JP2006335797A - エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、その硬化物、新規エポキシ樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた難燃性及び成形性を有するエポキシ樹脂硬化物の提供。
【解決手段】式(1)
Figure 2006335797

(Xは芳香環、Arはベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基、nは2〜4、Gはグリシジル基。)で表わされる構造単位を有するエポキシ樹脂、及び硬化剤との組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は得られる硬化物の難燃性や成形性に優れ、半導体封止材、プリント回路基板、塗料、注型用途等に好適に用いる事が出来るエポキシ樹脂組成物、その硬化物、該エポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂として有用な新規エポキシ樹脂、及びその製造方法に関する。
エポキシ樹脂は、塗料、接着剤、成形材料、フォトレジスト原料などに有用な化合物である。特にエレクトロニクス材料分野においては、その硬化物の優れた耐熱性、耐湿性、電気特性などが高く評価されて、半導体封止材やプリント回路基板等の分野で幅広く用いられている。例えば、半導体封止材料においては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂と難燃性を付与するために臭素化エポキシ樹脂の組み合わせが広く用いられている。
ところで最近のエレクトロニクス分野や高機能塗料分野などでは、難燃性を付与するために臭素等のハロゲン系難燃剤がアンチモン化合物とともに配合されている。しかし、近年の環境・安全への取り組みのなかで、ダイオキシン発生が懸念されるハロゲン系難燃剤を用いず、且つ発ガン性が疑われているアンチモン化合物を用いない環境・安全対応型の難燃化方法の開発が強く要求されている。また半導体封止材料の非ハロゲン化は半導体装置の高温放置信頼性の改良にも大きく貢献する技術と期待されている。一方で、半導体分野における高度化した実装方式に対応するためには、成形性に優れることも必要である。
それらの要求に対応するための手段として、例えば、アラルキル骨格を含有するエポキシ樹脂が多く提案されてきた。
例えば、下記一般式(I)
Figure 2006335797
(式中、Aは炭素数1〜6のアルキル基が置換していても良いベンゼン環又はナフタレン環を示し、Bは芳香族環を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Gはグリシジル基を示す。)
で表される構造単位を有する芳香族環変性フェノールアラルキル型エポキシ樹脂が、耐湿性、耐熱性、耐衝撃性等の技術課題を解決するものとして開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは一般的なフェノールアラルキル型エポキシ樹脂と異なり、フェノール類と芳香族系架橋剤とを反応させる際に、芳香族環含有化合物類を反応系に加えて得られる変性フェノールアラルキル樹脂をグリシジル化して得られるエポキシ樹脂の1種であり、一般的なフェノールアラルキル型エポキシ樹脂と比較して、芳香族性が上がり、エポキシ樹脂硬化物の難燃性の改良効果が認められるが、それでも要求レベルを十分満足できるレベルには至っていないばかりか、エポキシ当量が高いために架橋密度が低く、成形性(成形時の硬度)に劣るものであった。
また下記一般式(II)
Figure 2006335797
(式中、Rはメチル基またはエチル基を表し、Xは水素原子またはメチル基を表す。また、nは0〜3の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。但し、n=0の化合物の含有率は10%以下である。)
で表されるメトキシ基変性フェノールノボラック樹脂が、耐湿性と耐衝撃性の技術課題を解決するものとして開示されている(例えば、特許文献2参照。)。該樹脂の水酸基当量は一般的なフェノールノボラック樹脂と比較して高まるために、得られる硬化物の耐湿性と耐衝撃性の改良効果は認められるものの、難燃性と成形性を満足できるレベルにまで改良するものではなく、更なる改良が求められている。また、上記のメトキシ基変性フェノールノボラック樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドとの反応で得られるノボラック前駆体(ジメチロール化物)の段階で、フェノール水酸基をジメチル硫酸やハロゲン化アルキル等を用いてアルコキシ基化して得られるものであり、アニソール等のアルコキシ基含有芳香族系化合物を出発原料として用いたものではない。これは、フェノール性水酸基をアルコキシ化して得られるアルコキシ基が、フェノール性水酸基の保護技術として広く用いられている様に、一般的には、強酸性環境下では容易に分解することが知られていることによる。つまり、芳香族性ヒドロキシ化合物類の多核体化反応に、アルコキシ基含有芳香族系化合物を出発原料として使用すれば、反応中に容易に分解することが懸念され、それを該反応系で共重合させようといった発想は、通常、当業者は持ちえず、メトキシ基変性フェノールノボラック樹脂の出発原料としてアルコキシ基含有芳香族系化合物が、一切、具体的に記載されていない技術的背景である。
特開平8−301980号公報 特開2004−10700号公報
上記実状を鑑み、本発明の課題は、優れた難燃性及び成形性を硬化物に付与可能なエポキシ樹脂を開発し、上記課題を解決できるエポキシ樹脂組成物とその硬化物を提供することであり、また製造方法に関しては、該エポキシ樹脂を効率よく製造できる方法を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決するため、前記の特性に優れるエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、下記特定の構造を有するエポキシ樹脂が前記課題を解決することを見出し、更に、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物とアルコキシ基含有芳香族系化合物と芳香族系架橋剤とを用いて反応を行うと、該アルコキシ基が分解することなく、分子中に効率よく導入された多価ヒドロキシ化合物が得られ、これをグリシジル化することにより容易にエポキシ樹脂が得られる事を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、1分子中に下記一般式(1)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂と硬化剤とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びその硬化物を提供するものである。
更に、本発明は、1分子中に下記一般式(1)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有し、エポキシ当量が160〜275g/eq.の範囲であり、且つICI粘度計で測定した150℃における溶融粘度が0.3〜5.0dPa・sの範囲にあることを特徴とする新規エポキシ樹脂を提供するものである。
更に、本発明は、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物とアルコキシ基含有芳香族系化合物と芳香族系架橋剤とを反応させて多価ヒドロキシ化合物を得た後、該化合物とエピハロヒドリン類と反応させてエポキシ樹脂を得ることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法をも提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂を用いて得られる硬化物は、本実施例から判るように、従来のエポキシ樹脂を用いたときと比較して、飛躍的に得られる硬化物の難燃性と成形性を向上させる事が出来る。従って、該エポキシ樹脂を用いることによって、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても高度な難燃性が発現できる環境に安心なエポキシ樹脂材料を得ることができるとともに、高い生産性を実現できる。また、該エポキシ樹脂は、本発明の製造方法にて容易に効率よく製造する事が出来、目的とする前述の性能のレベルに応じて、詳細な分子設計が可能となり、難燃性を有する硬化物を与えるエポキシビニルエステル樹脂の原料等としても有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂(A)は、1分子中に下記一般式(1)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有するものである。
前記一般式(1)中のXとしては、原料の工業的入手が容易である点、及び得られる硬化物の難燃性と成形性に優れる点から、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環である事が好ましい。また、前記一般式(2)中のRとしては、得られる硬化物の難燃性に優れる点からメチル基である事が好ましく、同様にXとしては原料の工業的入手が容易である点、及び得られる硬化物の難燃性と成形性に優れる点から、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環である事が好ましい。
また、前記エポキシ樹脂(A)中の前記一般式(1)における下記一般式(3)
Figure 2006335797
(式中、X、n、Gは前記と同じである。)
で表される構造単位と、前記一般式(2)における下記一般式(4)
Figure 2006335797
(式中、X、R、mは前記と同じである。)
で表される構造単位とのモル比率が前者/後者=30/70〜98/2の範囲であることが、得られる硬化物の難燃性が一層優れるものになり、好ましいものである。
また該エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量としては、160〜270g/eq.の範囲のものが、一層、難燃性が優れる上で好ましい。さらにはICI粘度計で測定した150℃における溶融粘度が0.3〜5.0dPa・sの範囲であるのものが、成形時の流動性に優れる点で好ましい。
従って、前記エポキシ樹脂(A)として好ましいものは、本発明のエポキシ樹脂である、1分子中に下記一般式(1)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有し、エポキシ当量が160〜275g/eq.の範囲であり、且つICI粘度計で測定した150℃における溶融粘度が0.3〜5.0dPa・sの範囲であるエポキシ樹脂である。
前記一般式(1)の具体例としては、下記構造式にて表されるものを挙げる事が出来るが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006335797
Figure 2006335797
また前記一般式(2)の具体例としては、下記構造式にて表されるものを挙げる事が出来るが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006335797
前記エポキシ樹脂(A)の製造方法としては特に限定されるものではないが、本発明の下記に詳述する本発明の製造方法によって、容易に得る事が出来る。
以下、本発明の製造方法について述べる。
本発明の製造方法は、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを反応させて得られる多価ヒドロキシ化合物(a)とエピハロヒドリン類とを反応させてエポキシ樹脂を得ることを特徴とする。
特に2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)が下記一般式(7)で表される化合物であり、アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)が下記一般式(8)で表される化合物であり、且つ、芳香族系架橋剤(a3)が架橋反応した後に下記一般式(9)で表される構造になる化合物を用いることが好ましい。
Figure 2006335797
(式中、X、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは2〜4であり、mは1又は2である。)
前記ヒドロキシ基含有芳香族系化合物(a1)としては、1分子中に2〜4個の芳香族性ヒドロキシ基を有する芳香族系化合物であれば全てのものが使用でき、例えば、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノンなどの無置換ジフェノール類;フロログリシノールなどの無置換トリフェノール類;モノメチルハイドロキノン、4−エチルレゾルシノール、ジメチルハイドロキノン、ジメチルレゾルシノールなどの置換ジフェノール類;1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどの無置換ジナフトール類;1,6−ジヒドロキシ−7−メチルナフタレンなどの置換ジナフトール類等が例示できるが、これらに限定されるものではない。またこれらの中から2種類以上を混合して使用することもできる。これらのなかでも、得られる硬化物の難燃性に特に優れる観点から、無置換ジフェノール類、無置換ジナフトール類が好ましい。
前記アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)としては、1分子中に1個以上のアルコキシ基を有する芳香族系化合物であれば全てのものが使用でき、例えば、アニソール、エトキシベンゼンなどのモノアルコキシベンゼン類、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1,4−ジエトキシベンゼン、1−メトキシ−2−イソプロポキシベンゼンなどのジアルコキシベンゼン類、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレンなどのモノアルコキシナフタレン類、1,4−ジメトキシナフタレン、2,6−ジメトキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレンなどのジアルコキシナフタレン類、1−メトキシ−4−プロピルベンゼン、1−メトキシプロピニルベンゼン、1−(4−メトキシフェニル)−1−プロパン、1−プロピル−2−メトキシ−4−メチルベンゼンなど置換アルコキシベンゼン類、1,2−メチレンジオキシベンゼン、アニスアルデヒド等が例示できるが、これらに限定されるものではない。またこれらの中から2種類以上を混合して使用することもできる。これらのなかでも、得られる硬化物の難燃性に特に優れる観点から、置換基を有していてもよいメトキシベンゼン類、置換基を有していてもよいジメトキシベンゼン類、置換基を有していてもよいメトキシナフタレン類、置換基を有していてもよいジメトキシナフタレン類を用いる事が好ましく、アニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレンが特に好ましい。また誘電特性、成形性に特に優れる硬化物が得られるという観点からは、アニソール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1−メトキシ−4−プロピルベンゼンが特に好ましい。
芳香族系架橋剤(a3)としては、前記化合物(a1)と前記化合物(a2)とを架橋できる構造を有する芳香族系化合物であればなんら制限されるものではないが、下記一般式(10)、(11)、(12)で示されるものが好ましい。
Figure 2006335797
(式中、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rはハロゲン原子であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。)
前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、1,2−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,4−ジ(フルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)−4,6−ジメチルベンゼン、1,3−ジ(クロロメチル)−2,4−ジメチルベンゼン、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、2,3’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(クロロメチル)ジフェニルエーテル、2,7−ジ(クロロメチル)ナフタレン等が挙げられ、前記一般式(11)としては、例えば、p−キシリレングリコール、m−キシレングリコール、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、4,4’−ビス(ジメチロール)ビフェニル、2,4’−ビス(ジメチロール)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ビフェニル、2,4’−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ビフェニル、1,4’−ジ(メトキシメチル)ベンゼン、1,4’−ジ(エトキシメチル)ベンゼン、1,4’−ジ(イソプロポキシ)ベンゼン、1,4’−ジ(ブトキシ)ベンゼン、1,3’−ジ(メトキシメチル)ベンゼン、1,3’−ジ(エトキシメチル)ベンゼン、1,3’−ジ(イソプロポキシ)ベンゼン、1,3’−ジ(ブトキシ)ベンゼン、1,4−ジ(2−メトキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−エチル)ベンゼン、1,4−ジ(2−エトキシ−2−エチル)ベンゼン、4,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,2’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、2,3’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,3’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、3,4’−ビス(メトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(エトキシメチル)ビフェニル、2,4’−ビス(エトキシメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(イソプロポキシ)メチルビフェニル、2,4’−ビス(イソプロポキシ)メチルビフェニル、ビス(1−メトキシ−1−エチル)ビフェニル、ビス(1−メトキシ−1−エチル)ビフェニル、ビス(1−イソプロポキシ−1−エチル)ビフェニル、ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ビフェニル、ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ビフェニル、ビス(2−イソプロポキシ−2−プロピル)ビフェニル等が挙げられ、前記一般式(12)としては、例えば、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、4,4’−ビス(ビニル)ビフェニルなどのビス(ビニル)ビフェニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この反応条件に関して詳述する。2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを、適当な重合触媒の存在下で加熱撹拌することによって、多価ヒドロキシ化合物(a)を得ることができる。この重合触媒としては、特に限定されるものではないが、酸触媒が好ましい。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。その使用量は仕込み原料の総重量に対して、0.1〜5重量%の範囲が好ましい。
前記2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)との反応仕込み比率としては、特に限定されないが、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)とのモル比(a1)/(a2)が30/70〜98/2であり、且つ、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a3)のモル数との比{(a1)+(a2)}/(a3)が51/49〜97/3であることが好ましい。この条件を満足することによって、一層、難燃性と成形性等に優れた硬化物を得ることができる。
この反応を行う際には、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤の具体例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機溶剤の使用量としては仕込み原料の総重量に対して通常10〜500重量%、好ましくは30〜250重量%である。また反応温度としては通常40〜250℃であり、100〜200℃の範囲がより好ましい。また反応時間としては通常1〜10時間である。
また芳香族系架橋剤(a3)として前記一般式(10)で表される化合物を用いた場合には、反応は縮合反応系になり、反応の進行に伴って塩酸等のハロゲン化水素ガスが発生するので、速やかに系外に排出して、アルカリ処理等で系外トラップすることが好ましい。また前記一般式(11)で表される化合物を用いた場合も縮合系になり、反応の進行に伴って、水やメタノール等が発生するので、速やかに系外に排出することは、反応速度を速める上で好ましい。また前記一般式(12)で表される化合物を用いた場合は、付加反応系になるので、特に副生物の処理は不要である。
また得られる該多価ヒドロキシ化合物(a)の着色が大きい場合は、それを抑制するために、酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。前記酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物や2価のイオウ系化合物や3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などを挙げることができる。前記還元剤としては特に限定されないが、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれら塩や亜鉛などが挙げられる。
反応終了後、反応混合物のpH値が3〜7、好ましくは4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよい。例えば酸触媒を用いた場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリン等の塩基性物質を中和剤として用いることができる。中和の際には、事前にリン酸等のバッファーを入れておいても良いし、また、一旦塩基サイドにしたのちシュウ酸などでpH値が3〜7としてもよい。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で、主に2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)を含む未反応原料や有機溶剤、副生物を留去し生成物の濃縮を行い、目的の多価ヒドロキシ化合物(a)を得ることが出来る。ここで回収した未反応原料は再利用することもできる。反応終了後の処理操作のなかに、精密濾過工程を導入すると、無機塩や異物類を精製除去することができるのでより好ましい方法である。
また上記の様に、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを実質的に同時に仕込んで反応を行っても良く、また、アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)1モルに対して、2〜30モルの芳香族系架橋剤(a3)を反応させ、アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)を実質的に完全に反応させて消費した後に、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)を仕込んで反応させる方法も採用できる。後者の方法によると、該多価ヒドロキシ化合物の構造を、交互共重合体化することができ、より効率的にアルコキシ基を分子構造中に導入することが可能になる。尚、ここで言う実質的に同時という意味は、加熱によって反応が加速されるまでの間に全ての原料を仕込むという意味であり、また、実質的に完全に反応させるという意味は、定量的にアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)が消失しているということではなく、過剰の芳香族系架橋剤(a3)を用いて、十分な反応時間、反応温度をかけていることを意味するものである。
上記で得られた多価ヒドロキシ化合物(a)を原料として用いて、エピハロヒドリン類と反応させることにより、本発明のエポキシ樹脂を得ることができる。その方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、多価ヒドロキシ化合物(a)中のフェノール性水酸基1モルに対し、エピハロヒドリン類2〜10モルを添加し、更に、フェノール性水酸基1モルに対し0.9〜2.0モルの塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリン類は反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際は、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが好ましい。この時、使用するエピハロヒドリン類は特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。また、塩基性触媒も特に限定されないが、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55重量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜二種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリン類や併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂に対して0.1〜3.0重量%の範囲が好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより高純度のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)は単独で、又は本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂と併用して用いることができる。併用する場合には、エポキシ樹脂全体に占める前記エポキシ樹脂(A)の割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)と併用されうる他のエポキシ樹脂としては、特に制限されるものではなく、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでもフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂や、特開2003−201333号に記載のキサンテン型エポキシ樹脂が、難燃性や成形性、誘電特性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤(B)としては、特に限定されるものではなく、前記エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化反応することができるものであれば、種々のアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの硬化剤がいずれも用いることができる。例えば、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(通称、ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物及びこれらの変性物や、本発明のエポキシ樹脂を製造する際に用いられる1分子中に下記一般式(5)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(6)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有する多価ヒドロキシ化合物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
これらの中でも、水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物であることが、物性バランスに優れる硬化物が得られる点から好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましく、特に下記一般式
Figure 2006335797
(但し、Xは芳香族環を示し、Arはベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格を示す。)
で表されるような構造を有するフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂等の高芳香族性、高水酸基当量性の多価ヒドロキシ化合物や窒素原子を含有するアミノトリアジン変性フェノール樹脂等の化合物、及び1分子中に下記一般式(5)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4である。)
で表わされる構造単位と、下記一般式(6)
Figure 2006335797
(式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
で表される構造単位を有する多価ヒドロキシ化合物等が難燃性や成形性に特に優れる硬化物が得られる点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物の特性が良好である点から、エポキシ樹脂(A)を含むエポキシ樹脂中のエポキシ基の合計1当量に対して、硬化剤(B)中の活性基が0.7〜1.5当量になる量が好ましい。
また必要に応じて本発明のエポキシ樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)自身が難燃性付与効果を有するものである事から、硬化物の難燃性を付与させるために従来用いられている難燃剤を配合しなくても、硬化物の難燃性が良好であるが、より高度な難燃性を発揮させるために、封止工程での成形性や半導体装置の信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤(C)を配合することにより、非ハロゲン系難燃性樹脂組成物とすることも可能である。
ここでいう実質的にハロゲン原子を含有しない難燃性樹脂組成物とは、難燃性付与の目的でハロゲン系の化合物を配合しなくても充分な難燃性を示す樹脂組成物を意味するものであり、例えばエポキシ樹脂に含まれるエピハロヒドリン由来の5000ppm以下程度の微量の不純物によるハロゲン原子は含まれていても良い。
前記非ハロゲン系難燃剤(C)としては、塩素や臭素などのハロゲン原子を実質的に含有しない化合物であって、難燃剤、或いは難燃助剤としての機能を有するものであれば何等制限されるものではなく、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、燐原子を含有する化合物であれば、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていてもよい赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
前記赤リンの表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等があり、(i)〜(iii)の何れの方法で処理されたものも使用できる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等が挙げられる。
前記リン酸エステル化合物としての具体例としては、トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシレノールホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジクレジルホスフェート)、レゾルシニルジフェニルホスフェート等が挙げられる。
前記ホスホン酸化合物の具体例としては、フェニルホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、特開2000−226499号公報に記載のホスホン酸金属塩等が挙げられる。
前記ホスフィン酸化合物の具体例としては、ジフェニルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、特開2001―55484号公報に記載の化合物、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
前記ホスフィンオキシド化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィンオキシド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド、ジフェニルホスフィニルハイドロキノン、特開2000−186186号公報、特開2002−080484号公報、特開2002−097248号公報等に記載の化合物等が挙げられる。
前記ホスホラン化合物の具体例としては、特開2000−281871号公報記載の化合物等が挙げられる。
有機系窒素含有リン化合物としては、特開2002−60720号公報、特開2001−354686号公報、特開2001−261792号、公報特開2001−335703号公報、特開2000−103939号公報等に記載のホスファゼン化合物類等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0重量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2002−080566号公報、特開2002−053734号公報、特開2000−248156号公報、特開平9−235449号公報等に記載のハイドロタルサイトの併用、特開2001−329147号公報等に記載の水酸化マグネシウムの併用、特開2002−23989号公報、特開平2001−323134号公報等に記載のホウ化合物の併用、特開平2002−069271号公報等に記載の酸化ジルコニウムの併用、特開2001−123047号公報等に記載の黒色染料の併用、特開2000−281873号公報等に記載の炭酸カルシウムの併用、特開2000−281873号公報等に記載のゼオライトの併用、特開2000−248155号公報等に記載のモリブデン酸亜鉛の併用、特開2000−212392号公報等に記載の活性炭の併用、特開2002−348440号公報、特開2002−265758号公報、特開2002−180053号公報、特開2001−329147号公報、特開2001−226564号公報、特開平11−269345号公報等に記載の表面処理方法等、従来の方法が適用できる。
前記窒素系難燃剤としては、窒素原子を含有する化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物の具体例としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等、及びその誘導体が挙げられ、前記誘導体としては、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記イソシアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、トリス(β―シアノエチル)イソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌル酸、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸等を挙げることができる。
また前記窒素原子を含有する化合物に、―OH、−NH、−NCO、−COOH、−CHO、−SH、メチロール、アクリレート、メタクリレート、シリル、グリシジル基又はエポキシ基等の官能基を有していてもよい。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜10重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−234036号公報等に記載の金属水酸化物の併用、特開2002−003577号公報、特開2001−098144号公報等に記載のモリブデン化合物の併用等、従来の方法が適用できる。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーンオイルの具体例としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等を挙げることができる。
前記シリコーンゴムの具体例としては、例えば、メチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム等を挙げることができる。
前記シリコーン樹脂の具体例としては、例えば、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニルシリコーン等を挙げることができる。
また前記ケイ素原子を含有する有機化合物としては、−OH、−NH、−NCO、−COOH、−CHO、−SH、メチロール、アクリレート、メタクリレート、シリル、グリシジル基又はエポキシ基等の官能基を有していてもよい。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記シリコーン系難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−011288号公報等に記載のモリブデン化合物の併用、特開平10−182941号公報等に記載のアルミナの併用等、従来の方法が適用できる。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、特開2002−212391号公報、特開2001−335681号公報、特開2001−323050号公報等に記載の複合金属水酸化物等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.05〜20重量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15重量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記無機難燃剤を使用する方法としても特に制限されるものではなく、例えば、特開2001−226564号公報等に記載の比表面積を制御する方法、特開2000−195995号公報、特開2000−191886号公報、特開2000−109647号公報、特開2000−053876号公報等に記載の形状や粒径、粒度分布を制御する方法、特開2001−323050号公報、特開2000−095956号公報、特開平10−279813号公報、特開平10−251486号公報等に記載の表面処理を行う方法、特開2002−030200号公報、特開2001−279063号公報等に記載の硝酸金属塩の併用、特開2001−049084号公報等に記載のホウ酸亜鉛の併用、特開2000−195994号公報等に記載の無機粉末の併用、特開2000−156437号公報等に記載のブタジェンゴムの併用、特開2000−053875号公報等に記載の高酸価ポリエチレンワックス及び長鎖アルキルリン酸エステル系化合物の併用等、従来の方法が適用できる。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記アセチルアセトナート金属錯体の具体例としては、例えば、特開2002−265760号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機金属カルボニル化合物の具体例としては、例えば、特開2002−371169号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機コバルト塩化合物の具体例としては、例えば、コバルトナフテン酸錯体、コバルトエチレンジアミン錯体、コバルトアセトアセトナート錯体、コバルトピペリジン錯体、コバルトシクロヘキサンジアミン錯体、コバルトテトラアザシクロテトラドデカン錯体、コバルトエチレンジアミン四酢酸錯体、コバルトテトラエチレングリコール錯体、コバルトアミノエタノール錯体、コバルトシクロヘキサジアミン錯体、コバルトグリシン錯体、コバルトトリグリシン錯体、コバルトナフチジリン錯体、コバルトフェナントロリン錯体、コバルトペンタンジアミン錯体、コバルトピリジン錯体、コバルトサリチル酸錯体、コバルトサリチルアルデヒド錯体、コバルトサリチリデンアミン錯体、コバルト錯体ポリフィリン、コバルトチオ尿素錯体等を挙げることができる。
前記有機スルホン酸金属塩の具体例としては、例えば、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム等を挙げることができる。
前記金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物の具体例としては、例えば、特開2002−226678号公報に記載の化合物を挙げることができる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、エポキシ樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合したエポキシ樹脂組成物100重量部中、0.005〜10重量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、エポキシ樹脂組成物の全体量に対して65重量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の使用用途としては、半導体封止材料、積層板や電子回路基板等に用いられる樹脂組成物、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、絶縁塗料等のコーティング材料等が挙げられ、これらの中でも、半導体封止材料に好適に用いることができる。
半導体封止材用に調製されたエポキシ樹脂組成物を作製するためには、エポキシ樹脂と硬化剤、充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニーダ、ロール等を用いて均一になるまで充分に混合して溶融混合型のエポキシ樹脂組成物を得ればよい。その際、充填剤としては、通常シリカが用いられるが、その充填率はエポキシ樹脂組成物100重量部当たり、充填剤を30〜95重量%の範囲が用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70重量部以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80重量部以上が一層その効果を高めることができる。半導体パッケージ成形としては、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物をプリント回路基板用組成物に加工するには、例えばプリプレグ用樹脂組成物とすることができる。該エポキシ樹脂組成物の粘度によっては無溶媒で用いることもできるが、有機溶剤を用いてワニス化することでプリプレグ用樹脂組成物とすることが好ましい。前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤を用いることが好ましく、単独でも2種以上の混合溶剤としても使用することができる。得られた該ワニスを、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種補強基材に含浸し、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得ることができる。この時用いる樹脂組成物と補強基材の重量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60重量%となるように調製することが好ましい。また該エポキシ樹脂組成物を用いて銅張り積層板を製造する場合は、上記のようにして得られたプリプレグを、例えば特開平7−41543号公報に記載されているように積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、銅張り積層板を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物をレジストインキとして使用する場合には、例えば特開平5−186567号公報に記載の方法に準じて、レジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、特開平3−46707号公報に記載の微細導電性粒子を該樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、特開昭62−40183号公報、特開昭62−76215号公報、特開昭62−176139号公報などに開示されているような室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては特に限定されないが、例えば特公平4−6116号公報、特開平7−304931号公報、特開平8−64960号公報、特開平9−71762号公報、特開平9−298369号公報などに記載の各種方法を採用できる。より具体的には、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的なエポキシ樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよく、加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、例えば上記方法によって得られた組成物を、室温〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。成形方法などもエポキシ樹脂組成物の一般的な方法が用いられ、特に本発明のエポキシ樹脂組成物に特有の条件は不要である。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り重量基準である。尚、150℃における溶融粘度及びGPC測定、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:JIS K7234
3)GPC:
・装置:東ソー株式会社製 HLC−8220 GPC、カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL+G2000HXL+G3000HXL+G4000HXL
・溶媒:テトラヒドロフラン
・流速:1ml/min
・検出器:RI
4)NMR:日本電子株式会社製 NMR GSX270
5)MS :日本電子株式会社製 二重収束型質量分析装置 AX505H(FD505H)
実施例1 〔エポキシ樹脂(A−1)の合成〕
温度計、冷却管、分留管、窒素ガス導入管、撹拌器を取り付けたフラスコに、レゾルシノール183.9g(1.67モル)と2−メトキシナフタレン131.3g(0.83モル)とパラキシレンジメトキサイド166.2g(1.00モル)を仕込み、パラトルエンスルホン酸7.2g(0.074モル)を加えて、150℃まで昇温した後に、副生するメタノールを分留管で捕集しながら2時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1500gを加え、分液ロートに移し水洗した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から未反応のレゾルシノールと2−メトキシナフタレン、及びメチルイソブチルケトンを加熱減圧下に除去し、多価ヒドロキシ化合物(a−1)を得た。これの軟化点は106℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は28dPa・s、水酸基当量は130g/eq.であった。
ついで、温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、上記反応で得られた多価ヒドロキシ化合物(a−1)を130g(水酸基1当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、下記構造式
Figure 2006335797
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A−1)149gを得た。これの軟化点は73℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は2.8dPa・s、エポキシ当量は210g/eq.であった。
これのマススペクトルを図1に示す。メトキシ基の残存は、NMRにおける55ppmに観測されるメトキシ基のシグナル、及びエポキシ当量から確認し、樹脂中のメトキシ基は分解していないことを確認した。尚、樹脂中の前記一般式(3)で表される構造単位と前記一般式(4)で表される構造単位のモル比率は、多価ヒドロキシ化合物(a−1)を製造した際の回収した未反応のレゾルシノール及び2−メトキシナフタレンの重量測定の結果と得られた多価ヒドロキシ化合物の水酸基の測定結果から求めた。その結果、前者/後者=67/33であった。
実施例2 〔エポキシ樹脂(A−2)の合成〕
実施例1において、レゾルシノールを294.0g(2.67モル)、2−メトキシナフタレンを210.4g(1.33モル)に変更した以外は、実施例1と同様にして多価ヒドロキシ化合物(a−2)を得た。これの軟化点は90℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は5.0dPa・s、水酸基当量は120g/eq.であった。
エポキシ化反応は、実施例1において多価ヒドロキシ化合物(a−1)を多価ヒドロキシ化合物(a−2)120g(水酸基1当量)に変更した以外は実施例1と同様にして行い、下記構造式
Figure 2006335797
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A−2)141gを得た。これの軟化点は59℃(B&R法)、溶融粘度(測定法:ICI粘度計法、測定温度:150℃)は1.6dPa・s、エポキシ当量は200g/eq.であった。
合成例1
特開平8−301980号公報の実施例1及び実施例7に準拠し、下記構造式
Figure 2006335797
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A’−1)を得た。これの軟化点は61℃(B&R法)、エポキシ当量は324g/eq.であった。
合成例2
特開平8−301980号公報の実施例4及び実施例10に準拠し、下記構造式
Figure 2006335797
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A’−2)を得た。これの軟化点は79℃(B&R法)、エポキシ当量は421g/eq.であった。
合成例3
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージを施しながら、三井化学株式会社製ミレックスXLC−4L 200g(水酸基1当量)、エピクロルヒドリン463g(5.0モル)、n−ブタノール139g、テトラエチルベンジルアンモニウムクロライド2gを仕込み溶解させた。65℃に昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液90g(1.1モル)を5時間かけて滴下した。その後、同条件で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン590gとn−ブタノール177gとを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水150gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去し、下記構造式
Figure 2006335797
で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A’−3)を得た。該エポキシ樹脂のエポキシ当量は241g/eqであった。
実施例3〜10と比較例1〜4
エポキシ樹脂として上記A−1とA−2、比較用エポキシ樹脂としてA’−1とA’−3及び日本化薬製NC−3000(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、エポキシ当量:274g/eq)を用い、硬化剤として、上記で得られた多価ヒドロキシ化合物a−1、明和化成製MEH−7851SS(ビフェニルノボラック樹脂、水酸基当量:200g/eq)及び三井化学製XLC−LL(ザイロック樹脂、水酸基当量:176g/eq)を、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)、難燃剤として縮合燐酸エステル(大八化学工業株式会社製PX−200)、水酸化マグネシウム(エア・ウォーター株式会社製エコーマグZ−10)、無機充填材として球状シリカ(株式会社マイクロン製S−COL)、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシトリエトキシキシシラン(信越化学工業株式会社製KBM−403)、カルナバワックス(株式会社セラリカ野田製PEARL WAX No.1−P)、カーボンブラックを用いて表1〜2に示した組成で配合し、2本ロールを用いて85℃の温度で5分間溶融混練して本発明のエポキシ樹脂組成物を得た。硬化物の物性は、上記組成物を用いて、評価用サンプルを下記の方法で作成し、難燃性、成形性を下記の方法で測定した。
難燃性評価
幅12.7mm、長さ127mm、厚み1.6mmの評価用サンプルを、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒成形した後、175℃の温度で5時間後硬化して作成した。作成した試験片を用いUL−94試験法に準拠し、厚さ1.6mmの試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
成形性(成形時硬度)の評価
2本ロールを用い作成した組成物を、トランスファー成形機を用い175℃の温度で90秒間、φ90mm、厚さ2.0mmの金型に充填し、90秒成形し、金型をあけた後、硬化物の表面硬度をショア硬度D計にて硬度を計測した。
Figure 2006335797
Figure 2006335797
表1、2の脚注:
*1:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
*2:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
実施例1で得られたエポキシ樹脂のGPCチャートである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂のNMRペクトルである。 実施例1で得られたエポキシ樹脂のマススペクトルである。

Claims (28)

  1. 1分子中に下記一般式(1)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
    で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
    で表される構造単位を有するエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)が2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを反応させて得られる多価ヒドロキシ化合物(a)と、エピハロヒドリン類とを反応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂(A)中の、前記一般式(1)における下記一般式(3)
    Figure 2006335797
    (式中、X、n、Gは前記と同じである。)
    で表される構造単位と、前記一般式(2)における下記一般式(4)
    Figure 2006335797
    (式中、X、R、mは前記と同じである。)
    で表される構造単位とのモル比率が前者/後者=30/70〜98/2の範囲である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が160〜275g/eq.の範囲である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂のICI粘度計で測定した150℃における溶融粘度が0.3〜5.0dPa・sの範囲である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記一般式(1)中のXが置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記一般式(2)におけるRがメチル基であり、mが1又は2であり、Xが置換基を有していてもよいベンゼン環又はナフタレン環である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 硬化剤(B)が、水酸基を有さない芳香環を含む連結基によって水酸基を有する芳香環が連結された構造を含有する多価芳香族化合物である請求項1〜7の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 硬化剤(B)が、1分子中に下記一般式(5)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4である。)
    で表わされる構造単位と、下記一般式(6)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1又は2である。)
    で表される構造単位を有する多価ヒドロキシ化合物である請求項1〜7の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 更に非ハロゲン系難燃剤(C)を含有する請求項8又は9記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 非ハロゲン系難燃剤(C)がリン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤からなる群から選ばれる1種以上の難燃剤である請求項10記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 半導体封止材用である請求項10又は11記載のエポキシ樹脂組成物。
  13. プリント回路基板用である請求項10又は11記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. レジストインキ用である請求項10又は11記載のエポキシ樹脂組成物。
  15. 導電ペースト用である請求項10又は11記載のエポキシ樹脂組成物。
  16. 層間絶縁材料用である請求項10又は11記載のエポキシ樹脂組成物。
  17. 請求項1〜16の何れかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
  18. 半導体装置である請求項17記載の硬化物。
  19. 1分子中に下記一般式(1)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、nは2〜4であり、Gは置換基を有していてもよいグリシジル基である。)
    で表わされる構造単位と、下記一般式(2)
    Figure 2006335797
    (式中、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、mは1又は2である。)
    で表される構造単位を有し、エポキシ当量が160〜275g/eq.の範囲であり、且つICI粘度計で測定した150℃における溶融粘度が0.3〜5.0dPa・sの範囲にあることを特徴とする新規エポキシ樹脂。
  20. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを反応させて得られる多価ヒドロキシ化合物(a)と、エピハロヒドリン類とを反応させてエポキシ樹脂を得ることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
  21. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)が下記一般式(7)で表される化合物であり、アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)が下記一般式(8)で表される化合物であり、且つ、芳香族系架橋剤(a3)が架橋反応した後に下記一般式(9)で表される構造になる化合物である請求項20記載の製造方法。
    Figure 2006335797
    (式中、X、Xは置換基を有していてもよい芳香環であり、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rは同一でも異なっていてもよい水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基であり、nは2〜4であり、mは1又は2である。)
  22. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)とのモル比(a1)/(a2)が30/70〜98/2であり、且つ、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)との合計モル数と芳香族系架橋剤(a3)のモル数との比{(a1)+(a2)}/(a3)が51/49〜97/3である請求項20記載の製造方法。
  23. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)とを反応させる際に酸触媒を使用する請求項20記載の製造方法。
  24. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)が置換基を有していてもよいフェノール類及び/又はナフトール類である請求項20記載の製造方法。
  25. アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)が置換基を有していてもよいメトキシベンゼン類、ジメトキシベンゼン類、メトキシナフタレン類、及びジメトキシナフタレン類からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項20記載の製造方法。
  26. 芳香族系架橋剤(a3)が下記一般式(10)、(11)及び(12)
    Figure 2006335797
    (式中、Arは炭化水素基を置換基として有していてもよいベンゼン骨格、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格であり、Rはハロゲン原子であり、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。)
    からなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項20記載の製造方法。
  27. 2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)とアルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)と芳香族系架橋剤(a3)を実質的に同時に仕込んで反応を行い、その後にエピハロヒドリン類と反応させる請求項20〜26の何れか1項記載の製造方法。
  28. アルコキシ基含有芳香族系化合物(a2)1モルに対して2〜30モルの芳香族系架橋剤(a3)を反応させた後に、2〜4個のヒドロキシ基を有する芳香族系化合物(a1)を反応させ、その後にエピハロヒドリン類と反応させる請求項20〜26の何れか1項記載の製造方法。

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