JP4628292B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1を裏面シート側からみた一部破断平面図であり、図2は図1におけるII−II線断面を、表面シート2側を上側、裏面シート3側を下側にして示す図である。
吸収体4は、吸収性コア41の周囲が、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙からなる台紙42によって覆われて構成されている。台紙42は、吸収性コア41の保形性を維持する目的で用いられている。
裏面シート3の外側(吸収体側とは反対側)の面には、不織布からなる外装カバーシート7が配されている。外装カバーシート7はおむつ1の外縁をなしている。おむつ1は、股下部B並びに股下部Bから前後に延びる腹側部C及び背側部Aを備えている。背側部Aは、おむつ使用時に着用者の背中側に位置する部位である。腹側部Cは、おむつ使用時に着用者の腹側に位置する部位である。背側部Aの左右両側縁にはファスニングテープ8,8が設けられている。ファスニングテープ8は、おむつ着用時に腹側部Cの外装カバーシート7上に設けられたランディングテープ9に止着される。
本実施形態における変化剤10は、pHによって色が変化するpH指示薬(例えばブロモフェノールグリーン)を含むホットメルト組成物である。変化剤10は、裏面シート3における吸収性コア41側の面に塗布した後、その塗布面上に液透過性吸水シート12を載置してある。本発明における呈色成分について「液に接触することにより色が変化する」とは、液との接触の前後で色が変化する場合、液との接触で色が現れる場合を含む概念である。
中間シート11は、液透過性であるから、排尿直後に液が変化剤10の塗布された裏面シート3にまで到達するのを妨げることはない。また、中間シート11は、その内部に、入り込んだ液体が吸収性コア41によって吸い出されて液の遮断性を高める空間が出来ることにより、呈色成分が吸収性コア41に移行することを防止することができる。
中間シート11は、荷重25gf/cm2下の厚み(以下、加圧下の厚みともいう)が0.1mm以上であり、好ましくは0.15mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上である。また、中間シート11は、荷重25gf/cm2下の密度(以下、加圧下の密度ともいう)が0.3g/cm3以下であり、好ましくは0.2g/cm3以下であり、より好ましくは0.1g/cm3以下である。
加圧下の厚み及び加圧下の密度を上記範囲内とすることで、おむつの着用者がおむつを着用した状態でさまざまな動作をした場合であっても、呈色成分の吸収性コアへの移行を効果的に防止ないし低減でき、吸収性コアの着色及びそれによる不都合を防止することができる。
加圧下の厚みが0.1mm未満又は前記密度が0.3g/cm3超であると、呈色成分の吸収性コアへの移行を充分に防止することが難しい。
加圧下の厚みの上限値は、排尿直後に液が変化剤10に接触しなくなることを防止する観点から、3mm程度であり、好ましくは0.1〜1.5mmである。他方、中間シート11を構成する繊維の間隙が大きくなると、排尿直後にそこに残る液量も多くなり、結果として、吸収性コア41によって吸い出されることにより形成される、中間シート11内部の液の遮断性を高めるための空間が出来にくくなることから、加圧下の密度の下限値は、0.03g/cm3程度であり、好ましくは0.05g〜0.3/cm3である
なお、中間シート11の厚みの測定は、以下の方法により行う。まず中間シート11上に25gf/cm2の荷重が加わった状態になるように、底面と天面が平行な重りを載せ、測定装置として株式会社キーエンスのLK080クラス2レーザー変位計を用いて厚みを測定する。測定点数は4〜6点でその平均を採る。中間シート11の厚みを位置により意図的に変えたものでない場合で測定値が20%以上振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加する。また、密度は、厚みの測定値に坪量の測定値を乗じて算出する。。
中間シート11を構成する不織布としては、カード等により得られた繊維ウエブの繊維同士間をエアスルー法により熱融着させたエアスルー不織布、繊維ウエブの繊維同士間をヒートロールで熱融着させたヒートロール不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、スパンボンド不織布等が挙げられるが、エアスルー不織布、エアレイド不織布等が液の遮断性を高める空間を構築しやすいという観点から好ましく、特にエアスルー不織布が好ましい。
不織布を構成する繊維は、太くすれば剛性もあがるが、その反面、繊維同士の融着点は少なくなるため、加圧下においても空間を保持する観点から、1〜10デニールの太さの繊維が好ましく、より好ましくは2〜5デニールである。
不織布は、エアスルー不織布同士又はエアスルー不織布と他の種類の不織布を重ね、部分的に接合して一体化させた多層構造のエアスルー不織布を使用することも出来る。。
具体的には、中間シート11は、クレム法による吸水度(JIS P8141)が5mm以下であることが好ましく、特に2mm以下であることが好ましい。
〔クレム法による吸水度の測定方法〕
クレム法による吸水度はJIS P8141にしたがって測定する。
前記KES圧縮試験機(カトーテック株式会社製)は生地の風合いを数値化する試験機である。測定はサンプルをスピード:0.02cm/s、圧縮面積:2cm2、感度:5、圧縮荷重25gf/cm2の条件で圧縮−回復を行う。そして、押し込み長さと圧力の相関図から特性値を算出する。RC(圧縮回復性)は、WC(圧縮仕事量)に対するWC´(圧縮回復仕事量)の比率であり、RC=WC´/WCにより算出される。この特性値が大きい程、反発性があるということを意味する。中間シート11のRC(圧縮回復性)が小さい場合には、おむつに加わる圧力が繰り返し変化する様な状況下においては、該中間シート11が繰り返し回復性が劣化してしまい、所望の効果を発揮しない恐れがある。
液透過性吸水シート12を中間シート11に隣接して配置することで、呈色成分が吸収性コア41に移行することを一層効果的に防止することができる。その理由は、中間シート11内に入り込んだ液体が、液透過性吸水シート12によって吸い出され、該中間シート11内に液の遮断性を高める空間ができ易くなるためであると考えられる。
液透過性吸水シート12としては、抄紙した紙、不織布、織布、これらの積層体等を用いることができるが、抄紙した紙が、親水性繊維をより密にして毛管力による吸水性を高めるという観点から好ましい。
液透過性吸水シート12が紙である場合、その坪量は5〜40g/m2、特に10〜25g/m2あることが好ましい。
液透過性吸水シート12が不織布である場合、該不織布としては、コットンやレーヨンなどの繊維を含むスパンレース不織布などがあげられる。
液透過性吸水シート12は、中間シート11内に入り込んだ液体を吸いとることにより、中間シート11の遮断性をより高める効果があるが、そのような効果を発揮するためには吸水性の高いものが好ましい。具体的には、液透過性吸水シート12は、それを構成する親水繊維の繊維の毛管現象による吸水度が高い程よく、クレム法による吸水度(JIS P8141)が20mm以上であることが好ましく、特に30mm以上であることが好ましい。
また、本発明の吸収性物品は、更に、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁バッド等であっても良い。
花王株式会社製の市販の幼児用使い捨ておむつ(商品名「メリーズSサイズ」)から、吸収体(台紙で被覆された状態の吸収性コア)を取り出した。また、中間シート用の不織布として、坪量が40g/m2の2層構造の不織布であって、エアスルー不織布(構成繊維径:3デニール)からなる平坦な上層と、凹凸ロール間に通して畝部と溝部が交互に配置された断面波形の形状としたエアスルー不織布(構成繊維径:3デニール)からなる下層とを有し、上層と下層とが下層の畝部で互いに接合された不織布を用意した。この不織布の加圧下の厚み等を表1中に示した。
呈色成分として、pH指示薬であるブロモクレゾールグリーンを含むホットメルト組成物(変化剤)を、樹脂フィルムからなる裏面シート上に塗工し、裏面シートの塗工面上に、パルプ繊維からなり、坪量16g/m2、クレム吸水度(JIS P8141)39mmの紙(親水性繊維からなる液透過性吸水シート)、中間シート用の上記不織布、上記市販のおむつから取り出した上記吸収体、及び上記の市販のおむつから取り出した表面シートを、この順に積層した。中間シート用の不織布は、その下層を、親水性繊維からなる液透過性吸水シート側に向けて積層した。
1時間の放置後、吸収体を取り出し、ブロモクレゾールグリーンの色が吸収性コア内にどの程度入り込んでいるかを、目視により観察した。
吸収体の観察は、表面シート側の面及び中間シート側の面をそれぞれ観察した。また、呈色の程度を対照サンプルと比較することにより、下記の評価基準で評価し、それらの結果を表1に示した。
実施例1において、中間シート及び親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れない以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体を対照サンプル1とした。
<対照サンプル2>
実施例1において、中間シート及び親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れず、また、樹脂フィルムを、ホットメルト組成物(変化剤)を塗工しないで裏面シートとして用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。得られた積層体を対照サンプル2とした。
0点:対照サンプル1と同レベル(改善が認められない)
1点:対照サンプル1と2の中間程度の呈色レベルで対照サンプル1に近い
2点:対照サンプル1と2の中間程度の呈色レベル
3点:対照サンプル1と2の中間程度の呈色レベルで対照サンプル2に近い
4点:対照サンプル2と同レベル(変化剤の色移りが認められない)
実施例1において、親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れない以外は実施例1と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
中間シート用の不織布として、坪量25g/m2の2層構造の不織布であって、上層及び下層を有し、該上層より該下層の繊維密度が疎であり、エアスルー不織布(上層繊維の太さ:2デニール、下層繊維の太さ:5デニール)を用意した。
この不織布を中間シートとして用いる以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した、その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
実施例3において親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れない以外は実施例3と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
中間シート用の不織布として、坪量25g/m2の、繊維の太さが3デニールの単一の繊維からなるもので、繊維密度が均一な不織布を用意した。
この不織布を中間シートとして用いる以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
実施例5において、親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れない以外は実施例5と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
中間シート用の不織布として、坪量25g/m2の単一の繊維径(2デニール)スパンボンド不織布を用意した。この不織布を中間シートとして用いる以外は、実施例1と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
比較例1において、親水性繊維からなる液透過性吸水シート(坪量16g/m2の紙)を入れない以外は、比較例1と同様にして積層体を製造した。その積層体について、実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示した。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 台紙
5 ウエスト部
6 レッグ部
7 外装カバーシート
8 ファスニングテープ
9 ランディングテープ
10 呈色成分を含む組成物(変化剤)
11 中間シート
12 親水性材料からなる液透過性吸水シート
Claims (3)
- 吸収性コアと裏面シートとの間の所定部位に、液に接触することにより色が変化する呈色成分を含む組成物を含む吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、上下面が、保形用の親水性シートで被覆されており、
前記吸収性コアと前記組成物との間に、保形用の前記親水性シートとは別のシートとして、液透過性の中間シートが配されており、
前記中間シートは、合成繊維を主体として構成され、該合成繊維は、界面活性剤により表面が親水処理され、太さが1〜10デニールであり、
前記中間シートは、クレム法による吸水度(JIS P8141)が5mm以下であり、
前記中間シートは、坪量が20〜100g/m2であり、荷重25gf/cm2下の厚みが0.1mm以上であり、同荷重下の密度が0.3g/cm3以下であり、荷重25gf/cm 2 となるまで圧縮して測定したRC(圧縮回復性)が40〜80%である吸収性物品。 - 前記呈色成分が、pHによって色が変化するpH指示薬である請求項1記載の吸収性物品。
- 前記中間シートと前記組成物との間に、親水性繊維からなる液透過性吸水シートが配されている請求項1記載の吸収性物品。
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