JP6133066B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
自動車用の空気入りタイヤにおいて、急ブレーキ等のブレーキング時にタイヤがロックすると、路面に接地しているトレッド部の摩耗が進行し、トレッド部の一部に平坦な部分(フラットスポット)が形成されることがある。このフラットスポットを低減させるため、トレッド部内のベルト層よりタイヤ径方向外側にベルト補強層を設けた空気入りタイヤがある(例えば、特許文献1)。
ベルト補強層を設けることで、トレッド部の剛性が高められ、フラットスポットの低減に一定の効果が得られるが、乗り心地等を損なう虞がある。
特開2003−326915号公報
本発明は上記事項を考慮し、乗り心地等を損なうことなく、フラットスポットを低減した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、ビードコアが埋設された一対のビード部と、
前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返される折返し部と、前記ビードコア間をトロイド状に延びる本体部とを含んで構成され、前記折返し部のタイヤ幅方向の最外部と前記ビードコアの中心部とを結ぶ直線が、タイヤの回転中心軸に対して60度〜75度の角度となるカーカス層と、前記カーカス層よりタイヤ径方向外側に形成され、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅の75〜95%の幅を備えたトレッド部と、を有する。
請求項1に記載の空気入りタイヤでは、一対のビード部に埋設されたビードコア間をトロイド状に延びるカーカス層が設けられており、このカーカス層の折返し部のタイヤ幅方向の最外部とビードコアの中心部とを結んだ直線と、タイヤの回転中心軸とがなす角度θは、正規内圧を充填した無負荷状態で60度〜75度となっている。従来のタイヤでは、角度θを50度〜55度に設定しているが、本発明では、従来のタイヤよりも角度θを大きくすることで、カーカス層をタイヤ径方向側に起こしている。これにより、荷重作用時にカーカス層がタイヤ幅方向に撓みにくくなる、すなわち、サイドウォール部が撓みにくくなるので、路面とトッレッド部の接地幅が広がるのを抑制できる。ここで、角度θを75度より大きくした場合、カーカス層がほとんど撓まなくなり、路面から受ける衝撃がタイヤに吸収されずに車両に伝わって、乗り心地が損なわれる。また、角度θが60度より小さい場合、サイドウォール部が撓みやすいので、路面とトレッド部の接地幅が広幅となり、フラットスポットが形成されやすくなる。このため、角度θを60度〜75度とすることで、乗り心地を損なわずにフラットスポットを低減できる。
また、カーカス層よりタイヤ径方向外側には、正規内圧を充填した無負荷状態でJATMAで規定されたタイヤサイズ毎に呼び幅の75〜95%の幅でトレッド部が形成されている。ここで、従来のトレッド部は、JATMAで規定された呼び幅とほとんど同じ幅(96%以上)で形成されるが、本発明に係るトレッド部は、従来のトレッド部より挟幅として、且つ、上述したようにカーカス層を撓みにくくしているので、走行中に路面とトレッド部が接地する接地面の接地幅を挟幅にできる。これにより、接地面の形状は、進行方向(タイヤ周方向)に長い縦長形状となり、接地面が平坦になるのを抑制する、つまり、フラットスポットを低減できる。
なお、トレッド部の幅をJATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して75%より狭幅にした場合、路面とトレッド部の接地面の接地幅が狭くなり過ぎて、コーナリング時にタイヤにかかるタイヤ幅方向の力に耐えることができなくなり、スリップする虞がある。換言すれば、車両の乗り心地、及び操縦安定性が損なわれる。また、トレッド部の幅をJATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して95%より広幅にした場合、路面とトレッド部が接地する接地面の接地幅が広幅となり、接地面の形状は、タイヤ幅方向に長い横長形状となるので、フラットスポットが形成されやすくなる。このため、トレッド部の幅を、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅の75%〜95%の幅にすることで、乗り心地、及び操縦安定性を損うことなくフラットスポットを低減できる。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、請求項1に記載の空気入りタイヤであって、前記カーカス層と前記トレッド部との間に形成されたベルト層と、前記ベルト層の外周部に巻回され、前記ベルト層を補強するベルト補強層と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の空気入りタイヤでは、カーカス層とトレッド部との間にベルト層が形成されており、ベルト層の外周部には、ベルト層を補強するベルト補強層が巻回されている。これにより、ベルト補強層がベルト層を補強して、トレッド部の剛性を高めることができる。
請求項3に記載の空気入りタイヤは、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤであって、前記ビードコアと前記カーカス層との間に設けられ、複数本の芳香族ポリアミド繊維を前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返して形成されるフリッパーを備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の空気入りタイヤでは、ビードコアとカーカス層との間に、複数本の芳香族ポリアミド繊維からなるフリッパーが形成されており、ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されている。これにより、ビード部の剛性が高められ、サイドウォール部がタイヤ幅方向に撓むのを抑制できる。
請求項4に記載の空気入りタイヤは、請求項2に記載の空気入りタイヤであって、前記ベルト補強層は、芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードからなり、該複合コードは、応力−伸び率曲線の原点から変曲点に至るまでの低弾性域と、変曲点を超える高弾性域とを有し、該変曲点が伸び率4%未満にあることを特徴とする。
請求項4に記載の空気入りタイヤでは、ベルト補強層は、芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードで形成されている。また、複合コードは、応力−伸び率曲線の原点から、伸び率4%未満にある変曲点に至るまでの低弾性域と、変曲点を超える高弾性域とを有している。ここで、複合コードは、変曲点までの低弾性域では伸びやすく、変曲点を超えると伸びにくくなる、すなわち、変曲点を超えると複合コードの剛性が高くなる。この複合コードによりベルト層の剛性が高められ、荷重作用時にトレッド部が撓むのを抑制できる。また、変曲点が伸び率4%以上となる複合コードでは、低弾性域が広いため、伸びやすくなり、トレッドが撓むのを抑制するのが困難となる。
請求項5に記載の空気入りタイヤは、請求項1〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤであって、偏平率が55%以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の空気入りタイヤでは、偏平率が55%以下であり、低偏平となっている。これにより、偏平率が55%より高い高偏平率のタイヤと比べて、サイドウォール部の高さが低くなり、サイドウォール部が撓みにくくなる。
請求項6に記載の空気入りタイヤは、請求項1〜5の何れか1項に記載の空気入りタイヤであって、前記トレッド部と前記ビード部とを連結するサイドウォール部の内面にサイド補強ゴムが形成されたランフラットタイヤであることを特徴とする。
請求項6に記載の空気入りタイヤでは、トレッド部とビード部とを連結するサイドウォール部の内面にサイド補強ゴムが形成されたランフラットタイヤとなっているため、走行中にパンクしても、サイド補強ゴムが車両を支えて一定距離をパンク走行できる。
本発明は、上記の構成としたので、乗り心地、及び操縦安定性を損なうことなく、フラットスポットを低減した空気入りタイヤを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の片側を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るベルト補強層を構成する複合コードの応力−伸び率曲線を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤが走行中に路面に接地している状態を示す断面図、及び路面とトレッド部の接地面である。 比較例の空気入りタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の片側を示す断面図である。 比較例の空気入りタイヤが走行中に路面に接地している状態を示す断面図、及び路面とトレッド部の接地面である。 本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ幅方向に沿った断面の片側を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤを含む実施例1〜4のラジアルタイヤ、及び比較例1、2のラジアルタイヤについて、フラットスポットレベルの評価、及びドライバーのフィーリング評価の評価結果を示した表である。 本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤを含む実施例5〜8のランフラットタイヤ、及び比較例3、4のランフラットタイヤについて、フラットスポットレベルの評価、及びドライバーのフィーリング評価の評価結果を示した表である。
(第1実施形態)
図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ10(以下、タイヤ10と記載する)について説明する。なお、図中矢印TWはタイヤ10の幅方向を示し、矢印TRはタイヤ10の径方向を示し、符号CLはタイヤ10の赤道面を示す。
本実施形態に係るタイヤ10は、図1に示すように、主としてタイヤ径方向内側に設けられたビード部12と、タイヤ径方向外側に設けられたトレッド部14と、ビード部12とトレッド部14とを連結するサイドウォール部16と、を備えている。
ビード部12は、タイヤ赤道面を対称に左右一対設けられており(図1では、片側のビード部12のみ図示)、リム100に嵌合している。ビード部12の内部には、スチールワイヤー等のビードワイヤを複数束ねてリング状に巻いたビードコア18が埋設されている。ビードコア18の断面形状は、一例として矩形に形成されているが、矩形に限らず、例えば六角形等の多角形状に形成してもよい。
ビード部12には、ビードコア18周りにタイヤ幅方向外側からタイヤ幅方向内側へ折り返されたフリッパー20が形成されている。フリッパー20は、複数本の芳香族ポリアミド繊維からなり、タイヤ幅方向の一端部がサイドウォール部16まで延びており、他端部がビード部12の上部に位置している。なお、芳香族ポリアミド繊維としては、デュポン社のケブラー(登録商標)等が用いられる。
フリッパー20の外側には、ビードコア18間をトロイド状に延びるカーカス層22が形成されている。カーカス層22は、一例として1枚のカーカスプライ22Aによって構成されており(複数枚のカーカスプライ22Aで構成してもよい)、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。また、カーカスプライ22Aの端部は、ビードコア18周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されている。
ここで、カーカスプライ22Aのタイヤ幅方向の最外部Pとビードコア18の中心部18Aとを結ぶ直線L1と、タイヤ10の回転中心軸とがなす角度θは、タイヤ10に荷重が作用していない状態で、60度〜75度に設定されている(図1では、直線L1と、タイヤ10の回転中心軸と平行な直線TWLとがなす角度θを図示)。角度θを上記の範囲に設定することにより、荷重作用時にカーカスプライ22Aがタイヤ幅方向に撓みにくくなる。なお、角度θが60度より小さい場合、荷重作用時にカーカスプライ22Aがタイヤ幅方向に大きく撓んでしまい、逆に、角度θが75度より大きい場合は、カーカスプライ22Aがほとんど撓まないので、路面から受ける衝撃をタイヤ10が吸収できず、乗り心地が損なわれる。本実施形態では一例として、角度θが60度となるようにカーカス層22を構成している。また、ビードコア18の中心部18Aは、ビードコア18の図心を指すものとする。
カーカス層22よりタイヤ径方向外側のトレッド部14内には、ベルト層24が配設されている。ベルト層24は、一例として複数枚のベルトプライ24Aによって構成されている(1枚のベルトプライ24Aで構成してもよい)。このベルトプライ24Aは、複数本のコード(例えば、有機繊維コードや金属コードなど)を被覆ゴムで被覆して形成されている。
ベルト層24よりタイヤ径方向外側には、ベルト層24の両端部を覆うように、ベルト補強層26が形成されている(図1では、片側のベルト補強層26のみ図示)。ベルト補強層26は、芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードをベルト層24の外周部に巻回して形成されており、トレッド部14とサイドウォール部16の間のショルダー部28に位置している。
ここで、図2で示すように、ベルト補強層26を構成する複合コードの応力−伸び率曲線Lは、変曲点Yまでの低弾性域と、変曲点Yを超える高弾性域とを有している。ここでいう変曲点Yとは、応力−伸び率曲線Lにおいて、伸び率0%の状態における曲線Lの接線S1と破断点における曲線Lの接線S2とが交わる交点Xを通る垂線と、曲線Lとの交点として定義される。変曲点Yに至るまでの低弾性域では、複合コードが伸びやすく、変曲点Yを超えると、複合コードが伸びにくくなる。なお、変曲点Yは、複合コードを構成する芳香族ポリアミドコードとナイロンコードの太さや本数、又は弾性率を変更することで任意に設定できる。
本実施形態では、変曲点Yが伸び率4%未満(約3%)に設定されているので、低弾性域が狭くなっている。このため、複合コードに応力が作用すると、すぐに変曲点Yを超えて高弾性域の特性を示す。換言すれば、本実施形態の複合コードは、伸びにくく、剛性が高い特性を有している。これに対して、変曲点Yが伸び率4%より高い部分に設定した場合、複合コードに応力が作用しても、すぐに高弾性域に至らないため、複合コードが伸びやすくなり、ベルト層24が補強されずにトレッド部14の剛性が損なわれる。
図1に示すように、ベルト補強層26よりタイヤ径方向外側には、トレッド部14が形成されている。トレッド部14は、走行中に路面に接地する部位であり、トレッド部14の表面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝30が形成されている。また、トレッド部14には、タイヤ幅方向に延びる図示しない幅方向溝が形成されている。
ここで、トレッド部14を構成するゴム部材とショルダー部28を構成するゴム部材との境界部Tからタイヤ赤道面までの幅を1/2Dとすると、トレッド部14の幅Dは、正規内圧を充填した無負荷状態で、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して、75%〜95%の幅で形成されている。トレッド部14の幅Dが、JATMAで規定された呼び幅に対して75%より挟幅である場合、路面200とトレッド部14の接地幅が狭くなり過ぎて、コーナリング時にタイヤ10にかかるタイヤ幅方向の力に耐えることができなくなり、スリップする虞がある。換言すれば、車両の乗り心地、及び操縦安定性が損なわれる。また、トレッド部14の幅Dが呼び幅に対して95%より広幅である場合、路面200とトレッド部14の接地幅が広幅となり、フラットスポットが形成されやすくなる。本実施形態のタイヤ10は、JATMAで規定されたタイヤサイズが255/35R19であるため、呼び幅は255mmとなる。これに対して、トレッド部14の幅Dは242mmに設定されている(図1では、トレッド部14の左半分の幅1/2Dを図示)ので、トレッド部14の幅Dは、JATMAで規定された呼び幅に対して、95%の幅となっている。
また、図3に示すように、タイヤ10の断面高さSHとタイヤ10の最大幅SWから算出される偏平率が、55%以下に設定されている。偏平率とは、リムベースラインを基準としたタイヤの断面高さSHをタイヤの最大幅SWで割って100を掛けた数値であり、偏平率が低いほど、タイヤ10の幅SWに対するタイヤ10の断面高さSHが低くなる。すなわち、サイドウォール部16の高さが低くなり、サイドウォール部16が撓みにくくなる。本実施形態では、一例として、偏平率を50%としている。
次に、本実施形態のタイヤ10、及び比較例のタイヤ50をそれぞれ路面に接地させ、荷重作用時の状態を比較して、本実施形態のタイヤ10の作用を説明する。なお、比較例のタイヤ50のタイヤサイズは、本実施形態のタイヤ10と同様(255/35R19)のサイズとした。
図4に示すように、比較例のタイヤ50は、ビード部52にフリッパー20が形成されていない。また、カーカス層53のタイヤ幅方向の最外部Pとビードコア58の中心部58Aとを結ぶ直線L2と、直線TWLとがなす角度θは、59度となっている。
また、ベルト層24よりタイヤ径方向外側には、ベルト層24の両端部を覆うように、ベルト補強層54が形成されている。ここで、本実施形態に係るベルト層24が芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードであったのに対して、ベルト補強層54は、変曲点を有していないナイロンコードで構成されている。また、トレッド部55とショルダー部57との境界部Tからタイヤ赤道面までの幅を1/2D’とすると、トレッド部55の幅D’は、正規内圧を充填した無負荷状態で、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して、96%の幅で形成されている(図4では、トレッド部55の左半分の幅1/2D’を図示)。なお、タイヤ50の偏平率は、本実施形態のタイヤ10と同様の50%とした。
図5に示すように、走行中の比較例のタイヤ50には、リム100を介して車両の荷重Fがビード部52に作用している。ここで、車両から受ける荷重Fによって、カーカスプライ52Aが撓んで、サイドウォール部56がタイヤ幅方向に広がり、トレッド部55の端部が路面200に押し付けられる。これにより、路面200とトレッド部55の接地幅GWが広幅となり、接地面60の形状は、タイヤ周方向に短い略長方形になる。従って、ブレーキング時にタイヤ50がロックすると、タイヤ周方向の一部が摩耗して、接地面60が平坦(フラットスポット)になる虞がある。また、高速走行後の車両を一定時間停止させると、発熱したタイヤ50の接地面60が変形した状態で冷却されて、平坦(フラットスポット)になる虞がある。
これに対して、図3に示すように、本実施形態のタイヤ10は、フリッパー20によってビード部12の剛性が高められており、また、カーカスプライ22Aの角度θが60度に設定されているので、比較例のタイヤ50と比べてカーカス層22がタイヤ径方向側に起きている。これにより、ビード部12に荷重Fが作用しても、カーカス層16が撓みにくい。すなわち、サイドウォール部16がタイヤ幅方向に広がりにくくなっている。
また、本実施形態のタイヤ10は、偏平率が50%の低偏平タイヤであるため、サイドウォール部16がタイヤ幅方向に撓むのを更に抑制できる。
また、トレッド部14の幅は、JATMAで規定された呼び幅に対して、94%の挟幅となっており、さらに、トレッド部14内には、伸びにくい複合コードで形成されたベルト補強層26が設けられているので、トレッド部14の剛性が高められ、トレッド部14の端部が路面200に押し付けられるのを抑制している。従って、路面200とトレッド部14の接地面11の接地幅GWが狭くなり、接地面11の形状は、進行方向(タイヤ周方向)に長い略長方形となる。
以上のように、路面200とトレッド部14の接地面11が進行方向(タイヤ周方向)に長い場合、ブレーキング時にタイヤ周方向の広い領域で摩耗するため、平坦部(フラットスポット)が形成されにくい。すなわち、フラットスポットが低減できる。
なお、本実施形態に係るベルト補強層26は、ショルダー部28だけに形成されていたが、図6に示すタイヤ70のように、ショルダー部28に第1ベルト補強層72Aを形成し、この第1ベルト補強層72Aよりタイヤ径方向外側に、ベルト層24を覆うように第2ベルト補強層72Bを形成してもよい。図6のタイヤ70では、一例として、第2ベルト補強層72Aを2層設けられている。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るタイヤ80について説明する。なお、第1実施形態と同一の構造については、同一の符号を付し、説明を省略する。図7に示すように、本実施形態のタイヤ80は、サイドウォール部82の内面にサイド補強ゴム84が形成されてる。
サイド補強ゴム84は、タイヤ80の内側壁を構成しており、サイド補強ゴム84の上端部84Aは、トレッド部14まで延びている。また、サイド補強ゴム84の下端部84Bは、ビード部88の近傍まで延びている。また、サイド補強ゴム84は、サイドウォール部82を形成するゴムよりも硬質のゴムで形成されており、タイヤ80が走行中にパンクしても、サイド補強ゴム84が車両及び乗員の重量を支えることで、一定の距離をパンク走行できるように構成されている。
ここで、カーカス層86のタイヤ幅方向の最外部Pとビードコア90の中心部90Aとを結ぶ直線L3と、直線TWLとがなすカーカスプライ86Aの角度θは、60度〜75度に設定されている。本実施形態では、一例として、60度に設定されている。
ショルダー部92には、ベルト層94の端部を覆うベルト補強層96が形成されており、ベルト補強層96は、第1実施形態のベルト補強層26と同様に、芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回して形成されている。
トレッド部91を構成するゴム部材とショルダー部92を構成するゴム部材との境界部Tからタイヤ赤道面までの幅を1/2Eとすると、トレッド部91の幅Eは、正規内圧を充填した無負荷状態で、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して、75%〜95%の幅で形成されている。本実施形態のタイヤ80では、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅が255mmであるのに対して、トレッド部91の幅Eが242mm(95%)となっている。
次に、本実施形態に係るタイヤ80の作用について説明する。走行中に車両から受ける荷重によって、サイドウォール部82が撓んでタイヤ幅方向に広がろうとするが、角度θが大きく、カーカス層86がタイヤ径方向側に起きているので、カーカス層86が撓みにくい。すなわち、サイドウォール部82が撓みにくくなっている。また、ビード部88に形成されたフリッパー97によりビード部88の剛性が高められ、サイドウォール部82が撓むのを抑制している。さらに、ベルト補強層96がベルト層94を補強して、トレッド部91の剛性を高めているので、トレッド部91の端部が路面200に押し付けられず、路面200とトレッド部91の接地幅GWが進行方向(タイヤ周方向)に長い略長方形になる(図3参照)。これにより、ブレーキング時にタイヤ周方向の広い領域で摩耗するため、平坦部(フラットスポット)が形成されにくい。
ここで、本実施形態のタイヤ80がパンクすると、タイヤ80に充填された空気(窒素)がタイヤ80の外部に漏れ、タイヤ80の空気圧が低下するが、サイドウォール部82の内面に形成されたサイド補強ゴム84が車両及び乗員の重量を支えているので、一定距離をパンク走行できる。
なお、本実施形態に係るサイド補強ゴム84は、走行中にパンクしても運転者に気付かれないため、タイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)を装備した車両に取り付けられるのが一般的であるが、TPMSを装備していない車両に取付けてもよい。
また、本実施形態に係るサイド補強ゴム84は、タイヤ80の内側壁を構成していたが、タイヤ内面にインナーライナーを配置して、サイドウォール部82とインナーライナーとの間にサイド補強ゴム84を設けても良い。この場合、サイド補強ゴム84が露出しないので、サイド補強ゴム84の劣化を抑制できる。
以上、本発明の第1、2実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、第1実施形態に係るフリッパー20は、タイヤ幅方向外側の一端部が長く形成されていたが、同じ長さで形成してもよい。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、本発明に係るタイヤ及び比較例のタイヤの計12種類のタイヤを用意して、以下の試験を実施した。試験に用いたタイヤの条件は、図8、9に示す通りである。なお、用いたタイヤのサイズは全て255/35R19とした。
試験1:実施例1〜4のラジアルタイヤ、及び比較例1、2のラジアルタイヤをそれぞれ車両に装着し、150km/hで30分間走行させた後、タイヤに車重がかかった状態でタイヤが完全に冷えるまで放置した。その後、タイヤの真円度を測定して、フラットスポットレベルを評価した。すなわち、負荷の前後における真円度をそれぞれ測定して、その差をフラットスポットレベルとして求め、比較例1のフラットスポットレベルを100として換算して図8に示した。フラットスポットレベルは、数値が小さいほど、低減できたことになる。また、各タイヤを装着して走行した際のドライバーのフィーリングによる操縦安定性、及び乗り心地の評価結果を図8に示した。評価結果は、比較例1の操縦安定性、及び乗り心地を100として換算したものである。なお、実施例1〜4、及び比較例1、2のタイヤは、第1実施形態と同様のベルト補強層とフリッパーが形成されたタイヤを用いた。また、偏平率は50%に統一した。
試験2:サイドウォール部の内面にサイド補強ゴムを形成したランフラットタイヤを用いて、試験1と同様の試験を行い、試験結果を図9に示した。評価結果は、比較例3のフラットスポットレベル、操縦安定性、及び乗り心地を100として換算した。なお、試験に用いた実施例5〜8、及び比較例3、4のタイヤは、サイド補強ゴムを形成した点を除いて、試験1の実施例1〜4、及び比較例1、2と同様の条件で製作した。
図8に示すように、実施例1〜4のタイヤのトレッド幅は、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して75%〜95%になっており、角度θは、60度〜75度に設定されている。ここで、実施例1〜4のタイヤは、比較例1のタイヤよりフラットスポットレベルが小さくなっている。このことから、トレッド幅、及びカーカス層の角度θを上記の範囲とすることで、路面とトレッド部の接地面が進行方向(タイヤ周方向)に長くなり、フラットスポットを低減できることが確認された。
また、ドライバーのフィーリング評価結果を見ると、実施例1〜4のタイヤにおける操縦安定性、及び乗り心地は、比較例1、2と同様か、それ以上となっているので、乗り心地、及び操縦安定性を損なうことなく、フラットスポットを低減できることが確認された。
次に、図9に示すように、サイドウォール部の内面にサイド補強ゴムが形成されたランフラットタイヤでは、図8の実施例1〜4と同様に、トレッド幅をJATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅に対して75%〜95とし、カーカスプライの角度を60度〜75度に設定した実施例5〜8において、比較例3よりフラットスポットレベルが小さくなっているのが分かる。また、乗り心地、及び操縦安定性は、比較例3、4と同様か、それ以上となっているので、乗り心地、及び操縦安定性を損なうことなく、フラットスポットを低減できることが確認された。
10 空気入りタイヤ
12 ビード部
14 トレッド部
18 ビードコア
20 フリッパー
22 カーカス層
24 ベルト層
26 ベルト補強層
70 空気入りタイヤ
72 ベルト補強層
72A 第1ベルト補強層
72B 第2ベルト補強層
80 空気入りタイヤ
84 サイド補強ゴム
86 カーカス層
88 ビード部
90 ビードコア
91 トレッド部
94 ベルト層
96 ベルト補強層
97 フリッパー
L1 直線
L2 直線
L3 直線
D トレッド幅

Claims (6)

  1. ビードコアが埋設された一対のビード部と、
    前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返される折返し部と、前記ビードコア間をトロイド状に延びる本体部とを含んで構成され、前記折返し部のタイヤ幅方向の最外部と前記ビードコアの中心部とを結ぶ直線が、タイヤの回転中心軸に対して60度〜75度の角度となるカーカス層と、
    前記カーカス層よりタイヤ径方向外側に形成され、JATMAで規定されたタイヤサイズ毎の呼び幅の75〜95%の幅を備えたトレッド部と、
    を有する空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカス層と前記トレッド部との間に形成されたベルト層と、
    前記ベルト層の外周部に巻回され、前記ベルト層を補強するベルト補強層と、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードコアと前記カーカス層との間に設けられ、複数本の芳香族ポリアミド繊維を前記ビードコアの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返して形成されるフリッパーを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト補強層は、芳香族ポリアミドとナイロンとを撚り合わせた複合コードからなり、該複合コードは、応力−伸び率曲線の原点から変曲点に至るまでの低弾性域と、変曲点を超える高弾性域とを有し、該変曲点が伸び率4%未満にあることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  5. 偏平率が55%以下である請求項1〜4の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トレッド部と前記ビード部とを連結するサイドウォール部の内面にサイド補強ゴムが形成されたランフラットタイヤであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
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