JP2005021390A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸収性コア41と、吸収性コア41の着用者肌対向面側とは反対側に液不透過性の裏面シート3とを備えた吸収性物品である。
吸収性コア41と裏面シート3との間の所定部位に、水分と接触すると視覚的に変化する親水性の組成物10が配されており、組成物10が配されている部位に対応して吸収性コア41に他の部位よりも吸収容量の小さい部位B1が設けられている。吸収性物品1はその長手方向に腹側部C、股下部B及び背側部Aを有しており、股下部Bに吸収容量の小さい部位B1が配されている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排尿の前後での視覚的変化が観察者に分かり易く、取り替え時期を素早く確実に知らせる機能を有する吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
これまで、排尿等によって濡れた場合に取り替え時期を知らせる機能を有する使い捨ておむつが種々提案されている。例えば、吸収性コアにおける着用者当接面と反対側の面に尿が到達すると変色するpH指示薬を含むおむつが知られている(特許文献1〜3参照)。また、水に濡れると変色する剤を含むおむつ(特許文献4)等も知られている。
【0003】
しかしいずれの技術においても、吸収体の存在する下にpH指示薬等の剤が配されていることから、数回の排尿を経た後でないと尿が該剤の存在する位置に到達しない。このため、1回目の排尿を素早く知りたいトイレトレーニング用のおむつ(トレーニングパンツ)の場合には、当該技術に改善の余地がある。また、通常のおむつであっても、股下部分に位置する吸収体の部分は、複数回尿を吸収すると他の部分より吸収能力が低くなっており、複数回尿を吸収した後に着用者が予期しないような体位を採った場合などには、当該股下部分に素早く吸収されなかった尿がおむつの開口部から漏れ出てしまう恐れがある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−36326号公報
【特許文献2】
特開昭56−43402号公報
【特許文献3】
特開平11−4852号公報
【特許文献4】
特開昭58−174601号公報
【0005】
従って本発明の目的は、排尿等によって生じた変色を初めとする視覚的変化が外部から素早く認識され易い吸収性物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収性コアと、該吸収性コアの着用者肌対向面側とは反対側に液不透過性の裏面シートとを備えた吸収性物品であって、前記吸収性コアと前記裏面シートとの間の所定部位に、水分と接触すると視覚的に変化する親水性の組成物が配されており、前記組成物が配されている部位に対応して前記吸収性コアに他の部位よりも吸収容量の小さい部位が設けられている吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)を裏面シート側からみた一部破断平面図が示されている。図2は図1におけるX−X線断面図である。図2においては裏面シート3の側が上側に描かれている。
【0008】
おむつ1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在される吸収体4を有し、実質的に縦長に形成されている。
【0009】
おむつ1は、股下部B並びに股下部Bから前後に延びる腹側部C及び背側部Aを備えている。背側部Aは、おむつ使用時に着用者の背中側に位置する部位である。腹側部Cは、おむつ使用時に着用者の腹側に位置する部位である。
【0010】
裏面シート3の外側(吸収体側とは反対側)の面には、不織布からなる外装カバーシート7が配されている。外装カバーシート7はおむつ1の外縁をなしている。
【0011】
背側部Aの左右両側縁にはファスニングテープ8,8が取り付けられている。腹側部Cの外装カバーシート7にはランディングテープ9が取り付けられている。ファスニングテープ8は、おむつの着用時にランディングテープ9に止着される。
【0012】
吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3によって挟持・固定されている。吸収体4は、吸収性コア41の周囲が被覆材42によって覆われて構成されている。吸収性コア41の材質には、従来から吸収性物品に用いられている通常のものを特に制限無く用いることができる。吸収性コア41の材質としては、例えば、吸収ポリマー、親水性繊維、又はこれらの積繊体が挙げられる。親水性繊維としては、フラッフパルプが挙げられる。吸収性コア41は、後述する白色度が高いものが好ましい。被覆材42は、吸収性コア41の保形性を維持する目的で用いられており、その材質には、例えば、後述する透明度及び白色度を有する薄葉紙が好ましく用いられる。
【0013】
おむつ1においては、吸収体4の前後端縁から前後方向に延出するウエスト部5,5及び左右側縁から横方向に延出するレッグ部6,6には、おむつ着用者に各部を着用者にフィットさせるためのウエスト部弾性部材51及びレッグ部弾性部材61がそれぞれ設けられている。
【0014】
また、おむつ1の表面シート2側における長手方向左右両側には、それぞれ立体ガード11が形成されている。立体ガード11の自由端には立体ガード弾性部材111が配されて、ギャザーが形成されている。
【0015】
而して本実施形態のおむつ1は、図1及び図2に示すように、裏面シート3と被覆材42との間に、水分と接触すると視覚的に変化する親水性の組成物(以下、変化剤という)10が配されている。本実施形態においては、裏面シート3側に配されている被覆材42の表面上に変化剤10が配されており、変化剤10が裏面シート3に臨むようになっている。より具体的には、後述する方法で粘着成分にpH指示薬(例えばブロモフェノールブルー)等を混合したホットメルト組成物からなる変化剤10が裏面シート3における吸収体対向面に塗布され、該吸収体対向面上に、吸収性コア41が被覆材42に覆われてなる吸収体4が載置されている。本発明において「視覚的に変化する」とは、水分との接触の前後で色が変化する場合、水分との接触で色が消失する場合、水分との接触で色が現れる場合、又はこれらの場合を二以上組み合わせた場合を含む概念である。本実施形態の変化剤10は、水分との接触の前後で色が変化する場合に該当する。
【0016】
本実施形態のおむつ1では、変化剤10はおむつ幅方向の中央部分において、おむつの背側部A、股下部B及び腹側部Cにわたって直線状に配されている。より具体的には、おむつ幅方向に3本の細長い線が並列するように配されている。本実施形態のおむつ1のように、変化剤10が股下部Bに存在していることで、尿が吸収体4に吸収され裏面シート3にまで到達した時に変化剤10が視覚的に変化し、おむつ1の取り替え時期を知らせることができる。
【0017】
本実施形態のおむつ1では、図3に示すように、股下部Bの変化剤10が配されている部位に対応して、吸収性コア41に他の部位よりも吸収容量が小さい部位(以下、低吸収部という。)B1が設けられている。ここで「変化剤が配されている部位に対応して」とは、吸収性コアと裏面シートとの間に配された変化剤に、平面視して重なり合う部分を有するようにという意味である。また、「吸収容量が小さい」とは、吸収性コア41の他の部位と比べて相対的に吸収容量が小さければよく、全く吸収容量を有さない場合も含む。吸収性コア41にこのような低吸収部B1が設けられていると、当該低吸収部B1では、排出された尿が吸収性コア41の他の部位に比べて変化剤10へ早く到達し、それにともなう変化剤の視覚的な変化も早く起こるので、おむつ1の取り替え時期を外部から素早く知ることができる。
【0018】
また、低吸収部B1は背側部A又は腹側部Cにあってもよいが、本実施形態のように股下部Bにあることが、1〜2回の排尿でも尿が直ぐに変化剤10まで到達でき、これに伴って変化剤に視覚的な変化が起こるので、排尿の時期を外観から確実に知る上で好ましい。本実施形態の構成は、特に動きが激しくなった幼児やおむつ外しを目的としたトイレトレーニングを行う幼児にとって、早期に排尿時期を知ることが却って漏れを防止する上で重要であることを見出し、股下部Bに尿インジケータとしての変化剤10を配し、かつ吸収容量の小さい部位を敢えて設けることにより、漏れを有効に防げることを見出したものである。しかも、単に全体の吸収容量を低くするだけではなく、低吸収部B1の周囲は相対的に吸収容量を高くしているから、変化剤10へ到達した後の尿は他の部位(高吸収部分)へ比較的早く吸収されるので、おむつ外部への尿漏れが有効に防止できる。また、両親が目を離している間に排尿をした場合や、幼児が隠れて排尿をした場合等1〜2回目の排尿のタイミングを知ることができなかったときでもおむつからの尿漏れを防ぐのに有効である。
【0019】
低吸収部B1は、他の部位に比べて坪量が小さくすることで設けることが簡便である。本実施形態のおむつ1では、低吸収部B1は、吸収性コア41が部分的に完全に欠落される(構成部材を有しない、坪量=0g/m2)ことによって設けられている。
【0020】
前述のように、低吸収部B1の坪量を小さくする場合には、低吸収部B1の坪量は0〜100g/m2、好ましくは0〜50g/m2であり、他の部位に比べて25g/m2以上、好ましくは50〜200g/m2小さいことが好ましい。低吸収部B1の坪量及び坪量の差が上記範囲であると、1〜2回の排尿で尿が変化剤10に到達し易いので、素早く排尿を知ることができる。また、この場合、坪量の小さい低吸収部が股下部Bに設けられているので、股下部Bが折れ曲がり易くなり、装着感が良好となる。加えて、当該折れ曲がりによって他の部位(高吸収部分)が股下部に寄るので、低吸収部B1で吸収されなかった尿が素早く吸収されるので、漏れが防げると共に、幼児に尿の濡れ感による不快感を不必要に持続させない。部分的に坪量を小さくするためには、例えば、被覆材42の上に吸収ポリマーとフラップパルプなどの親水性繊維とを含む繊維を混合積繊した後に、変化剤の配されている部位に対応して低吸収部B1となすべき部位において所望量の混合積繊物を除去すればよい。
【0021】
上述のようにして設けられる低吸収部B1の単位面積当たりの吸収容量は、吸収性コア全体の単位面積当たりの吸収容量(g/cm2)の0〜50%、特に0〜30%であることが好ましい。このようは吸収容量であると、1〜2回の排尿でも尿が変化剤10へ容易に素早く到達し、変化剤の視覚的な変化も早く起こるので、外観から排尿時期を素早く知る事が容易となり好ましい。加えて、観察者が1回目の排尿を見逃したような場合でも低吸収部B1の周囲には高吸収部分を有しているので、尿がすぐに漏れ出すことはない。本実施形態のようなおむつ1の場合には、低吸収部B1の吸収容量は、0〜1g/cm2、特に0〜0.5g/cm2であることが好ましい。
【0022】
低吸収部B1を設ける方法としては、吸収性コア41の坪量を他の部位よりも小さくする方法のほか、当該部位における吸収ポリマーの量を他の部位より減らす方法、吸収ポリマーを他の部位よりも吸収容量の小さいものとする方法、吸収ポリマーと親水性繊維とを併用する系においては、これらの方法に加えて親水性繊維を他の部位より減らす方法が挙げられる。
【0023】
吸収性コア41が吸収ポリマー及び親水性繊維を含む混合物からなる場合には、低吸収部B1の親水性繊維の量を他の部位に比べて少なくすると、低吸収部B1には水分がおむつの他の部位に移行し易い状態で保持され難くなり、着用前保存時や着用後排尿前におけるおむつ湿度環境下で低吸収部B1が水分を保持しにくくなるので、変化剤10が排尿前に視覚的な変化を起こす危険性を減らすことができる。特に、低吸収部B1では吸収ポリマーの親水性繊維に対する存在比が他の部位に比べて多いと、前述の効果に加えて吸収ポリマーが湿気を有効に吸って保持できるので好ましい。このような効果の面からは、低吸収部B1で吸収ポリマーを含みつつ、親水性繊維を極少量か全く含まない形態が好ましい。
【0024】
逆に、低吸収部B1では少量の液保持性の親水性繊維を含有し、吸収ポリマーを含まないことも可能である。この場合には、低吸収部の吸水性能が極端に低いが、一定の湿度環境下では水分を吸収保持できるので、変化剤10が視覚的に変化することを妨げることができる。従って、トレーニングパンツのような用途には適している。この場合、液保持性の親水性繊維としてはフラップパルプが好ましい。
【0025】
低吸収部B1は、おむつ長手方向に5〜70mmの長さであると尿の変化剤への移行速度が適度となるので好ましく、70mm以下であることは股下部Bでの尿の吸収性能を十分に奏する点から好ましい。とくに10〜60mmあると、尿の吸収体への吸収も十分な速度でなされるので漏れが生じにくく、しかも低吸収部B1を、坪量を小さくすることで構成した場合には股下部Bのフィット性を高められるので好ましい。
【0026】
また、低吸収部B1は、おむつ幅方向に5mm以上あると変化剤10の視覚的変化が広い範囲で起り易くなり、おむつ外部からの素早い認識がし易く好ましい。特に、10mm以上であると、低吸収部B1を吸収性コアの坪量を他の部位より小さくして設けた場合には、股下部Bでのフィット性が良好となるので好ましい。なお、該幅については、当該低吸収部B1を設ける部位における吸収性コア41の全幅にわたって設けていてもよい。但し、低吸収部を全幅にわたって設ける場合には、おむつ幅方向における股下部Bの吸収性コア中央領域に比べて吸収性コア側部では、低吸収部B1のおむつ長手方向長さが短いことが好ましい。吸収性コア側部においてあまりに長い領域で坪量が小さいと吸収性コアの吸収速度が尿の移動速度に追いつかず、吸収性コア側部から尿がおむつから外部へ流れ出るおそれがあるからである。従って、低吸収部B1を吸収性コア全幅にわたって設ける場合には、吸収性コア側部におけるその長さを1〜20mmとすることが好ましい。
【0027】
本実施形態おむつ1には、吸収性コア41の長手方向側縁に沿って立体ガード11が設けられており、着用時にはその収縮によって吸収性コア41の側縁は長手方向に引っ張られる。このため、低吸収部B1を吸収性コア41の全幅にわたって設ける場合であっても、吸収性コア側部は密着する方向へ動くので、吸収性コア側方への尿の漏出は防がれる。この効果は、低吸収部B1の長さが上述の範囲であるとより確実になり好ましい。
【0028】
本実施形態においては、変化剤10を、腹側部C、股下部B及び背側部Aにわたり、おむつ長手方向に沿って配することにより、股下部Bでの変化剤10の視覚的な変化を、視覚的な変化の比較的起きにくい背側部Aや腹側部Cとの比較によって明確に認識できるようにしている。しかも、変化剤10を細幅帯状の形態にしておむつ幅方向に複数本(本実施形態では3本)並列させているので、視覚的な変化が一層認識し易い。
【0029】
次に、おむつ1において用いられる変化剤10について説明する。変化剤10は水分と接触することによって視覚的に変化する物質(以下、変色物質という)を含む親水性の組成物である。変色物質としてはpH指示薬等が挙げられる。例えば公知のインク又は指示薬を使用することができる。pH指示薬としては、吸収性物品が本実施形態のように使い捨ておむつの場合には、尿との接触の前後で色が変化するものを用いることが好ましい。例えばブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、レザズリン等、pHが3〜7で変色するものが好ましい。
【0030】
変化剤10は、水分と接触するまでは、裏面シート3及び/又は被覆材42の表面に安定して固定化されている必要がある。そのような固定化を実現する方法としては、変化剤10を、前記変色物質と粘着性物質とを混合した親水性の組成物として裏面シート3又は被覆材42の表面に塗布する方法が簡便かつ確実である。粘着性物質としては、変色物質との相溶性の点から親水性を有するものが好ましい。そのような粘着性物質としては例えば、水分と接触する前には被覆材42と裏面シート3との接着剤として機能する親水性のポリマーが挙げられる。親水性のポリマーとしては例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ビニルピロリドンホモポリマー等が挙げられる。これら親水性のポリマーはその数平均分子量が、1000〜50000、特に2000〜20000であることが、確実な固定化を与える点から好ましい。
【0031】
次に、おむつ1を構成する他の部材について説明する。まず被覆材42について説明すると、変化剤10の視覚的変化がおむつの外部からはっきりと認識できるようにするために、被覆材42は透明度が低く且つ白色度の高いものであることが好ましい。透明度は20%以下であることが好ましい。白色度は、L*a*b*表色系(CIE1976)の色座標指数のb*値を3〜マイナス値、好ましくは1〜−5、特に0〜−5とすることが好ましい。このような透明度及び白色度を有する被覆材42は例えば、漂白処理したパルプを使用したり、台紙にフィラーを含有させること等によって得られる。
【0032】
b*値は、色差計によって測定される。本発明においては、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計NF777(商品名)を用い、照明条件C、視野角条件2°、正面受光条件=0/45°、光束径φ10mmの測定条件で、測定サンプルの裏側に被覆材を5mm以上の厚さとなるように複数枚重ねた状態で反射光を測定して求められる。
【0033】
次に裏面シート3について説明する。変化剤10は、裏面シート3を通じておむつ外部から認識されるので、裏面シート3は、視認性を良くするため透明度が高いものを用いることが好ましい。しかし余りに透明度が高いと、おむつ外部から排泄物が完全に透けて見えてしまう場合がある。このような見地から、裏面シート3の光透過率は30〜80%、特に35〜80%であることが好ましい。
【0034】
裏面シート3の光透過率は以下のようにして測定される。
<光透過率の測定方法>
(株)村上色彩研究所製、商品名「HR−100」で、測定光源A光源を使用して全光透過率Ttの値を測定する。裏面シート上の任意の10点を測定し、その平均値をもって光透過率の値とする。
【0035】
前記の光透過率を有することに加えて裏面シート3は液不透過性でかつ透湿性を有するものであることが好ましい。裏面シート3の透湿度は、JIS Z0208に準じ、32℃で1時間保存後の試料についての値で、0.5〜4.0g/(100cm2・hr)であることが、おむつ内部の適度な湿度調整によって快適な履き心地が得られる点、及び体液の漏れを防止する点から好ましい。
【0036】
このような液不透過性及び透湿性を有する裏面シート3に用いられる素材としては例えば多孔性フィルムが挙げられる。多孔性フィルムは例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、フィラーとを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又はニ軸延伸して得られる。熱可塑性樹脂としては例えばポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。前記フィラーとしては炭酸カルシウム等からなる微細な無機フィラー又は該樹脂に対し相溶性のない有機高分子等が挙げられる。
【0037】
裏面シート3の素材として坪量10〜40g/m2の多孔性フィルムを使用すると、変化剤10の視覚的変化がおむつ外部から認識し易くなると共に、柔軟な感触が得られるので好ましい。
【0038】
外装カバーシート7は、変化剤10の視覚的変化が認識し易いように、所定の光透過率を有するものが好ましい。外装カバーシート7の光透過率は50%以上、特に55%以上、さらには60%以上であることが好ましい。光透過率の測定方法は前述した通りである。
【0039】
変化剤10がおむつ外部から透けて見えるように、外装カバーシート7としては前記光透過率が得られる坪量及び/又は厚さの不織布を用いることが好ましい。該不織布はその坪量が5〜45g/m2、特に10〜40g/m2であることが、変化剤10の視覚的変化の認識性と風合いや手触りなどの官能的な性能とを両立する点から好ましい。
【0040】
外装カバーシート7に用いられる不織布としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルからなる熱可塑性樹脂単独の繊維や、これらの樹脂の2種以上を用いてなる芯鞘型やサイドバイサイド型の構造を有する複合繊維から構成される不織布等が挙げられる。
【0041】
外装カバーシート7に用いられる不織布としては、その地色の透明度が高く且つ白色度が高いものを用いることが、変化剤10の視覚的変化の認識性が高まるので好ましい。但し外装カバーシート7は、おむつ厚み方向に関して、変化剤10を配した部位との重なり部分において、当該重なり部分の大部分が白色であれば良く、当該重なり部分以外の部位に、変化剤10の視覚的変化の認識性を妨げない範囲で印刷を施しても構わない。
【0042】
上述のおむつ1を構成するその他の部材には、当該技術分野において従来公知のものを用いることができる。例えば表面シート2としては親水性の不織布や開孔フィルムなどが挙げられる。ウエスト部弾性部材51、レッグ部弾性部材61及び立体ガード弾性部材111としては各種エラストマー材料が挙げられる。前記立体ガード11としては不織布が挙げられる。
【0043】
本実施形態のおむつ1は、上記各構成部材及び剤を図1〜図3に示すような適宜の位置に配し、公知のおむつの製法と同様にして各構成部材を積層して適宜の位置で接合することによって製造することができる。
【0044】
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0045】
例えば、本実施形態においては、変化剤10を細幅帯状の形態でおむつ幅方向に間隔をおいて3本並列させているが、本発明はこれに限定されず、変化剤の本数は1本でも4本以上でもよい。これに加えて、水分と接触しても視覚的に変化しない模様を、変化剤10と重ならないように裏面シート3や外装カバーシート7に設けることも可能である。このような模様を設ける場合には例えば、変化剤10が水分との接触の前後で変色するものである場合には、変化剤10の変化前の色又は変化後の色と略同じ色の模様を設けると、色の変化を一層認識し易くなるので好ましい。
【0046】
また、前記実施形態では、変化剤10として、水分との接触の前後で色が変化するものを用いたが、変化剤には、水分との接触で色が消失するもの、及び水分との接触で色が現れるものを用いることができる。
【0047】
また、例えば前述した実施形態では、背側部Aの左右両側縁にファスニングテープ8,8を設けたが、これに代えて背側部Aの左右両側縁に、側方に延出する一対のウエストバンドをそれぞれ設けてもよい。そして、一方のウエストバンドの先端部にバンド止着部を設け、この止着部によって左右のウエストバンドを、着用者の腹側又は背側において止着するようにしてもよい。
【0048】
また、前記実施形態では、本発明を展開型の使い捨ておむつに適用したが、本発明は他の吸収性物品、例えばパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等にも同様に適用可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、排尿等によって生じた変色を初めとする視覚的変化が外部から非常に認識し易いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品を使い捨ておむつに適用した一実施形態を裏面シート側から見て模式的に示す一部破断平面図である。
【図2】図1におけるX−X線拡大断面図である。
【図3】図1におけるY−Y線断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 被覆材
5 ウエスト部
6 レッグ部
7 外装カバーシート
8 ファスニングテープ
9 ランディングテープ
10 親水性の組成物(変化剤)
11 立体ガード
A 背側部
B 股下部
C 腹側部
B1 吸収容量の小さい部位
Claims (4)
- 吸収性コアと、該吸収性コアの着用者肌対向面側とは反対側に液不透過性の裏面シートとを備えた吸収性物品であって、
前記吸収性コアと前記裏面シートとの間の所定部位に、水分と接触すると視覚的に変化する親水性の組成物が配されており、
前記組成物が配されている部位に対応して前記吸収性コアに他の部位よりも吸収容量の小さい部位が設けられている吸収性物品。 - 前記吸収性物品はその長手方向に腹側部、股下部及び背側部を有しており、前記股下部に前記吸収容量の小さい部位が配されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアは、前記他の部位では親水性繊維及び吸収性ポリマーを含んでおり、前記吸収容量の小さい部位では該親水性繊維含有量が前記他の部位よりも少ない請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収性コアが部分的に欠落されて前記吸収容量の小さい部位が設けられている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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