JP7444724B2 - 地盤改良体の造成工法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤改良体の造成工法に関する。
特許文献1には、高圧ジェットによる汚染土壌の地盤改良工法に関する技術が開示されている。この先行技術では、穿孔工程と噴射切削工程と流動化硬化材打設工程とからなる地盤改良は、第1ステージの地盤改良とその下方に位置する第2ステージ以下の工程とに分け、第1ステージの地盤改良はルーフ固結体として第2ステージ以下の固結体に先行して施工する。
特許文献2には、砂地盤の様な液状化を生じる恐れがある地盤やその他の地盤に基礎を造成する技術に関する技術が開示されている。この先行技術では、ボーリング孔を削孔する工程と、削孔されたボーリング孔に固化材噴射手段を挿入し、該固化材噴射手段から固化材を噴射して、改良体を地盤中に造成する改良体造成工程とを有し、固化材に弾性材料(例えば、ゴムチップ、発泡材、アスファルト)を均一に混合して地盤中に噴射する。液状化防止の場合には、改良体は安定領域(液状化しない領域)まで到達する様に造成する。
特許文献3には、車両が通行する道路や空港の滑走路などの既設構造物直下の地盤中に固結改良体を造成して、地盤を改良する既設構造物直下の地盤改良方法に関する技術が開示されている。この先行技術では、管ロッドを地表面から所定の深度まで挿入し、挿入後、管ロッドの先端から硬化材であるセメントミルクを地盤中に噴射して地盤と混合攪拌し、噴射したセメントミルクと地盤との混合攪拌を管ロッドを引き抜きながら行って地盤中に上方に向かって固結改良体を造成する工程と、前記工程において造成した固結改良体の上層部分又は固結改良体の上端より上の部分に、硬化材であるセメントミルクの硬化を促進する早強材を投入し、早強材によって硬化材の硬化を促進させる工程と、を有する。
特開2004-225443号公報 特開2008-031828号公報 特開2017-223099号公報
既存建物の底部の直下の地層には、経年変化によって、空洞が発生したり、水みちが発生したりすることがある。このように既存建物の底部の直下の地層に空洞や水みち等がある地盤に高圧噴射撹拌工法で地盤改良を行うと、例えば、排泥が空洞に進入したり、水みちからの地下水の供給によって排泥が希釈されその量が増加したりする虞がある。このような現象が起こると、排泥の地上への排出経路において、排泥の排出圧力が低下する虞がある。そして、排出経路で排泥の排出圧力が低下すると、地盤改良体を造成中に多量の地下水を誘引し、地盤改良体の強度の低下等を引き起こす虞がある。
本発明は、上記事実を鑑み、既存建物の底部の直下に地盤改良体を造成する際の排泥の排出圧力の低下を抑制又は防止することが目的である。
第一態様は、既存建物の底部から地盤に貫入したロッドを上下方向に移動させ且つ回転させながら固化成分を含む固化材を横方向に噴射し、所定深度から前記既存建物の底部まで上部改良体を造成する先工程と、前記先工程から所定時間後に、ロッドを上下方向に移動させ且つ回転させながら前記固化材を横方向に噴射し、設計改良深度から前記上部改良体まで下部改良体を造成する後工程と、を備えた地盤改良体の造成工法である。
第一態様の地盤改良体の造成工法では、先工程で既存建物の底部から地盤に貫入したロッドを上下方向に移動させ且つ回転させながら固化成分を含む固化材を横方向に噴射し、所定深度から既存建物の底部まで上部改良体を造成する。そして、先工程から所定時間後に、後工程を行い設計改良深度から上部改良体まで下部改良体を造成する。
このように、地盤の所定深度から既存建物の底部までを先行して上部改良体を造成して地盤改良することで、例えば、既存建物の底部の直下の地層の空洞や水みち等が閉塞される。これにより、下部改良体を造成する際の排泥の空洞への侵入や水みちからの地下水の供給が抑制又は防止され、排泥の地上への排出経路における排出圧力の低下が抑制又は防止される。
このように、排泥の地上への排出経路における排出圧力の低下が抑制又は防止されることで、地下水の誘引が抑制又は防止され、この結果、地盤改良体の強度の低下が抑制又は防止される。
第二態様は、前記所定深度は、下記式で求める、第二態様に記載の地盤改良体の造成工法である。
D=+α×L
D≧1.50m
α×L≧0.50
0.50≦α≦2.00
Dは、上部改良体の厚み(m)
dは、地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層の層厚(m)
第二態様の地盤改良体の造成工法では、地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層を確実に先行して上部改良体で地盤改良することで、この層への地下水の引き込みが抑制される。よって、この結果、排泥が希釈されて増加することによる排泥等の排出経路における排出圧力の低下が抑制又は防止される。
第三態様は、前記後工程で噴出する前記固化材は、前記先工程で噴出する前記固化材と比べ前記固化成分の濃度を同等又は高くする、第一態様又は第二態様に記載の地盤改良体の造成工法である。
第三態様の地盤改良体の造成工法では、後工程で噴出する固化材の固化成分の濃度を先工程で噴出する固化材と比べ同等又は高くする。これにより、後工程で下部改良体を造成する際に被圧水が引き込まれて排泥が希釈されても、濃度を高くしない場合よりも排泥の比重が高くなり、この結果、排出圧の低下が抑制又は防止される。
本発明によれば、既存建物の底部の直下に地盤改良体を造成する際の排泥の排出圧力の低下を抑制又は防止することができる。
本発明の一実施形態の地盤改良体の造成工法を用いて造成した地盤改良体の模式図である。 本発明の一実施形態の地盤改良体の造成工法の先工程の工程図である。 本発明の一実施形態の地盤改良体の造成工法の後工程の工程図である。 (A)は固化材K1の成分割合を示す表であり、(B)は固化材K2の成分割合を示す表である。 比較例の地盤改良体の造成工法を用いて造成中の地盤改良体の模式図である。
<実施形態>
本発明の一実施形態の地盤改良体の造成工法について説明する。
[構造]
まず、地盤改良体の構造等について説明する。
図1に示す既存建物30は、地盤Gに構築されている。既存建物30の地下躯体32は、地盤Gの地層S1に構築されている。この地下躯体32の底部34には、不陸36が存在する。
本実施形態の既存建物30の地下躯体32が構築されている地層S1は、粘土層で構成されている。また、地下躯体32の底部34の直下の地層S2及び地層S3は砂礫層であり、地層S3の下の地層S4は粘土層である。なお、地層S2は、地表から後述する所定深度T1までの経年脆弱層である。
既存建物30の地下躯体32の下には、地盤改良体100が造成されている。地盤改良体100は、円柱状とされ、既存建物30の地下躯体32の底部34の直下の地層S2、地層S3及び地層S4に造成されている。地盤改良体100の下端部102は、地層S4の設計改良深度T2に達している。
なお、判りやすくするために、地層S1と地層S2との境界位置と、既存建物30の地下躯体32の底部34とは一致して図示されているが、実際には両者の位置は一致していない場合が多い。また、既存建物30の地下躯体32に図示されている後述する貫入孔50は、最終的にはセメントミルク、セメント又はモルタル等の充填材が充填されて埋められる。
また、図1では、円柱状の地盤改良体100は、一ヶ所のみ造成されている。しかし、実際には、円柱状の地盤改良体100を連続して造成し、既存建物30の地下躯体32の底部34の直下全体を地盤改良している。
本実施形態における地盤改良体100は、地盤Gと高圧噴射された固化材K1、K2(図2及び図3参照)とを攪拌混合する高圧噴射攪拌工法によって造成される。なお、固化材K1及び固化材K2については後述する。
図2(A)に示す地盤改良体100(図1参照)を造成する地盤改良装置10は、装置本体12とロッド20とを有している。そして、地盤Gに削孔した貫入孔50に貫入したロッド20を上下方向に移動させ且つ軸回りに回転させながら、図2(B)等に示すように、ロッド先端部22から固化材K1又は固化材K2(図3参照)を横方向に噴射して地盤改良体100(図1参照)を造成する。
固化材K1、K2は、固化成分を含む流体である。なお、本実施形態の固化材K1、K2は、水と固化成分の一例としてのセメントとを練り混ぜてできたセメントミルクである。なお、固化材K1、K2は、セメントと水以外に、各種の混和剤等を含んでいてもよい。
ここで、固化材K2は、固化材K1よりも固化成分の濃度が高い。具体的には、固化材K1の主要成分の成分割合は図4(A)の表であり、固化材K2の主要成分の成分割合は図4(B)の表である。すなわち、図4(A)の固化材K1は練り上がりの1m当たりの標準配合であるW/Cは99%であり、固化材K2は練り上がりの1m当たりの標準配合であるW/Cは80%である。なお、W/Cは、水とセメントとの配合比である。また、この成分配合は、一例であって、これに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態の地盤改良体100は、上部改良体110と下部改良体120とで構成されている。上部改良体110は、所定深度T1から既存建物30の地下躯体32の底部34まで造成されている。下部改良体120は、粘土層である地層S4の設計改良深度T2から上部改良体110の下端部112まで造成されている。なお、上部改良体110の下端部112と下部改良体120の上端部122とは、重なっている。本実施形態では、その重なり幅(Δt)は、約0.50mであるが、これに限定されるものではない。
既存建物30の地下躯体32の底部34の直下の砂礫層の上層部分である地層S2は経年脆弱層である。地層S2、すなわち経年脆弱層は、地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層である。本実施形態では、地層S2は、経年変化によって空洞810及び水みち812(図5参照)等が発生した地層である。
ここで、既存建築基礎部は、建築から時間が経過することにより、何らかの水みちや緩んだ層が発生することがある。特に杭基礎の場合は、構造物が杭で支えられているため、地下躯体の沈下は生じにくいが、底部直下の地層は、経年変化に伴いわずかな沈下を生じる場合があり、空洞や水みちを発生しやすい。また、地下躯体の底部が地下水以深に存在する場合は、地下躯体の底部に沿って地下水が流れることにより細粒分が流され水みちが発生したり、周辺地山よりも地盤強度が低下したりすることがある。
上記により、上部改良体110の下端部112の改良面には不陸が生じ、改良径が大きくなると不陸の差も大きくなる。前述した上部構造体110と下部改良体120との重なり幅(Δt)は、上部改良体110と下部改良体120とを密着させるために必要な厚さである。また、地層S2(地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層)の層厚dは、柱状図、ボーリング調査及び後述する貫入孔50の削孔時の調査等で求めることができる。
本実施形態の地盤改良体100の上部改良体110の下端部112は、地層S2よりも「α×L(m)」下の所定深度T1に位置している。なお、「α×L(m)」については、後述する。
本実施形態では、上部改良体110は固化材K1(図2、図4(A)参照)を用いて造成され、下部改良体120は固化材K2(図3、図4(B)参照)を用いて造成されている。前述したように、本実施形態では、固化材としてセメントミルクを用いており、上部改良体110よりも下部改良体120の方がセメント成分の濃度が高い。
また、地盤改良体100の上部改良体110の厚みDは、下記式で求める。そして、この厚みDと、地表から既存建物30の地下躯体32の底部34までの深さと、から所定深度T1が求められる。
D=d+α×L
D≧1.50m
α×L≧0.50m
0.50≦α≦2.00
Dは、上部改良体110の厚み(m)
dは、経年脆弱層(地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層)である地層S2の層厚(m)
Lは、ロッド20(図2参照)から上部改良体110の外周部114までの距離の設計値(m)
Δtは、上部改良体110と下部改良体120の重なり厚さ(m)
なお、本実施形態では、α2.00は、dは0.83m、Lは1.50mである。
また、αは、被圧水圧による上部改良体110の健全性を考慮し、改良厚みをもとに設定する係数である。
[造成工法]
次に、地盤改良体100の造成方法の一例について説明する。
先ず図2(A)に示すように、既存建物30の地下躯体32及び地盤Gに貫入孔50を削孔する。貫入孔50は、所定深度T1まで削孔する。
図2(A)~図2(C)に示すように、貫入孔50に地盤改良装置10のロッド20を貫入し、ロッド20を上方向に移動させ且つ軸回りに回転させながら、ロッド先端部22から固化材K1を横方向に噴射して地盤改良体100の上部改良体110を造成する。上部改良体110は、既存建物30の地下躯体32の底部34まで造成する。なお、固化材K1は、前述のように、図4(A)の成分のものを使用する。
次に図3(A)に示すように、再度、貫入孔50を削孔する。貫入孔50は、設計改良深度T2まで削孔する。
図3(A)~図3(C)に示すように、貫入孔50に地盤改良装置10のロッド20を貫入し、ロッド20を上方向に移動させ且つ軸回りに回転させながら、ロッド先端部22から固化材K2を横方向に噴射して地盤改良体100の下部改良体120を造成する。下部改良体120は、上端部122が、上部改良体110の下端部112に0.50m重なるように造成する。なお、固化材K2は、前述のように図4(B)の成分のものを使用する。
ここで、図2に示す上部改良体110を造成し、所定時間が経過した後、本実施形態では、約24時間経過した後、図3に示す下部改良体120を造成する。なお、所定時間は、上部改良体110に所定の強度が発現する時間である。上部改良体110の所定の強度は、地山と同程度の100~300kN/m程度である。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、参考例の地盤改良体の造成工法について説明する。
図5に示すように、既存建物30の地下躯体32の底部34の直下の砂礫層の上層部分である地層S2は経年変化によって空洞810及び水みち812等が発生した経年脆弱層、すなわち地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層である。
比較例では、既存建物30の地下躯体32の底部34の直下の地層に空洞810及び水みち812等がある地盤Gに高圧噴射撹拌工法で設計改良深度T2から上側に向かって地盤改良体を行って地盤改良体900を造成する。
このとき、地上に排出されるはずの排泥Hが空洞810に進入したり、水みち812からの地下水の供給によって排泥Hが希釈されその量が増加したりする虞がある。このような現象が起こると、排泥Hの地上への排出経路である貫入孔50において、排泥Hの排出圧力が低下する虞がある。そして、貫入孔50の排泥Hの排出圧力が低下すると、地盤改良体900の造成中に多量の地下水を誘引し、地盤改良体900の強度の低下及び排泥Hの量の増加を引き起こす虞がある。
なお、排泥Hの量が増加すると、排泥Hのバキューム処理能力を超え、その結果、排泥Hの排出経路である貫入孔50の目詰まりを起こす虞がある。そして、貫入孔50の目詰まりを起こすと、排泥Hによって地盤改良体900の強度が低下する。
また、排泥Hの量が増加すると、排泥処分費が増加する。また、排泥貯留タンクの容量や運搬車両の台数は有限であるので、排泥Hの量が増加すると、地盤改良体900の造成と中断を繰り返すことになり、工程が長くなる虞がある。
また、砂礫層である地層S3では、想定を上回る被圧水814の引き込みや地層S2の落下による空隙の発生等が起こり、やはり排泥Hの地上への排出経路である貫入孔50において、排出圧力が低下する虞がある。
これに対して、本実施形態では、先工程(図2参照)で地盤Gの所定深度T1から既存建物30の地下躯体32の底部34までを先行して上部改良体110を造成して地盤改良することで、空洞810や水みち812等が閉塞される。
これにより、後工程(図3参照)で下部改良体120を造成する際の、排泥Hの空洞810への進入や水みち812からの地下水の供給が抑制又は防止される。よって、地下水の誘引によって排泥Hが希釈されて増加することによる貫入孔50における排泥Hの排出圧力の低下が抑制又は防止される。
このように、排泥Hの貫入孔50における排出圧力の低下が抑制又は防止されることで、下部改良体120を造成中の地下水の誘引が抑制又は防止され、この結果、地盤改良体100の強度の低下が抑制又は防止される。
また、所定深度T1まで先行して上部改良体110を造成することで、経年脆弱層である地層S2が確実に先行して地盤改良される。よって、経年脆弱層の緩み等による地下水の引き込みが抑制され、この結果、排泥Hが希釈されて増加することによる排泥Hの貫入孔50における排出圧力の低下が抑制又は防止される。
ここで、上部改良体110は、原理的には、経年脆弱層である地層S2のみ造成すればよい。しかし、実際には経年脆弱層である地層S2の境界は不明瞭であり、地層S2の「α×L(m)」程度下から上部改良体110を造成することが望ましい。また、地層S2の「α×L(m)」程度下から上部改良体110を造成することで、地下水の引き込み抑制効果が確実に発揮される。
また、上部改良体110の上下幅が薄すぎると、抑え効果が小さくなり、地下水の引き込み抑制効果が確実に発揮されない虞がある。よって、上部改良体110の上下幅であるDは、1.5m以上であることが望ましい。
また、後工程で下部改良体120を造成する際に固化成分の濃度が高い固化材K2で造成することで、砂礫層である地層S3での想定を上回る被圧水814の引き込みによって排泥Hが希釈されても、排泥Hの比重が高くなり、排出圧の低下が抑制又は防止され、この結果、地盤改良体100の強度の低下が抑制又は防止される。
ここで、先工程での上部改良体110の造成においても、排泥Hの空洞810への進入や水みち812から地下水が供給されたりする虞がある。しかし、上部改良体110は浅い深度から造成するため、上下幅も狭く、造成時間も短い。よって、排泥Hの空洞810への進入や水みち812からの地下水の供給の影響は限定的であり、排泥Hの排出圧力は殆ど低下しない、或いは低下したとしても低下幅は小さい。つまり、先工程での上部改良体110の造成における排泥Hの排出圧力の低下による影響は限定的である。
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では下部改良体120のみ固化成分の濃度が高い固化材K2で造成したが、これに限定されない。上部改良体110も固化材K2で造成してもよい。
また、例えば、地盤Gに貫入したロッド20の回転は、一方向の連続回転に特定されない。地盤Gに貫入したロッド20の回転は、一回転(360°)以下、例えば、1/4回転(90°)を往復回転させてもよい。なお、この場合、平面視で扇形状の地盤改良体100が造成される。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
20 ロッド
30 既存建物
34 底部
50 貫入孔
100 地盤改良体
110 上部改良体
112 下端部
114 外周部
120 下部改良体
122 上端部
G 地盤
K1 固化材
K2 固化材
T1 所定深度
T2 設計改良深度

Claims (3)

  1. 既存建物の底部から地盤に貫入したロッドを上下方向に移動させ且つ回転させながら固化成分を含む固化材を横方向に噴射し、前記既存建物の底部の直下にある経年脆弱層に対応した所定深度から前記既存建物の底部まで上部改良体を造成する先工程と、
    前記先工程から所定時間後に、前記上部改良体およびその直下の地盤を削孔し、設計改良深度にまで至る貫入孔を形成し、当該貫入孔に貫入したロッドを上下方向に移動させ且つ回転させながら前記固化材を横方向に噴射し、前記設計改良深度から前記上部改良体の下端部付近まで下部改良体を造成する後工程と、
    を備えた地盤改良体の造成工法。
  2. 前記上部改良体の厚みDは、下記式で求める、
    請求項1に記載の地盤改良体の造成工法。
    D=d+α×L
    D≧1.50m
    α×L≧0.50
    0.50≦α≦2.00
    Dは、上部改良体の厚み(m)
    dは、地盤の緩みが想定される層又は空洞及び水みちのいずれかの存在が内部に想定される層の層厚(m)
    Lは、前記ロッドから前記上部改良体の外周部までの距離の設計値(m)
  3. 前記後工程で噴出する前記固化材は、前記先工程で噴出する前記固化材と比べ前記固化成分の濃度を同等又は高くする、
    請求項1又は請求項2に記載の地盤改良体の造成工法。
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