JP2006321282A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Tatsuhiko Kamegawa
龍彦 亀川
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充幸 和氣
Toshiya Miyazono
俊哉 宮園
Makoto Tsuruta
鶴田  誠
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Abstract

【課題】 ビードコアとカーカスの配置の適正化を図ることにより、ビード部の耐久性を一層向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 タイヤ1は、複数のビードコア2、3を埋設した一対のビード部4と、両ビード部4間にトロイド状に延びるカーカスプライ5Aからなるカーカス5とを具える。ビード部4は、第1のビードコア2と、第1ビードコア2のタイヤ幅方向外側に離間して位置する第2のビードコア3を具える。カーカスプライ5Aは、両ビード部4間にトロイド状に延び、第1ビードコア2のタイヤ幅方向内側に至る本体部6と、この本体部6に連なり、第1ビードコア2に沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、第1ビードコア2と第2ビードコア3の間を通ってタイヤ幅方向外側に延びる折返し部7を具える。第1ビードコア2は、カーカス5に加わる張力の作用により第2ビードコア3に対して押圧される位置にある。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複数のビードコアを埋設した一対のビード部と、両ビード部間にトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具える空気入りタイヤに関し、特にかかるタイヤのビード部の耐久性の向上を図る。
空気入りタイヤにおいては、負荷転動に伴って発生するトレッド部のせり出しや繰り返し起きるビード部の屈曲の結果、空気圧の作用により生ずる張力に抗してカーカスをビード部に係留する力が経時的に減少する傾向にある。かかる係留力を高めるため、十分な周方向剛性を有するビードコアの周りにカーカスプライを巻き上げたビード構造を有するタイヤが従来用いられてきた。このいわゆる巻き上げビード構造は、カーカスプライとビードコアの間に挟まれるゴムのせん断剛性が係留力として作用する領域を広く取れること、及びビードコアの捩り剛性も係留に寄与することから、カーカスの係留に優れている。
しかし、このような巻き上げビード構造を採用しても、トレッドゴムの摩滅による使用寿命を全うするまでカーカスをビード部に係留することは必ずしも容易ではない。例えば、高荷重、高内圧及び長大走行距離の使用条件下においては、ビード部には常に大きな屈曲変形が生じ、これによって発生する熱とブレーキからの放射熱とによりビード部が高温となる結果、ビードコアとカーカスプライの間に挟まれたゴムに永久せん断歪が生じる場合があり、これが蓄積された最悪の場合には瞬間的な構造破壊(タイヤバースト)へと発展するおそれがある。
そこで、カーカスプライの係留力を高めるために、複数個のビードコアを配設し、又はビードコアを複数個に分割し、これらビードコア間でカーカスプライが挟み込まれるように巻き付けたタイヤが提案されている(例えば特許文献1〜3を参照)。
特開昭58−105806号公報 特開平5−58108号公報 特開平8−268012号公報
しかし、上記の特許文献1〜3に記載されたタイヤは、張力の作用によりカーカスがタイヤ径方向外側に引っ張られた際に、カーカスが巻き付けられたビードコアと巻き付けられていないビードコアとの相対位置関係が変化しやすく、長期間にわたって使用した場合には、挟み込みの効果が低下したり、ビード部の形状崩れを招いたりし、やはり使用寿命を全うできない場合があった。また、特許文献1に記載されたタイヤでは、ビードコアに巻き付けられたカーカスにフレッティングが起きやすいという問題もあった。
したがって、この発明の目的は、ビードコアとカーカスの配置の適正化を図ることにより、ビード部の耐久性を一層向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明は、複数のビードコアを埋設した一対のビード部と、両ビード部間にトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具える空気入りタイヤにおいて、タイヤ幅方向断面にて、各ビード部は、少なくとも第1のビードコアと、第1ビードコアのタイヤ幅方向外側に離間して位置する第2のビードコアを具え、少なくとも1枚のカーカスプライは、両ビード部間にトロイド状に延び、第1ビードコアのタイヤ幅方向内側に至る本体部と、この本体部に連なり、第1ビードコアに沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、第1ビードコアと第2ビードコアの間を通ってタイヤ幅方向外側に延びる折返し部を具え、第1ビードコアは、タイヤをリムに組み付け内圧を充填した際にカーカスに加わる張力の作用により、第2ビードコアに対して押圧される位置にあることを特徴とする空気入りタイヤである。
ここで、「第1ビードコアは、タイヤをリムに組み付け内圧を充填した際にカーカスに加わる張力の作用により、第2ビードコアに対して押圧される位置にある」とは、張力の作用により第1ビードコアが移動しようとしても、この移動方向上に第2ビードコアが存在するために第1ビードコアが第2ビードコアに押圧され、第1ビードコアの移動が阻止されるように、第1及び第2ビードコアを配置することをいうものとし、具体的には、タイヤ径方向でみて第2ビードコアのタイヤ径方向最外端とタイヤ径方向最内端の間に第1ビードコアの重心が存在することをいうものとする。
カーカスに張力が加わると、第1ビードコアはこれに巻き付けられたカーカスプライによって張力の作用方向に引っ張られるが、第1ビードコアはタイヤ径方向外側への変形に対しては高い剛性を有しているためにリムのビードシートに沿って移動しようとする。この発明では、上記のような構成を採用したことによって、第1ビードコアが移動しようとする方向に第2ビードコアが存在し、これに対して第1ビードコアが押圧される結果、第1及び第2ビードコアの相対位置関係が変化せず、長期間使用してもビード部の変形を招くことがない上、第1ビードコア及び第2ビードコアによってカーカスプライが強く挟持される結果、カーカスの係止力が一層向上するのである。
また、第1ビードコアの重心位置を通りカーカスに加わる張力の作用する方向に延びる仮想直線上にて、第1ビードコアと第2ビードコアの離間距離が、その間に挟まれるカーカスプライを構成するプライコードの直径の1.2〜6倍の範囲にあることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤは、第1ビードコアのタイヤ径方向外側に位置する第3ビードコアや、タイヤ周方向に対して傾斜する向きに平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を具えることもできる。そして、この補強層はカーカスプライの折返し部及びビードコアを包囲するように配設することが好ましい。
加えて、少なくとも1個のビードコアが他のビードコアと異なるタイヤ幅方向断面積を有することが好ましい。
また、カーカスプライの折返し部の一部はカーカスプライの本体部に沿って実質上平行に延在し、その延在距離は、カーカスプライのタイヤ最大幅位置からタイヤ赤道面とカーカスプライが交わる位置までのカーカスプライのペリフェリ長さの5%以上であることが好ましい。なお「実質上平行」とは、本体部の延在方向に対する折返し部の延在方向の角度差が±2°の範囲にあることをいうものとする。
さらに、ビード部の、リムフランジに接する部分の輪郭形状が、タイヤの外表面よりもタイヤ幅方向外側に中心を有する円弧で形成されていることが好ましい。
加えて、カーカスは、リム径ライン位置からタイヤ径方向外側に向かって測定してリムフランジ高さの2倍以上の距離を有する部分が、ビード部のタイヤ幅方向中心位置よりもタイヤ幅方向内側に位置することが好ましい。ここで、「リム径ライン位置」とは、JATMAまたはこれに準ずる規格に記載されている適用サイズにおける標準リムにタイヤを組み付け、そのタイヤ内に同規格に定める最高空気圧を適用した無負荷状態で、リム径を測定する位置を意味する。
この発明によれば、ビードコアとカーカスの配置の適正化を図ることにより、長期間使用してもビード部の変形を招くことがなく、かつカーカスの係止力が一層向上する結果、ビード部の耐久性が一層向上した空気入りタイヤを得ることができる。
次に、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のタイヤ幅方向左半断面を、リムに装着した状態で示しており、図2は図1に示すタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面を示している。
図1及び2に示すタイヤ1は、複数(図1では2個)のビードコア2、3を埋設した一対のビード部4と、両ビード部4間にトロイド状に延びる少なくとも1枚(図1では1枚)のカーカスプライ5Aからなるカーカス5とを具える。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、タイヤ幅方向断面にて、各ビード部4は、少なくとも第1のビードコア2と、第1ビードコア2のタイヤ幅方向外側に離間して位置する第2のビードコア3を具えること、少なくとも1枚(図1では1枚)のカーカスプライ5Aは、両ビード部4間にトロイド状に延び、第1ビードコア2のタイヤ幅方向内側に至る本体部6と、この本体部6に連なり、第1ビードコア2に沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、第1ビードコア2と第2ビードコア3の間を通ってタイヤ幅方向外側に延びる折返し部7を具えること、第1ビードコア2は、タイヤ1をリム8に組み付け内圧を充填した際にカーカス5に加わる張力の作用により、第2ビードコア3に対して押圧される位置にあることにある。
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。
タイヤをリムに組み付けたタイヤ車輪が荷重を支えた状態で転動すると、タイヤと路面の接触領域であるトレッド部踏面を極大とする変形が生じ、この変形がホイールとの組み付け部であるビード部にも伝わり熱を発生する。また、ビード部はブレーキにも近いため、制動により生じた摩擦熱の輻射も受ける。さらに、タイヤ車輪には内部に充填した空気による圧力が常時加わっており、これがカーカスに張力を発生させる。このように熱と張力が加わった状態で長期間にわたり使用を続けると、ビード部を構成するゴム部材に永久変形を生じる場合がある。この変形はタイヤをリムに固定保持した状態で使用するというタイヤ車輪の基本前提をも危うくするものであり、最悪の場合には、カーカスがそれを係留するために設けられたビードコアから脱離しバースト故障に至るケースもある。
カーカスのビード部への係留は、図10(a)〜(c)に示すように、カーカスのビード部における張力(引き抜け力)Tに対し、(a)十分な周方向剛性すなわち径拡張を防止する剛性を有する部材(ビードコア)で挟むことにより発現される直角方向圧着力Fに比例して増大するせん断抗力、(b)カーカスをビードコアの周りで湾曲させ又はビードコアに巻き付けることにより発生する付加的なせん断抗力、(c)カーカスを折り返し、折り返し前後のカーカスを近接距離に保って平行配置することによって生ずるせん断抗力、の3つの抗力の和によって実現されている。従来の巻き上げビード構造を有するタイヤは、これら3つの抗力のうち特に(b)及び(c)の抗力を利用することによって強固な係留を達成しようとするものである。しかし、従来の巻き上げビード構造を有するタイヤでは、前記の永久ひずみによりカーカスの係留力が経時的に低下するため、特に高荷重、高内圧及び長大走行距離の使用条件下で使用されるトラックバス用タイヤにおいては、トレッドゴムの摩滅による使用寿命を全うする前にビード部が故障に至る場合があった。
発明者は、従来の巻き上げビード構造に加え、前記の(a)の抗力を高めることができれば、ビード部の耐久性を向上することができるとの着想を得た。特許文献1〜3から、このように(a)の抗力を高めるためには、複数のビードコアを配設し、これらビードコアでカーカスプライを挟持することが有効であることが知られているが、このような構造を採用してもなお、高荷重、高内圧及び長大走行距離の使用条件下では必ずしも満足のいく耐久性が得られず、使用寿命を全うする前にビード故障に至る場合があった。発明者がこの原因を調べたところ、これらの特許文献に記載されたタイヤでは、図11に示すように、長期間にわたって使用した場合に、張力の作用により、カーカスが巻き付けられた第1ビードコアと巻き付けられていない第2ビードコアとの相対位置関係が変化し、これによってビードコア周辺のゴムに永久せん断歪が生ずる結果、挟み込みの効果が低下したり、ビード部の形状崩れを招いたりすることが分かった。また、特許文献1に記載されたタイヤのように、両ビードコアによりカーカスプライをしまり嵌めの状態にすると、直角方向圧着力は増大するものの、ビードコアとカーカスプライの接触部にフレッティングが生じ、カーカスプライの損傷が起きる場合があるため、かえって耐久性が低下するという問題もあった。
そこで発明者は、張力が作用した場合にも第1及び第2ビードコアの相対位置関係が変化しないような構造について鋭意研究を重ね、張力が作用した際に第1ビードコアが第2ビードコアに対して押圧されるような配置を採用すれば、両ビードコアの相対位置関係の変化を防止し、かつこれらビードコア間で強固にカーカスプライを挟持することができるためビード部の耐久性が向上することを見出し、この発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、第1ビードコア2の周りにカーカスプライ5Aを巻き付けることにより、ビードコア2の周りに付加的なせん断抗力を発生させ、第1ビードコア2と第2ビードコア3でカーカスプライ5Aを挟持することにより、直角方向圧着力に比例して増大するせん断抗力を発生させる。この際、カーカスプライ5Aへのフレッティングの発生を防止する観点から、両ビードコア2、3によりカーカスプライ5Aが過剰に圧着されないように、適度に両ビードコア2、3を離間して配置する。そして、第1ビードコア2を、タイヤをリムに組み付け内圧を充填した際にカーカス5に加わる張力の作用により、第2ビードコア3に対して押圧されて移動が阻止される位置となるように、すなわち、図2に示すように、タイヤ径方向でみて第2ビードコア2のタイヤ径方向最外端Pと第2ビードコア3のタイヤ径方向最内端Pの間に第1ビードコア2の重心Gが存在するように配置しているので、第2ビードコア3によって第1ビードコア2の移動が阻止される上、両ビードコア2、3によりカーカスプライ5Aを挟持する力が張力に比例して大きくなるので、長期間にわたって張力Tが作用してもカーカスをビード部に係留する力が低下するおそれがない。
ここで第1ビードコア2の重心Gを前記範囲内とするのは、重心Gが第2ビードコア3のタイヤ径方向最外端Pよりタイヤ径方向外側に位置する場合には張力が作用した際に第1ビードコア2が第2ビードコア3の上に乗り上げるおそれがあるからであり、重心Gが第2ビードコア3のタイヤ径方向最内端Pよりタイヤ径方向内側に位置する場合には張力が作用した際に第1ビードコア2が第2ビードコア3の下に潜り込むおそれがあるからであり、いずれの場合にもビード部4の崩れを招くからである。第1及び第2ビードコアの相対位置関係の変化を一層確実に防止する観点からは、第1ビードコアのタイヤ径方向最外端Pとタイヤ径方向最内端Pの間に第2ビードコア3の重心Gが存在することが好ましい。
また、両ビードコア2、3間で一層強固にカーカスプライを挟持する観点からは、図2に示すように、両ビードコア2、3を多角形状断面とし、カーカスプライの折返し部7を挟んで対向する辺が互いに平行となるように両ビードコア2、3を配置することが好ましい。このような配置とすると、各ビードコア2、3とカーカスプライの折返し部7とが面接触となるので、直角方向圧着力が大きくなる上、点接触の場合に起きやすい一点への圧着力の集中によるカーカスプライの損傷を防止できるからである。
さらに、仮想直線L上にて、第1ビードコア2と第2ビードコア3の離間距離dが、その間に挟まれるカーカスプライ5Aを構成するプライコードの直径の1.2〜6倍の範囲にあることが好ましい。離間距離dがプライコード直径の1.2倍未満の場合には張力の作用により第1ビードコア2が第2ビードコア3に対して押圧された際にカーカスプライ5Aの折返し部7、特に第1ビードコア2の頂点P、Pと接触する部分に過剰な力が加わりフレッティング等の損傷を起こすおそれがあるからであり、離間距離dがプライコード直径の6倍超の場合には第1ビードコア2と第2ビードコア3の間のカーカスプライ5Aの変形が過大となり、その間に存在するゴムに永久せん断歪が生じるおそれがあるからである。より好ましい範囲は1.5〜4倍である。
図3はこの発明に従う他のタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面である。このように、第1ビードコア2のタイヤ径方向外側に第3ビードコア9をさらに配設することもできる。第3ビードコア9を配設すると、タイヤ径方向に関しても、第1ビードコア2が第3ビードコア9に対して押圧され、カーカス5の引き抜けを抑制するので、ビード部4の耐久性が一層向上することから好ましい。
また、図4に示すように、タイヤ周方向に対して傾斜する向きに平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層10を、カーカスプライ5Aの折返し部7及びビードコア2、3を包囲するように配設することもできる。かかる補強層10を配設することにより、タイヤ周方向へのせん断変形を抑制してカーカス5とリム8との間でのセパレーションの発生を防止できる上、リムずれを抑制することができ、かつ長期間にわたって使用した場合のビード部4の永久変形も抑制することができ、ビード部4の耐久性を一層向上させることができるからであり、ビードコア2、3を包囲することでビード部4のヒール側での摩擦力による損傷を防止することができるからである。かかる補強層10としては、タイヤ周方向に対して比較的小さな角度で延在するスチールコード又は有機繊維コードをゴム被覆したものが特に好適であり、例えば3+8の撚りスチールコードや1260d/2の66ナイロンコードのゴム引き層、又はこれらの複数層をコードの延在方向が互いに交差するように積層したもの等を挙げることができるが、これに限定されない。
さらに、図5に示すように、少なくとも1個のビードコア、図5では第1ビードコア2が他のビードコアと異なるタイヤ幅方向断面積を有するように構成することもできる。これによれば、タイヤの転動に伴う局所的繰り返し変形に対して第1ビードコア2周囲の変形を分散でき、ビードコア相互の圧着力が最大となるからである。また、所望の圧着力分布に適合するようにビードコアのタイヤ幅方向断面積を選定することができるので、カーカス5のリム8への圧着力をビード部4にわたって略均一とすることができる結果、カーカス5のせん断抗力をさらに高めることができるからである。
図5では、第1ビードコア2が押圧される第2ビードコア3を2個のサブビードコア11、12で構成した実施態様を示しており、このような実施態様では、タイヤ径方向でみて外側にあるサブコア12のタイヤ径方向最外端P1と内側にあるサブコア11のタイヤ径方向最内端Pの間に第1ビードコア2の重心Gが位置することが好ましい。
再び図1を参照して、カーカスプライ5Aの折返し部7の一部はカーカスプライ5Aの本体部6に沿って実質上平行に延在し、その延在距離D1は、カーカスプライ5Aのタイヤ最大幅位置Aからタイヤ赤道面Sとカーカスプライが交わる位置Bまでのカーカスプライのペリフェリ長さD2の5%以上であることが好ましい。前述のようにカーカスプライの本体部と折返し部を平行に配置することでせん断抗力が発生するが、この平行部分の延在距離D1が位置AB間のカーカスプライのペリフェリ長さD2の5%未満では、このせん断抗力の発生が十分でないからである。
また、図6に示すように、ビード部4の、リムフランジに接する部分13の輪郭形状が、タイヤ1の外表面よりもタイヤ幅方向外側に中心を有する円弧で形成されている、すなわち、当該部分13の輪郭形状が内側に凸状の円弧で形成されていることが好ましい。これによれば、ビード部4とリムフランジとの接触圧力を均一化することができるのでカーカス5とリムフランジとの間でのセパレーションの発生を防止でき、かつ長期間にわたって使用した場合のビード部の永久変形も抑制することができ、ビード部4の耐久性を一層向上させることができるからである。
加えて、カーカス5は、図6に示すように、リム径ライン位置Rからタイヤ径方向外側に向かって測定してリムフランジ高さHの2倍以上の距離を有する部分14が、ビード部4のタイヤ幅方向中心位置Cよりもタイヤ幅方向内側に位置することが好ましい。この部分14がタイヤ幅方向中心位置Cよりもタイヤ幅方向外側に位置すると、タイヤ負荷時のビード部の変形によってもたらされる、断面内でのリムフランジに対する曲げ変形によりカーカスの張力が低下し、ビード部の横剛性を確保することが困難となるからである。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、カーカスプライの本体部6と折返し部7は、図1〜3に示すように、本体部6が折返し部7のタイヤ径方向外側にあってもよく、図4及び5に示すように、折返し部7が本体部6のタイヤ径方向外側にあってもよい。また、ビードコアの形状は従来のビードコアと同様のものを用いることができ、例えば四角形状、六角形状、円形状とすることができる。また、図7に示すように、カーカスプライの折返し部7を第2ビードコア3の周りに巻き付けてもよい。さらに、図8に示すように、カーカスプライを2枚以上とし、これら各プライを第1ビードコア2、2´と第2ビードコア3、3´で挟持してもよい。さらにまた、図1〜8には、第1ビードコア2のタイヤ径方向外側から内側に向かってカーカスプライ5を巻き付けた態様を示したが、これとは逆に、図9に示すように第1ビードコア2のタイヤ径方向内側から外側に向かってカーカスプライ5を巻きつけてもよい。
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例1〜7のタイヤは、タイヤサイズが275/80R22.5のトラック・バス用ラジアルタイヤであり、直径1.55mmの鋼線をゴム被覆したものをタイヤ周方向に複数回巻き回してなる複数個のビードコアをビード部に埋設し、少なくとも1個のビードコアの周りにカーカスを巻き付けてなり、ビード部の、リムフランジに接する部分の輪郭形状が、タイヤの外表面よりもタイヤ幅方向外側に中心を有する円弧で形成されており、リム径ライン位置からタイヤ径方向外側に向かって測定してリムフランジ高さの2倍以上の距離を有するカーカスの部分が、ビード部のタイヤ幅方向中心位置よりもタイヤ幅方向内側に位置しており、それぞれ表1に示す諸元を有する。さらに、実施例3のタイヤは芳香族ポリアミドコードとゴムの複合体からなる補強層を有しており、実施例1、3、4、6、7のタイヤはカーカスプライの折返し部の一部はカーカスプライの本体部に沿って実質上平行に延在し、その延在距離は、カーカスプライのタイヤ最大幅位置からタイヤ赤道面とカーカスプライが交わる位置までのカーカスプライのペリフェリ長さの5%以上である。
比較のため、タイヤサイズ及びビードコアに用いた鋼線が実施例1〜7と同じであるものの、鋼線を周方向に68回巻回してなり断面形状が六角形のビードコアを1個のみ有し、その周りにカーカスを巻き付け、折返し端がリムフランジの上方20mmの位置にあるタイヤ(従来例)、断面形状が四角形のビードコアを2個有し、タイヤ幅方向外側に位置するビードコアの周りにカーカスを巻き付けたタイヤ(比較例)についても併せて試作した。また、従来例及び比較例のタイヤは表1に示す諸元を有する。
前記各供試タイヤを、サイズ9.00×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧900kPa(相対圧)を適用し、走行速度60km/h、タイヤ負荷荷重60kNの条件下でドラム試験機上をビード部に故障が発生するまで又は15,000km走行させ、故障が発生した時点までに走行した距離によりタイヤの耐久性を評価した。この評価結果を表1に示す。
Figure 2006321282
なお、表1中の評価結果は、従来例の評価結果を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど耐久性が優れており、評価結果が127のものは15,000kmを故障することなく完走したことを示す。
表1に示す評価結果から、実施例1〜7のタイヤは、従来例及び比較例のタイヤと比較して耐久性が優れていることが分かる。
この発明によって、ビードコアとカーカスの配置の適正化を図ることにより、ビード部の耐久性を一層向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
この発明に従う代表的な空気入りタイヤのタイヤ幅方向左半断面図であり、リムに装着した状態で示す。 図1に示すタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、リムに装着した状態で示す。 従来のタイヤにおける、カーカスのビード部における張力とそれに対する抗力との作用を説明するための図である。 従来のタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面である。 (a)は従来例のタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、(b)は比較例のタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面であり、それぞれリムに装着した状態で示す。
符号の説明
1 タイヤ
2 第1ビードコア
3 第2ビードコア
4 ビード部
5 カーカス
5A カーカスプライ
6 カーカスプライの本体部
7 カーカスプライの折返し部
8 リム
9 第3ビードコア
10 補強層
11、12 サブコア
13 リムフランジに接するビード部の部分
14 リム径ライン位置Rからリムフランジ高さHの2倍以上の距離を有するカーカスの部分

Claims (8)

  1. 複数のビードコアを埋設した一対のビード部と、両ビード部間にトロイド状に延びる少なくとも1枚のカーカスプライからなるカーカスを具える空気入りタイヤにおいて、
    タイヤ幅方向断面にて、
    各ビード部は、少なくとも第1のビードコアと、第1ビードコアのタイヤ幅方向外側に離間して位置する第2のビードコアを具え、
    少なくとも1枚のカーカスプライは、両ビード部間にトロイド状に延び、第1ビードコアのタイヤ幅方向内側に至る本体部と、この本体部に連なり、第1ビードコアに沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返され、第1ビードコアと第2ビードコアの間を通ってタイヤ幅方向外側に延びる折返し部を具え、
    第1ビードコアは、タイヤをリムに組み付け内圧を充填した際にカーカスに加わる張力の作用により、第2ビードコアに対して押圧される位置にあることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 第1ビードコアの重心位置を通りカーカスプライのタイヤ断面内張力の作用する方向に延びる仮想直線上にて、第1ビードコアと第2ビードコアの離間距離が、その間に挟まれるカーカスプライを構成するプライコードの直径の1.2〜6倍の範囲にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 第1ビードコアのタイヤ径方向外側に位置する第3ビードコアをさらに具える、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ周方向に対して傾斜する向きに平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を、カーカスプライの折返し部及びビードコアを包囲するように配設してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 少なくとも1個のビードコアが他のビードコアと異なるタイヤ幅方向断面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. カーカスプライの折返し部の一部はカーカスプライの本体部に沿って実質上平行に延在し、その延在距離は、カーカスプライのタイヤ最大幅位置からタイヤ赤道面とカーカスプライが交わる位置までのカーカスプライのペリフェリ長さの5%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. ビード部の、リムフランジに接する部分の輪郭形状が、タイヤの外表面よりもタイヤ幅方向外側に中心を有する円弧で形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. カーカスは、リム径ライン位置からタイヤ径方向外側に向かって測定してリムフランジ高さの2倍以上の距離を有する部分が、ビード部のタイヤ幅方向中心位置よりもタイヤ幅方向内側に位置する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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