JP2006336219A - 地盤改良工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 硬化材と反応材を均一に混合して、排泥中に硬化材が混入しないようにするとともに、大径の地盤改良体を経済的かつ合理的に造成することができる地盤改良工法を提供する。
【解決手段】 注入ロッド1の先端部は、切削水および圧縮空気を噴射する上段部2と、硬化材および反応材を噴射する下段部3とを備えている。上段部2の側面には、切削水を噴射する第一噴射孔12aと、第一噴射孔12aの外周部に設けられ、圧縮空気を噴射する第二噴射孔12bとからなる上段噴射孔12が設けられており、圧縮空気に包囲された切削水が上段噴射孔12から噴射される。一方、下段部3の側面には、注入ロッド1の回転方向Rに対して、反応材噴射孔14が硬化材噴射孔13の下流側となるように、ほぼ同じ高さに硬化材噴射孔13と反応材噴射孔14が近接配置されており、硬化材と反応材は、それぞれ硬化材噴射孔13、反応材噴射孔14から同時に噴射される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地盤改良工法に関し、特に、地盤中に硬化材を噴射して攪拌混合することにより当該地盤中に地盤改良体を造成する高圧噴射攪拌工法に関する。
従来より、柱状の地盤改良体を地盤中に形成する地盤改良工法の一つとして高圧噴射攪拌工法が実施されている。しかし、硬化材の高圧噴射に伴って排出される泥土中に硬化材が混入するため、その処理に多大な費用が掛かるという問題があった。
そこで、特許文献1では、注入ロッドを引き上げつつ、圧縮空気で包囲した水を上部側の噴射ノズルから噴射するとともに、下部側の噴射ノズルからセメントミルク等の硬化材を噴射しつつ、水ガラス等の反応材を別の噴射ノズルから噴射して、硬化材を早期に硬化させる技術が開示されている。具体的には、先ず圧縮空気を伴った水を高圧で噴射することによって地盤を切削する。水だけを噴射するため、基本的に排泥中に硬化材は混入しないのであるが、下部側の噴射ノズルから噴射した硬化材が硬化していなければ、上部側での混気ジェット現象により、硬化材が吸い上げられて排泥中に混入するおそれがある。そのため、硬化材とともに反応材を噴射して硬化材を早期に硬化させ、排泥中に硬化材が混入しないようにしている。
他方、硬化材と反応材の噴射に関する先行技術文献としては、特許文献2や特許文献3がある。
特許第3626972号公報 (第4−5頁、第1−7図) 特開2000−199222号公報 (第3−6頁、第1−9図) 特開2000−290991号公報 (第3−6頁、第1−7図)
しかしながら、特許文献1に記載された技術を実施した場合、硬化材と反応材の混合が不均一となるため、硬化材の強度発現が不充分となり、排泥中に硬化材が混入するのを充分に防止できないという問題があった。
この原因としては以下のようなことが考えられる。
a.反応材噴射ノズルが硬化材噴射ノズルの下方に位置している(特許文献1の図7参照)。
引き上げ時における注入なので、噴射された硬化材に後から反応材を噴射することになるが、一般に反応材のほうが硬化材よりも量が少ないため、多量の硬化材中に少量の反応材を噴射しても混合が不均一となる。
b.硬化材噴射ノズルと反応材噴射ノズルが同じ高さでかつ注入ロッドの正反対の位置に設けられている(特許文献1の図2参照)。
注入ロッドの引き上げは、一般に1回転ごとのピッチ上昇(通常2.5cm)なので、1ピッチにおいて、硬化材噴射ノズルが反応材噴射ノズルよりも回転方向の下流側にあって、硬化材の噴射後に反応材を噴射するような場合には、前記と同様に、硬化材と反応材の混合が不均一となる。
他方、特許文献2では、反応材の噴射孔を硬化材の噴射孔の上方に設けている。しかし、噴射孔間の離間距離は明記されておらず、一般に行われている注入ロッドのピッチ引き上げによる場合、この離間距離が引上げピッチの整数倍になっていなければ、硬化材の噴射位置が反応材の噴射位置と合致せず、硬化材と反応材の混合が不均一となるおそれがある。
また、特許文献3では、硬化材(反応材)を噴射する内部ノズルと、当該内部ノズルを同芯(偏芯していてもよい)状に包囲し、反応材(硬化材)を噴射する外周ノズルから、それぞれ硬化材と反応材を同時に噴射するようにしている。しかし、例えば、外周ノズルから反応材を噴射する場合、引き上げ噴射では、外周ノズルの下側部分から噴射される反応材が硬化材と混合しないおそれがある。また、内部ノズルよりも外周ノズルから噴射したほうが噴射抵抗が大きいので、同じ圧力で噴射した場合、内部ノズルから噴射したほうが遠くまでとぶことになる。そのため、外周ノズルから反応材を噴射した場合、前記と同様に、硬化材と反応材の混合が不均一となる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、硬化材と反応材を均一に混合して、排泥中に硬化材が混入しないようにするとともに、大径の地盤改良体を経済的かつ合理的に造成することができる地盤改良工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、先端部に上下二段の噴射孔を備えた注入ロッドを地盤に挿入し、当該注入ロッドを回転させながら引き上げる際に、上段側の噴射孔から圧縮空気とともに切削水を噴射して地盤を切削しつつ、下段側の一方の噴射孔から硬化材を噴射するとともに、下段側の他方の噴射孔から反応材を噴射して、地盤中に柱状の地盤改良体を造成する地盤改良工法において、前記注入ロッドの回転時に、前記反応材を噴射する噴射孔(以下、反応材噴射孔と称す)が前記硬化材を噴射する噴射孔(以下、硬化材噴射孔と称す)の下流側となるように、ほぼ同じ高さに硬化材噴射孔と反応材噴射孔を近接配置し、前記硬化材と前記反応材を同時に噴射することを特徴とする。
本発明では、反応材噴射孔を硬化材噴射孔の下流側として、ほぼ同じ高さに近接配置するので、反応材の噴射後、ほぼ同じ位置で直ちに硬化材が噴射される。その結果、反応材を巻き込んだ硬化材が噴射されるようになり、硬化材と反応材が均一に混合される。
また、本発明は、先端部に上下二段の噴射孔を備えた注入ロッドを地盤に挿入し、当該注入ロッドを回転させながら引き上げる際に、上段側の噴射孔から圧縮空気とともに切削水を噴射して地盤を切削し、下段側の一方の噴射孔から硬化材を噴射しつつ、下段側の他方の噴射孔から反応材を噴射して、地盤中に柱状の地盤改良体を造成する地盤改良工法において、硬化材噴射孔と反応材噴射孔の位置を平断面視でほぼ同じ位置とし、前記硬化材噴射孔の上方に、前記注入ロッドの引上げピッチの整数倍の距離をおいて前記反応材噴射孔を配し、前記硬化材と前記反応材を同時に噴射することを特徴とする。
本発明では、硬化材噴射孔と反応材噴射孔の離間距離を注入ロッドの引上げピッチの整数倍としているので、反応材の噴出位置と硬化材の噴出位置が同一となり、硬化材と反応材の均一混合が可能となる。
また、本発明では、前記反応材の噴射圧力は、前記硬化材の噴射圧力より小さいことを好適とする。
反応材の噴射圧力を硬化材の噴射圧力より大きくすると、反応材を硬化材よりも遠くにとばすことになり、遠くにとんだ反応材を無駄にすることになる。そこで、本発明では、反応材の噴射圧力を硬化材の噴射圧力より小さくし、経済的かつ合理的に地盤改良体を造成するものである。
本発明に係る地盤改良工法では、反応材噴射孔を硬化材噴射孔の下流側として、ほぼ同じ高さに近接配置するので、反応材の噴射後、ほぼ同じ位置で直ちに硬化材が噴射される。その結果、反応材を巻き込んだ硬化材が噴射されるようになり、硬化材と反応材が均一に混合される。
また、本発明に係る地盤改良工法では、硬化材噴射孔と反応材噴射孔の離間距離を注入ロッドの引上げピッチの整数倍としているので、反応材の噴射位置と硬化材の噴射位置が同一となり、硬化材と反応材の均一混合が可能となる。
さらに、本発明に係る地盤改良工法では、反応材の噴射圧力を硬化材の噴射圧力より小さくすることにより、経済的かつ合理的に地盤改良体を造成することができる。
以下、本発明に係る地盤改良工法の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る地盤改良工法において使用する注入ロッド先端部の一例を示したものである。
注入ロッド1は4本の筒体4、5、6、7から構成される四重管ロッドであり、その先端部は、切削水および圧縮空気を噴射する上段部2と、硬化材および反応材を噴射する下段部3とを備えている。
上段部2の側面には、第一噴射孔12aと、第一噴射孔12aの外周部に設けられた第二噴射孔12bとからなる上段噴射孔12が設けられており、第一噴射孔12a、第二噴射孔12bは、それぞれ第三の流路10、第四の流路11と連通している。第三の流路10、第四の流路11は、それぞれ超高圧の切削水、圧縮空気の流路とされており、上段噴射孔12からは圧縮空気に包囲された超高圧の切削水が噴射される。
一方、下段部3の側面には、注入ロッド1の回転方向Rに対して、反応材噴射孔14が硬化材噴射孔13の下流側となるように、ほぼ同じ高さに硬化材噴射孔13と反応材噴射孔14が近接して配置されている(図1(c)参照)。硬化材噴射孔13、反応材噴射孔14は、それぞれ第一の流路8、第二の流路9と連通しており、硬化材と反応材は、それぞれ第一の流路8、第二の流路9を経由して、硬化材噴射孔13、反応材噴射孔14から同時に噴射される。この際、反応材の噴射圧力は、硬化材の噴射圧力よりも小さいほうがよい。本実施形態では、硬化材の噴射圧力50〜60MPaに対して、反応材の噴射圧力を10MPa程度としている。
また、噴射時のバランスをとるため、硬化材噴射孔13および反応材噴射孔14は、上段噴射孔12に対して、平断面視で注入ロッド1の反対側に設けられている。
なお、上段部2および下段部3の下端面には、それぞれ削孔ビット2a、3aが取り付けられており、注入ロッド1単体で地盤を削孔することができるようになっている。
次に、本発明に係る地盤改良工法の施工手順について図2に基づいて説明する。
先ず、ボーリングマシン16を用いて注入ロッド1を回転させながら地盤内に挿入し、注入ロッド1の先端部に取り付けられた削孔ビット2a、3aで地盤を削孔することにより、所定深度までガイドホールを形成する(図2(a)参照)。
その後、切削水の噴射圧力を50〜60MPa、圧縮空気の噴射圧力を1MPa程度として、圧縮空気に包囲された切削水を上段噴射孔12から噴射しつつ、引上げ時間10〜15分/m、回転速度2.7〜4回転/分(2.5cmの引上げピッチで1回転する回転速度)として、注入ロッド1を引き上げながら地盤を切削する(図2(b)参照)。この時に、エアリフト効果で、切削水がガイドホールを通って地上に排出される。
圧縮空気に包囲された切削水を上段噴射孔12から噴射しつつ注入ロッド1を引き上げながら、下段部3の硬化材噴射孔13と反応材噴射孔14が切削地盤の下端部に達したら、硬化材の噴射圧力を50〜60MPa、反応材の噴射圧力を10MPa程度として切削地盤中に噴射する(図2(c)参照)。この時、反応材噴射孔14が硬化材噴射孔13よりも注入ロッド1の回転方向の下流側に近接配置されているので、反応材が硬化材と確実かつ速やかに混合され、硬化材は早期に硬化する。なお、ここでは、硬化材としてセメント系固化材スラリー、反応材として水ガラス系の珪酸ソーダなどを用いる。
以後、注入ロッド1を引き上げながら、圧縮空気に包囲された切削水を上段噴射孔12から噴射しつつ、下段部3の硬化材噴射孔13と反応材噴射孔14から硬化材と反応材をそれぞれ噴射して円柱状の地盤改良体15を造成していく(図2(d)参照)。
上段噴射孔12が地盤改良体15の上端部に達すると、切削水と圧縮空気の噴射を停止する。そして、硬化材噴射孔13と反応材噴射孔14が地盤改良体15の上端部に達するまで硬化材と反応材を噴射して地盤改良体15の造成を行う(図2(e)参照)。
上記の説明において、切削水の噴射圧力および硬化材の噴射圧力を50〜60MPaとしているのは、主に大径の地盤改良体15を造成するうえで経済的な方法となるためであり、これは、本発明者が実施した実験結果に基づく以下の知見による。なお、この実験では、反応材を用いていないが、反応材の量は少ないため、反応材がある場合でも、反応材の吐出量や噴射圧力を考慮することなく、この実験結果からの知見が適用できる。
図3は、切削水の噴射圧力pwと切削水の単位時間当たりの吐出量qwとの積で表わされる切削能力pw×qwと地盤の切削径(直径)φcとの相関関係を示したものである。なお、この時の実験条件としては、注入ロッド1の引上げ時間を10分/mと15分/mとし、注入ロッド1の回転速度は上昇ピッチ2.5cmで1回転するようにしている。従って、引上げ時間10分/mの場合は4回転/分、引上げ時間15分/mの場合は2.7回転/分となる。また、圧縮空気の圧力は1MPaとした。
図4は、硬化材の噴射圧力psと硬化材の単位深さ当たりの注入量Qsとの積で表わされる改良体造成能力ps×Qsと地盤改良体の径(直径)φとの相関関係を示したものである。なお、この時の実験条件としては、前記切削水の時と同様に、注入ロッド1の引上げ時間を10分/mと15分/mとし、注入ロッド1の回転速度は上昇ピッチ2.5cmで1回転するようにした。
図中の曲線(1)および(2)は、実験値をもとに回帰分析により求めた相関関係式であり、次式で示されるものである。
φc=1.973・ln(pw×qw)+13.6 (1)
φ =1.985・ln(ps×Qs)+4.24 (2)
但し、各パラメータの単位は以下の通りである。
pw,ps:MPa、qw:リットル/分、Qs:m/m、φc,φ:m
ここで、(1)式と(2)式をそれぞれ(3)式と(4)式のように変換する。
pw×qw=exp((φc+13.6)/1.973) (3)
ps×Qs=exp((φ +4.24)/1.985) (4)
また、硬化材の単位時間当たりの吐出量qsは(5)式によって与えられる。
qs=1000・Qs/t (5)
ここで、tは注入ロッドの単位長さ当たりの引上げ時間(分/m)であり、(5)式の係数1000は、qsの単位がリットル/分、Qsの単位がm/mであることによる。
(3)式を用いて、地盤の切削径φcを3.0〜5.0mの範囲で変化させた際の切削水の噴射圧力pw(図では、切削水圧力と記す。)と切削水の単位時間当たりの吐出量qwとの相関関係を図5に示す。同図より、同一切削径φcを得るためには、切削水の噴射圧力pwが大きいほど、切削水の単位時間当たりの吐出量qwが少なくてよいことがわかる。また、切削径φcを大きくするためには、切削水の噴射圧力pwや切削水の単位時間当たりの吐出量qwを大きくしなければならないことがわかる。
同様に、(4)および(5)式を用いて、地盤改良体の径φを3.0〜5.0mの範囲で変化させた際の硬化材の噴射圧力ps(図では、硬化材圧力と記す。)と硬化材の単位時間当たりの吐出量qsとの相関関係を図6に示す。ここで、図6(a)は注入ロッド1の引上げ速度が10分/mの場合、図6(b)は15分/mの場合である。図5と同様に、地盤改良体の径φを大きくするためには、硬化材の噴射圧力psや硬化材の単位深さ当たりの吐出量qsを大きくする必要があることがわかる。
図7は、切削水の噴射圧力pwと硬化材の噴射圧力psについて適宜の値を設定し、その値を図3および図4(関係式(1)、(2)を図化したもの)に当てはめて各注入率を算出し、注入ロッド1の引上げ時間10分/mおよび15分/mにおける切削水の噴射圧力pwと切削水注入率αwとの相関関係および硬化材の噴射圧力psと硬化材注入率αsとの相関関係を示したものである。ここで、切削水注入率αwは、地盤の切削径φcによる単位深さ当たりの切削体積Vcに対する切削水の単位深さ当たりの注入量Qw(qw×t)であり、硬化材注入率αsは、地盤改良体の径φによる単位深さ当たりの改良体積Vに対する硬化材の単位深さ当たりの注入量Qsである。
同図より、硬化材注入率αsを30%に設定する場合には、硬化材の噴射圧力psが約20MPaでよいことがわかる。切削水についても同様に仕様を設定することができる。
大径の地盤改良体15を合理的に造成するには、硬化材注入率αsおよび総注入率α(切削水と硬化材の注入率の合計)が関係する。結論から言えば、硬化材注入率αsは、改良体強度の適切な大きさとバラツキを考慮し、出来るだけ少なくする中で10〜30%とし、切削水と硬化材とをあわせた総注入率αについては20〜50%とするのがよい。この範囲であれば、従来工法と比較してコスト的に優位となる。
以下、具体的な適用例で説明する。
図7より、切削水および硬化材の噴射圧力pw、psを上げれば、切削水および硬化材の注入率αw、αsが減少する、つまりコスト的に安価になる傾向が示されている。一方、60MPa以上の噴射圧力pw、psになると、注入率αw、αsの低下がさほど見られなくなる傾向にある。そのため、実用的で効果的な切削水および硬化材の噴射圧力pw、psは50〜60MPaと設定できる。ここでは、切削水の噴射圧力pwを60MPa、硬化材の噴射圧力psを50MPaとする。このときの切削水および硬化材の注入率αw、αsは、注入ロッド1の引上げ時間を10分/mとすると10%である。この設定値を図5および図6(a)に当てはめると、各改良径ごとの施工仕様は表1のようになる。
Figure 2006336219
なお、圧縮空気の噴射圧力は1MPa程度、反応材の噴射圧力は10MPa程度とし、反応材の吐出量は、硬化材の吐出量と所望のゲルタイムに応じて算出される量とする。
本実施形態による地盤改良工法では、反応材噴射孔14を硬化材噴射孔13の下流側として、ほぼ同じ高さに近接配置するので、反応材の噴射後、ほぼ同じ位置で直ちに硬化材が噴射される。その結果、反応材を巻き込んだ硬化材が噴射されるようになり、硬化材と反応材が均一に混合される。
また、本実施形態による地盤改良工法では、切削水の噴射圧力および硬化材の噴射圧力を50〜60MPaとすることにより、大径の地盤改良体15を経済的かつ合理的に造成することができる。
図8は、本発明に係る地盤改良工法において使用する注入ロッド先端部(下段側吐出口部分)の他の例を示したものである。
本実施形態では、硬化材噴射孔23と反応材噴射孔24の位置を平断面視でほぼ同じ位置とし、硬化材噴射孔23の上方に、注入ロッド1の引上げピッチの整数倍の距離をおいて反応材噴射孔24を設けている。即ち、硬化材噴射孔23と反応材噴射孔24の離間距離を、注入ロッド1の引上げピッチの整数倍の距離としている。硬化材噴射孔23、反応材噴射孔24は、先の実施形態と同様に、それぞれ第一の流路8、第二の流路9と連通しており、硬化材と反応材は、それぞれ第一の流路8、第二の流路9を経由して、硬化材噴射孔23、反応材噴射孔24から同時に噴射される。
本実施形態によれば、反応材の噴射位置と硬化材の噴射位置が同一となり、硬化材と反応材の均一混合が可能となる。なお、一般的な段階的ピッチ引き上げ方法を採用する場合(通常は、2.5cmピッチ)、硬化材噴射孔23と反応材噴射孔24の離間距離は1ピッチ分の距離であり、螺旋状に引き上げる場合でも、その螺旋形状の1ピッチ分の距離である。
以上、本発明に係る地盤改良工法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、硬化材の噴射圧力50〜60MPaに対して、反応材の噴射圧力を10MPa程度としているが、反応材の噴射圧力はこれに限定されるわけではなく、要は、硬化材の噴射圧力よりも小さい範囲で、所要のゲルタイムに応じて硬化材の早期硬化に必要な量の反応材を噴射できればよい。
また、本発明は、注入ロッドを回転させて円柱状の地盤改良体を造成するばかりでなく、例えば扇形柱状の地盤改良体を造成する場合も含むものである。この場合、注入ロッドを所定範囲の角度で正逆回転させて扇形の地盤改良体を造成する方法、注入ロッドを一方向に回転させる中で所定範囲の角度だけ硬化材を噴射して扇形の地盤改良体を造成する方法が考えられる。注入ロッドを正逆回転させる方法では、反射材噴射孔と硬化材噴射孔を上下に配置する本発明の他の実施形態がそのまま適用できるが、反射材噴射孔と硬化材噴射孔を同じ高さに配置する実施形態の場合、反射材噴射孔を挟んで硬化材噴射孔を2箇所設けるか、あるいは硬化材噴射孔を挟んで反射材噴射孔を2箇所設けるかして、反応材あるいは硬化材のいずれかの噴射を、この2箇所の噴射孔間で切り替え操作する必要がある。一方、注入ロッドを一方向に回転させる中で扇形の地盤改良体を造成する方法では、本発明の実施形態、本発明の他の実施形態ともに、所定角度の範囲だけ硬化材や反応材を噴射するような操作をする必要がある。
本発明に係る地盤改良工法において使用する注入ロッド先端部の一例を示し、(a)はその縦断面図、(b)は上段部の平断面図、(c)は下段部の平断面図である。 本発明に係る地盤改良工法の施工手順を示す概略図である。 切削能力pw×qwと地盤の切削径φcとの相関関係を示す図である。 改良体造成能力ps×Qsと地盤改良体の径φとの相関関係を示す図である。 切削水の噴射圧力pwと切削水の単位時間当たりの吐出量qwとの相関関係を示す図である。 硬化材の噴射圧力psと硬化材の単位時間当たりの吐出量qsとの相関関係を示す図であり、(a)は注入ロッドの引上げ速度が10分/mの場合、(b)は注入ロッドの引上げ速度が15分/mの場合である。 切削水の噴射圧力pwと切削水注入率αwとの相関関係および硬化材の噴射圧力psと硬化材注入率αsとの相関関係を示す図である。 本発明に係る地盤改良工法において使用する注入ロッド先端部(下段部)の他の例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 注入ロッド
2 上段部
3 下段部
4、5、6、7 筒体
8、9、10、11 流路
12 上段噴射孔
12a 第一噴射孔
12b 第二噴射孔
13、23 硬化材噴射孔
14、24 反応材噴射孔
15 地盤改良体
16 ボーリングマシン
R 回転方向

Claims (3)

  1. 先端部に上下二段の噴射孔を備えた注入ロッドを地盤に挿入し、当該注入ロッドを回転させながら引き上げる際に、上段側の噴射孔から圧縮空気とともに切削水を噴射して地盤を切削しつつ、下段側の一方の噴射孔から硬化材を噴射するとともに、下段側の他方の噴射孔から反応材を噴射して、地盤中に柱状の地盤改良体を造成する地盤改良工法において、
    前記注入ロッドの回転時に、前記反応材を噴射する噴射孔(以下、反応材噴射孔と称す)が前記硬化材を噴射する噴射孔(以下、硬化材噴射孔と称す)の下流側となるように、ほぼ同じ高さに硬化材噴射孔と反応材噴射孔を近接配置し、前記硬化材と前記反応材を同時に噴射することを特徴とする地盤改良工法。
  2. 先端部に上下二段の噴射孔を備えた注入ロッドを地盤に挿入し、当該注入ロッドを回転させながら引き上げる際に、上段側の噴射孔から圧縮空気とともに切削水を噴射して地盤を切削し、下段側の一方の噴射孔から硬化材を噴射しつつ、下段側の他方の噴射孔から反応材を噴射して、地盤中に柱状の地盤改良体を造成する地盤改良工法において、
    硬化材噴射孔と反応材噴射孔の位置を平断面視でほぼ同じ位置とし、前記硬化材噴射孔の上方に、前記注入ロッドの引上げピッチの整数倍の距離をおいて前記反応材噴射孔を配し、前記硬化材と前記反応材を同時に噴射することを特徴とする地盤改良工法。
  3. 前記反応材の噴射圧力は、前記硬化材の噴射圧力より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の地盤改良工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008238095A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Kajima Corp 汚染土壌の浄化工法
JP2015151687A (ja) * 2014-02-10 2015-08-24 三信建設工業株式会社 高圧噴射攪拌工法の施工仕様の設定方法、高圧噴射攪拌工法の改良体強度の設定方法
JP2016113870A (ja) * 2014-12-18 2016-06-23 東鉄工業株式会社 地盤改良工法
JP2017172279A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 小野田ケミコ株式会社 地盤改良用高圧噴射撹拌装置および地盤改良方法

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