JP2006336140A - ポリフェニレンスルフィド繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、加熱、溶融時の揮発性成分の発生量が少なく、強度等の物性および溶融紡糸性に優れた(すなわち繊維化後には揮発成分が少なく、高次加工工程での乾燥、熱プレスなどで装置汚れ、装置腐食が減少し、溶融紡糸時には、単位時間あたりの糸切れ回数が少なく、パック圧上昇が小さい)ポリフェニレンスルフィド繊維およびその製造方法を得ることを課題とするものである。
【解決手段】 紡糸可能な粘度のPPSを、比較的軽度に熱酸化処理することにより、分子量分布において重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときのMw/Mnが3.5以上4.0以下であり、かつ1−クロロナフタレンに溶解後の残査量が3.0重量%以下とした、加熱、溶融時の揮発性成分の発生量が減少し、溶融紡糸性に優れ、繊維化後の揮発成分の発生量が抑えられ、糸強度にも優れた、PPS繊維およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、糸強度に優れ、かつ加熱、溶融時の揮発性成分の発生量が少なく、繊維高次加工での乾燥、熱プレス機などの装置汚れや腐食を軽減出来るポリフェニレンスルフィド繊維、およびその繊維を製造するにあたり単位時間あたりの糸切れ回数が少なく、パック圧上昇の小さい溶融紡糸性に優れた製造方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)樹脂は優れた耐熱性、バリア性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有しており、射出成形、押出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品、フィルム、繊維などに使用されている。
しかし、PPS樹脂はその融点が高い故に、溶融加工温度や使用温度が高く、そのため揮発性成分が発生し易く、特にフラッシュ法PPSは揮発成分ガスの発生が顕著である。このため乾燥工程や溶融紡糸工程において、揮発性成分が乾燥機や紡糸口金の汚れを引き起こし、作業量の増大や糸切れの原因となる問題があり、その低減が強く望まれている。さらに、発生した一部の揮発成分は繊維中に残り、糸加工や布帛化、製品化等の繊維高次加工において乾燥、熱プレスなどの高温処理の工程で揮発して装置の汚れとなる。本発明は、特定の条件で熱酸化処理を行うことによって、かかる揮発性成分が大きく減少する事を見いだし、特に繊維化後の揮発成分減少や溶融紡糸性が大きく改善されたPPS繊維およびその製造方法を見いだしたものである。
PPS樹脂を熱酸化処理することは以前より行われている。例えば、ポリマー粘度が5000〜16000ポイズ(500〜1600Pa・s)(310℃、剪断速度200/秒)の範囲で、非ニュートニアン係数nが1.5〜2.1になるようにPPS樹脂にキュアリングを施し、これを溶融押し出しして得られる押出成形物が開示されている(特許文献1参照)。しかし、5000ポイズ以上ではメルトフローレイトに換算すると100以下となり、かかるPPS樹脂は溶融粘度が高すぎるために紡糸時の圧力が高くなりすぎ、溶融紡糸には不向きである。また該特許に開示されているPPS樹脂は熱酸化処理度合いも比較的大きく、熱酸化処理度合いが大きすぎると、溶融紡糸時にゲル化物がパックに詰まりやすく、パック圧の急激な上昇を招きやすい難点がある。また、開示されているPPS成型物は被覆電線であり一般的な繊維に関しては記載されていない。
酸化架橋前のメルトフローレイトが500以下のPPSをメルトフローレイトが100以下に到達するまで酸化架橋を施すPPSの硬化方法が開示されている(特許文献2参照)。しかし、メルトフローレイト値が100以下のPPSは溶融粘度が高すぎるために、上記特許文献1と同様に、溶融紡糸には不向きである。また、実施例に示されるような長時間の酸化処理を行うことは、架橋を促進してしまい製糸性不良を引き起こすばかりでなく、架橋ゲルの影響により紡糸パック圧力が時間と共に増大しパックライフが大幅に短くなってしまう問題がある。
一方、1分間に10℃の昇温速度で測定したときの示差熱分析計による結晶化温度が120℃未満であり、かつ融点が285℃以上であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維について開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、繊維化前後の揮発成分に関する記載はなく、また、分子量分布や溶解後の残査物についても言及されていない。
さらに、灰分が0.15%以下であり、結晶化温度が200℃以上であり、メルトフローレートが10〜200であることを特徴とするPPSモノフィラメントについて開示されている(特許文献4参照)。灰分を規定して屈曲摩耗性改善を目指すものであるが、揮発成分での汚れなどに関しては言及されていない。
特開昭63−207827号公報(特許請求の範囲) 特開平5−43692号公報(特許請求の範囲) 特開昭58−31112号公報(特許請求の範囲) 特開平4−65517号公報(特許請求の範囲)
本発明は、乾燥工程や紡糸工程での加熱、溶融時の揮発性成分の発生量が少なく、溶融紡糸時には単位時間あたりの糸切れ回数が少なく、またパック圧上昇が低いなど繊維製造時の問題を解消できるPPS繊維の製造方法、および、糸加工や布帛化、製品化等の繊維高次加工工程や使用時の乾燥、熱プレスなどの加熱環境下で装置汚れや、装置腐食が減少し、取り扱い性や作業性に優れたPPS繊維を提供することを課題とするものである。
そこで本発明者らは上記の課題を解決すべく検討した結果、紡糸可能な粘度のPPSを、比較的軽度に熱酸化処理することにより、上記した製造時の問題、および、また繊維化後の問題を解消できることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記より構成されるものである。
(1)ポリフェニレンスルフィドからなり、分子量分布において重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときのMw/Mnが3.5以上、4.0以下であり、かつ1−クロロナフタレンに溶解後の残査量が3.0重量%以下であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維
(2)繊維のメルトフローレートが100g/10分以上、500g/10分以下であることを特徴とする(1)記載のポリフェニレンスルフィド繊維
(3)繊維の色調を示すL*値が50以上、70以下であることを特徴とする(1)または(2)記載のポリフェニレンスルフィド繊維
(4)ポリフェニレンスルフィド樹脂にあらかじめ1時間以上、5時間以下の熱酸化処理を施しメルトフローレートを100g/10分以上、500g/10分以下とし、その後紡糸することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法
(5)熱酸化処理が1時間以上、5時間以下であることを特徴とする(4)記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法
(6)熱酸化処理が大気中160℃以上、260℃以下で行われることを特徴とする(4)または(5)記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法
本発明のPPS繊維は、糸加工や布帛化、製品化等の繊維高次加工工程、あるいは使用時における、乾燥、熱プレスなどの加熱環境下での装置汚れや、装置腐食を低減することができる取り扱い性や作業性に優れたものである。また、本発明のPPS繊維の製造方法により、乾燥工程や紡糸工程での加熱、溶融時の揮発性成分の発生量や糸切れ回数を少なくすることができ、また紡糸時のパック圧上昇が低くすることができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(1)PPS
本発明におけるPPS繊維は、下記構造式(I)で示される繰り返し単位を有する重合体からなり、
Figure 2006336140
耐熱性の観点からは上記構造式で示される繰り返し単位を含む重合体を70モル%以上、更には90モル%以上含む重合体が好ましい。また本発明のPPS繊維はその繰り返し単位の30モル%未満程度が、下記の構造を有する繰り返し単位等で構成されていてもよい。
Figure 2006336140
本発明におけるPPS繊維は、分子量分布においてZ平均分子量をMz、重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときの多分散度Mw/Mnが3.5以上、4.0以下である。より好ましいMw/Mnは3.5以上、3.8以下である。また、多分散度Mz/Mwは2.0以下であることが好ましい。ここで、Mw/Mnは低分子量側への広がりの指標となる多分散度であり、Mz/Mwは高分子量側への広がりの指標となる多分散度である。Mw/Mnが小さければ低分子量ポリマーが少なく、Mz/Mwが小さければ高分子量ポリマーが少ないことをあらわす。
一般的に多分散度Mw/Mnが3.5を下回るには、クエンチ法で重合されたPPSが必要となるが、クエンチ法はフラッシュ法PPSに比較して工程時間が長く、さらに洗浄や溶媒回収などの工程も複雑となってしまう。
また、一般的なフラッシュ法PPS繊維のMw/Mnは4.1程度であり、本発明のPPS繊維よりも低分子量への広がりが大きく、揮発性ガスが多くなるものである。
また、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量が3.0重量%以下である。PPSの架橋物は1−クロロナフタレンに溶解せず残査物として残る。このため、残査物は出来る限り少ない方が好ましいがPPSの特性上0%とすることは不可能であり、本発明者らが鋭意検討した結果。残査量が3.0重量%以下であれば糸強度および製糸性に影響を与えないことがわかった。
また、本発明のPPS繊維のメルトフローレートMFR(ASTM D−1238−70に準ずる。温度315.5℃、荷重5000gにて測定。単位g/10分)は100g/10分以上、500g/10分以下であることが好ましい。メルトフローレートが100g/10分以上にすると、紡糸温度を必要以上に高くする必要がなく、熱分解などの揮発成分の発生を押さえることが出来るばかりか、繊維の強度も高くなりやすい。また、500g・10分以下とすることにより、実用上必要な糸強度を保持することが可能である。より好ましいメルトフローレート範囲は110以上、400以下、さらに好ましくは120以上、250以下である。
本発明のPPS繊維は色調を示すL*値が50以上、70以下であることが好ましい。
ここでのL*値は単純な色評価だけでなく酸化架橋度の指標として用いることが出来る。一般的にPPS樹脂は熱酸化処理を施すと着色が起こりL*値が低下する、この低下度合いは酸化処理の深さにより変化し、酸化処理が浅ければL*値の低下度合いが小さく、酸化処理が深ければ低下度合いが大きい。本発明者らは、PPS酸化処理条件とPPS繊維のL*値の関係を検討し、L*値が上記範囲内であれば、強度、製糸性に影響なく、さらに揮発成分が酸化反応により繊維中に閉じこめられ、高次工程での揮発成分が減少することを見いだした。
L*値が50以上とすることにより過度の熱酸化処理を防ぐことが出来、ゲル化物の発生を抑制し、樹脂圧の上昇を押さえることが出来るばかりでなく、異物の減少により高強度化が可能となる。また、L*値が70以下とすることにより十分な酸化処理を施すことが出来揮発成分が酸化処理前に比べ大幅に減少し、装置汚れ減少、紡糸時の口金汚れ減少などにより製糸性が向上し、本発明の効果が発揮されやすい。
次に、上記本発明のPPS繊維の製造方法について詳細に説明するが、もちろん本発明で規定する要件を満足する限りPPS繊維の製造法は下記に限定されるものではない。
まず、PPS繊維の原料となるPPS樹脂の製造方法において使用するポリハロゲン芳香族化合物、スルフィド化剤、重合溶媒、分子量調節剤、重合助剤および重合安定剤の内容について一例を説明する。
[ポリハロゲン化芳香族化合物]
本発明で用いられるポリハロゲン化芳香族化合物とは、1分子中にハロゲン原子を2個以上有する化合物をいう。具体例としては、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジヨードベンゼン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼンなどのポリハロゲン化芳香族化合物が挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼンが用いられる。また、異なる2種以上のポリハロゲン化芳香族化合物を組み合わせて共重合体とすることも可能であるが、p−ジハロゲン化芳香族化合物を主要成分とすることが好ましい。
ポリハロゲン化芳香族化合物の使用量は、加工に適した粘度のPPS樹脂を得る点から、スルフィド化剤1モル当たり0.9〜2.0モル、好ましくは0.95〜1.5モル、更に好ましくは1.005〜1.2モルの範囲が例示できる。
[スルフィド化剤]
本発明で用いられるスルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物、および硫化水素が挙げられる。
アルカリ金属硫化物の具体例としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。
アルカリ金属水硫化物の具体例としては、例えば水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化リチウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも水硫化ナトリウムが好ましく用いられる。これらのアルカリ金属水硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。
また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物からアルカリ金属硫化物を調整し、これを重合槽に移して用いることができる。
あるいは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素から反応系においてin situで調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。また、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物と硫化水素からアルカリ金属硫化物を調整し、これを重合槽に移して用いることができる。
本発明において、仕込みスルフィド化剤の量は、脱水操作などにより重合反応開始前にスルフィド化剤の一部損失が生じる場合には、実際の仕込み量から当該損失分を差し引いた残存量を意味するものとする。
なお、スルフィド化剤と共に、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物を併用することも可能である。アルカリ金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を好ましいものとして挙げることができ、アルカリ土類金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
スルフィド化剤として、アルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいが、この使用量はアルカリ金属水硫化物1モルに対し0.95〜1.20モル、好ましくは1.00〜1.15モル、更に好ましくは1.005〜1.100モルの範囲が例示できる。
[重合溶媒]
本発明では重合溶媒として有機極性溶媒を用いる。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホキシドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらはいずれも反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでも、特にN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することもある)が好ましく用いられる。
有機極性溶媒の使用量は、スルフィド化剤1モル当たり2.0モル〜10モル、好ましくは2.25〜6.0モル、より好ましくは2.5〜5.5モルの範囲が選択される。
[分子量調節剤]
本発明においては、生成するPPS樹脂の末端を形成させるか、あるいは重合反応や分子量を調節するなどのために、モノハロゲン化合物(必ずしも芳香族化合物でなくともよい)を、上記ポリハロゲン化芳香族化合物と併用することができる。
[重合助剤]
本発明においては、比較的高重合度のPPS樹脂をより短時間で得るために重合助剤を用いることも好ましい態様の一つである。ここで重合助剤とは得られるポリアリーレンスルフィド樹脂の粘度を増大させる作用を有する物質を意味する。このような重合助剤の具体例としては、例えば有機カルボン酸塩、水、アルカリ金属塩化物、有機スルホン酸塩、硫酸アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ土類金属リン酸塩などが挙げられる。これらは単独であっても、また2種以上を同時に用いることもできる。なかでも、有機カルボン酸塩および/または水が好ましく用いられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩とは、一般式R(COOM)n (式中、Rは、炭素数1〜20を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基である。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選ばれるアルカリ金属である。nは1〜3の整数である。)で表される化合物である。アルカリ金属カルボン酸塩は、水和物、無水物または水溶液としても用いることができる。アルカリ金属カルボン酸塩の具体例としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、吉草酸リチウム、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、p−トルイル酸カリウム、およびそれらの混合物などを挙げることができる。
アルカリ金属カルボン酸塩は、有機酸と、水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属塩および重炭酸アルカリ金属塩よりなる群から選ばれる一種以上の化合物とを、ほぼ等化学当量ずつ添加して反応させることにより形成させてもよい。上記アルカリ金属カルボン酸塩の中で、リチウム塩は反応系への溶解性が高く助剤効果が大きいが高価であり、カリウム、ルビジウムおよびセシウム塩は反応系への溶解性が不十分であると思われるため、安価で、重合系への適度な溶解性を有する酢酸ナトリウムが最も好ましく用いられる。
これら重合助剤を用いる場合の使用量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常0.01〜0.7モルの範囲であり、より高い重合度を得る意味においては0.1〜0.6モルの範囲が好ましく、0.2〜0.5モルの範囲がより好ましい。
また水を重合助剤として用いることは、流動性と高靭性が高度にバランスした樹脂組成物を得る上で有効な手段の一つである。その場合の添加量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対し、通常0.5〜15モルの範囲であり、より高い重合度を得る意味においては0.6〜10モルの範囲が好ましく、1〜5モルの範囲がより好ましい。
これら重合助剤の添加時期には特に指定はなく、後述する前工程時、重合開始時、重合途中のいずれの時点で添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよいが、重合助剤としてアルカリ金属カルボン酸塩を用いる場合は前工程開始時或いは重合開始時に同時に添加することが添加が容易である点からより好ましい。また水を重合助剤として用いる場合は、ポリハロゲン化芳香族化合物を仕込んだ後、重合反応途中で添加することが効果的である。
[重合安定剤]
本発明においては、重合反応系を安定化し、副反応を防止するために、重合安定剤を用いることもできる。重合安定剤は、重合反応系の安定化に寄与し、望ましくない副反応を抑制する。副反応の一つの目安としては、チオフェノールの生成が挙げられ、重合安定剤の添加によりチオフェノールの生成を抑えることができる。重合安定剤の具体例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、およびアルカリ土類金属炭酸塩などの化合物が挙げられる。そのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましい。上述のアルカリ金属カルボン酸塩も重合安定剤として作用するので、本発明で使用する重合安定剤の一つに入る。また、スルフィド化剤としてアルカリ金属水硫化物を用いる場合には、アルカリ金属水酸化物を同時に使用することが特に好ましいことを前述したが、ここでスルフィド化剤に対して過剰となるアルカリ金属水酸化物も重合安定剤となり得る。
これら重合安定剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合安定剤は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対して、通常0.02〜0.2モル、好ましくは0.03〜0.1モル、より好ましくは0.04〜0.09モルの割合で使用することが好ましい。この割合が少ないと安定化効果が不十分であり、逆に多すぎても経済的に不利益であったり、ポリマー収率が低下する傾向となる。
重合安定剤の添加時期には特に指定はなく、後述する前工程時、重合開始時、重合途中のいずれの時点で添加してもよく、また複数回に分けて添加してもよいが、前工程開始時或いは重合開始時に同時に添加することが添加が容易である点からより好ましい。
次に、本発明に用いるPPS樹脂粉粒体の製造方法について、前工程、重合反応工程、回収工程、および後処理工程と、順を追って具体的に説明する。
[前工程]
本発明に用いるPPS樹脂粉粒体の製造方法において、スルフィド化剤は通常水和物の形で使用されるが、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加する前に、有機極性溶媒とスルフィド化剤を含む混合物を昇温し、過剰量の水を系外に除去することが好ましい。なお、この操作により水を除去し過ぎた場合には、不足分の水を添加して補充することが好ましい。
また、上述したように、スルフィド化剤として、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物から、反応系においてin situで、あるいは重合槽とは別の槽で調製されるアルカリ金属硫化物も用いることができる。この方法には特に制限はないが、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜150℃、好ましくは常温〜100℃の温度範囲で、有機極性溶媒にアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物を加え、常圧または減圧下、少なくとも150℃以上、好ましくは180〜260℃まで昇温し、水分を留去させる方法が挙げられる。この段階で重合助剤を加えてもよい。また、水分の留去を促進するために、トルエンなどを加えて反応を行ってもよい。
重合反応における、重合系内の水分量は、仕込みスルフィド化剤1モル当たり0.5〜10.0モルであることが好ましい。ここで重合系内の水分量とは重合系に仕込まれた水分量から重合系外に除去された水分量を差し引いた量である。また、仕込まれる水は、水、水溶液、結晶水などのいずれの形態であってもよい。
[重合反応工程]
本発明においては、有機極性溶媒中でスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物とを200℃以上290℃未満の温度範囲内で反応させることによりPPS樹脂粉粒体を製造する。
重合反応工程を開始するに際しては、望ましくは不活性ガス雰囲気下、常温〜220℃、好ましくは100〜220℃の温度範囲で、有機極性溶媒にスルフィド化剤とポリハロゲン化芳香族化合物を加える。この段階で重合助剤を加えてもよい。これらの原料の仕込み順序は、順不同であってもよく、同時であってもさしつかえない。
かかる混合物を通常200〜290℃の範囲に昇温する。昇温速度に特に制限はないが、通常0.01〜5℃/分の速度が選択され、0.1〜3℃/分の範囲がより好ましい。
一般に、最終的には250〜290℃の温度まで昇温し、その温度で通常0.25〜50時間、好ましくは0.5〜20時間反応させる。
最終温度に到達させる前の段階で、例えば200〜260℃で一定時間反応させた後、270〜290℃に昇温する方法は、より高い重合度を得る上で有効である。この際、200〜260℃での反応時間としては、通常0.25〜20時間の範囲が選択され、好ましくは0.25〜10時間の範囲が選択される。
なお、より高重合度のポリマーを得るためには、複数段階で重合を行うことが有効である。複数段階で重合を行う際は、245℃における系内のポリハロゲン化芳香族化合物の転化率が、40モル%以上、好ましくは60モル%に達した時点であることが有効である。
なお、ポリハロゲン化芳香族化合物(ここではPHAと略記)の転化率は、以下の式で算出した値である。PHA残存量は、通常、ガスクロマトグラフ法によって求めることができる。
(a)ポリハロゲン化芳香族化合物をアルカリ金属硫化物に対しモル比で過剰に添加した場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)−PHA過剰量(モル)〕
(b)上記(a)以外の場合
転化率=〔PHA仕込み量(モル)−PHA残存量(モル)〕/〔PHA仕込み量(モル)〕
[回収工程]
本発明で用いるPPS樹脂粉粒体の製造方法においては、重合終了後に、重合体、溶媒などを含む重合反応物から固形物を回収する。
本発明で用いるPPS樹脂粉粒体の最も好ましい回収方法は、急冷条件下に行うことであり、この回収方法の好ましい一つの方法としてはフラッシュ法が挙げられる。フラッシュ法とは、重合反応物を高温高圧(通常250℃以上、8kg/cm2 以上)の状態から常圧もしくは減圧の雰囲気中へフラッシュさせ、溶媒回収と同時に重合体を粉末状にして回収する方法であり、ここでいうフラッシュとは、重合反応物をノズルから噴出させることを意味する。フラッシュさせる雰囲気は、具体的には例えば常圧中の窒素または水蒸気が挙げられ、その温度は通常150〜250℃の範囲が選択される。
フラッシュ法は、溶媒回収と同時に固形物を回収することができ、また回収時間も比較的短くできることから、経済性に優れた回収方法である。この回収方法では、固化過程でNaに代表されるイオン性化合物や有機系低重合度物(オリゴマー)がポリマー中に取り込まれやすい傾向がある。
但し、本発明の回収法はフラッシュ法に限定されるものではない。本発明の要件を満たす方法であれば、徐冷して粒子状のポリマーを回収する方法を用いることもやぶさかではない。しかし、経済性、性能を鑑みた場合、本発明で用いるPPS樹脂はフラッシュ法で回収されたものを用いることがより好ましい。
[後処理工程]
本発明で用いられるPPS樹脂粉粒体は、上記重合、回収工程を経て生成した後、酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄を施されたものであってもよい。
酸処理を行う場合は次のとおりである。本発明でPPS樹脂粉粒体の酸処理に用いる酸は、PPS樹脂を分解する作用を有しないものであれば特に制限はなく、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸およびプロピル酸などが挙げられ、なかでも酢酸および塩酸がより好ましく用いられるが、硝酸のようなPPS樹脂を分解、劣化させるものは好ましくない。
酸処理の方法は、酸または酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。例えば、酢酸を用いる場合、PH4の水溶液を80〜200℃に加熱した中にPPS樹脂粉末を浸漬し、30分間撹拌することにより十分な効果が得られる。処理後のpHは4以上例えばpH4〜8程度となっても良い。酸処理を施されたPPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するため、水または温水で数回洗浄することが好ましい。洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸留水、脱イオン水であることが好ましい。
熱水処理を行う場合は次のとおりである。本発明において使用するPPS樹脂粉粒体を熱水処理するにあたり、熱水の温度を100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上、特に好ましくは170℃以上とすることが好ましい。
本発明の熱水洗浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。熱水処理の操作に特に制限は無く、所定量の水に所定量のPPS樹脂を投入し、圧力容器内で加熱、撹拌する方法、連続的に熱水処理を施す方法などにより行われる。PPS樹脂と水との割合は、水の多い方が好ましいが、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選択される。
また、処理の雰囲気は、末端基の分解は好ましくないので、これを回避するため不活性雰囲気下とすることが望ましい。さらに、この熱水処理操作を終えたPPS樹脂は、残留している成分を除去するため温水で数回洗浄するのが好ましい。
有機溶媒で洗浄する場合は次のとおりである。本発明でPPS樹脂粉粒体の洗浄に用いる有機溶媒は、PPS樹脂を分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホラスアミド、ピペラジノン類などの含窒素極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、スルホランなどのスルホキシド・スルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒およびベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒のうちでも、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなどの使用が特に好ましい、また、これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適宜撹拌または加熱することも可能である。
有機溶媒でPPS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。洗浄温度が高くなる程洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得られる。圧力容器中で、有機溶媒の沸点以上の温度で加圧下に洗浄することも可能である。また、洗浄時間についても特に制限はない。洗浄条件にもよるが、バッチ式洗浄の場合、通常5分間以上洗浄することにより十分な効果が得られる。また連続式で洗浄することも可能である。
これら酸処理、熱水処理または有機溶媒による洗浄は、これらを適宜組み合わせて行うことも可能である。
本発明の、ポリフェニレンスルフィド繊維を得るための製造方法は、上記ポリフェニレンスルフィド樹脂にあらかじめ酸素雰囲気下においての加熱および過酸化物などによる熱酸化処理を施した後に紡糸することが重要である。
このとき熱酸化処理は、あらかじめ揮発成分を飛ばすだけでなく、酸化反応により揮発成分を繊維中に閉じこめる働きをする。
また、溶融紡糸をするにあたり、PPS樹脂のメルトフローレートを100g/10分以上、500g/10分以下とする。PPS樹脂のメルトフローレートが100g/10分以上とすることにより粘度が抑制され、紡糸パックの圧力が抑えられることや、紡糸温度を低く出来ることにより、熱分解による揮発成分を抑制することが出来る。このことは、揮発成分減少を目的とした本発明の趣旨と一致する。また、PPS樹脂のメルトフローレートが500g/10分以下にすることで粘度の低下を防ぎ、強度などの一般物性を必要なレベルに保つことが出来る。好ましくは、120g/10分以上、300g/10分以下より好ましくは120g/10分以上、200g/10分以下である。
本発明のPPS繊維の製造方法において、熱酸化処理は1時間以上、5時間以下であることが好ましい。加熱処理時間が1時間以上とすることにより十分な酸化処理が行え揮発性分の発生が大幅に減少する。また、加熱処理時間が5時間以下とすることにより、酸化処理による架橋構造の発生を抑制し紡糸性、物性に悪影響をあたえる要因を減少することが出来る。より好ましくは1時間以上、3時間以下である。
さらに、熱酸化処理は大気中160℃以上、260℃以下で行われることが好ましい。さらに好ましくは、170℃以上、250℃以下、より好ましくは180℃以上、220℃以下である。
加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのが好ましい。
また熱酸化処理の前後に、熱酸化架橋を抑制し、揮発分除去を目的として乾式熱処理を行うことも可能である。その温度は130〜250℃が好ましく、160〜250℃の範囲がより好ましい。また、この場合の酸素濃度は5体積%未満、更には2体積%未満とすることが望ましい。乾式熱処理時間は、0.5〜50時間が好ましく、1〜20時間がより好ましく、1〜10時間がさらに好ましい。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均一に処理する場合は、回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
かくして得られたPPS樹脂は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質に優れ、溶融紡糸に好適に使用される。
なお本発明のPPS繊維は、紡糸前のPPS樹脂粉末の段階で本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂を10重量%以下添加することも可能である。例えば、柔軟性の高い熱可塑性樹脂を少量添加することにより柔軟性及び耐衝撃性を更に改良することが可能である。特に5重量%以下の添加が好ましく使用される。熱可塑性樹脂の具体例としては、エポキシ基含有オレフィン系共重合体、その他のオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。また、改質を目的として、以下のような化合物の添加が可能である。イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、その他、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、発泡剤などの通常の添加剤を配合することができる。上記化合物は何れも組成物全体の10重量%を以下好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下の添加がよい。
本発明において有機シランなどのカップリング剤を配合することで、強度を更に向上させることも可能である。上記有機シランの配合量はPPS樹脂粉粒体100重量部に対して、0.1〜3重量部であり、好ましくは0.5〜2.5重量部である。
本発明において、溶融紡糸に適用する前に、本発明のPPS樹脂粉粒体を一旦ペレタイズした後、常圧以下、好ましくは減圧下で、水分率が100ppm以下、より好ましくは50ppm以下となるように十分に乾燥してから溶融紡糸に適用する事が望ましい。特に減圧下で乾燥した後、用いることが望ましい。かかる減圧下での乾燥条件に特に制限はないが、通常130〜200℃の範囲で、1〜10時間行われる。
溶融紡糸方法においては、一般的に知られているプレッシャーメルター型、単軸・2軸エクストルーダー型紡糸機を用いて紡糸することが出来る。なお、紡糸工程では、増粘によるゲル化を防止するため、窒素雰囲気下、可能な限り低温で、しかも溶融するに十分な程度に加熱し、口金より吐出することが望ましい。一般的には加熱温度は290〜350℃の範囲で、口金は通常の溶融紡糸に使用するもの、例えば吐出孔径Dが0.15〜0.5mmφで、吐出孔深さLが0.2〜2.0mm程度のものが好ましく用いられる。
口金から吐出した糸条は、通常、紡出後に風速5〜100m/分のチムニー風により冷却され、集束剤として油剤を適量付与させて、巻き取ることにより得られる。引き取り速度に特に制限は無いが、通常500m/分〜7000m/分の範囲である。また、製造プロセスもUY(低速紡糸)もしくはPOY(高速紡糸)の状態で一旦巻き取り公知の延伸機を用いて延伸処理するUY−DT(延伸撚糸)、POY―DT方式、一旦巻き取ることなく紡糸延伸工程を連続して行うDSD(直接紡糸延伸)方式などのプロセスが適用出来る。また、POY―仮撚り工程やDT−仮撚り工程などの工程も適用することも可能である。
さらに、短繊維を製造する際には、必要に応じて、紡糸で得られた糸条を温水浴中、もしくは熱板上にて適正倍率にて延伸後、必要に応じてスタッフィングボックス型クリンパーにて捲縮を付与し、所定の温度にて弛緩熱処理を施し、次いで、油剤を付与後、所定の長さに繊維を切断し、短繊維を得ることが出来る。得られる糸の特性に特に制限は無いが、通常、単糸繊度0.5〜10.0dtex、強度は2.0cN/dtex以上、好ましくは3.0cN/dtex以上、より好ましくは3.1cN/dtex以上であり、強度の上限に特に制限はないが通常10.0cN/dtex以下、、伸度10〜100%、乾熱収縮率0〜20.0%、の繊維が得られる。
また本発明のPPS繊維の断面形状は特に限定されるものでは無く、通常の円形断面のみならず、△断面、Y字断面、□断面、十字断面、中空断面、C型断面、田型断面などいかなる異形断面も採用できる。
本発明で得られた繊維は、抄紙ドライヤーキャンバス、ネットコンベヤー、バグフィルター、モーター結束糸などの各種用途に好適に使用することができる。特に、これら製品の製造工程中に発生するPPS繊維中に含まれる揮発成分による工程の汚れや、腐食が減少し工程安定化に有効である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例において、材料特性については下記の方法により行った。
[メルトフローレート:MFR]測定温度315.5℃、5000g荷重とし、ASTM D1238−70に準ずる方法で測定した。
[L*値]スガ試験機社製SM−3 カラーコンピュ−ターを用い、金属板に繊維を下地の色がほぼ無視できる程度まで密に積層し均一に巻き付けL*値を測定した。
[糸強度および伸度]JIS L−1073(1965)に従い行った。
[分子量分布]ゲル浸透クロマトグラフ(GPC220)を用い210℃の1−クロロナフタレンに溶解し測定を行った。
[溶解性]200℃の1−クロロナフタレンに溶解した後濾過を行い残査量を測定した。
[熱減量]示差熱熱天秤・質量同時測定装置(Seiko Instruments Inc.製 EXSTAR6000、TG/DTA6200)を用いサンプル重量5〜10mgの範囲でN2下室温から400℃まで3℃/分で昇温し、熱減量を測定した。
[参考例1]PPS−1の調製
撹拌機および底に弁のついたオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム水溶液8267g(70.00モル)、96%水酸化ナトリウム2925g(70.20モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)13860.00g(140.00モル)、酢酸ナトリウム2187g(26.67モル)、及びイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら240℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14740gおよびNMP280.0gを留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.08モルであった。また、硫化水素の飛散量は仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.023モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)10250g(69.76モル)、NMP6452g(65.17モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、200℃から250℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、250℃で70分保持した。次いで、250℃から278℃まで0.8℃/分の速度で昇温し、278℃で78分保持した。オートクレーブ底部の抜き出しバルブを開放し、窒素で加圧しながら内容物を攪拌機付き容器に15分かけてフラッシュし、250℃でしばらく撹拌して大半のNMPを除去した。
得られた固形物およびイオン交換水76リットルを撹拌機付きオートクレーブに入れ、70℃で30分洗浄した後、ガラスフィルターで吸引濾過した。次いで70℃に加熱した76リットルのイオン交換水をガラスフィルターに注ぎ込み、吸引濾過してケークを得た。
得られたケークおよびイオン交換水90リットルを、撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後オートクレーブを冷却して内容物を取り出した。
内容物をガラスフィルターで吸引濾過した後、これに70℃のイオン交換水76リットルを注ぎ込み吸引濾過してケークを得た。得られたケークを窒素気流下、120℃で乾燥することにより、乾燥PPSを得た。
得られたPPS−1は、MFRが198g/10分であった。
[参考例2]PPS−2の調製
96%水酸化ナトリウムの仕込量を2943g(70.63モル)、酢酸ナトリウムの仕込量を1856g(22.64モル)、p−DCBの仕込量を10480g(71.28モル)とした以外は、参考例1と同様にして行った。
得られたPPS−2は、MFRが642g/10分であった。
[参考例3]PPS−3の調製
p−DCBの仕込量を10320g(70.24モル)とした以外は、参考例1と同様にして行った。
得られたPPS−3は、MFRが298g/10分であった。
[参考例4]PPS―4の調整
オートクレーブに、47%水硫化ナトリウム9.44kg(80モル)、96%水酸化ナトリウム3.43kg(82.4モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)13.0kg(131モル)、酢酸ナトリウム2.86kg(34.9モル)、及びイオン交換水12kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら235℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水17.0kgおよびNMP0.3kg(3.23モル)を留出したのち、反応容器を160℃に冷却した。硫化水素の飛散量は2モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)11.5kg(78.4モル)、1,2,4−トリクロロベンゼン 0.007kg(0.04モル)、NMP22.2kg(223モル)を追添加し、反応容器を窒素ガス下に密封し、400rpmで撹拌しながら、200℃から270℃まで0.6℃/分の速度で昇温した。
270℃で30分経過後、水1.11kg(61.6モル)を10分かけて系内に注入し、270℃で更に反応を75分間継続した。その後、水1.60kg(88.8モル)を系内に再度注入し、240℃まで冷却した後、210℃まで 0.4℃/分の速度で冷却し、その後室温近傍まで急冷した。NMPの使用量は、スルフィド化剤1モルに対し、4.5モルであった。
内容物を取り出し、32リットルのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別した。得られた粒子を再度NMP38リットルで85℃で洗浄した。その後67リットルの温水で5回洗浄、濾別し、PPSポリマー粒子を得た。これを、60℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥した。得られたPPS−4はMFR169がg/10分であった。
実施例1
PPS−1を200℃でメルトフローレイトが152g/10分になるまで大気中で2.5時間の熱酸化処理を行った。得られたPPS粉粒体を、日本製鋼所社製TEX30型2軸ベント付き押出機で、シリンダー設定温度を290℃に設定し、160rpmのスクリュー回転にて溶融混練し、ストランドカッターによりペレット化した。その後、165℃で5時間真空乾燥を行った後、該ポリマーを用いて、公知の溶融紡糸設備を用い、紡糸温度320℃、吐出量46.1g/分、引取速度1000m/分にて巻き取り、461dtex、72フィラメントの未延伸糸を得た。この未延伸糸を、延伸倍率3.2倍、第1ホットローラー温度90℃、第2ホットローラー温度150℃の延伸機で延伸をおこない144dtex、72フィラメントの延伸糸を得た。紡糸時の糸切れ頻度は10時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は2%、糸強度4.2cN/dtex、糸伸度35%、L*値55.3であった。この繊維の分子量分布を測定したところMw/Mn=3.83、Mz/Mw=1.93であり、繊維のメルトフローレートは164g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は1.5wt%、さらに揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.2%であった。
実施例2
PPS−1を200℃でメルトフローレートが161g/10分になるまで大気中で1.5時間の熱酸化処理を行った。実施例1と同様にペレタイズ、乾燥、紡糸、評価を行った。紡糸時の糸切れ頻度は9時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は5%、糸強度4.5cN/dtex、糸伸度37%、L*値60.2であった。この繊維の分子量分布を測定したところMw/Mn=3.93、Mz/Mw=1.92であり、繊維のメルトフローレートは173g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は1.2wt%、さらに揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.2%であった。
実施例3
PPS−3を200℃でメルトフローレートが231g/10分になるまで大気中で4時間の熱酸化処理を行った。実施例1と同様にペレタイズ、乾燥、紡糸、評価を行った。紡糸時の糸切れ頻度は10時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は4%、糸強度3.8cN/dtex、糸伸度42%、L*値53.4であった。この繊維の分子量分布を測定したところMw/Mn=3.73、Mz/Mw=1.97であり、繊維のメルトフローレートは256g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は1.8wt%、揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.2%であった。
比較例1
PPS−1を用い、熱酸化処理を施さなかった以外は、実施例1と同様にペレタイズ、乾燥、紡糸、評価を実施した。紡糸時の糸切れ頻度は1時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は50%、糸強度2.8cN/dtex、糸伸度32%、L*値75.3であった。この繊維の分量分布を測定したところMw/Mn=4.13、Mz/Mw=2.08であり、繊維のメルトフローレートは221g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は1.2wt%、揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は1.2%であった。
比較例2
PPS−1を220℃でメルトフローレートが60g/10分になるまで大気中で15時間の熱酸化処理を行った。実施例1と同様にペレタイズ、乾燥、紡糸、評価を行った。紡糸時の糸切れ頻度は4時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は10%、糸強度3.2cN/dtex、糸伸度28%、L*値47.3であった。この繊維の分量分布を測定したところMw/Mn=3.72、Mz/Mw=2.12であり、繊維のメルトフローレートは83g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は4.2wt%、揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.5%であった。
比較例3
PPS―2を220℃でメルトフローレートが190g/10分になるまで大気中で13時間の熱酸化処理を行った。その後、実施例1と同様にペレタイズ、乾燥、紡糸、評価を行った。紡糸時の糸切れ頻度は3時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は25%、糸強度3.8cN/dtex、糸伸度35%、L*値52.2であった。この繊維の分子量分布を測定したところMw/Mn=3.90、Mz/Mw=1.87であり、繊維のメルトフローレートは203g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は8.8wt%、さらに揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.5%であった。
比較例4
PPS−4を実施例1と同様にペレタイズ乾燥、紡糸、評価を行った。紡糸時の糸切れ頻度は8時間/1回、初期樹指圧に対する10時間紡糸後の樹脂内圧上昇率は2%、糸強度4.5cN/dtex、糸伸度37%、L*値79.5であった。この繊維の分量分布を測定したところMw/Mn=3.33、Mz/Mw=1.97であり、繊維のメルトフローレートは175g/10分、1−クロロナフタレンに溶解後の残査量は1.8wt%、揮発成分を定量化するためTG−DTAにて320℃までの減量を確認したところ減量率は0.8%であった。
Figure 2006336140

Claims (6)

  1. ポリフェニレンスルフィドからなり、分子量分布において重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときのMw/Mnが3.5以上、4.0以下であり、かつ1−クロロナフタレンに溶解後の残査量が3.0重量%以下であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維。
  2. 繊維のメルトフローレートが100g/10分以上、500g/10分以下であることを特徴とする請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維。
  3. 繊維の色調を示すL*値が50以上、70以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド繊維。
  4. ポリフェニレンスルフィド樹脂にあらかじめ熱酸化処理を施し、メルトフローレートを100g/10分以上、500g/10分以下とし、その後紡糸することを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
  5. 熱酸化処理が1時間以上、5時間以下であることを特徴とする請求項4記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
  6. 熱酸化処理が大気中160℃以上、260℃以下で行われることを特徴とする請求項4または5記載のポリフェニレンスルフィド繊維の製造方法。
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