JP2006336662A - リーフバルブの定着構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストンナットの弛み止めを実践するについて、ピストンナットの締め付けによってバルブシート部材に定着されるリーフバルブにおける設定された特性を変更させないようにする。
【解決手段】 バルブシート部材2に着座するリーフバルブ1をバルブシート部材2の軸芯部を貫通するロッド体3における先端インロー部3aに介装された定着体4で定着してなるリーフバルブの定着構造において、ロッド体3における先端インロー部3aの軸芯部に開穿の空部3e内に圧入される圧入体5が空部3e内を密閉状態に維持しながらロッド体3における先端インロー部3aの外径を拡径して定着体4の内周に密着させてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、リーフバルブの定着構造に関し、特に、油圧緩衝器におけるシリンダ体内の、たとえば、ピストン部への具現化に向くリーフバルブの定着構造の改良に関する。
たとえば、特許文献1に開示されているように、油圧緩衝器におけるシリンダ体内のピストン部は、多くの場合に、減衰力発生用などとされるリーフバルブを有してなり、このとき、リーフバルブは、環状に形成されていて、上記のピストン部を形成してバルブシート部材とされるピストン体に内周端固定で外周端自由の態様に定着されることがある。
そして、このピストン体へのリーフバルブの定着は、バルブシート部材たるピストン体の軸芯部を貫通するピストンロッドなどのロッド体の先端インロー部への定着体たるピストンナットの介装、すなわち、ピストンナットの螺着による締め付けで実践されるとしている。
そしてまた、このとき、ピストンナットによる締め付け状態を恒久的に保障するために、すなわち、ピストンナットの弛み止めのために、ロッド体の先端、すなわち、先端インロー部の先端をカシメ加工することが周知されている。
それゆえ、このロッド体の先端をカシメ加工して定着体たるピストンナットの弛み止めを実践する方策による場合には、たとえば、接着材を利用して定着体たるピストンナットの緩み止めを実践する場合に比較して、接着材の乾燥を待つことがなく、短い作業時間で所期の目的を達成できることになる。
特開2003‐314607号公報(図1,図4)
しかしながら、上記した特許文献1に開示されているリーフバルブの定着構造にあっては、所定位置に定着されるリーフバルブにおける設定された特性を変更させる危惧があると指摘される可能性がある。
すなわち、リーフバルブについては、所定の定着状態におかれるときに、所定の撓み作動を具現化できるように、その肉厚や定着体による定着力などがあらかじめ設定されてなるとしている。
そこで、リーフバルブを所定位置に定着させるための定着体の介装、すなわち、ピストンナットによる締め付けが設定の力で実践されて、その状態が維持される場合には、何等問題がないことになる。
しかし、定着体たるピストンナットによる締め付け状態を恒久的に維持するためにロッド体の先端をカシメ加工する場合には、そのカシメ加工に伴う力が定着体を介してリーフバルブの内周側の固定部に作用することになり、そのため、バルブシート部材におけるボス部に対するリーフバルブにおける内周側の固定部の圧接力が変更されることになり、結果的に、リーフバルブにおける特性が設定のものと異なることになる危惧がある。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ピストンナットの弛み止めを実践し得るのはもちろんのこと、ピストンナットの締め付けによってバルブシート部材に定着されるリーフバルブにおける設定された特性を変更させることなくして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるリーフバルブの定着構造を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明の構成を、基本的には、バルブシート部材の軸芯部を貫通するロッド体における先端インロー部に介装された定着体がリーフバルブにおける内周側の固定部をバルブシート部材における軸芯部に形成のボス部に定着させてなるリーフバルブの定着構造において、ロッド体における先端インロー部の軸芯部に開穿の空部内に圧入される圧入体が空部内を密閉状態に維持しながらロッド体における先端インロー部の外径を拡径して定着体の内周に密着させてなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、圧入体のロッド体における先端インロー部の軸芯部に開穿の空部内への圧入で、ロッド体における先端インロー部に介装の定着体がその定着位置から逸脱し得なくなるから、リーフバルブにおける内周側の固定部のバルブシート部材におけるボス部への着座状態が保障されると共に、バルブシート部材におけるボス部に着座しているリーフバルブにおける内周側の固定部に設定外となる外力が作用しなくなるから、リーフバルブにおける設定された特性が保障されることになる。
そして、この発明にあっては、圧入体のロッド体における先端インロー部の軸芯部に開穿の空部内への圧入で、この空部内が密閉状態に維持されるから、この空部内に残存することがある切削滓などのゴミを空部内に封じ込めることが可能になる。
このとき、ゴミを空部内に封じ込めることからすれば、圧入体の圧入で空部内が完全な密閉状態に維持されなくても良く、空部内と空部外とのエアの流通が許容される構成、すなわち、エア抜き孔やエア抜き溝を有してほぼ密閉状態を具現化できる構成とされるとしても良い。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるリーフバルブの定着構造は、図示するところでは、図1に示すように、油圧緩衝器(図示せず)におけるシリンダ体C内に摺動可能に収装のピストン部Pに具現化されるとするもので、このとき、ピストン部Pは、シリンダ体C内に図中で上端側となる先端側が出没可能に挿通されるピストンロッドRに保持されてなるとしている。
そして、この発明によるリーフバルブの定着構造は、上記のピストン部Pにあって、リーフバルブ1と、バルブシート部材2と、ロッド体3と、定着体4と、圧入体5とを有してなる。
少し説明すると、まず、リーフバルブ1は、図示するところでは、径の異なる環状に形成された複数枚が積層されてなるとし、また、内周側を固定部1aにすると共に外周側を撓み部1bにして、内周側の固定部1aが後述するバルブシート部材2におけるボス部2aに圧接状態に定着されるとし、この状態下に、ピストン部Pがシリンダ体C内をいわゆる伸側に摺動するときに外周側の撓み部1bが撓み作動して所定の伸側減衰力を発生する伸側減衰バルブに設定されてなるとしている。
ちなみに、このとき、バルブシート部材2を挟んでこの伸側減衰バルブたるリーフバルブ1のいわゆる反対側には、リーフバルブたる伸側チェックバルブ6が配在されているが、この発明の効果は、すなわち、バルブシート部材2に定着されるリーフバルブ1における設定の特性が変更されないとする効果は、この伸側チェックバルブ6たるリーフバルブにも及ぶことになるのはもちろんであり、このことについては、後述する。
つぎに、バルブシート部材2は、上記したところからすると、ピストン部Pを形成するピストン体からなり、軸芯部に多くの場合に環状に形成のボス部2aを有してこのボス部2aにリーフバルブ1における多くの場合に環状に形成された内周側の固定部1aを着座させるとしている。
ちなみに、このバルブシート部材2たるピストン体は、軸芯部に、すなわち、ボス部2aの内側に開穿された貫通孔2bを有しており、この貫通孔2bには後述するロッド体3における先端インロー部3aをいわゆるガタなく貫通させるとしている。
なお、このバルブシート部材2たるピストン体には、ロッド体3の延在方向となる軸線方向に沿って伸側流路2cと圧側流路2dとが開穿されていて、伸側流路2cの図中で上端となる下流側端を前記したリーフバルブ1たる伸側減衰バルブにおける外周側となる撓み部1bが開閉可能に閉塞し、圧側流路2dの図中で下端となる下流側端を前記したリーフバルブたる伸側チェック弁6における外周側となる撓み部6aが開閉可能に閉塞するとしている。
ロッド体3は、図示するところでは、前記したところからして、ピストンロッドRからなり、また、前述したように、バルブシート部材2における軸芯部に開穿の貫通孔2bに先端インロー部3aをいわゆるガタなく貫通させるとしている。
すなわち、ロッド体3にあって、先端インロー部3aは、その外周に上記したピストン体たるバルブシート部材2を介装させるとしており、前述したように、このバルブシート部材2をいわゆる両側から挟むように前記したリーフバルブ1たる伸側減衰バルブと同じくリーフバルブからなる伸側チェックバルブ6が配在されてなるとしている。
また、このロッド体3にあって、上記のバルブシート部材2を介装させる部位より図中で上端部となる先端部の外周に螺条3bを形成していて、この螺条3bに後述する定着体4を螺合させるとしている。
ちなみに、ロッド体3にあって、先端インロー部3aを形成するについては、図示しないが、シリンダ体Cの開口端で出没するときに軸受に摺接するいわゆる軸部3cを切削することによるが、このとき、軸部3cと先端インロー部3aとの間に段差部3dが形成され、この段差部3dにバルブストッパ7および伸側チェック弁6を介してバルブシート部材2が当接されることになる。
そして、このロッド体3について、上記の段差部3dを形成したりその他の加工をする際には、軸芯線を回転中心にするようにいわゆる調芯されることが必須となり、この調芯のために、先端インロー部3aの軸芯部には、穴が形成され、この穴が空部3eとなって残存されることになる。
そしてまた、この空部3eは、前記した特許文献1に開示されているリーフバルブの定着構造にあっては、図示されていないし、また、図示しないが、カシメ加工の際のカシメ冶具を導入させる穴として利用されているのは前述の通りである。
それに対して、この発明では、上記の空部3eに後述するように圧入体5を圧入するとしているが、その作用するところおよび効果については、後に詳述する。
定着体4は、ロッド体3の先端インロー部3aに介装されてリーフバルブ1における内周側の固定部1aをこれが着座するバルブシート部材2のボス部2aに定着させるもので、図示するところでは、ロッド体3がピストンロッドRからなることからして、また、前記したように、ロッド体3におけるインロー部3aの先端側の外周に螺条3bを有してなることからして、ピストンナットからなるとしている。
それゆえ、この定着体4にあっては、ピストンナットにおける締め付けトルクがあらかじめ設定されていて、その締め付けトルクに基づいて先端インロー部3aへの締め付け作業が実践されることになる。
ちなみに、このとき、リーフバルブ1の内周側の固定部1aがバルブシート部材2のボス部2aに必要以上に大きい力で、すなわち、設定の力以上で圧接されることはなく、したがって、リーフバルブ1における特性が変更されないことはもちろんである。
圧入体5は、ロッド体3における先端インロー部3aの軸芯部に開穿の空部3e内に圧入されるもので、この圧入体5の空部3e内への圧入で、この空部3eの内径が拡径され、その分この空部3eを内側に有する先端インロー部3aの外径が拡径されることになる。
ちなみに、空部3eは、前述したように、ロッド体3の軸部3cを切削加工する際の調芯用の穴としてあらかじめ切削されるもので、同じく前述したように、 従前では、カシメ加工の際のカシメ冶具を導入させる穴として利用されていたものである。
その結果、圧入体5の圧入で拡径された先端インロー部3aの外周は、ここに介装の定着体4の内周に圧接される状況になり、すなわち、定着体4たるピストンナットがその定着位置たる螺条3bに対する螺合位置から逸脱し得なくなる。
そして、定着体4たるピストンナットがその配設位置から逸脱しない、すなわち、移動しないから、リーフバルブ1における内周側の固定部1aのバルブシート部材2におけるボス部2aへの着座状態が保障されるのもちろんのこと、このとき、定着体4たるピストンナットには、径方向の外力が作用するのみで、このピストンナットをリーフバルブ1の内周側の固定部1aに押し付けるような軸方向力力は作用しない。
その結果、定着体4たるピストンナットは、バルブシート部材2におけるボス部2aに着座しているリーフバルブ1における内周側の固定部1aおよびこのリーフバルブ1の反対側に配在される伸側チェックバルブ6に設定外となる外力を作用することがなく、したがって、リーフバルブ1および伸側チェックバルブ6における設定された特性が保障されることになる。
そして、この発明にあっては、圧入体5の空部3e内への圧入で、この空部3e内が密閉状態に維持されるから、図示しないが、この空部3e内に残存することがある切削滓などのゴミを空部3e内に封じ込めることが可能になる。
その結果、空部3eが密閉されていない場合に比較して、空部3e内に残存することがある切削滓などのゴミが爾後に作動油中に混入する事態を回避でき、たとえば、作動油中に混入したゴミがリーフバルブ1とバルブシート部材2との間に挟まれるなどして発生される減衰力が安定しなくなる不具合の招来をあらかじめ回避し得ることになる。
ちなみに、いわゆる穴に圧入体5たるスチールボールを圧入する事例が、たとえば、特開平9−25977号公報中の図2に開示されているが、この公報に開示されているところは、いわゆるバイパス路を形成する上で、穴の開口をスチールボールの圧入で閉塞するとするもので、言わば流路を確保するためであり、この発明のように、穴に残存されることがあるゴミをその穴に封じ込めるためのものではない。
そして、この種の穴からなる空部3eに残存するゴミを爾後に外部に出させないようにするためとしては、空部3e内に適量の接着材を流し込む方策があると推察できるが、この接着材を流し込む方策による場合には、接着材が乾燥するまで次の作業に移れなくなることに比較して、この圧入体5の圧入による場合には、直ちに次の作業に移れることになり、作業性を悪くしない点からも有利となる。
以上のように、従前あれば、ロッド体3たるピストンロッドの先端インロー部3aの先端に開穿されている加工時の調芯用の穴からなる空部3eにカシメ冶具を導入するなどしてカシメ加工して定着体4たるピストンナットの所定位置への定着が実現されるとしていたところを、この発明にあっては、上記の空部3eに圧入体5を圧入して、定着体4たるピストンナットに軸方向力を作用することなく所定位置に定着させるとしているから、定着体4たるピストンナットを所定位置に定着させるにあって、いたずらにリーフバルブ1の内周側の固定部1aに設定外となる外力を作用させることがなく、したがって、リーフバルブ1における設定された特性が変更されることを危惧しなくて済むことになる。
そして、上記したところからすれば、圧入体5は、所定の機能を発揮する限りには、すなわち、空部3eの内径を拡径して、ロッド体3における先端インロー部3aの外径を拡径すると共に、空部3e内に残存されることがある切削滓などのゴミを空部3e内に封じ込めることを可能にする限りには、空部3eを完全な密閉状態にする必要はなく、空部3e内が外部と連通する、すなわち、空部3e内のエアが空部3e外に流出し得るようにほぼ密閉状態に維持するなど、任意に構成されて良いと言い得ることになる。
そして、圧入体5が任意に構成されて良いことからすれば、図示する球体からなるのに代えて、たとえば、図2(A)に示すように、ピン状に形成され、図2(B)に示すように、樽状に形成され、さらには、図2(C)に示すように、鍔付きピン状に形成されるなどとしても良い。
そして、このとき、圧入体5は、図示するところでは、中実体からなるとしているが、これに代えて、図示しないが、有頭円筒状あるいは有底円筒状に形成されるとしても良い。
また、この圧入体5が任意の形状に形成されるとするとき、空部3eの内周面が図1に示すようにいわゆる平滑面で形成されるのに代えて、図3に示すように、いわゆる粗面で形成されてなるとしても良く、粗面としては、ネジ面を初めとして種々のものを提案し得るが、ネジ面がいわゆる形成作業の上からは有利となるであろう。
そしてまた、圧入体5が、たとえば、上記のピン状,樽状あるいは鍔付きピン状に形成される場合に、図4(A)に示すように、軸芯部などに空部3e内と空部3e外とのエアの流通を許容する孔5aを形成し、あるいは、図4(B)に示すように、外周に空部3e内と空部3e外とのエアの流通を許容する溝5bを形成するとする提案をなし得る。
ちなみに、このとき、上記の孔5aおよび溝5bのいわゆる開口径は、空部3eに内に残存することがある切削滓などのゴミの通過を阻止し得る径に設定されるのはもちろんである。
そして、この孔5aあるいは溝5bを形成する圧入体5を空部3e内に圧入する場合には、空部3e内にエアを封じ込めないから、この空部3e内のエアが熱膨張するようなことがあっても、そのために圧入体5が空部3e内から脱け出る不具合の招来をあらかじめ回避できることになる。
前記したところは、この発明によるリーフバルブの定着構造がシリンダ体C内のピストン部Pに具現化されてなるとしたが、この発明が意図するところからすれば、図示しないが、この定着構造がシリンダ体内のベースバルブ部に具現化されるとしても良く、その場合における作用効果についても同様となるのはもちろんである。
この発明によるリーフバルブの定着構造を具現化した油圧緩衝器におけるシリンダ体内のピストン部を示す図である。 圧入体の他の実施形態を示す図である。 空部の他の実施形態を示す図である。 圧入体のさらに他の実施形態を示す図である。
符号の説明
1 リーフバルブ
2 バルブシート部材
3 ロッド体
4 定着体
5 圧入体
C シリンダ体
P ピストン部
R ピストンロッド

Claims (4)

  1. バルブシート部材の軸芯部を貫通するロッド体における先端インロー部に介装された定着体がリーフバルブにおける内周側の固定部をバルブシート部材における軸芯部に形成のボス部に定着させてなるリーフバルブの定着構造において、ロッド体における先端インロー部の軸芯部に開穿の空部内に圧入される圧入体が空部内を密閉状態に維持しながらロッド体における先端インロー部の外径を拡径して定着体の内周に密着させてなることを特徴とするリーフバルブの定着構造
  2. バルブシート部材がシリンダ体内に摺動可能に収装されるピストン部を形成するピストン体とされてなると共に、ロッド体がシリンダ体内に出没可能に挿通される先端側にピストン体を保持するピストンロッドとされてなる請求項1に記載のリーフバルブの定着構造
  3. ロッド体における先端インロー部の軸芯部に開穿の空部がロッド体の加工時における調芯用の穴とされてなる請求項1に記載のリーフバルブの定着構造
  4. 圧入体が球状,ピン状あるいは鍔付きピン状に形成されてなる請求項1に記載のリーフバルブの定着構造
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