JP6603922B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、股間部への密着性、及び吸収性能に優れた吸収性物品に関する。
一般的に大人用紙おむつには、テープ止めタイプ、尿取りパッド、パンツタイプ等があり、これらの紙おむつは着用対象者の排泄における介護の必要度に応じて適宜選択されて使用される。これらの吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シートの間に配置された吸収体と、で構成されている。このような構成を採用することにより、尿等の体液は、吸収性物品のトップシートを透過して吸収体に吸収され、バックシートにより外部へ漏れないようになっている。
ところで、テープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつは、それ自体を単独で使用する場合と、その内側に尿取りパッドを併用する場合があるが、現在は、尿取りパッドと併用し、吸収性物品である尿取りパッドを、トップシート上に重ね使用する場合がほとんどである。これは、紙おむつ1枚当たりのコストが高いためで、テープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつに比して安価な尿取りパッドで排泄物を吸収して保持した後、尿取りパッドのみを交換することで、排泄後においても、よりコストの高いテープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつを交換せずに済み、経済的に低いコストで紙おむつを使用できるためである。
ここで、尿取りパッドをテープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつと併用し、尿取りパッドをインナー、テープ止めタイプやパンツタイプの紙おむつをアウターとして使用する場合、排泄物の漏れを有効に防止し、尿取りパッドの吸収性能を十分に発揮させるためには股間部へのフィット性を良好なものとする必要があり、着用者の性別を問わず、着用者の尿道口に尿取りパッドの吸収面を密着させる必要がある。
しかしながら、尿取りパッドは、大人の排泄する尿に代表されるような大量の体液を吸収しなければならないため、大型化、大吸収量化されたものが広く使用されている。このため、大型の尿取りパッドを股間部に密着させて着用者に装着させるためには、尿取りパッドを縦方向にV字型やW字型に折り込んだり、左右に振りながら引っ張って股間に入れ込んだりしなければならず、介護者に装着させるための技術と慣れが必要となり、そのような技術や慣れがない状況では、股間部への密着性を良好にしたまま着用者に装着させられない、という問題があった。
以上のような課題に関連しうる先行技術文献としては、特許文献1及び2が挙げられる。
特許文献1には、吸収体の一部に増厚された中高部を有するとともに、少なくとも体液排出部領域において中高部の外側に凹状の防漏溝が形成された吸収性物品が開示されている。また、特許文献2には、吸収体の略中央部領域に表面側に増厚された中高部を有する吸収性物品において、中高部の領域内であって、且つ体液排出部領域を含む両側部にそれぞれ、吸収性物品の長手方向に伸びる防漏溝が形成されたことを特徴とする吸収性物品が開示されている。
特開2005−102900号公報 特開2008−080150号公報
しかしながら、特許文献1においては、吸収された経血等の拡散を促進して吸収能の増大や逆戻りを防止することを主目的としているように、その対象は、大型化、大吸収量化が求められない生理用ナプキンである。よって、特許文献1の発明は、大量の尿等を吸収する、大型の吸収性物品の股間部への密着性や吸収性能の問題に対応しうるものではない。また、特許文献2では、薄型化することにより装着時の違和感を低減した吸収性物品において、製品の長手方向のみならず、短手方向への体液の横漏れを防止することを目的としている。よって、特許文献2の発明は、大量の尿等を吸収する、大型の吸収性物品の股間部への密着性や吸収性能の問題に対応しうるものではない。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、大型化、大吸収量化された、大量の尿等を吸収する、大型の吸収性物品であって、股間部への密着性に優れ、良好な吸収性能を有し、フィット性、装着性に優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、所定寸法以上の大型の吸収性物品において、吸収体の排尿域に、前方域側が中央部に比して狭まった形状となった凸型立体形状部を設け、この凸型立体形状部の前方域側の狭まった形状に沿うように、前方域側を下部とし、排尿域側を上部とするY字形状で、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボスを設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 本発明の一実施形態は、吸収性物品であって、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、その間に配置された吸収体と、を有し、長手方向の長さが480mm以上であり、短手方向の長さが190mm以上である吸収性物品であって、前記吸収体は、前方域、排尿域、及び後方域を有し、前記吸収体は、排尿域が周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分を有し、前記凸型立体形状部分は、少なくとも前方域側が中央部に比して狭まった形状となっており、前記凸型立体形状部分の前方域側の狭まった形状に沿うように、前方域側を下部とし、排尿域側を上部とするY字形状で、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボスが設けられていることを特徴とする。
(2) (1)に記載の吸収性物品は、前記吸収体の長手方向の長さが420mm以上であり、短手方向の長さが150mm以上であってもよい。
(3) (1)又は(2)に記載の吸収性物品は、前記凸型立体形状部分の長手方向の長さが30mm以上であり、短手方向の最大長さが15mm以上であってもよい。
(4) (1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品は、前記トップシートから前記凸型立体形状部分の最高部の高さが2mm以上8mm以下であってもよい。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の吸収性物品は、前記チャネルエンボスの、Y字形状の分岐点より前側の部分の長さが50mm以上であり、Y字形状の枝分かれ部分の長さが、長手方向に沿って、40mm以上であってもよい。
本発明の吸収性物品においては、凸型立体形状部の前方域側の狭まった形状に沿うように、前方域側を下部とし、排尿域側を上部とするY字形状で、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボスを設けたことにより、チャネルエンボスの、Y字形状の分岐点より前側の部分のスリットに沿ってパッドを二つ折りにすることにより、着用者に吸収性物品を装着させる技術や慣れがない介護者が装着させる場合においても、着用者の股間部に吸収性物品を密着させた状態で装着させることができ、良好な吸収性能を有し、フィット性、装着性に優れた、漏れのない吸収性物品を提供することができる。
第一の実施形態に係る吸収性物品をトップシート側から見た展開図である。 図1の(a)X−X線における断面図、及び(b)X−X線における断面図を示す図面である。 第二の実施形態に係る吸収性物品をトップシート側から見た展開図である。
<<第一の実施形態>>
以下、本発明の第一の実施形態に係る吸収性物品1について、図1及び2を参照して詳細に説明する。なお、実施形態の説明は、全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
<吸収性物品>
本明細書の説明において、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の着用時及び着用後の少なくとも一方をいう。吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の短手方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、肌当接面とは、吸収体23等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、非肌当接面とは、吸収体23等の各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。体液とは、尿、血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。さらに、吸収性物品1の用途は、特に限定されるものではなく、一般には、幼児又は成人用を問わず、テープ止めタイプの使い捨ておむつ、パンツタイプの使い捨ておむつ、尿取りパッド、軽失禁パッド、生理用品等であってもよいが、本発明は、長手方向の長さが480mm以上であり、短手方向の長さが190mm以上である大型の吸収性物品に対し、着用者の股間部に吸収性物品1を密着させる際に適用することができる。本発明は、長手方向の長さが500mm以上800mm以下、短手方向の長さが200mm以上400mm以下である吸収性物品に、さらに好適に適用することができ、尿取りパッド、及び大型軽失禁パッド等の吸収性物品に対しても、好適に適用することができるものである。
図1は、第一の実施形態に係る吸収性物品1をトップシート側から見た展開図である。吸収性物品1は、肌当接面側に配された液透過性のトップシート21と、トップシート21に対向して配置された液不透過性のバックシート22と、トップシート21とバックシート22との間に少なくとも1層配置された吸収体23と、を備えている。
また、吸収性物品1には、使用者の排泄した体液の横漏れを防止するため、吸収性物品1の長手方向に沿って、トップシート21上に、立体ギャザー用弾性部材24aを有する一対の立体ギャザー24を備えていてもよい。吸収性物品1の短手方向における立体ギャザー24の外端は、バックシート22に固定され、その内端はトップシート21に固着され、その中央はトップシート21に固定されない自由端となるように、立体ギャザーシート24bが配される。立体ギャザー用弾性部材24aを長手方向に沿って設けることで、立体ギャザー24が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとなる。立体ギャザー用弾性部材24aとしては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状又は帯状の天然ゴム等が使用され、立体ギャザーシート24bとしては、疎水性繊維にて形成された撥水性又は不透液性の不織布、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布等が使用される。
(トップシート)
トップシート21は、体液が吸収体へと移動するような液透過性を備えた基材から形成すればよく、例えば、サーマルボンド不織布、スパンボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。また、トップシート21には、液透過性を向上させるために、表面にエンボス加工や穿孔加工を施してもよい。これらのエンボス加工や穿孔加工を施すための方法としては、公知の方法を制限なく実施することができる。また、肌への刺激を低減させるため、トップシート21には、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させてもよい。さらに、強度及び加工性の点から、トップシート21の坪量は、18g/m以上40g/m以下であることが好ましい。トップシート21の形状としては特に制限はないが、漏れがないように体液を吸収体23へと誘導するために必要とされる、吸収体23を覆う形状であればよい。
(バックシート)
バックシート22は、吸収体23が保持している体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成すればよく、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布とを積層した複合シートといった材料から形成される。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
強度及び加工性の点から、バックシート22の坪量は、15g/m以上40g/m以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート22は、通気性を持たせることが好ましい。バックシート22に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート22にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
(吸収体)
吸収体23は、基材としての吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(SAP)と、を含有することが好ましい。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンやおむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体23の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、100g/m以上800g/m以下の坪量とすることが好ましい。
吸収体23の高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。吸収体23のSAP量は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、50g/m以上500g/m以下の坪量とすることが好ましく、15質量%以上50質量%以下の含有量とすることが好ましい。
吸収体23において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したもの、あるいは、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートとしたものであることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体23の形状の安定化の目的から、吸収体23をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
吸収体23は、上層吸収体231と下層吸収体232とを積層してなるものであることが好ましい。この場合、上層吸収体231と下層吸収体232の長手方向及び短手方向の長さは、上層吸収体231の長さが下層吸収体232の長さより長くてもよく、上層吸収体231の長さが下層吸収体232の長さと同じであってもよく、上層吸収体231の長さが下層吸収体232の長さより短くてもよい。
本発明は、長手方向の長さが420mm以上であり、短手方向の長さが150mm以上である、大型の吸収体を有する吸収性物品に好適に適用することができ、長手方向の長さが400mm以上750mm以下であり、短手方向の長さが100mm以上350mm以下である吸収体を有する吸収性物品に対しても、さらに好適に適用することができる。このような寸法の吸収性物品を着用者に装着しようとする場合、介護者が技術や慣れを有していない場合には、着用者の股間部と吸収性物品1とを密着できない場合があるが、本発明では以下に説明するように、凸型立体形状部分とチャネルエンボスとが形成されているため、技術や慣れを有していない介護者でも、容易に、吸収性物品1を着用者の股間部に密着させることができる。
(凸型立体形状部分)
本発明において、吸収体23は、前方域23a、排尿域23b、後方域23dを有する。これらのうち、排尿域23bは周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分23cを有し、この凸型立体形状部分23cは、図1に示すように、前方域23a側の部位、及び後方域23d側の部位が、凸型立体形状部分23cの中央部に比して狭まった形状となっている。吸収性物品1において、吸収体23の排尿域23bが、周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分23cを有することにより、吸収体23と着用者の股間部との密着性が良好となり、体液の漏れを無くして、吸収性能に優れた吸収性物品1を提供することができる。凸型立体形状部分23cは、長手方向の長さが30mm以上であることが好ましく、50mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。また、凸型立体形状部分23cは、短手方向の最大長さが15mm以上であることが好ましく、20mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。凸型立体形状部分23cは、最高部の高さが2mm以上8mm以下であることが好ましく、3mm以上6mm以下であることがさらに好ましい。凸型立体形状部分23cの寸法を以上のようなものとすることにより、吸収性物品1の吸収体23と着用者の股間部との密着性をより良好なものとすることができ、体液の漏れを効率的に防止することができる。
(チャネルエンボス)
図2は、図1のX−X線における断面図((a))、及びX−X線における断面図((b))を示す図面である。本発明の吸収性物品1の吸収体23は、凸型立体形状部分23cの前方域23a側の狭まった形状に沿うように、前方域23a側を下部とし、排尿域23b側を上部とするY字形状で、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボス25(凹状のエンボス)が設けられている。ここで、例えば尿取りパッド等、従来の大型の吸収性物品を股間部に密着させて着用者に装着させるためには、吸収性物品を縦方向にV字型やW字型に折り込んだり、左右に振りながら引っ張って股間に入れ込んだりしなければならず、介護者に装着させるための技術と慣れが必要となり、そのような技術や慣れがない状況では、股間部への密着性を良好にしたまま着用者に装着させられないという問題があった。図2にみられるように、チャネルエンボス25のY字形状の分岐点より前側の部分は、吸収体23に向かって谷を形成するようにエンボスが形成されており(図2(a))、この部分を谷として吸収性物品1を谷折りしやすい構造となっている。一方、チャネルエンボス25のY字形状の枝分かれ部分は、凸型立体形状部分23cの両側に、吸収体23に向かって谷を形成するようにエンボスが形成されており、チャネルエンボス25のY字形状の分岐点より前側のスリットを利用して、吸収性物品1を谷折りした場合には、分岐した2本のスリットに挟まれた凸型立体形状部分23cが、着用者側に対してより隆起した構造を取ることとなる。
吸収性物品1の吸収体23にこのようなチャネルエンボス25を設け、このチャネルエンボス25の、Y字形状の分岐点より前側の部分のスリットに沿って吸収性物品1を二つ折りにすることにより、着用者に吸収性物品を装着させる技術や慣れがない介護者が装着させる場合においても、着用者の股間部に吸収性物品を密着させた状態で装着させることができ、良好な吸収性能を有し、フィット性、装着性に優れた、漏れのない吸収性物品を提供することができる。チャネルエンボス25は、Y字形状の分岐点より前側の部分の長さLが50mm以上であることが好ましく、70mm以上300mm以下であることがさらに好ましい。また、Y字形状の枝分かれ部分の長さLが、長手方向に沿って、40mm以上であることが好ましく、60mm以上250mm以下であることがさらに好ましい。チャネルエンボス25の寸法を以上のようなものとすることにより、吸収性物品1を着用者に装着させる際、Y字形状の分岐点より前側の部分のスリットに沿って吸収性物品1を二つ折りにしたときに、着用者の股間部に密着しやすい折れ目構造を形成しやすくなり、装着後の吸収性物品1と着用者の股間部との密着性が向上する。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法は、周知の方法を採用することができ、例えば、(A)吸収性繊維を高吸収性ポリマーとともに積繊して吸収体マットを作成し、吸収体23を形成する工程、(B)トップシート21と立体ギャザー24をホットメルト系接着剤で固定・一体化する工程、(C)トップシート21、立体ギャザー24、及びバックシート22の内側にホットメルト系接着剤を塗工する工程、(D)集合ドラムにおいて、吸収体23の上部にトップシート21を、吸収体23の下部にバックシート22を配置し、各構成部材を固定・一体化する工程、(E)吸収性物品1の半製品をカッター装置により製品寸法でカットし、個々の吸収性物品1を切り離す工程、を有する製造方法等を挙げることができる。
本発明においては吸収性物品1の吸収体23を成形する際、上層吸収体231(吸収体23が一層のみからなる場合には、吸収体23)のトップシート側を凸型に成形する。上層吸収体231のトップシート側を凸型に成形することにより、吸収性物品1を製造した後、吸収体23が凸型立体形状部分23cを有するものとなる。また、トップシート21、吸収体23、バックシート22を配置し、固定・一体化する際等に、加熱エンボス加工機等の公知の手段を用いることにより、Y字形状のチャネルエンボス25を形成することができる。なお、加熱エンボス加工機によりチャネルエンボス25を形成する場合、チャネルエンボス25に対応する凸部形状を有するエンボスロールと、エンボスロールの周囲に配置された受けロールあるいはベルトの間に、トップシート21、吸収体23、バックシートを積層したものを通過させて、これらを一体的に加熱及び加圧処理を行なえばよい。
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態について、図3を参照して詳細に説明する。なお、以下の第二の実施形態においては、第一の実施形態と重複する説明については省略することがある。
(凸型立体形状部分)
図3は、第二の実施形態に係る吸収性物品をトップシート側から見た展開図である。本発明において、吸収体23は、前方域23a、排尿域23b、後方域23dを有する。これらのうち、排尿域23bは周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分23cを有し、この凸型立体形状部分23cは、図3に示すように、前方域23a側の部位が、凸型立体形状部分23cの中央部に比して狭まった形状となっている。吸収性物品1において、吸収体23の排尿域23bが、周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分23cを有することにより、吸収体23と着用者の股間部との密着性が良好となり、体液の漏れを無くして、吸収性能に優れた吸収性物品1を提供することができる。凸型立体形状部分23cは、長手方向の長さが30mm以上であることが好ましく、40mm以上200mm以下であることがさらに好ましい。また、凸型立体形状部分23cは、短手方向の最大長さが15mm以上であることが好ましく、20mm以上80mm以下であることがさらに好ましい。凸型立体形状部分23cは、最高部の高さが2mm以上8mm以下であることが好ましく、3mm以上6mm以下であることがさらに好ましい。凸型立体形状部分23cの寸法を以上のようなものとすることにより、吸収性物品1の吸収体23と着用者の股間部との密着性をより良好なものとすることができ、体液の漏れを効率的に防止することができる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(吸収体の作製)
パルプシートを粉砕して解繊したフラッフパルプ20gと、高吸収性ポリマー8gとをともに積繊した吸収体マットを準備し、長さ540mm、幅260mmにカットし、トップシート側を凸型に成形した上層吸収体と、フラッフパルプ15gを高吸収性ポリマー6gとともに積繊した吸収体マットを準備し、長さ540mm、幅180mmにカットした下層吸収体とを有する吸収体を用いて、長さ630mm、幅320mmの尿取りパッドを作製し、実施例1のサンプルとした。なお、トップシートとしては、エアスルー不織布(坪量22g/m)を用い、バックシートとしては、通気性ポリエチレンフィルム(坪量35g/m)を用いると共に、トップシート、バックシート、吸収体を一体化する際に、加熱エンボス加工機を用いてY字形状のチャネルエンボスを形成した。得られた尿取りパッドの吸収速度、液戻り量を以下に従って測定・評価すると共に、モニターテストの官能評価により、装着のしやすさ、尿道口への密着度を評価し、無荷重下にて、株式会社ミツトヨ製のハイトゲージを使用することにより、凸型立体形状部分の高さを測定した。得られた結果を表1に示す。
(吸収速度)
外径80mmの円柱の中央に内径30mmの穴が開いており、重さ2kgとした測定冶具を、トップシートを上に向けた状態で、尿取りパッドの長手方向、かつ短手方向の中央部の上に置き、上部の穴から生理食塩水150mlを投下し、生理食塩水が尿取りパッドに接触した時点から、測定治具中央円内の円周に生理食塩水が完全に吸い込まれるまでを終点として時間を計測し、吸収速度とした。
(液戻り量)
吸収性物品の中央に生理食塩水900mlを注入し、10分経過後に、予め重量を測定したろ紙(ADVANTEC社製No.2ろ紙、直径55mm)を注入部の中心に置き、ろ紙の上に687gの錘を載せた(圧力;35gf/cm)。錘を載せてから1分経過後に、ろ紙の重量を測り、試験前後のろ紙の重量差(g)を液戻り量とした。液戻り量は、N=10サンプルについて行ったものの平均値とした。液戻り量が少ないほど吸収性能に優れる。
Figure 0006603922
実施例1及び2の吸収性物品は、凸型立体形状部及びY字形状のチャネルエンボスを設けたことにより、比較例と比較して、良好な吸収性能を有し、装着がしやすく、フィット性、装着性に優れたものとなったことが分かる。
1 吸収性物品
21 トップシート
22 バックシート
23 吸収体
23a 前方域
23b 排尿域
23c 凸型立体形状部分
23d 後方域
231 上層吸収体
232 下層吸収体
24 立体ギャザー
24a 立体ギャザー用弾性部材
24b 立体ギャザーシート
25 チャネルエンボス
Y 長手方向
X 短手方向

Claims (5)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、その間に配置された吸収体と、を有し、長手方向の長さが480mm以上であり、短手方向の長さが190mm以上である吸収性物品であって、
    前記吸収体は、前方域、排尿域、及び後方域を有し、
    前記吸収体は、排尿域が周囲に比して盛り上がった凸型立体形状部分を有し、
    前記凸型立体形状部分は、少なくとも前方域側が中央部に比して狭まった形状となっており、
    前記凸型立体形状部分の前方域側の狭まった形状に沿うように、前方域側を下部とし、排尿域側を上部とするY字形状で、トップシートから吸収体に亘るチャネルエンボスが設けられている、吸収性物品。
  2. 前記吸収体の長手方向の長さが420mm以上であり、短手方向の長さが150mm以上である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記凸型立体形状部分の長手方向の長さが30mm以上であり、短手方向の最大長さが15mm以上である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記トップシートから前記凸型立体形状部分の最高部の高さが2mm以上8mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記チャネルエンボスの、Y字形状の分岐点より前側の部分の長さが50mm以上であり、Y字形状の枝分かれ部分の長さが、長手方向に沿って、40mm以上である、請求項1から4のいずれかに記載の吸収性物品。
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