以下、本発明の実施の形態を、作業車両としての農作業用トラクタに適用した場合の図面について説明する。図1はトラクタの側面図、図2は同平面図、図3は油圧式の作業機用昇降機構の側面説明図、図4は同平面説明図、図5は図2のロータリ耕耘機のV−V線矢視側断面図、図6は同背面説明図、図7はトラクタの油圧回路図、図8は左右リヤカバーを設置したロータリ耕耘機の平面図、図9は図8のロータリ耕耘機のIX−IX線矢視背面断面図、図10は図9のロータリ耕耘機を左右に傾斜させた背面断面図、図11は左右リヤカバーをセンサとした制御手段の機能ブロック図、図12は左右リヤカバーをセンサとした作業機姿勢適応制御のフローチャート、図13は左右リヤカバーをセンサとした耕耘深さ制御のフローチャート、図14は左右及び中央リヤカバーを設置したロータリ耕耘機の平面図、図15は図14のロータリ耕耘機のXV−XV線矢視背面断面図、図16は図14のロータリ耕耘機を左右に傾斜させた背面断面図、図17は左右及び中央リヤカバーをセンサとした制御手段の機能ブロック図、図18は左右及び中央リヤカバーをセンサとした作業機姿勢適応制御及び傾斜角自動制御のフローチャート、図19は左右及び中央リヤカバーをセンサとした耕耘深さ制御のフローチャートである。
図1乃至図4に示す如く、作業車両としてのトラクタ1は、走行機体2を左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持し、前記走行機体2の前部に搭載したエンジン5にて後車輪4及び前車輪3を駆動することにより、前後進走行するように構成される。エンジン5はボンネット6にて覆われる。また、前記走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが設置される。キャビン7の外側部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられ、該ステップ10より内側で且つキャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
また、図1乃至図4に示されるように、前記走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部にボルトにて着脱自在に固定する左右の機体フレーム16とにより構成される。機体フレーム16の後部には、前記エンジン5の回転を適宜変速して後車輪4及び前車輪3に伝達するためのミッションケース17が連結されている。この場合、後車輪4は、前記ミッションケース17に対して、当該ミッションケース17の外側面から外向きに突出するように装着された後車軸ケース18、及びこの後車軸ケース18の外側端に後方に延びるように装着されたギヤケース19を介して取付けられている。
図3及び図4に示されるように、前記ミッションケース17の後部における上面には、作業機としてのロータリ耕耘機24を昇降動するための油圧式の作業機用昇降機構20が着脱可能に取付けられている。ロータリ耕耘機24は、ミッションケース17の後部に、一対の左右ロワーリンク21及びトップリンク22からなる3点リンク機構を介して連結される。左右ロワーリンク21の前端側を、ミッションケース17の後部の左右側面にロワーリンクピン25を介して回動可能に連結する。トップリンク22の前端側は、作業機用昇降機構20の後部のトップリンクヒッチ26にトップリンクピン27を介して連結する。さらに、ミッションケース17の後側面に、前記ロータリ耕耘機24にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸23が後向きに突出するように設けられている。
図3及び図4及び図7に示されるように、油圧式の作業機用昇降機構20には、後述する単動形の昇降制御油圧シリンダ28にて回動させるための1対の左右リフトアーム29が設置されている。進行方向に向かって左側のロワーリンク21とリフトアーム29とが、左リフトロッド30を介して連結されている。進行方向に向かって右側のロワーリンク21とリフトアーム29とは、右リフトロッド31、及びそのロッド31の一部を形成する複動形の傾斜制御油圧シリンダ32、及びそのシリンダ32のピストンロッド33とを介して連結されている。
図1に示すように、ロータリ耕耘機24における下リンクフレーム34の前端と左右一対のロワーリンク21とが、下ヒッチピン35aを介して連結され、トップリンク22の各後端側と上リンクフレーム34の前端側とが、上ヒッチピン34aを介して連結されている。
図1、図2、図5及び図6に示すように、ロータリ耕耘機24は、横長筒状のメインビーム36と、メインビーム36の左右側端部にそれぞれ上端側が連結されたチェンケース37及び軸受板38と、チェンケース37及び軸受板38の下端側に左右両端部が回転自在に軸支された耕耘爪軸39と、耕耘爪軸39に放射状にて着脱可能に取付く複数の耕耘爪40と、耕耘爪40の回転軌跡の上方を覆うように配置された耕耘上面カバー41と、耕耘爪40の回転軌跡の左右側方を覆うように配置された左右耕耘サイドカバー42と、耕耘爪40の回転軌跡の後方を覆うように配置された耕耘リヤカバー43と、メインビーム36に前端側が取付けられて後方に長く伸びる耕深調節フレーム44と、上リンクフレーム34の後端側と耕深調節フレーム44の前後方向の中間部とに連結された伸縮調節可能な耕深調節軸45等からなる。
なお、下リンクフレーム35はメインビーム36に一体的に連結され(図2及び図6参照)。トップリンク22は、ターンバックル22aの回転にて伸縮させて、そのリンク22の長さを変更調節可能となるように構成されている(図3及び図4参照)。上リンクフレーム34の前後方向の中間部は、耕深調節支点軸34bを介してメインビーム36に回動可能に連結されている(図1参照)。耕深調節フレーム44の前端側をメインビーム36に一体的に連結する。耕深調節ハンドル45aの回転操作にて耕深調節軸45を伸縮させたときには、ロワーリンク21及びトップリンク22にて支持されるロータリ耕耘機24が前傾姿勢または後傾姿勢に変化して、耕耘爪40による耕耘深さが変更可能に構成されている。
図1、図5及び図6に示されるように、メインビーム36の左右中央部には、PTO軸23からの駆動力を入力するためのギヤケース46を設置する。PTO軸23と、ギヤケース46の前面側のPTO入力軸46aとを、伸縮自在な伝動軸46bを介して連結する。PTO軸23からの動力が、ギヤケース46に内蔵したベベルギヤ(図示省略)、メインビーム36に内蔵した回転軸(図示省略)、チェンケース37に内蔵したスプロケット及びチェン(図示省略)等を介して耕耘爪軸39に伝えられ、耕耘爪40を図1において反時計方向に回転させることになる。
次に、図2、図5、図6、図8乃至図13を参照して、耕耘リヤカバー43を、1対の左右リヤカバー43a,43bにて形成したロータリ耕耘機24の構造と、同じくロータリ耕耘機24の傾斜角自動制御と、同じく耕耘爪40の耕耘深さ自動制御とを説明する。
図5及び図6及び図8に示されるように、耕耘リヤカバー43は、その左右幅方向の中央を境界として、その左右幅方向に略二等分に分割された1対の左右リヤカバー43a,43bからなる。耕耘上面カバー41の後端部には、枢着軸47を介して左右リヤカバー43a,43bの前端側を連結する。耕耘上面カバー41の後部の上面には、後傾姿勢の二組の左右ハンガーフレーム48を立設する。左右リヤカバー43a,43bの後端側を二組のハンガーフレーム48に二組の左右ハンガー機構49を介して上下動可能に連結する。二組のハンガーフレーム48の上端部には、受圧軸体48aを回動可能にそれぞれ配置する。二組のハンガー機構49には、細長い丸棒形のハンガーロッド50をそれぞれ配置する。受圧軸体48aは、ハンガーロッド50の上端側に被嵌させる。ハンガーロッド50の上端側には、下降規制ピン51を配置する。受圧軸体48aと下降規制ピン51の間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の下降規制板52を被嵌させる。
図5に示されるように、ハンガーロッド50の下端部を、支軸53を介して、左右リヤカバー43a,43bの後部上面のブラケット54に回動自在に連結する。ハンガーロッド50の下端側には、上昇規制ピン55を配置する。受圧軸体48aと上昇規制ピン55との間のハンガーロッド50には、ドーナツ形の上下座板56,57を介して、耕耘リヤカバー43に鎮圧力を付与するための鎮圧用圧縮バネ58を配置する。ロータリ耕耘機24が地表面から離れた高さに持上げられたときには、左右リヤカバー43a,43bの後端側が枢着軸47回りに下方側に回動し、下降規制ピン51が下降規制板52に当接し、下降規制板52が受圧軸体48aに当接し、左右リヤカバー43a,43bがこの後端側を最下降させた姿勢に維持されることになる。
一方、ロータリ耕耘機24が耕地上面に降ろされ、耕耘爪40が着地して、耕耘作業が開始されたときには、左右リヤカバー43a,43bの後端側が、耕耘された耕土との接地圧にて枢着軸47回りに上方に回動することになる。また、左右リヤカバー43a,43bの後端側が枢着軸47回りに上方に回動したときには、鎮圧用圧縮バネ58が圧縮されて、耕耘リヤカバー43の後端側の上方への回動が鎮圧用圧縮バネ58にて規制されることになる。そのため、耕耘爪40から左右リヤカバー43a,43bの後方に排出される耕土量が制限されたり、耕土表面が左右リヤカバー43a,43bの移動にて均平に均されることになる。
図5、図9、図10に示されるように、左右リヤカバー43a,43bの隣接側の端部には、側面ガード手段としての略垂直な側板70a,70bを連結する。側板70a,70bは、左右リヤカバー43a,43bの隣接した側端部を上面側に折り曲げて形成する。隣接した各側板70a,70bは、各側板70a,70bの間に隙間が形成されないように、各側板70a,70bの対向する側面を移動可能に当接させる。このように、左右リヤカバー43a,43bの側部には、その側部と隣接する側部との間に、耕耘土が下面側から上面側に移動するのを阻止するための各側板70a,70bを配置した構成により、左右リヤカバー43a,43bが上下動してこれらの支持高さが異なったときに、耕耘爪40から飛散した土が、左右リヤカバー43a,43bの境界から飛び出るのを、各側板70a,70bにて阻止することになる。
即ち、左右リヤカバー43a,43b間の隙間を各側板70a,70bにて閉塞したから、左右リヤカバー43a,43bの上面側に付着する土量を低減させ、左右リヤカバー43a,43bの重量がこの上面の土量にて変化するのを防ぎ、左右リヤカバー43a,43bのセンサ機能を適正に維持し、ロータリ耕耘機24の左右傾斜角を略一定に維持する後述の傾斜角自動制御、または耕耘爪40の耕耘深さを略一定に維持する後述の耕耘深さ自動制御を実行することになる。なお、各側板70a,70bの代わりに、左右リヤカバー43a,43b間の隙間を伸縮可能なゴムシート等にて閉塞することも可能である。
図7は本実施形態のトラクタ1の油圧回路100を示し、エンジン5の回転力により作動する作業機用油圧ポンプ101を備える。作業機用油圧ポンプ101は、作業機用昇降機構20における昇降制御油圧シリンダ28に作動油を供給制御するための上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103と、傾斜制御油圧シリンダ32に作動油を供給制御するための傾斜制御電磁弁104とに、分流弁105を介して接続している。昇降制御油圧シリンダ28の作動油の圧力を電気的信号に変換して検出するためのダイヤフラム式油圧センサ106と、昇降制御油圧シリンダ28の作動油の温度を電気的信号に変換して検出するための熱電対式油温センサ107とを備える。この油圧回路100には、図7に示すように、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等を備えている。
次に、本実施形態のロータリ耕耘機24の姿勢制御(左右方向の傾斜角度制御、耕耘爪40の耕耘深さ制御)について説明する。図11は、ロータリ耕耘機24の姿勢制御手段の機能ブロック図であり、制御プログラムを記憶したROMと各種データを記憶したRAMとを備えたマイクロコンピュータ等の姿勢制御コントローラ110は、電源印加用キースイッチ111を介してバッテリ112に接続される。キースイッチ111は、エンジン5を始動するためのスタータ113に接続される。
また、図11に示されるように、姿勢制御コントローラ110には、エンジン5の回転を制御する電子ガバナコントローラ114が接続されている。電子ガバナコントローラ114には、エンジン5の燃料を調節するガバナ115と、エンジン5の回転数を検出するエンジン回転センサ116とが接続される。ガバナ115に設けた燃料調節ラック(図示省略)が、手動操作するスロットルレバー117の回動位置をスロットルポテンショメータ118にて検出し、その検出値に基づいて、エンジン5の回転数が設定されたとき、電子ガバナコントローラ114からの信号にてスロットルレバー117の設定回転数とエンジン5の回転数が一致するように、燃料調節ラック駆動用のスロットルソレノイド119を介して燃料調節ラックが自動的に位置調節され、負荷変動などによってエンジン5の回転が変化するのを防ぐ、換言すると、負荷の変動に拘らずエンジン5の回転数が略一定回転を保持するように構成されている。
さらに、姿勢制御コントローラ110には、図11に示すように、入力系の各種センサ及びスイッチ類、即ち、トラクタ1の左右方向の傾斜角を検出する振子式のローリングセンサ120と、トラクタ1が左右方向に傾動開始したときの角速度を検出するガスレート式のローリングジャイロセンサ121と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の相対的な左右方向の傾斜角を検出するポテンショメータ型の作業機ポジションセンサ122と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の左右方向の相対傾斜角をオペレータが設定する傾斜設定ダイヤル123と、耕耘爪40の耕耘深さ変動にて変化する左右リヤカバー43a,43bの回動角を検出するポテンショメータ型の左右リヤカバーセンサ124a,124bと、左右リヤカバーセンサ124a,124bの出力から限定された帯域の信号出力を取出すローパスフィルタまたはノッチフィルタ等のフィルタ125a,125bと、耕耘爪40の耕耘深さをオペレータが設定する耕深設定ダイヤル126と、前後車輪3,4の回転速度(走行速度)を検出するための車速センサ127と、リフトアーム29の回動角度を検出するポテンショメータ型のリフト角センサ129と、前記ローリングセンサ120の出力または前記リヤカバーセンサ12a,124bの出力のいずれか一方を択一的に読み込むための傾斜地用切換手段として傾斜地スイッチ130が接続されている。
姿勢制御コントローラ110には、図11に示すように、出力系の各種電磁弁、即ち、上昇制御電磁弁102と、下降制御電磁弁103と、傾斜制御電磁弁104とが接続されている。そして、後述する傾斜角自動制御及び耕耘深さ自動制御を実行することになる。左右リヤカバーセンサ124a,124bの耕耘深さの検出結果に基づき、上昇制御電磁弁102または下降制御電磁弁103のいずれかを切換えて、昇降制御油圧シリンダ28を作動させ、耕耘爪40の耕耘深さが耕深設定ダイヤル126の設定耕深値になるように、耕耘爪40の耕耘深さを自動的に制御するための耕耘深さ自動制御が実行される。また、ローリングジャイロセンサ121の検出結果と、ローリングセンサ120の検出結果に基づき、傾斜制御電磁弁104を切換えて、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を自動的に制御する傾斜角自動制御が実行される。一方、後述するように、左右リヤカバーセンサ124a,124bの左右傾斜角の検出結果に基づき、傾斜制御電磁弁104を切換えて、ロータリ耕耘機24の傾斜角自動制御が実行される。
本実施形態では、図1及び図2及び図8に示されるように、運転部(キャビン)7内の操縦座席8の前方の床板59から突出する操縦コラム60上に丸ハンドル型の操縦ハンドル9が配置され、操縦コラム60より右方にスロットルレバー117と左右ブレーキペダル61とが配置されている。また、操縦コラム60より左方にクラッチペダル62が配置されている。操縦座席8の右側コラム上には、作業機昇降レバー63と、PTO変速レバー64と、傾斜設定ダイヤル123と、耕深設定ダイヤル126と、傾斜地スイッチ130とが配置されている。操縦座席8の左側コラム上には走行変速レバー65が配置されている。操縦座席8の左側コラムの前にはデフロックペダル66が配置されている。操縦座席8の後方側で、作業機用昇降機構20の上面側には、ローリングセンサ120と、ローリングジャイロセンサ121とが配置されている。
また、図2及び図5及び図8に示されるように、耕耘上面カバー41の後部の上面には、左右リヤカバーセンサ124a,124bが配置されている。左右リヤカバー43a,43bと、左右リヤカバーセンサ124a,124bとを、センサアーム67及びセンサリンク68等を介して連結する。
次に、作業機姿勢適応制御のフローチャート(図12)を参照しながら、ロータリ耕耘機24の姿勢適応制御態様を説明する。
ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降可能に連結し、トラクタ1のエンジン5が始動され、自動制御作動(図示しない自動制御スイッチのON操作)中は、リフト角センサ129からロータリ耕耘機24の対本機支持高さを読み込む(S1)。また、傾斜地スイッチ130をONにしていないときには(S2;no)、ローリングセンサ120の左右傾斜角検出値と、ローリングジャイロセンサ121の左右傾斜の角速度検出値とを読み込み(S3)、後述する傾斜角自動制御を開始する(S4)。そのときには、左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値は、読み込まれない。
図12のフローチャートを参照して、トラクタ1に装着したロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜を制御する傾斜角自動制御について説明する。
ローリングジャイロセンサ121の角速度検出値が、姿勢制御コントローラ110に入力された場合(S3)、前記ジャイロセンサ121の角速度検出値に基づき、傾斜制御電磁弁104を、ロータリ耕耘機24の左右傾斜を修正する方向に作動させ、傾斜角自動制御を開始する(S4)。傾斜制御油圧シリンダ32の左傾斜(左側が下降、右側が上昇)または右傾斜(右側が下降、左側が上昇)の動作を開始し、ロータリ耕耘機24の左右いずれか一方の傾斜角を変更させる。
傾斜制御油圧シリンダ32が傾斜制御電磁弁104の切換にて作動を開始したときには、オペレータが設定した傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の現在の左右方向の傾斜角度を検出した作業機ポジションセンサ122のポジション検出値とが読み込まれる(S5)。その読み込まれた傾斜角設定値及びポジション検出値に基づき、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を演算する(S6)。ステップ6にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致するか否かを判断する(S7)。
そして、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致した場合(S7;yes)、傾斜制御電磁弁104を中立位置に復帰維持して(S8)、傾斜制御油圧シリンダ32を停止させる。ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致していない場合(S7;no)、傾斜制御電磁弁104を切換え位置に維持して、傾斜制御油圧シリンダ32を作動させる(S9)。なお、上述のステップ3において、ローリングジャイロセンサ121からの出力がないときには、ロータリ耕耘機24の水平に対する現在の傾斜角度が維持される。
一方、傾斜地スイッチ130をONにしたときには(S2;yes)、左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値を読み込み(S10)、上述した傾斜角自動制御を開始する(S4)。そのときには、ローリングセンサ120の左右傾斜角検出値、及びローリングジャイロセンサ121の左右傾斜の角速度検出値は、読み込まれない。
左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値を読み込んで(S10)、傾斜角自動制御を開始したときには(S4)、その読み込まれた左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の出力の差と、傾斜角設定値及びポジション検出値に基づき、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を演算する(S6)。ステップ6にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致するか否かを判断する(S7)。
そして、ステップ6にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致していない場合(S7;no)、傾斜制御電磁弁104を切換え位置に作動して(S9)、傾斜制御油圧シリンダ32を作動させる。ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致した場合(S7;yes)、傾斜制御電磁弁104を中立位置に復帰維持して(S8)、傾斜制御油圧シリンダ32を停止させる。なお、上述のステップ10において、左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の出力の差が略零のときには、ロータリ耕耘機24の水平に対する現在の傾斜角度が維持される。
上述のように、ロータリ耕耘機24の傾斜角自動制御が実行された後、後述する耕耘深さ自動制御が実行される(S11)。
次に、図13のフローチャートを参照して、トラクタ1に装着したロータリ耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを制御する耕耘深さ自動制御について説明する。
リフト角センサ129からロータリ耕耘機24の対本機支持高さを読み込み(S12)、耕耘爪40の現在の耕耘深さを検出した左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値を読み込み(S13)、オペレータが設定した耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値を読み込む(S14)。読み込まれた左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の平均値と、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値とから、現在の耕耘爪40の耕耘深さを演算する(S15)。
そして、耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致するか否かを判断する(S16)。耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致していないときには(S16;no)、上昇制御電磁弁102、または下降制御電磁弁103のいずれかを、耕耘爪40の耕耘深さを修正する方向に作動させ、昇降制御油圧シリンダ28が上昇動作または下降動作を開始させ、耕耘爪40の耕耘深さを修正する(S17)。そのステップ17の制御動作にて、耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致した場合(S16;yes)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰維持して(S18)、昇降制御油圧シリンダ28を停止させる。
したがって、図9または図10に示されるように、耕耘爪40を耕耘地面に着地させて、耕耘爪40を駆動して耕耘する場合、耕耘地面に着地した左右リヤカバー43a,43bは、耕耘爪40にて耕起された土を圧縮バネ58の弾圧にて鎮圧し、耕耘地面の表面を均平に均す。
図9に示されるように、前記ロータリ耕耘機24の左側と右側の耕土量が異なる場所を耕耘する場合、例えば前記ロータリ耕耘機24が、畝と溝に跨った状態で移動して、耕耘した場合などにおいて、左右リヤカバー43a,43bのいずれか一方(畝側)の耕土量の多い側が上方に移動し、且つ左右リヤカバー43a,43bのいずれか他方(溝側)の耕土量の少ない側が下方に移動し、左右リヤカバー43a,43bの左右幅方向の鎮圧力が、耕耘爪40の耕耘全幅に亘って略均等に作用する。そのため、畝または溝などが耕耘地面に形成されていて、左右リヤカバー43a,43bの左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが相違しやすい場所の耕耘作業において、単一のリヤカバーを設けた従来構造に比べ、左右リヤカバー43a,43bの鎮圧力が作用しない場所(左右リヤカバー43a,43bにて均されない領域)が、既耕耘地面の一部に形成される虫食い現象の発生を低減できる。
一方、図10に示されるように、前記ロータリ耕耘機24が左側または右側に所定角度θ傾いた傾斜地を耕耘する場合、例えば前記トラクタ1及びロータリ耕耘機24が、左右方向に傾斜した状態で移動して、耕耘した場合などにおいて、傾斜上端側(図10の左側)のリヤカバー43aが上方に移動し、且つ傾斜下端側(図10の右側)のリヤカバー43bが下方に移動し、左右リヤカバー43a,43bの左右幅方向の鎮圧力が、耕耘爪40の耕耘全幅に亘って略均等に作用する。そのため、左右リヤカバー43a,43bの左右方向の傾斜角と耕耘地面の傾斜角θとが相違しやすい傾斜地などの耕耘作業において、単一のリヤカバーを設けた従来構造に比べ、左右リヤカバー43a,43bの側端部(傾斜地の傾斜下端側の端部)が耕耘地面の上方に浮き上がって、左右リヤカバー43a,43bの鎮圧力が作用しない場所(左右リヤカバー43a,43bにて均されない領域)が、既耕耘地面の一部に形成される虫食い現象の発生を低減できる。
次に、図14乃至図19を参照して、耕耘リヤカバー43を、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cにて形成したロータリ耕耘機24の構造と、同じくロータリ耕耘機24の傾斜角自動制御と、同じく耕耘爪40の耕耘深さ自動制御とを説明する。
図14乃至図16に示されるように、耕耘リヤカバー43は、その左右幅方向に略三等分に分割した左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cからなる。上述した図8乃至図10と同様に、耕耘上面カバー41の後端部には、枢着軸47及び各ハンガー機構49を介して左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cを連結する。ロータリ耕耘機24が地表面から離れた高さに持上げられたときには、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cがこの後端側を最下降させた姿勢に維持されることになる。一方、ロータリ耕耘機24が耕地上面に降ろされ、耕耘爪40が着地して、耕耘作業が開始されたときには、耕耘爪40から左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの後方に排出される耕土量が制限されたり、耕土表面が左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの移動にて均平に均されることになる。なお、図8乃至図10と同一の箇所には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
次に、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cを配置した本実施形態のロータリ耕耘機24の姿勢制御(左右方向の傾斜角度制御、耕耘爪40の耕耘深さ制御)について説明する。図17は、図11と同様に、ロータリ耕耘機24の姿勢制御手段の機能ブロック図であり、姿勢制御コントローラ110は、バッテリ112に接続される。姿勢制御コントローラ110には、エンジン5の回転を制御する電子ガバナコントローラ114が接続されている。
さらに、姿勢制御コントローラ110には、図17に示すように、耕耘爪40の耕耘深さ変動にて変化する左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの回動角を検出するポテンショメータ型の左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cと、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの出力から限定された帯域の信号出力を取出すローパスフィルタまたはノッチフィルタ等のフィルタ125a,125b,125cが接続されている。後述するように、姿勢制御コントローラ110は、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの耕耘深さの検出結果に基づき、上昇制御電磁弁102または下降制御電磁弁103のいずれかを切換えて、耕耘爪40の耕耘深さを自動的に制御するための耕耘深さ自動制御を実行する。
また、ローリングジャイロセンサ121の検出結果と、ローリングセンサ120のトラクタ1の左右傾斜角の検出結果に基づき、傾斜制御電磁弁104を切換えて、傾斜制御油圧シリンダ32を作動させ、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を自動的に制御するための傾斜角自動制御を実行する。一方、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの左右傾斜角の検出結果に基づき、傾斜制御電磁弁104を切換えて、傾斜角自動制御を実行する。
本実施形態では、図14乃至図16に示されるように、耕耘上面カバー41の後部の上面には、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cが配置されている。左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cと、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cとを、センサアーム67及びセンサリンク68等を介して連結する。
次に、作業機姿勢適応制御のフローチャート(図18)を参照しながら、耕耘リヤカバー43を三分割したロータリ耕耘機24の姿勢適応制御態様を説明する。
ロータリ耕耘機24を、ロワーリンク21及びトップリンク22を介してトラクタ1の後側に昇降可能に連結し、トラクタ1のエンジン5が始動され、自動制御作動(図示しない自動制御スイッチのON操作)中は、リフト角センサ129からロータリ耕耘機24の対本機支持高さを読み込む(S18)。また、傾斜地スイッチ130をONにしていないときには(S19;no)、ローリングセンサ120の左右傾斜角検出値と、ローリングジャイロセンサ121の左右傾斜の角速度検出値とを読み込み(S20)、後述する傾斜角自動制御を開始する(S21)。そのときには、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの検出値は、読み込まれない。
図18のフローチャートを参照して、トラクタ1に装着したロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜を制御する傾斜角自動制御について説明する。
ローリングジャイロセンサ121の角速度検出値が、姿勢制御コントローラ110に入力された場合(S20)、前記ジャイロセンサ121の角速度検出値に基づき、傾斜制御電磁弁104を、ロータリ耕耘機24の左右傾斜を修正する方向に作動させ、傾斜角自動制御を開始する(S21)。傾斜制御油圧シリンダ32の左傾斜(左側が下降、右側が上昇)または右傾斜(右側が下降、左側が上昇)の動作を開始し、ロータリ耕耘機24の左右いずれか一方の傾斜角を変更させる。
傾斜制御油圧シリンダ32が傾斜制御電磁弁104の切換にて作動を開始したときには、オペレータが設定した傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と、トラクタ1に対するロータリ耕耘機24の現在の左右方向の傾斜角度を検出した作業機ポジションセンサ122のポジション検出値とが読み込まれる(S22)。その読み込まれた傾斜角設定値及びポジション検出値に基づき、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を演算する(S23)。ステップ6にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致するか否かを判断する(S24)。
そして、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致している場合(S24;yes)、傾斜制御電磁弁104を中立位置に維持して(S25)、傾斜制御油圧シリンダ32を停止保持する。ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致していない場合(S24;no)、傾斜制御電磁弁104を切換え位置に切換えて、傾斜制御油圧シリンダ32を作動させる(S26)。
一方、傾斜地スイッチ130をONにしたときには(S19;yes)、左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値を読み込み(S27)、上述した傾斜角自動制御を開始する(S21)。そのときには、ローリングセンサ120の左右傾斜角検出値、及びローリングジャイロセンサ121の左右傾斜の角速度検出値は、読み込まれない。
左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値を読み込んで(S27)、傾斜角自動制御を開始したときには、(S21)。その読み込まれた左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の出力の差と、傾斜角設定値及びポジション検出値に基づき、ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角を演算する(S23)。ステップ23にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致するか否かを判断する(S24)。
そして、ステップ23にて演算されたロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致していない場合(S24;no)、傾斜制御電磁弁104を切換え位置に作動して(S26)、傾斜制御油圧シリンダ32を作動させる。ロータリ耕耘機24の左右方向の傾斜角が、傾斜設定ダイヤル123の傾斜角設定値と一致した場合(S24;yes)、傾斜制御電磁弁104を中立位置に復帰維持して(S25)、傾斜制御油圧シリンダ32を停止させる。なお、上述のステップ27において、左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の出力の差が略零のときには、ロータリ耕耘機24の水平に対する現在の傾斜角度が維持される。
上述のように、ロータリ耕耘機24の傾斜角自動制御が実行された後、後述する耕耘深さ自動制御が実行される(S28)。
次に、図19のフローチャートを参照して、トラクタ1に装着したロータリ耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを制御する耕耘深さ自動制御について説明する。
リフト角センサ129からロータリ耕耘機24の対本機支持高さを読み込み(S29)、耕耘爪40の現在の耕耘深さを検出した中央リヤカバーセンサ124cの検出値を読み込み(S30)、オペレータが設定した耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値を読み込む(S31)。読み込まれた中央リヤカバーセンサ124cの検出値と、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値とから、現在の耕耘爪40の耕耘深さを演算する(S32)。
そして、耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致するか否かを判断する(S33)。耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致していないときには(S33;no)、上昇制御電磁弁102、または下降制御電磁弁103のいずれかを、耕耘爪40の耕耘深さを修正する方向に作動させ、昇降制御油圧シリンダ28が上昇動作または下降動作を開始させ、耕耘爪40の耕耘深さを修正する(S34)。そのステップ34の制御動作にて、耕耘爪40の耕耘深さが、耕深設定ダイヤル126の耕耘深さ設定値と一致した場合(S33;yes)、上昇制御電磁弁102及び下降制御電磁弁103を中立位置に復帰維持して(S35)、昇降制御油圧シリンダ28を停止させる。
図15及び図16を参照して、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの均平作用を説明する。耕耘爪40を耕耘地面に着地させて、耕耘爪40を駆動して耕耘する場合、耕耘地面に着地した左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cは、耕耘爪40にて耕起された土を圧縮バネ58の弾圧にて鎮圧し、耕耘地面の表面を均平に均す。
図15に示されるように、前記ロータリ耕耘機24の左側と右側の耕土量が異なる場所を耕耘する場合、例えば前記ロータリ耕耘機24が、畝と溝に跨った状態で移動して、耕耘した場合などにおいて、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cのいずれか一方(畝側)の耕土量の多い側が上方に移動し、且つ左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cのいずれか他方(溝側)の耕土量の少ない側が下方に移動し、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの左右幅方向の鎮圧力が、耕耘爪40の耕耘全幅に亘って略均等に作用する。
そのため、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの側端部(耕土量が少ない溝側の端部)が耕耘地面の上方に浮き上がって、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの鎮圧力が作用しない場所(左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cにて均されない領域)が、既耕耘地面の一部に形成される虫食い現象の発生を低減できる。畝または溝などが耕耘地面に形成されていて、耕耘リヤカバー43の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが相違しやすい場所の耕耘作業において、図9の耕耘リヤカバー43の二分割構造に比べて、前記虫食い現象をさらに減少できる。
一方、図16に示されるように、前記ロータリ耕耘機24が、左側または右側に傾いた傾斜地を耕耘する場合、例えば前記トラクタ1及びロータリ耕耘機24が、左右方向に所定角度θ傾斜した状態で移動して、耕耘した場合などにおいて、傾斜上端側(図10の左側)のリヤカバー43aが上方に移動し、且つ傾斜下端側(図10の右側)のリヤカバー43bが下方に移動し、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの左右幅方向の鎮圧力が、耕耘爪40の耕耘全幅に亘って略均等に作用する。
そのため、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの側端部(傾斜地の傾斜下端側の端部)が耕耘地面の上方に浮き上がって、左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの鎮圧力が作用しない場所(左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cにて均されない領域)が、既耕耘地面の一部に形成される虫食い現象の発生を防止することになる。左右及び中央リヤカバー43a,43b,43cの左右方向の傾斜角と耕耘地面の傾斜角とが相違しやすい傾斜地などの耕耘作業において、図9の耕耘リヤカバー43の二分割構造に比べて、前記虫食い現象をさらに減少できる。
なお、図19のフローチャートにおいて、中央リヤカバーセンサ124cの検出値を読み込んで、耕耘爪40の耕耘深さ自動制御を実行したが、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの検出値を読み込んで、左右及び中央リヤカバーセンサ124a,124b,124cの検出値の平均値を、現在の耕耘爪40の耕耘深さとして、耕耘爪40の耕耘深さ自動制御を実行してもよい。
上記の記載並びに図11及び図17などから明らかなように、前車輪3及び後車輪4にて走行自在に支持された作業車両1に、耕耘機24をリンク機構としてのロワーリンク21及びトップリンク22を介して昇降可能に装着し、前記耕耘機24を昇降動する昇降制御アクチュエータとしての昇降制御油圧シリンダ28と、前記耕耘機24を前記作業車両1に対して左右に傾動させる傾斜制御アクチュエータとしての傾斜制御油圧シリンダ32と、前記昇降制御アクチュエータ28または前記傾斜制御アクチュエータ32を作動させる姿勢制御手段としての姿勢制御コントローラ110とを備えてなる作業機の姿勢制御装置において、前記耕耘機24に、その左右幅方向に分割形成した複数のリヤカバー43a,43b,43cを、それぞれ独立的に上下動可能に配置し、前記複数のリヤカバー43a,43b,43cの少なくとも一つの上下動を検出するリヤカバーセンサ124a,124b,124cを備え、前記姿勢制御手段110は、前記単一または複数のリヤカバーセンサ124a,124b,124cの検出結果に基づき、前記傾斜制御アクチュエータ32または前記昇降制御アクチュエータ28を作動させるように制御するものであるから、
前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記リヤカバー43を検出手段として実行する耕耘機24の耕耘自動制御の性能を向上できる。例えば耕耘機24の左右方向の傾斜を略一定に維持する傾斜角自動制御、または耕耘爪40が圃場を耕耘する深さを略一定に維持する耕耘深さ自動制御などの性能を向上できる。
上記の記載並びに図11などから明らかなように、前記リヤカバー43は、前記耕耘機24の左右幅方向に二分割した1対の左右リヤカバー43a,43bからなり、前記姿勢制御手段110は、前記左右リヤカバー43a,43bの上下動をそれぞれ検出する左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出結果に基づき、前記傾斜制御アクチュエータ32または前記昇降制御アクチュエータ28のいずれか一方または両方を作動させるように制御するものであるから、例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記左右リヤカバー43a,43bを検出手段として、耕耘機24の左右方向の傾斜を略一定に維持する傾斜角自動制御、または耕耘爪40が圃場を耕耘する深さを略一定に維持する耕耘深さ自動制御などの性能を向上できる。
上記の記載並びに図11及び図17などから明らかなように、前記姿勢制御手段110は、前記左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の差に基づき、前記耕耘機24の左右方向の傾斜角を演算し、前記傾斜制御アクチュエータ28を作動させるように制御するものであるから、例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記左右リヤカバー43a,43bを検出手段として、耕耘機24の左右方向の傾斜を略一定に維持する傾斜角自動制御の性能を向上できる。
上記の記載並びに図11などから明らかなように、前記姿勢制御手段110は、前記左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の平均値に基づき、前記耕耘機24の耕耘爪40の耕耘深さを演算し、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させるように制御するものであるから、例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記左右リヤカバー43a,43bを検出手段として、耕耘爪40が圃場を耕耘する深さを略一定に維持する耕耘深さ自動制御の性能を向上できる。
上記の記載並びに図17などから明らかなように、前記リヤカバー43は、前記耕耘機24の左右幅方向に左右及び中央に三分割した左右及び中央のリヤカバー43a,43b,43cからなり、前記姿勢制御手段110は、前記中央リヤカバー43cの上下動を検出する中央リヤカバーセンサ124cの検出結果に基づき、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させるように制御するものであるから、例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記中央リヤカバー43cを検出手段として、耕耘爪40が圃場を耕耘する深さを略一定に維持する耕耘深さ自動制御の性能を向上できる。
上記の記載並びに図17などから明らかなように、前記姿勢制御手段110は、前記中央リヤカバーセンサ124cの検出結果に基づき、前記昇降制御アクチュエータ28を作動させる一方、前記左右リヤカバー43a,43bの上下動をそれぞれ検出する左右リヤカバーセンサ124a,124bの検出値の差に基づき、前記傾斜制御アクチュエータ32を作動させるように制御するものであるから、例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。前記左右リヤカバー43a,43bを検出手段として、耕耘機24の左右方向の傾斜を略一定に維持する傾斜角自動制御の性能を向上できる。
上記の記載並びに図5及び図9及び図15などから明らかなように、前記各リヤカバー43a,43b,43cの側部には、その側部と隣接する側部との間に、耕耘土が下面側から上面側に移動するのを阻止するための側面ガード手段としての側板70a,70bを配置したものであるから、耕耘爪40から飛散した土が、前記各リヤカバー43a,43b,43cの境界から飛び出るのを、前記側面ガード手段70a,70bにて防止できる。前記各リヤカバー43a,43b,43cの上面側に付着する土量を低減でき、前記各リヤカバー43a,43b,43cのセンサ機能を維持できる。
上記の記載並びに図11及び図17などから明らかなように、前記作業車両1の水平に対する左右方向の傾斜角を検出するローリングセンサ120と、前記ローリングセンサ120の出力または前記左右リヤカバーセンサ124a,124bの出力のいずれか一方を前記姿勢制御手段110に択一的に読み込むための傾斜地用切換手段としての傾斜地スイッチ130とを備えたものであるから、オペレータが傾斜地用切換手段130を作業状況に応じて切換え、前記ローリングセンサ120と前記左右リヤカバーセンサ124a,124bとを使い分けて、前記耕耘機24の左右方向の傾斜を略一定に維持する傾斜角自動制御を実行できる。例えば前記耕耘機24の左側の耕耘土量と右側の耕耘土量とが等しくなくても、また、傾斜地の耕耘作業においても、従来のような作溝現象または虫食い現象などの発生を低減できる。