JP2006326221A - 外装体及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸収パッドと併用しても繰り返し排泄の有無を識別することができる外装体を提供すること。
【解決手段】 本発明の外装体は、吸収パッドと共に用いるための外装体である。吸湿・放湿によるpHの変化に基づいて可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段を備えている。前記識別手段がアルカリ成分と、酸性化合物およびpHの変化によって色が変化する呈色指示薬を含む親水性組成物とを具備しており、前記アルカリ成分は防漏シートに含まれており、前記親水性組成物が防漏シートと撥水性の不織布との間に配されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸収パッドと共に用いられる外装体及び該外装体と吸収パッドとからなる吸収性物品に関する。
尿等の排泄の有無を外部から識別できるような識別手段を備えた使い捨ておむつとして、防漏シートに水溶性のインクや水に濡れると変色する剤で印刷等を施したおむつが提案されている(特許文献1〜4参照)。
一方、大人用の使い捨ておむつ等の一部の吸収性物品には、下記特許文献3のように、吸収パッドと、使い捨ておむつと同様の構成のカバーからなる外装体とを共に用い、吸収パッドのみを必要に応じて交換するタイプのものが提案されており、このような吸収性物品においても、排泄の有無を識別できる機能が望まれる。
従来のような識別手段を付与した吸収性物品を吸収パッドと併用した場合、排泄物が吸収パッドから漏れて吸収性物品の識別手段に移行した場合には、識別手段は変色もしくは消失して、排泄の有無を識別することができる。
しかし、従来のような識別手段を付与した吸収性物品は、一度識別手段が変色もしくは消失してしまうと、排泄物を吸収した吸収パッドを取り外しても識別手段は変色若しくは消失したままであり、2枚目以降の吸収パッドを使用する時は、吸収物品の識別手段の識別能力が失われているため、排泄の有無を確認できなくなる課題を有していた。
特開平11−4852号公報 特開昭58−174601号公報 特開2002−200105号公報 特開2005−21390号公報
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、吸収パッドを併用しても繰り返し排泄の有無を識別することができる外装体及び該外装体と吸収パッドからなる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明は、吸収パッドと共に用いるための外装体であって、吸湿・放湿によるpHの変化に基づいて可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段を備えている外装体を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、前記本発明の外装体と、液透過性の表面シート、防漏シート及びこれら両シート間に配された液保持性の吸収体を備えている吸収パッドとを備えている吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、吸収パッドと併用しても繰り返し排泄の有無を識別することができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の吸収性物品の第1実施形態を模式的に示したものである。
図1に示すように、本実施形態の吸収性物品1は、パンツ型の使い捨ておむつの形態を有する外装体2と、外装体2内に配される吸収パッド3とからなり、外装体2の内側に吸収パッド3が配された状態で外装体2とともに着用される。
図2及び図3に示すように、外装体2は、後述するように、吸湿・放湿によるpHの変化に基づいて可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段20を備えている。識別手段20は、アルカリ成分と、酸性化合物およびpHの変化によって色が変化する呈色指示薬(以下、単に呈色指示薬という。)を含む親水性組成物とを具備しており、前記アルカリ成分は防漏シート22に含まれており、前記親水性組成物は防漏シート22と撥水性の不織布23bとの間に配されている。
本実施形態における外装体2は、図2の展開斜視図に示すように、着用時に着用者の背側に配される背側部2A、腹側に配される腹側部2B、及び両者間に位置し着用者の股下に配される股下部2Cを有し、長手方向の中央部が括れた縦長の形状を有している。
図3に示すように、外装体2は、外装体表面シート(以下、表面シートともいう。)21、外装体防漏シート(以下、防漏シートともいう。)22、これらのシート21、22間に配され、吸収性本体23cが撥水性又は親水性の不織布23a、23bで被覆された外装体吸収体(以下、吸収体ともいう。)23、防漏シート22の外側(図では下側)に配されたレッグカバー不織布シート24、及びレッグカバー不織布シート24の外側に配された外層不織布シート25(以下、外層シートともいう。)を具備している。
表面シート21には、親水性の不織布や開孔フィルム等の従来から使い捨ておむつに用いられている材質のものを用いることができる。
防漏シート22は、アルカリ成分を含む透湿性の樹脂シートから形成されている。防漏シート22は、当該アルカリ成分を含む、疎水性の熱可塑性樹脂を溶融混練してシートを形成し、該シートを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性シートが好ましく用いられる。前記アルカリ成分としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム等を用いることができ、有機のものとして例えばオレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。上記アルカリ成分の平均粒径は該シート材料に多数の微細孔を形成して十分な透湿性を付与する観点から30μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm〜5μmであることが最も好ましい。また上記熱可塑性樹脂100重量部に対して上記アルカリ成分を50〜400重量部、特に50〜250重量部含むことが透湿量を確保する点及び接触した水をアルカリ性に変化させ得る点から好ましい。
防漏シート22の透湿度は吸湿、放湿によるpHの変化を迅速に行うことができるという観点から、1.0〜3.0g/(100cm2・h)であることが好ましく、2.0〜3.0g/(100cm2・h)であることがより好ましい。ここで、防漏シート22の透湿度は、JIS Z0208(カップ法)に準拠し、30℃/90%RHにて一時間試料を保存した場合の吸湿量により測定される。
吸収体23は、矩形の外形形状を有し、不織布23a、23bによって吸収性本体(吸収性コア)23cが覆われている。本実施形態では、不織布23aは親水性不織布であり、不織布23bは撥水性の不織布であり、不織布23bによって吸収性本体23cの非肌当接面側の少なくとも一部が覆われている。吸収性本体23cの中央部には、矩形形状に切り欠かれて当該吸収性本体23cが存在しない窓部23dが設けられている。吸収体23は、この窓部23dでは、表面シート21と不織布23a、23bが接合された凹部23eが設けられている。
撥水性の不織布としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル/ポリプロピレン(芯/鞘)複合繊維若しくはポリエチレン/ポリエステル(芯/鞘)複合繊維からなる湿式、乾式によって得られる不織布等が挙げられ、親水性の不織布としては、前記不織布を親水化処理によって得られる不織布が挙げられる。放湿効率の点を考慮すると、撥水性の不織布が好ましい。不織布23aは、吸湿、放湿によるpHの変化を迅速に行うことができるという点を考慮すると、坪量は10〜40g/m2が好ましく、15〜25g/m2がより好ましい。
吸収性本体23cには、従来から吸収性本体に用いられている吸収性ポリマー、パルプ、又はこれらの混合物が用いられる。
外装体2は、親水性組成物20aを介して防漏シート22と不織布23bとが重なり合った積層部20a’を含む識別領域20Aを有している。識別領域20Aは、この積層部20a’の位置により、前記背側部2A、腹側部2B及び股下部2C、あるいはこれらの複数に跨る場合がある。本実施形態においては、防漏シート22と不織布23bとの間における吸収体23の凹部23eの下方に位置する部分、即ち吸収性本体23cの窓部23dを望む部分に、前記親水性組成物20aが縦に5列配されており、この部分で積層部20a’がそれぞれ形成されており、これらの積層部20a’を含む吸収体23の外縁より内側に位置する概ね矩形の領域(図2の二点鎖線で囲まれた領域)が識別領域20Aである。
識別領域20Aを含む凹部23eの面積は、本発明の効果が十分に奏される上では吸収体23の面積(平面視したときの面積)に対して2〜20%とすることが好ましく、3〜15%とすることがより好ましい。凹部23eの面積は、30〜200cm2であることが好ましく、70〜180cm2であることがより好ましい。
識別領域20Aにおける積層部20a’は、後述するように親水性ポリマーを含ませて少なくとも一部の親水性組成物20aを介して防漏シート22と不織布23bとが接合されて固定されていることが好ましい。
前記親水性組成物に含まれる酸性化合物としては、酢酸ビニルホモポリマー、ポリエチレン/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン/ポリアクリル酸コポリマー、ステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、L−アスコルビン酸、ニコチン酸、L−グルタミン酸、乳酸若しくはコハク酸又はこれらの二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの酸性化合物は、前記親水性組成物中の酸性化合物及び呈色指示薬の全量に対して好ましくは50〜99.99重量%、更に好ましくは60〜99.99重量%、一層好ましくは60〜99重量%含有される。酸性化合物の量が50重量%に満たないとpHを4以下に保つことが難しく、水と接触しただけで変色することがある。
前記親水性組成物に含まれる呈色指示薬としては、pHが3〜7で色が変化するものが用いられ、その例としてはブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの呈色指示薬のうち特に好ましいものとしては、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン及びブロモクレゾールパープル等が挙げられる。これらの呈色指示薬は、親水性組成物中の酸性化合物及び呈色指示薬の全量に対して好ましくは0.01〜50重量%、更に好ましくは0.01〜40重量%、一層好ましくは0.01〜1重量%、最も好ましくは0.01〜0.5重量%含有される。呈色指示薬の量が斯かる範囲であると、親水性組成物の変色前の色が濃すぎることがなく、外部から視認し得るに十分に変色する。また、コスト的にも好ましい。
前記親水性組成物は、前記酸性化合物および前記呈色指示薬のみからなっていても本発明の効果が十分に奏されるが、これらの成分に加えて粘着性を有する親水性ポリマーを含有すると、該親水性組成物にホットメルト接着性が付与され、防漏シート22と不織布23bとの固定が一層強固なものになると共に、ホットメルト塗工装置があれば、ライン上で塗工可能であり、加工適性が良くなる。即ち、前記酸性化合物、前記呈色指示薬および前記親水性ポリマーを含有してなる親水性組成物は、ホットメルト接着剤として機能する。前記親水性ポリマーとしては、粘着性を有し且つ親水性であれば特に制限はなく、例えばビニルピロリドンホモポリマー、ポリアミド、ポリビニルアルコール又はこれらの二種以上の組み合わせ等が挙げられる。これらの親水性ポリマーのうち特に好ましいものとしては、ビニルピロリドンホモポリマー、ポリビニルアルコール又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの親水性ポリマーは、前記親水性組成物に適度なホットメルト接着性が付与される点から、その数平均分子量が500〜30,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることが更に好ましい。これらの親水性ポリマーは、前記親水性組成物の全量に対して20〜50重量%含有されることが好ましく、30〜40重量%含有されることが更に好ましい。親水性ポリマーの量が斯かる範囲であると、水が親水性組成物内にとり込まれやすく変色が起こりやすい。また、前記酸性化合物の配合量が相対的に減少することを抑えてpHを4超に保つことが容易となり、水と接触しただけで変色することがあるので、上記範囲内とすることが好ましい。即ち、前記親水性組成物が前記酸性化合物、前記呈色指示薬および前記親水性ポリマーを含有する場合の好ましい配合は、酸性化合物25〜79.99重量%、呈色指示薬0.01〜25重量%、親水性ポリマー20〜50重量%であり、更に好ましい配合は、酸性化合物30〜69.99重量%、呈色指示薬0.01〜30重量%、親水性ポリマー30〜40重量%である。
また、前記親水性組成物は、上述した成分に加えて酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有していてもよい。これらの成分は、前記親水性組成物の全量に対して0.5〜5重量%含有されることが好ましく、0.5〜3重量%含有されることが更に好ましい。
前記水性組成物は、上述のように親水性ポリマーを含ませた場合には、各成分を例えば150℃程度で60分間程度、攪拌混合することによって調製することができる。このようにして調整された親水性組成物は、例えば、90℃〜110℃で溶かして塗工して防漏シート22に固定することができる。親水性組成物の坪量は、10g/m2〜30g/m2とすることが好ましい。
前記識別領域20Aの透明化度は、識別手段20の変色効果を高める上で8〜5であることが好ましく、10〜40であることがより好ましい。ここで、前記防漏シートと前記親水性組成物の接触部分の透明化度は、日本電色工業株式会社製の色差計(SZ-Σ80)を用いて前記防漏シートと前記親水性組成物の接触部分の白色度Lab値を求め前記防漏シートの前記親水性組成物と接触していない部分の白色度Lab値との差から透明化度を求めることにより測定される(測定はサンプルを測定器に付属の黒色板に置いて前記防漏シートの前記親水性組成物の配設面と反対側から照射して行う。)。
前記識別領域20Aの透湿度は、識別手段20の変色が素早く起こるようにする点から、1.0〜3.0g/(100cm2・h)であることが好ましく、2.0〜3.0g/(100cm2・h)であることがより好ましい。ここで、識別領域の透湿度は、JIS Z0208(カップ法)に準拠し、30℃/90%RHにて一時間試料を保存した場合の吸湿量により測定される。
背側部2A及び腹側部2Bに位置するレッグカバー不織布24と外層不織布25との間には、ウェストギャザー形成用の弾性部材26及び胴回りギャザー形成用の弾性部材27が配設されており、これらの弾性部材の収縮によって、胴回りギャザー及びウェストギャザーが形成される。また、股下部2Cの両側縁部に位置するレッグカバー不織布シート24と外層不織布シート25との間には、括れに沿うようにレッグギャザー形成用の弾性部材28が配設されており、この弾性部材28が収縮し、着用時に脚廻りに配される部位にレッグギャザーが形成される。これらのレッグカバー不織布シート24、外層不織布シート25、弾性部材26、27、28には、前記識別手段による効果を損なわない範囲において、従来から使い捨ておむつに用いられている公知のものが採用される。
図2に示すように、吸収パッド3は、縦長の矩形形状に設けられており、液透過性の表面シート31、液透不透過性で透湿性の防漏シート32及びこれら両シート間に配された液保持性の吸収体33を備えている。
表面シート31には、親水性の不織布や開孔フィルムなどの従来から吸収パッドに用いられている公知のものが採用される。
防漏シート32に用いられる素材としては、疎水性の熱可塑性樹脂と、相溶性のない有機高分子又は炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性シートが挙げられる。また、ポリエステルエラストマーのように、水分を吸放出する未延伸シートを用いることもできる。防漏シート32は、識別手段の識別性に影響を与えない範囲で、上述した素材のシートの外側に不織布を貼り合わせた積層シートで構成することもできる。不織布の接合方法は、特に制限はないが、熱や接着剤によるラミネートが好ましい。
防漏シート32の透湿度は、識別手段20の変色が素早く起こるようにする点から、1.0〜3.0g/(100cm2・h)であることが好ましく、2.0〜3.0g/(100cm2・h)であることがより好ましい。ここで、防漏シート32の透湿度は、JIS Z0208(カップ法)に準拠し、30℃、90%RHにて一時間試料を保存した場合の吸湿量により測定される。
吸収体33には、従来から吸収パッドに用いられている公知のものが採用される。吸収体33は、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、不織布(スパンボンド(S)・メルトブローン(M)・S、S・M・M・S、S・S・M・S等の複合不織布)からなる被覆材によって吸収性本体(吸収性コア)が覆われているものが好ましい。
本実施形態の吸収性物品1は、防漏シート32を介した吸湿・放湿により識別領域20Aが可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段20を備えているため、吸収パッド3と併用しても繰り返し排泄の有無を容易に識別することができる。
図4及び図5は、本発明の吸収性物品の第2実施形態を示すものである。本実施形態の吸収性物品において、第1実施形態の吸収性物品と共通する部分については同一符号を付している。本実施形態の吸収性物品において特に説明のない部分については、前記第1実施形態における説明が適宜適用される。
図4及び図5に示すように、本実施形態の吸収性物品1’は、外装体2’と、吸収パッド3とを備えており、外装体2’がいわゆる展開型の使い捨ておむつの形態を有している。吸収性物品1’は、外装体2’の内側に吸収パッド3が配された状態で外装体2’とともに着用される。
外装体2’は、第1実施形態の外装体2におけると同様に、吸湿・放湿によるpHの変化に基づいて可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段20を備えている。識別手段20は、アルカリ成分と、酸性化合物および呈色指示薬を含む親水性組成物20aとを具備しており、前記アルカリ成分は防漏シート22に含まれており、前記親水性組成物は防漏シート22と不織布23bとの間に配されている。
外装体2’は、表面シート21a、防漏シート22、これらの間に配された吸収体23、及びシート21aの両側縁部から防漏シート22の外縁部を覆う側面シート21bを具備している。
吸収体23は、矩形の外形形状を有し、吸収性本体(吸収性コア)23cとその一部を少なくとも被覆する不織布23a、23bとから構成されている。吸収性本体23cは、識別手段20に望むように矩形形状に切り欠かれた窓部23dを有している。
本実施形態においては、外装体2’の長さ方向中央部における、防漏シート22と不織布23bとの間の、吸収性本体23cの窓部23dを望む部分と、吸収性本体23の下方の部分に、前記親水性組成物20aが縦に3列配されている。即ち、外装体2’においては、この親水性組成物20aを介して防漏シート22と不織布23bとが接合された積層部20a’を含む識別領域20Aを有している。外装体2’が、このように長さ方向中央部に吸収性本体23cが積層部20a’と重なる部分と重ならない部分とを有しており、重なる部分では主に吸収パッド3を通して放出される水蒸気ではなく尿で濡れて重なっている部分で変色し、重ならない部分では主に吸収パッド3を通して放出される水蒸気によって変色する部分の両方の機能を備えたものとなるので、外装体2’と吸収パッド3の両方の交換を識別させる機能を付与することができる。
本実施形態においては、外装体2’の長さ方向中央部における、前記識別領域20Aに含まれ且つ前記吸収性本体23cと前記積層部20a’とが重ならない部分(親水性組成物20aの間)に位置するように、4本の弾性体28cが伸長状態で外装体2’の長手方向に沿っての防漏シート22に固定されている。外装体2’は、このような弾性体28cを有しているので、これらの弾性部材28cが収縮して形成されるギャザーによって、識別領域20Aと吸収パッド3(の防漏シート32)との密着性が高められ、当該吸収パッド3の防漏シート32を介した吸湿・放湿による識別手段20の可逆的変化が起こりやすくできるとともに、外装体2’と吸収パッド3の股間部におけるずれを確実に防止することができる。
本実施形態においては、外装体2’は、吸収体23の下方であって、防漏シート22における吸収性本体23cの下方に位置する部分に、弾性体28bが伸長状態で固定されている。外装体2’は、このような弾性体28bを有しているので、これらの弾性部材28bの収縮によってギャザーが形成され、脚周りに吸収体が密着し、脚周りからのモレを防止することができる。
外装体2’の背側部2Aの左右両側縁部には、それぞれファスニングテープ29が配設されている。腹側部2Bの外面には、ファスニングテープ29が止着されるランディングゾーン(図示せず)が幅方向に亘って形成されている。防漏シート22における股下部2Cの左右両側縁部に位置する部分には、弾性部材28aが伸長状態で固定されており、これらの弾性部材28aが収縮し、外装体2’の着用時に脚廻りに配される部位にレッグギャザーが形成される。
外装体2’の表面シート21aには、第1実施形態における表面シートと同様の材質のシートを、また、側面シート21bには、撥水性の不織布等の、従来からこの種の展開型の使い捨ておむつに用いられている材質のシートをそれぞれ用いることができる。
外装体2’の防漏シート22の材質には、第1実施形態の防漏シートと同じ材質のシートを用いることができる。
本実施形態の吸収性物品1’は、第1実施形態の吸収性物品と同様に、防漏シート32を介した吸湿・放湿により識別領域が可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段20を備えているため、吸収パッド3と併用しても繰り返し排泄の有無を容易に識別することができる。
本発明は、前記実施形態に制限されない。
前記各実施形態では、撥水性又は親水性の不織布で吸収性本体を被覆したが、該不織布と、その下方に防漏シートとを配し、さらにこれらの間に前記親水性組成物を配した構成を備えていれば、他の層構成であってもよい。
前記第1実施形態では、積層部20a’を吸収性本体23cと重ならないように配したが、例えば、図6に示す実施形態の吸収性物品1’におけるように、一部の積層部20a’が吸収性本体と重なるように配しても良い。このように積層部20a’が吸収性本体23と重ならない部分と重なる部分とを有していることにより、上記第2実施形態におけると同様に、吸収性本体23cが積層部20a’と重ならない部分においては主に水蒸気で変色し、吸収性本体23cが積層部20a’と重なる部分においては水蒸気ではなくて尿によって濡れて変色させることができるため、外装体2’と吸収パッド3の両方の交換を識別させる機能を付与することができる。
また、前記第2実施形態では、弾性体28aを配してギャザーを形成するようにしたが、弾性体28aは省略することもできる。
前記実施形態では、パンツ型の使い捨ておむつ及び展開型の使い捨ておむつの形態の外装体に基づいて説明したが、外装体は、吸収性本体を具備しないおむつカバーであってもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。
下記実施例1、2及び比較例のようにして吸収性物品を作製し、繰り返し排泄の有無を識別できるかどうかを下記のようにして評価した。その結果を表1に示す。
〔実施例1〕
<外装体の構成>
形態:パンツ型おむつ
表面シート:自社製、サクション不織布、坪量25g/m2
吸収体:撥水性不織布(三井化学製、スパンボンド不織布、坪量15g/m2)、吸収性本体(吸水ポリマー8g/フラッフパルプ22g)
防漏シート:自社製、透湿性フィルムシート、坪量20g/m2、透湿度1.7g/100cm2・h(カップ法)
酸性化合物:重合ロジン
レッグカバー不織布:ユニチカ製、スパンボンド不織布、坪量18g/m2
外層不織布:レンゴー製、エアースルー不織布、坪量20g/m2
<吸収パッドの構成>
市販の吸収パッド、花王(株)製、商品名「リリーフスーパー安心」
防漏シートの透湿度:2.38(g/100cm2・h)
〔実施例2〕
撥水性不織布に代えて下記親水性不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
親水性不織布:自社製、サクション不織布、坪量20g/m2
〔実施例3〕
下記吸収パッドを用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
吸収パッド:白十字製、商品名「サルバパンツ用しっかり吸収パッド昼用」
〔比較例1〕
実施例1の撥水性不織布に代えて実施例1と同様の防漏シートを用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
〔比較例2〕
撥水性不織布に代えて下記台紙を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
台紙:伊野紙株式会社製、坪量16g/m2
〔比較例3〕
比較例2における防漏シートに代えて、実施例2の親水性不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
〔比較例4〕
実施例1の防漏シートに代えて実施例1と同様の撥水性不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして吸収性物品を作製した。
〔繰り返し識別性の評価〕
吸収性物品の内側に吸収パッドを配して簡易モデルに装着し、吸収パッドに32℃のぬるま湯を200cc吸収させ、吸収パッドの透湿性防漏シートから放出される水蒸気を識別領域に吸湿させ、吸収性物品の外部から変色を確認後、吸収パッドを新しいものに交換し、水蒸気を識別領域から放湿させ、元の色に変色させた。
Figure 2006326221
表1に示したように、実施例1〜3では、吸湿、放湿に伴い、可逆的に変色が起こり、繰り返し排泄の有無を確認できた。これに対し、比較例1〜4では、吸湿・放湿を繰り返しても、可逆的な変色は起こらなかった。
本発明の吸収性物品の第1実施形態を模式的に示す斜視図である。 第1実施形態の吸収性物品を展開し一部を破断視した状態を模式的に示した斜視図である。 第1実施形態の吸収性物品の要部の断面を模式的に示す図である。 本発明の吸収性物品の第2実施形態を、一部を破断視した状態を模式的に示した斜視図である。 第2実施形態の吸収性物品の要部の断面を模式的に示す図(図3相当図)である。 本発明の他の実施形態の吸収性物品の要部の断面を模式的に示す図(図3相当図)である。
符号の説明
1 吸収性物品
2 外装体
20 識別手段
20a 親水性組成物
20a’ 積層部
20A 識別領域
21 外装体表面シート
22 外装体防漏シート
23 外装体吸収体
23a、23b 不織布
23c 吸収性本体
3 吸収パッド
31 表面シート
32 防漏シート
33 吸収体

Claims (14)

  1. 吸収パッドと共に用いるための外装体であって、
    吸湿・放湿によるpHの変化に基づいて可逆的に変色し、該変色が外部から識別可能に設けられた識別手段を備えている外装体。
  2. 前記識別手段がアルカリ成分と、酸性化合物およびpHの変化によって色が変化する呈色指示薬を含む親水性組成物とを具備し、前記アルカリ成分が透湿性の防漏シートに含まれており、前記親水性組成物が前記防漏シートと撥水性又は親水性の不織布との間に配されている請求項1記載の外装体。
  3. 前記親水性組成物を介して前記防漏シートと前記不織布とが重なり合った積層部を含む識別領域を有している請求項2記載の外装体。
  4. 前記不織布で吸収性本体の非肌当接面側の少なくとも一部が被覆された吸収体を備えており、該吸収性本体が前記積層部に重ならないように配設されている請求項3記載の外装体。
  5. 前記外装体の長手方向中央部に、前記吸収性本体が前記積層部と重なる部分と重ならない部分とを有している請求項4記載の外装体。
  6. 前記識別領域に含まれ且つ前記吸収性本体と前記積層部とが重ならない部分に、弾性体が配されている請求項4又は5に記載の外装体。
  7. 前記積層部の透明化度が8〜50である請求項3〜6の何れかに記載の外装体。
  8. 前記識別領域の透湿度が1.0〜3.0g/(100cm2・h)である請求項3〜7の何れかに記載の外装体。
  9. 前記アルカリ成分が炭酸カルシウムである請求項1〜8の何れかに記載の外装体。
  10. 前記酸性化合物が酢酸ビニルホモポリマー、ポリエチレン/ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン/ポリアクリル酸コポリマー、ステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、L−アスコルビン酸、ニコチン酸、L−グルタミン酸、乳酸若しくはコハク酸又はこれらの二種以上の組み合わせからなる請求項1〜9の何れかに記載の外装体。
  11. 展開型若しくはパンツ型の使い捨ておむつの形態を有している請求項1〜10の何れかに記載の外装体。
  12. 前記吸収パッドが、透湿性の防漏シートを具備しており、前記識別手段が該防漏シートを介した吸湿・放湿により変色するように設けられている請求項1〜11の何れかに記載の外装体。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の外装体と、液透過性の表面シート、防漏シート及びこれら両シート間に配された液保持性の吸収体を備えている吸収パッドとを備えている吸収性物品。
  14. 前記吸収パッドの前記防漏シートの透湿度が1.0〜3.0g/(100cm2・h)である請求項10記載の吸収性物品。
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