JP2006326848A - 印刷機の洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 掻き取り部材によって掻き落とされた洗浄液の飛散を防止するとともに構造を簡素化する。
【解決手段】 ゴム胴8を洗浄する洗浄装置20は、ブラシロール40、掻き取り部材43とこれらを囲む囲い部材21とを備えている。囲い部材21をゴム胴8側に移動させると、囲い部材21の窓26aに臨むブラシロール40がゴム胴8に接触する。ノズル27からブラシロール40に供給される洗浄液によってゴム胴8が洗浄され、ブラシロール40に付着し汚れた洗浄液は掻き取り部材43によって掻き取られる。ブラシロール40を洗浄するときは、ブラシロール40をゴム胴8から離間させ、開閉部31によって窓26aを閉塞し、囲い部材21を密閉状態として行う。
【選択図】 図3
【解決手段】 ゴム胴8を洗浄する洗浄装置20は、ブラシロール40、掻き取り部材43とこれらを囲む囲い部材21とを備えている。囲い部材21をゴム胴8側に移動させると、囲い部材21の窓26aに臨むブラシロール40がゴム胴8に接触する。ノズル27からブラシロール40に供給される洗浄液によってゴム胴8が洗浄され、ブラシロール40に付着し汚れた洗浄液は掻き取り部材43によって掻き取られる。ブラシロール40を洗浄するときは、ブラシロール40をゴム胴8から離間させ、開閉部31によって窓26aを閉塞し、囲い部材21を密閉状態として行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、印刷機の胴やローラ等をブラシロールによって洗浄する印刷機の洗浄装置に関するものである。
この種の洗浄装置は、ゴム胴を洗浄するブラシロールと、このブラシロールを開口を除いて取り囲むケーシングと、ブラシロールに洗浄液を供給する供給装置と、ブラシロールから洗浄液を掻き取る掻き取り部材と、この掻き取り部材によって掻き落とされた汚れを回収するカバーとを備え、ブラシロールおよびケーシングならびにカバーをゴム胴から離間させた後、ケーシングを回動させ開口をカバーに対向させることにより、掻き取り部材によって掻き落とされた汚れをカバーに回収するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−227169号公報(段落「0021」〜「0024」、図2ないし図4)
上述した従来の印刷機の洗浄装置においては、掻き取り部材によって掻き落とされた汚れをカバーに回収する際に、ケーシングの開口とカバーとの間に隙間が形成されケーシングが密閉状態にはならないために、この隙間から掻き取り部材によって掻き落とされた洗浄液が飛散し機械を汚すばかりか、空気中に散乱するため作業環境を悪化させるという問題があった。また、ケーシングとは別にカバーも個別に移動させなければならず、しかもケーシングは移動だけでなく回動もさせなければならないために、構造が複雑になるという問題もあった。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、掻き取り部材によって掻き落とされた洗浄液の飛散を防止するとともに構造を簡素化するところにある。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、回転自在に支持された回転体と、この回転体に対して接離自在であって、回転自在に支持されたブラシロールと、前記ブラシロールに洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、前記ブラシロールに当接し前記回転体から洗浄液を掻き取る掻き取り部材と、前記ブラシロール、前記液体供給手段および前記掻き取り部材を囲い前記ブラシロールを前記回転体に接触させるために設けられた窓を有するケーシングと、このケーシングの窓を開閉する開閉部材とを備えたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記ケーシングに、前記回転体からの汚れた洗浄液を回収部に回収するための排出口を設けたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記ケーシングに、前記ブラシロール、前記洗浄液供給手段、前記掻き取り部材、前記開閉部材とが支持されている。
本発明によれば、開閉部材によってケーシングの窓を閉塞することにより、ケーシングが密閉状態となるから掻き取り部材によって掻き落とされた洗浄液がケーシングの外側に飛散するようなことがない。このため、掻き取り部材によって掻き落とされた洗浄液によって機械を汚すようなことなく、また洗浄液が空気中に散乱するようなことがないため作業環境の悪化を阻止することができる。
請求項3に係る発明によれば、ケーシングを回転体に対して接離自在とすればよいから直線的な移動だけでよく、回転動作が不要なため単動作となるから、ケーシングを駆動する駆動機構が簡素化される。また、ケーシングを移動させることによりブラシロールおよび開閉部材がいっしょに移動するから、これらを個別に移動させる駆動機構が不要になり、ケーシングの移動と開閉部材の開閉とを行う駆動手段を設けるだけでよいから構造が簡素化される。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る洗浄装置を適用した枚葉輪転印刷機の概略構成を示す側面図、図2は同じく主要部を示す側面図、図3は本発明に係る印刷機の洗浄装置を示す縦断面図で、同図(A)はゴム胴を洗浄している状態を示し、同図(B)はブラシロールを洗浄している状態を示し、図4は図3(B)におけるIV-IV 線断面図である。
図1に全体を符号1で示す枚葉輪転印刷機は、積載されたシート状物としての紙を1枚ずつ給紙する給紙装置2と、4組の印刷ユニット3Aないし3Dと、これら印刷ユニット3Aないし3Dによって印刷された紙を排紙させて紙積台4aに積載する排紙装置4とによって概ね構成されている。各印刷ユニット3Aないし3Dには、周面に版が装着された版胴7と、図2に示すように版の表面にインキを供給するインキローラ群からなるインキ装置5と、版の表面に湿し水を供給する給水装置6と、版胴7に対接する回転体としてのゴム胴8と、このゴム胴8に対接する回転体としての圧胴9とが備えられている。
互いに隣接する印刷ユニット3Aないし3Dの圧胴9,9との間には、渡し胴10が対接するように設けられている。給紙装置2と1色目の印刷ユニット3Aの圧胴9との間には、図1に示すようにフィーダボード11および差板12ならびにスイング装置13が設けられている。排紙装置4には、排紙胴(図示せず)と同軸上に軸着された左右一対のスプロケット14が備えられ、このスプロケット14と、排紙フレーム15の前端部に設けられた左右一対のスプロケット16との間には左右一対の排紙チェーン17が張架されている。各印刷ユニット3Aないし3Dのゴム胴8および圧胴9には、図2に示すように後述する本発明の特徴である8個の洗浄装置20(6個の洗浄装置は図示せず)が備えられている。
このように構成されていることにより、給紙装置2から1枚ずつ給紙される紙は、フィーダボード11上に送り込まれ差板12上へ搬送され、スイング装置13から渡し胴22に供給される。渡し胴22に供給された紙は、互いの爪のくわえ替えによって、1色目の印刷ユニット3Aの圧胴9に供給される。このとき、インキ装置5から供給されたインキと給水装置6から供給された湿し水とで版面に形成された画像がゴム胴8のブランケット面に転写されているので、ゴム胴8と圧胴9との間を通過する紙には、ゴム胴8上の画像が転写されて印刷が施される。このようにして各印刷ユニット3Aないし3Dによって4色の印刷が施された紙は、排紙チェーン17で搬送され排紙装置4の紙積台4a上に落下して積載される。
次に、図3および図4を用いて、本発明の特徴である洗浄装置を説明する。これらの図に全体を符号20で示す洗浄装置は、後述するブラシロール40を収容するケーシング21を備え、このケーシング21は図示を省略した駆動装置によって、ゴム胴8と対向および離間するように矢印A−B方向に移動自在に支持されており、矢印C−D方向の寸法がゴム胴8の胴長よりもやや長く形成されている。このケーシング21は、互いに対向する一対の側板22A,22Bと、これら両側板22A,22B間を連結する背面板23、上板24、底板25、前面板26とによって、細長い略箱状に形成されている。
両側板22A,22Bのそれぞれには、図4に示すように、互いに対向する軸受孔22a,22aが設けられている。背面板23には、図3に示すように、洗浄液を吐出する複数個のノズル27(図中1個のみ図示)を取り付ける孔23aが、ゴム胴8の軸線方向(矢印C−D方向)に適宜の間隔をおいて設けられている。底板25には、洗浄液を排出するための排出口25aが設けられており、この排出口25aに連通する筒部25bが突設されている。前面板26は断面が略C字状に湾曲形成されており、中央部には、ゴム胴8の軸線方向に延設されゴム胴8の周面に対向する細長い長方形に形成された窓26aが設けられている。
30は開閉部材であって、断面が上記したケーシング21の前面板26の曲率と略同じ曲率によって湾曲状に形成され、矢印C−D方向の寸法がケーシング21の両側板22A,22B間の間隔よりもわずかに小さく形成された閉塞部31と、この閉塞部31の両端に互いに対向するように直角に折り曲げられるように形成された一対の側板32A,32Bとによって構成されている。これら側板32A,32Bには、互いに反対方向に突設された筒部33A,33Bが設けられている。
この開閉部材30は、筒部33A,33Bがケーシング21の両側板22A,22Bの軸受孔22a,22aに嵌合されており、閉塞部31がケーシング21の前面板26の内面に接し、両側板32A,32Bが両側板22A,22Bの内面に接した状態で、両側板22A,22Bに回転自在に支持されている。34は一方の筒部33Aに軸着されたギアであって、モータ35の一方向・他方向の駆動が図示を省略した減速歯車群を介して伝達するように連結されている。したがって、モータ35を一方向に駆動することにより、図3(B)に示すように閉塞部31が反時計方向に回動し、この閉塞部31によってケーシング21の窓26aが閉塞され、ケーシング21は密閉状態になる。一方、モータ35を他方向に駆動することにより、図3(A)に示すように閉塞部31が時計方向に回動し、ケーシング21の窓26aが開放される。
40はブラシロールであって、ケーシング21内に収容されるように、回転軸41が開閉部材30の筒部32A,32Bにベアリング42,42を介して回転自在に支持されている。このブラシロール40は、ケーシング21の窓26aが開放状態で、ケーシング21が矢印A方向に移動した状態で、図3(A)に示すように、窓26aに臨みゴム胴8の周面に接触した状態になる。また、このブラシロール40は、開閉部材30の一方の筒部33Aから外部に突出した回転軸41の一方の端部41aを介してブラシ用モータ41bの一方向または他方向の駆動によって、図3中反時計方向または時計方向に回転する。43は断面が正方形に形成された掻き取り部材であって、その端部がブラシロール40の周部に介入し接触するように、ケーシング21の両側板22A,22B間に横架されている。
図2において、45は洗浄液が貯留されている洗浄タンクであって、この洗浄タンク45内の洗浄液は、ポンプ46によって配管47を介して各洗浄装置20のノズル27に供給される。50は洗浄液を回収する回収用タンクであって、各洗浄装置20のケーシング21の筒部25bに接続された配管51を介して、ケーシング21の排出口25aから排出される洗浄液がこの回収用タンク50に回収される。
次に、図3を用いて、このように構成された印刷機の洗浄装置における洗浄動作について説明する。先ず、図示を省略した洗浄スタートボタンをオンすることにより、モータ35が他方向に駆動し、開閉部材30の閉塞部31が、図3(B)に示す状態から時計方向に回動し、ケーシング21の窓26aを開放する。次いで、図示を省略した駆動装置によって、ケーシング21が矢印A方向に移動し、同図(A)に示すように、窓26aに臨むブラシローラ40がゴム胴8の周面に接触する。
この状態でポンプ46が作動し、洗浄タンク45内の洗浄液が配管47を介して各洗浄装置20のノズル27に供給され、ノズル27からブラシロール40に洗浄液が吹き付けられる。同時に、ブラシ用モータ41bが一方向に駆動し、ブラシロール40が、図中反時計方向に回転するので、このブラシロール40によってゴム胴8のブランケット面が洗浄される。ブランケット面を洗浄したブラシロール40に付着する汚れた洗浄液は、回転するブラシロール40が掻き取り部材43に接触することにより、ブラシロール40から飛散し、飛散した洗浄液は、排出口25aから排出され、配管51を介して回収用タンク50に回収される。
このブラシロール40によるゴム胴8のブランケット面の洗浄時間が、図示を省略したタイマーによって所定時間経過したことを計測されると、ポンプ46の作動が停止し、各洗浄装置20のノズル27への洗浄液の供給が停止するとともに、ブラシ用モータ41bの駆動が停止するのでブラシロール40の回転が停止し、ゴム胴8の洗浄が終了する。ゴム胴8の洗浄が終了すると、図示を省略した駆動装置によってケーシング21が矢印B方向に移動し、ブラシロール40がゴム胴8の周面から離間する。
次いで、モータ35が一方向に駆動し、図3(B)に示すように閉塞部31が反時計方向に回動するので、この閉塞部31によってケーシング21の窓26aが閉塞され、ケーシング21は密閉状態になる。この状態で、ポンプ46が作動し、洗浄タンク45内の洗浄液が配管47を介して各洗浄装置20のノズル27に供給され、ノズル27からブラシロール40に洗浄液が吹き付けられる。同時に、ブラシ用モータ41bが一方向に駆動し、ブラシロール40が、図中反時計方向に回転するので、回転するブラシロール40が掻き取り部材43に接触する。したがって、ブラシロール40に付着している汚れた洗浄液がブラシロール40から飛散するのでブラシロール40が洗浄され、飛散した洗浄液は排出口25aから排出され、配管51を介して回収用タンク50に回収される。この場合、ブラシロール40の汚れがひどいときは、ブラシ用モータ41bを他方向にも駆動させて、ブラシロール40を時計方向に回転させるようにしてもよい。
このように、ブラシロール40を洗浄するときに、閉塞部31によってケーシング21の窓26aを閉塞し、ケーシング21を密閉状態としているため、掻き取り部材43によってブラシロール40から掻き落とされた洗浄液がケーシング21の外側に飛散することがない。このため、掻き取り部材43によって掻き落とされた洗浄液によって機械を汚すようなことなく、また洗浄液が空気中に散乱するようなことがないため作業環境の悪化を阻止することができる。
また、ケーシング21をゴム胴8に対して接離自在とすればよいから直線的な移動だけでよく、回転動作が不要なため単動作となるから、ケーシング21を駆動する駆動機構が簡素化される。また、ブラシロール40、ノズル27、掻き取り部材43および開閉部材30が、ケーシング21に支持されているため、ケーシング21を移動させることにより、これらの部材がいっしょに移動する。このため、これらの部材を個別に移動させる必要がないから、ケーシングの移動と開閉部材の開閉とを行う駆動手段を設ければよいので構造が簡素化される。
なお、本実施の形態においては、ゴム胴と圧胴を洗浄する例を説明したが、コータ胴やインキローラまたは給水ローラを洗浄するようにしてもよい。
1…枚葉輪転印刷機、8…ゴム胴、9…圧胴、20…洗浄装置、21…ケーシング、25a…排出口、26a…窓、27…ノズル、30…開閉部材、31…閉塞部、40…ブラシロール、43…掻き取り部材、45…洗浄タンク。
Claims (3)
- 回転自在に支持された回転体と、
この回転体に対して接離自在であって、回転自在に支持されたブラシロールと、
前記ブラシロールに洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
前記ブラシロールに当接し前記回転体から洗浄液を掻き取る掻き取り部材と、
前記ブラシロール、前記液体供給手段および前記掻き取り部材を囲い前記ブラシロールを前記回転体に接触させるために設けられた窓を有するケーシングと、
このケーシングの窓を開閉する開閉部材とを備えたことを特徴とする印刷機の洗浄装置。 - 請求項1記載の印刷機の洗浄装置において、
前記ケーシングに前記回転体から掻き取った洗浄液を回収部に回収するための排出口を設けたことを特徴とする印刷機の洗浄装置。 - 請求項1記載の印刷機の洗浄装置において、
前記ケーシングに、前記ブラシロール、前記洗浄液供給手段、前記掻き取り部材および前記開閉部材を支持したことを特徴とする印刷機の洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Cited By (1)
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2005
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