JP3317902B2 - 高圧噴射地盤改良工法 - Google Patents

高圧噴射地盤改良工法

Info

Publication number
JP3317902B2
JP3317902B2 JP22570998A JP22570998A JP3317902B2 JP 3317902 B2 JP3317902 B2 JP 3317902B2 JP 22570998 A JP22570998 A JP 22570998A JP 22570998 A JP22570998 A JP 22570998A JP 3317902 B2 JP3317902 B2 JP 3317902B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
ground
injection
nozzle
injection nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22570998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000054365A (ja
Inventor
建美 正木
好司 杉山
Original Assignee
ライト工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ライト工業株式会社 filed Critical ライト工業株式会社
Priority to JP22570998A priority Critical patent/JP3317902B2/ja
Publication of JP2000054365A publication Critical patent/JP2000054365A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3317902B2 publication Critical patent/JP3317902B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予め高圧液により
地盤を切削し、泥状化した領域中にスラリー状の硬化材
を噴射し、この泥状化領域中での泥状物と前記硬化材を
混合するとともに余剰の泥状物を地上に排出して地盤中
に硬化体を造成する高圧噴射地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高圧噴射地盤改良工法としては、
いわゆる「JSG工法」や「コラムジェット工法」が主
流であり現在も多用されている。
【0003】「JSG工法」とは、硬化材を噴射する核
ノズルと核ノズルの周囲を包囲しエアを噴射する包囲ノ
ズルとから構成される高圧噴射ノズルを先端部に設けた
注入管を地中に挿入し、この噴射ノズルからエアを伴っ
た硬化材を高圧噴射する工法である。
【0004】また「コラムジェット工法」とは、注入管
先端部の下段に設けた硬化材噴射ノズルとその上段に設
けた高圧水を噴射する核ノズルとその周囲を包囲しエア
を噴射する包囲ノズルとから構成される高圧水噴射ノズ
ルによって、まず上段の高圧水噴射ノズルからエアを伴
った高圧水を噴射し地盤を切削したのち、下段の硬化材
噴射ノズルから硬化材を噴射する工法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の工法はいずれも地盤中に噴射した硬化材(一般的には
セメント)が切削した泥状物に混じり、泥状物と一緒に
地上に大量に排出されるという問題があった。硬化材混
じりの泥状物は廃棄物としての処理が困難となるだけで
なく、地上に排出される硬化材は無駄となるため、材料
コストも嵩むことになる。
【0006】さらに、地盤中において、硬化材と泥状物
とが混合された泥状混合物中は、その硬化前おいて
砂分が沈降してしまい、泥状化領域の下端付近に砂分が
滞積し、結果的に硬化材成分が少なくなり、その部分が
結となるという問題もあった。
【0007】また、最近では、前述のような硬化材の排
出を抑制するため、エアを伴う高圧水による切削工程と
硬化材の注入工程を別工程で行う方法も提案されている
(たとえば特開平9−143975号公報)が、この方
法によっても硬化材の注入過程においては、硬化材が泥
状物に混じり地上に排出されてしまい、硬化材の排出を
止めることは不可能であった。
【0008】本発明は以上の問題点を鑑みてなれたも
ので、硬化材混じりの泥状物を極力地上部に排出せず、
しかも未固結部分の生じない、計画寸法通りの硬化体を
造成することのできる高圧噴射地盤改良工法を提案する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明の請求項1記載の発明は、高圧液を噴射する核ノズル
とこの核ノズルの周囲から圧縮エアを噴射する包囲ノズ
ルとを有する高圧噴射ノズルと、硬化材噴射ノズルとを
先端部に設けた注入管を地盤中に挿入した後、前記硬化
材噴射ノズルから硬化材の噴射を行うことなく、前記高
圧噴射ノズルから、増粘剤を含む100〜750mPa
・sの粘度を有するスラリー状の液体をこれを圧送する
高圧ポンプの元圧が200〜700Kgf/cm 2 とした
高圧液と、コンプレッサーの元圧が5〜10Kgf/cm
2 の圧縮エアとを高圧噴射し、前記注入管を回転させな
がら地盤改良上限位置まで引き上げ、地盤の所定領域を
切削するとともにエアリフト効果により切削土砂の一部
を地上に排出することによって所定の泥状化領域を形成
し、さらに前記泥状化領域の下端部まで注入管を挿入し
た後、この注入管を順次引き上げながら、前記高圧噴射
ノズルからの噴射を行うことなく、その注入管の先端部
の硬化材噴射ノズルから増粘剤が添加された150〜2
000mPa・sの粘度を有するセメントスラリー硬化
材を圧送ポンプの元圧で20〜200Kgf/cm 2
射し、前記泥状化領域の泥状物と前記硬化材を混合する
とともに余剰の泥状物を地上に排出して地盤中に硬化体
を造成することを特徴とする高圧噴射地盤改良工法であ
る。
【0010】請求項2記載の発明は、前記高圧噴射ノズ
ルは上下2ヶ所に相反する方向に噴射するように設けら
れている請求項1記載の高圧噴射地盤改良工法である。
【0011】請求項3記載の発明は、下部側の高圧噴射
ノズルは所定角度斜め上向きに、上部側の高圧噴射ノズ
ルは所定角度斜め下向きに設けられている請求項3記載
の高圧噴射地盤改良工法である。
【0012】
【0013】なお、本明細書における粘度はいずれもB
型回転粘度計による測定値を基準とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の主たる特徴の第1は、予
め地盤を泥状化し、その地盤にスラリー状の硬化材を吐
出させて、泥状化領域の泥状物と硬化材とを混合する点
であり、第2は、従来の前述の高圧噴射地盤改良工法に
用いられてきた噴射材はセメントミルクであり、その粘
度はきわめて小さいものであるのに対して、本発明にお
いては、粘度が150〜2000mPa・sというきわ
めて高い粘度を有するスラリー状の硬化材を用いる点で
ある。
【0015】(施工形態) 以下本発明に係る施工形態を図面を参照しながらさらに
詳説する。
【0016】(1)削孔工程 本発明で使用する注入管1は、たとえば図5に示す注入
管1が用いられる。すなわち、注入管1は3流路管であ
り、中央に削孔水Wおよび硬化材H用流路2と高圧液L
用流路3と圧縮エアA用流路4の3流路有し、その先
端部にはウイングビット等の削孔ビット5が取り付けら
れている。
【0017】この削孔ビットには、削孔水Wを吐出させ
る吐出孔6が形成されている。この上部には、硬化材噴
射ノズル7が設けられている。この硬化材噴射ノズル7
と吐出孔6の流路方向の切替えは、注入管先端に内蔵さ
れた切替バルブ8により行われる。この切替えバルブ8
は、反発スプリング8A基部側に付勢された弁座8B
とこの弁座8Bに向かって投入されるボール8Cとによ
り構成され、削孔水Wの供給時には、ボール8Cは投入
されていないので、供給される削孔水Wは、流路2を通
してそのまま吐出孔6から吐出される。硬化材Hの供給
に際しては、ボール8Cが投入され、その結果、切替え
バルブ8より先端側がボール8Cにより封止されるの
で、供給された硬化材Hは硬化材噴射ノズル7から噴出
されるようになる。
【0018】さらに、硬化材噴射ノズル7の上方位置に
は高圧液L用流路3に連通した高圧液噴射用核ノズル9
Aと、圧縮エア用流路4に連通し、前記核ノズル9Aの
周囲を包囲しエアAを噴射する包囲ノズル9Bとから構
成された、エアを伴う高圧液を側方に高圧噴射するため
の高圧噴射ノズル9が上下2ヶ所に相反する方向に噴射
するように設けられている。下部側の高圧噴射ノズル9
は所定角度斜め上向きに、一方、上部側の高圧噴射ノズ
ル9は所定角度斜め下向きに設けられている。
【0019】さて、図1に示すように、かかる注入管1
を用い、ボーリングマシン等の削孔装置10を用い、前
記注入管1先端の吐出孔6から削孔水Wを吐出させなが
ら地盤改良予定下限位置に、注入管1の先端部が到達す
るまで地盤を削孔し、この注入管1を所定位置に配置す
る。
【0020】(2)一次切削工程 次いで、図2に示すように、地盤改良予定下限位置か
ら、高圧噴射ノズル9,9からエアを伴った高圧液を側
方に高圧噴射させながら、注入管1を地盤改良上限位置
まで回転させながら引き上げることによって地盤を切削
するとともに、圧縮エアの同伴に伴うエアリフト効果に
より切削土砂を地上に排出し、泥状の地盤改良予定領域
を形成する。
【0021】この際使用する高圧液(切削水)Lとして
はこの切削工程で形成した泥状化領域の孔壁保持性およ
び硬化材注入工程時における置換性の点から、増粘剤
添加された100〜750mPa・sの範囲の粘度を有
するものが好適である。粘度が100mPa・sより低
いと泥状化領域Zの孔壁が崩壊しやすくなり、また75
0mPa・sより高くなると後工程での硬化材が目標域
に注入されず、上方に逸走して余剰泥状物と一緒に排出
されてしまう傾向が大きい。
【0022】この点については後述の実験例においてさ
らに説明する。ここで使用する増粘剤としてはセルロー
ス系、アクリル系、天然高分子系、繊維状鉱物系など種
々のものを使用することができる。
【0023】また、高圧液も噴射圧力は、この高圧液を
圧送する高圧ポンプ11の元圧で約200〜700Kgf
/cm2 、一方、圧縮エアの圧力はエアを搬送するコンプ
レッサ12の元圧で5〜10Kgf/cm2に設定するの
が好適である。
【0024】地上部に排出された切削液と土砂の混合物
からなる排泥Mは、排泥ポンプ装置13によりピットか
ら脱水装置(図示せず)に送り込んで、土砂分と液状分
とに分離し、分離した液状分はさらに凝集処理等を施
し、切削液や削孔水として再利用するのが望ましい。切
削工程で排出される泥状物には硬化材がほとんど含まれ
ていないため、再利用のための処理がしやすい。一方、
分離した土砂分はダンプトラック等で搬出し適正に処分
する。
【0025】(3)注入管再挿入工程 その後、図3に示すように、注入管1を前工程により形
成した泥状化領域Zの中に注入管1の先端部が地盤改良
予定下限位置に達するまで建て込む。
【0026】泥状化領域Zの孔壁が崩壊したり、砂分の
沈降により下端に砂分が滞積している場合には、注入管
1の下降時に高圧液を噴射し、再攪拌し、沈降した砂分
をこの泥状化領域Z中に再浮遊、再分散させる。こうす
ることによって、後工程の硬化材注入がし易くなる。
【0027】(4)硬化材噴射工程 次に、図4に示すように、注入管1を順次引き上げなが
ら、グラウトポンプ14により硬化材Hを注入管1内に
送り込んで、その先端付近の硬化材噴射ノズル7からス
ラリー状の硬化材Hを噴射し、泥状化領域Zの泥状物と
硬化材Hを混合するとともに余剰の泥状物を地上に排出
して地盤中に硬化体を造成する。
【0028】この硬化材としては、注入した硬化材を目
標域に確実に注入させ、上方に逸走するのを防ぐため
に、水/セメント比100%のセメントスラリーに対
し、増粘剤の添加された150〜2000mPa・sの
範囲の粘度を呈するものを使用し、特に250〜500
mPa・sの粘度を呈するものが好適である。
【0029】粘度が150mPa・sより低いと、泥状
化領域中に注入した硬化材が上方に逸走しやすく、硬化
材混じりの泥状物が排出されてしまう。一方、2000
mPa・sより高くすると、使用する増粘剤の添加量が
過剰となりコスト高になるとともに粘性が高すぎて硬化
材の圧送ラインで閉塞トラブルが発生しやすくなる。こ
の点については後述の実験結果とともに説明する。ま
た、ここで使用する増粘剤としてはセルロース系、アク
リル系、天然高分子系、繊維状鉱物系など種々のものを
使用することができる。
【0030】硬化材の吐出圧力は、グラウトポンプ14
の元圧で20〜200Kgf/cm2にするのが好適であ
り、切削工程での高圧液の吐出圧力よりかなり低圧力に
設定される。
【0031】(実験例) <実験1:硬化材の排出状況および砂分の沈澱状況に関
する実験> 本実験は、本発明の硬化材注入工程を想定した模擬実験
であり、硬化材の粘性を変化させた場合における、余剰
泥状物に混入し排出される硬化材の排出状況の違いを調
べたものである。
【0032】人工的に作成した模擬泥状化領域中に注入
管を挿入し、その先端から異なる粘性を呈する硬化材を
側方に吐出(吐出量10リットル/分)しながら注入管
を1分あたり200mmピッチで順次引き上げることによ
って、硬化材を前記領域中に注入し、その際排出される
余剰泥状物の各ステップ毎のPH値および注入した硬化
材中における砂分の沈澱厚さを測定し、その結果を表1
に示した。
【0033】使用硬化材は水:セメント比が100%の
セメントスラリーに対し増粘剤を添加量を変化させて加
え、種々の粘性に調整したものである。
【0034】またこの模擬泥状物領域は、エアを伴った
高圧水を噴射し砂質土地盤を切削した際に形成される泥
状化領域を想定したものであり、砂1重量部と水1重量
部とを混合した泥状物(比重約1.35)を直径500
mm、高さ1200mmの透明なアクリル製の円筒管に充填
し作成したものである。増粘剤としては、セルロース系
増粘剤(商品MJ−2:日東化学工業社製)と繊維状粘
土鉱物系増粘剤(「アタパルジャイト」:ユニオン化成
社製)の2種類を使用した。
【0035】なお、表1に示す粘度はB型粘度計での計
測値である。また泥状物のPH値は、排出される泥状物
に対する硬化材分の混入状況を確認するためのものであ
り、PH値11以上になるとかなりのセメント分が含ま
れていると推測される。さらに沈澱の厚さは、硬化材の
注入完了後15分経過した時点での前記円筒管下部に沈
降した砂分の厚さを計測したものである。
【0036】
【表1】
【0037】表1の結果から、セルロース系、繊維状粘
土鉱物系どちらの増粘剤においても粘度を150mPa
・s以上にすれば、排泥水のPH値11以下、砂分の沈
澱厚さ約10cm前後となり、ほぼ良好な結果が得られ、
さらに粘度を250mPa・s以上にすれば、PH値1
0以下、砂分の沈澱厚さ10cm以下となり、さらに良好
な結果が得られることが分かる。
【0038】<実験2:孔壁保持性実験> 本実験は、高圧液(切削水)により地盤を切削した際に
形成される泥状化領域を想定した模擬実験であり、使用
する切削水の粘性を変化させた際の、泥状化領域の孔壁
安定性の違い調べたものである。
【0039】まず縦350mm×横550mm×高さ400
mmの容器に砂を敷き詰めて模擬地盤(相対密度30%、
密度1.6g/cm 3 ,飽和度100%)を作り、この模
擬地盤に予め建て込んでおいた直径50mmの中空パイプ
内に種々の粘度を有する模擬切削水を充填したのち、パ
イプを地盤から引き抜くことによって模擬泥状化領域を
形成し、次いでこの模擬泥状化領域にセメントミルクを
充填し、その結果形成される硬化体の形状から孔壁保持
性を確認するという方法で、切削水の粘性を変化させた
際の孔壁保持性の違いを調べたものである。その結果を
表2に示した。
【0040】この疑似切削水は、清水(W)に添加量を
変えて増粘剤を加え、種々の粘性に調整したものであ
る。増粘剤とては、ポリアニオン化セルロース系増粘
剤(商品名「DK−ハイポリマー」:第一工業製薬社
製)とセルロース系増粘剤(商品名「MJ−2」:日東
化学工業社製)の2種類を使用した。
【0041】
【表2】
【0042】実験2の結果から増粘剤の種類に関係な
く、疑似切削水の粘度を100mPa・s程度以上にす
ればほぼ孔壁保持が図れることが判る。
【0043】 <実験3:切削水の粘性の違いによる硬化材の置換性に
関する実験> 本実験は、実験1と同様に本発明の硬化材注入工程を想
定した模擬実験であり、硬化材の粘性を変化させた場合
における、余剰泥状物に混入し排出される硬化材の排出
状況の違いを調べたものである。
【0044】粘性の異なる疑似切削水1重量部と砂1重
量部とを混合し、種々の粘性に調整した実験1と同様な
模擬泥状化領域を作成し、その泥状化領域に対し注入管
を挿入し、次いで、セルロース系増粘剤を添加し粘度2
50mPa・sに調整した硬化材を吐出(吐出量10リ
ットル/分)しながら、注入管を1分あたり200mmピ
ッチで順次引き上げることによって硬化材を前記領域中
に注入し、その際排出される泥状物のPH値を各ステッ
プ毎に測定し、硬化材の排出状況を調べた。その結果を
表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】この結果から、疑似切削水の粘度を750
mPa・s以下にすれば、排泥水のPH値は約10以下
となり、排泥水に伴う硬化材の排出を防ぐことが可能で
あることが分かる。750mPa・sより粘度を高くし
た場合にはPH値は11以上を示し、目視でも注入管の
周囲からの硬化材の排出が確認された。これは、切削水
の粘度を高くし過ぎると、注入管から吐出した硬化材が
目標域に注入されずに上方に逸走しやすくなるためと推
定される。
【0047】
【実施例】図1〜図4に示す工程をもって、図5に示す
注入管を用いて砂質地盤を対象に本発明の実験を行っ
た。
【0048】まず、注入管を砂質地盤中に建て込み、注
入管の核ノズルから清水に重量比0.8%のセルロース
系増粘剤(商品名MJ−2:日東化学工業社製)を添加
し、粘度180mPa・sに調整した切削水を400K
gf/cm 2 の圧力で、一方、包囲ノズルから圧縮空気を7
Kgf/cm2の圧力で噴射することよって切削工程を実
施した。
【0049】次いで切削工程で泥状化した地盤の下端ま
で注入管を再度挿入し、注入管を回転させながら硬化材
噴射ノズルから水:セメント比100%のセメントスラ
リーに重量比0.6%のセルロース系増粘剤(商品名M
J−2:日東化学工業社製)を添加し、粘度400mP
a・sに調整した硬化材を50Kgf/cm2の圧力で吐
出させ、改良上限位置まで注入管を順次引き上げること
によって硬化材注入工程を実施し、硬化体(直径約2,
400,長さ10m)の造成を行った。
【0050】切削工程では切削水の吐出量を250リッ
トル/分、引き上げ速度を15秒/ピッチ(1ピッチ=
25mm)、硬化材注入工程では硬化材の吐出量を270
リットル/分、引き上げ速度を30秒/ピッチに設定し
実施した。
【0051】硬化材注入工程において地上に排出される
泥状物のPH値を測定したところ9.6以下の値を示
し、また目視でもセメント分の排出は確認されず、硬化
材注入工程においてセメント分はほとんど排出されない
という良好な結果が得られた。さらに、造成数日後、地
盤から硬化体を掘り出し出来形の確認をしたところ、硬
化体の下端部分においても所定寸法の杭径が確保され、
また採取したコアサンプルの圧縮強度も73Kgf/cm
2と十分な強度を有しており、未固結部分のない、寸法
通りの硬化体が造成できたことが確認された。
【0052】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、硬化材
混じりの泥状物を極力地上部に排出せず、しかも未固結
部分の生じない、計画寸法通りの硬化体を造成すること
ができるなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1工程の説明図である。
【図2】本発明の第2工程の説明図である。
【図3】本発明の第3工程の説明図である。
【図4】本発明の第4工程の説明図である。
【図5】注入管例の縦断面図である。
【符号の説明】
1…注入管、2…削孔水硬化材用流路、3…高圧液用流
路、4…圧縮エア用流路4、5…削孔ビット、6…吐出
孔、7…硬化材噴射ノズル、8…切替えバルブ、9…高
圧噴射ノズル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−132910(JP,A) 特開 平9−143975(JP,A) 特開 平5−255925(JP,A) 特開 平9−279566(JP,A) 特開 平7−18658(JP,A) 特開 平6−41944(JP,A) 特開 昭54−90812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/12 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧液を噴射する核ノズルとこの核ノズル
    の周囲から圧縮エアを噴射する包囲ノズルとを有する高
    圧噴射ノズルと、硬化材噴射ノズルとを先端部に設けた
    注入管を地盤中に挿入した後、 前記硬化材噴射ノズルから硬化材の噴射を行うことな
    く、前記高圧噴射ノズルから、増粘剤を含む100〜7
    50mPa・sの粘度を有するスラリー状の液体をこれ
    を圧送する高圧ポンプの元圧が200〜700Kgf/
    cm 2 とした高圧液と、コンプレッサーの元圧が5〜10
    Kgf/cm 2 の圧縮エアとを高圧噴射し、前記注入管を
    回転させながら地盤改良上限位置まで引き上げ、地盤の
    所定領域を切削するとともにエアリフト効果により切削
    土砂の一部を地上に排出することによって所定の泥状化
    領域を形成し、 さらに前記泥状化領域の下端部まで注入管を挿入した
    後、この注入管を順次引き上げながら、前記高圧噴射ノ
    ズルからの噴射を行うことなく、その注入管の先端部の
    硬化材噴射ノズルから増粘剤が添加された150〜20
    00mPa・sの粘度を有するセメントスラリー硬化材
    を圧送ポンプの元圧で20〜200Kgf/cm 2 噴射
    し、前記泥状化領域の泥状物と前記硬化材を混合すると
    ともに余剰の泥状物を地上に排出して地盤中に硬化体を
    造成することを特徴とする高圧噴射地盤改良工法。
  2. 【請求項2】前記高圧噴射ノズルは上下2ヶ所に相反す
    る方向に噴射するように設けられている請求項1記載の
    高圧噴射地盤改良工法。
  3. 【請求項3】下部側の高圧噴射ノズルは所定角度斜め上
    向きに、上部側の高圧噴射ノズルは所定角度斜め下向き
    に設けられている請求項2記載の高圧噴射地盤改良工
    法。
JP22570998A 1998-08-10 1998-08-10 高圧噴射地盤改良工法 Expired - Fee Related JP3317902B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22570998A JP3317902B2 (ja) 1998-08-10 1998-08-10 高圧噴射地盤改良工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22570998A JP3317902B2 (ja) 1998-08-10 1998-08-10 高圧噴射地盤改良工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000054365A JP2000054365A (ja) 2000-02-22
JP3317902B2 true JP3317902B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=16833584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22570998A Expired - Fee Related JP3317902B2 (ja) 1998-08-10 1998-08-10 高圧噴射地盤改良工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3317902B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102817348A (zh) * 2012-08-31 2012-12-12 宝钢工程技术集团有限公司 新近吹填淤泥地基处理方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3550392B2 (ja) * 2001-09-20 2004-08-04 有限会社 ニューテック研究▲しゃ▼ 地盤改良工法と地盤改良装置
JP6005455B2 (ja) * 2012-09-20 2016-10-12 株式会社安藤・間 繊維混入地盤改良体の造成方法及びこれに用いる造成管
JP7307650B2 (ja) * 2019-10-07 2023-07-12 学校法人早稲田大学 切削用組成物及びこれを用いた高圧噴射撹拌工法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102817348A (zh) * 2012-08-31 2012-12-12 宝钢工程技术集团有限公司 新近吹填淤泥地基处理方法
CN102817348B (zh) * 2012-08-31 2014-10-01 宝钢工程技术集团有限公司 新近吹填淤泥地基处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000054365A (ja) 2000-02-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006051865A1 (ja) 噴射攪拌工法および噴射攪拌装置
JP3264887B2 (ja) 高圧噴射攪拌混合地盤改良工法
US20010048854A1 (en) Apparatus and method for jet grouting
CN106351665A (zh) 砂卵石地层土压平衡矩形盾构顶掘渣土改良施工方法
CN201395793Y (zh) 长螺旋高压喷射注浆搅拌成桩装置
JP3317902B2 (ja) 高圧噴射地盤改良工法
JP4679705B2 (ja) 機械撹拌エアーセメントミルク混合圧送工法を施工する装置
JP5754882B2 (ja) 地盤改良工法
JP5875849B2 (ja) 噴射攪拌地盤改良工法
WO1992021825A1 (fr) Procede de construction permettant d'amender ou de renforcer un sol
JP2003286717A (ja) 高圧噴射注入地盤改良工法
JP3003538B2 (ja) 泥水固化壁の構築方法
JP2006336219A (ja) 地盤改良工法
JP2001172960A (ja) 地盤の改良または強化工法
JPH10338931A (ja) 高圧噴射攪拌工法用排泥処理方法
JP2021080789A (ja) 地盤の埋戻し方法及び撹拌翼
JP2879386B2 (ja) 地盤の改良または強化工法
JPS62141220A (ja) 地盤改良工法
JP3883266B2 (ja) 地盤改良工法
JP4046401B2 (ja) 地中アンカー工法
JP7444724B2 (ja) 地盤改良体の造成工法
JPH05255925A (ja) 地盤の改良または強化工法
JP2879385B2 (ja) 地盤の改良または強化工法
KR200228331Y1 (ko) 지반개량장치
JP2004150073A (ja) 高圧噴射撹拌工法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120614

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120614

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130614

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees