、前記油相の重合性組成液を投入し、4モル/L水酸化ナトリウム水溶液60質量部を添加して第3リン酸カルシウムを析出させた後、十分に混合して懸濁液を調製した。
続いて、この懸濁液をクレアミックス(エムテクニック社製、CLM−5S)を用いて、回転数10,000rpmにより攪拌して造粒した。さらに、60℃で6時間、その後、80℃で3時間、反応させて、重合反応を完結させた。
終わりに、重合反応の完結した懸濁液を固液分離し、得られた固体粒子を希塩酸により洗浄し、次いで、イオン交換水により洗浄した後、十分に乾燥して、重合トナー粒子(1)を製造した。
この重合トナー粒子(1)の平均粒径は、6.80μmであった。
参考例1
〔現像剤(1)の製造例〕
実施例2で製造された重合トナー粒子(1)100質量部に、疎水性シリカ1.0質量部を外添し、この疎水性シリカを外添したトナー7質量部に、疎水性シリカによって表面処理されたフェライトキャリア(粒径:50μm)93質量部を加え、十分に混合して、現像剤(1)を製造した。
〔現像剤(1)の評価〕
普通紙プリンター(京セラミタ株式会社製、LSC8008の改造機)を用いて、20℃、40%RHの条件下、参考例1で製造された現像剤(1)による複写画像を形成して、参考例1で製造された現像剤(1)について、評価した。
この評価は、形成された複写画像におけるカブリ及びフィルミングの有無を視認することにより行った。評価結果を表1に示す。なお、表1には、前記懸濁液を攪拌して造粒する際の「造粒化の容易性」及び前記懸濁液を重合反応させてトナーを製造する際の「トナー化の容易性」に関する評価結果を併せて示す。
実施例3
〔トナー用ワックス−顔料複合微粒子(2)の製造例〕
顔料として、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー155)を用いた以外は、実
施例1と同様にして分散液(C)を調製した。
この分散液(C)中のワックス粒子の粒径を、実施例1と同様にして観察したところ、メジアン径2.64μmであった。
次いで、前記分散液(C)を実施例1と同様にして、トナー用ワックス−顔料複合微粒子(2)を製造した。
実施例4
〔重合トナー粒子(2)の製造例〕
実施例3で製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子(2)を用い、実施例2と同様にして、分散液(D)を調製した。この分散液(D)を実施例2と同様にして観察したところ、粗大粒子の存在しない状態の分散液であった。
また、前記分散液(D)中の粒子の粒径を、実施例2と同様にして観察したところ、メジアン径0.43μmであった。以下、実施例2と同様にして、重合トナー粒子(2)を製造した。
この重合トナー粒子(2)の平均粒径は、6.92μmであった。
参考例2
〔現像剤(2)の製造例〕
実施例4で製造された重合トナー粒子(2)を用い、参考例1と同様にして、現像剤(2)を製造した。
〔現像剤(2)の評価〕
参考例2で製造された現像剤(2)について、前記〔現像剤((1)の評価〕と同様にして、評価した。価結果を表1に示す。
実施例5
〔トナー用ワックス−顔料複合微粒子(3)の製造例〕
顔料として、シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)を用いた以外は、実施
例1と同様にして分散液(E)を調製した。
この分散液(E)中のワックス粒子の粒径を、実施例1と同様にして観察したところ、メジアン径2.33μmであった。
以下、前記分散液(E))を用い、実施例1と同様にして、トナー用ワックス−顔料複合微粒子(3)を製造した。
実施例6
〔重合トナー粒子(3)の製造例〕
実施例5で製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子(3)を用い、実施例2と同様にして、分散液(F)を調製した。この分散液(F)を実施例2と同様にして観察したところ、粗大粒子の存在しない状態の分散液であった。
また、前記分散液((F)中の粒子の粒径を、実施例2と同様にして観察したところ、メジアン径0.40μmであった。以下、実施例2と同様にして、重合トナー粒子(3)を製造した。
この重合トナー粒子((3)の平均粒径は、6.55μmであった。
参考例3
〔現像剤(3)の製造例〕
実施例6で製造された重合トナー粒子(3)を用い、参考例1と同様にして、現像剤(3)を製造した。
〔現像剤(3)の評価〕
参考例3で製造された現像剤(3)について、前記〔現像剤((1)の評価〕と同様にして、評価した。価結果を表1に示す。
実施例7
〔重合トナー粒子(4)の製造例〕
実施例1におけるホモミキサーに代えて、縦型振とう機(ヤヨイ株式会社製、YS−LDII
)を用い、3回/秒で1時間、振とうして攪拌した以外は、実施例1及び2と同様にして、重合トナー粒子(4)を製造した。
参考例4
〔現像剤(4)の製造例〕
実施例7で製造された重合トナー粒子(4)を用い、参考例1と同様にして、現像剤(4)を製造した。
〔現像剤(4)の評価〕
参考例4で製造された現像剤(4)について、前記〔現像剤((1)の評価〕と同様にして、評価した。価結果を表1に示す。
実施例8
〔トナー用ワックス−顔料複合微粒子(4)の製造例〕
実施例1における、ダイノーミルに代えて、ホモミキサーを用い、4000rpmで60分間、攪拌混合した以外は、実施例1と同様にして分散液(G)を調製した。
この分散液(G)中のワックス粒子の粒径を、前記レーザー散乱方式粒度分布計により観察したところ、メジアン径4.2μmであった。
以下、実施例1と同様にして、トナー用ワックス−顔料複合微粒子(4)を製造した。
実施例9
〔重合トナー粒子(5)の製造例〕
実施例8で製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子(4)を用い、実施例2と同様にして、分散液(H)を調製した。
この分散液(H)を光学顕微鏡により確認したところ、粗大粒子の存在しない状態の分散液であった。
また、前記分散液(H)中の粒子の粒径を、前記レーザー散乱方式粒度分布計により観察したところ、メジアン径0.88μmであった。
参考例5
〔現像剤(5)の製造例〕
実施例9で製造された重合トナー粒子(5)を用い、参考例1と同様にして、現像剤(5)を製造した。
〔現像剤(5)の評価〕
参考例5で製造された現像剤(5)について、前記〔現像剤((1)の評価〕と同様にして、評価した。価結果を表1に示す。
比較例1
〔トナー用ワックス微粒子(6)の製造例〕
マゼンタ顔料を用いなかった以外は、実施例1と同様にして分散液(I)を調製した。
この分散液((I)中のワックス粒子の粒径を、実施例1と同様にして観察したところ、メ
ジアン径4.10μmであった。
以下、実施例1と同様にして、トナー用ワックス微粒子(6)を製造した。
比較例2
〔重合トナー粒子(6)の製造例〕
比較例1で製造された、トナー用ワックス微粒子(6)を用い、実施例2と同様にして、分散液(J)を調製した。この分散液(J)を実施例2と同様にして観察したところ、粗大粒子が多数混在していて、粒子の凝集が生じていることが確認された。
また、前記分散液(J))中の粒子の粒径を、実施例2と同様にして観察したところ、メジアン径10.7μmであった。
以下、実施例2と同様にして、重合トナー粒子(6)の製造を試みたが、トナーを製造することはできなかった。
比較例3
〔トナー用ワックス微粒子(7)の製造例〕
スチレン75質量部、ブチルアクリレート25質量部、ワックス(株式会社加藤洋行製、パラフリントH1、融点:105℃)5質量部及びマゼンタ顔料(C.I.ピグメント
レッド238)5質量部を混合した後、前記ホモミキサーにより、4000rpmで60分間、攪拌混合して、分散液(K)を調製した。
この分散液(K)を光学顕微鏡により観察したところ、粗大粒子が見られ、分散不良が確認された。
また、前記分散液(K)中のワックス粒子の粒径を、前記レーザー散乱方式粒度分布計により観察したところ、メジアン径5.1μmであった。
以下、実施例1と同様にして、トナー用ワックス微粒子(7)を製造した。
比較例4
〔重合トナー粒子(7)の製造例〕
比較例3で製造されたトナー用ワックス微粒子(7)を用い、実施例2と同様にして、重合トナー粒子(7)を製造した。
参考例6
〔現像剤(6)の製造例〕
比較例4で製造された重合トナー粒子(7)を用い、参考例1と同様にして、現像剤(6)を製造した。
〔現像剤(6)の評価〕
参考例6で製造された現像剤(6)について、前記〔現像剤(1)の評価〕と同様にして、評価した。価結果を表1に示す。
Figure 2006337959
表1における「例2」及び「例6」は、「比較例2」及び「参考例6」である。
評価基準は、以下のとおりである。
〔造粒化の容易性〕
5:極めて容易。
4:容易。
3:普通。
2:困難。
1:極めて困難。
〔トナー化の容易性〕
○:容易。
△:普通。
×:困難。
〔カブリの有無〕及び〔フィルミングの有無〕
5:皆無。
4:ほとんど無し。
3:若干有り。
2:大幅に有り。
1:全面的に有り。
本発明のトナー用ワックス−顔料複合微粒子及びこのトナー用ワックス−顔料複合微粒子から製造される重合トナー粒子は、電子写真、静電記録又は静電印刷等の画像形成手段によるフルカラー複写機、フルカラープリンタ等のフルカラー画像形成装置に用いられる現像剤に利用することができる。

Claims (6)

  1. 揮発性分散媒にワックス及び顔料を分散させてなる分散液に、粉砕機による撹拌・微粒化処理及び揮発性分散媒除去処理を施してなることを特徴とするトナー用ワックス−顔料複合微粒子。
  2. ワックス及び顔料を揮発性分散媒に分散させて分散液を調製し、次いで、この分散液を粉砕機により撹拌・微粒化処理した後、揮発性分散媒を除去することを特徴とするトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法。
  3. 揮発性分散媒が、10〜15の溶解度パラメーター(SP)を有し、かつワックスの融点未満の沸点を有する請求項2に記載のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法。
  4. 粉砕機が、メディア式粉砕機である請求項2又は3に記載のトナー用ワックス−顔料複合微粒子の製造方法。
  5. 請求項1に記載のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を含むことを特徴とする重合トナー粒子。
  6. 請求項1に記載のトナー用ワックス−顔料複合微粒子又は請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法によって製造されたトナー用ワックス−顔料複合微粒子を、水と懸濁重合性モノマーとの混合液に添加して懸濁液を調製し、次いで、この懸濁液を重合反応に付した後、得られた重合反応生成物を固液分離することを特徴とする重合トナー粒子の製造方法。
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